261. ローマの休日
見せ場が山ほどある名作。中でもローマの街めぐりを満喫するアン王女の天真爛漫ぶりがいい。巧みなワイラー演出によるオードリーの魅力はもちろんだが、G・ペックやE・アルバートの名演が彼女を支えた。 誠実さとユーモアを交えたG・ペックの演技を、かつて高倉健が「グレゴリー・ペックの技、いいねえ」と言ったとか。某脚本家は新聞に「P・ニューマンはG・ペックより格上」と書いてますが、全然違います。逆ですよ。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-12-16 16:46:30) |
262. 大脱走
何回捕まっても、アメリカ的な明るさで脱走(任務)をあきらめないヒルツの姿勢には脱帽。人生いかに困難な場にあっても、楽天的に、プラス思考で臨みたいものだ。捕虜に多数の犠牲者が出てほろ苦い結末だったが、オールスターキャスト中、私の好きなJ・コバーン、C・ブロンソン、J・レイトンの三人はいずれも脱走に成功し、この点はよかった。「第十七捕虜収容所」でもそうなのだが、精神的に参ったり病んだりした捕虜にも視点を当て、丁寧に描写している。J・レイトンは歌手として主題曲を歌っているが、ちょっとパンチ不足かな。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2012-12-16 16:36:35) |
263. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
いいたいことはわかるが、悪ふざけ的な印象。「When Johnny Comes Marching Home」の音楽を多用しているが、これはこの音楽に対する侮辱とみた。キューブリックは肌に合わない。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2012-12-15 20:51:49) |
264. キューポラのある街
1975年頃、横浜放送映画専門学院の生徒が合宿で某県に来たとき、ある映画館で観た。その後、生徒とともに淀川長治さんの講演を聞いた。映画を観る場合、基本的に製作当時の目線で鑑賞を心掛けているが、この映画の場合は例外だ。劇中で在日朝鮮人が帰国事業で祖国へ帰る話が盛り込まれ、重要なテーマであるが、今となってはナンじゃいな、てな感じである。当時も半島情勢に警告した人はいるはず。それを無視した進歩的文化人がこの映画を製作したのかな?主演の吉永小百合が草むらにかけてゆき、しゃがんで感嘆(?)の表情を見せるが、監督はあのシーンを強調したかったのでは? [映画館(邦画)] 1点(2012-12-15 20:41:33) |
265. テキサス
A・ドロンのハリウッド進出失敗作のひとつに数えられていますが、私にはピッタリの映画で、自分を洋画鑑賞に誘ってくれた記念碑的作品です。 「月曜ロードショー」で初めて観ましたが、何度観ても笑えます。先住民の酋長の息子を笑いものにするシーンは、決してインディアン蔑視ではなく、大企業オーナーの2代目バカ息子を嘲笑しているとみるべきでしょう。最後の石油噴出シーンも現代社会への風刺が効いています。 劇中、ドロン、マーティン、R・フォーサイスの3人が三者三様で会話をして、話がかみ合わないシーンがあり笑えますが、映画「ニューヨークの休日」にも同じような設定がありました。これは舞台劇の流用でしょうか? それにしてもP・グレーヴスは、この映画のほかにも「第十七捕虜収容所」や「狩人の夜」など、いい映画に出ていますなあ。 [地上波(吹替)] 10点(2012-12-02 17:19:10) |