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321.  誰が為に鐘は鳴る 《ネタバレ》 
165分版で鑑賞。内容は不出来。先ず主人公のロバートという人物が不自然。スペイン内戦なのにアメリカ人。外国人のこのこやってきて、命をかけて共和国派に肩入れする理由が希薄。そしてこの人が英雄的行為をしないんですね。線路爆破では倒れた仲間を助けずに射殺。橋爆破作戦で山岳ゲリラを仲間にするが、リーダーシップが取れない。味方が敵と交戦しているのに見殺し。変態のパブロに言われ放題。パブロに裏切られ、起爆装置を失くす。「女と一緒にいる時間はない」などと言う舌の根も乾かぬうちからいちゃつき放題。戦場であんなことされたら憎まれますよ。士気が保てない。ロバートが英雄的人物として描かれてないので、クライマックスも盛り上がらない。最後は自己犠牲というより自業自得。◆作戦がよくわからない。そもそも山岳のあの橋を爆破するのは敵の補給を絶つため。飛行機の奇襲攻撃と同時に爆破せよとの命令だが、その必要はなく、確実に夜に爆破すればよい筈。ロバートは敵の動きを味方に知らせ、橋を爆破しても意味が無いと言うが、どうして?手紙を見た将軍は、この奇襲は失敗するというが、どうして?すでに敵の多くが橋を渡ってしまったということだろうか?まだ戦車は残っていたけど。味方に連絡するのに7時間!無線はないのか。もやもやしますね。山峡に小さな橋があって、それが戦術的に大きな意味があるとは思えないんですよ。そのあたりの説明がない。そんなに重要なら大人数で実行すればよいのに。橋一つ爆破するのに駄目男達がぐずぐずしているだけの映画に思える。やれ雪が降ったらどうだとか、パブロを殺せとか、殺したら逃走出来ないとか、ピラーは醜いとか、手相が悪いとか、パブロが味方を殺すとかぐだぐだですね。作戦に無関係のことや仲間割れを描いてばかり。ストレスはピークに達します。雪はだいぶ積もったけど、1日経つと嘘のように消えてしまうのは手抜きですか?◆恋愛部分についてはそこそこの出来ですが、女が泣きながら辛い過去を告白しようとしているのにそれを止めるのはどうかと思う。見る側のストレスになります。全て聞いてあげないと気が晴れないでしょう。話すことが癒しになるのだから。「もういい、いやな忘れるんだ」はアドバイスとしては失格です。両親が殺され、暴行された女なのに尻軽女っていう印象です。「初めてのキスよ」は絶対嘘。原題の「鐘」は教会の死を知らせる鐘のこと。
[DVD(字幕)] 4点(2011-09-24 06:10:30)
322.  駅馬車(1939) 《ネタバレ》 
単純明快な物語。人間ドラマ、恋愛、格闘シーン、スカッとするラスト、どれも秀逸で、娯楽映画としてのエッセンスが詰まっている。足りないのは芸術性くらいだが、アパッチ襲撃シーンは芸術の域に達していると思う。フィルムのコマ数を落して馬の疾走感を出す、馬車がカメラの上を駆け抜ける、俯瞰撮影、フィルム合成、危険なスタントシーン、賭博師が撃たれるシーンを見せない選出など、どれも素晴らしい。 ◆人間ドラマはもっと掘り下げることが可能。①医者は医者として自信を失う事があり、トラウマを抱え、酒浸りになった。出産と治療を通じて、医師としての自信を取り戻す。②賭博師は判事の息子だが放蕩者になった。そのきっかけの一つがかつて貴婦人に失恋したこと。偶然再会して護衛を申し出る。③銀行家は厳格すぎる妻との生活に嫌気がさしていた。その日の大喧嘩する。そのとき大金が持ち込まれ、アパッチの襲撃で電信が途絶えた。チャンスとばかり駅馬車で脱出を試みる。命からがら助かった彼は、かわいい息子がいたことを思い出し、自首する。④娼婦は足を洗ってこの町に来て真面目に働いていたが、婦人会から追い出される。唯一の友人がリンゴで、無理と知りながら、彼との結婚を夢みていた。⑤貴婦人は騎兵隊の大尉と駆け落ちをして一緒になった仲。夫が重傷との連絡を受け取り、身重の身を押して、単独夫の元へ駆けつけるところ。賭博師と大尉は恋敵だった。⑥リンゴは無実の罪で刑務所に入れられた。3兄弟が嘘の証言をしたためだ。しかもリンゴの父、弟を殺したのは3兄弟だと判る。リンゴは脱獄し、復讐を誓う。◆アパッチが馬車の馬を撃たなかったのは、馬の強奪が目的だったからと解釈しましょう。アパッチにとって馬は通貨と同じです。残念なのはせっかくやってきた騎兵隊とアパッチの対決シーンがなかったこと。終わってみれば2名負傷したものの犠牲者は1名のみ。3兄弟との決闘はあっけないです。3兄弟は逃げずに堂々と勝負しますが、もっと悪者キャラにして、リンゴをだまし討ちにするが、返り討ちに会う方がカタルシスがあります。保安官が結婚の約束をしたリンゴと娼婦を見逃してやるという粋な計らいで終了。「一杯おごろう」「一杯だけな」誰でも祝杯をあげたくなります。ところでリンゴと娼婦はこの日が初対面ですが、女が娼婦ということを知っているのでしょうか。 
[DVD(字幕)] 9点(2011-09-24 01:18:19)
323.  アンナ・カレニナ(1948) 《ネタバレ》 
アンナは貴族の妻として平穏な暮らしを送っていた。愛する息子にも恵まれていた。運命のいたずらで、そんなアンナが青年将校ブロンスキーと恋に落ちる。初めて知った燃え上がるような恋。アンナは全てを捨ててブロンスキーの元へ走る。だがその代償は大きかった。夫は離婚してくれず、息子とも会えない。ブロンスキーの子を宿すが流産して、生死の間をさまよう。アンナの夫の寛大な態度にショックを受けたブロンスキーは拳銃で自殺未遂する。二人は出奔し、ヨーロッパを旅行したが夫を裏切り、子供を残したきた思いが心に影を落として楽しめない。帰国したアンナは夫に内緒で息子に会うが、夫に見つかり、離婚は絶対しないと宣言される。二人は社交界からも見放され、孤立を深める。精神的に追い詰められた二人の心は離れて行った。アンナは二人が初めで出会った駅で自ら電車に轢かれ死亡する。 ◆アンナは優雅で美しく、誰にも優しく寛容で、何自由なく暮らしている貴婦人でした。それが不倫の恋に落ちます。総てをなげうっても悔いの無い情熱的な恋でした。しかしすべてがうまくいかず、アンナは顔に悲愴さを漂わせ、皮肉屋で、打ち解けない女になります。そしてブロンスキーの心が離れていったのと悟った彼女は死を選ぶのでした。二人だけでなく、アンナの夫の苦悩も描かれています。他に、ブロンスキーに婚約破棄させられた娘が幸せな結婚生活を送る事。不倫は秘されているうちは明るい噂話に過ぎないが、大っぴらになると非難を招く事。アンナは兄の不倫の仲裁にやってきてブロンスキーと出会うが、そのときは不倫をたしなめる役だった事等皮肉たっぷりです。汽車の事故を最初に見せる伏線もうまいですね。ドラマティックな展開はあるのですが煽情的に描かれておらず、あっさりと進み、見ていて少々退屈ですが、文豪の長編をダイジェストで見せてくれるだけでもありがたいと思いましょう。ビビアンとローレンス・オリビアの実生活での「ダブル不倫、結婚、破局、精神を病むビビアン」もこんなだったのかという穿った見方もできます。ある意味貴重かもしれません。
[DVD(字幕)] 6点(2011-09-23 20:07:30)
324.  アンナ・カレニナ(1935) 《ネタバレ》 
アンナ(A)は夫カレーニン(K)、息子セルゲイ(S)と平穏に暮らしていた。軍人ヴロンスキー(V)がAに一目惚れ、人妻と知っても恋の炎は消えない。当惑していたAもいつしかVの愛情にほだされ、Aを愛していることを告白する。二人の関係は噂になり、最初は気にもかけなかったKだが、落馬したVを気遣うAを見て不貞を確信する。Kは妻を責めるが、妻の気持ちは変わらない。かえって仕事と世間体ばかり気にする夫を責める始末。二人の間にもともと愛情はなかったのだ。怒った夫は離婚は許さず、家を追い出し、息子に合わせないという。一方Vは将軍からこれ以上醜聞が続くと退役させるとの警告を受ける。Vは軍隊より愛を選び自主退役する。AとVは欧州へ旅行に出かける。自由と心の解放を感じていたAだったが、Sのことを考えると憐れでならない。二人は帰国する。AはSに会うが、Kに見つかり、出入り禁止となる。二人は社交界から締め出されていたが、Aが勝気なところをみせ、堂々と二人でオペラに出かける。Vは無為の暮らしに不満を覚え、義勇軍に参加し軍隊復帰する。それを聞いたAはVの心が自分から離れてしまったとのを嘆き自殺する。今は天国で安らいでいるだろうと慰める共に、「誰が知るだろうか」と自問する。 ◆Aの兄嫁の妹キチィはVとの結婚を夢みていた。しかしVがAに恋してしまったので、地方地主リョーヴィンの求愛を受ける。 ◆Aの兄スティーヴァは妻を愛しているが、女遊びがやめられない。妻を愛することと、愛人を愛することは別の事だと信じている。スティーヴァの妻は半ばあきらめ、泣き寝入りの日々を送っている。 【感想】原作では恋のため不貞を犯し悲劇的な死を迎えたAと望まぬ結婚をしたが子供に恵まれ幸福に暮らすキティを対比して描く。そして不倫は罪だが、享楽にふける世間(貴族)にAを責めることができるのかを問う。表情や感情表現に乏しい女優のせいで物語は盛り上がりもなく、淡々と進む。AがVの子供を産み、Vが苦しんで自殺を図るなどの挿話を省略しているのも響いている。Vは真実の恋を見つけたと信じ、Aもそう信じた。二人は世間体を気にせず、自分達の気持ちに正直に生きようと誓った。恋の炎を燃え上がらせる二人。だがそれは様々な苦悩を生み出す源泉ともなった。やがて二人の心は離れ、Aは自殺、Vも戦場へ赴く。そういった壮大なドラマの一端しか窺えない。 
[DVD(字幕)] 5点(2011-09-23 16:11:22)
325.  戦争と平和(1956) 《ネタバレ》 
「貴族の恋愛」と「戦争」を描く長編。貴族の生活はパーティ、乱痴気騒ぎ、遊びの恋、オペラ、舞踏会、田舎の別荘、狩などで光陰が過ぎる。そこへ戦争勃発、国家存亡の危機である。ピエール(P)伯爵は非摘出子という出生の影響か、気真面目な一方で、虚無的な一面がある。正しいことをしようと思っても、放蕩をしてしまう。戦争や暴力を憎んでいたが、決闘する。矛盾だらけだ。Pは愛されていないと思っていた父と臨終に和解。家を継ぎ、美女エレン(E)と結婚。性格が合わず、別居となり、Eは浮名を流す。PはEを愛していると思っていたが、そうではなかった。彼の信念はぐらつく。Pは戦争の実際を知りたいと思い戦場へ赴く。目の前で繰り広げられる殺戮。負傷兵を救護所に運ぶも既に息絶えていた。戦場の悲惨さを実感して侵略者ナポレオンを憎悪。仏軍はモスクワに進行、露軍と民衆は撤退、放火により首都は燃え上る。Pは首都に留まり、ナポレオン暗殺の機会を待つ。その機会が訪れたが、ナポレオンが火事鎮火を命じる声を聞いて留まる。殺したいほど憎む人間に思えなくなったのだ。彼は捕虜となる。十代の若者が処刑されるのを見る。冬が訪れ仏軍は撤退、捕虜も連行される。歩けなくなれば射殺される雪中行軍。仲良くなった楽天家の農民は途中で落伍。露軍の攻撃で開放されるが、戦闘で親戚のペーチャは死ぬ。まだ戦争が遊びに見える年頃だった。隊長は奇しくもかつて決闘し重傷を負わせた相手で、Eの死を知らせてくれた。隊長の怒りで、仏軍捕虜は全員射殺。◆ペーチャの姉ナーシャ(N)は無邪気で魅力的。かつてPに恋をしたが失恋。その後Pの友人で軍人のアンドレイ(A)と恋に落ち婚約するが、Aの父が難色を示し、結婚は一年延期される。婚約中Eの弟アナトーリと情熱的な恋に落ち駆け落ちを決意。アナトーリには妻がいると知ったPは二人を別れさせる。NはAに謝罪の手紙を送るがAの怒りは消えない。やがてAが重傷を負って帰還。親身に看病するN。Aは心からNを愛していたと知るが逝去する。◆戦争が終り、N一家は家に戻る。家は半壊状態。帰還したPが立ち寄る。抱き合う二人。Nが言う「あなたはこの家のように苦しみ傷つきながらも立っている」。戦争を経験した者にとって平和のもつ意味はとてつもなく大きい。「成し難いが大切なのは命を愛し、苦難の時も愛し続けること。何故なら命が全てだからである」
[DVD(字幕)] 7点(2011-09-23 11:50:26)
326.  プレデターズ(2010) 《ネタバレ》 
そこそこ楽しめましたが、ダメなところを挙げたいと思います。 【メンバーが弱い】地球で選りすぐりのメンバーが集められた筈が、選定に手違いがあったようです。 ロシア兵は近距離から密かに二人に向けて銃を発射しますが一発も当たりません。M134ミニガンで毎分6000発も発射できる優れものですが、絶望的な射撃ベタです。傭兵諜報部員、女兵士、メキシコマフィア、ヤクザは武装していますが、他の二人は持っていない。ヤクザは刀の達人なのに所有してない。仲が悪いのもいただけない。喧嘩したり、仲間を囮にしたり、見捨てたり。挙句の果てに医者が女兵士を襲う。そんなところを見せてどうする。皆Pとの戦闘を期待しているのに。せめて見た目を強そうにしましょう。ちなみにプレデター(P)は、医者が殺人鬼だとどうやって知ったのか?探偵でも雇ったんでしょうか。 【ノーランド】 10年も生き延びたのに太っている!Pの戦闘服や銃器を所有、経験も豊富、基地らしき所もある。さあこれでPと戦える準備が整った、二回戦戦闘開始、と思ったら、あれれ、焚火で皆を窒息死させようとしている。寝てるところを撃てばいいじゃん。結局皆に逃げられるは、Pには気付かれるはで、ジ・エント。とほほ。 【人間ドラマ】戦闘がメインですが、人間が描けてないと空疎なものになります。人物に感情移入させてこそ戦闘シーンが生きるというもの。ところがリーダーである傭兵は自分だけ助かればよい派。ラストでも人間がパラシュートで降りてきてるのに背を向けますね。レイプ犯は戻れたらレイプしたいと言い出す。ヤクザは無言。医者は殺人鬼で女を襲う。話を面白くしようとして個性的なキャラにするのはよいが、それだけではだめ。仲が悪くても危機を乗り越えならが、徐々に友情が育まれていくことを描くことによって感情移入できる。どうでもいいと思ってみるのと、助かって欲しいと思ってみるのとでは天の地の差がある。ここが映画に惹き付けるコツ。ロシア兵がわが子の写真を見せたように、各人に感情移入できるような挿話をもたせるべきだった。 【戦闘】さすがは軍事のプロと思わせる作戦がない。人間は圧倒的に弱いので、捕虜Pと組んで共同戦線を張ればよかったのに。武器もPのものを利用して、そうすれば対等になって面白くなった。 【疑問】太陽が全然動いてない、なんて言ってるのに夜になってる。
[地上波(吹替)] 6点(2011-09-22 21:47:28)(笑:1票) (良:3票)
327.  PUSH 光と闇の能力者 《ネタバレ》 
謎が次々に提示され、めまぐるしく変わる展開を手ぶれカメラと高速多カット編集で息つく暇なく一気に見せる演出が新感覚。殺されかけたキラがディビジョン(D)から逃げ出し、ニック(N)の元にDの二人が現れ女を探していると告げ、次にキャシー(K)が現れ600万ドルの儲け話をもちかけ、NとKが市場で中国の超能力家族から攻撃され、傷ついたNはKの母の友人に助けられ、その頃キラは港で目を覚ます。観客を惹き付けますね。特に冒頭、患者の手から落ちたボールが、ドアに当たって向きを変え、絶妙のタイミングで扉に挟まりキラの脱走を助けるシーケンスに痺れました。この映画は面白い!その後の怒涛の展開。期待は膨らみます。ああ、しかし、鑑賞後自分は”ウォッチャー”じゃなかったことに気付かされます。広げた謎が収束しないですね。加えてKの母を取り返す計画、ディビジョンの軍隊化計画が全く動かない。延々三つ巴でキラとスーツケースの取り合いに終始するドタバタ劇に成り下がっています。Nは父から「花をくれる少女を助けろ」言われますが、この大伏線の決着がついていない。父は何をしたかったのか?キラが殺人をするのも後味が悪い。本物のウォッチャーならこの映画は見ない! 【スーツケースの謎】Kがスーツケースの薬を追うのは母のため。薬とKの母と交換するDとの交渉に用いる。Dを憎むNはKに協力。Dは取り返したい。中国人は金のため。薬の作用は超能力を倍増させるがほんどの人が死ぬというもの。この薬はキラが脱走するときに盗んだ。だがKの話では母が自分が生まれる前からの計画という。Dにとっては薬はいくらでもあるのだから、タイプゼロであるキラの方が大切。だが国家機密のため中国人に渡るのは困る。最終的に薬はNとKの手に渡ったところで終了。肝心の母を助け出す場面がない。冷静に考えると大して重要なものじゃないですね。キラにしか効かないのだから。恋人がプッシャーだと騙されっぱなし? 【疑問】 ①最高のウォッチャーであるKの母は何故捕まったのか? ②ウォッチャーは宝くじ、競馬、株などで金儲けしないの?他の能力者も使いようでなんとでもなりそう。 ③Dの二人が最初にNの元に現れて室内を嗅ぎまわったとき、Nの元恋人であるキラのことに何故気づかなかったのか? ④Nはカーバーが香港にいるのをどうして知ったか? ⑤Nはキラにあったとき「捜した」というけど本当か?
[DVD(字幕)] 6点(2011-09-22 17:33:03)
328.  ベオウルフ/呪われし勇者 《ネタバレ》 
原作の英雄叙事詩「ベオウルフ(B)」は、若きBが怪物グレンデルを倒す話と老いてからドラゴンを倒す話の二部構成。これを新解釈で補完し、整合をもたせた脚本は新鮮味がある。Bは怪物の右腕を引きちぎって倒すが、その母である魔女の逆襲に遭い部下を殺される。魔女を倒しに1人で向かったBは、魔女の誘惑に負け取引をしてしまう。魔女を殺したと嘘をつき、交わって魔女に息子を授け、「竜の杯」を魔女の元に置くのを条件に、財宝と永遠の強さをもらい、歴史に名を残す偉大なる王にしてもらう。魔女の言葉に嘘は無く、予言通りにBは王となり、富と名声を得、どんな侵略者も彼の王国を侵略することはできなかった。しかしこれは呪いだった。魔女の息子は成長するとドラゴンとなり、父に復讐しにやってきたのだ。「竜の杯」も戻された。Bはこのとき前王も魔女と取引をし、王の地位を得ていた事を悟った。死闘の結果Bは右腕を失う代わりにドラゴンの心臓をつぶし、相討ちとなる。Bの遺言で王の地位は親友に引き継がれたが、またしても魔女が姿を現す。 ◆どんな勇者でも悪魔の誘惑には勝てない心の弱さがある、というのがテーマ。Bも倒した海の怪物の数を水増しするなどの虚栄心を持っていました。美女や王の地位や富や名声は魅力的です、それが一度に手に入るとなると大概の人間は誘惑に負けるでしょう。魔女の呪いは隠されているのですから、誰でも良い取引と思います。怪物の右腕を奪い、自らの右腕を失う、これは呪われた運命の輪の象徴でしょう。自らの蒔いた種を刈らねばならなりません。キリスト教が魔女を否定するまで呪いの輪が続く事が示唆されます。前王は何故自殺したのでしょうか?息子を殺したことへの償い説、老いる前に英雄のままで死にたかった説、魔女の呪い説等が考えられます。2組の親子が同日に死んでいるので、息子が死んだら親も死ぬという呪いかもしれません。親子で殺し合いをし、勝っても負けても死ぬという怖ろしい呪いです。 ◆怪物の姿がゾンビで萎えました。ドラゴンと魔女の造形は合格点。Bが裸になるのは勇気を示す意味があるのでしょう。冒頭梁にネズミが走り回り、それを梟が捕まえ、夜空に飛翔して、王国を俯瞰で見せるというシーケンスに美的センスを感じました。やれば出来る監督ですから、エログロに走らないで、美を追求してもらいたいものです。王妃がいつまでも若いのは謎。
[DVD(吹替)] 7点(2011-09-21 23:04:30)
329.  白い嵐 《ネタバレ》 
説明不足というか、描き方が不親切です。殆どの人が知識を持たない「帆船訓練の海洋学校」の基本的な紹介ができてない。何の目的で、どれくらいの期間で、正規の学校なのか、何かの資格が関係するのか、はっきりしないですね。高校の単位はとれず、大学へはいけないことは描かれています。主人公は17歳ですが、15歳もいれば、2度目の生徒もいる。一等航海士なのにプロではない。不良を矯正する学校でもなさそう。何月に訓練が始まって、何月に出発して、何月に嵐に遭ったのか、航海のデータもない。仮に8月に始まって5月が遭難だとすると9ケ月も航海していることになりますが。また実際には5人か6人が亡くなっているのに4人に変更されている。どうして?事実に基づいていると冒頭にあるのに。こんな調子だから生徒の区別がなかなかつかないグダグダ演出になっている。誰が死んだかよくわからないのは致命的でしょう。メインは訓練を通じで生徒達が友情と団結を育み海の男として成長していく物語。残念なのは「いい話」が少ない事。不良生徒に勉強を教えてやる、高所恐怖症の生徒がマストで友情の鐘を鳴らす、裁判で下船生徒が団結の鐘を鳴らす、裁判で生徒と船長がハグ泣きする、くらいかな。逆は多い。高所恐怖症で小便もらす、売春婦を買う、酒を飲む、煙草を吸う、女子学生とのH、船長と妻のH、性病、出港時間に遅れて置いてきぼり、キューバ船に砲撃される、イルカ殺して強制下船、喧嘩、照明器具を割って暴れる、干渉過多な父親との確執、厳しすぎる船長への憎しみ、嵐に遭難して死亡。 ◆生徒同士で絆を深め友情を育む横糸と船長や両親の大人達と信頼関係を築く縦糸がうまく絡み合って感動作になる。それがうまく機能していません。どちらも中途半端に終わります。 ◆事故の原因は簡単で、嵐に遭っているのに、帆を畳まないからです。「落雷の危険があった」では言い訳になりません。裁判で事故の責任問題や船長の資格はく奪がどうなったのか、結審を敢えて描かない意図は何?裁判に生き残った大人が出頭しないのは何故?◆海の美しさは十分堪能でき、クライマックスの海難シーンは迫力満点です。
[DVD(字幕)] 7点(2011-09-21 17:09:20)(良:1票)
330.  蜘蛛女(1993) 《ネタバレ》 
ジャックは風采の上がらない軽輩の刑事、給与の低さを嘆く。妻を愛しているが、女と快楽には人一倍弱く、マフィアに情報を流して大金を得、愛人とよろしくやっている。大金は将来の夢のためにとってある。彼の売った情報が偽情報になったことから窮地に陥る。ここから転落人生が始まる。マフィアのボスからも、女殺し屋からも狙われる。最終的に罠にはまり愛人を誤射してしまう。妻は女殺し屋に殺される。汚職がばれて逮捕される。怒りに満ちたジャックは、全ての元凶である女殺し屋を射殺する。ジャックは別の身分をもらい、夢であった食堂を開く。そこで年に2度、妻と落ち合う約束の日に幽霊と出会うのを待っている。 ◆コメディタッチなのに悲惨な内容なので反応に窮してしまう。監督の意図として悪女をスタイリッシュに描こうとして、そこだけが突出してしまったのだろうか?原題は「Romeo is bleeding」色男は血まみれという意味だ。それとジャックの喪失感が半端じゃない。「失ってしまったときに、はじめて、失ってしまったものの大切さがわかる」「本当の幸せは、何気ない毎日の積み重ねの中に、ひっそりとある。その大切さがわかるのは、それが逃げたときだ」 これをテーマにするのならもう少しシリアス路線にすべきだったと思う。日本の題名は「蜘蛛女」キャッチフレーズは「愚かな男の死骸がゴロゴロ」。女殺し屋を主人公にしてユーモア路線を暗示している。女殺し屋のやる事なす事みんなギャグにしか見えない。しかし最後には女三人は死んでしまう。その内二人はジャックが殺す。女殺し屋のはちゃめちゃぶりとジャックの転落ぶりが見どころだが、両者は噛み合わない。やはりコメディで、ハッピーエンドに路線変更した方が良いと思う。 ◆気になったのは、妻が「あなたを安心させるある物をタンスに入れておいた」と言い残し、それはアルバムと結婚指輪だった。ところがアルバム中にはジャックの浮気現場を写した写真も入っていた。浮気調査をしていたのだ。これをどう解釈すべきか? ◆待ち合わせ場所は「フェニックスのホリデー食道、国道10号線」。ジャックがその食堂のオーナーに収まっているのは、店を継いだということか。
[DVD(字幕)] 7点(2011-09-21 05:46:51)
331.  地球が静止する日 《ネタバレ》 
えーと、人類滅亡を図る悪の知的生命体が子供の涙に騙される話と思っていいのでしょうか?「宇宙人なんて殺しちゃえ!」「家に連れて帰ってよ」「殺せと言ったのは本気じゃない」「ヘレンは仕方なく世話してるだけ」「僕のパパを生き返らせて」「(泣きながら)僕もごめん」⇒「人類には別の面がある」と宗旨替え。ギャグですか?正当な方法なら子供が宇宙人に訴えるとか、宇宙人を助けるとかしますが。子供は宇宙人の意図を知らないままですね。子供向けSF「ドラえもん」レベルの脚本が痛いです。リメイクで設定を変えたけど整合が取れてません。◆宇宙人を有名俳優にさせるのはやめた方がよい。エイリアンらしくなくなるし、善人(ハッピーエンド)とわかってしまうから。【疑問点】①宇宙人は地球外文明の代表だというが証明がない。話し合いをするのなら委任状くらい持ってこい。そもそも一人で来るのが間違い。使節団で来い。それも目立たないように。②1928年のキアヌは球体に近づいたので失神。その間に手の甲からDNAが採集されたと考えてOK?手の甲の腫れは凍傷?③宇宙人が最初に「怖がるな、君たちを助ける」というが、どういう意味?抹殺するかどうかを判定にしに来たんじゃないの。④米国大統領が登場しないのは予算の節約、米国が情報を独り占めにするのはエゴ?⑤駅で切符の奪い合うをする一人が倒れたのは怪我?⑥ヘレン勝手に宇宙人の灰色物質(実は治療薬)を持ちだしたのは女の勘?宇宙人がヘレンを呼び出したのは彼女が灰色物質を持ってる事を知っているから?どうやって知った?⑦二人が黒板に書いていた数式の意味は?⑧いくつかの球体は去ったけど、地球の生物を持ち帰ったの?⑨間者の宇宙人が70年も報告しなかったのは何故?⑩最後宇宙人は球体に接して消えたけど、あれは自己犠牲?肉体を失っただけ?⑪ナノイナゴは人工物と人間だけ分解する?土や道路は無傷だけど。動物も大丈夫?⑫宇宙人がマイケル・グレイニア博士を助けなかったのは急いでいたから?⑬宇宙人は車ばかり利用するけど、どうして球体やロケットを使わないの?⑭ロケットは人間に攻撃されて自動的に人類滅亡作戦を起動させますが、そんなんでいいんでしょうか?宇宙人の命令で動くべきでは?⑮最後球体が去るとき、世界中の電気が消えるけど、その後どうなるの?人類への罰則?
[DVD(字幕)] 5点(2011-09-21 01:56:54)(良:1票)
332.  サイコ(1960) 《ネタバレ》 
女(勤務十年のオールドミス)が会社の金を横領するのが事件の発端。動機は恋人がいるが、お金がなくて結婚できないから。人生で魔が差した瞬間だ。女は恋人の町へ逃走するが、途中で社長に目撃され、警察官に尋問され、車を替えてもパトカーに追尾される。車中で横領が発覚した状況を想像し怯える。上質のクライム・サスペンス。 ◆大雨に遭い、車はモーテルへ。「人は罠にかかったらそれから逃げられない」「人は時々おかしくなるときがある」「一度だけでたくさんね」経営者との示唆に富んだ会話で女は改心し、金を戻す決心をする。使ったお金を紙に書いて計算。しかしシャワーの最中に老婆らしき人物に刺殺される。主人公が死んで驚く仕掛け。犯人が分ってから考えると、犯人との会話で改心し、そして殺されるところが皮肉。無辜の人でなく、横領犯が被害者なのに同情してしまう。大金の行方も気にかかる。経営者が死体を処理し、車ごと沼に捨てるが、途中で止る演出にはらはらする。感情移入が女から経営者に転移する瞬間だ。 ◆ミステリーとして読むと倒叙形式。最初に犯人と殺害方法が提示される。後は探偵役によく謎解きパートだが、犯人がラストで大どんでん返しになるという斬新さ。二重人格が知られていないので、医者に説明させるという丁寧な作り。 ◆謎解きはパートは淡白。探偵が切れすぎるのだ。その場で筆跡鑑定、経営者の様子で女が経営者に会ったと確信。女の妹と恋人に連絡してから家を訪ねる。そして殺される。死体処理は時間の都合で省略。 ◆当時は映画規制が厳しく、陰惨な場面やヌードはご法度。それで観客に想像させる画面作りに徹している。細かいカットをつないだシャワー場面は本当に惨殺されているかのよう。滲んだ血が流れる排水溝の渦、死んだ眼のアップが回転しつつ、カメラはそのまま大金へパンする。音楽は神業。地下室での揺れる電灯、サングラス警察官のアップ顔、覗き見する経営者の横顔、不気味な鳥の剥製、沈むのが一瞬止まる車、闇に浮かぶ高台の家、印象深いショットが多い。 ◆サイコという言葉を世に知らしめた名作で影響は計り知れず。日本では話題にもならなかった。キネマ旬報洋画ベスト(30位)ランク外。最大の瑕疵は母になりきった経営者の声が女性の声である事。次に横領の動機が弱い事。美男美女の理想的カップルで、お金に困っているように見えない。昼休みにHするのはどうかと思う。
[DVD(字幕)] 9点(2011-09-20 19:19:01)
333.  レインマン 《ネタバレ》 
自閉症とサヴァン症候群を世界に知らしめた功績は大きい。ただ数字が得意で、絵も描き、ユーモアを解し、飛行機や高速道路を避ける危機回避能力を持っている人がいるとは思えないが、そこは演出。◆弟は2歳で母親を亡くし、16歳で冷たい父に耐えきれず家出、父親と縁を切る。父が死ぬと遺言があり、弟は車がもらえるだけ。秘密の第三者に300万ドル渡すという。めったにない遺言である。息子なのだから半分はもらえる権利がある。裁判で訴えれば勝つだろう。それはともかく、主題は家族愛を知らない弟が兄と触れることにより、家族愛を取り戻す話。◆弟は第三者を見つけ出し、それが自閉症の兄だと知る。兄の存在を隠していた父への憎しみが増す。兄を騙して誘拐し、保護権を楯に遺産を半分を戴こうと企む。恋人はそんな姿を見て去る。弟が兄を誘拐したのはお金が欲しさもあるが、父に踏みつけにされた事への反発が大きい。◆兄は自閉症だが記憶は確かだった。弟と一緒に住んでいたこと。父が面会に来て自動車の運転を教えた事。母がレインマンの歌をうたってくれたこと。弟は兄レイモンドをレインマンと呼んでいた事。母が死に、兄が弟をお湯で火傷させそうになった事件があり、兄は病院にやられたこと。その日は雪が降っていて、弟は「バイバイ、レインマン」と腕を振っていたこと。これらの事情を知って弟の心は軟化する。先ず母のかすかな思い出を確認することが出来た。そして父が兄の事を黙っていたのは、兄の存在を隠すことが兄弟にとって良いことだと判断した事、父が兄にほとんどの遺産を残したのは、自分が父を拒絶したせいであることを理解した。こうして兄との絆が芽生え、父親と精神的に和解できた。優しい気持ちになれたところで恋人に素直に電話。恋人は弟が変わったことを感じ取り戻ってきた。◆弟はお金が必要になった。兄の能力を利用してカジノのポーカーで必要な分を儲ける。しかし兄の能力がばれて、二度と出入りできなくなる。弟は兄を尊敬するまでになる。◆兄がぼや騒ぎを起こす。パニックになる兄の姿を見て、弟は一緒には暮らせないと悟る。誰かがついて終始めんどうを見ていないと危険なのだ。弟は別れを決意。兄を病院に戻し、遺産は辞退する。愛に飢えていた弟が家族愛を知って変わったのだ。兄も弟との旅で様々な経験をし、成長した。弟をメインマン(親友)と呼ぶ。兄の奇行ばかりが目につくが、メインは弟。
[DVD(字幕)] 7点(2011-09-20 04:03:22)
334.  ダンス・ウィズ・ウルブズ 《ネタバレ》 
北軍の中尉だった男がたった一人で辺境の砦の警備の任にあたりながら、ネイティブアメリカン(NA)のスー族と交流を深めていく物語。交流の様子は繊細かつ丁寧に描かれていて大変よく分るのだが、肝心の中尉の人物像が不鮮明のまま。彼の成育歴や家族の事が一切描かれない。彼はどうして戦闘中に自殺行為の行動をしたのか、どうして辺境を見たいと思ったのか?情報がないのでこの人物を理解しようが無い。 ◆スー族の風習が描かれていて興味深い。狩の場面など出色だ。しかし食生活やスウェット・ロッジ、ビジョン・クエストなどの描写はなく、「大いなる神秘」などのスピリチュアルな思想も描かれていない。何を食べているのか、肉の保存はどうしているのか、定住して農作物を作らないのはなぜか等、基本的な部分が省かれている。この映画の目的の一つがNAの紹介であるのは間違いないのに、不思議なことである。中尉と彼らの交流は馬を盗まれることから始まるが、彼らにとって馬は貨幣のようなものであり、馬盗みはスポーツのようなものであることも紹介されない。彼らの価値観が紹介されないので、彼らの行動もなかなか理解できない。監督はチェロキー族の血を引いているので本作品を撮ったのだろうが、原作に頼り切って自ら調査していないのだろう。 ◆ポーニー族は好戦的に描かれるが、実際は白人の軍に協力をして斥候などで活躍している。友好的な一面もあるのだ。スー族にとっては白人もポーニー族も異民族。つねに小競り合いがあり、辺境は暮らしにくいところだ。 ◆「中尉の結婚相手が白人」に対するという批判がある。しかしこれは、人種差別露骨な過去の西部劇において白人がNAを娶る事がよくあり、それを打破するための回避策だ。 ◆終盤になると展開がおかしくなってくる。騎兵隊が中尉をNAと勘違いして撃ったりする。声を張り上げて名乗ればわかる話ではないか。捕虜になった中尉は反逆者とされ、処刑宣告される。これもありえない話だ。何をもって反逆というのか?兵隊の一人が勤務日誌をかってに持ち出すのもあり得ない。 ◆エンディングも温い。中尉は自分がいては白人に襲来の口実を与えるとして部落を去る。しかし本来中尉は白人とスー族の間に入って、争いをなくす努力をすべきである。最初からそうすべきだったのだ。彼以外の適任者はいない。白人の言語を話す人物がいなくなったスー族の未来は明るくない。
[DVD(字幕)] 8点(2011-09-19 23:18:48)(良:1票)
335.  インソムニア 《ネタバレ》 
インソムニアは英語で不眠症の意味。ドーマーはフランス語で眠るの意味。そんなシャレを考えている暇があったら内容をちゃんと考えて欲しいものです。 ◆メインの事件は、女子高生が殴り殺された殺人事件。連続殺人や猟奇殺人でもないのに、何故ロスの名刑事が応援にアラスカまで出張するのか疑問です。この事件が面白くないので盛り上がりません。事件が単純すぎます。髪を洗い、爪を切るなどして証拠を消してからゴミ捨て場に放棄。被害者バッグは殺害現場に放置。動機は笑われたから殴った。証拠から犯人に至るのではなく、おびきよせる。推理要素が薄く、名刑事の出る幕はなさそうです。 ◆もう一つの事件は名刑事の証拠捏造に関係。殺人事件が発生し、名刑事は犯人が一目で判ったが証拠がない。そこで死体から血液を盗みだし、犯人の服につけた。でもね、死後5日以上も経っている死体から血液は採取できません。完全に凝固してますから。それはともかく、名刑事は内務捜査班の嫌疑を受ける。相棒刑事は名刑事の捏造を知っていて内務捜査に協力する予定。名刑事もそれを把握。でもね、秘密裡の捜査ですから、名刑事がそれを知る筈ないんですが。又そんな二人をどうして組ますのですか?ロス警察はアホですか。それもさておき霧の中名、刑事は相棒刑事を誤射してしまう。そして真相発覚を恐れ、またしても証拠捏造をする。 ◆そこへメイン事件の犯人から電話。目撃した証拠捏造を黙っていてやる代わりに、被害者の彼氏を犯人に仕立てよ、という取引です。眠れなくなる名刑事。取引の内容のテープは録音されているし、犯人は勝手に凶器の拳銃を彼氏の家に置くしで、結局冤罪逮捕される。しかし天網恢恢疎にして漏らさず。女刑事が名刑事の捏造の証拠の薬莢を発見。のこのこ犯人の家に出かけて監禁される。名刑事は全てを白日に曝す決意をして犯人の家へ。あとはご都合主義の展開。女刑事は造作なく脱出に成功。名刑事と犯人は相撃ち。女刑事が薬莢を捨てようとするのを名刑事は止めて「道を見失うな」◆道を失っているのは脚本だと思います。犯人が女刑事を監禁する必要がないでしょう。犯人のキャラの掘り下げ不足。性悪な極悪連続犯人で、将来も罪を重ねるような性格づけにしないとバランスが悪い。そして知能犯にすべき。悪人が狡知であればあるほど名刑事が光るというものです。あー、言いたいことが言えたので今日はぐっすり眠れそうです。
[ビデオ(字幕)] 6点(2011-09-19 17:05:29)
336.  田園に死す 《ネタバレ》 
母を否定することが物語の原点。母は毎日小言を言い、狂った時間で拘束し、東京(外界への憧れの象徴)行きの汽車に乗ることを許さない。父は不在。イタコの口を借りて会話はできるが、母はそれも否定する。華やかな見世物小屋(理想的な世間の象徴)があるが、その実態は不健全で変態的なものだと知ってしまう。隣の人妻と駆け落ちをするが失敗。母がいる限り自由は無く、成長も無い。貧しくて、猥雑で、因襲に縛られた東北の寒村に縛られ続けるのだ。それから20年。男は大人になり、東京に出たが、依然として母親と暮らしていて、拘束は続いている。男は自分の惨めで汚れた過去を変えることが出来ないかと、理想的に脚色した自伝映画を作ってみた。それでも過去は変わらなかった。あるとき「3代前のおばあちゃんを殺したらどうなる」という知人の言葉から、母殺しを連想する。だが現実に母殺しはできない。母が存在しなかったら自分も存在しない。それならば昔の自分にやらせればよいではないかとう発想で、男は恐山で昔の自分と対面する。恐山は死者と生者、過去と未来が交差する賽の河原。「過去を改変するには二人の共同作業が必要だ」言葉巧みに母親しをけしかける。だが昔の自分は東京帰りの女に童貞を奪われ、汚れてしまい、女と東京へ駆け落ちしてしまう。変な風に過去が改変されてしまった。仕方なく男は母殺しを決意。実家にいくと、母は何の疑念も見せず、未来の息子を受け容れる。息子のことなら何でも受容してしまう圧倒的な存在感。男は母殺しは到底出来ないと悟る。母と自分は一如、血と呪縛は断ち切れない。次の瞬間、時代は現代に戻る。二人は現代も未来もこうして生活(食事)を続けるのだ。母を否定した男は田園(過去の故郷)に死す。【象徴】①3人の女は母の女性性の象徴でもある。共に不幸であることが特徴。隣の人妻は貧しくて、愛なき結婚をし、昔の男と再会して心中する。儚い女だ。間引き女は父無し子を産み、村の因襲に抗えず、子供を川流しにして失踪する。悲しい女だ。空気女は夫が浮気しても、嘲弄されても、誰かに殺されそうになっても許してしまう。愚かな女だ。間引き女と交わったことは、近親相姦を暗示する。②赤ん坊を流したとき、雛流しの発想から雛壇が流れてくる。雛壇は鎮魂の象徴。③白粉は恐山(時空の交差する超空間)の住人であることを表している。④原色=思い出は醜く、美しく、エロティック。
[DVD(邦画)] 7点(2011-09-18 23:59:11)(良:1票)
337.  ザ・アビス 首都沈没<TVM> 《ネタバレ》 
エネルギー会社が廃坑の地下坑道を埋めなかったので、湖の水が一夜にして消失、道路や井戸が陥没するなどの事故が続いた。このことに真っ先に気づいた女(地質学者)は会社に直談判するが一笑される。女の計算によると24時間後に病院が陥没する。消防署の理解は得られない。仕方なく爆発によって空洞を埋め、陥没を阻止しようと女と女の父、女の元夫(爆発のプロ)を含む仲間数人が地下に潜ります。 そこでの作業で起こる様々な冒険、トラブルがメイン。いきなり落盤事故発生、殺人事件発生、疑心暗鬼での作業継続、空気が希薄になり混沌、仲間の墜落死、数年前の兄の坑道爆発事故死の真実、新たな大空洞発見、陥没するのは病院ではなくサッカースタジアム、ダイナマイト喪失、メタンガス発生、裏切り者の反乱など矢継ぎ早に事が起ります。これに女と元夫との和解、兄が死んだ坑道事故の真実発見、女の家族が観戦しているサッカー場の陥没危機などのサイドストーリーが同時進行する。ディザスター・パニックものとしては弱い、CGも普通レベル、無名の俳優陣、美人でないヒロイン、悪役の描き方がなおざり、などの減点ポイントもありますが、地中冒険ものとして脚本は良く練られています。◆詰め込み過ぎというか、時間の制約で展開が大急ぎなのが難。女が原因を探り当てるのが早すぎます。いきなり会社に潜り込んで必要書類を入手してますから。しかもそこで元夫と再会するという合理的展開。地上サポートなしで地下に潜る。いわばジェット・コースター・ムービーで飽きさせません。ディザスター場面が少ないとか、陥没する時間の計算はどうやってしたんだとか、先ずマスコミに知らせろとか、スタジアムで女の甥だけが陥没事故で死にそうになるとか、この甥は井戸でも死にそうになったとか、ツッコミどころはあります。脚本の最大の手柄は殺人事件を発生させ、サスペンス要素を盛り込んだところ。新しい発想ですね。それが兄の死の事故の原因にもつながってる。さらにそれが女と元夫の別れの遠因にもなっていたところが憎いです。真相が解明したところで二人は元の鞘に。恋愛要素も盛り込んだいますね。ある男の元妻が別の男の現妻という関係もあります。低予算で良く頑張っています。観て損はありません。そういえば開始早々若い女が脱ぐというサービスカットがありました。抜け目ない監督なのでしょうね。
[DVD(字幕)] 7点(2011-09-18 17:50:43)
338.  新選組(1969) 《ネタバレ》 
実年齢49歳(もっと老けてみえる)の三船が、33歳で死んだ近藤勇を演じる。違和感ばりばりである。他の役も同様で中年の演じる新撰組になっている。そのため総てが嘘っぽく見える。芹沢鴨の役の人は迫真の演技をしている。【史実と違う点】①浪士隊で京都に残ったのは13人ではなく24人(17人説もあり)②壬生浪士組のとき近藤は芹沢に大阪の商人に用は無いといってるが、実際には大坂商家から資金の提供を受けている。③池田屋事件では9名討ち取り4名捕縛。映画では斬りすぎている。④油小路事件で伊東甲子太郎を暗殺したのは近藤勇ではなく大石鍬次郎。⑤近藤勇はお雪(深雪)太夫を身請けしたが、その後妹お考と出来て妾にしている。お雪とはその際200両の手切れ金を払った。お考が近藤を殺そうとした事実は無い。⑥沖田総司は戊辰戦争には参戦せず、江戸で死んだ。⑦映画で近藤はいさぎよく出頭しているが、実際は名前を変えて出頭している。彼の顔を知っている者がいて素性がばれた。
[ビデオ(邦画)] 5点(2011-09-18 05:54:08)
339.  網走番外地(1965) 《ネタバレ》 
傷害前科2犯で、複数の人を斬って懲役たった3年。寛容な判決ですね。それはともかくも脱獄がメインテーマ。最初の脱獄計画は橘の意に反したもの。チクルわけにもいかず、巻き込まれるのは確実で、そうなれば刑期が延びる。母親が病気に1日も早く会いたい。煩悶する橘。だがそれも老囚人の機転によって脱獄計画は流れ、橘の危惧は杞憂に終った。ほっとしたのも束の間、屋外の伐採作業に向かう途中のトラックから一緒に手錠をつないだ権田が飛び降りた。橘も飛び降りざるをえなかった。途中で橘の弁護士の家を襲い、権田は保護司妻木の妹を傷つけた。それは自首しそうな橘を追い詰めるためだった。トロッコを見つけて漕ぐが、ブレーキがきかず飛び降りる。汽車に手錠を轢かせて切断に成功。その反動で権田は滑落し、怪我を負う。一人で逃げようとする橘に聞こえたのは意識を失った権田の母親を呼ぶ声だった。権田の孤独の心を知った橘は放っておくことができず、背負って病院に運ぼうとする。途中で猟銃を持った妻木に会う。橘の話を聞いた妻木は権田を馬橇で病院にで運ぶことにする。橘の不幸な生い立ちが随時挿入され、感情移入できるようになっている。悪い人ではないのだが、やくざ稼業に身を落し、渡世の仁義で人を斬るはめに。最大のサプライズは老囚人の正体が8人殺しの鬼寅だったこと。牢名主は自分は鬼寅の義兄弟という触れ込みで大きな顔をしていたのでたじたじとなる。うまい演出である。全体に無駄が無くテンポが良い。橘は人間性を取り戻し、妻木も人間を信じる心を取り戻す。良い話です。原作は1597年に出版された小説で1959年には日活で映画化された。本作品は1965年の東映のリメイク版。その際原作の恋愛要素を排除して、母恋と脱獄物語に徹している。映画はヒットしたのでシリーズ化された。だがそのせいで不幸になった人もいる。連続ピストル射殺事件の犯人永山則夫の本籍地は網走市呼人番外地だった。網走刑務所で囚人の子として生まれたのではないかと疑われるのを恐れた(実際からかわれた)彼は戸籍を見られそうになると職場を変えた。仕事が続かず、やむなく窃盗をするようになり、あるとき偶然に米軍宿舎でピストルを盗み、その後の犯罪の悲劇の元となった。ちなみに橘より永山の成育歴の方が遥かに悲惨で痛ましいです。
[地上波(邦画)] 6点(2011-09-18 02:29:25)
340.  映画ドラえもん のび太の恐竜2006 《ネタバレ》 
トラブルの原因を自分が作っていることに気付かないのだろか?恐竜の卵の化石を発見して、それをタイム風呂敷で1億年前に戻してしまう。それこそドラえもんが恐竜ハンターに説教していた「歴史改変」そのものではないか。すぐに戻せば良いものを10mまで育てて、マスコミにばれそうになり、あわてて1億年前に戻す。そんな昔に戻す必要ななく、化石が地中にあった少し前でよかったのだ。あの恐竜は生まれることのなかった恐竜なので、生きて戻すことは「歴史改変」になる。無事現代に戻って仰天。誤って恐竜をアメリカに置いてきたことに気付く。再びタイムトラベルするが、途中恐竜ハンターに攻撃され、1億年前についたもののタイムマシンは故障してしまう。しかたなく恐竜を連れて途中まで竹コプター、その後は徒歩で日本まで歩くことに。そこになら戻れる時空のドアが開いている。桃太郎印の黍団子があるのだから、翼竜の背に乗って移動すればよいことに気づかない。途中で恐竜ハンターに捕まるが、時空警察により救助される。敵役は恐竜ハンターと恐竜コレクター。人間はどうしてこうわがままなのか。最初は恐竜の全身化石が欲しかっただけ。それが本物の恐竜となり、育ててみたくなり、育ちすぎるとあわてて過去に戻すが、今度は別れが辛くなる。死者が蘇ったのはフランケンシュタインの怪物。悲惨な最期を遂げるが、あの化石から甦った恐竜はどうなるのか。神のみぞ知る。
[DVD(邦画)] 4点(2011-09-17 23:20:00)(良:1票)
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