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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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241.  レクイエム・フォー・ドリーム 《ネタバレ》 
脳天を強く殴られたような強烈な映画で、その後味はともかく一度観たら死ぬまで絶対に忘れない、という意味での高評価です。確かに、薬物を打った時の創造性溢れる映像表現は面白い。でもそんなことはおまけに思えてくるほど、ストーリーそのものが放つ破壊力が凄まじい。この映画では、薬物依存者たちの物語は二つのチームに分かれます。お互いに薬物をけしかけ合って自滅した三人。孤独なゆえに依存症の蟻地獄に堕ちたサラ。その堕ち方こそ対象的でしたが、実は共通点が一つあります。彼らは、救う者がないまま、とうとう最後まで孤立無援だったということ。そもそもこの映画って、薬物依存者による破滅の物語ではなくて、薬物依存者に寄り添うべき良識ある者が誰もいないという恐怖、を描いています。絶対に堕ちるしかないという・・。だから主要な登場人物以外は人間に感情が宿っていない、というか全体的に空虚で無機質な感じがします。おばさんの集団、冷たい医者たち、ブラウン管の向う側で笑う者たち、レストランの男、、。そしてどことなく近未来的な空気があって、私は「時計じかけのオレンジ」を思い出しました。(もちろんお母さんの髪の色に電気ショックも、、) 全編通して、暗示的な海辺の風景が印象的ですが、それは夢か現実か、あるいは幻覚症状なのか、とても曖昧です。そしてその風景は、不思議と美しくなっていくように見えます。でも実は何一つ変わってはいません。それが美しく輝きを増していくように見えたのは、彼らが破滅して普遍的な正しい人生とは無縁になったから。海辺の美しい風景は、もう決して手が届かない幸せや夢の象徴だからです。
[DVD(字幕)] 8点(2019-09-29 17:51:27)
242.  知らなすぎた男 《ネタバレ》 
冒頭の空港スタッフとの全くかみ合わない会話。もちろん、 本人はかみ合ってると思っています。私的にはもう、これでつかみはOK。そして、弟宅のメイドさんをいきなり抱擁する壮絶な空気の読めなさ。色々とウォレス・リッチーという男を紹介する入り方としては上々で、巻き込まれていることに最後まで気づかない巻き込まれ役、としての資質は充分、ということを概ね理解させていただきました。 もちろん、随所で気の利いたアドリブがパッと出るのも、彼が役者志望の映画好きということで説得力を持たせています。 そしてストーリーについては、皆様が言われている通り。あり得ませんね、堂々たるコメディです (笑) 何しろ弾に当たらないし。でも極めて低確率の超偶然が何十回と続いていく展開であって、決して超常現象が起こるわけではありません。 だからこのストーリーが成立するのは確率0%ではないのが本作の面白いところ。現実でもいつか世界を悪の手から救うのは、意外とこんなヤツ、かもしれません。 さあ、みなさんも一緒に、Let's ポジティブシンキング!!
[DVD(字幕)] 6点(2019-09-29 00:01:13)
243.  エリン・ブロコビッチ 《ネタバレ》 
これは実話ベースのサクセスストーリー、つまり結末はだいたいわかっています。それでも全く退屈させないのは、やはり脚本がよくできているから。まず回想場面に頼ることなく、あくまで現在進行形で物語を語っていく点は好感が持てます。悪役ポジションのPG&E社はあまりにも巨大な組織ゆえに、弁護士同士の対決という構図にしたのはよいアイデアと思います。ちなみに、味方であるべき大手事務所の弁護士たちも、エリン目線では一方的に敵対心むき出しで、まるで悪役のようにされていて笑えました。そして視聴者を信用していて、ここは見せる、考えさせるのメリハリが効いています。一例ですが、機密文書を知る男とのBARでのやり取り。その後はどうなったか語らずとも、彼と何があったかわかりますよね。もちろん、和解金を勝ち取った裁判をバッサリ省くあたりの、潔さもいい。(結果がわかっているので、ここは省いて大正解) そして何より、エリンとエドワードの掛け合いが楽しくて、映画の一つの見どころ (笑いどころ) となっています。「弁護士は謝らない人種なの? ムカつくわ」(←序盤のエリン) 「ミスコンの女王は謝らない人種かね? ムカつくね」(←ラストのエドワード) 私、この応酬が大好きで (笑) こんなお茶目なお二人が、こんな大仕事をやってのけるという、実に爽快なサクセスストーリー。それにしても二人の会話って、往年の名画 (ラブストーリー) の空気を感じさせますね。
[DVD(字幕)] 7点(2019-09-24 23:35:35)
244.  鉄道員(ぽっぽや)(1999) 《ネタバレ》 
そのストーリー以上に、この映画は邦画の歴史における、大きな一つの分岐点。 なんせ、昭和をいつまでも引きずっているような健さんと、まさかのMK5、あの広末涼子ですから、、。時代は、「昭和」から「平成」へ。これは降旗監督と健さんによる、新時代の若者たちへのバトンである。 「駅」と寒村から真っ直ぐに延びていく線路は、未来に向けた出発を感じさせ、実に映画性を高めているように思う。 郷愁と失ったものや消えゆくものに対する敬愛の念を感じますが、地方の過疎化問題にも言及していて、根幹に社会派ドラマの色を感じました。
[映画館(邦画)] 7点(2019-09-23 11:12:08)
245.  Wの悲劇 《ネタバレ》 
三田佳子に三田村邦彦、そして薬師丸ひろ子演じる三田静香によるイニシャルⅯの悲劇、、ではなくてWの悲劇。 ハッキリ言って、前半は退屈でした。静香と昭夫の別れる別れないの押し問答とか、いつまでもやってろ、って感じで。 しかし物語も後半に入ったあたり、静香が羽鳥の身代わりになるところから、ドラマが大きく動きます。面白くなるのはここから。 彼女は勝ち取った芝居の役ともう一つ、"愛人の身代わり" という自分を演じることになります。ステージで演じる役と "悲劇のヒロイン" を演じる静香。皮肉にも、記者会見の演技は舞台よりもはるかに圧巻の「芝居」でしたね。 僕はこの映画を観て心底思いました。女優って恐ろしいわ大キライだわ、だけどすごいというのは認めざるを得ない。 どろどろとした女たちの戦いから一転して、最後は驚くほど爽やかな終わり方。舞台はひとまず千秋楽、でも彼女は「自分」という人間をこれからも演じ続けるのでしょう。 別れ際に涙を浮かべたその笑顔には、女優 薬師丸ひろ子 が多くの人に支持され、愛された理由がわかった気がします。
[DVD(邦画)] 8点(2019-09-22 17:31:41)(良:1票)
246.  美しい星 《ネタバレ》 
今までの映画もある意味では宇宙人ばかりでしたが、とうとうホントに宇宙人ですか (笑) でも設定はブッ飛んでいますが、人間の描写に限って着目すればいつもの吉田大八作品でした。それは普通の人が、何かのキッカケによってダークサイドに堕ちていく、その怖さと滑稽さ。その堕ちた者の "壊れっぷり" こそ、監督が執着してきた部分であり、過去の作品群の系譜からすれば、今回の「宇宙人の大杉さん」は予想できたような到達点にも思えます。視点を変えれば、監督好みのキャラクター作りのためにSFという設定だけを拝借したもの、と考えます。宇宙人から見た地球として、気候の温暖化や環境の悪化などを提起しつつも、深堀りはしていない。従って環境問題を議論する映画ではないし、そこに対してはあまり本気ではない気がします。だから、僕らはこの美しい星のために何ができるのか? とかムキにならず熱くならずに、風刺の効いたコメディのつもりで楽しむのが吉と思いました。
[DVD(邦画)] 7点(2019-09-19 00:05:10)
247.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 
題名がネタバレ全開な映画をいくつか知っているが、、これはその逆。何て噓つきな題名だ (笑) 高倉健さん演じる爆破犯一味。多種多様な乗客たち、爆破予告に振り回される国鉄側、そして犯人を追う刑事たち。クロスカッティングを効果的に織り交ぜながら進行する人間たちのドラマは、とても観応えありました。しかし、肝心の疾走する新幹線にスピード感が感じられないのは、当時の撮影技術ゆえに致し方無いか。そういった意味では、現在の撮影技術によるリメイク版を観てみたい、と思わせる映画ではありました。 (高倉健さんの代わりを誰にするかは難航するだろうが) 新幹線だけではなく、オートバイなど多彩な乗り物によるアクションも見どころ。ヘリコプター、翔んで埼玉、にはニヤリ。
[DVD(邦画)] 7点(2019-09-16 14:34:54)
248.  ゴールド/金塊の行方 《ネタバレ》 
ジャングルの奥地に眠る金塊を探して、掘り当てたら億万長者、外れたら借金王、、まさに博打のような生き方です。臭い言い方ですが、この映画には夢とロマンがある。そして、いつものことながらマシュー・マコノヒーの役作りがすごい。体重なんて、ダラス・バイヤーズクラブの倍はあるんじゃなかろうか?(笑) Goldに魅せられて、Goldに憑かれて、Goldに人生を捧げた男の栄枯盛衰を全身全霊で演じていたように思う。点数については、内容と言うよりは視覚的な部分が期待外れだったためです。この表題だと、僕はジャングルの金脈発掘の場面がメインであると思っていたし、何よりザックザックの "金塊の山" を心のどこかで期待していました。たった一瞬でも、ケニー・ウェルスが途方もない金塊の山に埋もれて、狂喜乱舞している場面 (絵) が見たかったという思いがあります。株とか投資といったマネーゲームは別の映画で足りるし、この映画でどうしても見たかったものではありません。役者と雰囲気は上質なだけに、惜しい映画という感想です。
[DVD(字幕)] 5点(2019-09-14 19:30:50)
249.  Sweet Rain 死神の精度 《ネタバレ》 
原作は未読です。空の上を延々と続く長い道を行く、死神 (金城武) と黒い犬。このシュールな世界観はわりと好き。個別ではエピソード1、3はよかったですが、ヤクザ編がダメでした。なんか安っぽいと言うか、迫力がない、怖くない。北野映画とか、やっぱり凄いんだな、と改めて思いました。雨がモチーフですが、このストーリーに絶対に必要? と言われるとそうでもなくて。降り続く長い雨、そして最後にあっと驚く展開が待っています、という狙いは理解できます。でも最後にようやく晴れ間がのぞくことはバレバレなので (笑) 、そこまでの解放感はなかったかな。
[DVD(邦画)] 5点(2019-08-30 12:18:29)
250.  エル ELLE
ピンポイントで。個人的には一堂全員集合の食卓のシーンが映画的高揚の頂点でした。この場面、敵対心、嫌悪感、倒錯した愛、、それぞれの思惑を想像するだけでハラハラ可笑しくて仕方ない。もちろん、この楽しいお食事会に向けて、ここまで登場人物たちのしがらみをしっかりと描いてる。あとは冗長ぎみでちょっと長いかな、って感じなのですが、そこは眠気覚ましにおっぱいが登場するいつものバーホーベン、最後まで楽しませていただきました。ちなみに、キリスト教には "隣人愛" という教えがあります。他者への愛、身近な人々への愛、の意味なそう。でもその愛のカタチについては述べられておらず、そのカタチは人それぞれということでしょうか (笑)
[DVD(字幕)] 7点(2019-08-30 10:50:16)
251.  トイ・ストーリー4 《ネタバレ》 
まず感じたのは、シリーズの中では圧倒的にロケーションが素晴らしい。古き良き遊園地にアンティークショップ「セカンド・チャンス」、このレトロでノスタルジックなロケーションをおもちゃたちが所狭しと走り回る光景は、否応なしに心躍ります。だから視覚的にはシリーズ最高ではないでしょうか。しかし内容としては、このサイトのレビュアーさんの投稿を読んで、鑑賞中に感じていた違和感がスッキリしました。確かに、このシリーズは人間とおもちゃの関係 (ルール) があってこそ。何だかウッディたち、飼い主の手を自ら離れた野良犬、、いや野良おもちゃになっちゃいましたね。トイ・ストーリーであることのポリシー (こだわり) を簡単に捨てたことは残念。しかしそれ以上に残念なのは、、名作「トイ・ストーリー3」が本作の登場によって色褪せたこと。続編がないこと、いや、ないと思っていたからこそ、あの終わり方は最高の結末でした。ボニーとおもちゃたちの、短いが幸せであろう "これから" を想像してワクワクしたもんだ。 (それがあっという間に飽きられて、フォーキーってねぇ・・) これからはもう、大好きな「トイ・ストーリー3」を観直しても、ラストの感動はもうない、これが続きではきっと素直に感動できない。
[映画館(字幕)] 7点(2019-07-26 21:47:42)(良:2票)
252.  万引き家族 《ネタバレ》 
公開直後に映画館で観ました。カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞したことは確かに立派ですが、出来としては特に騒ぎ立てるほどのことはない、いつもの是枝監督の映画と思います。過去にもっと優れた作品はあるので、なんであえて本作が? っていう感じでした。本作、当時はいろんな意味で炎上気味でしたね。受賞の宣伝効果は大きな期待をさせたようで、「 思ったほど面白くなかった・・」 といった落胆の心境で酷評したくなる気持ちはわかります。しかし驚いたのは、万引きを助長するとか題名が教育上よくないとか、そういった意見が酷評の多数だったこと。私はこの内容が万引きを助長するとは思えません。むしろ、こういった悪いことは止めよう、と改心したくなる気がしますが? ちなみに、受賞について是枝監督は安倍政権の祝意を体よくお断りしたそうです。当然でしょうね、、万引きでようやく食いつなぐ貧困層のお話なんて、暗に政権 (政策) 批判をしているわけで。「盗んだのは、絆でした」にひねりをきかせて、あえて (体制側に向けた) 好戦的な題名にした試みは面白いと思います。でも、思っていた以上にその代償は高くつきました・・。良くも悪くも、人騒がせな映画であったことは間違いありません。
[映画館(邦画)] 6点(2019-07-18 23:11:51)
253.  パイレーツ・ロック 《ネタバレ》 
この人たち毎晩飲んだり食ったり騒いでいるけど、散らかった後片付けはしないの? みなさん、いつもお洋服キマッていますが、洗濯はいったいいつやってるの? ビル・ナイの高級スーツはいつクリーニング出してるの? まぁ家事全般はいいや。でも船なんだから舵取りしてる人を一回くらいは映そうよ。表面的な部分ばかりで船上の生活感が一つも感じられないと言うか、、序盤でそのへんが気になると最後までダメですね。設定上、頭の固い体制側の人は必要でしょうが、悪役ポジションの存在に対して和解するなり罰を与えるなり、オチがないのも気になりました。生命線である音楽すら、ロックだロックだと叫んでいるだけで、まるで心に響いてこないのはなぜだろう? 確かに曲はよかったですが、それは単なるBGMとしてです。自分には合わない映画でした。
[DVD(字幕)] 3点(2019-07-14 13:10:26)
254.  北京ヴァイオリン 《ネタバレ》 
冒頭、散髪を終えたチュンが、しっかりと散髪代を請求されます。知人の結婚祝いに一曲弾いたチュンは、その謝礼としてお金をもらいました。そして、北京ではヴァイオリンのレッスン料は高そうです。本作は "お金" のやり取りを印象的に見せることによって、田舎の貧困層が北京で成功することの (経済的な) 厳しさを描いていきます。金、金、金、、やはりこの国でも渡る世間は金ばかりか、、といいかげん嫌気がさしてきたころ、最後の最後に感動のヴァイオリン独奏会が待っています。見返りを求めない、たった一人のための独奏会。息子は成功を捨ててまで、父の無償の愛に応えました。結局のところは、本当に大切なものはお金や名誉ではない、という普遍的なテーマですが、やはり音楽の力は偉大でした。この場面、私は感動しました泣きました。紅一点のリリ (チェン・ホン) とそのエピソードはこの映画に必要なの? というツッコミどころもありますが、富裕層の描写は必要でしょうし、何より彼女のおかげで (ヤローばかりの) 暑苦しい映画にならずに済みました (笑) こんな役でも一番ギャラもらってんだろうな~ などとやっぱりお金のお話で締めくくることにします。
[DVD(字幕)] 7点(2019-07-11 22:49:31)
255.  きっと、星のせいじゃない。 《ネタバレ》 
個人的に想像していた展開と大きく違うことが二つありました。一つは、ガス (A・エルゴート) が死んだこと。予告編から、彼女が亡くなるストーリーと勝手に思っていたので、これは予想外でした。もう一つは、作家 (W・デフォー) に会いに行くエピソード。きっと作家は良識人で、遠路はるばる会いにきた二人を温かく迎える展開だろう、と想像していたので、彼のぞんざいな出迎えには驚きました。さすがは変人W・デフォー、でも彼の存在が良くも悪くもこの映画を引き締めています。彼の存在がなければ、きっとありがちなお涙頂戴の難病モノになっていたのでは? S・ウッドリーは超美人ではありませんが、個性的で光る存在感がありました。逆にA・エルゴートは確かにイケメンですが、個性がないかな。むしろ、友人のサングラス君の方がインパクトありました。 「きっと、星のせいじゃない。」 残念な邦題が多い中で、これはひねりが効いていて、うまい邦題。そして何より、死の恐怖を隠して、あえて明るく振る舞う二人の心境がとても伝わってきて、心を打たれます。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-07-10 22:42:19)
256.  アバウト・シュミット 《ネタバレ》 
J・ニコルソンが「普通の中年」になりきっていて、カッコーもシャイニングも、一度だってちらつかせないところはさすが。 (顔も体型も当時の面影ないから当たり前、とは言わないで (笑) ) 映画としては、各人のスピーチがよいアクセントになっています。冒頭にある、後任のクソ面白くないスピーチと友人の白々しいスピーチ。彼らの心がこもっていないスピーチが伏線的にあるからこそ、最後のJ・ニコルソンのスピーチが心に強く響きます。 (個人的には結婚式のスピーチは半分アドリブと思っています) "ドア" や "時計" といった小道具の使い方も効果的でした。会社を去るとき、家に帰るとき。誰かを迎えるとき、誰かに迎えられるとき。それぞれ、ドアが開くことによって目まぐるしく展開 (人生) は変わり、時計の秒針をさり気なく映すことによって、彼の人生に関係なく時は過ぎ行くことを印象付けています。気になった点。娘婿の家族たちのキャラがよくわからないのは仕方ないとしても、娘と旦那の馴れ初めくらいは会話の中でほしいところ。ベッドに横たわるJ・ニコルソンにキャシー・ベイツの姿は、まるでミザリーのようで笑えるが、おっぱいはいらない。最後、多くを失った彼の心を浄化したのは、家族でも同僚でもなく、皮肉にもはるか遠く顔も知らないアフリカの子、そして彼が書いた絵ということ。ここまできてやっと、"About Schmidt" という題名を不意に思い出して、家族とは一体なんだろう? と僕は考えてしまいます。
[DVD(字幕)] 7点(2019-06-25 00:04:51)
257.  長いお別れ 《ネタバレ》 
だいたい、前作「湯を沸かすほどの熱い愛」と似ています。大切な人に (ゆっくりと) 訪れる死とお別れ、それに向き合い明るく送り出そうとする家族たち。笑いもありますが下ネタがないので、老若男女問わず安心して観れると思います。 (山田洋次監督の笑いに近いかな?) そして、、良くも悪くもお涙頂戴、なんですよね。三女優を泣かせるウェットなシーンがとにかく多くて・・ちょっと興ざめかな。裕福だけど心が満ち足りない暮らしを対比して描く意図にしても、アメリカのパートは長すぎるし。だからいろんな意味で長い映画だったな、、と。 (題名にかけてるわけではありません) とは言え、本作の山﨑努さんはよかったです。おそらく最初で最後ではないだろうか、笑いに徹した山﨑努さんを観ることができたのはとても貴重かも。願わくば、この名優に主演男優賞を。以下余談。洋食屋のママが「誰かいい人いないの?」とふみ (蒼井優) に尋ねましたね。いい人、いましたね (笑) 何と本作を観た数日後に突然の婚約発表、ぶっ飛びましたよ。
[映画館(邦画)] 6点(2019-06-23 22:48:59)(良:1票)
258.  団地 《ネタバレ》 
主要キャストの年代や昔ながらの団地といったロケーションから、昭和を感じさせる雰囲気は好きです。全く予想もしなかった大胆なSFであったり、ファンタジー色が強いことは嫌いではないし、むしろ面白い展開だと思う。でも本作の失敗はそこではないと思う。それは皮肉にも「団地」であること。根拠のない噂話しや切りたくても切れない複雑な人間関係、といったあたりが団地が舞台であることの面白みと思っています。だから、前半の展開はよかった。そして、このまま人間たちのドラマだけで行って欲しかった、という思いが強い。残念ながら、この展開だと本作が団地であることの必要性が特にはありません。題名「山下ヒナ子、無知との遭遇」あたりでよかったと思うが。
[DVD(邦画)] 5点(2019-06-13 22:05:32)(笑:1票)
259.  ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 《ネタバレ》 
とても楽しかったです。我らが日本のゴジラが時代を越えてハリウッドでも大いにリスペクトされていることは、やはり嬉しく思います。最初にキングギドラと対峙した場面は鳥肌が立ったし、最後に怪獣たちがゴジラにひれ伏す演出とかサイコーでしたね。 (題名は伊達じゃなかった!) そして、、モスラは可愛い! なぜかセクシーなんだよな~ 不思議 (笑) この迫力は大スクリーンで観て本当によかったと思う。でも気になった点もいくつか。それは大体、人間たちが関わる部分です。怪獣が暴れる場面 (映画の大部分ですが) 、展開もカットも忙しくて、誰が今どこにいるのか、人間たちの位置関係に全くついていけない。サリー・ホーキンスさんはいつ誰にやられて死んだの? そして特定の人間とその家族を延々とフォーカスするのは毎回どうかと? この状況下ですからね、、生と死と人生のドラマ、みんなありますよ。て言うか、仕事の現場に家庭のいざこざ持ち込みすぎでしょ、この人たちは。冷静に振り返ってみると、むしろ被害拡大させてた気がしますよ。
[映画館(字幕)] 7点(2019-06-13 17:26:56)
260.  アメリカン・アニマルズ 《ネタバレ》 
映画の売りである、事件の当事者たち本人に語らせる手法は確かに斬新で面白い。でもそんなのどうでもよくなるほど、「アメリカの鳥類」強奪ミッションが笑えました。その手際の良さはオーシャンズ11やレザボアドッグスのようにスマートでクール、、ではもちろんありません (笑) 計画性なし、行き当たりばったり、挙句の果てに仲間割れ。でも彼らはいたって真剣そのものだから、そのギャップに爆笑しました。本作は冒頭で "実話に基づいた" ではなく "実話" と強調しておきながら、終盤ではウォーレンのオランダ遠征には架空の登場人物がいたことを仄めかしています。確かに、出来事として記録された事件一つ一つは真実として、語られたことが全て本心なのか真実かは本人以外わかりませんよね。例えば、突如として道に現れたあの "鳥" はとても意味深な場面ですが、そもそもこれは果たして現実なのかと? だから、なぜ本作は大金やダイヤモンド泥棒のお話ではなく、オーデュボンの画集「アメリカの鳥類」なのか、そこには意味があると思います。確かに彼とその本は実在します。でも本に描かれている"鳥"となれば話は別です。実はその鳥が全て本当に実在したかどうかは、オーデュボンのみぞ知る、なんです。だって誰も自分の目で実際に見たわけじゃないでしょう? つまりこの映画、実話 (真実) を売りにしていることはタテマエで、ホンネとしては自分の目で見たことだけを信じよ、と挑発的に言っている気がします。
[映画館(字幕)] 7点(2019-05-26 23:00:59)
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