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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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181.  陽はまた昇る(2002) 《ネタバレ》 
実話ベースとしていますが、サラリーマンのサクセスストーリーとしては王道の展開で、実に映画的なエピソードだったように思う。 主人公の加賀谷邦男氏は、まるで釣りバカ日誌のハマちゃんが仕事に目覚めたような感じの人。温かくて正直で、情熱家。そして何より、彼は相手を職位や肩書きで値踏みしなかった。だから、"サラリーマン" としてではなくて、私は一人の人間として彼が好きでした。上司や部下たち、ついには松下の相談役までも彼の熱意に心動かされる展開は心を打つものがあり、一介の会社人として、よい映画を観させてもらった、という感想です。 ただ残念なのは、この業界の素人目には彼らのその凄さがよく伝わらなかった、ということ。「技術者」とか、「開発者」とか、やたら連呼して飛び交ってはいます。その彼らが寝る間も惜しんで、努力しているのはよく伝わる。そして、家庭用ビデオの開発競争において、日本ビクターの技術者たちは、結果的にソニーや松下よりも有能だったのだろう。でも、何がどう有能だったの? と言われると、ちょっと答えようもない。全体的に、表面的なトピックをピックアップしただけで、その革新的な発想や技術そのものにはほとんど触れていなかったような気がします。(そもそも企業秘かもしれませんが) そうそう、「VHS」の人文字。どうして、このビッグサプライズを予告編で上映するかなあ? おかげさまで、驚きも感動も半減しましたよ。そこはもう少し考えて、制作してほしい。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-09-24 12:14:52)
182.  めがね
投稿前に調べたところ、本作の舞台は (鹿児島の) 与論島。恥ずかしながら、私は東京ディズニーランドが東京と思うがごとく、ここは日本の南の島だから「沖縄」と思い込んで観ていました・・。そういう、見た目や印象で人やモノを判断してはいけない、という映画です。(嘘) 「かもめ」と同じく、登場人物たちの素性は一切明かされません。しかし、こういう「ダーツの旅」的な現実逃避系映画は、目的や「履歴書」の全く見えない人たちの方が面白いかも。 色々と暗示的な映画で、めがね、メルシー体操、、それぞれ日本人の個性と勤勉さ、規律と協調性を象徴しているように思いますが、それをどう解釈するかは、視聴者それぞれの心に委ねているような気がします。 例えば、実際には生死の境を彷徨っているタエコさんが、夢枕に立ったサクラさんに「こっちにはまだ来るな」と突き返された、そして「めがね」を落として目が覚めた (息を吹き返した) 、、いわゆる、これは全てタエコさんの夢だったという「夢オチ」的な考え方もアリかも知れません。 全体的に、風景と食、それと時間の流れ方 (使い方) はとても好きでした。 あと、小林聡美さんと薬師丸ひろ子さんの共演、なんだかとても貴重な瞬間を目撃してしまった気がします。やり取りは実にアホらしかったですが (笑)
[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-31 22:28:04)
183.  シェフ 三ツ星フードトラック始めました 《ネタバレ》 
まず、「料理」をモチーフにした映画として、ちゃんと料理をしている、そしてその出来上がった料理が美味しそう。ここはポイント高い。やや展開が都合よすぎる感じはしますが、こういう観終えた後に元気の出る映画はキライじゃない。 それはさておき、個人的にすごく感じたことを。 あくまで料理の映画ではありますが、モノを作るプロが (一人) いて、そこにまつわる人と経営と評価とお金、という、本質的には「ビジネス」のお話。すると本作は、「アイアンマン」シリーズのジョン・ファヴローだし、ハリウッド映画界の大作至上主義 (金満主義) とか、その映画評論家たちへの当て付けですかね、そのあたりの含みをどうしても感じるんです (笑) フードトラックとキューバサンドの組合せは、ミニシアターと良質な低予算映画の愛すべき関係を意識してるのかなぁ、って。 監督、本当は「クレイマー・クレイマー」みたいの、撮りたいんじゃない?
[DVD(字幕)] 7点(2021-08-31 13:38:05)
184.  461個のおべんとう 《ネタバレ》 
あのう、、ここは井ノ原さんの (隠れ) ファンサイトでしょうか?(笑) 確かに、これは完全に「井ノ原さん」の映画ですねぇ。イケメンで、歌えて、料理ができる。そして、頑張りすぎず、(ってがんばってるけど) あくまで自然体でちょっとユルい感じがまたいいんだ、これが。 しかし、時代も変わったな、という感想を持ったのも事実で。うちの父さんたら、怒ったらすぐに「ちゃぶ台」ひっくり返すような、そんな「昭和」の親父だったから、働きながら僕のために高校3年間461個のおべんとうを作る、なんてとても想像できません。おまけに、石原裕次郎さんみたいな服装してたし。(それは関係ない) とにかく、昔の邦画では絶対ありえないストーリーだし、理想の父親像の変化、を改めて感じた映画でございました。 ・・って、私自身が父親になったことがないので、いい歳して息子目線のコメントになってもうた・・(泣) もちろん、色とりどりの「お弁当」を眺めるだけでも楽しくて、とてもよい映画であったと思いますが、エンディングの親子そろったハーモニーは苦手でした。だって、あれのせいで本当にファン向けのプロモーションビデオのようになってしまいましたから。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-25 00:01:27)
185.  サマータイムマシン・ブルース 《ネタバレ》 
まず、こいつらが大学生には全く見えんし (笑) お前ら、そんなに暑いなら、自分の家に帰ってエアコンのガンガン効いたお部屋で涼めばいいじゃん、とか、夏休み中とは言え、なんで学校内に部活動中の生徒が他に誰一人もいないの? とか。色々と言いたいことはあるけど、、楽しめちゃったので、良しとしようじゃないか。 特に、瑛太が昨日に行って、部室のロッカーに隠れたまま一日が経ち、現在の面々と合流する、、って、これは実に面白いアイデアだ。何しろ、過去に行った男がタイムマシンに乗らずに現在に合流しちゃったわけですから。このあたりは、ロケーションが「部室」に限定されているという、もともと舞台演劇ならではの斬新な発想だと思うけど、その部室から一歩外に出れば、香川県は善通寺の夏らしい観光的な雰囲気も一気に感じさせてくれるし、これは演劇の映画化としては完璧に近い内容じゃないかな。 そして、わずかに見えた未来 (2030年) の様子を見る限りでは、どうやら「新型コロナ」の存在しない世界のようで安心した。(この際、2005年という制作年は関係なし) 過去、現在、未来が登場し、リモコンもとめて散々右往左往したけど、本作は「未来」にいった者は誰一人もいません。未来だけは見ない方がいい、ってこと。これは賛成。だって、「もし自分が死んじゃってたら、泣いちゃうかもしれないから(笑)」 これからへの希望を含んだ終わり方にしたのは、いつの時代も大いに共感できますね。
[DVD(邦画)] 7点(2021-08-04 12:39:49)
186.  RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ 《ネタバレ》 
1作目、そして近年に公開された「かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発」と合わせた鉄道三部作 (勝手にそう呼ばせていただく笑) の中では、最もよかったです。 まず、他の二作にありがちな登場人物たちの唐突な心境変化がなくて、人物を丁寧に描けていること。そして、他二作と比較して、必ずしも電車や鉄道ばかりに執着することなく、あくまで仕事としての鉄道員(と看護師)、その誇りとか、人の命を預かる責任感とか、、これは普遍的な「仕事」の映画として秀逸でした。 また、熟年離婚というテーマも併せ持っていて、うまく仕事と家庭の問題を織り交ぜながら、大人の恋愛ドラマとしても観応えある内容だったように思えます。もちろん、観応えがあるのは、三浦友和さんと余貴美子さんの好演があるからこそ、それは言うまでもなく。 しかし、、日本の田舎の風景をたった二両ほどの電車がてくてくと走っていく、、この光景はなぜにこれほど心が癒されるんでしょう? 個人的には、日本全国、場所を変え、人を変え、エピソードを変え、これからも続けてほしいシリーズではありました。 そういえば、彼が高校時代? の恋人と再会した件、その後の関係はどうなったの? と思うし、これについては、やや消化不良なエピソードに感じました、はい。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-21 12:08:47)(良:1票)
187.  犬猿 《ネタバレ》 
まず、四人の兄弟姉妹に対して、四人の役者たちが全く違和感なくハマっていて、とてもよいキャスティングだったと思えます。(これ重要) ちなみに私は兄と弟がいるけど、私の経験からして、ハッキリと言いたいことを言い合える、ってのは仲の良さの裏返しみたいなもんだ。本当に犬猿の仲なら、ほとんど口を聞かず目も合わせずお互いに干渉することすらないし。でも、こんなふうに吠え合って引っ搔き合うような関係、だからこそ「犬猿」なんでしょうけど。 問題児ばかりの本作ですが、登場人物たちの素行や性格については、割と温情的な描き方をしています。しかし、夢や希望を持つことには徹底的に現実的。どう見たって、この兄では、起業や商売は無理だろうし、この妹では、女優は難しいでしょう。そしてこの姉さんでは、彼とは不釣り合いな気がします。つまり、「分相応に生きろ、そして人に迷惑をかけるな」という、根は実にシンプルなテーマのお話。だから、(自分に近い) 誰かに感情移入するのもアリですが、唯一ご自分をよくわかっている弟さん、彼の目線で客観的に人間観察をしても面白い映画かもしれません。 個人的には、吉田大八監督「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を思い出す映画でしたが、ご自身のオリジナル脚本で良質な映画を撮り続ける吉田恵輔監督にこれからも注目したいと思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-12 20:38:33)
188.  ミッドナイト・バス 《ネタバレ》 
雪がちらつき、旅情を感じさせる新潟の風景に、利一という不器用男の人生路線。なんとなくですが、かつての降旗監督と高倉健コンビ作を彷彿させる味わいがありました。 しかし、本作を平成の「現代劇」としてハッキリと認識させてくれるのが、登場人物たちの中では唯一今風で明らかにまわりとは色合いが違う娘さん (葵わかな) の存在で、そのコスプレとか、大人たちにはっぱをかけるその姿とか、彼女の一挙一動が映画をがぜん面白くさせているように思えました。 そして、多くの方が言われているように、これは長い、、とても長い映画でした。 しかし、この157分という長いストーリーの中で最も重要な場面はどこか? と言われるなら、私は利一が志穂に別れを告げる場面ではないかと思えます。一見、彼女に対して冷たい仕打ちのようにも見えます。でも、「長い目で見ればいいことだ」という言葉から察するに、美雪との関係をしっかりと清算してから、また志穂の元に戻りたい、という彼なりのケジメ (覚悟) だったようにも思うのです。しかし、その真意はうまく伝わらなかったように見えるし、こういう不器用さ、優柔不断さがいかにも彼らしいと思う。 思えば、この映画は、利一 (としかず) と書いて「りいち」と読むことにこだわりました。また、白鳥 (しらとり) は「はくちょう」でもよい、とも。それなら私は、優柔不断と書いて「優しさ」ということにしておくよ。 人生を長く生きていけば、家族、女性、、その人間関係も広がっていく。だから、気遣いのできる人、彼のように人に優しい人ほど生きていくのは苦しいのかもしれません。 最後に見た家族写真には別れの予感が漂います。やがて離散し、扇の要も時代とともに変わっていくけど、それでも不器用に愛し合う人や家族を描いた良作だと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2021-06-01 12:46:06)(良:1票)
189.  東京公園
ピンポイントになりますが、「筆島」のエピソードが、とても好きでした。義理の姉 (小西真奈美さん) の心境を思うと、切なくて切なくて、、。海に突き出た巨大な岸壁に対して、横からひっそりと、でも力強くその存在を自己主張するような筆島の姿、、それはまるで、彼女の "横恋慕" をそのまま投影したかのようです。また、女優小西真奈美を最も美しく撮影した瞬間ではないだろうか、その横顔の美しさ、忘れません。  本作で主演された三浦春馬さん、お亡くなりになりました。優しく誠実そうな内面の美しさは、スクリーンを通しても隠せません。 本当に、素敵な俳優でした。
[DVD(邦画)] 7点(2021-05-11 19:10:04)
190.  ニシノユキヒコの恋と冒険 《ネタバレ》 
竹野内豊さん演ずるニシノユキヒコがモテまくる、とか、幽霊となって登場、とか、そういう突飛な設定にばかり目がいきがちですが、実はこの映画のキーワードは、冒頭の「バナナパフェ」にあります。「まさか、男性がバナナパフェなんて食べるわけないだろう」、こういう、偏見にかんするお話なんです。 確かに彼は男性から見ても理想の顔だし、もちろん女性にはモテる。しかし、女性たち目線のニシノユキヒコの評価、それは顔とか雰囲気とか声とか、結局はそういう部分なんです。彼と一緒にいることで、自分の価値が高まる、癒される、そういった部分。言うなれば、彼の存在はブランド品とか、ペットの犬や猫に近いんじゃないかな。だから、女性のみなさんは彼の「心」にはあまり興味がなくて、「カッコイイからモテるでしょう?」「たくさん彼女がいて結婚願望ないでしょう?」と初めから一方的に決めつけている。 例えば、名門大学を出ているなら、一流企業に入ってアタリマエでしょう? とか、40代で独身なら、もちろんお金たくさん持ってるよね?(泣) とか、、彼の心の痛みは、そういう決めつけられる苦しみであって、、つまり本作は、深層心理的には誰でも心当たりのある共感しやすいストーリーなんです。 「幽霊」という設定はちょっとした遊び心で深く考える必要はないと思うけど、全体的にユルくて、笑いと切なさのさじ加減がよかったと思う。 楽団が奏でるでたらめな演奏は、男と女の「不協和音」ですかね。嚙み合わないけど、なぜか愛おしい、という。 既にユーカラさまが言われていますが、犬や猫といった動物やロケーション (風や自然光) との調和も素晴らしかったように思う。
[DVD(邦画)] 7点(2021-05-08 11:58:44)
191.  きみの鳥はうたえる 《ネタバレ》 
夜の函館を彷徨う三人の若者たち。フレームの中の彼らは何気なく撮られているようでいて、その配置や距離感は緻密に計算されたカメラワークだったように思えます。 三人の関係の曖昧さ、目的のなさ、とか、もう青春と言うほど若くはなく、でもまだ大人にもなりきれない、、そんな三人のどうでもいいようなエピソードばかりだったけど、なぜか不思議と見入ってしまった。 こうやって、毎日のようにつるんでいると、話したことはいちいち覚えてなくて、どうでもいいような光景ばかりが断片的に記憶の片隅に残っていたりする。ピンポンのラリーとか、あのラッパーとか、、きっとそうなんだろう。 冒頭、僕は佐知子の誘いをすっぽかした。「静雄に映画誘われちゃった」に対して、「行ってくれば」と答えた。「私と店長のこと知ってる?」に対して、「知るわけないだろ、そんなどうでもいいこと」と答えた。そう、「僕」はいつも投げやりで、そして佐知子に対して受動的なんだ。だから最後の僕の言葉は、初めて能動的に、そして伝えようとする意志を持って発したからこそ、心に響くのである。佐知子の表情は複雑そうだ。ただ、とうとう自分を見つけたくれた、という安堵感でいっぱいに見えた。 二人のこれからはわからないが、この場所、この時代に、お互いにふれては多くの時間を共有したこと、それが何より大切な気がした。
[DVD(邦画)] 7点(2021-04-06 12:32:50)
192.  ベスト・キッド(2010) 《ネタバレ》 
ウィル・スミス氏のご子息も頑張っていましたが、やはりこれはジャッキー・チェンの映画。そもそも舞台からして中国だし、全てが彼に対するリスペクトに溢れていて、よかったです。 しかし、ジャッキーを観て育った世代として、一つだけ欲を言わせてもらうならば、ハンが飲んだくれという設定が観たかった。そして、酔えば酔うほど強くなる、あの「酔拳」をドレ君に伝授してほしかったが、少年はまだ未成年なので致し方ないだろう。(アタリマエだ) 最後の武術大会では、たまにドレ君が漫画みたいなありえない動きになっていたが、楽しめたのでよしとしよう。試合の後、相手の小僧たちが並んでジャッキーに敬礼するところ、いい終わり方だった。もちろん、そこでは俺も立ち上がって一緒に敬礼した、アタリマエだ。
[DVD(字幕)] 7点(2021-03-28 17:53:03)
193.  ミスト 《ネタバレ》 
主人公がマッチョなタフガイで全く画家には見えない、とか、怪物たちの姿がB級テイスト、とか、結局あの怪物たちはなんだったのだろう、とか。そういう細かいことを気にしなければ、パニックムービーとしても、人間ドラマとしても、かなりよくできた映画と思えます。 スーパーマーケットという閉鎖空間と人間たち、霧に包まれた外界と怪物たち。まず、このシチュエーション自体が、色々な解釈を講じることができて興味深い。一般社会と、そこを一歩でも踏み出した世界、というメタファーのようでもあるけど、やはり真の安全地帯などどこにも存在しない、ととらえるべきだろうか? 長い曲折を経て、最後にデヴィッドが遂行した選択肢は確かに救いがない。しかし、あの時点における絶望的な状況下では、全員が怪物たちに手足を食いちぎられて殺される地獄よりは、彼ら四人だけでも一瞬で楽に死なせてやり、自分一人が犠牲となって怪物たちのエサになる、、という勇気ある選択だったはず。ただ、その直後の展開が、あまりにも残酷だ。希望を最後 (の最後) まで捨てなければ、、と強く思わずにはいられない。 本作はかの「ショーシャンク」の監督であることは周知ですが、あの映画が希望を信じ続けた男の物語ならば、本作は希望を諦めた男の物語。その後味こそ正反対だが、本作もテーマは「希望」なんだろう。 ありがちなアメリカ万歳的な終わり方はすぐに記憶から忘れ去るが、これはこれで心に残る映画であることは確かだ。 あと、なぜか知らないけど、観ているあいだ、「CUBE」を思い出して仕方がなかった。
[DVD(字幕)] 7点(2021-03-20 22:20:07)(良:2票)
194.  ダイナマイトどんどん
菅原文太、北大路欣也に田中邦衛、おまけに、丹古母鬼馬二さんまでいてはります。 たいへん、暑苦しい映画です。草野球大会と言うよりは、まさに濃い顔の選手権大会。 その上、ストーリーまで熱い。いや、熱すぎる。こんなの真夏に観たら暑さと熱さで熱中症になりそうだし、観たのが2月でよかった、と安堵している。それでも、観ていて途中から暑苦しくなってきたから、ユニクロのフリースは脱ぎ捨てた。 ハチャメチャだったけど、時代設定的に戦争の爪あとが見え隠れするし、「ケンカはしてもいい、でも殺し合いはもうあかん」てことなんだろうなあ。なんか、「パッチギ!」思い出しちゃった。
[DVD(邦画)] 7点(2021-02-24 21:50:53)
195.  すばらしき世界 《ネタバレ》 
三上という男は、たとえ人前だろうが、怒り、泣き、そしてよく笑う。自らの感情に素直で真っすぐなところ、とても人間味があって好きだった。過去がどうであろうと、その生き方はまさに、「退かぬ、媚びぬ、省みぬ」(笑) だよね。彼のように堂々と生きたいもんだ。 その三上を演じた役所さんからすれば、うなぎ、三度目の殺人に続く、"受刑者三部作" の最終章だけど、前二作とは全く別の人間を魂を込めて演じていたと思う。 映画的な表現として面白かったのは、スカイツリーと東京タワーの使い方。前者が未来 (前進) の象徴であったのに対して、後者は九州ヤクザ編の導入部に空撮されたように、過去 (後退) の象徴。しかし、僕としては、東京タワーの方が好きなんだ、、そこがなんとも。 →2021/9/16追記。 これは、まるで "横道世之介" を観た時のように、観てからしばらく経つと、後からじわじわときます。この世界が彼を失ったという喪失感を今さらながら感じてきます。自分がいつ死ぬかなんてわからないし、大切な人がいつ死ぬかだってわからない。だから今を大切に生きよう、、そう思わせてくれる映画だ。 こんな時代だから、なおさらかもしれない。
[映画館(邦画)] 7点(2021-02-11 22:22:34)
196.  空気人形
本作は設定こそブッ飛んでいるけど、彼女 (空気人形) を奇異の目で見るのではなく、できるだけ彼女の視点でこの世界を眺めることに全神経を集中したい。ほら、何も知らないピュアな心になったつもりで、改めてこの世界を眺めてみたら? ・・だめだ、やはり男たちが汚らわしいものに見えて仕方がない (笑) ぺ・ドゥナに関する芝居やキャラクター設定はあて書きだろうね。その存在感はもちろんのこと、"外国人" であること、つまり前提として日本語を (スラスラと) 話せないことが特に重要に思えた。命が宿ること、それは言葉を覚えていくことだし、彼女が意味を知らずに発する声音そのものの響き、その姿のたどたどしさ、、それはまるで言葉を覚えたばかりの幼な子のようでしたから・・。 あと、自分に「名前」があってよかった、、そう思わせてくれる映画でありました。
[DVD(邦画)] 7点(2021-02-08 19:59:01)
197.  しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス 《ネタバレ》 
サリー・ホーキンスの演技力はすごい、それは間違いない。しかし、それよりも今回は、実在の人物を女優が演じるにあたり、キャスティングの重要性を改めて確かめることになった。なぜなら、モード・ルイスとサリー・ホーキンス、二人とも感受性の高さがうかがえる個性的な顔立ちだし、もともと雰囲気が近いように感じたからだ。(そこだけは演技の力ではどうにもならない) 絵の偉人であり、歴史的にも有名なモードとは対象的に、旦那のエベレットは凡人なんだけど、映画は決して二人を値踏みすることなく対等に描いていた。これはとてもいいことだ。むしろ、見方によってはエベレットの物語に見えたくらいだ。 モード・ルイスの人生を彩ったもの。 カナダの海辺の美しい風景。 彼女が住んだ家と動物たち。 そしてエベレットという存在、、。 僕は「絵」のことは詳しくないが、描いた人の人生や生きた場所を知った後では、同じ絵を見ていても味わいが全然違う、、それだけは本作によって知ることができた。
[DVD(字幕)] 7点(2021-01-20 13:10:46)(良:2票)
198.  ジプシーのとき 《ネタバレ》 
例えば、楊徳昌の映画を観れば、たった数時間で台湾とそこに暮らす人々をよく知った気にさせられたように、エミール・クストリッツァはジプシー村に暮らすジプシーという、その生き様を僕らにわかりやすく教えてくれる。 そして監督の描く彼らの姿は、とても土着的で、遊び心があって、生と死があって、そして幻想的でもある。「魔術」などはちょっとした遊びで深く考える必要はないが、むしろそれを超越するほど彼らの実生活が幻想的、ということに注目するべきだろう。とりわけ、美しく幻想的なドナウ川の祝祭、その何という荘厳さ、、これはもう忘れることはないと思う。 人間たちと音楽、ガチョウ、宙づり、そしてコソコソと動く段ボール箱まで、とにかくこの映画は落ち着きがないように見えるけど、実は一画一画がとても洗練されていて、特に場面が切り替わった直後の意表をつく光景、これには監督のセンスの良さを感じた。 個人的には、「死」や生きることの悲しさをより強調した本作よりは、底抜けに楽しい「黒猫・白猫」のほうが好みではありました。
[DVD(字幕)] 7点(2021-01-10 13:36:00)(良:1票)
199.  散り椿
公開当時に映画館にて鑑賞。 近年はコメディタッチの時代劇が増えたように思いますが、これだけ増えてくるとそれも食傷気味になってしまって、久しぶりに真剣な時代劇を大スクリーンで観たくなったのでした。ストーリーはどこかで見たような焼き直しだし、そこに目新しさはなかったのですが、男前二人による殺陣のカッコよさと日本の風景の美しさ、もうこれだけで観てよかった、と思えたのでした。 緒形直人さんはよい役者になられましたね。 そう言えば、来場者ではお年寄りの方がとても多くて、みなさん満足されていた様子でした。 こういう映画、もっと増えてもいいと思うな。
[映画館(邦画)] 7点(2020-12-30 21:53:31)
200.  イコライザー
よかった。デンゼル・ワシントンの当たり役だと思う。 これから観る方へ。 できれば、イコライザー1と2は続けて観るべし。 間に他の映画を観てもいいとは思うけど、間違っても、「トレーニングデイ」だけは観ないようにね。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-12-06 11:31:32)
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