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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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321.  二百三高地 《ネタバレ》 
日露戦争の旅順攻略を描いた東映の大作映画。どちらかと言えば再現ドラマに終始している印象が強いが、これがすごくよくできていて、日本が最後に勝った戦争がけっして圧勝ではなく、多大な犠牲を払ってようやく勝てたというのがよく分かる内容で、戦争の全体像もつかみやすい。戦闘シーンも迫力じゅうぶんで、中野照慶監督率いる東宝のチームが担当した特撮(中野監督の特撮、かなり久しぶりに見るけど、やっぱこの人は派手な爆発シーンがよく似合う。)も含めて見ごたえがあった。そのひたすら続く戦闘シーンは決して娯楽的に描かれているわけではなく、戦場の惨状や悲惨さをこれでもかと言わんばかりに描写し、戦争の意味を問いかけてくる構成はさすがにこのころの戦争映画らしいつくり。ドラマ部分はやっぱり深みが足らない感じなのだが、狂言回し的存在のあおい輝彦演じる親ロシアの教師が従軍して戦っているうちにロシアを完全に敵視し始めるのはけっこうリアリティがあるし、二人の息子をこの戦争で失った乃木希典(仲代達矢)の悲しみを静かに表現する演出も良かった。それになんといっても新沼謙治演じる豆腐屋の息子の逞しさが印象的。終結後、明治天皇(三船敏郎)に報告をしていた乃木がこの戦争で散った兵士たちのことを思って、次第に抑えきれなくなって号泣するのはさすがに違和感がすごいのだが、このラストシーンが三船と仲代という60年代の黒澤明監督の映画ではおなじみの二人の共演シーンだったのは嬉しく、その意味でこのラストシーンはとても印象に残る。三時間と長尺な作品だが、多少の中だるみ感はあるものの、それほど長さは感じずに見ることができた。ただ、やはり、前半部分終了時に主題歌である「防人の詩」を画面を暗転させて延々歌詞テロップ付きで流しているのは意味が分からず、ひいてしまった。さだまさしもこの歌も嫌いではないが、普通にすべて終わったあとエンディングで初めて流すだけで良かったのではないかと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2022-08-13 17:56:56)
322.  ダンボ(2019) 《ネタバレ》 
ティム・バートン監督による「ダンボ」の実写版。アニメを見てからすぐに見たので、アニメでしか表現できないような世界観をどのように実写化しているのかと思っていたが、アニメに忠実なリメイクではなく、アニメの設定を元に新たな脚色を加えたストーリーになっていて、アニメを原作にした別作品として違和感なく楽しめた。アニメでは終盤の見せ場だった「象が空を飛ぶ」という部分を中心にドラマが構成されているのは面白いし、動物ではなく人間を主軸にしているのも悪くない。しかし、しばらく洋画から離れていたせいで久しぶりに見るティム・バートン作品だったのだが、彼の作品にしては至って普通な感じで、たとえばアニメでいちばんインパクトのあったピンクの象が本作ではサーカスの出し物として出てくるわけだが、この監督ならもう少しサイケデリックな見せ方ができたのではないかと思う。一方でディズニー作品として見ると、終盤のサーカスと遊園地の崩壊シーンがすでに書かれている方もおられるように皮肉の利いた自己風刺に見えるのが印象的で、よくこのクライマックスをディズニーが許可したなと思えてくる。マイケル・キートンとダニー・デビートが出ているが、バートン監督作である「バットマンリターンズ」でバットマンとペンギンとして共演していた二人が時を経て同じ監督の作品で役の立場を入れ替えて共演してるのが楽しいし、感慨深くもある。(ティム・バートンの「バットマン」シリーズ、久しぶりに見てみようかな。)それに調べたら、本作主演のコリン・ファレルも「ザ・バットマン」でペンギン役を演じているそうで、新旧ペンギンの共演作でもあるんだなぁ。
[DVD(字幕)] 6点(2022-08-06 18:12:11)
323.  ダンボ(1941) 《ネタバレ》 
幼いころに見た時はとにかくダンボが可愛らしかったこととピンクの象が怖かったくらいしかなかったが、今見るとけっこう重い話だったんだなと気づかされる。耳が大きいということだけでほかの仲間の象から差別的な扱いをされ、さらに子供の悪戯から守ろうとした母親のジャンボからも引き離されてしまうダンボがなんとも悲しくて仕方がないし、見ていてこれは人間にも当てはまることのように思え、子供向けではあるが、子供だましではなくちゃんと大人にも伝わるメッセージのある作品だと素直に感じられた。ほかの動物たちと違って主役であるダンボに一言もセリフがないのが印象的だが、それも映画としてなかなか効果をあげていたと思う。ダンボを励まし、支える存在となるティモシーが実に良く、たとえ自分と違っていても他人の気持ちを思いやることの大切さというものをダンボとティモシーの関係を通してうまく描いているし、この「自分と違う他人を認める」ということが本作のテーマではないかと感じた。ティモシーに促されてジャンボの檻の前に来たダンボがジャンボに子守唄を歌ってもらうシーンがとても感動的だ。そしてコンプレックスであった大きな耳を翼にして空を飛ぶクライマックスのダンボのなんとも嬉しそうな表情が忘れられない。まさにコンプレックスを最大の武器にした瞬間で見ていて思わず笑みがこぼれた。ちなみに幼いころに見て怖かったピンクの象のシーンはストーリーとほぼ無関係なのだが、今見てもなかなかインパクトがあり、幼いころに見て怖かったのも納得。でも、今見るとそれが逆にシュールで面白い。(2022年8月4日更新)
[DVD(吹替)] 7点(2022-08-04 08:29:50)
324.  踊る大捜査線 BAYSIDE SHAKEDOWN 2 《ネタバレ》 
「踊る大捜査線2」の海外公開を意識して作られた再編集版とのことだが、あまり印象は以前見たものと変わらない。確かに再編集のおかげでストーリーは追いやすくなっているが、その分、コメディーリリーフとして登場するスリーアミーゴスの出番の極端な減少など、シリーズ独特の笑いの部分がオリジナル版よりも少なく、そこが物足りないといえば物足りない。ラストの和久のセリフも吉田副総監の出番がカットされてしまったため、セリフに唐突感があり、オリジナルではけっこう印象に残るシーンだったのに、ここだけ少し印象が変わってしまった。そもそもこのシリーズはもともと海外に出して売れるとは全く思わないので、わざわざインターナショナル版を製作する意図もよく分からない。この映画自体を久々に見たが、脚本がかなり適当になっている気がして、面白くないうえに、最後の事件解決もあっさりしすぎている。ところで、真矢みきという女優がどうも苦手なのだが、最初に見たのがこの映画の沖田役だったからかもしれない。
[地上波(邦画)] 3点(2022-08-02 22:18:18)
325.  ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣 《ネタバレ》 
小学生の頃に見た怪獣映画の1本。怪獣図鑑などで3匹の怪獣が三つ巴の対決をしている写真が掲載されており、本編でもそれを期待したが、なくて残念だった。出来の方も50年代後半から60年代前半の東宝特撮映画と比べてあまりよくはないが、まあ楽しめないことはない。
[ビデオ(邦画)] 5点(2022-08-01 19:48:09)
326.  ひとごろし
松田優作を時代劇で見るのは黒木和雄監督の「竜馬暗殺」の右太役に続いて二度目。「竜馬暗殺」では助演ながらギラギラした存在感を見せていてとても印象に残っているが、時代劇初主演となった本作では、臆病者の腰抜け侍をコミカルに演じている。日本テレビの「探偵物語」でも主人公・工藤俊作をコミカルに演じていたが、本作ではダンディーさが全くない分すごく新鮮に感じた。丹波哲郎とのやりとりもかなり笑えて、「ひとごろし」という物騒なタイトルなのに軽く楽しい映画になっていて面白かった。見るからに低予算な感じの映画だが、スタッフがほぼ大映のチームだからだろうか全体的に作りが丁寧で、その面でも安心して見ていられた。しかし、やはりラストが唐突すぎて何の余韻も感じられなかったのは残念だったかな。ちなみに本作と同じ原作はこれ以前に野村芳太郎監督がコント55号主演で映画化しているらしいので機会があれば見てみたいなあ。
[DVD(邦画)] 7点(2022-07-30 18:01:33)
327.  張込み(1958)
張り込みという刑事ものの中ではやや地味な印象のある題材なのでちょっと退屈するのではないかと思っていたが、橋本忍のよくねられた脚本と野村芳太郎監督のきれのある演出のおかげで大変見ごたえのある映画に仕上がっていて非常に面白かった。もちろん主役の二人の刑事を演じる大木実と宮口精二はじめ、高峰秀子など俳優たちもいい。それほど多くない出番だが、重要な役で先日亡くなられた田村高廣も出演している。好きな俳優の一人だっただけに亡くなってしまったのが非常に惜しい。心からご冥福を祈りたいと思う。
[ビデオ(邦画)] 8点(2022-07-30 16:34:48)
328.  テルマエ・ロマエⅡ 《ネタバレ》 
シリーズ第2作。前作とは脚本家が違っているが、基本的に前作とやっていることは同じで、見る側であるこちらも2作目ということで慣れた面もあるのか、前作で見ているうちに飽きが来てしまったルシウス(阿部寛)が古代ローマと現代を往復してカルチャーショックを受け、見た物を古代ローマに再現するという前半部分が前作よりも楽しめたし、風呂だけを再現していた前作と違ってグラディエーターたちのために温泉街そのものを再現するというのが楽しいし、見ていて純粋にワクワクできる。ルシウスが現代で受けるカルチャーショックの部分で笑えたのはやはりラーメン屋のシーン、初めてラーメンやギョーザを食べたり、ビールを飲んだりするルシウスのリアクションがいちいち面白く、そして微笑ましくもあった。店主役の白木みのるも良い味を出している。(もちろん、ラーメンの味ではない。)今回はコロッセオに相撲文化を取り入れてグラディエーターたちの戦いを平和なものとしているが、(人気グラディエーター役に曙を起用しているのがなんかすごい。)今回も終盤近くに力士たちが古代ローマにタイムスリップする展開となり、力士とグラディエーターの絡みが見られるかと思ったのだが、そこは肩透かし。前作ではルシウスと真実(上戸彩)以外の人物がタイムスリップして歴史に関わるのに単純さや安直さを感じてしまったが、今回は素直に力士とグラディエーターの本格的な絡みが見たかった。それに前半でコロッセオに相撲文化を取り入れたのなら、ここで力士たちが古代ローマに行く理由はすぐには分からず、力士たちがタイムスリップしているのを忘れた頃に曙と一緒に温泉を掘り当てたというのには少し唐突感があった。どうせならここで初めてコロッセオに相撲を取り入れる展開でも良かったのではないかと思う。しかし、後半のシリアスな部分は前作ほど気にならずに見れたのは良かった。前回も今回もメタな部分が多いのだが、エピローグで売れっ子になった真実の描いた漫画が実写映画化されるというのは彼女のサクセスストーリーとしてのハッピーエンドの後味の良さと、最後になってこの映画自体を映画の中に登場させるのはちょっとさすがにやりすぎだろうという気持ちが入り交じり、なんか複雑な気分になってしまった。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-07-26 22:27:27)
329.  テルマエ・ロマエ 《ネタバレ》 
日本映画で舞台が古代ローマで登場人物が古代ローマ人と聞くとちょっと無茶なと思ってしまうのだが、その古代ローマ人のキャスティングを濃い顔の日本人俳優のみでかためるというアイデアは非常に秀逸で、まったく違和感を感じさせていないのがすごく、この時点でもう成功と言える映画ではないだろうか。前半は主に現代にタイムスリップしたルシウス(阿部寛)が現代の風呂文化にカルチャーショックを受け、古代ローマに戻って現代で見たものを再現するというよくあるカルチャーショックコメディになっていて洋式トイレのシーンなどエピソード自体は面白いものの、短時間に3回ほどルシウスが古代ローマと現代を行き来するのを見ているうちに飽きてしまった。テレビアニメ化もされているが、(未見。)これを描くならむしろ映画よりもテレビの連ドラやアニメのほうが向いているだろう。でも、本作はこの前半部分が最大のみどころで、ルシウスのタイムスリップに巻き込まれる形でヒロインの真実(上戸彩)が古代ローマにやってくるあたりからシリアスな話になり、勢いが失速した感は否めなかったし、さらに現代にいた真実の父(笹野高史)や真実の実家の温泉の常連客である老人たちも古代ローマにタイムスリップするという展開はムリヤリ感があり、そこで彼らが戦争で傷ついた兵士たちを癒すための風呂作りに協力するというのも単純で安直な感じ。最初にも書いたが阿部寛、北村一輝、宍戸開、市村正親が演じる古代ローマ人は本当にはまっていて、前半のルシウスのカルチャーショックと合わせて、彼らのはまり具合もみどころなのだが、同じような濃い顔立ちでありながら古代ローマ人役ではない竹内力がある意味いちばんインパクトがある。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-07-24 22:12:47)
330.  青春残酷物語 《ネタバレ》 
松竹映画とは思えぬ展開が新鮮だった。ラストシーンがいちど見たら忘れられないくらい衝撃的。でも、さすがに今の時代に見るとちょっと古めかしく感じてしまうのも事実。個人的に名作映画にはいつまでも語り継がれるような不朽の名作と呼ばれるものと公開当時の世の中の状況を知らないとあまり感動することができないものの2種類に分かれると思うのだが、これは明らかに後者に属する映画だと思う。でも、思っていたよりは面白かったし、完成度も高い映画だと思う。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-07-20 22:21:50)
331.  男はつらいよ 《ネタバレ》 
世界一の長寿映画シリーズ1作目。後期の作品を先に見ていたため、あまりに人間の出来ていない寅さんにびっくり。(ついでに言うと冒頭の背広姿にも。)さくらも異常なほど若くて思わずウットリしてしまった。下條正巳のおいちゃんに慣れていたので、森川信のおいちゃんに違和感を感じるかと思ったが、すぐに慣れた。さくらと博の結婚式のシーンで志村喬演じる博の父のスピーチが感動的。写真を撮る時に「バター」と叫ぶ御前様や、博の父の名前が読めないシーンなどが笑える。初代マドンナは御前様の娘 冬子(光本幸子)。ラストの失恋シーンはシリーズの中でもいちばん印象に残っている。これから50作近く続くシリーズの初回にふさわしい傑作。
[地上波(邦画)] 8点(2022-07-18 18:52:30)
332.  男はつらいよ 寅次郎の縁談 《ネタバレ》 
90年代になったあたりから満男の恋愛エピソードが中心になって寅さんが脇役化した感があったが、それでも今回は寅さんが久々の主役という感じがした。ただ、この頃になると、渥美清の病状が進行してかなり表情が痛々しかった。カメオ出演の西田敏行が笑える。
[地上波(邦画)] 5点(2022-07-18 14:33:57)
333.  エイリアン4 《ネタバレ》 
シリーズ第4作。本作の公開時には既にそれまでのシリーズを全部見ていたために前作のラストからどうやって同じ主人公で続けるのかと思っていたが、まさかのクローン設定。初めて見た時はそのリプリーのクローン設定のムリヤリ感ばかりが気になってしまい、前作で止めておけばという感想しか出てこなかったのだが、久しぶりにあらためて(3作目まではそれまでも何回か見ていたが、この4作目を見るのは初見以来か。)見ると、確かにリプリーのクローンに疑問やムリヤリ感は残るものの、そこまで悪い映画でもなく、さすがに1作目や2作目には劣るものの、3作目よりは面白かったし、リプリーがクローンという設定上、これまでのように冒頭でリプリーだけが助けられるだったり、エイリアンの存在を周囲が信じないなどといったマンネリ気味だった部分がなくなっているのは良かった。今回はこれまでと比べるとエイリアンに殺される描写がかなり直接的でグロかったり、繭を介さず、妊娠によって増殖できるようになったクイーンから生まれたニューボーンの気色悪さなど、映像的なインパクトはシリーズでも群を抜いていると感じる。今回のリプリーはクローンということもあってこれまでとキャラが違っているのがちょっと戸惑うし、因縁の相手だったエイリアンの「母」という部分もあることから、自らエイリアンのような体質になってしまっているのがシリーズを連続で見ていると悲しいものがあるのも事実で、ちょっと複雑な気持ちになってしまった。それでも自分を母親と慕うニューボーンを宇宙へ放り出すシーンはグッとくるものがあり、直前のニューボーンの悲しげな表情も何とも言えない。地球に降下したリプリーが荒廃した街を見下ろすラストシーンはあえてなんの説明もしていないことでいろいろ想像を掻き立てられる。この部分を描く続編を見て見たかった気もするが、それをやるとひょっとしたら「エイリアン」とは無関係の戦争映画になってしまうのかもしれない。なにはともあれ、4本のシリーズで描かれた350年近くに及ぶリプリーの物語は本当に今回で完結なのだと思う。(2022年6月6日更新)
[DVD(吹替)] 6点(2022-07-18 00:46:06)
334.  激突!<TVM> 《ネタバレ》 
中学の頃にテレビで見て以来(約四半世紀ぶり)にDVDで再見。今見ると少し単調に感じるかもと思っていたのだが、最初から最後まで目が離せず、すごく面白かった。サスペンスとしての完成度が非常に高く、とてもテレビドラマとして作られたものとは思えないほどで、若きスピルバーグの才能の片鱗を感じさせる。昔見た時は追ってくるタンクローリーの運転手の顔が画面に一切映らないことに若干の違和感を感じたりもしたが、今回久しぶりに見てみるとそのことによってタンクローリー自体が怪物のように描写されていて、運転手の顔が映らないことでよけいに恐怖感が出ていて、効果的だ。(特典映像の監督インタビューを見るとタンクローリーを怪獣のように見せたかったとのこと。)また、追われるセールスマン(デニス・ウィーバー)の心理描写も巧みで、とくにドライブインのシーンは主人公の置かれた緊迫した心理状態をうまく表していて見事だった。(昔見た時はそれほど印象に残らないシーンだったのに。)遮断機の閉まった踏切に押し込まれそうになるシーンや、主人公のいる電話ボックスにタンクローリーが突っ込んでくるシーン、それに主人公の車がオーバーヒートするシーンはやはり今見ても手に汗握ってドキドキしながら見ることができた。メインの登場人物をほぼ主人公ひとりに限定していて、内容も単純でシンプルなのだが、逆にそれがよく、題材も身近で実際に起こりうる話なだけにリアリティーもあり、それに日本であおり運転が昨今問題となっているのを考えると一種の社会派映画のようでもあり、昔見た時とは別の面白さもある。間違いなくスピルバーグ一番の傑作だと思う。少し悩んだが思い切って10点を。(2019年12月8日更新)
[DVD(吹替)] 10点(2022-07-11 17:37:06)
335.  男はつらいよ 寅次郎の休日
一応、寅さんの恋も描かれてはいるが、前作同様満男と泉のエピソードのほうに重点があてられている。泉の父親役が寺尾聡で一緒に暮らしている女性が宮崎淑子。「雨あがる」の主人公夫婦を思い出した。
[地上波(邦画)] 6点(2022-07-09 21:24:28)
336.  阿部一族(1993)<TVM> 《ネタバレ》 
殉死というのは今現代に考えるとちょっと異様さを感じる風習のように思うのだが、深作欣二監督はそういう武士の忠義と、それに対する社会勢力とを対比させながら重厚さと格調の高さをもって描いていて、2時間ドラマのテレビ時代劇とは思えない劇場公開映画のようなクオリティの高さがあり、とても見ごたえのある時代劇に仕上げている。後半は阿部一族が藩に抵抗していく様が描かれていて、小林正樹監督の「上意討ち 拝領妻始末」を思い出すが、実際にもこういう事件はあったのだろうと思わずにはいられない。この事件は双方に多数の死者を出す悲劇になるのだが、すべてが終わった後になにか空しさを感じさせるラストになっているのも良かった。深作監督らしい激しいシーンはテレビ作品ゆえかいつもより控えめなのだが、クライマックスの阿部一族と藩の討手の戦いのシーンはいかにも深作監督らしい激しいアクションが展開されていて、これも見どころ。中でも佐藤浩市と真田広之の決闘シーンはリアルで迫力があり、深作監督の演出もここは力が入っていて、見ごたえもじゅうぶんだ。しかし、このクライマックスはそれまでの重厚な雰囲気と違いすぎて全体としては少々バランスが悪くなってしまった感があるのはやはりちょっと残念だった。でも、深作監督は明らかに映画を意識して本作を手がけているのが見ていてよく分かる作品になっていて、テレビ作品だからと言って侮れるものでは決してない骨太な時代劇としてじゅうぶん傑作といえる作品だと思う。(2014年8月28日更新)
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-07-09 21:15:39)
337.  男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく
冒頭の「スター・ウォーズ」を意識したようなシーンにやや時代を感じる。
[地上波(邦画)] 5点(2022-07-05 18:27:23)
338.  男はつらいよ フーテンの寅
「家族」を撮影中であった山田洋次に代わって1作目の脚本を山田監督と共同で担当した森崎東が監督したシリーズ3作目。とらやのメンバーの出番が少なく、さくらに至ってはほとんど出てこない。これが少しさびしい気もするが、その分、旅先での寅さんを中心に話が進むので、マドンナとの関係がいつもより細かく描かれている。マドンナがとらやを訪れず、寅さんが旅先から旅に出るのは長いシリーズでもこれだけ。冒頭に樹木希林がチョイ役で出演している。
[地上波(邦画)] 7点(2022-07-05 17:35:31)
339.  男はつらいよ 噂の寅次郎
今回のマドンナの大原麗子はちょっと色っぽすぎたかも。久々に博の父(志村喬)が登場するも1作目や8作目のような感動度は低い。でも出来としては悪くなかった。
[地上波(邦画)] 6点(2022-07-05 17:33:25)
340.  天国と地獄 《ネタバレ》 
黒澤作品を見始めてまだ間もない頃に見たのだけど、すごく面白かった。最初に見た時、前半と後半で主人公が三船から仲代に入れ替わるのがけっこう新鮮だったし、ハラハラドキドキの展開に一度もだれることなく一気に見れた。犯人を演じている山崎努の若い頃を初めて見たのもこれなんだけど、今の渋みが全くなくてかなり驚いた。でも、「マルサの女」の権藤と同じく、印象に残る役柄だと思う。この映画が事実上黒澤の単純に楽しめる最後の娯楽映画となってしまった感はあるが、黒澤作品の現代劇でいちばん好きな映画である。
[ビデオ(邦画)] 10点(2022-07-04 19:47:07)
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