221. 土竜の唄 潜入捜査官 REIJI
《ネタバレ》 軽快な笑いがグロさと絶叫の連続を縫って疾走するというところだろうか。ただ、グロさと絶叫の連続が苦手な者は、疲れた苦笑い。 [映画館(邦画)] 4点(2014-03-12 22:26:07) |
222. ミザリー
《ネタバレ》 グリフィス風のクロスカッティングによる救出はハリウッドでもすでに徹底的に古臭く(外部による都合の良い救出は無効)、この映画でも内部からの体を張った自力脱出のみである。するとどうしようもなく血みどろになるので、むしろヘイズコード(暴力表現への制限)が懐かしい。 [DVD(字幕)] 4点(2014-02-24 18:18:43) |
223. ファイヤーウォール
《ネタバレ》 最後は肉体アクションとなるが、すごいタフなおとーさんだなあ。知的レヴェルの果てにアクションがあるヒッチコックのように。人命が軽いな、ハリウッドは死刑大国だ。 「家庭」という設定が聖域のように君臨するのが、アメリカ映画の基本中の基本。暴力・破壊が大好きなアメリカ映画は「家庭」を守るという大義名分のもと、なんでもするということ。 [DVD(字幕)] 4点(2014-01-30 21:50:39) |
224. ハートに火をつけて
《ネタバレ》 気位の高いはずの「フィルム・ノワールの女」があっさり殺し屋に従属するのはなさけない。大安売りの暴力なんかより他者性(思い通りには決してならない他者というもの)ほど怖いもはないという描き方でなければ駄目である。遊びの映画ならなおのこと、本質的な他者性のゆえにかるーく凍りつくような感じでなければならない。 [ビデオ(字幕)] 4点(2014-01-19 19:35:14) |
225. バーレスク
《ネタバレ》 かつてヘイズコードは、セクシーな踊りや声を抑圧し爽やかなミュージカルに変えたと言われるが、そういう事情が飲み込める作品だ。迫力ヴォイスのセクシーな主役に実力があるのは明瞭だが、映画としては物足りないのは仕方がない。 [DVD(字幕)] 4点(2012-11-26 20:34:53) |
226. アメリカン・ラプソディ
《ネタバレ》 産みの親と育ての親の間で悩む娘という構成では足りないからと冷戦による不幸(「自由の国アメリカ」はやはり強調される)を絡ませるが、凄く退屈である。映画の前提部にすぎない設定から映画が結局ほとんど動いていない。スジ不足。 [DVD(字幕)] 4点(2012-11-19 10:40:09) |
227. ブラッド・ワーク
《ネタバレ》 イーストウッドが老いても主演なので、老い(たんなる老人存在)が隠れるような劇的な絡みが必要になる。ふつうは父親役割などの象徴的なものが老いを隠すのだが、それに頼らないなら何がある?心臓移植ときた。うーん、どうかな。その点『グラン・トリノ』は巧くハマった。銃社会では老人でも銃を手にすれば本格的な暴力主体となりうる、ということの裏返しで「丸腰」の結末はあるのだが、これは意味も充実した映画となった。 [DVD(字幕)] 4点(2012-09-04 21:14:05) |
228. 白いカラス
《ネタバレ》 盛りだくさんで消化不良な感じ。キッドマンの話題はなくてもいいし、ホプキンスが芝居がかっていて、もっと抑制した味を出したほうがいい。内容的にはいちおう考えさせられるのであり、実は黒人でありながら白人のように肌が白ければ、白人コースを選択するだろう、そりゃ有利だから誰だって。現実の差別の壁があまりに厚いので、タテマエとしての、差別語の「言葉狩り」だけが盛んなのだ。いずこも同じ。 [DVD(吹替)] 4点(2012-07-16 13:40:18) |
229. ミラーズ(2008)
《ネタバレ》 鏡ものサイコホラーなのだが、鏡から何か恐ろしいもの(beyond reality)が出るという発想は、お化け屋敷的に怖いことは怖いが、本質的な怖さではない。鏡のほんらいの怖さは、お互いを映し合う相対性の泥沼たる鏡面、鏡の外には出られないことにある。だから例えば『上海から来た女』(ウェルズ)は、凄い。 [DVD(字幕)] 4点(2012-06-18 15:13:14) |
230. ブラック・スワン
《ネタバレ》 女性同士の競争という話題が狭苦しい感じだし、親からの遅延した自立という話題も安易かな。 とにかくこれはもうホン(スジ)の問題。1スジ 2ヌケ 3ドウサ と言われる(マキノ省三)。 [DVD(字幕)] 4点(2012-04-09 01:16:30) |
231. アジョシ
《ネタバレ》 正視し難いくらいの残酷さ・阿鼻叫喚である。せっかくだからこの機会に、臓器売買の原因たる臓器移植や、「殺す正義」(死刑制度なども含めて)は、ほんとうに「あり」なのかどうか、深く考えてみたい。それくらいの問題提起をしているのでなければ、大いなる無駄ではないか、このような映画は。 [映画館(字幕)] 4点(2011-09-24 22:51:17) |
232. 座頭市(2003)
北野映画は『あの夏・・・・』が「いちばん」であると思う。北野映画がどうも途中でとまってしまうのはもちろん意図的な仕掛けなのだが、そんな余裕こいている場合ではないと、ほんとうに思う。もう私は、映画館に北野映画の封切りを観に行かなくなっているし。 [映画館(邦画)] 4点(2011-03-25 20:54:08) |
233. EUREKA ユリイカ
《ネタバレ》 青山真治とは相性がいいとはいえない。青山は暴力を主題としたいらしいが、暴力は映画を弛緩させる。さて『ユリイカ』における、探すのを止めたとき犯人が転げ出てくるというかたちは、この長回しの手法と合っているかもしれない、とはいえる。 [映画館(邦画)] 4点(2011-03-25 20:11:27) |
234. トウキョウソナタ
《ネタバレ》 小泉今日子だけがよかった。黒沢清って私にはわからない(ただし『神田川淫乱戦争』と『ドレミファ娘の血が騒ぐ』にはかつてそれなりに熱くなれた)のだが、この映画の「内容」は例外的に「わかる」(「社会学的に」わかる)もので、それがまたつまらなかった。ただし、留置所のドアが外開きである点で(映画のドアの開き方にうるさい私としては)きちんとした映画美術であることを確認できる。 [映画館(邦画)] 4点(2011-03-23 19:58:11) |
235. ダイ・ハード
《ネタバレ》 たしかにドンパチ・スペクタクルをぼーっと眺めていたいときはあるが、それはごくたまにである。当時、これこそが映画の醍醐味であって日本映画は小粒すぎる、みたいな言い方までされた(謬見である)ことを思い出すが、今はどうだろう。ところで、日本タタキのネタが入っているのはサブリミナル効果のような反則かも。 [映画館(字幕)] 4点(2011-03-22 06:09:21) |
236. 転校生(1982)
《ネタバレ》 『転校生』は性別役割をコミカルに強調し過ぎである。あんなになさけない「女性」はいない。女性の役割ももっと毅然としていいのだ、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」画のマリアのように。大林は『廃市』が最高。 [映画館(邦画)] 4点(2011-03-21 18:55:05) |
237. 白夜行
《ネタバレ》 隠された謎をめぐるミステリーは映画向きではないというのは、あのサスペンスの巨匠ヒッチコックの言葉だが、それは、映画は見せてナンボだから。それをよく承知してこの映画は、謎解きをする船越がつねに画面を占めるというふうにはしないで、むしろその姿は画面から消えていく。そして、ほんらいの物語が展開したのち詰めの段階で、その物語の展開をすべて観ていたかのように事情に通じている船越がまた登場するというかたちにしている。なるほど「見せて」はいるのだが、サスペンス(宙吊り)のハラハラ感が足りない感じだ。以上ミステリーとサスペンスの違いを言おうとしたのだが、この作品は適例ではないのかも知れない。さて、問題はもっと別のところにあって、ミステリーが映画向きではないのは、人間描写に厚みがないからだ、と言っておこう(そもそもあの松本清張のヒロインたちが機能化されたものだった)。機能化された平板な人間像をミステリー小説的にはゆるせても、映像的には生身の人間として映る分いかにももの足らないことになってしまう。 [映画館(邦画)] 4点(2011-03-08 22:24:23) |
238. ノルウェイの森
《ネタバレ》 この原作者の浅はかさ(学園紛争を「借景」のように使うのはその一例にすぎない)にはそもそも根本的な違和感があるのだが、映画は別物だという期待があった。しかしこの映画は残念ながらただの美しい風景の写真になっている。もっと室内で内容ある話をしろと言いたい(なんと単純な要請だろう!)。 [DVD(邦画)] 3点(2014-12-07 23:48:22) |
239. 東風
『男の子の名前はみなパトリック』には10点を献上した私も、この作品には3点が精一杯である。ま、それはやむをえないところだろう。映画の実験室に興味はないこともないが、これはちょっとひどかった。急に『彼女について私が知っている二、三の事柄』を見たくなって来た。 [DVD(字幕)] 3点(2012-09-27 20:49:47) |
240. 悲しみよこんにちは
ガキってだめだなあ、なんの魅力も無い。『勝手にしやがれ』の彼女はもうオトナだった。 [DVD(字幕)] 3点(2012-09-02 08:35:48) |