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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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301.  イエスタデイ(2019) 《ネタバレ》 
ビートルズの曲を全く知らない人たちが、初めてその名曲を聴いて、一体どれほど感動するんだろう? その期待通り、「イエスタデイ」と「The Long And Winding Road」のシーンが素晴らしかったです。ここは曲はもちろん、むしろ聴く人たちの驚きと感動の表情に心が震えました。でも、個人的にはここが映画的高揚の頂点で、後半はこの感動を越えてはゆきません。この奇跡の出会いと発見こそが本作最大の感動なので、知ってしまったその後は、ビートルズの曲をモチーフにした恋愛系音楽映画に過ぎませんから。盗作を隠しながら売れていく葛藤や、謎めいた二人の存在は面白かったですが。そして終盤は予想通りの幸せオーラに包まれて、リチャード・カーティス色が全開です。今回は特に音楽の演出部分が出来を左右するので、メガホンはダニー・ボイル監督に任せたかな? なお私はアルバム「LET IT BE」を聴きながらレビューを書きました。(2009.9.9再発の紙ジャケ版) 改めて、この時代、この年齢で初めて聴くことを想像すると、、納得です (笑)
[映画館(字幕)] 7点(2020-01-17 23:33:04)
302.  レクイエム・フォー・ドリーム 《ネタバレ》 
脳天を強く殴られたような強烈な映画で、その後味はともかく一度観たら死ぬまで絶対に忘れない、という意味での高評価です。確かに、薬物を打った時の創造性溢れる映像表現は面白い。でもそんなことはおまけに思えてくるほど、ストーリーそのものが放つ破壊力が凄まじい。この映画では、薬物依存者たちの物語は二つのチームに分かれます。お互いに薬物をけしかけ合って自滅した三人。孤独なゆえに依存症の蟻地獄に堕ちたサラ。その堕ち方こそ対象的でしたが、実は共通点が一つあります。彼らは、救う者がないまま、とうとう最後まで孤立無援だったということ。そもそもこの映画って、薬物依存者による破滅の物語ではなくて、薬物依存者に寄り添うべき良識ある者が誰もいないという恐怖、を描いています。絶対に堕ちるしかないという・・。だから主要な登場人物以外は人間に感情が宿っていない、というか全体的に空虚で無機質な感じがします。おばさんの集団、冷たい医者たち、ブラウン管の向う側で笑う者たち、レストランの男、、。そしてどことなく近未来的な空気があって、私は「時計じかけのオレンジ」を思い出しました。(もちろんお母さんの髪の色に電気ショックも、、) 全編通して、暗示的な海辺の風景が印象的ですが、それは夢か現実か、あるいは幻覚症状なのか、とても曖昧です。そしてその風景は、不思議と美しくなっていくように見えます。でも実は何一つ変わってはいません。それが美しく輝きを増していくように見えたのは、彼らが破滅して普遍的な正しい人生とは無縁になったから。海辺の美しい風景は、もう決して手が届かない幸せや夢の象徴だからです。
[DVD(字幕)] 8点(2020-01-14 22:21:06)
303.  イカとクジラ 《ネタバレ》 
テーマこそ家族ですが、私はウディ・アレン監督の映画を思い出しました。まるで彼が書いた脚本を、音楽の趣味が違う別の監督が撮ったような感じ? インテリ志向の父とか、登場する女性が総じて肉食系というのも、どこか似ていて笑えます。でも家族たちはいたって真剣なんです。そして少なくとも恋に対して嘘はつかない。そんな家族の絆はいつしかかみ合わなくなり、やがてほつれていく。どこか滑稽で、そしてほろ苦い。長くは続かない、テニスのラリー。作家として落ち目の父と上昇気流の母。兄弟二人の悶々とした感情。離婚騒ぎの真っ最中だというのに。ブルックリンという場所。いつものテニスコート。イカとクジラの博物館。あの日あの時あの場所で、これはこれで、ぎこちなく愛し合う家族の姿ではあったと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2020-01-14 22:17:28)
304.  カフェ・ソサエティ 《ネタバレ》 
心待ちにしていた、ウディアレン監督が描く古き良き映画の時代。例によって恋模様の男女数名がすったもんだしたあげく、あまりかみ合わないお話。その作風は時代設定が変われど健在でした。しかし相変わらずというか・・(笑) 、男たちがきれいなおネエちゃんに目が無いのは、今も昔も全く変わらずで本当笑ってしまう。でもそんな彼らの描き方は、たとえどんな形であれ、映画の発展に貢献してきた功労者に対する敬愛がひしひしと感じられました。権力と大金動く裏に犯罪の影ありで、今回も "死" のにおいが漂います。・・・とここまではいつものアレン監督ですが、今回一線を画すのは、著名な撮影監督であるヴィットリオ・ストラーロの映像美。1930年代のハリウッドという夢のように華やかなこの舞台に、まるで煌びやかな魔法をかけたよう。そして、恋に浮かれた夢から覚めたような、いつになく感傷的な終わり方。過ぎ去ったもの全て美しく、現実に取り残されては時は流れていく。そしてまた、夢の終わりとそのつづき。久しぶりにいい夢をみさせていただきました。
[映画館(字幕)] 8点(2020-01-13 17:02:34)(良:1票)
305.  旅するジーンズと16歳の夏 《ネタバレ》 
当時、僕は4人の女子を見て、A・タンブリンが最も個性的でうまいし、一番長く (映画界で) 残ると思った。 で、B・ライヴリーはキレイなだけやし真っ先に消えるな・・と予想した。 そして現在、、見事にハズレましたね (笑) 本作はもう少し評価が高くても良さそうだが、やはり美女二人がイケメンとうまくやる展開が女子たちの反感を買っているように思われる。 なので、ティビーとカルメンがイケメンとよろしくやるよう、役をシャッフルしても面白そうだが?  (一例) リーナがカルメン家へ ← 〇 これはいけそう。 ティビーのギリシャ編 ← △ ヲタクに海は似合わないか? ブリジットがスーパーでバイト!? ← × ない。彼女がバイトするならコンパニオンでしょう。 残るカルメン、、イケメンとうまくイケるか? ← ×× ない。恋愛以前にサッカーできる気が全くしない。  他、何パターンか試行錯誤してシミュレーションするも、シャッフルはするべきではない、という結論に至りました・・。 はい、本作はとてもよく考えられた完璧なキャスティングでございます。
[DVD(字幕)] 6点(2020-01-13 17:00:28)
306.  ジャンゴ 繋がれざる者 《ネタバレ》 
歴史が裁けなかった巨悪をタランティーノが映画で成敗します・・! シリーズ第2弾。本作はC・ヴァルツが圧倒的に楽しい。膨大な台詞もなんのその、スラスラと流暢に自らの言葉のように溢れだす姿は観ていて本当に楽しい。そんな愉快な彼をいつまでも観ていたかったのに、、、一番楽しいキャラの途中離脱はやはり残念、無念。後半、J・フォックスも孤軍奮闘で頑張っているが、如何せん口数が少なすぎてタランティーノ映画の主演向きじゃない気がします。やはりこの監督の映画では、ガンアクションよりも言葉遊びを楽しみたい! と改めて思ったのでした。KKKの描き方は面白いと思う。彼らをここまでコケにして茶化した描き方をしたのは、映画史上でもタランティーノが初めてでは?
[DVD(字幕)] 6点(2020-01-13 16:53:45)
307.  サニー 永遠の仲間たち 《ネタバレ》 
仲良しグループは名前があることが特に重要です。名前があることによって、仲間たちの連帯感や結束力はあきらかに倍増します。おまけに、仲間同士で秘密を共有しているような高揚感もある。だから仲間たちを繋ぎ止めているのはグループ名そのもの、と言っても過言ではありません。彼女たちのグループ抗争と、軍隊と民間人による大人の抗争の場面は楽しい。少女たちが、大人たちの世界には全く興味ないことを面白おかしく皮肉っていて、とても笑えます。笑い転げるというよりは、ニヤニヤ見てしまう感じ。子供の世界と大人の世界。それは近いようで、決して交わうことのない別世界なんです。最後、音楽にのって踊りまくる彼女たちは、まるで少女の頃に戻ったよう。男って大人になっても大きな子供みたいなものだが、なんだ女も一緒じゃん! ってちょっと安心しました (笑) スジが帰還し、大人になった「サニー」が勢ぞろいしたその瞬間、彼女たちはみな少女の顔になる。 (遺影のチュナまで!) 粋な演出だね~。友情を信じた者たちが、友情によって人生を救われる。ちょっと出来すぎな結末でしたが、やっぱり映画には希望がなければね。でも邦題はちょっと残念。「サニー」だけでいいんじゃない?
[DVD(字幕)] 8点(2020-01-13 16:49:33)(良:1票)
308.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 
もともと、犯罪を生業とするような家族だったのね。半地下の家族が苦しい貧乏生活のなかで、悩み悩んだあげくに、こういった犯罪行為に染まっていく物語、と勝手に思っていたので、楽しそうに金持ち一家に "寄生" していく様子を、半ば呆気に取られて観ておりました。前半の展開は (不謹慎な) 笑いを交えたコメディタッチ、でも後半は展開が激変して、期待通りのポン・ジュノ節が楽しめます。秘密の地下室に住む男とか、白昼の惨劇などはとにかく正気の沙汰じゃなくて、いかにもポン・ジュノらしい。そして、「殺人の追憶」や「母なる証明」あたりの重苦しい雰囲気はなくて、作りとしては血みどろのブラックコメディ。何となくですが、初期の園子温監督を思い出しました。映画全体としては、とにかく階段や坂が登場します。古今東西に映画においては、富裕層は高台で貧困層ほど低地という描写はセオリーであって、それを意図しただけの高低差かしら? と思っていましたが、もう一つとても重要な役割を担っておりました。それは雨です。アタリマエですが、降りしきる雨が下へ下へと流れていくんです。高台に住む金持ちや半地下の家族だろうが関係なく、彼らが流した血と汗と "臭い" も全て一緒くたに混ざり合って、汚物と一緒に側溝に洗い流していきます。それはまるで、都会 (という格差社会) にこびりついた垢を浄化するように。
[映画館(字幕)] 8点(2020-01-11 21:24:14)
309.  冬の華
音楽がクロード・チアリやチャイコフスキーという、とても芸術志向が強い異色の任侠映画でした。やっぱり、有名画家の絵画とかも出てきて。「シャーガルあるか!?」「シャガールだ、シャガール」 このやり取りには笑いましたねぇ。藤田進さん演じる親分が言った、「切った張っただけのヤクザはもう古いよ」という台詞がとても印象的。私の記憶では、どの時代のヤクザ映画を観ても、俺たちのようなヤクザはもう古い、と言ってる。一体、いつから古くてどこから新しいのか、新旧ヤクザの定義づけはできないものか。でもそういう時代遅れのヤクザ、健さんはとてもよく似合います。そしてやはり出てきた、"北海道" というキーワード。どうして監督たちはみんな、健さんを北へ北へと導こうとするのか? (笑) 私にとって高倉健さんは、強くて優しい昭和時代の俳優の代名詞です。その時代もとうとう平成が過ぎ去り令和になりました。今や映像技術の進歩はめざましい。何しろ歌謡界や映画界では故人がAIやCGによって現代に蘇る時代です。海外ではCGによるジェームズ・ディーンで新作映画を撮る計画が進んでいるとか。私はと言えば、ストーリー半ばにしてメインキャストの急逝など特例的な場合を除いては、CGによる故人の再現は反対です。それがジェームズ・ディーンで新作映画ですよ? 映画ファンは本当に喜びますか? 道義的にも大丈夫ですか? 日本の映画界は、このへんで歯止めをかけましょう。だって、健さんのCG映画とか僕は絶対に観たくないっす! ・・・私は本気で心配している今日この頃です。
[DVD(邦画)] 7点(2020-01-08 22:52:23)
310.  π(パイ) 《ネタバレ》 
これは、モノクロの終末的な映像のなか、無機質で閉鎖感が漂う街に住む、悲壮感漂う辛気臭い男が、意味不明な数字の謎に取り憑かれて、自らドリルで穴を開けて砕け散るという、とても救いのない物語です。雰囲気はまるで、リンチの「イレイザーヘッド」を彷彿させます。かなり影響受けてますよね。一見、とてもミステリアスなストーリーですが、要するには "中毒性あるもの" とその依存症 (中毒者) の恐怖を描いた物語と思います。この数学の謎を薬物やギャンブルの依存症に置き換えるとわかりやすいかな? だから本格的な数学の謎解きを期待しても肩透かしを食らうし、数学の描写もそこまでのリアリティはありません。(サスペンスの要素としての数学、なんです) そしてこの映画に夢や希望はいっさいありません。ただ、逆説的にそれを提示はしています。爺さんの台詞が全て意味深で、特にアルキメデスのエピソードが面白いです。彼は歴史の偉人に対して、その功績や閃きに触れることなく、「最も大切なのは妻の存在だ」と言いました。もちろんこれは、マックスに遠回しに提言しています。彼は隣人の女性の好意、つまり目の前にある幸せに目もくれず、答えのないもの (=叶わない夢) を追い求めて砕け散った。本作は極めて作家性が高くカルト映画のにおいが漂いますが、もっと身近な小さな幸せに目を向けよう、という等身大で普遍的なヒューマンドラマである、と断言します。
[DVD(字幕)] 6点(2019-12-12 22:55:20)
311.  ナイト・オン・ザ・プラネット 《ネタバレ》 
人物とタクシー、真夜中の街の風景。ジム・ジャームッシュの映画って、さすが構図がとても洗練されていて、どこを切り取っても完璧に絵 (写真) になります。そこだけでまず楽しめる。その映像だけなら本作はシャープな印象ですが、でも人間そのものはとても可笑しくて温かみがあって、映画全体としては体温が宿っている感じ。地球上のどこか、真夜中のタクシーに偶然乗り合わせた二人。さて、二人はどこから流れ着いて、どこへ向かうのか? たった数分のエピソードでありながら、人物の描写にはそれを想像させるだけの奥行きを感じます。(ローマ編に約1名、これからの人生がない人がおりますが・・) それぞれ、車中の話題は他愛もなさそうにみえて、実は互いの本心や素性を探り合うような会話をしていて、最後にタクシーから降車した後にドラマが大きく動き出す、、という点もほぼ共通していて面白い。真夜中に観始めて、ウィスキーをちびちびやりながら楽しんで、映画が終わる頃に始まる夜明け、っていうのもいいかも。
[DVD(字幕)] 7点(2019-12-07 17:56:50)
312.  ヤング・アダルト・ニューヨーク 《ネタバレ》 
軽いコメディ映画だろう、と思っていたらそうではなかった (笑) 序盤は新旧二組のカップルを軸に展開して、いかにもウディアレン監督が撮りそうなお話。しかし、、まさかね、こんな中年残酷物語だったとは・・(泣) 本作はA・ドライバーが癖のある面白い役どころで、いいヤツと思いきや、しだいに本性 (ダークサイド) を現していきます。はたして彼は敵なのか? 味方なのか? 彼が持つ二面性はそのまま、SW新シリーズのカイロ・レンへと続いていくのであった・・(それは嘘です) 確か、そのジェイミーにハメられたジョシュが彼のやらせを暴くために、同級生の証言を撮影して回る場面がありましたね? 撮影して、その後どうなったんだろう? この思わせぶりな面白い展開が、その後ストーリーに絡んでこないとはちょっと残念な気がしました。私にとって本作最大のトピックは、80年代~90年代に大活躍した (超) 名脇役のC・グローディン。久しぶりの映画出演ですよね。まだまだ健在なお姿は嬉しかったなあ。
[DVD(字幕)] 6点(2019-12-04 17:38:46)
313.  アダムス・ファミリー(1991)
これ、ティム・バートン監督の映画ですか?(笑) でもティム・バートン監督は人間よりの目線によって異形を描くことに執着しますが、こちらはあくまで怪物目線。そして彼らは人間たちの視線を全く気にしません。そこが決定的に違うところ。まさにアダムス・ファミリーによるアダムス・ファミリーのための映画、なんです。個人的には、コメディとしてはそれほど笑えませんでしたが、ここまで独自の世界観 (雰囲気) を作り込めるのはすごいと思うし、視覚的にはわりと楽しめました。特にモーティシアとウェンズデーによるゴス系ファッションは雰囲気抜群で素敵でした。反対に残念なのはおばあちゃん。一人だけありがちなんですよね。年老いた魔女と言うよりは、これでは市川崑監督の金田一シリーズに出てくる老婆にしか見えなかったです。今にも、「これは村に伝わる祟りじゃあ~~」とか言い出しそうで。 (俺だけか?)
[DVD(字幕)] 6点(2019-11-24 22:18:14)
314.  ドント・ブリーズ
このドンブリ爺さんが、イラク戦争帰りという設定が面白い。だってイラク戦争って戦闘終結宣言はあるけど、終戦宣言はまだされていないわけでしょう? だからさ、爺さん目が見えないし、きっと戦争再開と思ったんじゃない? イラク軍がここまで侵攻してきたって思ったんだよきっと。
[DVD(字幕)] 6点(2019-11-18 23:01:08)
315.  オルカ 《ネタバレ》 
「ジョーズ」では殺られたから殺り返すしかなかったし、やむを得ないだろう。「オルカ」は違う。人間の傲慢さとエゴしか感じないし、これは自業自得だろう。この地球上で人間と動物 (魚) が共存していくことについて、色々と考えさせられる。(これはまさに、その "氷山の一角" ではあるが) 僕には、オルカの悲しげな眼差しが心なしか語っているように見えた。あぁ人間は哀れで、何というオルカな生き物だろうか・・。
[DVD(字幕)] 7点(2019-11-18 22:55:41)
316.  ブルージャスミン 《ネタバレ》 
あくまでC・ブランシェット演じるジャスミンが主役ですが、映画としてはアレン監督お得意の群像劇。ジャスミンを含めて、自分だけは真面、と思い込んでいるちょっと変わった人たちが数多く登場します。そして今回は、冒頭の機内で居合わせた老婦人から始まり、妹のジンジャー、そして妹の恋人チリなど、ジャスミンという人間を第三者の口から多く語らせていたのが特に印象的でした。ジャスミンの自己評価と第三者の評価のギャップが面白く、これこそが人が人と良好な関係を築こうとする時の弊害になっているものだと感じます。彼女は、美しく虚栄心に満ちた、鼻持ちならない女ではありましたが、頭が悪く空気が読めない、恋には一途、といった愛すべき一面も持ち合わせていたので、私はこのジャスミンという女を心底から嫌いにはなれませんでした。しかしラストは、残念ながらあまり後味のよい終わり方とは言えません。人間、その強欲が知らず知らずのうちに他人を傷つけていて、そのツケはいつか必ず返ってくる、といったアレン監督の訓示のようにも感じました。本作も監督の鋭い人物描写はさすがで、どこか滑稽な人間たちを、愛ある目線で描くアレン印は健在、、というよりはむしろ年齢を重ねるにつれてその切れ味は増すばかり。面白おかしい人間ネタをいったいあと何人分温めているのでしょうか・・。これからの作品も期待しています。
[映画館(字幕)] 7点(2019-11-18 22:52:24)(良:2票)
317.  鬼灯さん家のアネキ 《ネタバレ》 
主演は前野朋哉くんと言って、「桐島、部活やめるってよ」の映画オタク役で意外と印象に残っておりました。なので心に誓って、谷桃子さんのナイスバディに食指が動いたわけではありません。(スミマセン、嘘です) しかし今回の吾朗役は完璧にハマっていますね。抜擢した今泉監督、ナイス。商業的にはもう少しイケメン (オタク風の) でいきたいですが、あえてそうしないところに私は監督の信念を感じましたよ。今回気になったのは、盗撮ネタ。実は過去の作品にもありますね。なぜか盗撮にやたら執着する今泉監督、そして監督が描く盗撮にはあるルールがあることに気づいてしまった私。それは、盗撮者が好きな人個人に向けて仕掛けていること。犯人が、愛に悩み、苦しみ、迷った末の過ちとしての盗撮なんです。だから、学校や公園のトイレに無差別的に仕掛ける盗撮とは明らかに異なります。もう一つ、仕掛けたヤツは必ずバレる → 開き直る (or反省する) → 謝る → 和解する。 だって最後まで隠し通したら顔見知りだろうが絶対に犯罪だから (笑) ちょっとおかしな方向に話がそれてきたので、ここで話題を変えよう。好きなシーンは、部屋の中でテントを張って語らうところ。個人的に登山が好きなこともありますが、とてもロマンチックでしたね。それにしても題名は彼らの苗字なだけですが、やたらと意味深。鬼灯、ほおずき、その花は綺麗でとても風情があります。そして漢字で書いても音で読んでもどこか情緒的で、なんと毒性もあるそうな。だから "鬼灯さん家のアネキ" って、いろんな想像してしまって意味もなくドキドキしますね。(俺だけか?) と、とにかく・・今泉監督は初期の作品にハズレなし! 以上。
[DVD(邦画)] 8点(2019-11-13 21:34:37)(良:2票)
318.  いつか読書する日 《ネタバレ》 
よい意味で古臭くて、とても風情のある映画。牛乳配達とか、坂道や階段の多い街並みとか、どこか懐かしい感じがした。原作者も監督も、誠実で真面目な方だろうな、というのは映画からよく伝わってくる。育児放棄や介護問題など、重たいテーマに気が滅入りながらも、時折映る街の風景に癒されながら映画は淡々と進む。高梨槐多 (岸部一徳) の人生は平凡なように見えて、その内に秘める熱さは誰も知らない。無表情で大人しい男だな、、と思っていたら、突然激高して殴りかかったり、激情の愛に身を任せたり。彼のこころは、冷静でいるか情熱に身を任せるか、その真ん中が無い気がした。そんな彼が、長い時をかけて熟成された想いをようやく成し遂げて、やり遂げたように死んでいく姿が切ない。彼が最後に幸せだったのかはわからない。でもきっと彼女は過去を辿ると思う。彼が生きていたこと、してきたこと、残したこと。一人の人生を一冊の本に例えるなら、その本を読む者があってこそ、生きた証なのかもしれません。
[DVD(邦画)] 7点(2019-11-11 22:10:21)
319.  ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー
監督名を伏せて鑑賞しても、マイケル・マンって一発でわかるよ、これ (笑) アウトロー、ハードボイルド、薬莢、金庫破り、犯罪者集団。このあたりのキーワードに敏感なあなたは必ず観るべし、かなぁ。全てにピンときたあなたは、即DVD購入して今すぐ観るべし! (真夜中に) ついでに、「社畜の俺は、世間を欺くための仮の姿なのさ・・」と心の奥底に秘めるサラリーマンなあなたにもおすすめ。どれにも当てはまらない方は人生の2時間を無駄にするだけなので観る必要ありません。
[DVD(字幕)] 6点(2019-11-10 15:32:36)
320.  ザ・ウォーク
まず、映画には絶対にあるべき (あってほしい) 人物の描写が致命的に乏しい。時間の都合上でしょうが、主人公はともかく、取り巻きたちの描写は明らかに希薄で、鑑賞後1年も経つと性格どころか名前も顔も覚えていません。そして綱渡りというたった一つの見せ場のために、映画館の大スクリーンで観ること、できれば3Dで観ること、が楽しむための絶対条件。なので、こんなのは映画と言うよりは、テーマパークのアトラクションです。本来、2~3点にしたいところだが、そうできない理由がこの映画にはあります。それはこの映画が、 "あの事件" の鎮魂であること。いつまでも泣いていないで、そろそろこの場所を見て笑顔になってください、というメッセージは痛いほど伝わってきます。ここだけは、監督の意図する思いや映画の存在意義に私も賛同します。
[映画館(字幕)] 5点(2019-11-10 15:17:48)
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