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341.  病院坂の首縊りの家 《ネタバレ》 
オープニングのジャズ、スタッフ紹介の文字の大きさから、今までのシリーズらしさ(悪く言えばマンネリさ)を払拭しようとしたんだろうか?統一感は薄い。そして黒いマントを纏った金田一が、今までの事件に振り回される感じでなく、一歩引いた落ち着いた感じで、何とも格好いいのだ。それら脱マンネリ策に、最初見た時は違和感を感じたけど、2回目視聴の時には、これも良いなって思ってしまった。お約束のセリフ、仕草はしっかり健在で、等々力警部は粉薬の大サービス。  家系図がとっても複雑で、劇中まんま家系図メモを見せるくらいだけど、それでも充分に理解できたとは思えない。弥生の娘と孫が…という解釈で良かったろうか?もう人間関係が女の髪のように複雑に絡み合っててドロドロだよ。千鶴がなんで天井裏に隠れて暮らしてたのか、劇中聞いてたのに忘れたんだか… 夜中の廃屋で挙げる結婚はミステリアスで、視線の定まらない由佳利の演技はなかなかのモノ。その後の生首事件に繋がる下りは、戦後の怪談としても不気味で興味を惹かれる。謎解きのキッカケ、意外な人物の意外な裏の顔も、ミステリーとしてしっかりした作りに思えた。電話を使っての“誰が誰と話してるのか?”を混乱させる撮り方も上手い。  弥生がもう不憫で不憫で…15の頃から猛蔵に写真で縛られ、写真乾板をネタに脅迫され続け、結婚写真を使った敏男の法眼家への復讐は、法眼家に人生を狂わされた弥生に向けられる事になるハズだった。結果的に娘を2人も失い、そしてあの結末。原作と違い弥生を殺害に関与させたのは、あまりに一方的に不幸過ぎる生涯だったからだろうか。弥生の由佳利に対する想いが今ひとつ掴みきれなかったと思うけど、襖を挟んで小雪と話す弥生の姿に、由佳利への思いも込められていたのかもしれない。  これで石坂金田一を5作品+1を製作年順に続けて観た。前作から1年3ヶ月ほど経っての公開。舞台は昭和26年。んん?年代的に5作品のちょうど真ん中だ。真ん中だけど金田一が渡米(?)を前にして起きた最後の事件ということ。う~ん、作品ごとの関連性が見えるかと思ったんだけど、キャラクター設定は一緒でも、他作品との繋がりらしいワードは一切出てこなかった。 作品ごとに完成度にムラがあるけど、犬2006を除く5作品(女王蜂も除いて4作品でも良い)を、年代ごと(獄→犬→病→(女)→悪)に、脳内で補完しながら観ると、テンポよく観られるかも?
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-10-06 22:33:07)
342.  スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 《ネタバレ》 
EP8→ソロ→本作。この流れはマズイと察知したのか、EP8公開直前にEP9の監督交代劇があったようで、再びJ.Jが監督。 EP8のリカバー(尻ぬぐい)と、J.Jが頭の中で描いていたEP7の続きと、SWサーガの結末を組み直す作業。私の気持ちも新作にワクワクと言うより、最後だけど、どうオトシマエを付けるんだろう?って感じだったかな。  結論から言うと、あの厳しい流れから、よく1本の映画にまとめたものだと思う。あの密度ならいっそハリー・ポッターのように『EP9を前編・後編にする作戦』を使ってほしかった。でも興行成績の悪かったハン・ソロの後だし“SW疲れ”から“SW離れ”を招きかねないので、2本ぶんの内容でも1本で行くしかなかったんだろう。その一番のシワ寄せが冒頭の“パルパティーン復活”。こんな重要なエピソードを文字で見せるなんて。黄色い液体に入った操り人形スノークたち…あんなシーン、エヴァで観たなぁ。 ルークのセイバーをレイアに返したり返されたり。チューイが死んだり生きてたり。C-3POの記憶が無くなったり戻ったり。ちょっとキャラが被ってるゾーリとジャナ。ベンとレイの戦いが3回も。このへん前後編に分けるとスッキリしたと思う。パルパティーンの復活とレイの秘密を前編の最後にして。 時間さえあれば、懐かしいタナヴィーⅣがレジスタンスの旗艦になった経緯、ナイン・ナンとランドの再会、ウェッジも旧型X-ウイングで活躍させられたかもしれない。パッとしなかったレン騎士団。アッサリしたハックスの退場「私がスパイだー!」はぶっちゃけ過ぎ。笑ったけど。  フィンは本作でベンの気配さえ感じ取れるようになった。彼がレイに言おうとしたことは、たぶんフォースが使えることだと思うけど、彼がジェダイの血筋の者なのか、ホウキの少年と同じ一般人かは不明のまま。 ただ、レイアの死期が近いことレジスタンスの人たちが察知しているような描写もあり、フィンは後者の可能性が高いかも。 こんな終盤に修行してるレイ。自分で壊したマスクを直すベン。ホルド提督のワープ特攻は100万分の1の成功率。ルーク「ジェダイの武器にはもっと敬意を払え」と、EP8の尻ぬぐいは続く。「ここに残れって言われた」大幅に出番が減ったローズ。最後チューイ(SWオリジナル・メンバー)と抱き合ってるのは、この映画のために苦労させられた彼女への、制作側に出来る最大限の謝辞に思えた。  レイ「私には不可能です」レイア「不可能なんて無いわ」レイ「えぇ、不可能なんて無い」…レイア、フォースで丸め込んでないか? チューイ救出の時に撃ち殺されたトルーパー、たぶん7人くらい女。人材不足なのか、ポリコレに対するJ.Jの回答か。 アイテム探しとお遣いイベントが続く。たまたま流砂にハマって、ヘビを助けたら先に進むとか、限られた上映時間にRPGみたいな要素を入れたのは謎。 一方で回を重ねるたび、メキメキと魅力が増していくベン。デス・スターでのレイとの戦いも、レン騎士団相手のセイバーさばきもカッコ良かった。EP7を彷彿とさせる父ハンとの対話。レイに生命を分け与え、母レイアとともに消えるのも良い。 ベンが死の間際にシリーズで初めて笑顔を見せるところ。この時ベンの顔の右半分しか映さない。笑うときに口角を上げる、ハンの面影を見せる上手い演出。ここ最高にカッコイイ。  最後のシス・パルパティーンの血を引き継ぎ、最後のジェダイ・ベンと生命を分け合ったレイ。自分の杖を改造して作った黄色いセイバーは、もうジェダイ(ライトサイド)もシス(ダークサイド)も無いという意味だと思った。レイはジェダイを引き継いだのではなく、“フォースのバランスを正す者”スカイウォーカーの起源=~The Rise of Skywalker~となったんだろう。タトゥイーンに沈む夕陽で終わった前日譚に対し、昇る朝日が後日譚を締めくくる。  物語の最後は駆け足だったけど、42年にも渡って創られた壮大なサーガが終わった。私の長~いSWレビューも、ここで一旦おしまい。 続3部作に対し賛否はあると思うけど、この作品群でキャリー・フィッシャーが、彼女の代名詞とも言えるレイア姫を演じて他界されたこと。彼女が過去の人ではなく、歳を重ねてもなお気品あるプリンセスの姿を私たちの目に焼き付けてくれたこと。そして改めて、ルークやハン、レイア姫の当時の活躍を観たくなったとしたら、このタイミングでこの続3部作が創られた意味もあったと思う。スピンオフに新シリーズ、今後もSWの世界は広げられていくだろうけど、それはソレとして、生きているうちに全てのエピソードを観られて、本当に良かったと思う。
[3D(字幕)] 7点(2021-10-01 00:29:21)(良:3票)
343.  悪魔の手毬唄(1977) 《ネタバレ》 
犬神家の舞台が昭和22年で、本作は昭和27年の物語。 犬神家の続きものと言ってよいのか、同じ俳優が別な名前と役柄で出てくるから、慣れないと結構ややこしく感じる。橘署長は別人の立花刑事の役だから、金田一と初めて会った時の首を傾げるのが可笑しくて。 今回は山あいの村が舞台。自然の美しさと静けさ、夕方から日が落ちるのが早く、とても寂しげで怖さも感じる。  登場人物が多く、4世帯に女4人、娘4人、息子が3人?最初の方、名前が出る時に細かく顔がカット・インするの、便利で解かりやすいと思ったけど、覚え続けるのが大変で…鑑賞3回目にして金田一みたく家系図を作ってみたので、今回は何となく関係が解ったかな。 他人の話をべらべら喋る女中がザル屋なのを聞いて「ピッタリじゃ」には吹き出した。他にも金田一と磯川警部のやり取りが絶妙で面白く、自転車の二人乗りなんて何とも微笑ましい。 このシリーズの影のヒロイン草笛光子。殺人を問い詰める方言がなんか可愛い。 総社の宿でおはんが去年死んだと知らされる時とか、大瓶の中の大きなサンショウウオとか、恩田の写真を見る女3人とか、見ていてゾッとする演出が上手い。  極め付きが村娘を表した手毬をする日本人形。あんなの、子供の時見ていたらギャー!!だよね。 葡萄酒作りとか、田舎のモール詐欺とか、弁士の失業とか、あの時代ながらの問題・話題がなんかリアル。  同い年の仲良し村娘4人組に、これまた闇深い事実が隠されていたけど、子を思っての犯行って考えたとしても、あまりに突飛な動機。そんなの感情論で妨害するなり、口で上手く説明すればって思う。手毬唄にちなんだ殺人は、ご隠居以外に知っている人が居ないマイナーな唄なのに、どうしてその唄に合わせる必要があったのか?…まぁそういうの全部、犯人の心が病んでいたって思うとスッキリか。 でも源治郎と恩田の、村人との関係がどうもシックリこない。20年経った今なら過去のことだけど、当時はリアルタイムの人間関係があった筈で、それなのに、あんな小さな村で夫婦生活するなんて、当時の彼は何でそんなリスキーな事をしたのか。…もう一回くらい観れば何か掴めるかな? 犬神家同様に、戦後の怪談話として、観てる間“ヒエぇ~~…”ってなれる、とっても趣のある懐かしさと怖さ。
[DVD(邦画)] 7点(2021-09-27 02:19:22)
344.  シコふんじゃった。 《ネタバレ》 
チャラっ!軽っ!薄っぺら! 今ほどドライでなく、昭和期ほど汗臭くもなく、平成バブル末期の大学生の空気が懐かしい。良くも悪くも楽な時代だなぁ。 貴乃花がまだ貴花田だった頃、若い人にも相撲が大人気だったけど、当然自分で取るより観るものだった。宮沢りえの“ふんどしカレンダー”が話題になったあと、ジャニーズのモックンがフンドシを締めて相撲を取るって、すごい時代だなって思ったわ。…はいマワシね。 「潰れるー…」『辛抱~。辛抱~。』昔から変わらない印象の竹中直人が、この映画では見るからに若くてツヤツヤしてた。オーバーすぎる下痢芸は見事。 完敗しての打ち上げの空気…穴山先生に変わって川村くんがOBに言い返したのも、青木の涙を見て秋平がブチギレるのもカッコイイ。 弱いから当然負ける→悔しくて練習頑張る→善戦。という大会もの映画の黄金パターン。解っちゃいるんだけど、観ていて熱くなるね。 ただ序盤の取り組み結果が4連続で3勝2敗、同じ人だけ勝つパターンなのは、もうひと工夫欲しかった。 3部リーグ優勝の打ち上げの、楽しそうなことと言ったら。青木の初勝利に嬉しそうなOBが良い。こっちまで嬉しくなる。 TVで見る本物の相撲取りに比べたら全然細いんだけど、モックンも竹中直人も良い身体しているし、みんなきちんと相撲を取っている。 日本のコメディ映画も、真面目に作ればここまで面白く出来るんだ!って、当時生意気にも感心したっけ。
[地上波(邦画)] 7点(2021-08-20 19:44:02)
345.  トータル・リコール(1990) 《ネタバレ》 
~Total Recall~しっかり記憶し、しっかり思い出す能力。へえぇ~。 オープニングの印象的なテーマソングとともに流れるクレジット。もう壮大で格好良くて懐しくてワクワクする。 シュワの身体は最高に脂が乗っていて、表情にも人気者の余裕がある。夢の愛人に焼きもち焼く奥さん役のシャロン・ストーンが可愛い。 セーフティゾーンのレントゲン保安システム。ネイルペン。テニスの立体ホログラム。発信機取りだし器。2週間よオバサンはSF映画の名シーン。こういった夢の近未来道具の数々も素敵。 バーホーベンと言えば架空のTVCM。同僚が「リコ~ルリコ~ルリコ~ル♪」って歌うのが大好き。なんか架空の世界に厚みをもたせてる。でそのリコール社、タイトルの“Recall”でなく“REKALL”社だった。…意味は特に無いみたい。 未来の世界、タクシー運転手が会話もできるロボットなのに、ダグの仕事は手持ちのハンマードリルで岩崩しの違和感。このへんとってもバーホーベン。 リコール社で暴れるダグ。トラブルが起きて慌てるスタッフの臨場感も、バーホーベンの十八番に思う。  さて、この映画は結末がハッキリせず、見た人の想像に任せられる作り。 ①ダグは火星を救った。 ②全てリコール社のプログラムだった。 ③リコール社のプログラムに事故があり、ダグは夢から帰られなくなった。 …③な気がした。リコール社のプログラムが『火星の青い空』で、結末も青い空で終わる。①だとするとシナリオがプログラムに沿い過ぎてる気がする。 ②だとしたら、途中で奥さん殺しちゃうのはマズイから駄目だろう。 やっぱりドクター・エッジマーとローリーが来たときが、ダグ生還のターニングポイントだったんじゃないか?って。 本来はエイリアンの遺跡を見つけて、謎の遺跡を発動させると火星の空は青くなるかもしれないぞ!?続きは本物の火星で!!くらいで終わるシナリオだったところ、ダグが夢から出られなくなり、空が青くなるまで行き着いてしまったと… 前回見たときは①だと思った。観る度に結末予想が変わるのも、毎回楽しめてる証拠かな?
[地上波(吹替)] 7点(2021-08-17 21:07:50)
346.  わが谷は緑なりき 《ネタバレ》 
~How Green Was My Valley~私の谷はなんと青々としていたことだろう。おんなじ意味です。良い邦題だと思う。 炭鉱、長屋、坂、山。平べったいスタジオ撮影でなく、空気まで伝わりそうなロケが美しい。モノクロなのも郷愁を誘う。 ロケーション、シチュエーション。他の映画で観たような場面がチラホラあることから、かなり影響を与えた映画なんじゃないかな。 古き良き大家族。夕食はみんなで一つのテーブルを囲み、お祈りをして、お父さんから食べる。父は家族の頭で、母は家族の心臓。家の中で家長として偉そうにしてる父親と、実際に偉いお母さん。満たされる家族の時間。 世間の追い打ち。賃金低下からスト。子は父を思うけど、父は習慣を重んじるために生まれる対立。災難は母と末っ子のヒューに。 仕事が減り自らアメリカに発つ兄たち。姉が炭鉱主の息子と結婚したのにクビになる兄たち…少しは優遇されてもと思うけど。 ボクシングを習っていじめっ子と闘い、ムチで打たれるヒューに、ハンカチを「強く噛め」と言ういじめっ子にほっこり。 長男が事故死して、未亡人になった初恋の兄嫁ブロンと同棲するヒュー…役者が変わらないから、時間経過が掴みにくいけど、学校を卒業して炭鉱で働くとかしてるから数年が経ってるんだろう。成長したヒューとの、ふわふわした話にもなりそうだけど、ここもうちょっと観たかったかな。 心を病んで離婚して実家に出戻るアンハードと、牧師との関係に陰口を言う谷の人たち。自分の教えが無駄だったことに心を痛めて谷を去る牧師。序盤の父親のいない子を生んだ女性に対する厳しい扱いといい、田舎の陰湿さが出てる。この谷のどこがどう“緑なりき”なのか。牧師の最後の説教がグサッと刺さる。 世界地図を見てバラバラになった兄弟を指し示す。ヒュー「母さんはみんなを照らす星だよ」母『地図なんか見なくても、子どもたちは家の中よ』教養がなくても母は母だなぁ。 谷=生まれ育った場所。故郷。家。母と家族の絆がある限り、産まれた家は永遠に“緑なりき”なんだろう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-08-17 13:13:03)(良:1票)
347.  アバウト・タイム 愛おしい時間について 《ネタバレ》 
~About Time~時間に関して。だろうけど、『遅すぎ』『そろそろいい(頃合い)でしょ?』的な意味にも使われるそうで… 面白い設定のタイムトラベル。そんな楽しい能力があったら人生変わるわ。でもどう変えようか??なんて想像力が膨らむ。 出だしから冴えない主人公がタイムトラベルを繰り返して、徐々に魅力的な好青年になっていく。 登場人物がみんな良い人で魅力的。就職して家を出るティムの車のボンネットに、ベタァーって寂しいアピールするキットカット可愛い。やり直しで最適ルートを生きるティムと違い、ジミーとの腐れ縁でどんどん泥沼にハマっていくキットカットが不憫でならない。せっかく用意された紫のカップケーキに手を付けないくらい余裕の無さが、実家にいた頃の元気なキットカットを見ているだけに痛々しい。付き合う人によって、人生って大きく変わるんだよな。 一族の男が全員持っているタイムトラベルの能力。このトンデモ設定がどう活きるのか気になっていたけど、最後の父親との別れのためだけだったのね。 同じ日をもう一回繰り返す。見方を変えたら良い一日…になるだろうなぁ。 タイムトラベルが転じて、普通に日々を大切に生きようって結論も、もったいない気もするけど、確かに一番贅沢な生き方かもしれないって思わせてくれる。 登場人物たちが日常を過ごしてるエンディングも綺麗。 細かい設定を気にしちゃいけない映画だけど、タイムトラベルしてる最中も老化は進むのか、ちょっと気になった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-08-13 01:24:49)
348.  バニー・レークは行方不明 《ネタバレ》 
~Bunny Lake is Missing~邦題ズバリ。 ダフネ先生は見つからない、見守りを頼んだドイツ人の料理人は辞めてしまう、目撃者はゼロ。バニーちゃん行方不明からの描写が丁寧なぶん、アンと共に不安になり、スティーブンと共に苛立ってしまう、丁寧で上手な観せ方。 園長室の異世界っぷり。マイペースなフォードお婆ちゃんといい、軽快な音楽といい、まるで別な映画、千と千尋の湯婆婆の部屋みたいだ。 アンの家も異世界になっていた。ネチネチとアンに絡んでくるホレイチョ・ウィルソンの気持ち悪さは鳥肌モノ。なぜあの家主の家を選んだか。 ジャンケット(フルーチェみたいなものだろうか?)食べながら、一見、回りくどい捜査をしているけど、ズバズバ核心をついてくるニューハウス警視。この人が主要登場人物の中で唯一(?)の一貫した良心の持ち主だと後々気がつく。 スティーブンの豹変ぶりに驚き、それを受け入れてるアンにもっと驚く。何だこの兄妹?この映画の“時代の先取り感”は何だ?モノクロだけど'65年作品だから、カラーの時代のモノクロ作品。 “初日の部屋”“人形の病院”耳に残る名前。「みんみ~~」人形の声可愛い。 バニーちゃんは4歳だから、5年前にアンがちょっと付き合ってた学校の友達が父親。って事だけど、やっぱスティーブンが怪しい。近親相姦的な…そうなると一番不幸なのはバニーちゃんか。 最初から成立しようのない“バニーちゃん=架空の友達”説。でも観ているとバニーちゃんの存在が怪しく見えるから不思議だ。一度も登場してない、都合よく写真もない。 ガラスを割ってバニーちゃんを助けに入るアン…と思いきや、保育園からバレずに誘拐したスティーブンを褒めてる。いきなり飛び込んできたアンに驚かないスティーブン。もしかしてこの事件全体が兄妹の遊び、行方不明ゲームなのか? しかし何故、アンがブランコでスティーブンの気を引いてるとき、バニーちゃんは人形を抱いて寝たふりをしたのか?そしてどうしてそれを劇中丁寧に流したのか?4歳児の気持ちになって考えてみなくては…
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-07-09 23:34:56)(良:1票)
349.  ラストエンペラー 《ネタバレ》 
~The Last Emperor~末代皇帝。300年に渡る清朝の最後の皇帝となった溥儀の生涯を描いた映画。溥儀は満州国の初代と末代の皇帝でも、あるね。 日曜洋画劇場で2週に渡って放送されたの(当然吹き替え版)以来、久々の鑑賞だったけど、まず驚いたのがみんな英語で話していること。最近は現地人は現地語で再現されることが多いから、一昔前の映画に感じられた。 セットの豪華さが凄い。西太后が崩御する部屋の豪華さ。即位式のスケール。お隣だけど異国の文化感、大陸の王朝の大きさが良く出ていた。…もっとも、映画撮影のための想像や創作の部分もかなりあるんだろうけど、ただただ装飾の美しさと様式美に圧倒される。 溥儀の皇帝として我儘と権威っぷりを観せて、実は紫禁城の中だけの皇帝だと知らされ、国内で最も力ある存在から、乳母のアーモ1人すら奪い返す力がないことを見せ付ける“一瞬にして突き落とす”観せ方が酷い。 溥儀が力(当然の権利)を示そうと、宝物庫の目録作成を指示しながら、辮髪を切る時の目ヂカラ。西洋人に劣らない貫禄と美しさのジョン・ローンだからこその名場面。カッコイイ。 これが子供向けの偉人伝だったら『紫禁城を追い出された溥儀は、天津で楽しく自由に過ごしましたとさ。』で終わりそうなもの。その後は何とも不幸の連続のような人生。ここまでで17年。ここから戦犯としてハルビン駅で自殺を図るまで25年くらい。前半に比べ後半が短い気がする。もっとも、辛い内容が多いので映画的なバランスを考えると微妙だけど。 老人になった溥儀が子供にコオロギの壺を渡すシーンが、何とも幻想的で忘れられない。
[地上波(吹替)] 7点(2021-06-27 19:39:57)
350.  ファンタスティック・プラネット 《ネタバレ》 
~La Planete sauvage~野性の惑星。ソヴァージュって野性って意味だったんだ、へえぇ~~。 「うん、大丈夫。」最初の10分くらい観ての感想。 面白いとか以前に、この独特な絵と不気味な登場人物を受け入れられるかどうかが大事。 青い肌と瞬きしない赤い目。魚の宇宙人だろうか?10分もあればこのビジュアルにも慣れる。 けどダメな人は無理すること無いし、大丈夫な人は、あと60分くらいだから観てみると良い。  瞑想が怖い。特に4人の男が並んで、体のカタチが溶け合うのがグッと来た。ベァ~~ン!!って独特の効果音、ピヨォ~~ン…ピヨォ~~ン…ペポパポ♪怖わ!!怖っっっっわ!!! 赤い目の瞳が無くなり、青くなるのも怖い。 でもこの音楽が癖になる。というかずっと聞いていられる。70年代の懐かしさが漂っていて、全く不快感がない。サントラほしい(※個人の感想です) この世界はドラーグ族の1週間が人間(オム族)の1年だそうだから、人間は年に52歳年を取るのかな?コッチで言うハムスターやネズミみたいな?リアル・ハム太郎。知能に差があって、野性のオム族はドブネズミみたいな生活をしている。  学習器が言っていたクリスタル季だろうか?ピキピキとダイヤモンドのような物質ができる。歩いていくテールを無言で見るティバ。チラチラ見返すテール『良いの?このまま行って良いの?』「・・・」足がダイヤモンド化、不安なテール『え?動けない!怖いんだけど…』「・・・」『全身が覆われてきた!怖い死んじゃう!!』「・・・(助けてやるか)ぴゆう~~ぴい~~」なんか、こういうノリ。ペットがトラップにハマるのを敢えて黙って見る感覚。理解できる気がする。  ティバのその後も気になるけど、世界観や人間の文化もきっちり作られていて、闘獣の闘いとか最後勝った方も殺すのとか、なんかリアル。性交の時に儀式をするの、ドラーグ族の頭蓋骨?ナウシカの巨神兵の化石みたい。 人間絶滅計画の、カルミンみたいな毒ガス弾を飛ばす機械の見た目と音が印象的。その後の原始的な害獣駆除兵器(ボール、掃除機、怪光線)も、非効率で残酷で不思議。 72分でこの密度。なんか癖になる。暫くしたらまた観てみよう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-25 20:09:51)(良:1票)
351.  北北西に進路を取れ 《ネタバレ》 
~North by Northwest~…北北西じゃないんだよ。北の大都市ニューヨークからイリノイ州、サウスダコタ州と、どんどん北西へ移動しているので、『北部から北西部に向かって移動しますよ。』的な?ノースウエスト航空がスポンサーだから説は面白い。 オープニングの緑バックと白線がビルに変わる画。国連ビルから逃げるロジャーをビルの上から撮る画。だだっ広い農道で帽子の男と向かい合うロジャー。印象的なカットが結構ある。 ちょっとしか出てこないロジャーのお母さん。50ドルのお小遣いでホテルの鍵を取りに行くとことか、殺し屋相手にエレベーター中を笑いに包むなんて素敵だ。再び殺し屋が来た時、お母さんが使った“笑いを起こして目立てば逃げられる”を、オークション会場で実践するのも親子らしくて良い。このお母さんの活躍をもっと見たかった。 旅のさなかに出会う美女ケンドールの大人の落ち着き。特にマッチの火に手を添えるところがセクシー。 最後の舞台がラシュモア山、観光地ものの2時間サスペンスっぽい。今回久しぶりに見て、こんなにラシュモア山のシーン長かったっけ?って思った。 この映画で観光地としての魅力は出し切った感があるせいか、ラシュモア山が舞台の映画はしばらく無かったと思う。 落ちそうなケンドールの手を掴むロジャーの唸り声が、急に優しい声と笑顔に変わるエンディングが印象深くて好き。
[地上波(吹替)] 7点(2021-06-24 23:13:20)(良:1票)
352.  ベン・ハー(1959) 《ネタバレ》 
高校の頃、牧師さんと映画の話をすることがあって、『ベン・ハーの監督はキリストに否定的で、キリスト批判な中身だったけど、制作しているうちに“私はなんて罰当たりな事を”と改心し、今の映画になったそうだよ』と。原作アリだしどうかな?とは思ったけど、ワイラー監督はユダヤ教の家庭に生まれてるし、案外本当だったりするのかもしれない。 今回初鑑賞。てっきりグラディエーター的な映画かと思っていたけど、これほど宗教色の強い映画だったとは。 ハッキリと顔を見せず、佇まいで表現されたイエスがとても神々しい。ユダに水を飲ませたあと、ローマ兵の前にスッと立つ後ろ姿。物語後半、群衆の中で丘の上に立つ姿。あんな遠景なのにどれがイエスかハッキリ解る撮り方。神の子の表現としてこれ以上無いくらいの表現方法に思う。 奴隷となり神の子キリストから水をもらうユダ。ローマ司令官アリウスから水をもらい養子になるユダ。磔にされるキリストに水を与えるユダ。キリストの血が雨とともに流れ、母と妹の病を治す。他にあったかな、誰かに水を与えることが物語の転機になってるみたいだ。 衣装とセットの豪華さ。当時の大作ってお金の掛かり具合が凄い。 海戦。特撮も陳腐にならない上手いバランスで撮れていたし、ガレー船の漕手の悲惨さも伝わる。 戦車戦。4頭の白馬と4頭の黒馬が並んで走る姿は映画とは思えない迫力…変な書き方だけど、スタントの安全性はもちろん、32本の馬の脚がどこかで絡んでしまわないか、心配になる。こんなナマの映像は今後絶対撮れないと思う。 あと最初のMGMのライオンが動かないの。初めて観た気がする。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-20 13:56:09)(良:1票)
353.  グラン・プリ(1966) 《ネタバレ》 
~Grand Prix~大賞。その年その国で一番権威あるモータースポーツに付けられる。4輪の最高峰がF-1ワールドチャンピオンシップだから、自国開催の時に(国名)+グランプリって呼ぶそうな。 とにかく、この時代にどうやって撮ったんだ?って迫力満点の映像が満載。80年代後半のF-1ブームの時、最先端技術としてオンボード(車載)カメラが登場したと思っていたけど、66年にこんな綺麗で滑らかな映像があったなんて。 それでいてレース中の空撮にはカメラ搭載車が写ってない(見分けがつかない)。87年のカメラでさえ、牛乳パックくらいの大きさだった事を考えると、レースの空撮と車載映像は別撮りということか。 車載映像だけでモンテカルロほぼ一周ノーカット撮りっぱなし。スパは雨のレース映像。空撮は空撮で上空からの俯瞰だけでなく、横からかなり寄りで撮ってるから迫力があり、観客席に人が溢れてるのも、あれ実際のレースシーンなのかな。映画の撮影だとしたらスゴイとしか言えない。 そして一番驚くのが主演俳優が本当に運転していること。こんな撮影、今だったら考えられない。  まだシートベルトが無い葉巻型のF-1の時代。写真でしか見たことがなかった当時のF-1の映像が資料価値満点。 グラハム・ヒル発見!他にジャック・ブラバム、ヨッヘン・リント、ギ・リジェ…数枚の写真と文字資料でしか見たことがない伝説のドライバーたちが活躍…してるようだ。ウイングカーの時代(70年代後半)なら多少解るかもだけど、ここまで古いとデーモン・ヒルのお父さんしか解らなかった。 アロンが主役かと思ったら途中からサルティ中心になり、メインの4人にそれぞれ女性が絡んでと、どうもストーリー的には絞りきれていない感じがした。 世界で活躍するヤムラ・レーシングの扱いが大きくて嬉しいのと、三船の横に本田宗一郎っぽい、つなぎを着た眼鏡の日本人が居て、何か嬉しい。当時それだけインパクトが有ったんだろうな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-14 23:20:46)(良:1票)
354.  バンド・ワゴン(1953) 《ネタバレ》 
~The Band Wagon~『時流(に乗れ)』って名前の劇中の舞台劇。 この一年くらい、過去にあまり見てこなかったミュージカル映画を観るようになったけど、この映画を見てアステアのダンスの凄さが伝わった気になった。 靴磨きのダンスがいきなり凄い。前半は磨き台の上だからほぼ足の動きだけで踊って見せる。その動きの多彩さ・華麗さに驚いた。 アステアの身体の使い方を観ると、特に足もと、大きな動きの前に小さな予備動作?が入ってるんだけど、一連の動作に無駄がなくて美しい。相当体幹が優れてないと出来ない動き。 それを涼しい顔してやってのける。細かく大胆に動く下半身に対し、上半身は優雅で滑らか。公園でガブリエルとのダンスの美しいこと…こんな書き方しか出来ないけど、とにかくスゴイなって思えた。  当時のゲームセンターって手作り感が面白い。あの“?”の箱にあんな仕掛けがあったなんて。 公園で社交ダンス(無料参加イベント?)してるのも、当時はそういう文化があったのかな? コードバのキャラが魅力的。なんかスポンサー相手に、熱心にファウストを説明するコードバに声を出して笑ってしまった。良いキャラだなぁ。 最悪の初対面をしたトニーとガブリエルがだんだん仲良くなって、吸えないタバコを勧められてぷかぷか吹かすガブリエル可愛い。 大失敗の公演初日のあと、無人のパーティ会場と、若い団員の打ち上げの対比。そこからの方向転換、仕切り直しで盛り上げるトニーと、舵取りをトニーに譲るコードバの柔軟さが良い。最後のプログラムをめくる毎にミュージカルナンバーを流す演出も良かった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-07 15:32:44)(良:1票)
355.  ダイ・ハード2 《ネタバレ》 
~Die Hard 2: Die Harder~もっと頑強に抵抗する。こんなサブタイが付いていたなんて知らんかった。 NYに転属したのにワシントンが舞台。マクレーンもポケベルを持つようになった。 乗っけからスチュアート大佐の謎の裸踊り。きっと『今回はこんな引き締まった、強そうな敵と戦いますよ』って伝えたかったんだろう。マクレーンはトドみたいだからな… ホリーの隣、スタンガンお婆ちゃんの読んでる雑誌の裏表紙はリーサルウェポン?「シャンパンいかがですか?」と終始粋なスチュワーデス、言われたら言い返す。 今回は途中からグラント少佐の特殊部隊が味方について、観てるこちらもホッと一安心。…と思いきやまさかの裏切り。これには当時驚いた。 当時は気にならなかったけど、プロの軍人相手に一人で渡り合うマクレーン。ちょっと余裕もありそうで、テロリストの知識も豊富で、今思うと強すぎかもしれない。空砲とは言え署長に撃つのはやりすぎか。 コンベアにズルルッ!つららグサッ!エンジンでドビャッ! 前作に比べて、結構痛そうな死に方が多かった気がする。ホラー出身のレニー・ハーリンだからだろうか? それでも観ている最中はあまり気にならなく、最後の悪党どもをまとめてドカン!はスカッとする。 その炎が誘導灯になって、ピンチの飛行機がまとめて助かるのも胸のすく展開。次々着陸する飛行機のジェット気流が煙に渦を巻くシーンが好き。 リポーターのコールマン。ジョンが思い出せないスチュアート大佐がパッと出てくるとか有能だけど、最後ジョンとホリーが抱き合うところを撮らない人だから、いつまでも出世しないで現場走り回るんだろうな。違法な情報収集と出世欲のカタマリのソーンバーグとは対照的。 空港のFAXはサンヨー、悪者の無線機はケンウッドだ。まだまだ日本強いぞ。  前作から一年後の、またまたクリスマス。管轄外で孤立無援、限定空間での戦い(空港だから広いけど)。同じ名前ネタは兄弟ネタに。 前作に引き続きホリーのピンチ、同じ飛行機にソーンバーグ。パウエルの援助はともかく、クリスマスとは言えこんな偶然ってあるか? 最後はリムジンでなくカートの後部座席で帰るジョンとホリー。エンディングはおなじみ『Let It Snow』 かなり強引な設定。あまりに前作を意識していたので、当時『面白かったけど、次回作を作るの大変そうだな』って思ったわ。 これが2ではなく、シリーズを経て20年後くらいに作られていたら、それはそれで同窓会的にホンワカと観られたかもしれない。
[ビデオ(字幕)] 7点(2021-06-07 09:06:39)
356.  時をかける少女(1983) 《ネタバレ》 
初見、淡々と映画を見て「ふぅぅん。大林監督の、当時の角川アイドル映画だね」と、それ以上広がらない感想を持った。 角川春樹が原田知世に“この映画をプレゼントして芸能界を引退させたい”という想い。大林宣彦の“プライベート・フィルムとして好きにやりたい”という想いが、筒井康隆の原作(未読だからどれだけ弄ったか解らないけど)と、上手い具合にマリアージュしていた…って事は、後から調べて解ったこと。 …こういう話がパンフレットを買わなくても、検索すれば誰でも見られるんだから、便利な世の中だわ。  そのへんを踏まえて再視聴。土曜日の実験室。深町くんが芳山和子の記憶を消して、未来に帰る話をしている。 引退するアイドルのプライベートフィルムとしてみると、芳山くんを角川春樹(&原田知世のファン)。深町くんを引退する原田知世。そこには出てこない吾郎ちゃんを渡辺典子辺り(本来、事務所としてプッシュしなきゃいけないアイドル)として観ると、二人の会話からして、まぁ面白い。 芳山(角川)と吾郎(角川アイドル)が積み重ねてきた記憶(映画の主演ワク)を、訳あって深町(原田)がちょっとお借りして、お互いに好きになってしまった。 時をかける少女は、原田知世主演だから出来た映画。彼女でなければ、このワクは他のアイドルの違う原作の映画になっていただろう。 数年後のある日、偶然に再会する二人。深町(原田=一般人)は相手が芳山(角川=業界人)だと気づくが、芳山は気が付かない。あれ?どこかで…ってなるけど、別々の方向に歩き出す。引退から数年後、角川は原田とこんな再会が出来れば幸せかな?と思ったんだろう。 そこからあの楽しいエンディング。 「あなた わたしのもとから♪」主題歌(の歌詞)もベストマッチ。この映画と原田知世への愛が溢れた素晴らしいエンディング。  こんな映画が撮れるのは、大林監督だけだと思う。 モノクロとカラーの合成、アニメーションと実写の融合、コマ撮り、興味がある斬新な技術はどんどん入れてくる姿勢。大学の映研が楽しんで作った、とても出来の良い自主制作映画みたい。 ハリウッドのSF大作なんてお金無いから作れないけど、大林監督の技法なら頑張れば出来そうだ。 「あれシクラメンぽいけど、ラベンダーって言えばラベンダーに見えるんだ!(※調べたら造花でした)」 どう撮るかは工夫次第。そう思って映画制作を諦めなかった、未来の映画監督のタマゴも多かったんじゃないかな? でも数年後の老夫婦の会話に、そこそこの時間を割いているところとかが、やっぱり素人とプロの違い、本物の監督のハードルの高さを魅せてくれている。素晴らしい監督だ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-06-05 12:33:08)(良:1票)
357.  ネバダ・スミス 《ネタバレ》 
~NEVADA SMITH~架空の人物。 西部劇はあまり詳しくない私だが「西部劇のタイトルを挙げよ」と言われたら、10番目くらいには出てきそうな本作。クチコミ件数の少なさから、そんなに有名な作品ではなかったのかな?銃を真横に担いだマックイーンのポスターが思い浮かぶ。 『大いなる野望』という映画の登場人物・映画俳優ネバダ・スミスの前日譚…らしい。この作品の主役がジョナス・コード・ジュニアとのことで、本作のコード本人か、息子だろうか?どんな話か気になる。 “ネバダ・スミス”を名乗るのは後半で、本名“マックス・サンド”の名が頻繁に出てくる。 インディアンとのハーフの少年の成長物語。家族を惨殺されたマックスの執念と怒りの孤独な復讐劇。西部をあちこち旅しながら、そこに住む人々との一期一会の交流が描かれている。 勘違いから襲った三人組に親切にされ、翌朝身ぐるみ剥がされてる絶体絶命から、救いの手を差し出すコードの優しさがホッとする。社会を知らないマックスに父親のように教えるコード。薬莢は高価だから拾わせるのが生活感がある。『この恩は返しきれない』コードに感謝の意を表す。 「西部中の酒場や売春宿を回れ。教会にドブネズミ共はいないぞ。お前もドブネズミにならなきゃ捕まえられん」コードの言葉通りドブネズミとなって酒場や売春宿、果ては刑務所の中にまで行く。ついには自分が町の厄介者になってしまう。 神父に命を助けられ、初めて教会に行く。荒んだマックスに復習の無意味さ、良心を教える神父。『この恩は返す』と神父に上辺の言葉を残し復習に旅立つ。 トム・フィッチとの心理戦が丁寧で面白い。仲間を物陰に隠れて配置し、2階から撃ちやすい位置の椅子に座らせるトム。椅子をずらすマックス。インディアンを侮辱し、母親の服で作ったタバコ入れを見せ、「マックス!」と声を掛けるが、ピクリとも動揺しない。観てるコッチがドキドキする。後にコードが出てきて声を掛ける時もギクッとした。 遂にトムを殺すチャンスが来るが、思いとどまるマックス。ここにきて神父の言葉が心に届いたんだろう。 コードと出会った頃の、少年らしい素直さがマックスにまだ残っていた。 銃を真横に担いだマックイーンのポスター。あれ、十字架に架けられたキリストを表してたんだな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-02 09:47:38)
358.  追想(1956) 《ネタバレ》 
~Anastasia~ロマノフ王朝最後の大公女の名前。 それを『追想=過去を思い出すこと』なんて邦題にしてしまったのは勿体無い。アナスタシア。神秘的で格調高いタイトルだったのに… 「赤毛だったら良かったのにな」「なかなか上手いじゃないか」大金目当てに下地がそれっぽい偽物を探し、本物に仕立て上げる。 作る側も最初からアンナを偽物として見ている。頭の良いアンナは教えた以上の知識を披露したりする。 人にタバコを注意しておいて、裏ではタバコをプカプカ。ポール公とシャンパンを泥酔するまで飲むなんて、いかにも偽物臭い。  マリア皇太后の存在感、迫力と気品がよく描かれている。見る側もアンナは偽物として観ているため、面会の緊張感が凄まじい。 「一族の名を気安く口にしないで、偽物!」たくさん偽物を見せられてきた皇太后の、うんざりした気持ちが良く出ていた。 皇太后は咳から彼女を本物だと認めるが、一言「でもあなたでないとしても、私には言わないで」老い先短い皇太后の本心だろう。  記者会見で病院の隣室の者が現れて、偽物疑惑が再浮上。ドレスのままアンナはタバコをプカプカ。 ※色々調べるとニコライ2世にタバコを吸わされるアナスタシアの写真が見つかる。「あ、本物も吸うんだ」って思った。  リーベンバウム夫人「舞踏会場を御覧ください、昔に戻ったみたいですわ」無関心なマリア皇太后「防虫剤が臭うわ」 最初の面会と違って、アンナにおばあ様として話すマリア「結婚相手はポールでいいの?」 「私たちは過去と一緒に朽ちるけど、未来はあなたのものなのよ」それを受け、マリアに何かを耳打ちするアンナ。 説明や経緯をすっ飛ばして駆け落ちしてしまうアンナとボーニン。 ポールの「皆になんて説明を?」に「“芝居は終わった、帰りましょう”と」と答える皇太后。 ロマノフ朝の亡霊たちが踊る舞踏会場に掛かる“THE END”の文字。  神秘的なアナスタシア生存説。 高級なお菓子の箱に描いてそうな美しい生前の写真。次々現れる自称アナスタシア(偽物)。 オープニングで石の壁にロマノフ王朝の紋章の影。真っ赤な“Anastasia”の文字は、彼女が銃殺されたことを大前提としている。 この映画は『もし本物のアナスタシアが生きていたなら、きっとこうしただろう。』として描かれた作品だと思う。 財産には手を付けず、無粋な恋愛描写も抜きに、将軍と忽然と消える。とても神秘的で美しい終わり方。 だからタイトルは、ロマノフ王朝最後の大公女の名前『アナスタシア』だったのに…
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-05-29 20:44:56)
359.  ウォー・ゲーム(1983) 《ネタバレ》 
~WarGames~最後“s”がつく。ジョシュアにとって、チェスも三目並べも全面核戦争も、たくさんあるゲームの一つに過ぎない。 オープニングからいきなり始まる全面核戦争のシミュレーション。ミサイル基地の扉の分厚さが核の恐ろしさを物語る。 デビッド、Fの子をAにするのはマズいだろう。まだコンピューターが普及してない時代だから、先生たちも成績を手書きで控えてる可能性大だぞ。 でもこんな当時から、マイコンオタクの仲間がデブとガリなのが面白い。あと“ユーザーアカウント”って言葉、こんな昔からあったんだ。 核司令基地の見学ツアー。本当にありそうな“そのボタンじゃない!”ジョーク。突然の核攻撃の緊張感と、あくまでゲームなデビッドの対比が面白くて怖い。 一般の人には馴染みのない地味なマイコン画面を垂れ流すのでなく、ブラウン管モニターには操作するデビッドが映り込む。これ特撮だと思うけど、どうだろう?画面上で起きていることと、デビッドの感情も伝わる上手な演出。 あとジョシュアの声。デビッドの部屋のスピーカーからしか聞えないハズだけど、基地でも同じ声で話す。これも、見る人にわかり易くする上手な演出。 三目並べから核戦争に勝敗が着かないことを学ぶジョシュア。モニターに映される核戦争の映像が無機質で怖い。あぁ日本にも落ちてきた。 「奇妙なゲームです。唯一の勝つ手段が、ゲームをしないことです。もっと面白いゲーム、チェスをやりませんか?」 これが今の時代だったら、遥かに進化したコンピュータが人間に余計な気を使って、適度に盛り上がる演出を加えて、核戦争を始めるかもしれない。
[地上波(吹替)] 7点(2021-05-27 16:28:53)
360.  続名探偵ホームズ1/ミセス・ハドソン人質事件 《ネタバレ》 
ラピュタの同時上映で鑑賞。TV版はそれより前に放送していたんだな。忘れてる。 こちらのレビューも併映された『ドーバーの白い崖』とは別作品扱い。今回はモリアーティ教授一味とハドソン夫人が主役。 モリアーティが空気穴を気にする台詞を入れるとか「私の殺人は成功したことがないんだ」とか、銀行襲撃の妄想とか、キャラクターの魅力を引き出すのが上手いなぁ。 レストレード警部、犬らしく手紙の匂いから犯人を割り出すけど、美術館でホームズやモリアーティの雑な変装を見破れないとか、「原作読んでないのか!」なんてセリフも優秀なんだか無能なんだか、上手にいい加減で笑える。 前2作に続いて高いクオリティなので、出来ればエリソン夫人、モロアッチ教授バージョンで観たかった。  ~『ドーバーの白い崖』につづく~
[映画館(邦画)] 7点(2021-05-27 11:55:23)
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