241. 阿修羅のごとく
期待してなかった、というレベルでなく、森田作品という事で「隙あらばケナシまくる!」という体制で臨んだのが効を成したのか知らんが、私的に「家族ゲーム」以来の高評価。ドロドロしたホームドラマを滑稽かつ軽やかに楽しませてくれた。 [DVD(邦画)] 8点(2007-08-29 01:20:51) |
242. 東京原発
恐らく低予算だったんだろうと予想できる作品なんですが、いやぁ、まいった。稚拙と感じる点も多々あったが、データや発想の面白さに誤魔化されたカンジでした。低予算な社会派エンタテイメントとしては、すっごい頑張ってる。エンドクレジットの「協力」に電力会社の名前が見当たらないのも、笑える所ではないでしょうか。「役所」広司が都知事なのも、加えて笑えた。 [DVD(邦画)] 8点(2007-08-08 00:44:42) |
243. 不都合な真実
《ネタバレ》 実によくできたドキュメントであり、老若男女問わずに聞き入れるエンタテイメントな講義であり、そして狡猾とも真っ当とも取れるゴア氏の政治的アピールでもある。姉や子供を襲った悲話や、エコにオヨビゴシな政治家(ブッシュ他)のコメントなどに政治家としてのアザトサなんかも見え隠れしたが、日本のどこかのキレイ事とパッシングしか能のない某政党に比べれば極々真っ当だし、至極フェア。やるなぁ、ゴア。日本の政治家もこういう作品を取ってみるのも一興ではないでしょうか。少なくとも国民の政治離れや投票率の低下に一役は買えるのでは?と考えてみたり。…気にし過ぎなのだろうが、どうも政治的な戦略を深読みしてしまう。しかし、ここは素直に警鐘の鳴りの良さに感心してイイと、思います。冷笑する程度の芸しかないニヒリストや、一部の胡散臭いナチュラリストのウザイ熱意に気後れする必要もないと、思います。 [DVD(字幕)] 8点(2007-07-31 00:06:05)(良:1票) |
244. 鉄コン筋クリート
演出・美術・音楽・脚本・キャスト諸々のすべてが完成度高く、松本大洋の世界観も大事にしてるし、それにおいての一切の粗忽さがない。ビックリした。なら満点評価なんじゃないのか?と思ったが…突出した感じがもう少し欲しかったような。ここまでのハイクオリティ作品に文句はないが、何と言うか…贅沢な事を言うようだけど、もっと無茶も出来たんじゃないか?とも、思う。一応言っておきますが、及第点は何の支障も無くクリアしているし、稀有な傑作では、あります。 [DVD(邦画)] 8点(2007-07-03 23:11:01) |
245. 三匹の侍
キャラクターやテンポのバランスが恐ろしいほどキッチリとしていて、エンタティメント性も損なっていない。佳作中の佳作。どこから切っても真っ当な時代劇。年寄り向けのノンカロリーな時代劇ばっかり作ってないで、こういう滋味や滋養のある作品を製作してくれりゃあなぁ!と、切にボヤく私だ。実に腹八分目といった感想と評価。 [DVD(邦画)] 8点(2007-06-14 01:57:36) |
246. 天国と地獄
《ネタバレ》 凡百で野暮ったいサスペンスになってしまいそうな物語だと思うんですが、これは黒澤明の手腕ですよね。キャスティングの豪華さも、ケ程の嫌味すら持たせない。男臭く、人間臭く、硬派であるにもかかわらず、切れ味も緊張感も流石の黒澤節。文句無しの傑作誘拐サスペンス。シャッターの降りるラストシーンは、流石です。 [DVD(邦画)] 8点(2007-06-02 23:06:07) |
247. 日本の黒い夏 冤罪
当時よりも確実に肥大しつつある「情報化社会」に生きる私には、何とも耳の痛い作品。まだまだ世の中(不肖、情報の受けてである私も含む)、結構デタラメなんで、怖いですね。続編ともいえる(いえるか?)「それでも僕はやってない」も、観たくなってきた。「冤罪」が我々を襲う確率は、当時より右肩上がりなんだなぁ。 [DVD(邦画)] 8点(2007-04-11 00:07:23) |
248. 拝啓天皇陛下様
昭和天皇陛下様はこの作品を御覧になりましたか?私は少し泣けもしましたし大いに笑いもしました。 [映画館(邦画)] 8点(2007-04-06 23:14:27) |
249. かもめ食堂
のんびりとして、さして退屈もさせず、美しいわけでもなく、感動するわけでもないのに、確かな面白さが存在する。邦画界の夜明けというか、午睡とでもいうか。否、白夜かも?笑。「アリー my Love」「セックス・アンド・ザ・シティ」「ブリジット・ジョーンズの日記」に負けずとも劣らない負け犬(BY酒井順子)のための叙情詩とも、いえる訳だが、そこまで不躾でないというか。面白かったです。予断だが・トンカツの添えにレタスという、王道に対しての明確なアンチテーゼは、大事だ。←勝手な解釈。かもめ食堂め! [DVD(邦画)] 8点(2007-04-02 22:56:21) |
250. ソウ3
冒頭から中盤にかけては陳腐なだけで、悪趣味も一周した感じの面倒くささ。しかし、中盤からラストの収束感は怪異というか快感というか。何というか、もはや凡庸としか言えなくなってきた仕掛けや、展開や、ゲームの意図のチープさは、すべて計算だったのか?と感じ、その温度差に正直驚いた。生半可な事じゃ逆転できないと思っていた物語がラストイニングで逆転してしまったというか、でした。「SAW」シリーズは、やっぱりよく出来てる。なんか腹は立つ。その逆転劇にちょっと感動すらしてしまった自分に、腹立たしいというか。赦さざるを得なーい。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-03-30 01:08:22)(良:1票) |
251. カポーティ
《ネタバレ》 観衆や読者、発信する側すらをも求める「安易で刺激的なフィクション」と、画一的であるわけがない現実・事件・人間像。そのギャップの渦中にうっかり存在してしまった「作家」の不幸を、実に丁寧に、かつ静謐に描いた作品。作家としての矜持がカポーティ自身の筆を折ったのだろうか。原作どころかカポーティの存在すら知らなかった勉強不足の私だが、「冷血」カポーティに関する興味は、湧いた。 [DVD(字幕)] 8点(2007-03-18 20:59:44) |
252. イン・ザ・プール
小コント集的になってしまいがちな脚本ですけど、退屈せずに楽しめました。松尾スズキの適当で毒のある雰囲気や、オダギリジョーの股間の●や、市川実和子(ラブ!)のヒョロヒョロ具合だとかが、グー。細かいところを挙げれば看護士のかなりな妙さと校門の前で糸こんにゃくを踏みつける女王様が秀逸。ラストシーンの無駄な爽やかさが本当に馬鹿馬鹿しくて、イイ。あ、「髑髏」が書けるようになったので、+1点だなぁ。 [DVD(邦画)] 8点(2007-03-13 01:05:53) |
253. リトル・ランナー
《ネタバレ》 レース中のサンタの激励やゴール寸前のデッドヒートなどのスポーツ物としての見応えや周りを取り巻くドラマ性の高さ、青春モノとしての馬鹿馬鹿しさも悪趣味に可笑しく、素敵でした。長距離ランナーは誰もが自分の内なる神様と会話する。走るという行為は極めれば高レベルな禅だなぁ、と、「走禅」という言葉をリアルに感じた。監督自身もマラソン経験者か。納得ー。 [DVD(字幕)] 8点(2007-03-08 20:28:41) |
254. 八つ墓村(1977)
渥美清の金田一って、意外と中尾彬よりかはシックリくる。悪くないというよりかは全然OKですよ。私的には。で、野村芳太郎監督のロケに対する思い入れは相変わらず半端じゃない。ホンマに日本でのロケ?と疑いたくなるほどに美しい。「タタリじゃ!」は、さしてインパクトなし。笑。流行った当時はおぼろげに覚えてはいるんですが、ねぇ。 [DVD(邦画)] 8点(2007-02-18 23:56:17) |
255. エミリー・ローズ
悪魔祓いの信憑性について「エクソシスト」のフリードキン監督が語っていたのをきっかけにある程度の予備知識はあるものの、イマイチ眉唾な悪魔祓いというジャンルな訳ですが、本作は満足できた。漠然としたホラーではなく(そりゃ実話ベースなので漠然ホラーな訳ないのだが。)、上質な人間賛歌的な作品ともとれるんじゃないかな、と。極東の無神論者が何言ってんの?結局よくわかってないのかも、だろ?だが。この作品の雰囲気やセンスはスゴイ好き。 [DVD(字幕)] 8点(2007-01-13 08:34:53) |
256. シムソンズ
滅茶苦茶シンプルな展開(とはいえ実話ベースですが)なのに面白い。「冬季オリンピックの時はカーリングも見てみたい」と思ってしまうし、興味も自然とわいた。ご丁寧にカーリングについてのアラカタなルールについても知ることが出来、なんかイタセリツクセリだ。「手垢のついてないマイナースポーツ系映画」という狙いだけの映画という訳でなく、スポ根作品(とも言いにくいが)として観てるこっちまでもが力が入るシーンも多々あり、感動も出来、及第ともいえるカタルシスまでもついてくる。登場人物も嫌味のなく、面白い。同じ田舎(失礼)女子高生・青春ウチコミ系作品「スウィングガール」より純度の高い作品だと、思います。つか、シムソンズ、可愛すぎました。笑。 [DVD(邦画)] 8点(2007-01-13 08:18:45)(良:1票) |
257. RIZE ライズ
ダンス=日常との戦い、という図式は、この平和極まりない極東在住の私にも何となく、理解できる。舞踊やクラシックバレエ等がそうであるように、まやかしでも誤魔化しでもなく彼等のダンスも「アート・芸術」なのである、と、思う。一過性のブームにない情熱。理解できるし指示したいとも思うし、何といってもカッコイイ。街中で夜な夜な集っては延々とダラダラと練習しているかのようで身内スキル披露に明け暮れているだけのエンタテイメント性の欠片も無く情熱もへったくれもないエセダンサー達は、正座して観てみてみ。と、思ったりもする。ドキュメンタリとしては独り善がりで俯瞰されてない分ちょっとパフォーマンスに寄り過ぎてズルさなんかも感じたが、こういう作品はやっぱ貴重なんですよ。甘めの点数。 [DVD(字幕)] 8点(2006-12-22 04:34:17) |
258. ロード・オブ・ウォー
《ネタバレ》 視聴者に訴えかけるメッセージ性にベタベタした湿気も感じず、ドロドロしつつも「ブラックホークダウン」よか明確なピントというか。主人公のこれからの地獄のような日々に同情なんかは出来ませんが、幸あらん事を祈るばかりです。だがしかし、AK銃は「エンジェル・キス」と略したほうが若干ステキかと思う今日この頃です。 [DVD(字幕)] 8点(2006-09-11 15:29:09) |
259. ヨコハマBJブルース
時代の波を乗り越え切れてないシーンや音楽なども多々あった中、やはり松田優作の存在感だけは凄まじい。というか、ブルース、歌うの?超不安!なんでもやらせりゃイイってもんじゃないぜ?…とおもったら不思議。松田優作はブルースの才能もアリとみた。 [DVD(邦画)] 8点(2006-09-04 10:38:51) |
260. 新幹線大爆破
《ネタバレ》 製作者、出演者、そして物語中も、何ともプロ意識の高い人等が目白押し。それが何とも格好イイ。それにひきかえ警察官僚の見事なまでのドン臭さは、何だかなぁ。「張り込みも隙だらけじゃないか?通りすがりの柔道部員に…何させてんだよ?え?イキナリ撃っちゃうのか?お?そんなに簡単に事故っちゃうのか?で、死んじゃうのか?そして新幹線車内はラジオでパニック?もしかして報道管制も引いてないのか?そして結局犯人グループ全員逮捕出来ず?無能にも程度があるぞ?警察が絡んでなければ身代金受け渡し&爆弾解除…物語は京都位で済んでるんじゃないか?」と、まぁツッコミ出したらキリがないが、まぁまぁそれ以外にも見応えはあったし、良しとしましょう。特にラスト20分のトリックが秀逸。 そして宇津井健が、滅茶苦茶格好イイのも然る事ながら、キャストが皆、一癖あって面白い。ナイスです。 [DVD(邦画)] 8点(2006-08-12 16:20:31)(良:2票) |