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アングロファイルさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1000
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 レビュー数が1000に達したということで、活動を停止します。(今のところ)仕事がひじょうに忙しいので、映画を楽しむゆとりがありません。落ち着いたら再開するかもしれませんが、とりあえず未定です。

皆さま、ありがとうございました。縁があったらまたお会いしましょう。

※変更要望は出すかもしれません。

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21.  桃太郎侍(1957) 《ネタバレ》 
『桃太郎侍』というのはもともと山手樹一郎の小説なのですが、有名な高橋英樹のテレビドラマはかなり内容が異なるようです。この映画は、比較的原作に忠実なようです。  お話としては、娯楽の王道。お家乗っ取りを防ぐ物語に、別れ別れになった双子の兄弟の人情噺がからみ、時代劇らしい時代劇になっています。敵と味方がはっきりしていて、敵役もいかにもそれらしい。特に河津清三郎の格好良さが魅力的で、悪役はこうでなくてはいけません。ショボい悪役なんて見ていられませんからね。木暮実千代の小鈴師匠のみ、悪役ながら桃太郎に思いを寄せるという役回りで、単純になりがちなお話のいいアクセントになっています。堺駿二はおちゃらけが少なくシリアスな部分が多いのですが、こういう役でもちゃんといい味を出しています。  冒頭、桃太郎の助けた女が実はスリで、善側の神島伊織の密書をスリ取っていたとなるあたり、話の展開もなかなかうまい。それほど長くはないのですが、敵味方入り乱れて波瀾万丈の物語が展開し、見ている方を飽きさせません。このあたりは原作に負っているのでしょうが、先にも書いたように正統派の娯楽作品となっており、かなり楽しめました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-01-01 22:37:58)
22.  狩人の夜 《ネタバレ》 
ある意味、ヘンテコな映画です。聖職者であって犯罪者であるというパウエルのキャラクターが面白い。みんなコロッとだまされてしまいますが、やはり聖職者というのが利いているのでしょうね。しかし、本当に信仰心があるクーパーさんはだまされないと……。こういうところ、キリスト教徒の人はどう見るのか、興味があります。  あと、子どもたちが川を下るときの岸辺の描写。色々な動物がいてのどかな雰囲気ですが、そこが緊迫感のある展開と対照的で印象に残ります。パウエルも人を殺して奪った馬に乗り、歌いながらのんびりと追いかけるあたり、不気味さが増します。ここもなかなか秀逸でした。  終盤では、捕らえられたパウエルにジョンが怒りをぶつける場面とか、民衆が暴徒化したりとか、やや唐突で散発的なエピソードが見られますが、それぞれインパクトが強いのであまり気になりませんでした。前者に関しては、「こんな金のためにお母さんが殺されてさんざん追いかけ回されたのか」というような憤怒を感じました。この時パウエルを「お父さん」と呼ぶのは、かなり皮肉っぽいですねぇ。実際、金を持ってきた父親に対する怒りもあったんでしょう。  何にせよ、パウエル役のロバート・ミッチャムの怪演と、対照的なリリアン・ギッシュの存在感、そしてチャールズ・ロートンの演出がおみごとでした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-23 21:07:27)
23.  忠臣蔵(1958) 《ネタバレ》 
何を隠そう、忠臣蔵ってちゃんと見たことがありませんでした。一度大河ドラマを見始めたのですが、途中でリタイア。その後もあまり興味が湧かず、今回初めてキチンと見た次第。 とりあえず本作に関しては、台詞回しが時代がかっていてよいです。そもそも時代劇なのにこう言うのも変ですが、最近では時代劇の台詞もわかりやすいように、平易な表現に流れやすいように思います。しかし本作では、キッチリとしたいかにもな時代劇の言葉遣い。映画よりもむしろ舞台の台詞回しに近いのではと思います。人物の所作にしてもそのようなところが感じられ、ある種の古きよき伝統を味わえました。 内容はまさに娯楽の王道で、勧善懲悪。善悪の役割がはっきりしていて、特に悪のボスである滝沢修の憎々しい吉良など、おみごとでした。善玉である赤穂の浪士側では、人情味のあるエピソードが多く、いかにも庶民(町民)が喜びそうな趣向でした。こちらのボスである大石も、大変できた人物であると描写されています。今忠臣蔵を作るとしたら、そこに何らかの「意味」が付け加えられることは不可避だと思います。なので、そうしたテーマ性のない単純な物語は、今となってはかえって貴重でしょう。 けっこうフィクションのエピソードが入っているであろうことは想像に難くありません。現実に起こった赤穂浪士の討ち入り事件(武士の物語)を、大衆娯楽である「忠臣蔵」(町人の物語)へと転換させたことがわかり、なかなか興味深かったです。 映画としては、先に書いたような古きよき伝統を大いに楽しみました。こうした味わいのある映画やドラマは、もはや製作できないかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-12-23 20:41:27)
24.  抱かれた花嫁 《ネタバレ》 
なかなかの良作。基本は母親と子どもたちとの対立→和解という路線で、松竹らしいホームドラマ。それにラブコメの要素もあるのですが、この組み合わせ、話のからめ方がうまい。長女・有馬稲子の場合は高千穂ひづるなんかも加わって三角どころか四角(若旦那も含めると五角?)関係に発展して複雑になりそうなところを、枝葉はあっさり扱ってスッキリしているところがいいです。次男と母親のロマンスもあり、特に後者はストーリーの展開上重要なポイントになっていたりして、これも印象深いです。加えて喧嘩と火事があり(さすが浅草)、盛りだくさんで散漫になりそうなところを、きれいにまとめていてけっこう。その分薄味なところもありますが、これだけあれもこれもと盛り込んでいたら、その方がかえって見やすかったです。そのくせ家族の情愛は手を抜かずきちんと描かれていました。しかし、火災保険が伏線になっているとは思いませんでした。やられました。 三社祭やオペラなどの浅草の風俗、日光ロケでの観光地巡りと、たいして長くないのに気が抜けないほどあれこれあってサービス満点。出演者の中では、小金治師匠のおっちょこちょいなお節介ぶりが楽しめました。あとはラスト、浴衣に麦わら帽子といういでたちで釣り糸を垂れながらポケーッとしている有馬稲子が、無類にかわいくて魅力的。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-06-27 18:17:56)
25.  三等重役 《ネタバレ》 
これ、地方の(その地では)有名企業と設定したのが利いていますね。東京など大都市圏の会社では、こうはいかないかも。サラリーマンものというよりも人情喜劇で、もちろん小市民的味わいもありますが、部下を思いやる社長の心意気がよく表れています。賞与を与えるのに奥方と社員の両方に配慮したり、出張所長の月下氷人を務めたりと、社長として上に立ちつつ社員のことをきちんと考えてやるところはたしかに魅力的ですし、理想の上司像でしょう。硬軟の使い分けがおみごとで、バランスがとれています。もっともそれも、代理社長という立場、時代や地方が舞台という要素が大きくものをいっていると思います。このあと高度成長期を迎えて、このような社長が次第に姿を消すであろうということは想像に難くありません。それだけに貴重だと思います。あくまで「代理社長」なのにこれだけ誠実ということで、よけいにその思いを強くします。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-06-06 14:52:42)
26.  本日休診 《ネタバレ》 
なかなか楽しい下町人情喜劇でした。驚くのはテンポの速さ。基本的にエピソードの羅列なのですが、テンポが速くて次から次へと進むので、それも気になりません。主要人物がお互い顔見知りで、いろいろと助け合っているところに時代が出ていますし、好感を持ちました。医者が主人公だとイヤでもヒューマニティな話になるわけですが、本作では三雲先生のセリフでそれをより強調しています。しかし当然ながら古さを感じさせるところもあり、特に最後の「家族がいるのが幸せだ」というのはたしかにそうでしょうが、近年のように高齢化が進み、認知症や介護の問題が大きくなってくると、必ずしも素直に肯けません。とはいえ、美しくもさわやかな幕切れは気に入りました。これも隠れた佳作でしょう。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-01-12 20:26:38)
27.  サンセット大通り 《ネタバレ》 
いやー、グロリア・スワンソン、たしかにすごいです。自分と経歴の重なる役をやっているから、よけいすごいと思います。結構やりにくいでしょうに。それとも喜んで演じていたのでしょうか。デミル監督はゲスト的なチョイ役だと思っていたら、案外出番が多くて重要な役回りでした。しかも本職顔負けの名演劇でした。 ところでつらつら考えてみるに、ノーマがああなった原因の一端はマックスでしょう。彼が現実を教えていれば、ああまでひどくはならなかったでしょう。というか、マックスは偽の手紙を書いたりして、むしろ助長していた様子です。となると、マックスもノーマにいつまでも「大女優」でいてもらいたかったのか。最初の夫だったということは離婚したわけですが、彼が愛したのはあくまでスターのノーマであって、いち女性ではなかったと考えると、それもうなずけます。自分が大スターにしたことにこだわりがあったのでしょうが、それがノーマを追い詰めることになったとすれば、彼女はむしろ被害者。最後に冷然と監督をするマックスが、一番恐ろしいのかもしれません。 あと、『サロメ』というのはうまいですね。サロメが愛するヨカナーンを死に至らしめ、その首を持って恍惚となるというプロットが、うまく生かされています。また、死者が語るという趣向は奇抜なようですが、考えてみるとノーマとマックスも時代から取り残された、ある意味「死んだ人間」なわけです。そうなると主要人物3人はすべて死人だった、ということを表しているのでしょう。生の世界にいるベティとは、相容れない運命だったのです。そういう点からも、うまく作られていると思います。
[映画館(字幕)] 8点(2012-11-24 17:57:36)
28.  おかあさん(1952) 《ネタバレ》 
さまざまな困難にめげず前を向いて生きてゆく親子……という、なかなかの良作でした。兄や父が死んでしまうのに、けっこう笑いをとる場面があったのもよかったです。そういう点では、小さい子と岡田英次が楽しい。それはともかく、家族間の微妙な心理の綾を繊細に描いていたと思います。音楽はあいかわらず素敵。 しかし本作では、やはり香川京子が光っています。そのお茶目っぷりも、家族を思いやる気持ちも、母が再婚するのではという悲しみも、どれもこれも魅力を感じさせます。田中絹代のおかあさんもすばらしいわけですが、娘がこれほど魅力的でなかったら、必ずしも傑作たり得なかったのではと思われます。すべてがあるべきところにキッチリはまっているという感じ。家族の絆、そして旅立ちを描いたということを考えると、震災後の日本人に必要とされるのは、このような映画かもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-01-05 16:28:52)
29.  稲妻(1952) 《ネタバレ》 
『めし』は駄目だったが、これはよかった。父親の違う兄妹が入り乱れてゴチャゴチャなのですが、主人公の清子がすがすがしいので、気分が悪くなることもなく見られました。清子とはよく名付けたものです。次姉三浦光子の存在も大きい。彼女がいるから、人物間のバランスがよくとれているのだと思います。金をたかって喧嘩ばかりしているきょうだいでは、こちらもしんどくなりますから。 現状を変えようと下宿した清子。お隣の根上淳・香川京子兄妹が、それまでのきょうだいへのアンチテーゼとして生きています。ピアノの使い方がみごとで、斎藤一郎の音楽は最高。後味もさわやかで、清子の人間的成長が端的に表されているようです。当時の東京の街並みが見られるのも嬉しい。
[地上波(邦画)] 8点(2012-01-03 20:35:46)
30.  人間の條件 第四部 戦雲篇 《ネタバレ》 
最後の戦闘シーンは、本物を使っているだけに迫力があります。それにしても、あれだけの戦車が相手では、負けは決まったようなもの。相手が条約を結んでいたとはいえ、本土から遠く見捨てられていたことがよくわかります。根本的に兵を大切にしない軍隊は、日本独特のものだったのでしょうか。 今回、梶と鳴戸が怒りを爆発させる場面がありますが、抑圧された展開ばかりなので、ああいうところも必要でしょう。それで何か解決したわけではありませんが。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-09-30 13:45:49)
31.  人間の條件 第三部 望郷篇
今回もまた、凄みのあるできでした。このシリーズは、主人公の梶のみならず、脇役陣に魅力を感じます。特に「国境の向こうに理想郷がある」と言ってあちらに越えていった新城には考えられます。戦後の日本では理想の国だと思って海を渡った人もいましたからねぇ。病院での看護婦・丹下とのやりとりが印象深いです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-09-30 13:34:00)
32.  人間の條件 第二部 激怒篇
捕虜脱走だけであれだけ話を保たせるというのも、たいしたもの。第一部より面白かった。王享立の存在感、渡合の悪辣ぶりが強烈でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-09-29 17:21:13)
33.  東京物語 《ネタバレ》 
子どもが親から独立し、自分自身の家庭を持ったら、やはりそれが一番大事になるでしょう。外からやってきた人は、自分の親であっても「来訪者」であり、平穏な毎日に乱れを生む存在になってしまいます。それはつまり、子が親離れしたということで、必ずしも非難されるものではありません。作中でも否定的には描かれていませんでした。「遠くの親類より近くの他人」とも言いますし。とはいえ、子どもに相手にされないと親としては寂しいもので、そのあたりのバランス感覚が絶妙です。ここが小津作品ならではの味わいになっていると思います。 本作では、終盤での周吉と紀子の会話がキモでしょうが、ここで紀子が「わたくし狡いんです」と言っているのは、どういうことでしょう。死んだ次男(夫)のことを忘れてきているのに、義父母に優しくしたのが狡いのか。紀子は「将来が不安になることがある」とも言っていることから、孤独な毎日を送っていると想像されます。特に友達がいるような描写も見られませんし。上京した義父母の面倒を見るというのは、淋しい日常を忘れさせてくれる格好の慰めだったのではないでしょうか。つまり、彼女はむしろ自分自身のために義父母に優しい態度をとったことを「狡い」と表現したのではないかと思われました。何にせよ、こうした戦争未亡人の孤独も取り入れたことが、本作にさらなる陰影をつけていると感じます。 なお、NHKのデジタル・リマスター版で見ましたが、画像だけでなく音声も改善されていて、聞きやすくなっているのは幸いでした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-07-30 19:47:50)(良:2票)
34.  菩提樹 《ネタバレ》 
どうしても『サウンド・オブ・ミュージック』と比較してしまいますが、こちらも遜色はありません。大佐が子供たちを笛で呼んだり、古いカーテンで服を作ったりするエピソードが共通していて、どこが実際の話だったのかがわかって興味深いです。後半で屋敷をホテルにしたり、オーストリア脱出の祭の執事の行動などが印象深い。しかしもっとも感動的だったのがラスト。アメリカで入国待ちをしている時、シューベルトの「菩提樹」を歌うと、みんながその声に引き寄せられて集まってくる。アメリカ人の係員もやって来る。まさに歌の力、音楽の力を実感させる名場面です。またその歌声がたいへん美しく、話の流れに説得力を与えています。ちなみに「菩提樹」の最後の節は、かつて菩提樹の元にいた頃を回想して、“今はあそこから遠く離れているが、菩提樹の「ここはお前の憩う場所だ」と言う声が聞こえる”という内容です。まさに、ふるさとを離れたトラップ一家のことをを歌っていると言えましょう。実に心憎い、みごとな選曲です。それを知ってか知らずか、邦題に採用したのもよかったです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-12 20:37:04)
35.  マーティ 《ネタバレ》 
これはよかった。誠実な男女の出会いを描く一方、子供の結婚によって孤独となる親の問題を扱っていて、現代でも十分通用するところがあります。晩婚化が進んでいるのでなおさら。普通のカップルが登場するだけなのに、これほど魅力的な物語が展開するとは、まさにマジック。アーネスト・ボーグナインといえば、こわもてのおじさんというイメージがありますが、まったくちがった役で意外性があり、しかもぴったりはまっています。適度にユーモアもあって楽しめます。知名度は低いと思いますが、隠れた秀作ですね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-09-21 19:53:46)
36.  戦場にかける橋 《ネタバレ》 
これは、ニコルスン中佐のキャラクター作りがすべてでしょう。この方、相当イギリス人としてのプライドを持っていて、正直アジア人を見下している。だから日本の捕虜となっても、自分(たち)の方が優秀であるという信念を捨てない。ジュネーヴ条約を盾に取っていますが、実のところ日本人から高圧的に命令されるのが嫌なだけで、その証拠に自分が指揮を執って期日に間に合わないとなると、将校に仕事をさせるし傷病兵も駆り出す。橋を造る会議の時も、全部自分たちで仕切って斉藤大佐たち日本兵は聞いているだけ。そうやってイギリス人の優秀さを見せつけようとしたあげく、目先のことだけにとらわれて大局をを見失ったわけです。戦争にあっては、個人のチンケなプライドなどたいして意味をなさない。捕虜になればなおさら。まさに戦争は“Madness”であります。 少々長いですが、前半のニコルソン対斉藤、中盤におけるシアーズの立場の変化(けっこう笑える場面が多い)、終盤でのジャングル進行と、それぞれ見どころがあって飽きませんでした。特に日本兵に見つかって追跡するところは、サスペンスもありよかったです。しかしいずれにせよ、列車が来るまでの10分間が見ものであることはたしかです。
[映画館(字幕)] 8点(2010-09-17 19:54:10)
37.  気分を出してもう一度
ありていに言えば、アイドル映画です。つまり、とにかくB.B.をかわいくセクシーに撮れれば成功なわけですが、それにとどまらず、コミカルなミステリーとしてもうまくできています。かわいいB.B.に、夫や父親や警視といった男連中が振り回されるのが可笑しい。事件に首を突っ込んであちこち引っかき回したあげく、意外と真相に近づいていくところが面白いです。ミステリーとしては、犯人がすぐわかってしまうのが難点ですが、まあそれが眼目ではないので、大目に見ましょう。B.B.の爆弾娘ぶりを笑って楽しめる快作。これは拾いものでした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-08-04 19:13:08)
38.  祇園囃子 《ネタバレ》 
製作は昭和28年。新しい時代が来たのに、旧弊な扱いを受ける芸妓。新しい時代と伝統の乖離を描いていて、近頃の相撲協会にまつわる騒動を連想しました。この件に関して、新聞で「芸の世界では世間の常識は通用しない」とか言っていた人がいましたが、この映画を見ても同じことを言うのでしょう(男だし)。まあ、どんな世界にも裏というのはあるものでしょうが……。 裏といえば、本作では仕事先のお得意さんにお気に入りの芸妓をあてがって仕事をもらおうという魂胆ですから、これは要するに賄賂でしょう。ここでも裏の世界が描かれています。こうしてみると、60年近く前の映画なのに、扱われている題材の新しいこと! こういうところは、日本人は変わっていないのでしょうか。それこそ日本人が誇る(?)伝統というやつかもしれません。日本に限らない話かもしれませんが。 画としては、細い路地が多い京の街の特色を生かした、道が奥へ伸びている構図が印象的です。室内でも、すだれなどを使って手前と奥とを明確に分け、奥行きを出しています。昔の京都の街並みを見られるのが嬉しいですね。京都に生まれ育った私としては、ロケ地がどこか想像するのも楽しいです。 出演者では、弱冠二十歳の若尾文子が、いかにも当世風(当時)の女の子を演じていて愉快です。嫌味な浪花千栄子も好演。木暮実千代は、京言葉のアクセントがどう考えても変なのが残念です。 そういえば、『雨月物語』と同年の製作でスタッフもほとんど同じなのに、こちらは台詞がよく聞き取れました。不思議です。フィルムを使用する機会が少ないことが理由だったりして。
[地上波(邦画)] 8点(2010-07-20 21:00:40)
39.  追想(1956) 《ネタバレ》 
舞台の映画化だけあって、台詞の応酬に見ごたえがありました。アンナが皇女か否かという謎で引っ張っていくのですが、当人にとっては皇女であるなしにかかわらず、「自分は何者なのか」というアイデンティティが最大の問題でした。だからそれが明らかになると、他人に頼らず、しっかりとした自我をもった一個の人間となって、愛する人と駆け落ちしちゃったわけですね。イキな結末です。どこか『マイ・フェア・レディ』と共通するものを感じさせます。この展開を納得させたイングリッド・バーグマンの芝居がすばらしい。ユル・ブリンナーの仲間2人が個性的で面白く、ユーモアもあって楽しい作でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-21 19:22:13)(良:2票)
40.  浮草
ありゃ、意外と点数が低いですね。いい映画だと思いますが。定まった家のないヤクザな浮き草暮らし、もちろん金もない。それでも親であり女であるということを、とてもあざやかに見せていました。主要なキャストは鴈治郎をはじめみな好演していただけに、川口浩のぎこちなさが目立って残念でしたが。罵りあったりやたらと女をはたいたり、世の中の底辺で生きている人々ばかりが出てくるのに、ある種格調のようなものが感じられるのは、監督の手腕(人柄?)でしょう。終盤の展開は、人の心の襞を描ききって間断するところなし。グイグイと引き込まれます。製作会社がどうのこうのとかいうような先入観を持たなければ、普通に高く評価できると思いますが。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-04-01 11:05:24)
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