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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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261.  ゴースト/ニューヨークの幻 《ネタバレ》 
んん?この良作までこのサイトのオールドタイプ共は点を低くするのかね?だからこのサイトはダメなんだよ。若い人がどんどん離れていくワケだ。  ニューヨークで起こった男女の数奇な運命を描くロマンス・ファンタジー映画。 愛する男を襲った突然の「悲劇」。 その悲劇が信じられない「奇跡」を生む・・・! ストーリーは恋愛、ファンタジー、ホラーが充実しているが、面白いのは主人公が思いもよらない立場となって真相を知っていくという所。 冒頭のアホみたいなイチャイチャ振りからは想像が付かないほど話がガラリと変わるのだ。点が低い人はその時点で全面撤退しちゃった人もいるだろうね。 あらすじだけ追えば陳腐に見えるストーリーも、本編は奇想天外でありながら実に丁寧な作りをしている。 主人公が何も出来ないもどかしさと戦い、それを努力を重ねて自分の「利点」に成長させる。 主人公の予想以上の「反撃」は胸がスッーとなる事だろう。 これぞ映画だ。 影のヒロインとも言えるウーピー・ゴールドバーグも凄い良かった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-13 19:17:53)
262.  マッドマックス 《ネタバレ》 
世の中の犯罪の生々しさと狂気を描いたこのバイオレンス・バイク映画の傑作。 「ワイルド7」大好きな俺がこの映画の中毒にならないワケがない(何のこっちゃ)。  あの改造バイクの群れ、群れ、群れを見るだけでもゾクゾクワクワクしてしまう。 凄まじいカーチェイス、 血で血を争う凄惨な殺し合い。 追うものと追われる者。 そして戦いに巻き込まれる民衆。 残虐である。 変わり果てた姿になる同僚、 「あの時」のメル・ギブソンの絶望に打ちのめされた顔。 赤ん坊も愛する我妻も・・・復讐の“道”は出来上がる。  ラストの執念に満ちた復讐! 執念が奴らを一人も生かしちゃおかない!! 脚を引き連りながらも復讐への執念を燃やすメル・ギブソンの姿がカッコイイ。後の「ブレイブ・ハート」でのギブソンも好きだが、ギラついた感じはこの映画がベスト。  不条理極まりないこの現代。 そんな人々の断片がこの物語である。   「マッドマックス2」はギャグ映画です(賛辞)
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-13 19:08:32)
263.  マッドマックス2 《ネタバレ》 
「MAD MAX2」もとい「The Road Warrior」。 前作がまず「アレ」だったじゃんか。んでいきなり戦争でドカーンだろ? 「警戒」すんなって方が無理だろ・・・orz 荒廃した世界で?ボーガンで?モヒカンで?ヒャッハーだろ? 「気が違えたかジョージ・ミラー」と思わない方がおかしいだろ。  だのに何で普通に面白いわけ!? 普通この手の部類はありとあらゆる部分が脱線するはずなんだが・・・前作が「既にそういう状況だった」という過程なら違和感はまったくない。 戦争の結果で完全に無秩序な無法地帯になったわけだし。 これが元になった「北斗の拳」だって、ブルース・リーがいきなり核戦争後の世界に来たわけじゃない。 最初から戦争が起こり、そこからケンシロウたちがどう生き残っていくかを描くわけだ(読み切りは別ということで)。 前作の死闘の果てに心に傷を負ったマックス。 あての無い荒野、暴力の連鎖、脚となるガソリンと食料を手に入れるだけの単調な日々・・・マックスの心は渇ききっていた。 そんな中で出会う様々な人間たち。 マックス同様に生き残り、あらゆる暴力から解放されるために戦い続けている。 こんな無法な時代でも「等価交換」という定義は残っていた。 マックス自身も単調な毎日からの脱出を求めていた。 何もかもが無くなった時代、車を乗る者にとって「石油」は「水」と同等以上に貴重な物だ。 それを無駄な争いによって消費していく人間たち。 自らの命とともに投げ捨てていくわけだ。 マックス、石油を守る村人、ヒューマンガス一味・・・3つ共えの死闘。 カーチェイスは前作以上にパワーアップしているが、前作における「犯罪者への怒り」のパワーはあまり感じない。 法が無くなった事で「犯罪者」と「被害者」の境界線はあいまいになり、単純な「暴力」への抗いだけが残った。 生き残った者に残るもの・・・マックス、村人、ヒューマンガス一味・・・彼らは何を失い、何を得たのか。 善悪の線引きが消えた世界で人々は何を見出すのか。 そんなまじめな事をまだ考えられる力作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-13 19:06:55)(良:1票)
264.  虞美人草 《ネタバレ》 
脚本に伊藤大輔!まずファーストシーンが良いね。 壁に書かれた「お嬢さんを下さい」という落書きを黙々と消すお父さん。 消しまくっている内に諦めニッコリ笑うお父さんの表情が良い。 最初サイレント映画かと思いきや、バックに流れるBGMは実はこの父親の娘が奏でる琴の音色であった。 公開は1935年。この作品を撮る直前までサイレントだったんだよな(トーキーとサイレント混じりの「藤原義江のふるさとの歌」)。その名残を感じさせるシーンだった。 話も序盤はやや退屈だが、その後のゆっくりと盛り上げていく展開が面白い。 5年も付き合い結婚したも同然だったと小夜子と平蔵。そこに縁談の話が舞い込み、藤尾という女が小野の前に現れる。声がエロい。 それと短いシーンだが、藤尾の母親を演じる梅村蓉子の母親ぶりも中々。 藤尾と偶然居合わせる小野。 小野と藤尾の表情を交互にカットバックさせる演出。呆気にとられた小野の表情がより彼の心境を表す。 小野は縁談の話を思い出し動揺する。 しかし5年も暮らしを共にした小夜子は結婚を夢見て写真館に飾られた夫婦の写真を眺めていた。オマケに小夜子の恩師である井上には世話になった恩義があった。 しかし縁談も断るに断れない。二人の女の間で揺れる小野の表情が何とも言えない。脳裏によぎる二人の女性の声。 藤尾も徹底的に揺さぶること揺さぶること。金時計を“エンゲージ(指輪)”替わりに小野にプレゼントする藤尾。絵で魅せる場面が豊富だ。 会話する夫婦と障子越しに話を聞くひとりの女、「狂恋の女師匠」を思い出す花火、打ち上がる花火を見つめる二人の異性。 玄関先から家の中を覗くようなショットなど。 「父は死んだが生きている母よりも確かだ(信用ならないのか?それとも単にボケてる?)」 井上先生、そしてもう一人の熱血漢、宗近! ハッキリせず情けない小野に喝を入れる男らしさ。終盤数分の見せ場でこれほど印象を残すとは。 出て行く列車。 間一髪列車に乗り込む場面は中々緊張感がある。 ラストがまた良いのよ。 まるで今のサスペンスドラマさながらの展開。海をバックにした演出。 “代理”を買って出た宗親の男気。 殴らず、言葉でなだめ喝を入れるその精神が良い。 とにかく海がキレイです。 例の金時計が波にさらわれていく場面、ラストの船。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-13 18:54:27)
265.  隠し砦の三悪人 《ネタバレ》 
この映画はまず「戦国時代の姫君と三人の悪人が、黄金を背負って敵中を突破する」という筋を知っていないといけない。 何故なら、肝心の主役格の悪人と姫君が登場するまでに30分も時間がかかるからだ。 それまでは戦場で手柄を立てて出世しようと勇んで出てきた太平(何やってんの平八)と又七(万造、侍を目指す)たちの愉快なコンビによる波乱万丈な場面を追うことになる。 予備知識無しで見た人は「そうか又八たちのユニークな物語なのかー」と勘違いするだろう。 いや実際そうなんだけどさ。 最初から太平たちを主人公として見るか、宣伝通りに雪姫と真壁六郎太を主人公として見るかでかなり見方が違ってくる。 そしてようやくメインの六郎太と雪姫の御登場だ。 メインディッシュとデザートが次々出るように流れがガラッと変わる。 又八たちは脇を支える漫才コンビとして立ち位置を変えてくる。 宣伝を見てきた人は「待ってました!」と思い、予備知識無しの人は「悪そうなサブキャラが出てきたなー」と思う。 そしてようやくジャケットの人物が誰なのかが判明する。 別のDVDの雪姫と六郎太のツーショットのジャケットならともかく、又八たち4人が居並ぶジャケでは判断がしにくいだろう。むしろそれが狙いの一つなのかもしれない。 泥にまみれながら懸命かつ愉快に生きる又七たち、利用しつつも結構思いやりのある六郎太、そして泣きっ面が最高に怖いが、本当は心根が優しく芯の強い、寝顔が可愛い太股のエロゲフンッゲフンッ男前な雪姫。 個性豊かだ。 特に六郎太の馬上での迫力満点な追撃、無駄に長いが見応え充分の決闘(あまりに長かったので「椿三十郎」のような一瞬の決着が生まれたのかも)。 しかし、ラストはどうなのだろう。 前には処刑台、後ろには脱出口! 兵衛の槍の唸りで二人を解放。 「志あるならば続け!」 颯爽と駆け抜ける雪姫、雪姫の侍女をヒラリと乗せ駆ける六郎太。そして兵衛の「裏切り御免!」 普通こういう場面は最高にカッコイ筈ずなのだが、好敵手との決闘を咎められて顔を鞭打たれた兵衛。 元々気遣いがある男ではあるが、「おまえの上司はカスだ!あたしそんな事しねーし!あーあー、どうせ死ぬんだ、直前まで遊べて良かったー!」なんて言われて同情してしまう兵衛。それでいいのか兵衛。何故だろう、何処か釈然としないのだ。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-13 18:44:00)(良:1票)
266.  父の祈りを 《ネタバレ》 
英国の司法界史上最大の汚点とされるギルドフォード・パブ爆破事件と冤罪によって苦しめられた人々の姿を描いた作品。 刑務所と法廷劇が絡んだ作品といえばマーク・ロッコの「告発」もあるが、俺はこの作品の方が惹かれるものがあった。  爆破事故からはじまるこの物語は、1970年代の北アイルランドの騒動から幕を開ける。  定職にも付かず警察相手に挑発を繰り返す若者たち。 家族のために望んだ一時の天国、テロを疑われ一気に地獄へ。  IRA暫定派(アイルランド共和軍暫定派)は、イギリスにいまだ支配される北アイルランドを取り戻そうとテロを続ける。  標的な基本軍人だが、エスカレートするテロリズムは一般市民すら巻き込んでいく。  事件を何としても解決したい警察もまた、苛立ちや焦り、さらには事件を喰い止められない事によって世間の目が気になって気になってしょうがない。  焦りは冷静な判断を失わせ、狂気と化した警察は誤認逮捕が発覚しても隠蔽しようとする。 疑わしきは罰せよ・・・着せられた無実の罪。  世の中が腐れば、警察も腐る。その逆もしかりだ。  耳を引っ張るやつは凄い痛いんだよなあ。悲痛な表情が辛そうだ。 遂にはその家族にまで手をだし、マフィアのように「親を殺す」と脅迫までやってのける。 若者は「地獄に堕ちろ!」と哀しみと怒りをぶつけるが、届かない虚しさ。 やりもしない罪をでっちあげねばならない苦しみ、“妥協”が地獄から逃れる唯一の選択。だが、一度押された烙印は一生その人間を苦しめる。意思を貫くか、妥協するかは貴方しだいだ。  IRAのジョーの暴れ振りが凄まじい。火炎放射器まで作ってしまうのだから恐ろしい。そりゃ警察だってこんな奴いたらおかしくもなるわ。  彼らを救い出す騎兵隊は来なかったが、弁護士という名の救いの女神は彼らを見捨てなかった。 説得に次ぐ説得、迫る父の死期、父の息子や家族に対する祈り、「ゴッドファーザー」は父の死を暗示する、闘志が蘇る息子、法廷でまくしたてる迫力!  彼らはつい昨日の事のように過去を振り返るが、失われた時間と家族はけして戻ってこない。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-12 11:32:28)
267.  キートンのスケアクロウ(案山子) 《ネタバレ》 
キートンは短編でも「文化生活一週間」といった傑作群があるが、本作「案山子(The Scarecrow)」もアイデアに満ちたそんな傑作の一つ。  太陽が昇り、虫歯に悩むキートン、それを見つめる太目の相棒。 相棒はキートンの虫歯とドアノブを繋ぎ抜こうとするが・・・この変のやり取りからして面白い。  その後の“朝食”シーンは笑いよりもそのアイデアの豊富さに脱帽。  レコード盤は朝食を焼くガスになり、上からはティーバックや塩やこしょうのオプションが降り注ぎ、ベッドはピアノに、イスは農場への肥料や水を運ぶ注ぎ口となる。  バターといったものも専用の“車”に入れられ移動し、酒瓶もヒモによって宙を飛ぶ。 「海底王」でもこれに近いギミックが後半出て来た。やっぱりキートンのアイデアは面白いし、見ている方も凄い楽しい。  後半はそんな家のアイテムを活かすシーンが少ないのだが、それでも農園の娘をめぐる父親とのやり取り、“狂犬”との追いかけっこが父親やキートンの事を思っていた相棒すら敵に回して大騒動、娘さんのバレエの真似をする可愛らしさ、家の内部での騒動も激しい出入りで3回に別けて脱出口を開いたり、藁の山に揉みくちゃにされてシャツとパンツ一枚になるキートン、怪我が絶えず不憫な相棒、“案山子”になって追っ手を交わすやり取り(その案山子から酒を拝借)、逆立ちで河渡り、“馬乗り”失敗、盗んだバイクで走り出し神父もかっさらってウォータースライダー張りの飛び込みで求婚とジェットコースターみたいな詰め込まれ振り。 車が一瞬いなくなった瞬間をすり抜ける時のスリルも地味に怖い。  家でのやり取りをもっと見せて欲しかったが、それを抜きにしても充分すぎる傑作です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-12 05:38:01)
268.  天使にラブ・ソングを・・・ 《ネタバレ》 
暗く沈んだ世の中を、歌のパワーで明るくしていくミュージカル映画。 エネリギッシュに声を上げて歌うヒロイン、そんな様子を見ている内に、こっちも元気とやる気が湧いてくる。 ストーリーも歌に負けず劣らずリズミカルでテンポが良く、小気味良い心地さがある。 老若男女の複雑な悩みや葛藤、デリケートな問題と向き合い、それを歌にして発散していく。 ヒロインが一番複雑な事情持ちだが、そんな事は意も返さずに今日もヒロインは歌い続けていく。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-11 06:21:24)(良:1票)
269.  折鶴お千 《ネタバレ》 
溝口健二はこの作品の前に「瀧の白糸」という傑作を既に完成させていたが、本作はそれの焼き直し。 ただこれほど「死んだほうがマシじゃないか」と思えるラストはなかった。生き地獄とも言える。 まずファースト・シーン。 機関車がトラブルを起こして駅に立ち往生。 その駅から神社を見つめる一人の男。 一方カメラは横にスライドし、もう一人女性を映す。 その女性もじーっと同じ神社を眺めている。 実はこの二人は昔あの神社で出会った腐れ縁だった。 そこから主人公の目を通して過去が語られていく。 山田五十鈴が凄い若いし綺麗だ。 男は田舎から出て偉くなろうと頑張るが中々芽が出ず落ち込んでいた。 そこに走り込んできた一人の女。 これがこの二人の出会いだ。 女に拾われた男だが、そこの雇い主にこっぴどい扱いを受ける。 男は黙って耐え凌ぐが、やはり飢えには勝てない。 エスカレートする嫌がらせ、それを見て女は我慢に限界が来て雇い主にけしかける。 その時の山田五十鈴のカッコ良さと色っぽさ。 口に刃物を添えるところは色っぽいね。 まるで勧善懲悪ものの一場面を見るかのような胸のすくシーンだった。 ただそこは溝口。 簡単に女を幸せにする気はサラサラない、ある種性根が腐ってんじゃないかという展開にかならずする男だ。 いや、真面目だからこそあえて女性を与えるのが溝口。 小津とは違うパターンの天才。 女性を徹底的に描こうとする男の厳しさがそこにある。 ヒロインを追い詰める男どもは、ある意味溝口の分身なのかもな。 その山田五十鈴が良いねえ。 折り鶴を折って「いつか自分も自由に羽ばたきたい」と思いを込める。 ただ運命は彼女を追い詰める。 そんな時に愛した男に向って「魂をあげます」とその折り鶴をひと吹きやって思いを届けようとする儚さ。 いい女だなぁ・・・。 それがあんな事になるなんて・・・ひどい運命もあったもんじゃない。 我を失うほど狂い、幻を切り刻むお千。 まるで亡霊に刃を向け空を斬る様子は、伝説と化した傑作「狂恋の女師匠」や後の「雨月物語」に通じるものがある。 まあ、こういう幽霊描写よりも女の情念の方が遥かに怖いけどな。 そう正に「雨月」の京マチ子(亡霊な上に執念深いとか勘弁)! 溝口は本当に女に厳しい。男もほったらかしである意味一番厳しいかも。 溝口あんさんは鬼や(そんな事は原作者に言え)。 泉鏡花あああっ
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-11 05:48:18)
270.  稲妻(1952) 《ネタバレ》 
成瀬巳喜男のやるせないドロドロ全快な傑作「稲妻」。  登場する兄妹は全員父親がバラバラ。 この時点で「(゜д゜)」である。流石成瀬初っ端から残虐だ(褒めてる)。  更には突然落雷が起こるように次々と家族に不幸が訪れる。 拍車をかけるフラストレーション・・・爆発した怒りの「叫び」は雷雨の如く家族を嬲り合う。  ただ稲妻は同時に恵みの雨をもたらす。 暗闇を一瞬でも照らす稲妻は希望の光でもある。 そして嵐で生き残った者には肥沃な大地が待っている。 嵐で荒れた大地を人の手で豊かにしていくように、彼らもまたそれぞれの希望を胸に新しい人生を初めていくのだろう。 清々しい作品だ。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-11 04:37:06)
271.  蜘蛛巣城 《ネタバレ》 
オーソン・ウェルズの「マクベス」には及ばないが・・・あの怪奇幻想的な雰囲気が登場人物たちのドロドロした情念みたいで面白いんだけどさ、霧の中突っ走る場面は長いし、盛り上がりも少ない。 淡々と一つ一つ事を片付けていく感じだな。 一人の男が栄華を極め、そしてあっけなく滅んでいく。 こんなところに住みたい民はいねえだろうな。 だって城下町が無いんだもん。 夜逃げでもされた?  ただラストシーンは壮絶! もうそこだけは何回も見たくなるね。 動くはずがない森が動き出し、絶望に暮れ始める鷲巣たち。 円谷英二の怪獣映画さながらの技法が、このおどろおどろしい映画を一気に盛り上げる! いままで散々上司や仲間を裏切ってきた男に、真の忠誠を示す部下は一人もいない。 一方で、苦楽を共にしてきた小田倉と義照には心で結ばれた部下を率いる。 いつも対照的な役柄を演じる三船敏郎と志村喬が魅せる光と影が如実に現される。 そして矢の雨が横から降り注ぐ凄まじい絵! マジで本物の矢をドカドカ撃ちまくる! 矢が首に刺さって苦悶の表情をする鷲巣。 まるで往年のサイレント映画さながらだ。 映画は鷲巣が崩れ落ち、強者どもの夢の跡を映す城跡が映り幕を下ろすが、撮影後に三船が本気でブチギレて散弾銃を武装して押しかけた話はあまりにも有名である。  いやあ、本気で監督を殺しにかかれる俳優、今の時代にいるかい?(何を言ってんだ俺は)
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-11 04:32:11)
272.  ブラック・スワン 《ネタバレ》 
「赤い靴」やチャップリン、そしてジョン・カサヴェテスの「オープニング・ナイト」すら思い出す映画だ。 処女のように清らかな“白”と、情婦のように官能的で挑発的な“黒”のニナ。 彼女の様子はルイス・ブニュエルの「欲望の曖昧な対象」にも通じるし、破滅に向って踊り狂っていく美しさは「赤い靴」の赤い靴に恋をしてしまうヒロインや「モダン・タイムス」の薬でハイになってトチ狂うチャップリンの滑稽さと恐怖を思い出す。 チャップリンも、「赤い靴」のヒロインも、この映画のニナもみんな心から踊りを愛し、何処か狂気地味た動きで魅せてくれる。その狂気が我々の心も掴んで離さないのだろう。ニナの見る幻想(妄想)は正に狂気の沙汰。ニナが文字通り白鳥になるシーンは彼女自身の願望と恐怖の現われ。 普通あれだけヤりすぎると笑いの種に変わってしまうが、それを感じさせないヒロインのニナを演じるナタリー・ポートマンの凄味! 「レオン」やウェス・アンダーソン作品の可愛らしさい彼女も好きだけど、こういう凄まじい女性をやらせても凄いのね。 俺が最初に「欲望の曖昧な対象」の名前を出したのは、あの作品はボディ・ダブルの演出でまるで一人の人間がもう一つの人格を持つような演出が上手かった。 一方、この作品のポートマンはたった独りで女優としても、ダンサーとしても演じきってしまう。「ボディ・ダブルやったんじゃないの?」と疑惑が持たれるほど彼女は観客の度肝を抜いてしまったようだ。 ストーリーでも自分の夢を果たせなかった母親が娘にかけるプレッシャー、ライバルとの競争、闘争心、嫉妬、憎悪。しかしトマも罪な男だぜ。ニナの唇盗んでおいて、ベスの誤解を生んでその誤解がニナを破滅させ…つうかニナだのトマだのベスだの何で二文字ばっかなんだよ、紛らわしい。 ラストは「新手の夢オチ」と捉える人もいるかも知れない。複雑なラストだが、アレはアレで結果的に“自分に打ち勝った”姿なんじゃないだろうか。もしくわ、あの映画そのものが幻想だったのかも知れない。 この作品が気にいらなかったという人も「レスラー」「レクイエム・フォー・ドリーム」は見て下さい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-10 08:02:48)
273.  生きているトランプ 《ネタバレ》 
「生きているトランプ(Les Cartes vivantes)」。 メリエスの遊び心に満ちたイリュージョンものの一つ。  何も無い台に小さい台を重ね、巨大なボードがトランプになったり人を召喚したりするトリック撮影。 ここでメリエスは、カメラを近づける代わりに自らカメラに少し迫り、トランプの数字を観客に印象づける。 メリエスの映画はカメラが動く代わりに人がカメラに近づいたり、対象が巨大化してしまう。この作品もトランプが巨大になる。  燃える火と共にクイーンが、キングは突き破る勢いで御登場。  最後はマジシャンそのものがトランプに飛び込み通り抜ける。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-09 23:19:17)
274.  月世界旅行 《ネタバレ》 
映画史上初のSF映画にして、初めて宇宙人と遭遇し、初めて宇宙人を殺した映画でもある(インビー・バービケーン会長の無双)。  月に「よく似た」人面衛生。 異星人が生存していたという事は、一応酸素のある衛生だったのだろう。 異星人の「歓迎」に合う博士たち。 途中遭遇した地元住民との最悪のファースト・コンタクト。 戦いの果てに無事に脱出、そしてシャツ一枚で大気圏を突破するバービケーン博士! オマケに異星人の捕虜までご招待。  この時代になんつー映画を作ってんだ・・・ジョルジュ・メリエス恐るべし。  突飛な内容というか、とにかく独創性に溢れた夢のある映画。  見る者の冒険心をくすぐる魅力的なファンタジー映画。  この後もメリエスは「生きているトランプ」といったファンタジーに富んだ映画を精力的に撮りまくった。 メリエスの情熱と野心は、今でも映画の中に生き続けている。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-09 23:15:41)
275.  座頭市千両首 《ネタバレ》 
この映画の見所と言えば、やっぱりあのシーン。  投げた賽銭の位置を耳と空気のゆらぎで把握し、落ちた瞬間一閃! 真っ二つ。  凄えよ・・・。話は相変わらずと言えばあいも変わらずだが、数を重ねるごとに勝新の居合抜きが凄くなってると感じるのは俺だけ?
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-08 23:41:09)
276.  自転車泥棒 《ネタバレ》 
ヴィットリオ・デ・シーカは「ひまわり」や「ウンベルト・D」の方が好きだが、この映画も自転車をめぐって動いて動いて動く傑作だ。 かといって、「盗んだ自転車で走りまくるアクション映画」と思ってみると肩透かしを喰らう映画でもある(残念ながら俺がそうでした)。 だが、2、3度見返す内にそんなものはどうでも良くなる。たかが自転車。されど自転車。 とにかくシンプルで面白いではないか。 自転車で走り、自転車をかつぎ、自転車を盗まれ盗んで逃げる・・・それだけでワクワクしてしまう。 市場で目撃するバラバラのパーツとなった自転車。 一見何の不思議もない光景だが、盗まれたものにとってこれほどゾッとする光景も無い。  盗まれた自転車は人身売買や臓器売買されてしまう人々の如くバラバラにされ流出してしまうかも知れないからだ。 まして自転車一台が生活を左右するほどの時代なら尚更。 降り注ぐ雨が余計に焦りを感じさせる。  更には人々の群れや家と家に“隠され”、真実を言っているのか騙しているのか解らない疑心暗鬼が渦巻く。  盗まれた者にとっては半身をもがれたも同然。 家族を食わせるために必要なアイテムであればあるほど、時として子供や妻以上の価値にまで昇華されてしまう恐ろしさ。 劇中の一本調子も、そうやって家族を思う余りに狂気に染まる一面を描いているのではないだろうか。  第二次大戦直後は戦災で家を焼かれ、職に就くのもあくせくしていた時代。 ペンキ塗りのバイトをするにしても、自転車が無けりゃ何も出来ない。 廃墟となった街、たった一つの職にまるで蟻のように群がり必死に喰らい付くほど追い詰められた人々。  自転車を盗んだ男も、一本調子に自転車を返せと叫ぶ父親も、明日をも知れない労働者たちの苦しみがにじみ出る。家族を思うあまりミイラ取りがミイラになっていく。  だが悔しい事に、自転車を盗んでいく野郎の姿は憎しみをたぎらせると共に、その一瞬の隙を付いてまんまと盗み出してしまう鮮やかさ。 というか、もしも盗む側の視点で物語が進めば観客の受け取り方も大分違うものになっていただろう。 バレなきゃ罪にならず、バレたとたん集団で襲い掛かる群集心理。  街の美しい風景や美味い食事も、必死に働く彼らには一時の気休めになるかならないか。心に余裕が無いからだ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-08 23:36:26)(良:1票)
277.  ある戦慄 《ネタバレ》 
アメリカ社会の縮図を電車の中に詰め込んだサスペンス。こんな変な電車ジャック見たことねえよ。  ファーストシーンの長回しが面白い。DQNの男二人が路上で犯罪を犯す場面。 そしてオープニングの電車。  電車に乗り込む人々はそれぞれに虚栄を身にまとった男女ばかり。 家族、夫婦、バカップル、若者を嘆く老人、独身サラリーマン、軍人、黒人差別・・・アメリカ社会の光と闇が1本のレールに集う。  そこに乗り込んでくる冒頭のDQNコンビ。電車の中でDQNコンビはやりたい放題だ。  ただ、この二人は掴みかかりはするが直接的な暴力はほとんどしていない。代わりに「言葉の暴力」で電車に乗り込んだ虚栄たちを挑発し、引き剥がしていく。 現代社会にもありふれた生々しい人間模様。密室、力による抑圧が人々の本心を暴き立てる。 「俺たちが何した?言葉の暴力だけで手はまだ出してないぜ?」ホームレス?のオッサンへの放火未遂はあるがな。  二人のDQNコンビの目的はよく解らないが、とにかく「楽しめれば」何でもよいのだろう。罵られる彼らが黙って耐える姿を嘲るだけでいいし、耐えかねて“殺すか殺されに来る”ことも期待している。まるで子供にように幼い、純粋な発想。だがシンプルが故に人の心をえぐりやすい。 我々観客はナイフを突き立てられる乗客と一緒に恐怖に怯え、怒りを覚える。あるいわ、DQNの立場にたって人々を嘲笑う快楽に浸るか。貴方はどっちでしたか?  次々と化けの皮が剥がれていく人々だが、俺が唯一感動したのが黒人夫婦の時だ。 「誰が傷つけられようが知らんね」とほざいていたオッサンが、妻のために握り拳を抑える場面。腐っても夫婦だねー。悔しくて泣きじゃくるオッサンの顔がたまらん。  それを嘲笑うのではなく、黙り込んだDQNコンビには驚いた。嘲る・・・というよりは本音が聞きたかっただけなのか。それは解らない。  終点に向う間に行われる“決闘”。若き軍人は「先に手を出したら負けだ」と解っていた。いや脳味噌は解っていても、肉体と魂はDQNどもをブチのめしたくてしょうがない。怪我をした友人を侮辱されたから?違うね、本当にそう思うなら侮辱された時点で彼はDQNたちに殴りかかっていた筈だ。ナイフなど恐れずに。死ぬのが怖かったのか。逆に殺してしまうのではないかという恐れからか。とにかく、二人の男は覚悟を決める。向かい合い、ナイフをバチッと出す瞬間に奔る“ある戦慄”・・・。 電車から解放された人々の表情が何とも言えない幕引きだった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-08 21:55:13)
278.  銀河鉄道999 《ネタバレ》 
松本零士の夢と希望が詰まった銀河鉄道999。 りんたろうの手腕、ネームバリューだけと言われるが市川崑もカットの繋ぎをテンポ良くしたり無駄なシーンを徹底的にカット等、りんたろう以上に編集をしたらしい。その結果かどうかは知らないが、本作の流れるようなストーリー展開は素晴らしい。  パラレルワールドであるが、原作よりもシリアス色の濃いストーリー、機械化の波に抗うため人間として生きるハーロック、エメラルダス、アンタレスたち。  遠く離れた仲間や家族に会いたいと願うトチローとメーテル。  機会に憧れる鉄郎の顔立ちも、幼い子供から成長した少年の表情となっている。  徹底的に無駄を削いだストーリー、次々と散って行く仲間たち。  それでも「引き金を引く覚悟」を決めた鉄郎に同調して散って行くのだ。 無駄死にでは、ない・・・!  ラストに流れるゴダイゴの「The Galaxy Express 999」。 全ての血を洗い流すように、穏やかにラストを締めくくる・・・。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-07 20:18:01)
279.  チャップリンの醜女の深情け 《ネタバレ》 
もう100年も前の映画だが、この頃から現代の映画に繋がる洗練された笑いが完成されつつあったと・・・それを味わえるだけでも充分感動。 本作は「キーストン・コップス」物のドタバタ喜劇の傑作の一つだと思っている。  「醜女の深情」はチャップリンのために書き下ろされた作品ではあるが、チャップリンに完全な主導権はない。何処まで行ってもマック・セネットとキーストン・コップスの狂騒が待ち構えているのです。 ラストまで出番が無い「キーストン・コップス」の面々も暴れる瞬間を待ちに待っている。  本作に散りばめられたギャグは本当に下品なネタが多い(褒めてる)。 画面上で小刻みにギャグを挟んでくるやり取りはジワジワした笑いが来る。 終盤でコップスの面々が次々に海中に落ちる場面は笑いを通り越して彼らの安否を気遣ってしまうほどだ。サイレント映画の狂気地味たスピードよ!  チャップリンが太った彼女と美人の彼女の間でコロコロ揺れ動く様子が面白い。 初期のチャップリンは本当小悪党だな~。  キートン、チャップリン、ロイドを制覇する前に是非とも見ておきたい作品です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-07 16:16:25)
280.  ジュラシック・パーク 《ネタバレ》 
「ジョーズ」など自然の恐怖を得意とするスピルバーグ。 化石を発掘していく過程のほのぼのとした空気、島という密室で繰り広げられる緊張感。 アニマトロニクスもウィリス・オブライエンの「ロスト・ワールド」やレイ・ハリーハウゼンの「恐竜グワンジ」等を彷彿とさせるダイナミックさ!  恐竜そのものは今見るとそんな怖くないのだが、子供の頃は何度もトラウマになったものだ。  次々とTレックスの餌食となる人々、雨の中遅いかかる恐竜、足跡だけで物語られる戦慄、ちぎれた足、ジープでTレックスから逃げる時の恐怖、厨房でヴェロキラプトルとおにごっこ、草食恐竜のスケールのデカさ、アロサウルスに襲い掛かるT-レックスの描写がドラマチックだこと。  時速20キロも出ない筈の恐竜がジリジリ迫りくるスリルよ!
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-05 18:51:09)
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