21. 阿修羅のごとく
長らく待たされ続けたがやっと森田芳光監督の会心の一作に出会いました。向田ドラマですから面白いのは当然かも知れないが、森田監督ならではのデフォルメ、ユーモア、独特な構図によるシーンが随所に見られ楽しかったです。女四姉妹が織り成す様々な愛、性、情などが豪華な女優陣の”顔”から放たれ、その顔はまさしく阿修羅のようである。彼女たちは、くっついたり、離れたりを繰り返すが、芯の通った家族の絆で結ばれており、その様を傍から観ていると最高の悲喜劇である。しかし彼女たち以上に最強の阿修羅は常におだやかな笑顔で見守り続ける母であり、微笑みはまさしく仏像のようでした。私の母は3姉妹で子供の頃から見慣れた光景は、まさしく阿修羅そのものです。満点。 10点(2003-11-27 17:21:03) |
22. トゥルー・ロマンス
最高、タランティーノ臭が満載です。主人公は明らかに自分自身ですし、最高の相手との出会い、親子の深い愛情、クールなバイオレンスシーン、二人の深い愛情など中身が大変濃密で満腹になります。 10点(2003-11-02 23:27:26) |
23. ハンニバル(2001)
レクター博士ほど犯罪者で魅力的な人物はいないのではないか。強烈な美意識を持ち、その美意識に反するものはどんなものであろうと破壊する。ディナーシーンにおける緊張感はジュリアンムーアの白い肌と黒いドレス、追うものと追われるもの、そして食うものと食われるものなど陰と陽、正義と悪、聖と邪、相対する二つのものが妖しくぶつかり合いながら惹かれあい、強烈な光を放っている。 10点(2003-11-01 22:31:36)(良:2票) |
24. フルメタル・ジャケット
戦争とは、人格破壊された狂人が繰り広げる殺戮、一市民である青年たちがドンドン狂人へ変貌してさせられてゆく様、これがホントの戦争なんだと思わされます。狂人が狂人を生み、狂人と殺しあう戦争、戦争において理性と狂気は表裏一体であり判断を誤ればそれはすぐさま死へ繋がる。 10点(2003-10-30 16:31:24)(良:2票) |
25. 時計じかけのオレンジ
暴力、セックス、ドラッグなど廃退的な若者像、近未来的でありながら未だに真新しさすら感じてしまう映像の中の彼らは、今街に溢れる若者たちをそのまま描いたようであろ。そして彼ら以上に恐ろしいのは、内に秘める異常さを隠し持って生活しているごく普通の市民である私たちでしょうか。 10点(2003-10-30 16:14:36) |
26. 12モンキーズ
テリーギリアムらしくない大資本映画だが、世界観や美術、衣装、シニカルさなど媚びることなくギリアムワールドがでており、音楽も際立ってよく、ラストもの爽快感まさしくワンダフルワールド。 10点(2003-10-29 11:48:26) |
27. 椿三十郎(1962)
用心棒はずっと息を呑むような展開だったのに比べ、緩急をつけ方が絶妙で心地いいです。特に奥様とのやり取りは最高です。クライマックスの椿も見事に色が見えました。対決シーンはオマケって感じがします。 10点(2003-10-28 20:59:31) |
28. ブレードランナー
SFの大傑作、映像、音楽、世界観などはいうことなく、近未来におけるレプリカントの人権、レプリカントと人間との確執、といった部分はその後のSF映画の宗教性や哲学性に様々な影響を与えている。 10点(2003-09-15 19:49:22) |
29. パルプ・フィクション
ヤラレターッてのが第一印象です。脚本、音楽、映像、キャストなどどれをとっても完璧です。マイリマシタ。 10点(2003-09-13 10:50:25) |
30. バットマン リターンズ
前作のバットマンらしさを十分出しながら、人間としてのブルースの苦悩なども描かれており傑作。 10点(2003-09-12 16:53:56) |
31. 未来世紀ブラジル
ギリアム監督の最もギリアムワールドが出ている映画でしょうか。ファンタジックでありながら現代社会を風刺したブラックユーモア満載でとても好きな映画。 10点(2003-09-12 15:52:45) |
32. ガタカ
SF、サスペンス、ヒューマンドラマの大傑作。世界観、映像、音楽もすばらしく、キャストも最高です。人間の可能性とは無限大であり、夢に向かって一途に生きるのもいいモンです。何度見てもラストの2人の旅立ちで号泣してしまう。 10点(2003-08-28 22:50:09) |
33. 仕立て屋の恋
オッサンと娘の関係が実にエロティックでいい、露骨なハダカなど無くともオッサンのピュアな愛と変態さが絶妙です。純愛とは過剰なエゴイズムと自己犠牲なのでしょうか。 10点(2003-08-28 18:29:17) |
34. 風の谷のナウシカ
当時において宮崎アニメの集大成的作品であり、ジブリ的にも原点といえる作品ではないでしょうか。私の見た宮崎アニメの文句無しの最高傑作です。世界観やテーマ、個性的なキャラクター達など魅力満載の作品です。 10点(2003-08-10 01:55:50) |
35. アンダーグラウンド(1995)
戦争やイデオロギーを一人の男を通して滑稽であり、風刺的に描きこき下ろす。大変面白く、興味深く、馬鹿馬鹿しく、悲しい作品でした。母国であるユーゴスラビアの内戦のさなかに、この映画を撮る監督の情熱、意気込み、戦争に対する思いが伝わる映画。 10点(2003-08-05 01:37:05) |
36. ファイト・クラブ
デビットフィンチャーの最高傑作。よくオチがわかったとか云われるがバレても全然観れるし楽しめるし、そもそもそんな事を問題にするのがナンセンス。ファインチャーらしい映像と世界観、倫理観などを楽しまなきゃ。 10点(2003-08-04 11:28:25)(良:1票) |
37. 生きる
お葬式で故人を偲び誰しも涙するのでしょうが、それだけでは説教臭いお涙頂戴映画になってしまうが、観ている人間の心の中を見透かしたようなラストの痛烈なシニカルさが完璧な作品にしている。人のために何かをして生きろと云っているのではなく、自分自身のために生きろということでしょうか。 10点(2003-07-28 11:49:08) |
38. 蜘蛛巣城
一言で云えばすごい映画でしょうか。俳優の演技がすごければシーン一つ一つの迫力もまたすごい。全ての映像が鬼気迫る迫力で迫り、また怪しげな光を放っています。 10点(2003-07-23 17:14:01) |
39. 隠し砦の三悪人
最高のエンターテイメント映画です。この映画を見てスターウォーズもインディジョーンズも超えてないなあと思ってしまった。緩急のつけ方や間の取り方、緊張と弛緩、絶妙で心地よく爽快でホントに面白い作品です。 10点(2003-07-23 15:23:25) |
40. 悪い奴ほどよく眠る
すばらしく最高に後味が悪く大傑作です。このようなラストであまりにあっけない死があるからこそ、映画がよりいそうリアリティが出て尚且つ痛烈な社会風刺となり心に響きます。 10点(2003-06-19 21:40:47) |