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レインさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 885
性別 女性

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21.  キャバレー(1972)
1930年代のベルリン。 芸人の華やかな世界を見せる一方でナチス台頭の時代背景をチラつかせることによりひきしめ、原作が「ベルリン・ストーリーズ」というように物語も一つじゃない。 イギリス人歌手とアメリカ人学生の関係にドイツ貴族もからんで、ブライアン(マイケル・ヨーク)の忘れていた設定が後で生きてくるのには思わずゾクッと。 白塗りMCのジョエル・グレイ、マリサ・べレンソンのユダヤお嬢様もオモシロイのだった。 ボブ・フォッシーの映画は自伝的な「オール・ザット・ジャズ」の方がより好きだけれど、ライザ・ミネリの強い個性が天真爛漫な歌手サリーで生きて、「私は子羊じゃなくてトラ、自由な根無し草」と歌う"MEIN HERR"、そして何といっても"CABARET"「人生はキャバレー」♪ 犠牲をはらっても夢を追おうとするサリーの望みはこの時代の中で潰えるのを予感させつつも、ライザの生命力にみちみちた存在感はオーディエンスの心からはずっと消え去らぬはず。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-05-20 07:00:03)
22.  ニューヨーク・ニューヨーク
サックス奏者デ・ニーロの役はあんまり好きじゃないな、悪い人じゃないけど不安定でヤクザっぽい男。 ライザ・ミネリの歌うシーンは素晴らしい♪(特にタイトル・ナンバー!) スコセッシの思い入れタップリの贅沢ミュージカルは冗長に過ぎて、2時間半は長かった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-05-19 07:00:03)
23.  ハリーとトント 《ネタバレ》 
長年住んでいたニューヨークのアパートが取り壊され、ひきとられた長男の家には居ずらく旅に出る老いたハリーのロードムービー。 経済的に困窮していないのは安心感と物足りなさ半々だけれど、ニューシネマのようにただ自滅に向かうのではないのはいいと思う。 ハリーの子どものうち後からでてくる2人は有名な俳優さん(バースティン、ハグマン)、最初に同居していた親思いの長男は父親と妻の間に立たされてかわいそうだった。 キッツイ奥さんも旅の途中の電話に出た時に泣きだしたことになっていて、自分が追い出したようで良心がとがめてたんだろうな、と和む。 行く先々の様々な出会いが心をあたため、相棒の食いしんぼう猫トントもかわいくて、だからあの姿は胸にしみた。 昔語りをした友の死もハリーに寂しさと共に自分に残された時間がそう永くないのを感じさせてた。 トントに似た猫もいるあの場所で、ハリーは残された人生を心安らかに過ごしたんだね、きっと。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-03 00:25:40)
24.  アイス・キャッスル
フィギュアスケート映画の草分け的な存在。 少女マンガチックな○○のスケーターの青春、タイトルも「氷の城」。 時代を反映してジャンプはダブルまでだけれど、マーヴィン・ハムリッシュのテーマ曲「この愛に生きる」にのって、清楚なブルーのコスチュームで滑りきるレクシーは美しい。 一度は奈落におちた彼女を支える人々にスケリットやベンソン、デューハースト(「赤毛のアン」のマリラ)といい役者がそろい、ラストも心にくい演出。 実績あるスケーターでもあったプラチナブロンドのリン=ホリー・ジョンソンは、これで注目されて「007/ユア・アイズ・オンリー」のボンドガールに。 2010年リメイク。
[地上波(吹替)] 7点(2011-01-01 00:00:01)
25.  ガントレット 《ネタバレ》 
「ミッドナイト・ラン」ほどじゃないけど、好きですよ。 イーストウッドが「ハリー」3本の後、彼とは違うタイプの刑事を演じ(+撮り)たくなったのは何か思うところあったのだと。 型にハメられたくない、カッコつけるのはアキた、SよりMがいい、とか。 彼だと「二流のあまされ刑事」には見えにくいですけど、ショックリーは耐える男。 クレバーなフッカー、マリーがグリーンのシャツ着てるのもよし、彼を救うためにそれを脱いでも胸がナイのもよし。 家やバスをメチャクチャ撃たれるのが「ボニ&クラ」的なアメリカのバカっぽさだけどハイライト、ヘリ撃墜もホンモノ使ったのは少ない。 (この頃からのソンドラ・ロックとのプライベートな関係は抜きにして)同じ7点でもHARD-BOILED HARRYにはない軽さがナイス、SFアートの巨匠フランク・フラゼッタによるポスターもクール。
[地上波(吹替)] 7点(2010-11-06 15:00:04)
26.  ダーティハリー
ハリーのデカいマグナムもデカいサングラスも苦味走った表情もキメ台詞も音楽も、そんなにカッコイイとは思わないんですけど、普通のポリスアクション物のみならず「俺がハマーだ!」みたいなギャグや「ロボコップ」にも影響を与えた元祖ガンマン刑事の心意気はね。 大迫力のスコルピオの俳優さんはこれで有名になっても役のイメージがつきまとったようで、ハマリ役とはいえ気の毒な気がします。 今でこそ強烈な悪役はモテはやされる(それもどうかと思いますが…)風潮にありますが当時は違ったのでしょう。 映画は誰かをスターに押しあげる一方で、誰かの人生をねじまげる怖い存在でもあると思うので。 スクールバスの子供たちも映画の撮影とはいえトラウマになったんじゃない? 「刑事ジョン・ブック/目撃者」の主犯ジェゼフ・サマーがここでも主人公を怒らせる当局の嫌な奴。
[地上波(吹替)] 7点(2010-11-05 00:00:06)
27.  ダウンタウン物語
「小さな恋のメロディ」の脚本を書いたアラン・パーカーが初めて監督に。 子供や若者の世界を描いた活気ある作品が一番の持ち味だと思いますが、この子供だけによるギャング映画も楽しい♪ アイディア一発勝負の映画でもちゃんと成功してるから。 歌姫タルーラは単純に一番きれいなジョディ・フォスターかもしれないし、タイトなドレス&メイクがセクシー。 歌は吹替えだけどポール・ウィリアムスのメロディが覚えやすく、男の子たちもポマードとスーツでいっぱしの大人を気どっているのがカワイイ。 クリームやパイが飛びかう銃撃戦も見ていて安心、ギャングをおちょくったカリカチュアでもありますよね。
[地上波(吹替)] 8点(2010-09-06 00:00:03)
28.  白い家の少女
ほかにはない雰囲気のある作品、自分で自分を守る少女のピンと張りつめた美しさ。 この年はジョディ・フォスターの第1黄金期、輝くトライアングルの一角をなす。 ロングの金髪は多分カツラ? この時だけ長くて髪質も違うので。(後ろ向きで服を脱ぐシーンはお姉さんのダブルですが、同じカツラをつけているのでバレないのだと思いマス) マーティン・シーンもまだ若くて息子たちにソックリ、アーモンド食べると思い出される映画。
[地上波(吹替)] 7点(2010-09-05 00:00:08)
29.  キング・オブ・ジプシー
ニューヨークが舞台のジプシー版ゴッドファーザー。 汚れた家業を嫌ってファミリーと距離を置く跡継ぎが否応なしに血に染まっていくパターンはやはり虚しい。 無能な息子に見切りをつけ孫に期待をかける老キングとそれを嫉む父に挟まれる息子。 「ゴッドファーザー」と違うのは闇の中に茫漠とした希望を見せることだ。 「(時代に取り残された)彼らを20世紀に連れて行けるだろうか?」 自問するデイヴ。 ジュリアの兄エリック・ロバーツはまだ交通事故前の容姿、「プリティ・ベビー」のブルック・シールズが髪も肌も染めて闘争の犠牲になる妹チタに、スーザン・サランドンはここでも彼女の母親である。 挿まれるジプシーダンスや音楽が彼らの熱き血を語る。 願わくば新王がよき治世を行わんことを。 (放浪紳士チャーリー様がまだお書きでないですが書かせていただきました~)
[映画館(字幕)] 6点(2010-08-16 00:15:03)
30.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 
誰も好きにはなれないが、状況はやるせない。 戦争がなければ流されることもなかったジョヴァンナの涙。 残された二人も消えることのない罪悪感を植えつけられること必至。 アメリカ映画では軽妙なスコアが多いマンシーニはイタリア映画にマッチした悲壮感に満ちた曲を書き、戦死者の骸(むくろ)の上には咲き誇る陽(ひ)の色のひまわり。 シネマは視覚・聴覚から強いイメージを刻むことができれば半分は成功したようなもの。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-26 01:11:39)
31.  テス 《ネタバレ》 
トーマス・ハーディのもう一つの厭世的な作品「ジュード」(「日陰のふたり」)と同様に悲劇的内容ながら、ナスターシャ・キンスキーのあでやかな美しさとドーセット地方の緑ゆたかな田園風景が淀んだ水の中の白い石のごとく光を放つ。 天井より滴り落つ血は運命に翻弄され続けたテスが一矢報いたと言うべきか。 されど断罪さるべきは粗暴な支配者アレックよりも天使の名をもちながら身勝手な理想主義者であったエンジェルかもしれず、されば彼がテスとともに罪人として牽かれてゆく結尾には納得がいき、原著のテスの妹の存在を抹消したのは頷ける。(テスの望みとはいえ彼女の処刑後に彼がその妹と添うのは如何なものか) 朝霧流れるストーンヘンジの岩に身を横たえるテレザ・ダーヴィフィールドは、その呪わしき名と共に自分を苛んだこの世から消え去る時を静かに待っているかに見える。
[映画館(字幕)] 8点(2010-07-09 23:59:59)(良:2票)
32.  フリック・ストーリー 《ネタバレ》 
カタギの仕事についてるアラン・ドロンは少なく、しかも刑事。 緑色のコートをまとうロジェ・ボルニッシュは刑事にしては穏やかな人、兄をゲシュタポの拷問で失ったため部下が容疑者を痛めつけるのを許さぬ寛容さをもつ。 だが連続強盗犯エミール・ビュイッソン(ジャン=ルイ・トランティニャン)逮捕には静かなる闘志を燃やす。 起伏の少ない作りだが、犯人逮捕の遅延に業を煮やし部下を焚きつける部長がアクサン。 無闇に人を殺しまくるビュイッソンにはとても同情できないけれども、彼にも音楽を愛する心があってそれが命取りとなるのが僅かばかり人間味を感じさせる。 取り押さえられた時、反射的にカトリーヌ(クローディーヌ・オージェ)を見やるビュイッソン。 「お前もか」という眼差しが痛い。 凶悪殺人犯の警戒心を解く役を自ら買って出るほど度胸のあるボルニッシュ夫人は眉一つ動かさないが、内心まではわからない。 弱みにつけこみ騙したとの良心の咎を微塵も感じなかったならば、彼女もまた冷血ではあるまいか。 逮捕後1年余に及ぶ聴取でも犯人を人間らしく扱う刑事に捕らえられたビュイッソンは幸運な男かもしれない。 パジャマにスリッパのドロン、美しきオージェ、そしてピアノに耳を傾けるトランティニャン。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-05 00:00:02)(良:1票)
33.  おもいでの夏 《ネタバレ》 
美しい音楽とロケーションで映画らし~く作ってますけど、あんまり好きじゃないかな。 男の子たちの行動はリアルでも、ドロシーや「マレーナ」は男性が作りあげた幻想か偶像に感じてしまう。 そのギャップがいいのでしょうか。 戦争とこの題材を結びつけるのもちょっとズルイ感じ、ドロシーの異常と思える行動のディフェンスにしてて。(「人を異常へ駆り立てるのが戦争」といわれればそれまでですが…) 男の人はハーミーの視点で見てるからいいようなものの、夫の立場だったら?
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-01 02:58:57)
34.  エクソシスト 《ネタバレ》 
ロザリオで少女を陵辱してみせる不敬な悪魔に身を挺して立ち向かう二人の神父は、使命を帯びた賢者の如し。40代半ばのマックス・フォン・シドー扮する老境のファーザー・メリンの重厚さ、彼の絶命により自らの迷いを打ち砕くファーザー・カラスの気迫が圧巻。宗教色の強い映画は好まないがこれは例外といえ、現世では比喩的な意味しか持たぬであろう憑依という事物をかように具象化してみせた、これもまた芸術と呼ばねばなるまい。結尾のリーガンの接吻は彼らへ捧ぐ。
[地上波(吹替)] 8点(2010-05-08 06:00:04)
35.  キャリー(1976) 《ネタバレ》 
キャリー(シシー・スペイセク)の最大の不運は、異常な母親に育てられたこと。 萎縮してしまい、本来の自分を出すことができずに学校でも「変な子」扱いの彼女がほんのちょっと自信が持てると、プロム用の素敵なドレスも自分で仕立ててしまうほどの才気が顔をのぞかせ、どんなに抑圧されていたか。 スー(エイミー・アーヴィング、スピルバーグの最初の奥さんです)が急にいい人になってしまうのは唐突にも感じられ、最後なんか悪気はなくともきっかけを作った彼女への報いじゃないかとも思えて。 トミー(ウィリアム・カット)は、名前といいへアスタイルといい、ロック好きのデ・パルマが「Tommy/トミー」にあやかったとしか。 最初は頼まれ仕事だったのが、だんだんと変身したキャリーに惹かれていく流れが自然なので、彼と先生は「除外」してほしかったな。(カット自身はTV「アメリカン・ヒーロー」で復活) トラボルタや10年後「ロボコップ」のルイス巡査となるナンシー・アレンが悪役。 監督の「ファントム・オブ・パラダイス」より映像的にも洗練(アレで導入された画面分割が、コレでは動くようになってるのが効果的)されており、スゴイ映画ではあるけど無差別殺戮なので、そのヘンちょっと気になります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-05-07 06:05:25)(良:1票)
36.  ペーパー・ムーン
現実のオニール父娘よりイメージはずっとよく、ほどよく乾いた紙のお月さまはパリパリとした感触。ボグダノヴィッチの代表作2本ともモノクロなのはちょっとズルイぞって気もしますが。このマデリーン・カーンといい、ボグダノ監督はクセのある女優を好みますよね。オニール父娘がお好きな方は「ニッケルオデオン」もどうぞ。
[地上波(吹替)] 7点(2010-05-04 06:00:18)
37.  007/黄金銃を持つ男
007って題名にゴールドやゴールデンがつくのが多いのが成金っぽくてダサい気がします。ムーアもボンドになじんできたよ~に見えますが、クリストファー・リー演じるスカラマンガ(なんか笑える名前…)の黄金銃は組立てに時間かかるわりに出来上がりはショボイし、自慢の秘密兵器もエコ仕様。おっちょこちょいなミス・グッドナイトのキャラと水着は○、モード・アダムスは9年後の「オクトパシー」より当然だけどフレッシュ。(BGは若くないと!)ニックナックはしちこいけどなんだか憎めないのです☆(これでロジャーのも終わり、残るはショーンのみ)
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-16 07:24:01)
38.  007/死ぬのは奴らだ
ムーア・ボンド・デビュー作だけど、あんまりよくないかな~★ キャストは魅力。若いロジャー、初々しいジェーン・シーモア、悪役は「エイリアン」「ミッドナイト・ラン」のヤフェット・コットー。ペッパー保安官のクリフトン・ジェームズは「スーパーマンⅡ/冒険篇」でも同じタイプのシェリフに。マッカートニー&ウィングスのテーマ曲はもしビートルズが担当してたらこんな感じ?と思えます♪ そういう要素は楽しいし、ソフトなロジャーは女性向きの007。マネーペニー(故ロイス・マックスウェル)との相性はショーンの方がよかったけどね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-15 06:30:56)
39.  バリー・リンドン 《ネタバレ》 
レドモンド・バリーの流転の人生。「虚栄の市」のサッカレーの上流階級を冷笑する筆致とキューブリックの人間性を排したような作風が噛み合い不可思議な世界を形作る。理想や模範からは遠いところにいるバリーの見えぬ心に添うこともならず、石の如く転がってゆく人生を眺むるのみだが、それに飽くこともない。ライアン・オニールも演技よりも貌(かお)が求められているのだろう。叔父の家に身を寄せる身分であったバリーが決闘により世に出で、決闘によりそこから退場するまでの年月を立身出世と呼ぶにはあまりに卑俗であり、一粒種に先立たれても天誅としか感じないが、最後の決闘場で僅かに人間らしさを覗かせることで若干の憐憫の情が湧く。もう一つの選択をすれば先は違ったろうが、そうしなかったのは既に自分のまやかしの人生に倦み未練なしとも受け取れるのである。しばしば使用された機材が引き合いに出されるほど美しく撮られた壮麗にして絵画的な画面に陶然となるが、観賞は一度で十分と思えるのはその虚しきライズ・アンド・フォールを今一度とは心が向かぬからか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-02-10 07:13:34)
40.  デュエリスト/決闘者 《ネタバレ》 
「バリー・リンドン」と並び称された映像美。 数千本のCMをこなしていたリドリー・スコットは最初の劇場用映画として、ジョゼフ・コンラッドの短編小説(「エイリアン」のノストロモ号の名もコンラッドの作品からとっている)をベースに長きにわたり決闘を繰り返すフランス軍人デュベールとフェローの奇譚ともいえる物語を織り上げた。 些細な事から始まったそれは図らずも彼らの人生を誇りと血で彩る。 好漢デュベールにいわれのない怨恨を持つ偏執狂的なフェローは、彼への執着を没落の一途をたどる皇帝ナポレオンへの忠誠にすりかえる身勝手さ、デュベールも辟易しながらも影ではフェローの命乞いを行うという複雑な心境を見せ、絆と呼ぶには不可思議な関係が16年に及ぶ。 カイテルとキャラダインは二人を映す鏡として適役。 デュベールをめぐる二人の女性、ローラは介入を許されず去りアデルに至っては夢にも知らぬまま、男だけの世界であり、もはや闘う理由などはさしたる意味をなさぬように思われる。 意地か時代に逆行する一騎打ちの陶酔か。 最後の死闘の果てにデュベールの真情は吐露されるが、崖より彼方を見晴るかすフェローの心に去来するものは何か。(スコットが映画監督になるにあたり先人のキューブリックの映像が頭にあったのは1作目と2作目を見ると歴然ですが、その中にもスコットらしさというものはあり、キューブリックほど人間性を排していないというか乾いてはない。 キューブリックは故人でスコットはまだ現役、それを抜きにして考えればキューブリックの異能の才の評価の方が高いと思いますが、私は人間らしさのあるスコットが好きなのです。)
[映画館(字幕)] 8点(2010-02-09 07:28:46)
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