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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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241.  麦秋(むぎのあき) 《ネタバレ》 
地味な題材をダイナミックに描いたら右に出る者はいないキング・ヴィダーの力作。  畑を耕す事に全てを賭けた男たちの生き様をひたすら描く。 大事な楽器よりも一時のターキーチキン、三度の飯より地面を掘って掘って掘りまくる開拓。  ラストの畑に水を引く場面の盛り上がりようは何なのだろうか。 こんなに胸が踊った伝水シーンは見たことがない。まるでダム一つ作る勢いだ。  ヴィダーの「麦秋」に対抗して内田吐夢も「土」という最強に地味な映画を撮っている。 内田吐夢は日本のキング・ヴィダーです。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-16 21:48:53)
242.  銀河英雄伝説 わが征くは星の大海 《ネタバレ》 
田中芳樹が描く壮大なSFバトルサーガ「銀河英雄伝説」。  100話を超えるOVA本編を前に、真っ先に観たいのが本作。  田中芳樹の原作はSFのクセにテキトーすぎる描写や設定が多く、宇宙なのに平面的な戦闘とツッコミどころ満載の作品だったが、それでも骨太の人間ドラマと戦闘の凄絶さが魅力。  それをこの映画は、不明瞭だった観戦の造形、空間戦闘、艦隊同士のぶつかり合いを最高最強の作画! 原作の想像を遥かに超えた迫力で描くのだ! 本編の初戦は恒星での息詰まる空中戦。 宇宙での上下空間を上手く利用した醍醐味がある。  登場人物も神がかった作画で描かれる(唇リアルすぎだろというツッコミはこの際ヤボだ)。 自由惑星同盟からは ハチャメチャな猛将パエッタ、 智将ヤン・ウェンリー、 愛弟子アッテンボロー(原作に先駆けてラオの代わりに登場)、 強運の憎めない艦長のニルソン。  それに対する銀河帝国。 知勇兼備の若き獅子ラインハルト、 それを支える超人キルヒアイス、 頼れる部下のロイエンタール、ミッターマイヤー、メックリンガー、艦長のシュタインメッツ。 土師メックリンガーも素晴らしいが、戸次メックリンガーも気品があって男らしい。  ミュッケンベルガー元帥も面白い役どころ。  これに続く戦いが「新たなる序曲」でも描かれるので、OVAシリーズの前にそちらも先に観て欲しい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-16 21:45:37)
243.  ルパン三世(1978) 《ネタバレ》 
原作に近いタッチとか言われてるけど、いやいやここまで破天荒な絵面じゃなかった気がするんだが。 案の定だがいつも通り不二子は「誰てめ絵」。 五右衛門もパイロットフィルム版みたいに「松崎しげる肌」。 黒すぎバロス。 髪の色、声、黒いスーツじゃなかったら誰か解らなかった。 不二子のヌード?何かいつも脱いでるような気が・・・。 だが不二子の乳首をツンツンしたルパンはこれが最後だろう。 今じゃ制作できない。 正し放送は余裕でする(ノーカット)  超能力者との対決は「ルパン1st」に出てきたパイカル以来。 ただ「マモー」は一味違った。 虚空から何の前触れも無く現れたマモーは本当に不気味な存在だ。  斬鉄剣が折れるわ、レーザー光線だわと何でもアリ。 その「折れた切っ先」がキーアイテムになるから面白い。 太陽に吸い込まれる「脳味噌」が印象的なラストだった。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-16 21:41:58)
244.  そして父になる 《ネタバレ》 
最近(2013年)、生まれて60年を過ぎてから病院で「取り違え」が生じていた事が話題になっていたので、いつか見たいと思っていたこの作品を見た。   個人的には家族に「血の繋がり」は関係ないと思う。 「家族」というのは一種の共同体。 例えば養子。 血のつながりが無くとも、引き取る側が「家族」、引き取られる側が「家族になりたい」と言うならそれで家族だ。  「サザエさん」というアニメがあるが、あそこに婿として磯野家に納まっているマスオという男がいる。 この男もサザエと出会う前は「赤の他人」だった。 それがサザエを愛し、子供をもうけ磯野家に迎えられた・・・。 このように家族とは「別の血を流す者どうしが心で結ばれる」事で出来上がるのだ。 そこに子供がいなくともだ。  サーカスなら曲馬団どうしの絆、村なら村ぐるみの絆・・・「人類みな兄弟」という言葉は当たり前の考えとさえ言える。 「義弟」やら「義母」ならいくらでもなれるワケだし。  ただそこに心の通い合いが無い家族は家族とは言えない。それだけは確かであろう。  だ今回の件は事情が少し違う。 「親は誰?」という話。  産みの親が亡くなっているなら育ての親の元でそのまま暮らせるが、今回は産みも育ても健在と来たもんだ。  実にありふれたテーマ、実にシンプルかつ複雑な話。  親の心と子の心の違い。 男と女の心の違い。 そこら辺をシビアに描いたからこそ、この作品は評価されたのだと思う。 むしろこんな時代だからこそ、改めて普遍的なテーマに挑んだからこそ良いのだ。  一番良かったと思うのが、子供が産みの親の家に「戻る」というところだ。  親にとっても子にとっても複雑な心境、居心地と嫌悪感、ただそれが慣れれば・・・。  ラストの「父になった」結末は中々考えさせられる幕引きだった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-16 21:38:33)
245.  ベイブ 《ネタバレ》 
ベイブは子豚だ。 だがただの子豚じゃない。 自立して物を考えられる賢いブーちゃんだ。  ベイブは「何も出来ない子豚」と人間だけでなく、他の動物からも馬鹿にされる。  だが、ベイブはめげない。 努力を重ねて徐々に周囲に認められていく。 馬鹿にされても、馬鹿にしない。 どこまでも食い尽く心の強さ。 そんな姿がやがて飼い主のじいさんも通じていく。 言葉よりも大切な絆で結ばれていく。  動物同士だと人間みたいに会話ができるってとこがディズニーらしい。  どんな動物だろうと関係ないのだ。 ガラパゴスゾウガメと犬が仲良くなったり、 豚とライオンが一緒に暮らしているって事も稀じゃない世の中。  生きるか死ぬかの野生じゃ得られない、理解し合うという心の余裕。  人間が唯一くれた良い贈り物だ。  「都会に行く」はかなりシリアス。 だって監督が「マッドマックス」の人なんだぜ? 動物に何させる気だよこの監督は・・・ 都会に生きる動物たちと交流していくわけだが、そんな動物たちの背中から猛烈に哀愁を感じるのは何故だろう?  でも、ああいう終わり方も好きかな。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-15 23:28:06)
246.  河内山宗俊 《ネタバレ》 
実在の茶坊主、河内山宗春を扱った時代劇。 実在の宗春の死はハッキリしない部分も多く、逆に言えばそのミステリアスな最期が後年の多様な脚色を生んだのだろう。 「丹下左膳」や「人情紙風船」に比べると余り演出の冴えを感じられない。 それでも無関係だった河内山と用心棒が徐々に関係を深めていく様子や、丁寧な掘り下げ、一触即発な抜刀の場面、数分ながらラストの殺陣など流石の演出だ。 でも雪を背にしたカットはちょっと懲りすぎな気が・・・と思ったら、雪夜を背に哀しげな表情を見せる原節子の美しさは何ともいえない。  それに、本作の最大の見所はやはり人間ドラマだろう。 油断できないキャラの河内山、ユニークな用心棒の先生、河内山を気遣う女房代わりの女性、「丹下左膳 百萬両の壺」に出ていた例のコンビも忘れがたい。この作品のキーパーソンだ。 加藤清正は違うだろうけど。  それに超初々しかった節子。 喧嘩が止まるほどカワイイ節子。かわゆいっす。こんな初々しかったのか・・・。  クライマックスとなる路地裏での斬り合いは見づらい部分もあるが、閉所における息詰まる攻防が見所。 ストーリーは「人情紙風船」ほど暗い部分も覗かせたが、ラストの希望を抱かせる走りっ振り。  姉の愛情に気づいた弟は、光の中に向って走り続けるだろう。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-15 23:25:41)
247.  おくりびと 《ネタバレ》 
死者を送りだす「生きる」人々 緩やかな、何処までも緩やかな映画。 にも関わらず、これほど人の神経を逆なで、魂を揺さぶる“あぶない”映画もないだろう。私はそういうあえて危険な道を行くこういう映画が大好きなのです。  霧、道を走ってくる車、喪服を着た男のセリフ、雪原。 葬式、仏の顔を覆う布をとり、手を合わせ、顔をなでて表情を整え、固く結ばれた両手を指の一本一本ほぐし、再び布団をかぶせ、衣服を下から抜き去り仏に被せる。  漆黒の喪服ですら、死者を優しく送るように何処か明るみを帯びている。撮影は「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」や「女優霊」でも知られる浜田毅。 滝田洋二とは「病院へ行こう」や「壬生義士伝」でも組んだコンビだ。  布の下に手をやり、体を清める。そして雰囲気をブチこわす本木の一言の破壊力。 師匠も“勲章”を確認。  音楽で食っていた男が、死者のためにレクイエムを奏でる存在になる。妻のために嫌々やっていた“作業”が、誇れる“仕事”になる瞬間。  葬式のPVで死んだフリ入門。  死への接近、冷え切った肉体への接触、対面した人間にしか解らない匂い、それを周りの人間の噂話で理解し、銭湯で生きている実感を、嫁に抱き着き服をまさぐる事で生きる喜びを味わう。温もりと呼吸。死んだら嘔吐も抱き合う事もできない。 社長もまた派手な咀嚼音で生きる瞬間を噛み締めている(と思いたい。つうかちょっとは自重しろよ社長)。  父を恨んでさえいた男が、同業者の“無自覚さ”によって怒る。いなくなって初めて解る存在の大きさ、拳に握られていた物の大きさ、流れる涙。 妻もまた、最後まで「生きた人間」として死者を送り続ける夫の仕事を見届ける。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-15 23:19:56)
248.  審判(1963) 《ネタバレ》 
カフカの意味不明(褒め言葉)な傑作小説をよくぞここまで映像化しましたよ。やっぱりウェルズは天才。 ストーリーはいきなり主人公が逮捕されるわ、次々と異様で不可解で意味不明でエロいナース服?姿の女の娘とチューだわウェルズが相変わらずデブ(ry  とにかく不条理極まるカオスな映画だ。でもスゲー面白れえ。 ラスト・シーンはもっと謎だ。 文字通りドカーンとしたラスト。カフカはポカーンだろうぜ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-15 23:09:19)
249.  祇園の姉妹(1936) 《ネタバレ》 
溝口健二にしてはちょっと押しが弱いかなと思った。 ちょっと押しが弱い気がする。 他の作品に比べると(同時期なら「浪華悲歌」とか)キャラの印象を薄く感じる。 ただ、溝口健二の最盛期だった1920年代~1930年代(淀川長治いわく)の名に恥じない作品であるのは確か。 登場人物もそんな感じに抑圧されている印象が良かった。 人物のクローズアップが滅多に無いので、ロングショットの迫力と美しさはスクリーンで楽しみたいものだ。 特に本作は「唐人お吉」の梅村蓉子、山田五十鈴の若く美しい事だけでも楽しめるし、クローズアップされた山田五十鈴の笑みが良い。 若い二人の姉妹は芸妓と一見すると性を自由に謳歌するようなイメージがあるが、実情は幼い頃から芸妓として生きてきた抑圧された面を覗かせる。 普段は着物で“縛られ”、時折の洋服姿は解放された女性像を感じさせる。 この和服/洋服が最も共存し、女性が自由になろうと背伸びしていた戦前の日本。 貧しく辛い身の上、更には女性軽視(嫁が男を尻に敷いている家庭も結構あったけど)が当たり前の時代。女性は慎ましくも自由になろうと抗う強さと美しさを持っていた。 和服と洋服が共存するという映画は、日本じゃなきゃ撮れない独特の美意識を感じさせる。 そんな抑圧された女性ほど魅力的で怖い者は無い・・・! 本作は姉妹でそれぞれの男を取り合い決裂、男を振り回した女は仕返しを受けるし、男の方も手を出してタダでは済まない。 時代に押さえつけられた女の主張、男として何でも強く生きなきゃならない男の主張、どちらも意地の張り合い。 気持ちは解るがどっちもどっち、男も女も勝手だよと、そんな感じがよく出ている映画だねえ。本当溝口はこういうの描くのが上手い。 溝口独特の飽きそうで飽きさせない絶妙な“間”、 映像の切り替えが結構あるし、印象的な長屋のロングショット、美人二人に酌を受ける先生の満更でもない表情、酒に酔った先生が今で言う“逆ナン”的に誘拐されたり、終盤の車の窓越しの夜街のロケーション、直接的な描写を見せずとも伝わる袋叩きにされた娘の悲痛。 悲惨でもあるけど、「そうなってもしゃあないわ」と何処かユーモアすら感じてしまう。  仲違いしていた姉妹が結局仲直りする様子は微笑ましくもあり、「負けてたまるか」と叫ぶ妹の姿は痛々しくもあるし力強さも感じられる。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-15 23:07:11)
250.  第十七捕虜収容所 《ネタバレ》 
後年の「大脱走」「勝利への脱出」と共に収容所を描いた戦争映画の傑作。 コメディタッチの軽快なやりとり、謎が謎を呼ぶサスペンス感覚の戦慄。この緊張の糸がビリー・ワイルダーの醍醐味。 オープニングのナレーションが「捕虜収容所を描いた戦争映画が無いから作りました」と来たもんだ。メタすぎる。 いきなり脱走から始まるファーストシーン、だが既に「密告者」が暗躍していた。 一体「密告者」は誰なのか。 一番怪しい男、まったく怪しくない男、様々な疑念が広がる・・・それをワイルダーのコメディ演出が忘れさせてしまう。 アニマルの暴れ振りが可愛くてしょうがない。 と思ったら「密告者」の暗号でドキリとさせられる。油断できないぜ。 収容所内の楽しいやり取り、その隣の鉄条網から先の世界は死が待っている・・・「殺される戦場」よりも「何もしなければ殺されない収容所」の方が気楽かも知れない。 死にたくなったらいつでも鉄条網を潜ればいい。サーチライトが道標だ。  ウィリアム・ホールデンの孤独な戦い振りがカッコイイ。 “商売人”は嫌われて上等。殴られて上等、だが「嘘」だけは付かない・・・てめえ(密告者)の尻尾を掴むまで徹底的に嫌われてやらあ・・・! 「尻尾を掴んだ」後も報復はせずに「気にするな」の一言。こういう男になりたいぜ。 オマケに最後の最後まで“商売人”だったね。 「人の助けになる物」は売っても「魂」は売らない。 せしめた煙草も一口の卵のために変える男だ。 任務でも仕事でもない、仲間のために命を張るのが奴の商売(ビジネス)・・・!
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-15 23:00:23)
251.  狂い咲きサンダーロード 《ネタバレ》 
日本が誇るカオスなジャンル「不良映画」。 ヤクザの前の不良。不良になるかヤクザになるか。あるいわフルフェイスの軍隊になるか。 無国籍、滅茶苦茶、やりたい放題、何でもアリよ、大人に判ってたまるかってんだ。テメエらだって昔はガキじゃねーか!!そんなカオスな傑作は「野良猫ロック」や「キッズ・リターン(監督が不良つうかヤクザ)」と傑作も幾つかあるが、80年代を代表するブッ飛んだ映画が「狂い咲きサンダーロード」だ。 まず不良映画なのに「近未来」って・・・w それだけでブッ飛んでるよもう。  まずあの居並ぶバイクのライト、ライト、ライト。時代を感じるものの強烈なロック!このオープニングだけでワクワクするぜ。 バイクにまたがる不良軍団の波、波、波。  たった一人で不良軍団に殴り込む仁。 たとえ一人になろうと、腕や足をぶっ飛ばされようが、麻薬に溺れようが関係ねえ。 仲間の仇を討つためなら何だってやってやらあ(脚本も)!ブッ殺してやるぜえ!! まったく狂ってやがる。 「そんな体でバイクに乗れんのかよ?」 良い笑顔だ。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-15 22:57:53)
252.  ホーム・アローン 《ネタバレ》 
この物語は、家を守るために鬼になって泥棒たちを殺す勢いでトラップ責めにした一人の少年と、 命がいくつあっても足りないトラップ地獄に挑み続けた二人のタフでクレイジーな男たちの物語である。  正直「ダイ・ハード」よりもハードです。マクレーンが1ダースくらいいないと攻略とか無理です。   大家族の末っ子のケビン。 兄弟からも「足を引っ張る」と邪険にされ、ある日の大喧嘩が元で一人家に閉じ込められる。密室の恐怖、「家族なんて無くなってしまえ」と世の中を恨む。  そしたら本当に家族が消えてしまった。前日から旅行を計画していたマカリスター家。 我が子と近所の子を間違えてしまったのだ。こんな酷い家族恨みたくもなるわ。自分の間違いによって息子一人を残してしまった事を悔いる母親。 ケビンも最初こそ殿様気分で自由を謳歌していたが、次第に寂しさで泣きたくなってくる。 そこに現れた愉快な強盗コンビハリーとマーブ。 ケビンは家を守るため、たった一人の孤独(ハリーとマーブとの愉快)な戦いに身を投じる。  「ダイ・ハード」は迎え撃つスリルと虎の穴に飛び込む緊張が同時進行するような映画だったが、この映画は砦に篭って迎え打って打って打ちのめしまくる。  ケビンと仲良くなるマーリーじいさんの協力を得て泥棒コンビをフルボッコ。 本編の遠因ともなったピザを運んできた配達員の悲惨さも、この映画から溢れ出るユーモラスな雰囲気に飲み込まれていく。  こんなにも痛そうだなと背筋が凍り、爆笑し、不覚にも泣いてしまった映画を俺は子供の頃から見させてもらっていたのか。ありがたい限りだ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-15 21:49:00)
253.  地獄の黙示録 特別完全版 《ネタバレ》 
再見。 この映画を「ヴェトナム戦争」を描いたものと見るか、「カーツ大佐抹殺」の物語として見るかで受け取り方はまったく違うものになるだろう。  ウィラードの下に付いた部下(と俺ら視聴者)たちはヴェトナムの惨々たる光景を眼に焼き付け、何度も似たような光景を見て慣れきったウィラードにはヴェトナムの狂気や惨禍など気にしている余裕はない。  ワルキューレ騎行とともにヘリが村を焼き払うシーンのスペクタクルと残虐さ、そしてマーロン・ブランドの人殺しまくってるような強烈な演技を見るだけでも価値がある。  冒頭からこの映画はヘリ、ヘリ、ヘリが飛び交い火炎を吹きまくる。 うっそうとした森を横切るヘリ、不気味なローターの金切音、森は猛烈な煙とともに爆炎に包まれる。軽快な音楽とともに、まるで楽しむように森に火を投げ込むのだ。  そこから男の回想が始まる。脳裏にこびりつくベトナムでの地獄。写真の女性は妻だろうか?煙草、酒、枕には護身用の銃。 シーリングファンが連想させるヘリ。パンツ一丁で酒をあおり、踊り狂い、ガラスにぶつかって血を流す。  そんな男に依頼される裏切り者の抹殺。酔いつぶれた男に、雨のようなシャワーを浴びせて目を覚まさせる。  劇中最大の見せ場である「ワルキューレ騎行」の場面。 サーフィンをするために敵を村ごと吹き飛ばすシーンは強烈だ。爽快感と人間の狂気をいっぺんに見せ付けられる。どうしてキルゴア大佐が主人公じゃねえんだっ!!!!!  その後の完全版における狂気100%な場面の連続も凄まじすぎてドン引き。 プレイメイトたちとの乱痴気騒ぎ、船で密林をひたすら進み続ける疲労感、捕虜たちに下す残酷な決断、無秩序状態の兵士たちが繰り広げる地獄の光景。 リボンて…考えただけでもゾッとする。女の方が痛いんだぜ。  カーツ王国ワールドは凄すぎ。何千人も人殺してそうな凄みを感じさせるマーロン・ブランドの存在感。怖ええよ。 煙が渦巻く魔窟、祭りに興じる人々、暗闇の中から問いかけを繰り返すカーツ。  軍人として任務を遂行する!泥の河が、建物の暗闇が主人公の姿を包み隠す。雷鳴の閃光、牛を鉈で屠殺するように、返り血を浴びて。残された書類、集まる群衆を睨み付け去っていく。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-15 21:36:46)
254.  史上最大の作戦 《ネタバレ》 
ダリル・F・ザナック総指揮の元、複数の監督による「ノルマンディー」を描いた大作。  ドイツと連合軍両方の視点で描いていく点が面白い。  最初1時間は淡々としたドラマが続くが、残りノルマンディー上陸の前哨戦をたっぷり描く。  「合図の音」が生む悲劇、暗闇ですれ違う敵軍、落下傘部隊の顛末、激しい銃撃戦は中々楽しめる。  豪華なキャストの共演も魅力的だが、戦争に振り回された男女のドラマも盛り沢山の映画だ。  ラストはちょっと「もっと見たい」という欲求不満になるのが残念。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-15 21:27:13)
255.  劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 《ネタバレ》 
3歳の頃だった。 ミュウツー怖かった。 でも可哀想だなと思った。 ピカチュウさらわれた時はハラハラしたねいつも。 サトシが石になってビックらホイ。 その時に「こいつは不死身か」という事にもっと早く気づいていれば・・・。 スーパーマサラ人の誕生である。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-15 21:06:00)
256.  名探偵コナン 天国へのカウントダウン 《ネタバレ》 
個人的にコナン映画で最高傑作はコレだと思う。「タワーリング・インフェルノ」や「ダイ・ハード」を彷彿とさせるシーンの数々。 黒の組織のジンとウォッカの作画が一番神がかっているし(&ドジッ子ジン兄貴伝説の始まり)。  超高層ビルでのアクション、格闘女子高生ランネー・チャンがダイ・ハード!怖いよ(ヒロインだろアンタ)。 スケボーで隣のビルにダイ・ハードする小学生を見れるのはコナンだけ。 コナンがエレベーターで昇る瞬間の回数カウントとアングル。音楽も合わさり高揚感も最高潮。 スケボーは犠牲になったのだ・・・。 スポーツカーで隣のビルにダイ・ハードするのもコナンだけ!スポーツカーは犠牲になったのだ・・・。  この際犯人はどうでもいい。富士山が真っ二つ?知るかっ!!
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-15 21:04:09)
257.  千と千尋の神隠し 《ネタバレ》 
車の後部座席で花束を抱えて仰向けになる少女。窓の外にアカンベー。  見知らぬ森の鳥居、大木、ほこら?薄暗い道。 両親の好奇心に振り回される娘。まるで童心に還った子供のように。遺跡を探索するようなピクニック気分。それを笑って“迎える”ように立つ像。謎の建物の黒い、異様に暗い穴に吸い込まれていく人々。  地面をガリガリ削るように走る車の躍動感。そっから竜が飛ぶわ化物が駆け回るわ、相変わらずそのスピードへのこだわりにビックリだ。そういうシーンの数々を見るだけでも、方向性とかテーマとかそんなものどうでも良くなりそう。  演技はそんなに悪くないと思う。これ以降のジブリ作品が特に酷いというだけ。  菅原文太の兄貴の演技、夏木マリの素晴らしい演技を聞くだけでもそんな事はどうでもよくなる。  無人の市街地の不気味な静寂。相変わらず食欲をそそられる食い物の数々。 サンプルのような山盛り料理と、二人が食べるぷりぷりした質感の違い。その違和感が、この映画そのものの違和感を物語る。度々聞こえる列車の音。  食いだしたら止まらない止められない恐怖、謎の少年の警告、かけられる“呪い”、人質を助けるために奪われる名前、個性。溶けて“ゼロ”になりかける肉体と心。  それを取り戻すために少女は“千尋”として様々な事件を乗り越えていく。  劇中の人々は、外見も中身もメチャクチャ変わっていく。取り戻す名前と自分、家族。 劇中の人々は、外見も中身もメチャクチャ変わっていく。あの「カオナシ」すら自分を見つめ直そうとするのだから。 そんな人々の中で、魔女はあまり変わらない。それは正反対の性格を持った“もう一人の自分”が既にいたからなのだろうか。必要悪、絶対悪としての存在。それが揺らいでしまう事への恐れ。夏木マリの演技力に恐れ言った。  そういう存在がいなかった「ハウルの動く城」をめぐる魔女は、おどろくほど様変わりしてしまう。   車を覆う草木だけが経った時間を語る。遠のいていく穴、何とも言えない寂しさ。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-14 21:31:52)
258.  忠魂義烈 実録忠臣蔵 《ネタバレ》 
「実録物」の元祖?とも言えるマキノ省三生誕50周年記念の作品。 生涯で実に400本以上映画を撮ったと言われるマキノ省三だが、残念な事に現存するフィルムは数本のみで、しかも1時間以上残るフィルムは「雄呂血(製作総指揮)」「忠魂義烈 実録忠臣蔵」と「百萬両秘聞」ぐらい。 息子の正博(雅弘)との共同作「浪人街」も総集編として1時間足らずのフィルムが残るのみだ。 幸いにも「百萬両秘聞」は前後半合わせて100分以上も現存する貴重なフィルム。コチラも是非とも見たい作品だ。 前・後編それぞれ1000円もしないので、とてもリーズナブルな値段で入手できる。 本作「忠魂義烈 実録忠臣蔵」は2時間以上にもなる当時としては大作だったらしいが、マキノ省三は作品の出来に不満を洩らしてらしく、フィルムも編集中の火災でネガの半分を失ってしまう。 残ったフィルムを何とか繋ぎ合わせ、終盤の討ち入りシーンも焼失したので急遽正博が撮影し直した。 そのため「忠臣蔵」の1時間ダイジェストという出来だが、終盤の迫力ある戦闘は凄まじいものだ。 出演に嵐長三郎、端役に月形龍之介や山本礼三郎など後の実力者たちも名を連ねている。 本作は古典的な「忠臣蔵」のストーリーを映画化。 大胆なカメラワークで迫力あるドラマを魅せる。 中盤の忠臣たちが一斉に抜刀して誓を立てる場面。 カメラでぐるりと収めるようなショットが面白い。 吉良を欺こうと女遊びにふける内蔵助。 女人衆が「うきまさ」または「うきはし」の文字を作る。 つまらなくもないし、特にこれといった突き抜けるほど面白いというワケではない。 ただ終盤の戦闘。 正博が撮り直した場面だが、吉良邸に押し入る浪士たちの群れ、一斉に白刃を抜き討ち入る迫力は凄い。サイレント特有の超高速戦闘。 目にも止まらぬ速さで刃を交わせ敵を斬り倒していく。 修羅場と化す吉良邸、偽装工作と動かざる「額の傷」。 ラストシーンはフィルムの都合もあると思うが、あえて橋の上を渡る浪士たちの後ろ姿で締めくくる場面が良い。 逃れられぬ死の運命・・・最後まで戦う事を選んだ男たちの“死の匂い”を感じた。 今でこそ「忠臣蔵」は史実より脚色された「虚構」であり「神話」状態だが、主君の無念に体を張って応えた義侠心は捨てがたい。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-14 21:11:40)
259.  羅生門(1950) 《ネタバレ》 
角川の「デジタル完全版」が素晴らしかったのもありこの点数。画質と音の聞き取りやすさが素晴らしい。黒澤の映画はクライテリオンとかこういう類に限るね。 さて、この映画は芥川の原作小説を読んでいないと恐らくチンプンカンプンで作品の醍醐味を楽しみにくいかもしれない。 検非違使の役人は画面には出てこない。何故なら聞き手は検非違使ではなく、視聴者その者だからだ。多種多様に別れる証言。どれが真実なのか?はたまた全部嘘なのか。 己の蛮勇を誇る多襄丸の証言、辱められた悲しみを訴える女(真砂)の証言、妻の本性を知り、何もかも失った悲しみを訴える女の夫(金沢武弘)の証言。それぞれの「真実」と「虚実」。みんな言うこと成すことが食い違っている。 唯一共通する事・・・それは多襄丸がけし掛けた事、女が犯された事、女の夫が殺害された事。それぞれの怒りと悲しみ。ただ、それぞれの証言が全て「自分が殺した」で結ばれる。しかも自分を庇う証言ばかりだ。 そこに挿入される4つ目の「証言」。それぞれの証言に近いようであり、やはり全く違う。杣売りの言う通り「さっぱり解んねえ」。もうわけ解んねえ。 それに、それぞれの証言も何処か違和感が拭えない。 世の中嘘だらけだ。 映画も嘘にまみれている。 ラストシーンだって、何処か嘘くさくもあるし、偽善的なのかもしれない。 ただ、全部が全部嘘で出来ているというのも疑問だ。 一つくらい真実があるからこそ、世の中何とか動いているのではなかろうか。 だからこそ、最後の行動くらいは信じてやりたい。 一つくらい泥の中に咲く「蓮の花」が一輪あっても良いと俺は思いたい。  独特の殺陣も面白い。 素早く剣を抜き激しく太刀を打ち合う殺陣。「七人の侍」のようにリアルでも、「用心棒」のようなぶっ飛び具合もまだ成りを潜めた形だ。 太刀同士を鍔迫り合わすのは古典的な剣戟であろう。 往年の剣戟映画「雄呂血」などの「リアルっぽい」殺陣。 ここで本当にリアルなのは、互いに剣で間合いを図り、右手には太刀、左手には盾兼牽制用の鞘。まるで西洋のレイピアで突き合うかのような攻防。そして生きるために必死に逃げ惑い、砂や土を投げて這いずる場面。「酔いどれ天使」を彷彿とさせる演出。多少荒削りで長いシーンだが、見応えはある。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-14 20:38:51)
260.  CUBE 《ネタバレ》 
冒頭から胃を締め付けられるような作品だ。  彼らは何故ここにいるのか。 ここは何処なのか。 そしてこの「キューブ」は何なのか。  解らない事だらけの恐怖、飢えと焦り、疑心暗鬼、「間がさす」瞬間の恐怖・・・密室でこだまする人間の狂気をたっぷり味わえる。   キューブ内の様々な仕掛けで凄惨な最期を迎える人々。とにかく息苦しく油断ならない映画だ。疲労感がハンパ無い。 その謎のまま終わる恐怖を「キューブ ゼロ」で総て種明かししてしまうのは最悪と言っていい。こういうのは何も解らないからこそ面白いのに。 まして「ソウ」みたいに犯人がベラベラネタ晴らししてしまうのも台無しだ。その点では、ワケの解らないまま死の恐怖にさらされるこの映画の方が遥かに面白いのです。  DVDに収録された短編「Elevated」も怖かったっす。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-14 20:29:20)(良:1票)
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