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アンギラスさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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21.  コクリコ坂から 《ネタバレ》 
つまらなくはないんじゃないの。感動もせんが。  1 食事をおいしそうに描くこと 2 「禁じられた~ 」類いの恋愛を少し持ち込むこと 3 声優については意外性のある人選をすること  みたいにマニュアル化して宮崎印の金太郎飴にする気かな(特に2は重要だなこれやっとけばエセ文化人が幼稚な評論書けるから)、とか感じるのはこれらがいかにも取ってつけたようでストーリーに有機的に咬み合ってねーからだわな。カルチェラタンの話と、海と俊の話もどっちがメインかわかんねーし。  監督はお飾りで、特に言いたいこともないけどノウハウあるしまー今年も映画作りますみたいな。僕らこれで食ってるんだから多めに見てよ、みたいな。  べつにそれでもいいけど、もし才能ある人が現れたらサクッと息子クビにしてね(無理だろうけどね)。 才能よりも血筋を選んでしまうのが日本人の限界というか、「民度」だよね。エイブラムスを選んだ向こうとの差だわな。 なんでそうなるのかを考えだすと、また深いことになるんだけどね。 
[映画館(邦画)] 6点(2011-09-12 22:29:20)
22.  東京公園
感想ありません。
[映画館(邦画)] 0点(2011-09-12 22:28:23)
23.  少女たちの羅針盤 《ネタバレ》 
4人の名前に「東西南北」が一字ずつ入っているからといって、なぜそれが『羅針盤』という劇団名の由来となるのか(誰か案内するの?)、イマイチ腑に落ちないにもかかわらずなぜそれがハシャいで噴水に飛び込むという「映画みたいな」行為につながるのか、我々としては、画面の向こう側の人がそう思ってるんだからそうなんだろうと思うしかないわけで、この出来事がこの映画のだいたいを象徴している。  蘭が3人に合流するという、皆が期待するシーンをなぜ飛ばしたのか、意味不明の素人漫才のようなストリート演劇が、なぜ評判となり黒山の人だかりとなるのか、そして肝心要の劇中劇(メインとラストの両方)は、どうストーリーと絡み合いどんな「映画的」効果をもたらすのか、これらは映像による説得力が大きな意味を持つわけで、「原作がそうなんだからしょーがねー」ですましていられる話ではなかろう。それでもなにか諦めたように淡々と撮り続けてしまうのは、「観客」という存在に対してあまりに無責任、もしくは馬鹿にしすぎているというものではないのか。映画は評論家に見せるもんじゃねーぞ。  ただし、廃墟の映画撮影シーンの数々の光のコントラストはたしかに魅力的だし、これからも私の脳に残り続けるだろう。こんなチラ裏に書き散らしたようなアホ脚本ではなくもっと本格的な、濃いい脚本で一度撮らせてあげたらという気も、少しするこた確かである。 
[映画館(邦画)] 5点(2011-06-12 13:03:25)
24.  八日目の蝉 《ネタバレ》 
サイアクだーと叫びたくなるような映画。最後まで見た自分を褒めてやりたい。  「不幸な女」という記号周辺の、ほとんど現実的意味を持たない台詞。むろん肉体化できるわけもなく、ただ棒読みを交互に繰り返す女優たち。物語は肉体を根拠にせず記号中心に進み、取ってつけたような映像美を義務のように少しく提供しつつ、ただ不幸だ不幸だ不幸だと膨張しおおかたの日本人の共感を期待しつつ、だから罪を軽くして頂戴っ、と言って時間的な収束を迎えて終わりである。甘えとか抵抗とかいった概念は脳裏になく、むろん不幸でも力強く生きるというメッセージもなく、ただ何もせずひたすら共同体に対して罪をなすりつけておるだけなのだ、この映画は。そしてテレビに慣れた観客たちは、そうよそのとおりなの、みんな世間が悪いの私は悪くないのと泣いて、すっきりして帰るのである(たぶん)。  思えば私がレビューを始めたのも、『おくりびと』なるテレビ映画があろうことかアカデミー賞を授かってしまい、膨大なテレビ的観客が一気に映画館に押し寄せるのではないかという悪夢を見てしまったからだ。私の好きな映画がどこかへ行ってしまったらかなわん、と。しかしどうやら徒労に終わったようだ。今後少しづつ映画は侵食されるだろう。体制には逆らえんよ、デッカード君。うしろの正面だあれ。 
[映画館(邦画)] 1点(2011-06-12 13:02:29)(良:1票)
25.  ヒア アフター 《ネタバレ》 
【注意!!!過激ネタバレあり!!!】 イーストウッド版『ハウル』か。生死に対するある種の諦念を表現しようとしているようにも映る。が、ぶっちゃけメチャ退屈。ラストの反物語も効果に?つか、考える気力も失せる出来。   《一晩寝ながら考え、追記》  そうか、これはようするに「どうして男女は一目惚れするのか」ということを説明するための映画なんだな。物語による因果とか、あるいはシンクロニシティなんかは関係あるようなないような、フワフワしたもんなんだと。神様つーかなにか超越した力というのは、いつもそんな感じなんだと。  ラストのキスシーン幻視はまさに映画の一場面で、現実はそんな映画みたいにいかないけれども、前向きの意思さえあればこれから自分で映画みたいにすることも可能なんだと。ウソは(主人公が最後の最後で少年についたウソのように)けっして悪いことではないんだと。いやむしろ、正しい虚構こそ未来へ進化するために必要なことなんだと。んで、そのことに気づきさえすれば、神様はもう余計な口出ししなくなるもんなんだよと。うーーーーーーーーむ。  しかしそんなこと映画にする必要あんのか。なんとまあこの超越ぶり、まさに世界一の監督にしかできんことだなあ。  すげーとは思うが、もう一回見る気はせんぞ正直。 
[映画館(字幕)] 3点(2011-02-19 22:47:30)
26.  ソーシャル・ネットワーク 《ネタバレ》 
立派な青少年向けプロバガンダ映画だが、真に受ける人がこうも多いとちょっと心配になってくる。プログラムなんてこんな大層なもんじゃないし、いい大人が傑作だなんて興奮するような映画じゃないでしょ。
[映画館(字幕)] 6点(2011-02-19 22:46:45)
27.  悪人 《ネタバレ》 
結局変な人たちの映画だったの? 【以下バレ】  映像的には飽きもこないしなかなかいい線いっていると思わなくもないのだが、いかんせん殺人の動機が弱い。あのくらいの台詞でいちいち切れてたら社会人なんぞやってられんだろう。差別や格差を無理くり作り出して物語を捏造するという意味でなら、時代を写実しているといえなくもないが(皮肉だよ)。  物語の転換点となる重要なアクション描写(妻夫木と深津との最初の出会いや、殺してから橋の下へ落としたはずの行為)がどういうわけか端折られている。おかげで逃避行にも説得力がない(まるで「おかしな二人の旅日記」)。さらにどうしようもなく皮相的な大学生の会話や態度など気に入らない点はいくらもある。最後の灯台シーンも、人生崖っぷちの象徴のつもりならなんで崖そのものを映さんのかと思う。青い空に広い海じゃ心象風景と真逆じゃねーか。  妻夫木はその変態性を出すのが遅すぎるし、深津はまるで普通のおばさんで田舎の嫁き遅れの暗さをちっとも出せていない。ただ光る点もあり、とても丁寧なカメラマンの仕事もさることながら、満島ひかりの演技。方言を駆使しての快活なOL役は見事にどハマりだったし、何より死後橋の上で柄本の呼びかけに応じて出現した際の、(これは撮影の妙もあるのだろうが)筆舌に尽くせないほど多義的な表情。まさに映画でしか表現できないものであった。もし賞に価するとしたら、満島の方だったであろう。
[映画館(邦画)] 5点(2010-10-01 00:51:52)(良:3票)
28.  キャタピラー 《ネタバレ》 
私の感性は変なのだろうか。寺島はただぺろぺろ脱いでるだけでちっとも「演技」しているように見えないのだが。外人には自然体が受けたのかな。 【以下バレ】  とにかくセックスシーンが多すぎる。同じような構図で5回以上(不愉快なものを)見せつけられたのではなかろうか。しかも中学生による想像の域を出ていない映像ばかり。  話の進行は無である。途中で無理やり外へ連れ出すことで何か物語が始まるのかと思いきや、何も起こらず卵をぶつけて終わり。国家に命を捧げるということの残酷な現実面を写すと見せかけて、その実介護に追われる専業主婦の悲哀のみを表現しつつ、そのうち戦争が終わり、なんかほっとしました、よかったね、原爆の映像を見てほっとするなんて不謹慎だけど、でもサヨクのアイデンティティーって結局こういう個人的なものの鬱積だったのかもしんないなあ、そのことに気づいた僕ってちょっと偉いと思わない? なんてことが言いたいらしい映画。  見終えてなんだか不機嫌になった私は、はたしてひねくれてるんだろうか。 
[映画館(邦画)] 4点(2010-10-01 00:50:25)
29.  東京島
見所は木村多江の演技のみ。何気ない仕草やひとつひとつのセリフに魂こもってて好感。 【以下バレ】  「どんな振舞いをしようとやっぱり女はえらいのだ」という、いけずうずうしい主題が最終的にかろうじて読み取れるのも彼女の力量のみによる。  これは俳優にとって不幸なことだ。映画の中心は演技者ではなくあくまで監督である。堂々たる演出の中でキラリと光ってこその俳優冥利であろう。しかしこの監督はたぶん、彼女と窪塚以外のものを撮る気がないのである(自信がないから)。監督が俳優に頼ってどうすんだ。  出産するのに日本人より中国人のいる場所を選ぶ、といった露骨なメッセージが表出した次の瞬間フィリピーナを出してごまかす。気持ちはわからなくはないが、気合が足らんのである。原作なんぞ変えちまえと思う(未読だけど)。監督は世界一えらいのだ。
[映画館(邦画)] 4点(2010-10-01 00:49:05)
30.  ソルト 《ネタバレ》 
とても面白いノンストップ・アクション。ただし主演がアンジーでなければボロクソだったかも。 【以下バレ】  冷戦が終焉を迎えスパイにとって明瞭な敵はいなくなった。いや冒頭に少し出てくる国や、あといくつかそういう国があるにはあるが、映画で描くにはまだ生臭すぎる。しかしスパイ映画は作りたい。その悶々とした気持を抑えがたく、作り始めたはいいがやっぱり話は破綻しましたという映画である。  見る側はだからそういう気持ちを分かってあげて、アンジーちゃんカッコいいねとだけ言ってあげるべきである。決して金髪にすると単なるオバちゃんだななどと言ってはいけない。ましてや最後らへんわけわかんねーなどと言うべきではない。面白いシーンもたくさんあったはずだ。もう忘れたけど。 
[映画館(字幕)] 6点(2010-08-31 23:53:00)(笑:2票)
31.  トイ・ストーリー3 《ネタバレ》 
私はこのシリーズ好きでない。 【以下バレ】  ポテト夫人の目玉やゴミ回収屋や、他にもかなりあった伏線はいかにも「これぞ伏線」とばかりに機能しており、それがかえって作り手の「どう、僕らアタマいいでしょ」顔を連想させてなんかイヤだ。そのことが玩具という今更感情移入しにくいものたちの物語を見せられ、半ば強制的に感動させられるということへの違和感にどこかで通じている。カウボーイを理想の男として教育するというのも何か取ってつけたようだ。滋味がないのである。 
[映画館(吹替)] 6点(2010-08-31 23:52:00)(良:2票)
32.  ヒックとドラゴン 《ネタバレ》 
タチの悪い映画パート2。しかしこの夏のアニメの中でいちばん面白い。 【以下バレ】  猫とコウモリが合体したようなドラゴンも可愛かったが、何よりヒックらを乗せて龍の巣へ向かう時の、並行して飛ぶ何体かの龍の姿が雲の間から浮かび上がる映像や、無数の龍が巣穴を飛び交っている場面の映像などでもう私はノックアウトである。子供の頃に永井豪の漫画を読んでうけたあの衝撃をひさしぶりに思い出した。  『インセプション』を観た時も感じたことだが、作り手はおそらく自分らが子供時代にうけた衝撃をリアルに実写化(というのも変な表現だが、ぴったりくる)することに情熱を燃やしているのである。そのようなことが出来る才能や、技術面も含めた環境を同世代人として羨ましく思うし、うまくいった場合は思想がなんであろうが映画として不純だろうが、断固として支持する。  なんでナイトフェアリーだけ一頭だけなのとか、いくらひどい仕打ちを受けていようが自分らの女王に簡単に歯向かえるはずがないとか、あのラストはいくらなんでもないだろうとか、んなこたどうでもいいのである。
[映画館(字幕)] 8点(2010-08-31 23:51:06)(良:1票)
33.  借りぐらしのアリエッティ 《ネタバレ》 
昔ミクロマンという玩具があり、よく家の中を冒険させたりして遊んだものだった。この映画はあの懐かしい日々の感覚をひさしぶりに思い出させてくれた。 【以下バレ】  …映画の感想はそんだけ。  私は日本のアニメ事情に詳しくない人間なので不思議に思うのだが、絵柄までそっくり継承することに作り手は違和感を抱かないのだろうか。師匠以上のものは決して作れませんよというメッセージなのかな。  もっと言うと、日本のCG事情というのはいったいどうなっているのだろうか。というのも従来のアニメ画では『デビルマン』を映画化することはまず不可能だからだ。一方、『ヒックとドラゴン』を作った連中に依頼すれば、すぐにでもあの『デビルマン』が、満足できる形で映像化できるのではないかと思う。この現実を現場の人や広告会社やファンはどう捉えているのか。  意地を張っていつまでもアメリカに追随しない、ということだけはどうか避けてくれますように。  
[映画館(邦画)] 6点(2010-08-31 23:49:53)(良:1票)
34.  インセプション 《ネタバレ》 
こんなにタチの悪い映画もないと思うが、面白いから許す。 【以下バレ】  夢というか他者の意識内に潜入するというアイディアは知る限り『ゴルディアスの結び目』が初出。すぐれたアイディア故に模倣者を何人も生んだが、「夢の夢」だのチーム戦だの、ここまでアイディアを膨らませた者はいなかったのでは。それにコブの個人的な深層心理や、既視感をスケールでごまかす映像の連発など、観客の興味を力づくででもひきつけてやろうという根性はたいしたもんである。  特に夢のまた夢による多重化した緊張感というのはなかなか得がたい体験であった。これだけでも8点行くし、後世に語り継がれることになると思う。  夢の表現そのものに目新しい発想があるわけではないし深化したわけでもない。それに第3層(雪山)はあきらかに余計だしヘタ。浮遊する身体の撮り方といい、この監督は映像センスというか、立体的なものを面白く伝える感覚ははっきり言ってイマイチである。しかし前作にも通じることだが、とにかく物語を面白く完遂させるセンスがある。  なんでタチが悪いかは、ノーコメントとさせていただく。
[映画館(字幕)] 8点(2010-08-31 23:48:40)
35.  私の優しくない先輩 《ネタバレ》 
女子高生の気持ちを十全に表現してみたいとかいうような趣味は私にはない。『カリオストロ』はある意味少女の純真さに触れた悪党ルパンが改心する物語だったが、少女性とはあの作品のように聖域扱いすべきであり外からただ眺めているだけでいいのである。ずかずか踏み込むべきではない。もし変なものが出てきたらどうすんだ。 【以下バレ】  この監督はそのような偏見含みの垣根を、実に丁寧な日本語モノローグによって取り払ってみせた。むろんどこまで意図したのかは測りかねるし、映画のやり方としてはやや反則気味かもしれないが、結果的に少女の気持ちを私のようなおじさんにまで知らしめ、感動できる物語の主人公として優しく表現してみせたのである。  むろんだからといって女子高生に興味を抱くようになることなどないが、ただまあ私ら以降の世代が、なんでああまでアニメっ娘に執心するのかという気持ちはほんの少しわかったような気がする。他人に自分の言いたいことを伝えることができれば方法などどうでもいいので、映画としてどうかという意見に対しては、たかが映画じゃねーかと言い返せばすむ話である。  もっとも、笑ってしまうほど長く大袈裟な終わり方が、この監督のいびつに肥大化した自我しか表現していないというのもまあ事実かもしんないが。
[映画館(邦画)] 7点(2010-08-31 23:47:37)
36.  レポゼッション・メン 《ネタバレ》 
開始5分でこの映画はダルいと直感し、30分がたつ頃にはそれがほぼ確信に変わっていたのだが、まさかまさかの大逆転が待っていた。 【以下バレ】 人工臓器回収屋が債務不履行に陥った患者から臓器を回収する話で、どうするかというと電磁ガンか何かで気絶させたあとその場で腹を裂いて臓器を取り出すのである。心臓や肝臓など取り出されたら患者は当然死ぬ。しかし回収人たちはいっさい罪に問われない(ようだ)。ムチャクチャな話であるが、しかし考えてみると近い将来、人工臓器の時代が来るとしてもし取り替えたあと破産したらどうすんのかという問題はかなり深い。この映画のようにあっさり殺すわけにはいかんだろうが人工臓器はおそらく半永久的に動くよう作られた半不動産(?)である。開き直られたらどーすんのかという問題は容易に結論の出ない議論となるだろう。  (中略)  しかし後半、自分が回収される立場となったことでストーリーは走りはじめるのだが、同時にどういうわけか映像にハリが出はじめる。落とし穴だの空港でのガラス越しだの元相棒との撃ちあいで大笑いだの。見に来てよかったというレベルにいきなり達して私はホッとする。連れの女がなぜあんなに強くかつ10箇所も人工臓器を入れているのかなど不明なことには関係なく、映像さえよけりゃこっちは十分見れるのである。  そしてそこからクライマックスまでの疾走感に、私はもう頬が緩みっぱなしであった。なぜ最初からそれをやらんのかという感じである。ベッドシーンなどのB級な場面、ことにその行動動機となる心理葛藤はB級にも到達していないような淺薄さだが、それらを隠蔽して余りあるノリのよさ。そして極めつけは互いの臓器をポスしあうクライマックス。テーマの表層性をああいう形で昇華させたことに、私は何か哲学的な感銘すら受けた。ぎゃはははははっ。  パクリも多かったが、あまりの頑張りにそれも許せてしまう。彼らもまたオールド・ボーイやブラジルが大好きなのだということがひしひしと伝わってくるからである。
[映画館(字幕)] 7点(2010-07-10 23:07:23)
37.  冷たい雨に撃て、約束の銃弾を 《ネタバレ》 
今回復讐という物語の型に入れてしまったことが、成功であるように思わせておいてなぜか失敗に終わった。  【以下バレ】  いやね、よいと思ったのだ。標的の3人の男たちに迫っていく途中で彼らの家族の存在に気づき歩みを止めずすれ違うことがなぜカッコいいのかとか、そのまま近くのテーブルに居座り家族が去るのを待ち続ける時間をこちこちイナタく描くことがなぜ変に面白いのかとか、銃撃戦のさなかに仲間に手振りでタバコを要求する姿がなぜあれほどシビれるのかとか、密売屋が冷蔵庫から銃を出してくることや、オヤジを匿った妊婦が7人の子持ちでありしかもあきらかにハーフのような顔立ちの子どもが混ざっている理由がいっさい説明されないのはいったいどういうわけなのかとか、そんなことをカタるのにごく単純な復讐譚をもってきたのはなかなかいいところに気づいたなというか、少なくとも前半はよかったのよ。簡単な物語で安心して変な表現を見る快楽というか。つか、いっそなくてもいいくらいなのよ物語なんぞ。  なんだって途中で3人組を殺し、外人のオヤジの方を生かしちまったんだろうねー。どう考えても逆だろ普通。外人の遺志を継いで親分を倒しに行くというのが盛り上がるんだろ? あああよくわかんねーこの監督。記憶喪失なんて余計な要素を入れちまったもんだから話自体ぐちゃぐちゃになって、バッチの意味なんかよくわかんねーし考えたくもねー。アラン・ドロンを予定してたというぐらいだからひょっとしてマジで外人ウケに走ったのかもわからんが、自分が何を期待されているかを勘違いしちゃいけませんぜ、ダンナ。 
[映画館(字幕)] 6点(2010-07-10 23:05:43)(良:1票)
38.  ローラーガールズ・ダイアリー 《ネタバレ》 
アメリカじゃまだローラーゲームやってんの? まーあの面白さはなんか独特で忘れがたいものがあるから、続いてるかもしんないなあ。  【以下バレ】  主人公の茶目っ気がよい。車の中からイケメンを発見してしばらく見つめ、親友を振り返って「み゛~」とかなんとか意味不明の鳴き声を発したり、駐車場に来た男を見つけ上の空でありながらナイス・ジョークを言った親友を指さしたり、同じくプールの端で男を表情のみで誘ったり(両人ともすばらしく豪快な飛び込みぶりであった)、みごとな可愛さであるが、しかしこの女優、調べたらなんともう23歳である。反則だろ。み゛~。  ミス・コンテスト~中流な家~車~バイト先のレストラン~ローラーゲーム(イベント)会場と、いつか居たことがあるような街の風景の中で、地味な主人公があるきっかけを得て生き生きと弾け、やがて落ち込み、再び輝き始めたところで終わる物語。それはまるでローラーゲームの頃のように懐かしいし、パターンの繰り返しはまるでローラーゲームの周回のようだし、登場人物の破天荒さはまるでローラーゲームの肘打ちのようだ。ある意味アメリカの象徴ローラーゲーム。この国では平凡な女子高生ですらこの活力あるゲームの主役を張ることが可能なのだ。少なくとも映画内では。うまやらしい。  な~んて、このへんの叙情を書くには私には知識が足らんので他に譲るとする。 ロッカーに閉じ込められたり、プール内ブラジャーなど細かい部分の上手さや破綻のなさが印象に残った。肝心のゲームの描写はやっぱりちとわかりにくかったが、全体としてまあまあ。
[映画館(字幕)] 7点(2010-07-10 23:04:53)
39.  アウトレイジ(2010) 《ネタバレ》 
どこらへんが最高傑作なんじゃ。褒めるところがねーじゃねーか。ナメてんのかこら。  一昔前の堅気が想像するヤクザの世界をそのまま実写化した感じ。何がボッタクリバーだ何が英語をしゃべるインテリだ。テレビ並みに形式化して、事実上見せるのは暴力だけ。何が楽しいんじゃおどれらは。  今ならITヤクザを題材にせんかい。そして闇の世界の背景ににある、さらに巨大な闇を見事に絵に描いて見せんかい。それが可能な立場じゃねーか。TKO負けしてすかしてんじゃねーぞこの野郎。  今更これを作った動機を理解しかねる。以下略
[映画館(邦画)] 4点(2010-06-25 11:18:12)(良:4票)
40.  ヒーローショー 《ネタバレ》 
私は非常に好きだ。この映画。 【以下バレ】 登場する若者たちの顔がすべていい。その役柄にどんぴしゃりという顔立ちをしている。だが彼らを撮る撮り方は、なんというか徹頭徹尾イナタい。ギャグはメチャ寒いし司会の女はペチャパイだし、後藤の連れの恋人が登場して30秒で「うぃ」と言って去るのもショベルカーのパットンさんもラストのピンクレディーもなんか空虚だ。意味合いがありそうでない。リアリズムといえばその通りだが、しかしまるでギャグが空振りするような、「的を射なさ」という点で共通している。  (中略)  私の解釈はこうだ。まるで蜜のようなリンチの時間のように、濃密な時間というものはたしかにある。だが結局は、遊園地で家族と過ごすささやかな時間などと同じように流れ去るものなのである。なので一時的な、まるで自分が主人公になったような、映画的な時間のために何かをしでかしてしまえば、その後にずっと長く続く非映画的な時間に影響を及ぼすことになる。というか、辛い時間は死ぬまでずっと続く。「生き直させてくれよ」と福徳は後藤に懇願するが、それはじつは後藤の叫びでもあり、突っ走ってしまった登場人物全員の、またなにか取り返しのつかないことをしでかしてしまった者すべての叫びである。時間はいつも等しく流れるが、けっして巻き戻せない。だから若者よ、軽々しくヒーローになろうとするな、この監督はそう言いたいのだ。  たかが映画じゃないか。人生は映画的じゃない時間のほうがずっと長いのだ、気をつけろというメッセージ性。乱暴な若者言葉や、後藤によるたどたどしい恋人への独白などに見られるリアリズムの追求。ピンクレディーの曲に代表される「意味」の希薄さ。これらから見て、この映画は徹底して反映画を指向していると言っていい。しかしだからと言って、たとえばテレビや凡百の映画のようにつまらないということは絶対にない。むしろ私は、ダラダラと続く後半にこそどういうわけか映画を見ているという至福を多く感じた。かっこよさとは対局にある、イナタい事象をあくまでイナタく撮ることにこだわった監督が、ついにたどりついた結論的作品、と言ってしまっていいぐらいの出来栄えに、十分到達していると思うのである。
[映画館(邦画)] 8点(2010-06-25 11:16:17)(良:2票)
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