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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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21.  スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 《ネタバレ》 
 エピソード4をテアトル東京のシネラマの最前列で見てから41年半よ。そりゃ歳も取るわ・・・   さて、『スター・ウォーズ』っていうコンテンツ全体の太い太い軸から考えるとJJの新三部作って、なんていうかシッポっていうか枝葉っていうか竜頭蛇尾っていうか、結局ここまで見て蛇足感が否めないのよね。オマケで作りました的な。少なくとも初代三部作よりも更に凄いコトになりましたよ、っていう拡がりは感じられないわ。映像こそ凄くなってる(ハズだ)けど。   新三部作、なんかやたら些末事に追われてない? そしてその些末事が映画の本体の殆どを構成しちゃってる。まるでデキの悪いお使いRPGのイベントをこなしてるみたい。あー、また本筋から外れて回り道ぃ~?って何度思ったコトかしら。それも三部作の最初や真ん中でやるならともかく、完結編、しかもこれまでの全『スター・ウォーズ』までひっくるめての完結まで謳ってる作品でまーだやってるものだから、一体何してんのよ?って感じ。  もうどっかんと真正面からガチのぶつかりあいってのを見せて欲しいのだけど、あちこちでちまちまちまちましてるからもっと気持ち良くさせてよ!って思っちゃうのよね。  何度も何度もレイとカイロ・レンが戦うんだけど、しつこいわ。いちいち戦っちゃ離れるを繰り返す『Zガンダム』見てるみたいよ。  クライマックスだってカイロ・レン来るのは見え見えなんだけど、何よ、まだそんなとこウロウロしてんの?とか、援軍バーン!って来るのだって見え見えなんだけど、被害出し過ぎ引っ張り過ぎ、とか、どうも気持ち良さをハズしちゃってくれちゃうのよね。もしかしてJJって王道を描くの、下手?   っていうか、前作にあったフォースやジェダイは血じゃなくて普通の人にも可能性はあるのよ、ってのはドコ行っちゃったのかしら?   全作品リアルタイムな世代なワケだけど、なんか特に感慨は無かったわね。どうせまた色々やるんでしょ?ってね。
[映画館(字幕)] 5点(2019-12-20 20:59:35)(良:3票)
22.  映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ 《ネタバレ》 
 ツイッターで大々的に話題になっているのだけど、ネットでの大騒ぎがこの映画にとって幸福なコトだとは思えないのね。作品への感想・評価が大袈裟過ぎて、ここに登場するキャラたちが持つココロと乖離しまくっちゃってる状態じゃない。「何気ない佳作」くらいがちょうどいいポジションだとは思わない?   映画を見るに当たって身構えてしまったけれど、幼い子供向けだけにワリとシンプルね。前半、絵本の中に入ってバリエーション豊かな展開をする割にはどうにも単調で見てるのが結構キツいわ。キャラ1人1人のドラマを深読みしようと試みたけど、それぞれの成り立ちに背景はありつつも基本みんな仲良し良いコ状態なので特に深い闇を見せてくれるとかいう訳ではなくて(当たり前)。ナレーションで全部説明してくれちゃう映画だし。   後半の展開は感動的に描けていたわ。ただ、こういうほのぼのシンプルなデザインのキャラで怒涛の泣かせの展開に走る点に意外性があるわけで、その設定そのものはありがちと言えばありがちね。   ネットで取り沙汰されてる『攻殻機動隊』とか『ジョーカー』とかって、真面目に受け止めない方がいいわ。アタシ個人の印象として近かったのは『学校の怪談』シリーズね。  尺も短いし、何か凄いモノを期待して見るのは間違いかしらね。っていうか平日昼間の新宿ピカデリー、子供はちょぼちょぼ、大きいお友達で溢れかえってたわよ・・・
[映画館(邦画)] 7点(2019-11-14 19:38:24)(良:1票)
23.  ターミネーター:ニュー・フェイト 《ネタバレ》 
 『ターミネーター』の1の原理主義者で2は要らないと思ってるアタシにとって、『ターミネーター』って1と4だけでいいと思ってるのよね。T2、3、新起動、そしてコレは単なる1の亜種。同じところをひたすらグルグルしてるだけで先に進もうとしてない(3はT2で血迷っちゃった道を元に戻す役割を果たしたって功績がありはしたけど)。それより4の続きを見せてよ、って。   なんか色々言いたいコトはあるんだけど、そうね、いちばんひっかかったのは緊張感の無い画が多過ぎるコト。コレは『ターミネーター』の映像です、なんてとても思えないような腑抜けた画がいっぱいよ。呑気なロードムービーみたいなユルい画だらけ。キャメロンが関わっていながらこんな画しか撮れないってどゆこと?   それにキャメロン独特の似非フェミっぷりね。女は男と同等でいいという、あくまで男基準の女性像。今回は「本物の男」がほぼ物語に絡まないゆえ、女性の映画的に見えつつ、みんな男の代替品みたいな状態でしかないわ。キャメロン毎度のマッチョイズム映画よ。   映像的には更新されつつも(でもそんなにお金かかってるようには見えない程度のスケール感ね)、お話的には旧態依然とした出涸らし状態、もはや『ターミネーター』ってコンテンツからは新鮮な面白さは何も生み出されないのかしら?   キャメロン自身が『ターミネーター』の世界の理論をキチンと定義・理解してない、ってのはT2時点で思ったのだけど、今回コレで更にハッキリしちゃったのが情けないわねぇ・・・
[映画館(字幕)] 4点(2019-11-10 16:05:46)
24.  マレフィセント2 《ネタバレ》 
 あらら。今回マレ様、完全にミシェル姐さんに喰われちゃってるじゃない。娘婿の母親の言動に振り回されて途方に暮れるママ、って状態でなんだか妙に小市民的よ? ひたすら受け身で、映画の途中からは完全にミシェル姐さんに物語を動かしてゆく役割を奪われてしまうという有り様。わりと最初の方で痛いメに遭って以降、クライマックスまでほぼ動かないのはさすがに主役としてダメなんじゃないかしら?  ミシェル姐さんの忠実な部下的存在の悪役姐さんなんか、命令に従ってただ悪いコトをするだけの人で、もう少し魅力的に描けたんじゃないかしらねぇ。   とは言え相変わらずマレ様とディアヴァルのコンビは楽しいし、オーロラ姫は絶えずキラキラと輝いていてキレイだし。クライマックスはもう少し『フラッシュゴードン』テイストを味わわせて貰いたかったケド(鳥人間総突撃シーンはやたら盛り上がりに欠けるわ)。   でもね、ここに今って時代をきっちり反映させているのが最近のディズニーらしくてね。モロにガス室な描写はナチス的だけれども、そこに描かれる民族主義、差別、分断、対立の世界は退行しつつあるこの世界を象徴していて重たい危機感が漂っているのね。  ヴィランズが主役のダークファンタジーという特性を活かしたテーマだと言えるわね。   それにしても3人の妖精の行く末はアレで正解だったのかしらねぇ。なんだかちょっとショックだわ。
[映画館(字幕)] 6点(2019-10-25 21:21:00)(良:1票)
25.  ジョーカー 《ネタバレ》 
 『タクシードライバー』と『キング・オブ・コメディ』が、つまりスコセッシとデ・ニーロが存在しなければ、この映画も“決して”存在し得ない(だからこそのデ・ニーロのあの役柄なワケだし)って考えると、ちょっとひっかかってしまうのが正直なトコロね。この映画は完全オリジナルなモノとして成立してるワケじゃないのよ、アレもコレも影響受けまくっているのよ、っていうのが見えてしまうから。  でも、ダークな寓話として見応えは十分だったわ。この映画をどう見るか、どう解釈するか、それは受け手に委ねられていて、色々と考えを巡らせることができる深さを持っていて。  コレってホントにあのジョーカーのハナシ? ジョーカーって実はこの人ではない他の誰か? っていうかゴッサムシティって存在したの? この世界で本当にバットマンって生まれるの? っていうかもしかして全部作り話? っていうか映画ってそもそも全部作り話だけど・・・みたいな。これってアメコミ映画っていうよりもむしろ『バロン』や『ビッグフィッシュ』『ユージュアル・サスペクツ』に近いかしら。   そこに堕ちる瞬間、ギリギリの境界を越えるその刹那。それは今この世界を生きる人がなんとなく理解できてしまう、甘美な恐怖。アタシはそこへは行かないわ、とは断言できなくて痛いわ。
[映画館(字幕)] 7点(2019-10-25 20:53:00)
26.  天気の子 《ネタバレ》 
 この虚無感はなに?   家出少年と親を亡くした未成年の姉弟。高校生を殴るチンピラ。銃をぶっ放す高校生。未成年だけで入るラブホテル。高校生に銃を向ける刑事と警官。国家権力に反抗して法を犯しまくる登場人物たち。  今のアタシはそういう刺激的な(あざとい)要素を、物語を楽しむためのドラマティックな題材として捉えられる気分じゃないのよね。   「繊細なフリして無神経」ってのはアタシが前から新海誠監督に抱いてる印象。相変わらずだけど今回はそれが腹立たしくもあって。  東京の西側に生まれ育った身からすれば見慣れた風景、それが「だから?」としか映らず。街が見せる「顔」はそこに住む人間からは必ずしも正しいとは思えず、上っ面のイメージとして提示されたモノに苛立ったりもして。   そう、上っ面。なんとなくそれらしい設定や映像やキャラや美術やエピソードや歌が並べられているけれど、その内側に一体何があったのかしら?いや、何かあったのかしら?  数々の類似した映像、エピソードを思い出しつつ(『時かけ』『バケモノ』な細田作品だの『聲の形』だの『サカサマのパテマ』だの『ペンギン・ハイウェイ』だの水没系なアレコレだの、いちいち挙げるのも面倒だわ、ってそうそう、でも忘れちゃいけない、愛という名のエゴが、リアルに描かれた東京を水没を含む壊滅のイメージの世界に誘う『X』も)、それ以上の何かがあった? それらが提示したモノの意味以上のものがあった? っていうか、それらがキチンと有機的に結合して1つの作品として意味を成してた?  『君の名は。』同様、ダラダラ流れる歌の数々と共に、アタシにはコレがなんとなく感覚的に雰囲気的に酔えればいいじゃない程度のものにしか映らなかったのよね。でも『君の名は。』ほどには娯楽映画として楽しいって作品だとは思えないし(かなり殺伐としてるわ)、かと言って、そんなに作家性なんてあったかしら?   愛にできることはまだあると信じたいけれど(特に今は京都アニメーションに対して)、でも、この映画の愛はそもそもなんだったのかしら? アタシ、それすら見失っちゃったわ。
[映画館(邦画)] 4点(2019-07-22 18:24:54)(良:5票)
27.  トイ・ストーリー4 《ネタバレ》 
 『シュガー・ラッシュ:オンライン』のヴァネロペを批判した以上、この作品のウッディもまた批判すべきなのかもしれないわ。   これまでの『トイ・ストーリー』のルールを逸脱した今作。基本中の基本であったおもちゃの持ち主の存在の絶対性を壊して、おもちゃの自由意志で持ち主の選択、また持ち主そのものの有無の選択を可能とするというのは作品世界そのものの破壊にも繋がりかねないわけね。  その選択の肯定のために前作で尊い存在であったハズのボニーを、ウッディを必要としていない雑な性格の少女へと貶めてしまったし(アンディとは扱いが違って、ウッディがいなくなったことをフォローする描写からは目を背けているわ)、そもそも1作目で自分をヒーローだと信じて疑わなかったバズに対しておもちゃであるという現実を諭したそのウッディが、今回の選択をする資格があるのかどうか、ちょっと判らないわ。それはあくまでボニーの選択によるものじゃなくちゃいけなかったんじゃないの?って。見終ってもにょもにょするのよ。   ただ、『シュガラ:オンライン』のヴァネロペは作品自体が前作のルールを無かった事にしているのに対して、ウッディの場合はその選択の直前までは必死に彼の従来通りのアイデンティティを貫いているのね。1作目で現実を悟らせたバズからの言葉によって最後の最後で自由を選択してるの。だからここまで物語を重ねてきた上で、でももう解放されてもいいんだよ、って言われてるようにも思えるし、そしてもう少し残酷に考えれば、もうウッディの役割は終わったとも考えられて。   ここから新たな世界が開ける、のではなくてウッディの到達点というか、終着点。おもちゃの死。それを希望溢れる世界(おもちゃが到達する天国)として描いたというのであるならば、それはそれで納得できちゃうのね。  今回は子供のパーソナルなイマジネーションの世界から遊離したおもちゃの価値とは?っていうのが描かれていたわけで、ウッディとギャビーギャビーの関係を『カーズ:クロスロード』のマックイーンとラミレスの関係的に捉えると、これはウッディの黄昏の物語にも思えて、そう考えるとこれは結構切ないお話なのかしら?と。ならば評価できるのかもしれない、って。   まあ、ここから更に短編だ次回作だとダラダラと続いたとしたら、もう知らないけど。
[映画館(字幕)] 7点(2019-07-14 21:14:32)(良:4票)
28.  新聞記者 《ネタバレ》 
 新聞を読まなくなって10年近く経つわ。ヤクザみたいな勧誘員が洗剤持って売り付けにくる、紙ゴミがたっぷり挟まってくる、中身もゴミみたいな紙の塊にどれだけの価値があるのかしら? アレって必要なモノ?   コレは嘘つき64歳児、安倍晋三の内閣を元にした映画。語られる幾つものエピソードは実際の内閣のやらかしを引用してるのね。こんなん、大手メジャーが作れるワケもない、コレがメジャーな劇場で公開されたのが奇跡のようにも思えるあたりが今って時代ね。   ただ、この映画を見て「今の日本の内閣はクズよね!」って怒りを燃やしちゃうんだけど、ちょっと待った、この映画はあくまでフィクション。現行内閣の姿を模しているだけ。  現実はマスコミはもっとずっとクズだし(NHKとか読売新聞とか産経新聞とか、ただの政府の犬でしかないわ、ってでも受信料はBS込みで払ってるわよ、それは法で定められた義務だから)、この映画に出てくるような気骨ある人たちなんて今のマスコミには居ないわよ・・・ってところはともかくとして、映画はしょせん作り物。そこに真実がある訳じゃない。  何が本当なのか、何がこの国に起きているのか、それは自分の判断に頼るしかないわ。この映画で語られる「自分を信じ、疑え」こそは今の日本人に必要なスキルなのだと思うの。  この国の政府とマスコミはクズだけど、盲信するのも罪ならば、ただ黙って状況を受け入れているのもまた罪。国は国民が創るものなのだから。  映画はその自らの虚構性までをも利用して、現政権のいかがわしさを超越して、国家権力、マスコミが情報をコントロールし、世論を作り、個人の権利、生命を脅かすようなことがあってはならない、国民はそこをキチンと見ていないと国はどんどん悪い道を進む、と普遍的な警鐘を鳴らしているのね。   『サニー 永遠の仲間たち』や『怪しい彼女』でカワイイのにヘン、って独特な個性を見せていたシム・ウンギョン、正直なところ日本語はたどたどしくてツラめ。だけど力強い演技で存在感を示してるわ。日本で彼女に対抗できる目力の持ち主女優ったら杉咲花くらいかしら?   ラストの議事堂前の桃李とウンギョンのシーンは多くを語ってなくて、あれ、多分絶望的なカンジなのでしょうけど、アタシ的にはあえてあそこには希望が描かれてると捉えたいところね。この映画そのものがそれを信じたいと思っているように。  【追記】ツイッターの「♯新聞記者みた」タグに必死にクソリプ送りつけてるクズ達のせいで、逆にどんどんこの映画の意味が出てきちゃうっていう。日本大好きとか(自称)普通の日本人とか美しい日本を取り戻すとか言ってる連中のやってる事、逆効果。
[映画館(邦画)] 8点(2019-07-07 21:48:52)(良:2票)
29.  ダンスウィズミー(2019) 《ネタバレ》 
 『さよならくちびる』おバカバージョン、みたいな映画だったわ。   矢口監督の映画、『ひみつの花園』から『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』までは好きなんだけど『ハッピーフライト』『ロボジー』あたりからあまり楽しめなくなって。   矢口監督の映画につきものな「いい加減な人びと」、それが高校生ならば「おバカねぇ」って笑っていられるのだけど、オトナとして仕事をしている立場で「いい加減な人」だと、とても楽しんで見てはいられなくなって。  そのいい加減さが物語を動かしてゆくって、不安感、不穏な雰囲気を漂わせてしまってストレス抱いちゃう。  今回の映画もそうで。だからまごうことなき矢口監督作品ね。   その上、歌って踊る映画なのだけど、普通のミュージカルがキャラクターの心や気持ちをそのまま歌や踊りで表現しているのに対して、この映画の主人公は意思に反して、不本意ながら歌って踊ってしまうわけ。それって見ていてあまり気持ちイイとは思えないのよね。  その姿を見て笑うというのを意図しているのワケなんだけど、主人公にキモチを移して見ていると、苦痛に思えて。苦痛なミュージカルシーンって、そこまで意図してたのかしらねえ?   『レ・ミゼラブル』のファンティーヌや『アナと雪の女王』のエルサ、最近では実写版『アラジン』のジャスミンの熱唱は決して楽しいキモチを歌ってるワケじゃなくて、苦しみの中で心から湧き出る想いを歌ってる、でも、コレはそれとは意味が全然違うワケで。歌うのは昭和な既成曲ばっかりだしね。  不穏な雰囲気で進む苦痛なミュージカル、うーん・・・   ミュージカルに抵抗がある人こそ楽しめる作品ということなんだけど、ミュージカルに慣れている身からすると(ヅカ好きだし)、ミュージカルの良さってところからは遠く離れた作品、ミュージカルへの入門にはなりそうにないカンジ。  そこを体験したければ素直に現在絶賛上映中の『アラジン』を見なさい、みたいな。   主人公の姓が「鈴木」だとか、嘔吐シーンがあるとか、監督の作品の烙印は登場するけど、そういうのはワリとどうでもいいわ。伏線やエピソードの回収をちゃんとせずにほっぽりっぱなし、投げっぱなしの悪いクセも相変わらずよ。   『旅立ちの島唄』や『グッモーエビアン!』の頃は透明感のある少女だった三吉彩花はすっかり美しいオトナになって、存在感もあって、良い女優さんになったわね。でも監督はこの映画のオーディションまで彼女の存在を知らなかったそうで、他の人の作品って意外と見ないモノなの?   舞台では実績も人気も十分なのに、映画では何故か不毛な日本のミュージカル、残念ながらこれもそのジンクスを破れる映画ではなかったわ。っていうか、監督、ティーチインでは昔からミュージカル好きって言ってたけど、ホント? 群舞は俯瞰で、ダンスは全身を捉えてステップを見せてこそ、なのだけど、そこら辺、ちゃんとしてたって言えるかしら?
[試写会(邦画)] 5点(2019-06-21 20:42:51)
30.  メン・イン・ブラック:インターナショナル 《ネタバレ》 
 『MIB』、元からそーんなには面白いと思ったことがなくて。小ネタは笑えるけれど、物語は単純、みたいな。3作目は時間ネタで物語が多層式になっていたので楽しめた記憶があるけど。   今回はメンバー一新、だけど豪華キャストにも関わらずパッとしないわ。エマ・トンプソン、リーアム兄さんとベテランを配して重厚になって・・・この映画、重厚さって大事? っていうかそのキャスティングがひたすらもったいないだけだわよ。  主役のクリス・ヘムズワースと、テッサ・トンプソンは、精彩を欠きまくり。個性は決して悪くないのに、物語がそれをちっとも活かせていないカンジなのよね。   今回は007のようなスパイものみたいな感じ。追いつ追われつで世界のあちこちを飛び回る・・・でも、それがあんまり『MIB』の個性とは結びついてない、凡庸な展開という印象で、ワクワクしないのよね。  主役2人を引き立てようとするあまりにエイリアンものとしての個性は薄くなって(印象に残るエイリアンって、あのチェスの駒みたいなちびっこだけでしょ?)、だけどその肝心の主役2人も大活躍というわけではないのでパッとせず、じゃあ一体この映画は何をやりたかったの?・・・意味不明。  伏線とか隠された真実とか、ちっとも物語を面白くする要素として機能してなくて(Mが過去に救ったエイリアンとか、Hの過去の恋とか、単に物語を転がすためのやっつけ設定にしか過ぎないわ)、わざわざ新メンバーで『MIB』を復活させた意味が理解出来ない状態。   最近、ちょっと似た感覚を受けたのが『名探偵ピカチュウ』だけど、あれは「ピカチュウ可愛い」だけで成立しちゃう映画だからいいのよね。こちらは「エイリアン可愛い」とか「クリヘム可愛い」とかだけで成立しちゃえないワケで、なかなかシンドい映画。
[映画館(字幕)] 4点(2019-06-17 18:41:54)(良:2票)
31.  町田くんの世界 《ネタバレ》 
 前田あっちゃんのキャラが最高ね。彼女が全編に渡って映画を引っ張ってくれたならば、どんなにか楽しい映画になっていたことか・・・   映画は、前半はとても楽しめたわ。町田くんと接した人びとに訪れる変化の物語は、なんだか心がほわほわして。  だけど、後半になって町田くん自身の物語に移行すると、歯切れの悪い、テンポの悪い状態になってしまって、映画に対する興味も半減してしまった感があって。町田くんってキャラ自体は必ずしもキモチのイイ存在じゃないもの。あくまで彼の行為によって影響を受ける人の姿、っていうのが気持ちいいワケで。  元々、それぞれのキャラの描写が弱い感じだったので、クライマックスのノリは盛り上がるよりもご都合主義的な、それってわざとらしくてちょっと恥ずかしいわ、ってカンジになっちゃって。あの記者というかライター、彼なんかはあそこまで必死になれるほど町田くんとのエピソード重ねてないし。   それに、安易にスマホを悪いモノとして記号的に描くのもどうなのよ?って。今時スマホを悪意の象徴として描くとか、無理あるのよ。今の時代にそこを避けたり排除したりしてそれで通用しないでしょ? そこら辺はちょっともう古い感覚になっちゃってるわよね。古びたシネフィル的思考よ。  モデル青年がプレゼントを棄てる件は最近実際に炎上した動画にピッタリ符合してて、時代を映してる感があったけれど。   オーディションで選ばれたメインの2人はとても良かったわ。脇をベテランな人びとに固めて貰って、初々しい爽やかさを放って。   あと、クライマックスでいきなり「え?」って展開になるんだけど、アタシはその展開そのものよりも、かなり微妙なデジタル合成っぷりにハラハラしちゃって。ぎこちない画が延々と続くので、ミョーな不安感に包まれるハメになっちゃって。観客が合成のクオリティの心配しちゃう、っていうのは邦画独特の残念な特徴よね。洋画だとそういうコトってあんまりないもの。   映画そのものは期待したほどじゃなくて、結論としてはあっちゃん最高!!というところが最大のポイントね。
[映画館(邦画)] 6点(2019-06-11 19:57:37)
32.  スノー・ロワイヤル 《ネタバレ》 
 今回もまたリーアム兄さん怒りの鉄拳炸裂・・・って映画とは、ちょっと違ってたわ。  オフビートというかダウナーというか、『ファーゴ』と『ジョン・ウィック』を足したような世界で(ちょっと『スリービルボード』的でもあるかしら?)、いっぱい人が死んでゆく、だけど笑いを散りばめた、ブラックな映画ね。   派手なアクションを速いテンポで繋いでゆくような映画ではなくて、ロングショットで淡々と描くようなシーンが多くて。  どこに行くにもファー付き作業着なリーアム兄さん、ヘンな個性が集まった不真面目なマフィアの人びと、ちっとも役に立ってなさそうな警察。まとまりが全くない群像劇みたいな映画で、リーアム兄さんの映画って括りだと、ちょっと物足りないかな。前半こそリーアム兄さんが復讐に燃えてガシガシ進んでゆくんだけど、中盤以降は物語があっちこっち迷走を始めて、混乱劇状態になっていって。   それでも、幾度となく反復される街に向って疾走する映像とか、死者を告げる字幕とか、セオリー通りには進まない物語とか、映画の作りに対する興味はいっぱい湧いてくるので、退屈することは無くて。めちゃくちゃ面白い!ってワケでもないケド。  アタシ的には、まだ子供なのに、なんだか達観したカンジのマフィアのボスの息子がスキ。   タランティーノ的なカンジをウリにしてるけど、タランティーノ作品よりは色々と大人しめね。
[映画館(字幕)] 6点(2019-06-09 21:02:00)(良:1票)
33.  アラジン(2019) 《ネタバレ》 
 アニメ版の『アラジン』ってアタシ的にはそんなでもないのよね。  何が悪いって、ロビン・ウィリアムズのジーニーが、アメリカローカルネタ、時事ネタに偏っていてディズニー作品としての普遍性に欠けた映画って感じで(今見たらジーニーのネタ部分って明らかに古びちゃってるでしょ?)、その上にロビンらしいウザいキャラで。アレをちっとも愛せなかったので作品的にもあんまり。  『ホール・ニュー・ワールド』はディズニー作品の中で最も好きな歌だし、ジャスミンは二番目に好きなプリンセスだけど。   で、今回の実写化もそんなに期待してなかったのね。アラジンとジャスミンはパチもんみたいだし、ウィル・スミスはまんまウィル・スミスだし。世間で『ホール・ニュー・ワールド』流れ過ぎで有難味なくなっちゃってるし。見るのはディズニー好きとしてのノルマ?みたいな。   ところがこれが大傑作。  映画はアラジンとジーニーのバディムービーになって、二人がジャスミンのために頑張る、みたいな。ジャスミンの存在を大きくして、むしろアラジンはジャスミンをフォローするような立場、女性の地位向上を描く、それは最近のディズニーらしさが出てるワケだけれども。  ジャスミンの役割を大きくしたために『ホール・ニュー・ワールド』のシーンがオリジナルよりもっと重要な意味を持って、めちゃくちゃ感動。  一方でジーニーをアラジンの「友人」としたことでクライマックスは大きな感動を呼んで。もう座席の両側のおねえさん達と揃って泣いたわ。   明らかにマサラムービーの影響を受けてるミュージカルシーンの煌びやかさの一方、意外にアクションにあまり重きを置いてないのは潔いわ。延々アクションシーン見せ続けたところで、ストーリー停滞させちゃうだけだものねぇ。   ジーニーはウィル・スミスから抜けてないけれど、ウィル・スミスならではのジーニーになってるし、ウザさは最初の方だけだし。メイン二人のパチもん感も最初だけだし。ジャファーはちょっと若過ぎじゃない?って思ったけれど、役柄的(野望の内容的)にはあのくらいのトシの方が合ってるのかもしれないしね。   ディズニーの実写化や続編って保守的過ぎたり、逆にオリジナルを破壊、冒涜しちゃってない?って状態だったりする場合があるのだけれど、ワクワクもキラキラもドキドキも感動もパワーアップして、今回は本当に上手くバージョンアップできましたね、って。  見ている間、ディズニーが好きで本当に本当に良かったって幸せ感に包まれてたわ。
[映画館(字幕)] 10点(2019-06-09 20:37:58)(笑:2票) (良:1票)
34.  君は月夜に光り輝く 《ネタバレ》 
 明らかに『キミスイ』の柳の下のドジョウを狙ってるのが見え見えで(監督と主演が一緒だし)、だけどそれでも映画に酔えればいいのだけれど、『キミスイ』には及んでないわ。かなり劣るカンジ。   この映画の最大の欠点は永野芽郁を病院の外に出せないこと。その分、北村匠海が動いてゆくことになるのだけれども、彼の単独行動じゃどうしたって映画のキモチは永野芽郁から離れていっちゃう。永野芽郁も一緒に連れ出さないといけなかったハズなのね。それはもちろん病院から連れ出せないっていう基本設定は守った上で、彼女のキモチとか想いとかを連れてゆく、という。だけど、ソレをクライマックスの感動的な見せ場の仕掛けとして設定しちゃったものだから、そのテを使えず、永野芽郁はコマ切れで登場する状態になっちゃった。   その上、エピソードがいちいち単発状態で繋がりがちゃんとしてないので(もう娘に会わないで→間無し→会いに行っても平気、もう来ないで→間無し→会いたい)流れが生まれず、話が盛り上がってゆかないの。エピソードのコラージュ状態で描いてゆこうとするならば、もっともっとエピソードを重ねるべきだったのかもしれないわ。   架空の病気はあんまりな合成状態でヘンだし。っていうか、二度目の発光はアレ、匠海はもう彼女を逝かせてあげたいと思ったワケ? 屋上出るとヤバいってのを承知の上で光らせたみたいなカンジなんだけど。   それでも見られる映画だったのは北村匠海と永野芽郁って二人の実力、それ以外の何物でもないわ。北村クンは『キミスイ』とキャラカブり過ぎだろ!って状態ではあったのだけどさ。
[映画館(邦画)] 6点(2019-06-06 21:30:22)
35.  プロメア 《ネタバレ》 
 映像は良かったわ。  スクリーンいっぱいに色とカタチが乱舞する世界。炎側を三角、水(氷)側を四角でシンボライズして、三角と四角の戦いの世界にしてみせてるのが楽しくて。ちょっと『スパイダーバース』みもあって。  それに故・金田伊功氏の精神を受け継いだかのような、『幻魔大戦』クライマックスを思わせる炎の龍の乱舞も気持ち良く。  ハイテンションな映像の暴走ワールドを堪能させて貰ったわ。   だけど物語や設定はありがち(『バーニングレンジャー』で『ヴァレリアン』してみました、みたいなハナシよ)で楽しめたとは言い難いのよね。  なんと言っても設定が劇場用アニメのカサじゃないのよ。1クールとか2クールとかあるテレビアニメ用のソレみたいな状態で。キャラは多いし、メカいっぱいだし。それを無理矢理2時間弱の映画に詰め込んでる感じで、いっぱい出てくるクルーの殆どが描写不足。「こういうデザインでこういう喋り方なんで、これまでの既成作品の類型キャラから連想して察してくださいね」って状態になっちゃってるのよね。もう記号でアニメ作っちゃってるの。最近のアニメの悪癖そのまま出てるわけ。   あと声、松ケンは見事ね。もうそのまま洋画の吹替えとかアニメ声優とかで十分通用するわよ。一方、堺雅人は聴き取りづらくてちょっと困っちゃった。セリフの端々で発声せずに息だけで喋るのよ。それで良しとしちゃったのが意味不明だわ。   勢い、テンションだけで突っ切ってゆけると思ってる?ってカンジの映画で、実際、突っ切れてないこともないかなぁ?とは思うのだけれども、どうしてもひっかかるところは色々あるのよね。
[映画館(邦画)] 6点(2019-06-06 20:25:47)
36.  アナと世界の終わり 《ネタバレ》 
 『ハイスクール・ミュージカル』や『glee』みたいな青春ミュージカルと『ショーン・オブ・ザ・デッド』みたいなゾンビものを融合させたら面白いんじゃない?ってアイディアは良かったと思うのね。で、そこで終わっちゃったカンジ? 完全なアイディア倒れ。   歌はよく出来てたと思うわ。歌詞が色々と語っていて、歌唱力もあって、なかなか聴かせるナンバーの数々。  でも、ゾンビものとしての展開を始めて以降のユルい、ユル~い展開は、やる気ないの?みたいな、コレを見せたいんだ!って気概をなーんにも感じさせてくれない、ダラダラとダメなゾンビ映画を見せられている状態。『カメラを止めるな』の冒頭部分よりも、FOXムービーでよくやってるタイプのゾンビ映画よりもユルユル。  ゾンビが迫る恐怖、ゾンビとの戦い方、ゾンビからの逃れ方、スリルやサスペンス、そういう部分になんの工夫もなく、ただ凡庸な脚本をだらーっと消化してゆく感じで、まったくやる気を見せて貰えないので、「日常から逃れたいと思っていたら、とんでもない非日常がやってきちゃいました」っていうメインテーマがちっとも生きてこないのよね。何かひとつ、ゾンビものとしてのこの映画の個性を出せていたら良かったんでしょうけど(演出でもカメラでも編集でもメイクでもなんでも)、なーんにも。ミュージカル部分さえちゃんとしてれば、ゾンビ部分はどうでもいいとでも思ったのかしらねぇ?   役者さんは結構個性的で良かったのよ。でも、それがもったいない脚本で、そんなところでそんな風にありきたりにゾンビ化しちゃうとか役柄的にではなくて役者として可哀想ねぇ、なんて状態。リサ役のコなんかとても魅力的だったのにねぇ。主人公のアナよりもリサの方が好きだったわ。   マジメにも不真面目にもなりきれなかったハンパな映画、もっともっと熱いパワーが必要だったんじゃないかしら?
[映画館(字幕)] 4点(2019-06-05 19:49:52)(良:1票)
37.  さよならくちびる 《ネタバレ》 
 門脇麦と小松菜奈の百合映画なんて、それだけで満点じゃなくて?  なんていう汚れた心にパンチ食らわせながらじんわり癒してくれるような映画だったわ。   険悪なムードで解散へと至るインディーズデュオのハルレオと付き人シマ。ロードムービーのカタチを取りつつ、過去に戻ったり、ファンの姿、ローカルテレビのインタビュー、書きかけの詞なんかをコラージュして、出会いからそこに至るまでのハルレオの姿を浮かび上がらせてゆくのだけれど、この映画、幾つもの矛盾をぶつけてくるの。  全く違うようでよく似ているハルとレオ。儚げだけど強くて、だけどやっぱり弱い二人。頼りないけど頼れるシマ。それぞれがそれぞれを大好きなのに、だからって上手くはいかない、好きなのにどんどん壊れていっちゃう。キビシいようでいて優しい映画。切なくつらいのに、何故か幸せな気持ちになれる映画。   この映画、色々と物語るワリに物語になろうとしないのよね。ハルとレオが出会って間もない頃にハルの家でカレーを食べるシーンでの長回し、その1カットで色んな事が語られるのね。カレーを食べながら泣き出すレオ、頭をハルの肩にもたげ、そのレオの頭にそっと口付けるハル。そこにはふたりのいろんな背景が描かれているわ。でも、それを物語として結実させようとはしないの。3人の最後の晩餐もカレー、そして出発点に戻る、行きて帰りし展開が、だけどそれがきっちり物語として閉じているとは言えないのよね。  ※ここからラストについてのネタバレ※   その、閉じなかったラストシーンについては結構否定的な評価を見かけるのね。台無しって。でも、アタシ的にはアレ、つまり物語としての区切りを付けてないだけだと思うわけ。見た人それぞれに想像するでしょうけれど、アタシはあの後やっぱり解散すると思うのね。でも、少しだけ先送り、もう少しだけ3人の時間があってもいいかな?みたいなキモチ、って。まだ3人にはそうしてもいいだけの時間があるんだもの。何かをハッキリ決めなくちゃならないようなトシになるには、まだもう少し時間がある、そういうコトよね。それが青春、青春映画。
[映画館(邦画)] 9点(2019-06-03 22:17:28)(良:1票)
38.  ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 《ネタバレ》 
 ベースが明らかに『三大怪獣 地球最大の決戦』と『怪獣大戦争』でチャンピオンまつり世代歓喜ワールド、だけど初代原理主義もしくはシン・ゴジラ原理主義の人には向いてなさそうよね、コレ。アタシは怪獣映画なんてテーマだのメッセージだのメタファーだのなんてさして重要じゃなくて、怪獣が出てきてドタバタ暴れてナンボだと思ってるんで、まあまあ面白かったわ。   ただ、人間側のドラマは前作に引き続き退屈。怪獣と人間のドラマは水と油、って何度も書いてきてるけれど、今回も混ぜようと無理してて、でも全然なのよね。いちいち怪獣に近づき過ぎだっての。潰されても仕方ないわよ?みたいな状態になってんの、っていうか実際にそうなっちゃうあの人はアレで良かったのかしら? それなりに名前のある役者さんのあの退場っぷり、『ディープブルー』のサミュエル思い出しちゃったわよ。   悪役の中二病全開な怪獣復活テロの理由とか、核の扱い雑過ぎで被曝しまくりでしょ!って状態とか、怪獣による被害描かれなさ過ぎとか、まあ、ツッコミどころだらけで、だけど良くも悪くもそういういい加減さもまた怪獣映画らしい、っちゃらしいのよね。   地球の守護神的な描き方は平成ガメラみたいだし、傷付いて海の底で休んでるところに潜水艇で助けに行っちゃうあたりは昭和ガメラの世界だしで、ガメラファンも満足?   でもやっぱり今の技術で巨大な怪獣がスクリーンいっぱいに暴れてる姿を見るのは気持ちいいのよね。巨大感を意識し過ぎて見辛くなっちゃってはいるのだけど(っていうか一体何が映ってるのかわかんないカットが結構あったわ)、人の力では到底太刀打ちできない畏怖すべき怪獣って存在を迫力いっぱいで見せてくれるのは単純に嬉しいわ。  モスラの美しさ、その役割なんか、よーく判っていらっしゃる、って描き方で(予告編時点ではバトラみたいになっちゃったよー、って嘆いたケド)、それぞれの怪獣のイメージをきっちり守ってみせたレジェンダリーチャンピオンまつりだったわ。  アタシ的にはもっとくだけちゃっても良かったんじゃない?とは思ったけどね。
[映画館(字幕)] 7点(2019-06-03 21:19:39)
39.  アベンジャーズ/エンドゲーム 《ネタバレ》 
 まずはこれだけの巨大な映画を世に送り出した、その労力を讃えましょう。みなさん、お疲れさま。MCUを創った人々も、それを支えてきたお客さんたちも。   さて、評価はみなさんが色々お書きになられるでしょうから、アタシはごくごく個人的なグチとか戯言とか書いとくわね。ハードなネタバレ注意ね。   結局、「魔法」に対抗できるのはタイムトラベルなのね、とか、前作の生き残り組の人選理由が判った、とか(これまでご苦労様映画だわよね)、MCU全作しっかと見て記憶してないと心からは楽しめないとか(過去作の色んなシーンにリンクしまくるのよね)、次の『スパイダーマン』はクラスメイト全員揃いも揃って5年間消えてたワケ?とか、そういうの色々あるんだけど、何より思ったのは結局このシリーズ、キャップが好きなのねぇ、って。   アタシ、キャップあんまり好きじゃないのよ。正義に対してウザいくらいに真っ直ぐ真面目(堅物)で、だけどバッキーだけは例外ねー、って。何それ。主演作ですら「そうよさっさと盾返しなさいよ!」ってちっとも主役に気持ち乗せらんないキャラで。アタシ社長派だし。  で、最後に社長に花持たせるかと思いきや、あくまでキャップバンザイでしょ。あれだけのコトを経て、キャップだけどんだけハッピーエンドよ?みたいな。充実した人生送りまくりました、って、これだけシリーズ重ねて、犠牲になったのがアタシのご贔屓二人って状態で、よくもそんなラストカットで終われるわね!って。  判ってるわよ、あの6つを返しにゆく道程はそりゃあ大変な、波乱万丈の世界でしたでしょうよ。でも、そこを経た後としてもアレはズルいわ。っていうかエピローグ、バカみたいに長過ぎよ。色々泣けたけど。   まあ、もっとも扱いが悪かったのはソーだけどね。まさか、あのまんまで終わっちゃうとは思わなかったわ。クリヘム、アレで満足できたのかしら???
[映画館(字幕)] 7点(2019-04-28 21:16:21)(笑:2票)
40.  バースデー・ワンダーランド 《ネタバレ》 
 原恵一監督作品ということで期待しちゃったけれど、フツーのよくあるファンタジーね。『ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~』や『ポッピンQ』『ひるね姫~知らないワタシの物語~』なんかと明らかに違った突き抜けた個性みたいなのは無かったかな、って。   こんな世界なんですよ、ってばーって見せるような圧倒感とか高揚感とかって無くて、たとえばハエになっちゃったヒポクラテスが城に向かうシーンなんかはCGで1カットで飛び回って世界を見せてくれたりするといいんだけどって思ったけど、数カットの背景のみ、ってジミさ加減で。でもあくまでCG使わない、ってワケでもないしねぇ。美術設定はちゃんとしてても、それをこれ見よがしに披露する気はないみたい。でも、ファンタジーってそこで魅せてこそ、って気もするのだけどねぇ。   あと、ベテランで実写映画までこなしている原監督なワリにカットの繋がりがおかしかったりぎこちなかったりする箇所があったりして。崖の道で石が落ちてくるカット、クルマはそのカットでは停止する表現がないけれど、次のカットでは既に停止してるわよね? アタシの見間違え?   それでもキャラは魅力的だったわ。主人公のアカネが小学生には見えなくて、冒頭すぐのランドセル背負ってるシーンはかなり前の回想?とか思っちゃったけど、でも、全く性格の異なる叔母のチィとのコンビ、そのかけあいが楽しくて(既に声優として数こなしてきてる安定の松岡茉優と、チィの雑な性格に合ってる杏と)、そこだけで最後まで見られるモノになってたカンジ。逆に言うとソコがダメだとシンドくて仕方なかったでしょうね、って状態ではあるのだけど。   世界の危機と言いながら、実は極端にスケールが小さいというか、ごくごくパーソナルな理由で危機が起きてる、悪の組織かなんかが存在してるのかと思ったら、それだけかい、っていうのは肩透かし感ハンパないのだけど、コレって『不思議な国のアリス』から綿々と継がれた系譜、少女の通過儀礼なオハナシ、アカネの辿る成長の道はあったか~く見ていられたわ。ちょっと能動的に動き出すのが遅すぎな気はしたけど。城に着くまではチィの方が主役っぽかったものねぇ。   色々と惜しいカンジの映画、ラストなんかも読めまくっちゃうのだけど、でも、そこをクドクドと説明しない、コッテリと押しつけない美徳、それが原恵一監督なのかもしれないわねぇ。
[映画館(邦画)] 6点(2019-04-28 20:21:03)
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