201. マイケル
《ネタバレ》 出っ腹の汚いトラボルタが、だるそ~に階段をのっそり降りて来た時は笑った。チープな作りの羽がまた、笑いを誘います。結構こういうの好き。何かと笑った。「世界一」の小ネタとか、何かイイ。可愛い。アイオワって確かになぜか不思議な物語の舞台として多用されますよね。とにもかくにもあの彼女、バツ4決定。 7点(2004-07-05 18:31:54) |
202. イージー・ライダー
刹那の時代。殉死の世代。保守と革新との間の軋轢に押し潰された、野卑でタフながらも脆弱な夢。この時点で一旦、アメリカの何かが死んだ。1つの死んだ時代を描いた、アメリカの現代神話。これを不朽の名作と捉えるか、時代の遺物と捉えるか否かは、個人個人の価値観次第なのかも知れない。 7点(2004-07-05 18:28:39) |
203. ビョークの「ネズの木」~グリム童話より
普通に映画を楽しみたい、という方には全く向かない作品。だからお勧めはしない。私のように「寂寥感」に積極的に浸りたいと思うような人間は少数派だと思うので。私の場合、グリム童話的な残酷さやアイルランドの荒涼とした原風景、それらが醸し出す何とも言えない寂寥感に触れたい、という構えで観たので、期待通りの作品だった。ここまで「寂寥感」だけで出来た映画もない。寒々しく、暗く、寂然として、残酷で、排他的な、閉じた世界。 7点(2004-07-05 18:24:38) |
204. チャーリー(1992)
チャップリンのロリコンっぷりには、正直ドン引きです。確かにこの作品、チャップリンという人物の背景をある程度知ることが出来たという点では参考になったけれど、彼が世に生み出したメガトン級の傑作の数々を念頭に置くと、あんな巨匠の生涯をこの程度の作品で済ましていいのだろうか、なんて疑問が湧いて来る。確かにキャストは豪華だけれど、チャップリンを描くには覚悟が足りなかったような気がする。 6点(2004-07-03 11:06:12) |
205. サスペリア(1977)
この作品に始まる、ダリ男の“美少女加虐3部作” (いや、別に3部作ではないが)。何というかこの3部作、作品世界はもちろんのことだけれど、女の子の雰囲気や行動パターンも凄く奇妙。特にこの作品の主人公は変だった。“異常な世界の正常な人”ではなく、“異常な世界の異常な人”というような。何とも奇妙奇天烈で不可解な世界観。ダリ男と言えばゴブリンの音楽だけれど、私個人としてはあの音楽は正直、やかましいし、うざい。 5点(2004-07-03 11:01:26) |
206. ローマの休日
白黒映画の魅力を知った映画。カラーで伝達される下世話なまでの情報量が、一旦白と黒だけに置き換えられるということでその余剰と過剰が削がれ、選りすぐられた必要最小限の観念だけが現れる。感覚で、それを感じてしまった映画。あの美し過ぎるオードリーと作品世界の洒脱な雰囲気。こんなにミニマムでシンプルなのに、どうしようもなく魅力的な映画。映画が映画たりえた時代の映画。今の映画産業からすると、驚異でしかない。 10点(2004-07-03 10:57:03) |
207. キャンディマン(1992)
以前、友人が最強に怖い映画だと言っていた。確かに1番最初の脅かしには恥ずかしながら私もほんのりびくっとしてしまった。でもアレだけだったな…。友人がこの映画のどこをどう怖いと思うのかさっぱり分からない位、全然怖くなかったです。だってキャンディマン、ちょっと個性的な体つきなだけの普通の黒人のお兄ちゃんだもん。寝てるし。ほんとだよ、普通に寝てた(笑)。びっくりだよ。笑っちゃいましたよ。 4点(2004-07-02 18:40:40) |
208. ダブル・ビジョン
貶しながら観れるタイプのイケてない中国製B級サイコホラー映画を借りたつもりが、アメリカが介入していた上に、地味に映像は洗練されているし、道教の宗教思想云々をベースにした複雑な展開も予想外だし、選択を失敗したことに気付いた。でも確かにその宗教性が妙に高尚な雰囲気を醸し出すものの、深みやメッセージ性は感じないし、余計な展開の付加が多いような気がした。各所で意味ありげな雰囲気を作っておきながら、置き去りにされたままのエピソードもいくつかある感じ。まとめると、私の中でそのイメージが二転三転しながらも、結局はあんまり面白くなかったな、という感想。 4点(2004-07-02 18:38:19) |
209. ミクロキッズ
わくわくする。冒頭のお洒落くさいアニメーションからして掴みがある。子供向けの作品だけれど、大人が観ても童心に戻れて充分楽しめる。大長編ドラえもんシリーズなんかを夢中になって観た世代は楽しめるんじゃないかな。自分の中の童心に語りかけてくれます。ディズニーはこういう映画だけ作っていて欲しいところ。リック・モラニスは、「ゴーストバスターズ」といいこの作品といい、お間抜けだけど憎めない、というような役がとてもよくハマる。 8点(2004-07-01 17:28:14) |
210. デーヴ
舞台が舞台だけに、アメリカ的プロパガンダ要素があったら嫌だな~と思うけれど、なかなかどうして普遍的なヒューマンドラマで、安心して観ることの出来る良く出来た作品です。あと、シガニー・ウィーバーが「カブトガニ」型だということに気付きました。「カブトガニ」ってのは、えりあしを短くするとその内段々真ん中だけ妙に伸びて来ることです。小学生時代にクラスメートの後ろ姿を見ながら心の中で勝手に命名したんですけど、うちの弟もそうです。 7点(2004-07-01 17:25:56) |
211. クレイマー、クレイマー
世界一有名なフレンチト~スト。何て美味しそう。いっそのことフレンチト~ストを前面に出した邦題を付けて欲しかった。「クレイマーさん家のフレンチトースト」とか(適当)。だってお父さん、最初の頃の悪戦苦闘が嘘のように、最後にはあんなに手際良く上手に作れるようになっちゃってさ…(涙)。あのフレンチト~ストは父子の心の交流の変遷を語る上での重要な小道具だったと思う。素敵でした。ああ、フレンチト~ストのことばかり。 7点(2004-07-01 17:24:58) |
212. 7月4日に生まれて
オリバー・ストーンが監督のせいなのかそもそものテーマのせいなのかはよく分からないけれど(多分両方)、思想強要的な脂臭いアプローチが鼻につく。主人公(ひいてはアメリカ)の壮大な自作自演を見ているようで、始まって比較的すぐからげんなりして来た。トム・クルーズやキーラ・セジウィックが若い。でも後半にちょっと出て来るリリ・テイラーはもっと若い。ちょっとびっくり。ウィレム・デフォーはあんまり変わらない。 4点(2004-06-29 19:52:26) |
213. 悪いことしましョ!(2000)
ブレンダン・フレイザーは見る度に恰幅が良くなって行っているような…。そろそろ気を付けた方がいいよ、と余計な心配をしてしまう。この映画はもう、エリザベス・ハーレーのいい女っぷりを堪能する映画と位置付けたい。とにかく彼女のセクシーさにはため息。彼女のコスプレ祭りは目に楽しい。こういうタイプの作品にストーリーの面白さなんて要求しません。とにかくエリザベス・ハーレーの魅力を満喫しました。 4点(2004-06-29 19:48:23) |
214. カイロの紫のバラ
《ネタバレ》 見方によっては突き放されたような印象を受ける残酷な結末。それでもラストシーンの主人公の何とも言えない笑顔。穏やかな諦念と、映画に対する愛情の充溢。いい笑顔でした。もう2度と両者があんなに分かりやすく邂逅することはないでしょう。でもこれからも各々は決して一方通行ではない。彼女は映画を愛することで救われ、映画は彼女に愛されることで存在を許される。通じ合っている。それは最高の共依存ではないでしょうか。 8点(2004-06-26 22:25:43) |
215. グレムリン
ギズモの可愛さというか魅力がさっぱり分からないし、この作品のどこをどう楽しんでいいのか分からず、困り果てた。唯一笑えたのは、凶暴化したグレムリンに対し、怯むどころか積極的に攻撃に出る、意外にもアグレッシブなお母さんの姿。でも電子レンジチンの描写は、真似する人がいそうだから止めた方がいいと思う。特にアメリカでは。 3点(2004-06-26 22:24:27) |
216. 秘密と嘘
《ネタバレ》 あのラストの大暴露大会…。あれがキモだったんだろうけれど、あれで作品自体が急速に安くなった気がする。何とも必死で滑稽な感じが妙にリアルではあるんだけれど、全くの他人(しかも結構痛い系の人)に、「私はこんなに苦労したの、こんなものを抱えて来たの、ずっと辛かったの、ああ、人生って何て残酷なの!」と延々とグチを語られているようで、何だかな~、という感じでした。誰だって苦労はしてるんだよ。あの母親に関してはいちいちげんなりです。あの娘さんが実に気の毒です。 5点(2004-06-26 18:43:24) |
217. カウガール・ブルース
不思議な作品ですね。ちょっと精神世界的だし。何というか、物語の方向性が見えず、え、何?変な方向に行っちゃってるよ?一体どこに行きたいの?と訊ねたくなるような展開。原作がカルト的に支持されているものだという話ですが、うーん、意図が見えない上にちょっと退屈だったかな。でもやっぱりユマ・サーマンはスタイリッシュ。個性派美人っぷりが実に私の好みです。ちなみにこれ、ラジー賞作品賞&主演女優賞ノミネート作品。 4点(2004-06-26 18:41:19) |
218. 野性の夜に
おフランス製の恋愛映画はどれもグロいけれど、この作品も例に漏れずどろどろしてます。陰方向にアグレッシブな感じ。その、行く所まで行ってしまうような、毒を食らわば何とやら的なディープさは、観る者を選ぶ。私としては、ひたすらに「男の勝手」と「履き違えた母性」のようなものを見せ付けられるだけのように感じて、終始気分が重かった。私には理解出来ないタイプの作品。ロマーヌ・ボーランジェの凄さは分かった。 4点(2004-06-26 18:37:49) |
219. バック・トゥ・ザ・フューチャー
好きなタイプの作品という訳ではないけれど、支持される理由は分かる。娯楽映画として本当に良く出来た作品です。配役は良いし、全体的に構成は見事だし、ちょこちょこと張った伏線の生かし方も上手い。そして何より、無駄に人も死なないし、必要以上に暴力的でもない。非常に良心的なエンターテイメント作品だと思います。 8点(2004-06-26 18:34:26) |
220. ロレンツォのオイル/命の詩
無償の愛と呼ばれる、その美しい執念と清澄な狂気。そしてそれは更に蒸留され、最終的に1つの奇蹟のオイルに形を変えた。言い切ってしまうと陳腐だけれど、この世の何が1番凄いって、親の愛ですよ。こればっかりは、私の経験上、どうしたって否定出来ません。 7点(2004-06-22 22:36:10) |