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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 542
性別 男性

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341.  チャップリンのゴルフ狂時代 《ネタバレ》 
他の方のレビューと被ってしまいますが、この映画一番のツボはやはりシェイカーを振るシーンです。ここでは本当に大爆笑!口から出てきたボールをノーバウンドで打つチャップリンも凄いですが、忘れちゃいけないのが、ボールを吹き出すオッサンでしょう。表情を変えずにやるから凄い。この時代からあんな曲芸ができる人がいたなんて驚きです。 全体のストーリーについてですが、私はバカなのでこの映画が風刺映画だということは解説を聞くまで全くわかりませんでした。私にとっては、下手に風刺や隠喩が入っていない単純な笑いのほうが合っているような気がしました。なので、控えめに7点ということで。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-11-04 00:48:11)
342.  太陽がいっぱい 《ネタバレ》 
初めて観たときのあのラストの衝撃は今でも忘れられません。このまま完全犯罪がまかり通る結末なんて道徳的に絶対ありえない、とまで思っていたにもかかわらず、息が出来なくなるほどの見事なエンディングを見せてくれました。あの映像からほんのわずかな場面を見せるだけでfinishにもっていくその展開の速さ(その間たった2,3分)はもう、芸術品です。 それと、今回の鑑賞で気づいたのですが、この監督は女性に対しての視点の鋭さがあるような気がします。それは、船の中でも仕事をするというちょっと真面目な部分だったり、トムが一人で帰ってきたときにほとんどマルジュが一人で喋ってしまってトムが全然喋らないまま事態が片付けられてしまう所、バレエのおばさん達がレストランに入った時も一人で喋って事を済ませてしまう所や、終盤でトムがマルジュの部屋に入ってきた所でもそういうシーンが見られます。 また、ストーリー全体を見ると、初めて観たときはフィリップ殺害シーンの波のうねりやナポリの市場の散策シーン、ホテルの一室でサインの練習をしているシーンなど、見どころがいろいろあって中弛みのない展開のように思えたのですが、肝腎のラストにかけての盛り上がりがないため、全体としてややストーリーに起伏がないような気がします。  けど、テレビでやっていると必ず見てしまうし、リバイバル上映で3回も見てしまうくらいです。映画館のロビーで流れていたBGMに誘われてついつい観てしまったということもありました(2本立て上映の1本目だけを観て帰ろうとした)。何だかんだ言って、やっぱり好きな映画なんです。
[映画館(字幕)] 8点(2009-11-04 00:42:12)
343.  甘い生活 《ネタバレ》 
ストーリーは何てことはない、ゴシップ記者マルチェロの、行く先々で起きる出来事を羅列し繋ぎ合わせただけのストーリーのように思えます。 が、しかし、その一つ一つが全て失意の残る終わり方だったり、絶望感漂う終わり方で締めたところがなかなか興味深い。 トレビの泉で水しぶきと戯れていたら突然噴水が止まりそこにあった幻想的な雰囲気が消えて一瞬にして現実に連れ戻されてしまったり、奇跡が起こるとされる聖地に行っても奇跡が起こるどころか大雨に見舞われたり、互いを認め合う親友が一家心中をしてしまったり、元気だった親父にふと暗い背中を見せられたりと、何かと人生うまくいっていない様子。 極めつけはラスト。惰性や習慣で騒いでいたかのような、さほど大したことのないパーティーのように感じましたが、終わって外に出てみるとそこにあるのはやっぱり虚しさばかり・・・。しかも浜に上がった巨大な魚は、大海での威厳や存在感は一体どこへやらと言わんばかりの無残な姿でマルチェロの前に現れる。 どのエピソードもみんな暗い。一旦持ち上げといて不意に足元をすくわれるような、そんな暗い結末ばかりが映画を形成していくのだけど、こういう流れのストーリーは実は結構好き。 時折出てくるローマの街並みも、街灯が車のガラスやボンネットに反射することで画面全体がキラキラと輝いていて、モノクロの映像美を存分に堪能できるし、ニーノ・ロータの音楽も最初から最後まで(特にラストの乱痴気騒ぎで流れるヘンな曲「パトリシア」)完璧。 後で気がついたことですが、オープニングでヘリに乗ったマルチェロの声が相手に届かないというシーンが出てくるのに対し、エンディングでは逆に、相手からの声がマルチェロに届かないというシーンが描かれている。これは一体?!? 映画全体では一貫したストーリーはないように思えたけども、主人公マルチェロには最初と最後で変化が生じているということなのだろうか・・・と思ったら、どちらも自分から去ってしまってますね、ハイ。
[映画館(字幕)] 8点(2009-11-04 00:33:53)(良:1票)
344.  不貞の女 《ネタバレ》 
ストーリーが凄く単純で、ひねりがなさすぎて全く面白くない。 普通にやれば40分くらいで終わっちゃうんじゃないかってくらい薄~~~いストーリーです。 自分が気になったのは、浮気相手を殺害した後の部屋の中を後始末をするシーン。 完全に証拠を消し去ったように描きたかったのでしょうか、死体の手の近くだけ血を拭き取っただけで、完全に拭い去ったようには見えず、おまけに、グラスの指紋を拭き取ってもいないし、とてもじゃないですが完全に証拠を消したようには見えませんでした。 そんなもんだから、「あぁ、あの時は完全に証拠を消し去っていたんだなぁ~」と後の警察とのやりとりで初めて解りました。 また、その後の死体を沈めるシーンですが、ヒッチコックのあの映画と比べるとまさに月とスッポンだし、布に包んだ死体もあの大きな人が入っているようにはとても見えないし・・・というわけで、ストーリーそのものも特に面白くもなく、細部に至っても注目するべきポイントもないという、かなり不満の残る映画でした。 ところで、「ドクトル・ジバゴ」という映画は観たことがないですが、その映画が面白いかどうかはともかくとして、その上映場所を不倫のきっかけの場としてしまうのって・・・どうなんでしょ?
[映画館(字幕)] 4点(2009-03-09 02:19:13)
345.  肉屋 《ネタバレ》 
この映画を見終って、以前にも似たようなエンディングを見たことあるなぁと記憶をたどっていたら、自分がちょっと前に観たシャブロルのあの映画にありつきました。 まぁ、この映画にも一応ストーリーはあるのだけど、どうも面白くない。 主人公の周りで殺人が連続して起きるのだけど、見ての通りの小さい村で、犯人として第三者が新たに介入してくる可能性もなさそうなので、観る側としては男の心理描写や殺人を犯すいきさつなどに焦点を絞って観ることになるのですが、特に殺人を犯した理由などは特に見当たらず衝動に駆られての犯行のようで、観る側としてはそういうのが一番タチが悪く、またレビューにも困るわけなのです。 ストーリーがなくても入り込める映画というのは何回も観てきましたが、面白く感じられる映画というのは、そこに描かれた世界観に入り込めるかどうかというのが一番のポイントとなると思います。 この映画の場合、死体の映し方が特別綺麗な訳でもなく、また、殺害方法が目を奪われるような巧妙さがあるわけでもないため、殺人という犯罪が、非道徳的な面がそのまま出てしまい、それを感じさせないほどのストーリーや映像面での面白さがないのが入り込めなかった理由のような気がしました。 ステファーヌ・オードランは綺麗だったし、最後の朝焼けの美しさは印象に残りましたが。
[映画館(字幕)] 5点(2009-03-08 15:52:05)
346.  ローラ(1961) 《ネタバレ》 
この映画の製作された1960年といえば、カラー映画が台頭してきている頃ですが、初恋というノスタルジックな題材を描いたこの映画には、むしろモノクロで撮ったのが正解でしょう。 この映画のモノクロ画面の面白いところは、屋外だろうが家の中だろうが、撮影のための照明を一切使わずに、全て自然光で撮っているということ。人物の表情が捉えにくいシーンもありますが、あたかも自分が実際にその場所にいて、その場で会話をしているかのような妙なリアリティーがあります。夜8時のシーンにもかかわらず、部屋の中に太陽の光が差し込んできたりしますが、そういうとこはまぁご愛敬ということで(笑)。 この映画を観たのは2回目なのですが、1回目に観たときと同様、冒頭のカフェに来たおばさんの息子ミシェルのくだりがどうも弱すぎるような気がします。そのおかげで、映画中盤でローラの初恋の相手がミシェルだと言われても、しばらくその繋がりに気づかなかったりします。 ところでこの映画、女目線で見ればハッピーエンドなのかもしれませんが、自分は男なので、最後に一人トボトボと歩くローラン・カサールを見て、どうも不公平なエンディングのように思えてしまいます。ジャック・ドゥミがこんな映画を作るわけがない。こんな理不尽なエンディングがあってたまるかと思い、もしかしたらローラは本当は幸せを掴んだように見えて実はそうじゃないのかもとか、ローラン・カサールはどこかしらで幸せを掴んでるのかも、とかいろいろ考えてみましたが、この監督の後の映画でローラの行く末を語る場面があります。何もそんなにしなくても…というほどですが。
[映画館(字幕)] 6点(2009-02-07 02:26:03)
347.  霧の中の風景 《ネタバレ》 
映画のワンカット目の幼い子供の後姿から、いつものアンゲロプロスの映画らしい陰鬱な雰囲気がすぐに伝わってきます。彼らの身に何かあるんだなというのは何となく分かるのですが、決してそれを表情や言葉には出さないまま物語は進みます。 しかし、何が何でもドイツに行くんだ!という内に秘めた悲壮な決意が、もうとにかく凄い。 ここまでくると、あれはもう本能じゃないかと思ってしまうほどの凄まじい気概が、あのあどけない2人の姿からひしひしと伝わってきて、それがこの映画を終始に渡って緊張感溢れるものにしていると思うのです。 たとえ無事にドイツまで行けたとしても、生みの親に会えるとは限らない。いや、可能性は恐らくゼロなんだろう。けど、純粋で一途な彼女たちの気持ちに本当に感動しました。 途中で、フィルムの中の霧の風景を見つめるシーンとか、雪景色をみんなで立ち止まって空を見上げるシーンとか、石像の手を吊り上げるシーンとか、印象深いシーンがいくつかありましたけど、必見は最後。向こう岸に辿り着いたときのいつか見た霧景色。徐々に霧が晴れ、草原の向こうには大きな木が一本。 2人が木の中に飛び込むシーンの幻想的で感動的なワンショットに鳥肌が立つ思いがしました。それまでの2人の涙を思い出すと、観ている方も彼らを見守っている気分になり、とても感慨深いラストでした。
[映画館(字幕)] 7点(2009-02-06 00:46:00)
348.  ユリシーズの瞳 《ネタバレ》 
アンゲロプロスには申し訳ないですが、ストーリーの中での出来事、主人公がどんなことに出くわしたかとか、いつの時代にどこの国でどんなことが起こったかとかは、はっきり言ってどうでもいい事だと思う。 話の大筋、主人公が幻のフィルムを求めて国境を越え、戦禍をくぐり抜けながらフィルムにありつく。この程度のことが読み取れさえすれば、あとは主人公がフィルムを追い求める情熱を感じ取るのみ。 この映画は他のアンゲロプロスの作品同様、旅を描いた映画。東欧の実情を主に描いてストーリーは副次的なものにしたいのか、またはその逆なのかはわかりませんが、少なくとも自分は画面の中で起きていることを見ているだけでも十分入っていけました。 途中、夢だか回想だかのシーンが出てきますが、これが少々解り辛い。特に入り方。ワンシーンで一気に時代がジャンプすることが珍しくはないアンゲロプロスの映画の中では、何が起こっても全く不思議ではないから。 最後、幻のフィルムにありつけるわけだけど、フィルムの内容などどうでもよくなるくらいの救いようのない結末には絶望してしまいます。せめて、霧の中で音楽を奏でているシーンで締めて欲しかったと思う。
[映画館(字幕)] 6点(2009-02-06 00:39:22)
349.  赤い風船 《ネタバレ》 
赤い風船・・・それはまるで、ちょっとしたペットのよう。 捨て犬や捨て猫のように、誰かが膨らまして街灯にくくりつけたのでしょう。捨てられた風船を見つけた少年はその風船を可愛がり、風船もまた少年のそばにいようとする。この両者の関係がほんわかと暖かくて、見ていてとてもピュアな気分になれます。 大人の目線でこの映画を観てしまうと、ついついあの風船をどうやって動かしているのかが気になってしまいますが、そんなことを詮索するのは野暮というもの。 グレーの建物をバックに大きな赤い風船。そのコントラストや、奇想天外摩訶不思議な動きをする風船と、純真な少年。それだけでもう十分、幸せ一杯な映画なのです。 最後の方で、いじめっ子が風船に悪さをし、風船は割れてしぼんでしまいます。すると、町中から風船の仲間たちがぞくぞくとやってきて、そのいたずらっ子に仕返しをするのかと思いきや、そこはフランス映画。日本のドラえもんの道具のようなことはいたしません(笑)。集まった風船たちは、少年を空の旅へと連れ去っていくのでした。
[映画館(字幕)] 8点(2008-11-03 17:48:29)
350.  白い馬(1952) 《ネタバレ》 
オープニングクレジットの背後に映る野生の馬の群れ。全てのスタッフの紹介が終わると、いそいそと野に散っていく。なんか、馬を操っているみたいな感じで、不思議な感じがした(もちろん編集ですが)。 自分がこの映画が好きなのは、馬の精悍な出で立ちはもちろんですが、それを引き立てる自然の無表情な美しさ・・・水面の静けさであったり、荒野の乾いた感じ、生い茂った草むらのざわめきや、海の容赦ない荒々しさ・・・などです。 特に、馬が干潟を駆け抜けるシーンが最高に好き。馬が走るのに丁度いい具合に水が浸っていて、水しぶきを上げながら走り抜けるシーンに妙に感動してしまいました。 この白い馬は、少年になついてじゃれあったりして可愛い面を見せるわけでもなく、どんなときも、怪我をした脚を見てもらう時も、群れのリーダーらしく孤高な姿でいるのがとても良かったと思います。 最後、どこまで走って行ってしまうのだろうか、きっと追っ手を振り切ってくれるだろうと思い見ていたら、とても切ないラストを迎えてしまう。 動物は演技なんか出来ないから、余計に心に響くものがありました。
[映画館(字幕)] 9点(2008-11-03 15:18:32)(良:1票)
351.  獣人 《ネタバレ》 
オープニングの蒸気機関車を操縦する2人の阿吽の呼吸を見せるシーンから早くも傑作の予感がしてきます。 古今東西、現代の日本にいたっても新幹線を舞台に推理小説が書かれるほど、電車というのはサスペンスの香りが漂うもの。トンネルの黒と蒸気機関車の黒。機関車の重厚感、威圧感にはただただ圧倒されます。 さて、映画序盤、助役ルボーが砂糖王の倅に対し職務を忠実にこなしているシーンが出てくる。この一幕で彼の生真面目な人間性が描かれているのがわかるのですが、妻セヴリーヌとのふとした会話がきっかけで、その人間性が一変。彼は殺人鬼となり、妻に対しても乱暴を振るうようになってしまう。 自分の愛する妻の過去を知ったルボーは殺人行為に及びますが、これは妻のためにと思っての殺人ではなく、ルボー自身の怒りに因るところが大きい。その結果、夫婦仲は険悪なものになってしまう。 その一方、ギャバン扮するジャックも、夜の停車場で待ち伏せ殺人を試みるシーンが出てきますが、こちらはあと一歩のところで思い留まってしまう。これは、ジャック自身がルボーに対しての憎しみやいなくなってほしいといった気持ちに因るものではなく、彼女のためを思っての行為である。 殺意の動機が自分自身の憎しみか、はたまた愛する人のためかで、その後の状況が変わってくるところが面白い。 もっとも、ジャックの方は発作が起きてしまって、それがまた新たな悲劇をもたらしてしまいましたが。 物語が重くて、非常に深い。いかにも古典的で今の時代には合わないような映画かもしれませんが、自分はこういうの好きです。 余談ですが、ルボー殺人の容疑をかけられ取り調べを受ける男はこの映画の監督ジャン・ルノワールですが、演技の上手さもさることながら、自虐的なキャスティングが大変面白く、妙に唸らされてしまいました。
[映画館(字幕)] 8点(2008-11-03 01:05:04)
352.  輪舞(1964) 《ネタバレ》 
オープニングの影絵&キャスト・スタッフ紹介は大好き。 その直後の、夜の街の街灯の光の色加減なんて、もう堪らなく好き。 終始に渡って、ただ何の脈絡もなく語り合っているだけの映画なので、ハッキリ言ってストーリー的な面白さは全くないです。 しいて見どころを挙げるとすれば、登場する女優さんたちを眺めるのと色鮮やかな画面模様くらいでしょうかね。 色使いなんかは、この時代の特徴とも言える独特の色合いが出ていて凄く好きなのですが、スコープサイズの画面を使っているだけに、ちょっと画面の構図がイマイチなシーンがいくつかあったのが残念でした。 先にレビューなされた方のコメントを拝見すると、オフュルス版のオリジナルの方が評価が高いようですが、この映画は観ての通り、ストーリーを語る映画ではなく、画面の華やかさが求められるべきであるので、これはこれで成功しているのではと思います。オリジナル版は未見なので何とも言えませんが。
[映画館(字幕)] 6点(2008-10-30 01:22:52)
353.  気のいい女たち 《ネタバレ》 
クロード・シャブロルってこんな映画を撮る人だったっけ?って思ってしまうほどストーリーに面白味がない。 ところどころでバカ騒ぎしているシーンがありますが、どうもイマイチ面白くない。何でかはわかりませんが、その場の楽しさが伝わってこないんです。 それと、序盤のうちからバイクに乗って追い回す男が小さく出てきますが、こんなサスペンスの雰囲気が出る筈のシーンであるにもかかわらず、サスペンスの“サ”の字も感じられないまま時間だけが進んでいくといった内容・・・。 この男、中ほどでコミカルな一面を見せますが、そのお陰で、その後の森の中を歩くシーンが全然シマリのない画面になってしまうのです。 クールな印象を持たせておいて、時にコミカルな一面を覗かせる、というのはそのギャップが良い方に働くものですが、あの男のようにレストランでバカやった後で真顔で森の中を歩いても、やっぱりどこかミスマッチで、殺人のシーンも見ていて嘘臭く感じてしまいます。 ラストシーンも意味不明で、チョビ髭の男の存在や役柄も良くなかったし、登場する女優陣が皆個性が出ていなかったのも、ダメな原因の一つかなぁと思いました。
[映画館(字幕)] 5点(2008-10-29 00:12:34)
354.  めんどりの肉 《ネタバレ》 
金の魔力というべきか、人の浅ましさというべきか。ただひたすら、おぞましいものを見てしまったという感じです。 登場人物のほとんどが悪い奴ばかりで、この手の犯罪ものは、悪事を働いた人間は逮捕されるか死んでしまうかでラストを迎えなければ道義的にマズいので、そこを上手にまとめられるかが監督のセンスの見せ所なわけです。 まぁ、女は撃たれて死んで1人の男は最後に車が炎上して終わったし、もう1人の男もいずれ捕まるでしょうから道義的にはオッケーなんですけど、どう見ても重すぎる。リアルに懲らしめるラストよりも、笑いや皮肉を込めたエンディングにした方が、もう少し娯楽色が出て良かったのになぁと思いました。 他にもいくつか意見を述べさせていただくと、あの女の悪女ぶりは他の映画にも類を見ないほど悪びれていたので、あのようなアッサリした死に方よりももっと残酷な死に方を見せてほしかったというのと、ガレージを掘り返そうとしたあの犬がもう少し深く穴を掘ってくれてればもっとスリルが出たのに、という事です。新聞紙のモンタージュ写真で、ちょっとしたサスペンスなワンシーンがあっただけに残念。 あと、映画の後半辺りで、トマの前妻の兄というオヤジに熱湯をかぶせたシーンが凄かった。体張りすぎでビックリしました。ポテトを揚げるシーンでしたけど、まさか本当に油を浴びせたんじゃないよね???
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-23 23:30:09)
355.  太陽はひとりぼっち 《ネタバレ》 
愛の不毛3部作のうちのひとつ、というくらいの予備知識しかないままで観ましたが、さすがアントニオーニ。やはり、わからない・・・。 この映画は、前半1時間は寝ててもいいと思う(ウソウソ^^)。 延々と続く証券取引所のシーンは、あからさまにストーリーの本筋から外れる箇所と判るだけに、かなり退屈してしまいますが、面白くなってくるのはその後のシーンから。 モニカ・ヴィッティ扮するヴィットリアは「何で質問ばかりするの?」「互いに知り合わなくても愛し合うことは出来るわ」と言う。 実際に彼女はその言葉通り、相手をよく知らないまま情事に耽る。しかし、アパートを出た後の彼女は、やはり満たされることがないまま、虚しさだけが残り町を彷徨う。その時に映し出される風景の強烈な寂寥感・・・。これでもかというくらいの、無機質なカットの数々。 時代はカラーに変遷していく中、あえて(?)モノクロでこの映画を撮ったのは大正解でしょう。 原題のEclipseが意味するのは、何か一部が欠けるという事だそうで、登場人物、すなわち現代人の心が満たされない様を描いた作品、と解釈しました。 ところで、これは自分なりのアホな解釈ですが、前半の証券取引所のシーンも実は意味があって、つまり、恋愛も株の取引も同じだという事かなぁと・・・。 恋愛もお互いのことを知らずに、事だけを済ましてしまうと良くないし、株についても、会社の中身を知らずに投資すると痛い目に合うぞ~という、アントニオーニの愛とお金に関するちょっとした人生指南の映画・・・・・んなわけないっつうの! 
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-21 02:23:56)
356.  ダンケルク(1964) 《ネタバレ》 
まず、ストーリーが全く面白くない。事実を忠実に再現したということでしょうが、話が一向に進まないのは勘弁してほしいです。 ポスターの風景にあこがれて海岸まで行ったはいいが、思い描いていたイメージは全くなく、それどころかミサイルの洗礼を受けるばかり。やっとこさ船に乗り込んだと思いきや、海上でも爆撃の嵐。再び海岸に戻ってきてもまたミサイルミサイル・・・。堂々巡りなストーリー。 この映画唯一の華(花?)、カトリーヌ・スパークもベルモンドと会って間もないうちから「あなたを愛してる」とか言い出すし、もうストーリー的な深みも全く感じられない。 劇場のパンフによると、ジャーナリスト出身の監督作だそうで、事実をありのままに伝えたいという気持ちはわかりますが、娯楽映画の要素もほとんどなく、またメッセージ性も弱いので、大筋の部分で失敗してしまってるように思えます。 枝葉なポイントで言えば、エキストラとか凄く大人数使ってたり、スケールがデカくて迫力があるところなんかはいいですし、人だかりの軍服や顔についた土の黒さ、爆発時の黒煙の黒さが印象的で、それが兵隊たちの異常心理や戦争の無意味さ残酷さを連想させるように思えました。 ベルモンドは相変わらずカッコイイですね。
[映画館(字幕)] 5点(2008-10-15 22:50:43)
357.  赤い砂漠 《ネタバレ》 
アントニオーニの映画は5本ほど観ているのですが、ワケがわからなくてレビューのしようがない映画の方がほとんど。で、今回もその例に漏れず、やはりストーリーはまるでわからない・・・・・のですが、この謎めいた雰囲気、サスペンス感は大好き。 冒頭で、何処からともなく現れた1人の女性とその子供。身なりはしっかりしているのに、慌てた様子で道端の男から食べかけのパンを譲ってもらう。子供に食べさせるものがなく彷徨って歩いていたのかと思いきや、子供はそのパンをいらないと言う。さらに見ていくと、女は店を出したいと言うが、何を売るかもまだ決まっていなく、しかもその店の前の通りは人影はほとんど皆無(こんな所で商売が出来るのか?)。 過去に起きた交通事故で精神異常になってしまった女の奇怪な行動が映画全体を覆い尽くす非常に奇妙な映画で、彼女は何故こんな行動をするのか、といった謎めいた空気が常に漂っており、この女の存在そのものがまさにサスペンス。 ラストの黄色い煙が暗示するのは、危険なもの、害のあるものと判っていて自ら近寄らないもの。人間の世界に例えると、それは一体なんだろうか・・・? 皆さんのレビューにも書かれている通り、テクニカラーによる見事な色調が最高に格好良い。特に、夜の波止場の仄かな街灯の光に照らし出されるモニカ・ヴィッティの表情、港を出る時の霧の加減、映画前半の夜の寝室とラストのベッドシーンでの光の当て方に違いをもたせていて、後者の方が妖艶な雰囲気を漂わせているところなんかは非常に興味深い。また、色使いだけでなく、星の声を聞くためというアンテナが幾重にも繋がっているシーンの幾何学的な美しさなども目に留まります。 子供に話を聞かせてあげるシーンも、物語と画面の両方でちょっとしたアクセントになっていて、すごく良かった。 こういう映画って、自分ひとりで部屋で何もしてない時にBGM代わりに流すのに最適だと思います。モニカ・ヴィッティも最高に綺麗ですしね。
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-13 02:24:18)
358.  モード家の一夜 《ネタバレ》 
エリック・ロメールの「六つの教訓物語」シリーズ第3作。 本作は1,2作目のような若い男女の物語ではなく、恋愛経験も豊富な登場人物たちによって展開される、しかも“パスカル”や“カトリック”・“唯物的”・“秘蹟”などといった哲学的なキーワードが物語を彩る、ちょっと大人の物語。かなり敷居の高い映画なのではと思いきや、そんな専門知識など全くなくてもストーリーには十分に入り込める。 さて、人は生きていく上でいつどんな局面に立たされるかわからない訳で、つまりこの映画で言うならば、友人のヴィダルと一緒にモード家を訪れた時にヴィダルが先に帰ってしまい、特別に好きでもない女性と同じ部屋で一晩を過ごさなければならなくなってしまったというシチュエーションや、雪が積もった道を車で走っていたらタイヤがスリップして前にも後ろにも進めなくなってしまい、そのまま車を置いて同乗していた女性の家に入り込むことになってしまったというシチュエーション(やや故意的だが)がストーリーの中に出てくる。 前者の場合、相手の女性は着ている物を全て脱いで完全無防備な状態をつくり、主人公に、自分の主義を貫くか、それとも“男としての妥当な行動”に出るかのギリギリの選択を迫られる局面に遭遇する。 また、後者の場合も似たような局面に出くわすのだが、この対照的な場面をよくよく見てみると、さほど自分の好みではないモードという女に対しては、最初に自分の主義を貫いた結果失敗を招いたが、主人公好みのブロンド女フランソワーズに対しては、行動に出たとしてもうまくいかなかっただろうというところが面白い。 最後、何年か後にフランソワーズとの間に出来た子供と3人で海水浴に出かけたところで一悶着。その少し前の雪の中でのシーンで、フランソワーズが過去を懺悔したところである程度の予測がつくかもしれないが、数年後の思わぬ再会による思わぬ繋がりが発覚。そして最後、妻を気遣う軽い嘘が何とも綺麗で格好良い。 海水浴といえば夏なのに、この寒々しさ。しかし、何だか美しい。
[映画館(字幕)] 8点(2008-09-16 01:19:34)(良:1票)
359.  コレクションする女 《ネタバレ》 
エリック・ロメールの「六つの教訓物語」シリーズ第4作。 同シリーズの中でこの作品だけ観てなかったので、運良く劇場公開に巡り合えたことが非常に嬉しい。 この作品も同シリーズ第5作目の「クレールの膝」と同じく、バカンスの男女関係を描いた作品で、ネストール・アルメンドロスの神懸かり的カメラワークが存分に堪能できる一本。この人はモノクロでも色々と映画を撮ってきたが、世の中がカラー映画全盛になって、よりその才能が開花されたと改めて感じさせられる。 さて、映画の肝は、己の欲望のまま自由に生きる女アイデに対し、道徳的で教養があって自信家でもあるが女性にアプローチする方法を知らず能書きが先行する男アドリアンが振り回される様を丹念に描いたもの。 この映画の面白いところは、ヒロイン役アイデが特別に性的な魅力もなく軽薄な女なため、いとも簡単に落とせそうな役柄を演じているところがポイント。どこか少しでも魅力を感じさせてはダメで、要するに、主人公アドリアンの苦悩が上手く描かれれば面白さが出てくるわけ。 例えて言うなら、サッカー日本代表がアジアの超格下の小国相手に手こずっているような感じ(笑)。 アドリアンとダニエルはアイデを馬鹿にして尻軽さを非難する一方、2人ともなんだかんだと理由つけてアイデとヤっちゃうところなんか、オマエら口だけじゃねぇかよ!とツッコミたくなるのと同時に、同じ男として気持ちが分からなくもなく、非常に滑稽な2人の姿である。 最後に古物商サムから逃れて、アドリアンが自身の欲望に従おうとした途端にアイデを連れ去られるというオチがあり、これで終わりかと思いきや、さらにもう一段。 日常の雑念を払おうと静かな環境で読書に没頭しようとしても出来なかった主人公が遂に1人になることが出来た途端、ふと電話に手を伸ばし、帰りの(しかも今日!)航空券の予約をしてしまう。 フランス映画ってみんなそうだけど、“FIN”の画面を出すタイミングがあっさりしているというか大胆というか、この映画もかなり潔い結末で好き。
[映画館(字幕)] 7点(2008-09-15 02:25:58)
360.  愛の昼下がり 《ネタバレ》 
エリック・ロメールの「六つの教訓物語」シリーズ第6作にして、いよいよ最終作。 この邦題「愛の昼下がり」は原題「L'amour l'apres-midi」の直訳だと思われるのだが、(原題・邦題共に)これがまた、何と素晴らしいタイトルであろうか。これ以上に相応しいタイトルは思いつかないと思えるくらいの見事なタイトルだと思う。 今回のストーリーは、やや存在意義の不明なシークエンスがいくつかあると思うのだが、例えば、冒頭で服を買うシーンだとか、田舎の生活に不満を感じていて都会の空気が好きだ、というくだりなどはあまり本題に直結しないような気がする。店員に勧められて買ったシャツが伏線になるのかも、と期待して観てたのだが、特にそのような結びつきは見つからなかったように思う。 この映画の主題となる、家庭を持った男が独身女性に魅かれていくというストーリーは結構ありがちなんだけど、この主人公は家庭に不満もなく、他の女性になびく理由がないというのと、クロエという女が会社に押しかけてきたり、主人公を誘惑したり、子供が欲しいだのと言ったりする、自己中心的な神経に腹が立った。 最後に奥さんのところに駆けつけたとき、夫の浮気に密かに胸を痛めていたのか、抱きしめられて涙がぽろぽろ出て震えるシーンにはグッときた。 本作はシリーズのラストを飾る作品だけに、いつも以上にエスプリの効いたエンディングを期待していたのだが、そんな小洒落たオチもなくあっさりしたエンディングだったので少々物足りなさを感じた。夫婦が愛を確かめ合ってハッピーエンドというのは確かに悪くないんだけど、このシリーズでそれをやられるのは、ちょっと不満。単体の映画として見れば7点だけど、シリーズものであることを考慮して評価すれば、6点。
[映画館(字幕)] 7点(2008-09-15 00:02:38)
010.18%
120.37%
230.55%
391.66%
4295.35%
58515.68%
614426.57%
716630.63%
87313.47%
9234.24%
1071.29%

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