21. ノートルダムの鐘
《ネタバレ》 スケールは小さい方だが、描き方は物凄いダイナミズムに溢れる。何よりオープニングから凄い! せむし男もといカジモトの顔は醜悪というよりは親しみも出てくるユーモアも感じさせる。色気溢れるエスメラルダ、そして何と言ってもフロローの独唱!表裏一体、光と闇、欲望が彼の肉体を支配していく。暖炉での葛藤、欲望の炎がエスメラルダを焼こうとするシーンは怖い。 あえて結ばれないラストも良い。 シリアスな原作を見るなら是非ともウィリアム・ディターレの「ノートルダムの傴僂男(せむしおとこ)」で。 [DVD(吹替)] 9点(2014-12-29 20:31:01) |
22. 美女と野獣(1991)
《ネタバレ》 ジャン・コクトーの「美女と野獣」を思い出す幻想的な雰囲気。 ベルと野獣が踊るシーンはダイナミックで優雅だし、野獣が踊れば蝋燭といった家具や森の動物達も楽しげに歌い始める。命のない筈のものが笑ったり泣いたり、言葉が通じない筈の動物たちとも楽しく会話をし心が繋がる。冒頭からベルは人も動物も関係なく、楽しげに歌い合うのだから。コレがディズニーの良いところだね。夢があってさ。 野獣本人は人間として永遠に結ばれてハッピー、でも観客は人間に戻るシーンよりも素敵な野獣のままでいて欲しい・・・なんてケモナーに目覚めてしまうのです(多分)。 [地上波(吹替)] 9点(2014-12-29 19:26:13) |
23. ドラゴンボール 最強への道
《ネタバレ》 俺が最初見た「ドラゴンボール」は恐らくコレがはじめて。 BSで放送していたのを子供の頃見て、ドラゴンボールというものを知った。 今見ても、絵柄的に初期よりもサイヤ戦以降の方が好きなんだよねえ。ブルマの寝巻き姿エロく描きすぎだろスタッフ(笑) あとヤムチャもちゃんとイケメンに描かれていた。ヤムチャの終盤の扱いの酷さを思うと、何故か涙が・・・。 ストーリーはレッドリボン軍との戦いまでで物足りなさを感じるが、まとめるならおこまでが限界だろうか。「ドラゴンボール」を初代から劇場で見てきた人にとっては、原点回帰?とも言えるこの作品は凄い懐かしかっただろうね。 はっちゃんとのエピソード、ブルマのエロさ、「DANDAN心魅かれてく」を聞く分にはDBファン必見の内容。 [地上波(邦画)] 8点(2014-12-28 21:05:14) |
24. ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦~フリーザに挑んだZ戦士孫悟空の父~<TVM>
《ネタバレ》 バーダックのかっこ良さに尽きる作品。バーダック専用BGM(ソリッドステート・スカウター)の響きと共にたった一人でフリーザ一味に最後の最期まで挑み続けたバーダックの生き様!死に様! 冒頭で仲間達と暴れまわっていたバーダック、子供であるカカロットにもそっけない態度を見せるけど、本当は倒された仲間達を見て静かに、激しく怒る漢だった。 クライマックス、たったひとりでフリーザ一味に特攻していく散り様は熱い・・・! 予知で息子が成長してやがてフリーザを倒す姿を見ながら、笑顔で死んでいく・・・。 [DVD(邦画)] 9点(2014-12-28 20:02:35) |
25. 逮捕しちゃうぞ the MOVIE
《ネタバレ》 漫画やアニメはコッチの方が先だけど、これも「踊る大捜査線」の影響を受けて「こち亀」と共に映画化された作品。「こち亀」ほどの破壊力は無いしストーリーもあまり勢いはないが課長はやっぱカッコイイなあ。作画はOVAに匹敵・超えるくらいの水準であたりまえだが綺麗。東京の市街地の描写やそれを利用した駆け引きは面白い。あの緻密な描写は本当に凄い。 映画のシナリオは「パトレイバー」の初期(「2」は関係ないでしょ)からいただいたというか、元々「パトレイバー」が「逮捕しちゃうぞ」にリアルロボット要素をぶっこんだ様なもんだし。ま、その辺はご愛嬌で。 [DVD(邦画)] 8点(2014-12-28 19:06:06) |
26. こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE
《ネタバレ》 「こち亀」のアニメは初期の4年間も良いけどこの劇場版も結構好きだ。下町情緒溢れる雰囲気が良いし、両津がミサイルにまたがって何処までも飛んでいくシーンはギャグだけどカッコイイ。 「踊る大捜査線」の影響で「こち亀」も映画を作ったけど(アニメや漫画は「こち亀」や「逮捕しちゃうぞ」の方が先)、この馬鹿馬鹿しさこそ「こち亀」。 [地上波(邦画)] 8点(2014-12-28 18:55:13) |
27. ルパン三世 ワルサーP38<TVM>
《ネタバレ》 ルパンのTVスペシャルはコレと「ファースト・コンタクト」が個人的に最高。特にクリカン最高はコレでしょう。 ハードタッチの作画、殺伐としたルパンは初期のTVシリーズや原作のニヒルさがあって良いし、クリカンの淡々とした演技もカッコイイ。何より、今回のゲストヒロインであるエレンもクール&セクシーで素晴らしい。過去との決別、復讐、自由に生きる自由、いつ死んでもおかしくない自由・・・その裏でルパンの仲間達が爆弾の解体で右往左往しているギャップも面白かった。五エ衛門が導火線を斬る理由に爆笑、不二子の呆れて物も言えねえって顔も最高だった。 ワルサーP38にも惚れる作品。 [DVD(邦画)] 9点(2014-12-28 17:15:39) |
28. ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密<TVM>
《ネタバレ》 シリーズ随一のエロ回。絵柄が物凄く俺好み。何より金髪不二子がすげえ可愛い。まっ裸で敵の大将に不適な笑みをしてみせる不二子のカッコ良さ!「死の翼アルバトロス」を思い出す場面だ。 おっぱい丸出しで捕まった不二子のエロさは異常。それを直視せず目を瞑る五エ衛門は紳士or童貞(ry ゲストヒロインのララもセクシーなベリーダンスを披露。 ルパンの黒スーツがカッコイイというか新鮮。クリカンのモノマネには笑った。 敵のオカマ野郎は野沢那智という豪華さ。 砂漠の情景が良いんです。 [DVD(邦画)] 9点(2014-12-28 16:44:30) |
29. ルパン三世 燃えよ斬鉄剣<TVM>
《ネタバレ》 絵柄はともかくTVシリーズとしては個人的に「ワルサーP38」や「ファースト・コンタクト」に匹敵する出来。 昔の仲間が敵として立ちはだかる哀しみ、裏切られ・・・ってルパンの面々はそれがお約束みたいなもんです。 タイタニック号と日本の忍者が絡むという話もルパンならでは。 五エ衛門が過去を文字通り“絶つ”一刀両断! [DVD(邦画)] 9点(2014-12-28 16:23:29) |
30. ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス
《ネタバレ》 山田康雄は予告で語り、栗太貫一はそれを受け継いでいく。まだ演技力は微妙な時期だったけど、それでも山田康雄のアクセントや語りを再現しようと必死に頑張っている。思い切って別の声色のキャストを選択する手もあったろうけど(五エ衛門や不二子がそうだったように)、それだけ山田さんの声がアニメの「ルパン」を象徴するものだったのだろうね。俺としては広川太一郎や野沢那智といったパイロットフィルムの面々が後を引き継ぐところも見たかったけどさ。 さて「くたばれ!ノストラダムス」はTVスペシャルのようで劇場版。 三つ巴の争奪戦、お宝のためにわざと牢獄に捕らえられるあたりはルパンらしい。不二子がルパンの体を暖めるシーンは不思議な気持ち。原作は子供まで産んで、アニメでは肉体関係を匂わせる程度。ま、この二人ならナニをどうやっていようと不思議じゃないか。 一方で幼い少女を巡ってサッカーボールが爆発したりビルの大崩落から脱出したりとルパンファンは存分に楽しむべき活劇。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-28 15:57:26) |
31. トイ・ストーリー2
《ネタバレ》 冒頭のバズが敵のアジトに潜入するシーンの緊張、そこから一気に緩い空気になるから面白い。 その後で本当に“設定上”のボスと戦ったりするから楽しい。設定では熱線の打ち合い、現実はドッジボールも良いところ。 今回はウッディと同じようなカウボーイのキャラクターがわんさか登場。ウッディの嫁誕生。ジェシーの歌が心に響く。スターウォーズのパロディには笑った。 前作はバズが「自分は何者なのか」という事に葛藤して答えを見つけ、この作品はウッディが自分の存在意義を見出す事になる。 おもちゃというかコレクションアイテムとして綺麗にされるウッディ。 「1」よりも進化したアニメーションと質感がよりその凄さを味あわせてくれる。あのシーンは不思議と何度も見てしまうよ。 埃をはらい、ほつれた糸を縫い、脚に刻まれた“思い出”も尽く消されていく。ウッディにとっては“治療”じゃない。記憶の抹消、自分が何者だったのかという存在を消される行為に等しいのではないのだろうか。 おもちゃは主人を選ばない・・・いや、選べない。 だが彼ら心、魂を持ったおもちゃたちは主人を受け入れたり、選ぶ事もする。 そんなおもちゃに大人も子供も違う形で魅了され、夢中になってしまうのが怖い。 人は歳をとってもおもちゃを愛し続け、愛情を注がれれば注がれるほどおもちゃも永遠に生き続ける・・・そんな事も思ってしまう作品だった。 [DVD(吹替)] 9点(2014-12-26 22:02:17) |
32. からくりの君
《ネタバレ》 うおお~まさかまさかこの作品のレビューページがあろうとは、いやはやありがたい。登録して下さった方、本当にありがとうございます。 さて、藤田和日郎の「からくりサーカス」の前身となった短編を元に作られたこの逸品。 藤田のアニメ化は「うしおととら」もあるが、この「からくりの君」は作画も演出もキャストも最高。 冒頭の忍たちが死地から脱する場面、彼等を追う化物を一刀両断する謎の鎧武者は、巨大な葛篭から“ばこおおんっ”と飛び出す。それを糸によって操る可憐な少女。ギャグシーンの可愛さもあって本当に可愛いっす。オマケに水浴びのシーンは作画陣の力の入れようもありエロい。藤田の作画は可愛いが熱血すぎて色気にやや欠けるが、アニメでは動き、仕草で男の勲章をばこおおん(ry 野郎共の鼻に力入れすぎな気もする。 「HELLSING」のウォルターのピアノ線でも思ったけど、あれでまったく糸が絡まないのがスゲえ。つうかスゲエ欲しい。 もっと凄いのが、いくら当時の日本人女性が は い て な い とはいえあんなダイナミックに股をグワッと開いて恥じらいが無いというか男らしいというか。 そして綺麗だった若本こと若本規夫の素晴らしい演技、1回はヤケになって欲情するが、事情を知って“仇討ち”に助太刀する義理と忠義の漢! 人形たちのダイナミックな戦闘、流麗な作画、最後まで高密度で面白かった。これで「からくりサーカス」のOVAシリーズやんねえかなあ・・・。 [DVD(邦画)] 9点(2014-12-26 21:39:10) |
33. ビーン
《ネタバレ》 子供の頃に見て大爆笑した思いで深い映画。 Mr.ビーンとの出会いはコレが初めてだった。今はTVシリーズが最高だと思っているけど、コレもところどころギャグで笑わせてくれた。 馬鹿と天才は紙一重、ビーンの行くところトラブルの連続。 拳銃の“真似”をして空港をパニックに陥れたかと思えば、遊園地では迷子ではなく機械を魔改造して呼び出しを喰らい、仕舞いにゃクシャミで肖像画の顔をメチャクチャにしてしまう。二人(主にデヴィッド)はヤケクソで泥酔、一方ビーンは子供にピーナッツを空高く投げて食べる芸をまだ披露していて呆れる。が、なんとビーンは夜の美術館に潜入して警備員をトイレ送りにして絵まで“変え”てしまう。その後のスピーチの素晴らしさとデヴィッドの唖然とした表情がまた。 でも「凸」の意味は正確に知っとこうぜ(笑) [DVD(字幕)] 8点(2014-12-26 19:01:05) |
34. アポロ13
《ネタバレ》 流石に最高傑作とまではいかないが、それでも「ライトスタッフ」を思い出すような素晴らしい映画だ。アレは宇宙に飛び立つまでの波乱、コチラは実際にあったアポロ13号が事故を乗り越えて地球に帰還するまでをリアルかつ、ドラマティックに描写した傑作! 打ち上げシーンの緊張、11号に続いて月への第二歩を刻む筈が、命懸けの帰還作業に。宇宙空間という密室、寒さ、酸素残量の低下、そんな中船員を襲う高熱など様々なトラブルが重なっていく恐怖。船員たちも苛立ちや不満をぶつけては、互いに生き残るために仲間の絆、人間としての尊厳を取り戻していく。地球の管制室から送られ続ける“命綱”も心強い。 宇宙船内の無重力描写も、何百回と撮影を重ねて作り上げたそうだ。流石ロン・ハワード。 解っていてもハラハラしてしまう恐怖、手に汗握る感覚。大気圏突入のシーンは空中分解でも起こしそうな勢い、不安が画面を奔る。 [DVD(字幕)] 9点(2014-12-26 18:50:14) |
35. 機動戦士ガンダムF91
《ネタバレ》 元々はTV放送で26話の予定だったけど、急遽映画化が決まって無理矢理詰め込みすぎた作品となってしまった。 一応ハッピーエンドで話も解り易いが、何処か途中の話が幾らか抜けているんじゃないかと思うくらいツギハギのようなものも感じて消化不良気味だ。 安彦良和による作画と戦闘描写は圧巻。特にシーブックが初戦闘をする件とか、とにかくMS同士の戦闘が見たい人にはオススメ。 バグとアーサーと薬莢に当たって死ぬ人々の描写は最凶レベルのトラウマ。 でも少し性急にしすぎたのか、作画のムラやミスもタマにあるのが傷だ。 ただ、シービックが初戦闘するまで長く、クロスボーン・バンガードと連邦軍の戦闘ばかりで少し飽きてしまうだろう。 ニコニコ動画で戦闘シーンだけ見て入った人からは、本編のバランスの悪さに四苦八苦する事間違いなし。 登場人物やストーリーもかなり魅力的な部分がある反面、もっと要点を絞って余裕のある造りにするべきだった。 本編に不満がある人は是非とも「クロスボーン・ガンダム」を読む事をオススメします。 [DVD(邦画)] 8点(2014-12-21 22:05:17) |
36. 銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲<オーヴァチュア>
《ネタバレ》 OVA本編の1・2話+複数話に相当する部分。 本編がやや急ぎ足のダイジェスト風に対し、本作はヤン、ラップ、ジェシカ3人の徹底的な掘り下げをしてくれた。 OVAでいきなり死んだラップを知る者は、この映画を見ればラップとジェシカへの思い入れがさらに強まるだろう。 作画はOVAも後期に差し掛かっていた時期で、初期に比べると硬さが減りかなりソフトな仕上がりになっているが、その分絵、の柔らかさや温かみが増したとも言える。 それでも初期の作画を意識した描き込み振り。 パエッタ中将の安定感は異常。 それぞれの考えで「親友」を救いたいヤンとパエッタの考えはすれ違っていく。 その立場で無い者にしか解らない葛藤。 ラインハルト陣営も結構掘り下げ、メルカッツやファーレンハイトといった各提督の肉付け、OVA本編で活躍する他の人物も何名か登場している。 OVAファン向けのサービスが多い。 OVA本編でも最大の山場だった「指揮官の交代」。 敗北寸前まで追い込まれた自由惑星同盟の面々、 負傷者の救護と立て直し、 そして迎えるクライマックス・・・二人それぞれが迎えるラストへの流れ。 [DVD(邦画)] 9点(2014-12-21 21:38:42) |
37. マクロスプラス MOVIE EDITION
《ネタバレ》 「ガルドおおおっ」の一言に尽きる、尽きる、尽きる。 「カウボーイ・ビバップ」に繋がるスタイリッシュな戦闘・音楽・大喧嘩。 ガルドとイサムの一騎打ち(という名の喧嘩)、CGかと思ったら全部手書きでスタッフの安否を気遣うレベル、リミッター解除後のガルドが天高く燃え尽き最後の最後で“にんまり”笑う散り際・・・日本に生まれてよかったと思った、マジで。 シャロン→後の初音ミク(嘘) [DVD(字幕)] 9点(2014-12-21 19:09:02) |
38. シコふんじゃった。
《ネタバレ》 相撲を愚弄している(いいぞもっとやれ)。 常識とは破壊されるために存在する。 日本の伝統である相撲も、今の世の中気軽に楽しめる「スポーツ」に進化しなけりゃならない。 伝統は大事だ。 古から受け継がれてきた技術、思想。 ただその素晴らしい伝統も、新しい時代のパワーと結びつかなければ何も生みだせない。 それを描いていく作品がこの「シコふんじゃった。」である。 周防監督は「Shall we ダンス?」でも戦後日本の複雑さをダンスを通じて描いたが、「シコふんじゃった。」は純粋な青春映画でもあり、スポーツを通して日本文化へのアンチテーゼも描こうとしたと思う。 どっちもコメディタッチの軽さ、そして一人一人の心の成長を描いた熱いドラマがある。 土着も日本人だからこそ描ける内容だ。 主人公は相撲に興味すらなかった今時の学生。 相撲=単位として受け止めていた。 当然練習も満足にせず大会に出され、ボロ負け。 勝ち負けもどうでもいい、悔しさも無い。 そこに相撲に本気で取り組む人間からの厳しい反発。 「相撲を何だと思ってやがる!!!」 「別にどうも」 「てめえらみたいなオカマ野郎は恥さらしだ!!」 てめえ「ら」。てめえ「ら」と来たもんだ。 自分だけならいざ知らず、仲間や教師まで罵られて黙っていられる主人公では無かった。 「相撲が何だ!勝ちゃいいんだろ勝ちゃ!!見返してやるよバカヤロウ!!!」 悔しさ、憤り、勝ちたいという気持ちの芽生え・・・男たちは徐々に変わっていく。 教師もそんな彼らを見るうちに、錆び付いた魂が蘇る・・・! 心と心の本気のぶつかり合い、経験の差は技術で補え。 幾らなんでもたった数ヶ月で数年以上鍛えてきた奴らと互角に戦えるのか・・・そこは娯楽映画、ご愛嬌といこう。 何しろ主人公たちの面付きが別人だもの。 成長を「面付き」で納得させてしまうこの王道。 単純明快な王道と爽やかな青春。 汗だく筋肉燃焼の相撲をここまで爽やかに、かつ力強く描いた映画は他に無いのかも知れない。 終盤の「試合」の二段構え。 実にドラマティックだ。 シコ、ふんじゃおうかな・・・そんな映画。 [DVD(邦画)] 9点(2014-12-20 21:36:56)(良:1票) |
39. ルパン三世 DEAD OR ALIVE
《ネタバレ》 これもまたルパン。 つうかこれこそ?ルパン。 山田康雄ルパンの最高が「カリオストロの城」や「複製(クローン)人間」といった諸作なら、栗田貫一ルパンの最高は本作と「ワルサーP38」で決まり! でも原作よりイケメンすぎ(ry ハードな作風も相まってクリカンの演技も重きを置いた感じでgood. 冒頭の変装を解き煙の中から現れるルパンが最高にカッコイイし、野性的な不二子のファイティング、など文字通り“生死を問わない”激しいバトルの数々。 凝りに凝った演出で最後まで見てしまった。ルパンの変装も今回はかなり凝ってます。 敵の正体もマモーとかあの変の変態(褒めてる)共の事を考えるとOKすぎる。 クライマックス、柱にねじこまれた弾丸を“放つ”瞬間が最高! 俺のマイ・フェイバリット・ルパンの1本。 [DVD(邦画)] 9点(2014-12-20 21:34:14) |
40. 紅の豚
《ネタバレ》 ハワード・ホークスの豪快で楽しい航空映画を思い出す傑作! 橋がいくつもかかる川から飛行艇をブチ上げる! アニメーションだからこそできる無茶なシーンだ。 縦横無尽に駆け抜ける飛行艇。 陸の上や船乗りには無い「男の戦い」がそこにはあった。 舞台は第一次大戦直後のイタリア。 空を飛び交う戦闘機乗りたちがプライドと命を賭けてドッグファイトを繰り広げる。 そこに「魔法で豚になっちゃた」というファンタジーをねじ込む! だのにちっとも違和感が無いのは何故だろう? 先に散っていった仲間たち。 一人だけ生き残ってしまった自分を恥じ、人間の「マルコ」を自分の中で殺し、「豚」として生まれ変わった「ポルコ」。 「戦争は人間同士でやりな」はポルコにしか言えないセリフだ。 こんなにカッコイイ豚がいてたまるか。 ストーリーは血潮が飛び交うような殺伐としたものは少なく、ポルコ(マルコ・パゴット)と空賊たちの微笑ましい「大喧嘩」。 だって空賊が子供誘拐すんのに「はぐれたら可哀想だろ!!」なんて言うんだぜ? 人質も盾にする気無し。 賊やるよりも保育園開業した方が長生きしそうな奴ばっかりだ。 オマケにポルコとフィオとジーナとカーチスの四角関係ときたもんだ。 何? 弾が切れた? そんな時はレンチとクロスカウンターよぉ! 顔をデコボコにして殴り合う! 「おっさん」と「じいさん」と「未亡人」と「女の子」しかいない映画。 そこがいい。 森山周一郎の渋みのある演技も味わいがある。 [DVD(邦画)] 9点(2014-12-20 20:24:44) |