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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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401.  スパイ・ゲーム(2001)
「スパイゲーム」というタイトルの割にはゲーム性もなく、007のような映画とは違い、真面目で落ち着いた出来に仕上がっている。 出来自体は決して悪くはないのだが、盛りあがりに欠ける為、期待ハズレと感じる人も多いだろう。 部下であったトム救出のために動き回るネイサンの退職の日の「現実」を縦軸に、75年ベトナムでの出会いから、76年西ドイツでの二人の考えの対立、そして85年のベイルートでの二人の別れを「過去」の回想を横軸に二重構造にして描かれている。 ネイサンの信念には「情報提供者に命をかけるな」というスパイの役目や負けられない危険なゲームと割り切ることが大切という考え方があり、一方、トムは理想肌で「人を殺すことは苦しいこと」と語っていたように「人の命の重さ」を知っている。 二人の考え方はだいぶ違うと思ったが、やはり二人にはどことなく似ている部分を感じさせるし、人間的な根っこは同じような気がする。本作では師弟愛が感じられた。 しかしなあ、ネイサンはベイルートでは当然の策とはいえ、トムを待たずに、キプロス義勇軍を使ってしまったり、エリザベスをトムから引き離すために拉致って中国に引き渡したりしているわけでかなり実際はかなり非情なオトコなんだよな。 トムとエリザベスの二人の愛が本物だとは知らずに拉致ったりしているから今回のような事件が起きたわけで、28200ドルは自分のまいた種を刈り取ったようなものかもしれない。 エリザベスとトムの二人には、救出後2台の離れたヘリコプターで見つめ合う姿に愛を感じさせずにいられなかった。 ネイサンの奥さんネタも随所に登場させているから、ネイサンの奥さん、家族、愛についての考えも少しだけでも描いて欲しかった気がした。 奥さんネタはやや消化不良に終わっていると感じたな。 衛星写真のすり替えや「ディナー作戦決行」の周りの反応などニヤリと出来る場面も多く、「ディナー作戦」と聞いた時のトムの反応も特に良かった。
7点(2004-12-18 16:35:49)(良:2票)
402.  モーターサイクル・ダイアリーズ
旅をするために旅に出発した二人、詳細なプランは特別にはない、目的地はハンセン病施設。 そんなあてどもない旅を通して、ゲバラが何を見つけ、何を学んだのかという視点が上手く描かれていた。 学んだものは、ぶつける事が出来ないどうしようもない怒り、やりきれない想い、人々の貧しさと、人のために役に立ちたいという漠然とした気持ちが強い想いに変わったこと。 旅を通して自分が何をなすべきかを探し得たのではないだろうか。 嘘をつくことが出来ない、わけ隔てなく人に対して向き合い、人に対しての愚直なまでの率直さが、ガエルガルシアの真っ直ぐな眼差しとあいまって、人々を惹きつける魅力となっている。 旅をしているうちに様々な人々と触れ合い、大きく変わっていく自分。 そしてもう戻ることが出来ない自分もいた。 旅もそうであろうが、自分に対しても郷愁と興奮があるように感じる。 もう戻ることが出来ないなつかしい思いのする自分と、どういう人生を歩んでいくか興奮を感じさせる自分。 そのような目的を見つけ、皆にスピーチするゲバラを見つめるアルベルトはどことなく羨ましそうだった。
7点(2004-11-20 22:40:12)
403.  砂と霧の家 《ネタバレ》 
映画を見終った後の観客のそれぞれの足取りが重かったことがこの映画を言い表している。 映画を見た後なのに近くにいたカップルなんて一言もしゃべらずただだまって歩いていただけだし。 陳腐な言い方だが、後味のワルさと何とも言い切れない憂鬱感だけはアカデミー賞級の映画。 一体何を感じ取れば良いのかちょっと整理はつかないけど、骨太で重厚な創りと、俳優陣の演技、映像の綺麗さは誉めることができる。特にラヴシーンの綺麗さは良かった。 あんな警官とのラブシーンにあそこまで綺麗に取る必要があるかはよく分からないが。 個人的に思ったことであるが、ファーストカットとファイナルカットがかぶっている創りにする意味が良く分からん。 あんなファーストカットはほとんど意味がなく、むしろ撮るものは他にあったと思われる。 キングスレーとジェニファーの二人が取り戻したかったモノは何か? そう考えれば、キングスレーにとっては家族の幸せであり、父親としての威厳とプライドだろう。 一方、ジェニファーにとっては父と兄と暮らした幸せが詰まった想い出である。 その結果からすると、冒頭にはジェニファーの幼少期、父と遊ぶ、幸せな想い出を入れ、キングスレーには訳が分からん木を倒すシーンよりも、イラン時代の家族が幸せで自分の威厳があったシーンを入れるべきではないだろうか。その際はあの家と少し雰囲気が似ている家の必要はあるが。 その方が何故あの二人が必死になる必要があるのかがより明確になると思う。 家族への偽りの人生が招いた悲劇、その結果失ったものは、キングスレーと警官の二つの家族と一つの家…。 家族の幸せは、砂のようにもろく、霧のように掴みづらいものなんだろうか。
7点(2004-11-14 22:23:31)(良:1票)
404.  イレイザーヘッド
観ている間、まるで鈍器でアタマを殴られ続けるような感じにさせてくれる映画。 ヘンリーだけでなく観客にとっても正に悪夢と言ってもよいかもしれない。 あまりに耐えられない悪夢なので、自分の妄想のなかで自分のアタマを消しゴムにして粉々に吹き飛ばしてみたくなる衝動もなんとか分からんでもな。 悲惨なオトコの現実逃避を描いた作品なのかもしれない。 そして途中でラジエーターの女性が歌った歌がこの映画を言い表したようなものでしょうか。 頭が変になることもなく、全て上手くいき、悩みなんてない世界、それが天国。 子どもを殺して、最後は自分を天国に行かせてしまったような感じがする。 リンチ以外に作ることは出来ない正にある意味では傑作と言って良い世界観をもった映画。モノクロもいい効果が出ている 個人的には「工場で何してるんだ?」「ただの工員です。」の後に全く動かなくなったオヤジとベッド脇に盛られた土に刺さった草のようなモノが特に気に入りました。 それにしてもあの赤ん坊は作り物としてもリアル過ぎる、特にあの眼の動きは説明することは難しい。 そしてあの口や舌の動き方はなんなんだろう、切ろうとしたチキンが足をばたつかせることの比ではなく説明困難だ。
7点(2004-11-14 04:31:48)
405.  ディープ・ブルー(2003) 《ネタバレ》 
「弱肉強食」「食物連鎖」を中心に圧倒的な映像によって綴られている。後半部分のような海洋での神秘的な映像を前面に押し出すとよりも、前半部分の「食うか、食われるか」という“過酷な世界”を中心に描いているのが特徴だ。たとえ、小魚であっても生き残るために、仲間とともに必死に防御している姿が印象的だ。「生きる」ことに対して必死の生物たちの活動をみれば、我々人類が欠けている何かを感じることができるのではないか。 ただ、「シャチ」だけはどこか異質のような気がした。海上における食物連鎖の長ともいえる存在のためだろうか。食うか、食われるかという世界において、“狩り”を純粋に楽しんでいるように思われる。子クジラを数時間も掛かって襲っておきながら、舌と下顎しか食べないというのはこの世界のルールにどこか反しているのではないか。そのため、シャチにはどこか“人間”的な部分を感じられる。シャチを上手く利用して、生態系を無視している“人類”への警告のようなものをチラつかせれば、ただのドキュメンタリーとは異なる奥深い映画に仕上がったのではないか。 そう考えれば、本作は単なる記録映画に留まっているように思われる。 単なる記録映画を作りたいのならばよいが、奥の深い映画を目指すのならば、ドキュメント映画であってもストーリーをきちんと構成するなり、強いメッセージなりを映像に込めるべきである。 「人は今日も海を傷つけている」と単に最後でナレーションするのはあまり好ましくない手法だ。映像でその想いを伝えないと映画としてのレベルの高さを感じさせない。 最高の映像を撮ることに関しての技術や情熱は素晴らしいと驚嘆させられが、クリエイターとしては評価しにくい。メッセージなどなく、貴重な映像だけを繋げたフィルムを作ろうとするのならば、最後の締めのセリフはややズレているのではないか。本編と関係ないセリフで締められてはせっかくの映像も台無しになってしまう。 そのような趣旨を込めたいのならば、人間の海に与えている影響や悪行をラストに少しは映してもよかったのではないか。彼らも取材中に目の当たりにしているだろう。 油まみれになった海鳥、海に大量放棄された排水・ゴミなど、ラストに1分ほどでもまとめれば、少々受け取り方が異なったものになるのではないか。 美しい海と、汚れた海を対比的に描けば、人類へのメッセージに繋がったと思われる。
[映画館(字幕)] 7点(2004-11-14 00:52:24)
406.  ロスト・ハイウェイ
この映画に答えなんてないし、どのような解釈もアリだと思います。 時間軸のズレなど観客だけでなく監督すら迷宮に入りこんだような作品、しかし好きなジャンルの映画です。 たぶん合ってないと思いますが、自分なりの解釈を試みたいと思います。 妻を殺したのは、フレッド自身、しかし彼にはその自覚はない。 何故彼女を殺したかというと、妻の不倫を疑い、あまりにも妻を愛しすぎていたため、猜疑心によって気が狂ってしまった。 それに耐えられなくなってもう一人の自分であるミステリーマンという人格を作りだし、もう一人の自分が妻を殺したため本人には自覚がない。 テープにより証拠が固い為、死刑になり独房に入れられる。 ピートの話は大部分が妄想の世界と考えられる。 根拠はアリスという女性が写真から消えることと、ミステリーマンが「あの女はレネエだぞ」というセリフから推測できる。 自分を正当化し、自分の願望を達成するために創り出したフレッド自身の世界であり、現実ではないと思われる。 ピートはフレッド自身であり、アリスはレネエを投影した妄想で問題はないはず。 ピート編を全て妄想と片付けることが一番手っ取り早い解釈だが、ちょっと味気ない気がする。 ディックロラントとアンディを殺したことはなんとなく現実化したいので、自分のなかでは現実にフレッドが殺したことにしました。 アリスが「あなたが殺したのよ」と語ったセリフからそんな気がした。 二人を殺すことであたかも妻が死んだのはオマエラのせいだとだから復讐をしたかのように自分を正当化してるのではないだろうか。 そして警察に追われ続ける。 しかし、この解釈ではロラントが死んだ夜はロラントがレネエと別れてすぐの晩のはずだし、その翌日に「ロラントは死んだ」と自分に語ってるんで解釈不能であり時間軸のズレが気になる。 しかもビデオに自分が映っているのはもはや説明の仕様がなく、アンディが死んだ部屋にピートの指紋がいっぱいあると警察が言っていたり、ピート編での謎である誰もが口をつぐんだ「あの晩」について答えがないのが困りモノ。 そもそもフレッド自身がどうやって刑務所から出れたのか説明が出来ない。 謎だらけ、自分も迷宮に陥ったようだ。 「記憶は常に自分なりにする、起きたとおりには記憶したくない」とフレッドが言っているのがタチが悪すぎる。
7点(2004-11-07 04:30:00)(良:1票)
407.  ソウ 《ネタバレ》 
本作の凄さはゴードンが脚を切ることではなく、ゴードンに脚を切らせたことではないか。ジグソウは、ここに至るまでにほぼ完全にゴードンの思考能力を奪い、精神を錯乱するまでに追い込んでいる。ラストの混乱で携帯は手の届かないところに放り出されてしまうが、携帯は鳴り続けている。この時点で、この着信音はゴードンにとってはただの着信音ではなく、家族の「悲鳴」や助けを求める「声」にしか聞こえなかったはずだ。本来の精神状態ならば自分のシャツやノコギリを使えば余裕で携帯を手にすることができたはずである(序盤にアダムにシャツを使えとアドバイスを送れたのは精神状態がまだノーマルだったため)が、ノコギリを手渡され、家族を助かるためには自分の脚を切らなければいけないという「刷り込み」をされ、精神的に追い込めば、周囲の状況を冷静に分析することができず、そういう行動を取ってしまうという心理をジグソウは利用したのではないか。ジグソウのゲームには一応助かるための「鍵」のようなものが用意されている。冷静でいられないから、この「鍵」を失ってしまうのだろう(アダムにもちゃんと鍵を渡している)。あのとき、携帯が取れそうで取れない位置(何かを使えば取れる位置)に製作者が置いたのは演出家のミスではなく、「作為」だったと思う。 ただ、どうしても引っかかってしなうのは、何故ゴードンとアダム(ゼップも含む)がこのゲームに参加しなくてはならなかったかが不明瞭だ。彼らの罪は、不倫や覗き等であって、「命」を粗末に扱ったり、「生」の喜びを享受していないわけでない。娘を心から愛し、不倫にも躊躇してしまうゴードン医師がなぜジグソウのゲームの対象となり得るのか。ジグソウの動機や理屈とは合わないような気がする。ゴードンの無実の家族をゼップに殺させようとしたが、あの家族にも「命」を粗末にするという「非」はないはずである。例えば、医者の場合には不倫をしたために緊急の患者の命を救えなかったとか、覗きによる強迫で誰かを自殺に追い込んだというようなエピソードがあってもよかったのではないか。ただ、製作者サイドとしては、ジグソウという人物を本当のヒューマニストではなくて、末期状態のために善悪の見境がなくなった狂信者として描きたかったかもしれない(観客がジグソウに過度に同情させないために、論理的に矛盾した行動をとらせたとも考えられる)。
[映画館(字幕)] 7点(2004-10-31 03:31:25)(良:1票)
408.  サタデー・ナイト・フィーバー
六本木にてデジタルリマスター版を見ました、画質はそれほど良くはなかった印象、音は確かに良いけど。 トラボルタはダンスがカッコいいだけではなく、今の一瞬一瞬を生きている若々しさ、髪型や服装をイチイチ気にするようなダサさ、ダンスや女性に対する真面目さ、相手を素直に誉める潔さ、将来に対する漠然とした不安、仲間と一緒にいてもどこかつまらなそうな感じを出していたように中々の好演。 ダンスシーンでは皆で同じダンスをするところは、見ているこちらも体が自然と動く。 アニキを連れて来た際に見せたソロのダンスも中々見せつけられた。 ただコンテスト中にキスしているようではちょっとマズイだろう、ダンス自体も二人の人生に対する甘さが出ているような甘い踊りで、プエルトリコの熱っぽさとは好対照だった。 全体を通してユーモアたっぷりに描かれていながらも、若者特有の人生に対する不安、焦り、夢への思い、現実の厳しさがちゃんと描かれていたと思う。 自分が本当にやりたかったことを見出せずに過度な期待を持たれ不本意な人生を歩んだアニキや自殺とはいえない自殺をした友人などがいい素材が多くあった割には、ラストはまとまりきれなくなった感を受けた。 ステファニーに対して友人でいようとか、男女の友情はあるの?とかはちょっと逃げた感じがする。 やはりダンスへの思いというか、夢に対する姿勢で最後は締めて欲しかった気がするんだけどね。 ステファニーも都会に憧れ夢が大きく背伸びはするけど、愛人として自分を売ることしか出来なかった現実の厳しさを感じさせてくれた。 エンディングロール中に外人さんとその彼女さんが画面の前で二人で踊ってくれました、ラストも右手を上げたあのポーズで決めて。 本当は迷惑なんだけど、サタデーナイトフィーバーだから許せるかな、ちょっと微笑ましかったし。
7点(2004-10-31 03:28:13)
409.  コラテラル 《ネタバレ》 
ストーリーにサプライズがあることは全く期待せず、マイケルマンらしい質の高い熱い男の世界の映画を期待していた。 本作は嫌いではないが期待したほどの映画ではなかったと思われる。 トムクルーズの殺し屋役ではあるが、カッコイイのは中国系の男を殺すところだけ。 本来なら、人間をゴミとしか思っていなく他人を拒絶するような冷酷な非情な殺し屋であるべきだったはずだ。 マックスが言っていた「本来人間が持っているはずの大切な感情」を失っている人間には徹し切れてないという印象を受ける。 まだ軽い気がする、ジャズマンやマックスの母親とのやり取りは演技だとしても、ファニングとエレベーターを乗り合わせた時に「何階か?」や「今夜はどうだ?」とか聞くのには違和感を覚えた。 「人間なんて宇宙の中の小さな砂」と言っていたには、殺し屋としての哲学が伝わらない。自分も含めて人間なんて皆変わらんようなことを言っていたが、なんのために殺し屋やっているのか分からん。 ラストの死に様もイマイチだろう。人間をゴミだと言って、人間関係なんて無意味だと言っていた男が死ぬときは、もっと憐れで惨めな感じを出したほうが良い。 そうしないと何も伝わらない、本作の隠れたテーマは都会の人間関係の希薄さだろう。 かなりベタかもしれないが、親父から暴力を受けて感情を失い、地下鉄で人が死んでも6時間誰も気づかないような世界に嫌気をさしていたが、実は誰よりも温かい人間関係を欲していたというような設定でも良かったかなと思われた。マックスとの交わりで何かが変わっても良かった気がする。 アカデミーはよっぽど相手に恵まれないとノミネートすら厳しい、しかもこの映画の主演はジェイミーフォックスだし。 ジェイミー演じるマックスは良かった。 夢を抱きながらそれを実現できずに、時々一人島に逃げ込みながら、プロのタクシードライバーという現実に甘んじている男。 もう少し、自分が実は逃げているだけの男だと気づいて行動に移すシーンを丁寧に描いて欲しかった。 少し不思議に思った点があるので書きたいが、空港でカバンのすり替えをしているがこの男はヴィンセントの特徴が分かっているのにそれがフィリックスには伝わっていないのはおかしい。 そしてマックスの母親にリムジン会社の嘘をついているが、タクシー会社に何度も電話するというのは整合性がつかず、イマイチ分からん。
7点(2004-10-24 03:30:11)(良:2票)
410.  ALI アリ
映画として面白いかと問われれば、それほど面白くはないと答えるだろう。 さすがにロッキーのような面白さはないだろう、現実のボクサーのありのまま姿を追い求めたものだから。 ただ、映画の質は高かったと思う。 つまらないと言っている人、同様楽しめない理由としては、アリのことをよくは分かっていないので、その辺の背景や宗教、徴兵制を含めたボクサーアリの知識を知っている人は楽しめたと思う。 そして2時間30分は観る者には長いようでも、アリの人生を語るには短すぎた。 本来なら10時間位かけてやるべき内容をこの短い時間に詰め込みすぎた感は否定できない。 それでも「民衆の王者」として人から愛され、自らは人が望む姿を追わずに自分の生き様を貫いた男としての生き方には感銘を受けた。 徴兵訴訟中の戦いたくても戦えない苛立ちやもどかしさのようなものも充分伝わってきた。 自信満々に語っているのは、他人を言い聞かせるのと同時に自分にも言い聞かせているような感じも受けた。 ジェイミーフォックスやジョンボイトの脇役も光り、アリとの関係もなかなか良かったと思われるがもう少し掘り下げても良い感じがする、特にフォックスとの関係は。 女性関係の甘さなどは描かれてはいたが、人間らしい弱さも少し加味できれば人間としてアリがもう少し近くに感じられたかもしれない。
7点(2004-10-17 23:26:11)
411.  黙秘
キングらしくはないけど、結構気に入った作品。 キングとベイツこの二人が組めばいい映画になるなあ。 ミザリーを見た後に本作を見たのでベイツの深みのある演技には驚かされた。 過去と現在が交錯し、二人の死を通して母と娘の関係、母とヴェラの関係が明らかになり、そしてその関係が深く描かれている。 日蝕がまた一つのキーワードなのかもしれない。 夫と妻、母と娘、雇い主と使用人、それぞれに目に見える光の部分と見えない闇の部分がある。 日蝕のような日中起きるはずのない闇が光を包んだ時に、明かされることはない闇に包まれて事件が起きているような錯覚を覚えた。 「事故は不幸な女の友達」「悪態をつくのが生きるよすが」「生きるためには悪女にならなくては」等々なかなか深いセリフには、しゃべったキャラクターの生き様を考えると色々な複雑な想いを感じられる。
7点(2004-10-04 01:12:57)
412.  ミザリー 《ネタバレ》 
作家とそのストーカーが織り成す閉鎖的な空間を描いた設定も面白いけど、やはりキャシーベイツの演技に尽きる映画とも言える。 このキャラクターであってもアカデミー賞主演女優賞を受賞できたのもうなづけられる。 時折、豹変するシーンは迫真な演技だったし、無茶苦茶な要求をするシーンも演技というより完全に成り切っていた。 一番笑ったのは、ワインをこぼされた後のジェームズカーンのがっかりした顔だったなあ。 怖さの中に多少のユーモアがあるのがこの映画の良さかと思われる。 自分の作品に二回火をつけるシーンがあるが、これが正に作家と読者の戦いと言えよう。 作家の魂である作品を気に入らないからと言って火をつけろと要求する読者と、その読者の生きがいであり、また自分を救ってくれたと感じていたミザリーという作品に、待ち焦がれたラストを書き上げた後にその復讐のために火を放つ作家…凄まじい攻防としか言いようがない。
7点(2004-10-03 21:45:23)
413.  テルマ&ルイーズ
手を取り合って駆け出していくラストが何とも言えず良い。 最高の二人が最高の旅を締めくくった瞬間…二人の旅は決して終わらないと感じた瞬間でもあった。 当時の女性に対する社会的背景がイマイチ良く分からないけど、恐らく家庭にがんじがらめにされ閉じ込められた自由のない存在であり、ルイーズの言葉にあった様に男に襲われても誰も取り合ってもくれない社会的弱者であったのかもしれない。 夫にも言いたいことを言えないそのような弱い立場から一転して、自由を取り戻して過去の自分を捨て、本来の自分らしい自分になっていく二人。 画面上の二人はとても輝いてみえたのが印象的だった。 彼女らの行動は現実を顧みない甘さしかないけど、多くの人にとって夢や自由、現実を、そして男女ともに自分自身を見つめる何かを見せてくれたのではないか。 二人は着飾ったり化粧をやめていき、次々に男たちからモノ(服、帽子、サングラス)を奪ったり、交換していく姿を見ていくと、過去の自分を捨てているようで面白い。外見が変わることで逆に内面の変化、成長も感じ取ることができる。 きっかけとなった事件も男にとっては単にふざけていたの一言で済まされるかもしれないけど、女にとっては一生消えないココロの傷として残る。ルイーズの頂点に達した怒りはその点に尽きるといえよう。 それにしてもサランドンの表情はイイ。ようやく結婚を切り出してくれた最愛の男と別れる決意を固めた時にホテルで見せた表情には様々な想いが込められていた。 他人を信用するなとテルマに言ったルイーズ、本当に他人を信用することは悪いことなのかどうか、その点をカイテルにいくつポイントを与えてやればもっと映画として良くなったかなとも思われる。
7点(2004-09-23 18:21:15)
414.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 
ストーリー自体はよくできていると思う。 犯罪などによって肉親を殺された人たちが、犯罪も争いもない「理想郷」をこの現代に作り上げるという思想は、実にシャマランらしいなと思う。 シャマランはこの「理想郷」は破綻の危険性を若干孕みつつも成功だと締めくくったように感じるが、この「理想郷」はやはりどことなく破綻しているようにみえる。 犯罪により肉親を失った悲しみから逃れるために現代を捨てて、過去に回帰した「ヴィレッジ」を創り出したとしても、結果的に現代の医療において直るはずの幼い命を病で失うという矛盾(冒頭で示される)に満ちた世界に陥っている。 やはり、人間は悲しみからは結局、逃れることは出来ない。犯罪によって失われる命と病気によって失われる命の重みは、前者の方が重いのだろうか。そうではないだろう。 そのような救われるべき犠牲を出してまでも守らなくてはならない大人達が創り出した「ヴィレッジ」は、本当に成功したのだろうか。 マインドコントロールして善良な子どもたちを作り上げることには成功できたかもしれない。しかし、ノアのような学習できない人間には、彼らの掟をきちんと守らせることはできない。ノアの姿をみて、人間の本質は「暴力」であり、暴力のない世界はやはりあり得ないのではないかという思いを強くした。 そして、犯罪や殺人を嫌っていたはずなのに、大人達の創り出したあらゆる嘘や汚れが、結果的に、ノアを殺したということにはならないだろうか。 「ヴィレッジ」という加害者が、ノアという被害者を生んでしまってはいないか。
[映画館(字幕)] 7点(2004-09-12 06:55:36)
415.  サイン
この映画を宇宙人モノや超常現象モノと考えればそのスケールのショボさから恐らく評価は0点に近いモノになるでしょう。 この映画の正しい鑑賞方法は信仰を失った人が信仰を取り戻す姿を描く感動ストーリーと捉えないといけない。 昨今、神の存在を信じない輩が増えてきている現代において、大切な家族を奪われた痛みと悲しみという大きな不幸から神への憎しみだけを募らせていく元牧師というのは中々いい現代の象徴だと思う。 壁にかかっていたと思われる十字架の跡がまた何とも言えないいい現代の象徴とも考えられる。 幸運や不運をただの偶然と考えるか、それとも神の啓示(サイン)と考えるかそれは確かに個々人が決めることだけれども、誰かに見守られていると考えれば生きる希望が沸くし、この世は自分一人で生きていると考えれば人間は孤独なんだという捉え方は今までの自分にない発想だけに意外と面白かったと感じる。 本作のテーマがこれなんで、テーマが分かれば水に弱い宇宙人とか、人間を食糧にするとか全てにおいてショボイ無茶苦茶な設定は逆に笑えるものになるんではないだろうか。 宇宙人や幽霊等の一見派手なオカルトチックな舞台で家族愛や信仰の回復等の人間の本質をテーマに描くというのはシャマランしか出来ないし、また、やらないだろう。 他の監督が出来ないことややらないことをやる、だからシャマランの映画は結構貴重な存在なのかもしれない。
7点(2004-09-05 19:25:47)
416.  LOVERS 《ネタバレ》 
「hero」好きだから結構期待してたけど、多少だが期待ハズレだった気もする。 恋愛をテーマにしているから「hero」ほどの衝撃やスケールの大きさはやはり無理かもしれない、恋愛モノでしかも一人の女性に対して二人の男が争うという展開から、この映画は男性よりも女性受けする映画かもしれない。 恋愛モノは別に嫌いではないけど、イーモウの描くラブストーリーはかなり青臭くて、しかも気持ちの悪くなるラブシーンには抵抗がある。  はっきり言って、オープニングの「踊り」のシーンとラストの決闘シーン以外に気に入ったシーンはなかったけど、ラストシーンには男の情念が溢れていた。 好きな人の気持ちを奪われた男と好きな人の命を奪われそうになった男のまさに死闘と言っても過言ではない戦いに二人の小妹に対するそれぞれの想いが伝わるし、何よりもボロボロになった刀と肉体が物語っていた。 ラウの最期の賭けにも、あきらめきれない男の気持ちが良く伝わってくる。自分の命を賭けてもその男が本当に好きなのかどうかという無言の問いかけと小妹が出したその答え。 あの答えを出されてはもう何も争う理由なんてない。惨めで肉体的にも精神的にもずたぼろになって歩いていくラウの姿にはいい意味で男を感じる。  金城は違和感は感じたが、そこそこには頑張っていたとは思う。 冒頭のちょっと嫌みのある余裕のある男から、徐々に本気になっていく真剣な表情への変化、結婚とか言われた時の照れくさそうな表情や、小妹と交わした笑顔とかいい表情もあったけど出来れば別の役者が良かったかな。 アクションは「hero」にはその必要性や色々な想い、意味が隠れていたが、今回は逃げ回るだけのアクションなのでちょっと飽きる上にそれほど目を奪われるほどのものでもなかった。 ストーリーとしてもちょっと弱いとは思う。小妹が風のような自由できままな生き方に憧れるという流れならば自分らしく生きれない束縛された人生を金城に語って欲しかった。 お互いがお互いをかばい合い、惹かれていき、必要としていくことを描いていかなければ感情移入は出来にくい。
7点(2004-08-29 23:32:10)(良:2票)
417.  ヴァン・ヘルシング 《ネタバレ》 
ソマーズらしく時間分はたっぷり楽しめる作品には仕上がっているんではないでしょうか。 テンポも良いし緊迫感溢れてハラハラ出来るし、映像の出来もラストバトル以外、中々良かった。 ハム2同様に相変わらず話だけ膨らませて、ヴァンヘルシングの正体とか色々ほったらかしにしているけどそんなの気にしない方がいいでしょう、ソマーズの映画なんだし。 なんでヴァンパイアはウルフマンを根絶やしにしておかないのかとか、ウルフマンになっても戦えるとしたらなんで兄貴は従っていたのかとか、ヴァンパイアの子ども達とフランケンの関係は一応分かるけど一体どういうシステムなのかとか、ドラキュラ城ワープして行ったけど戻ってこれるのか色々考えない方がいいでしょう。 キャラクターとしてはカールは中々いい味を出そうとはしていたが欲を言えばもっとはじけても良かったんじゃないか、あいつ以外にそういう担当いないし。 ヘルシングとアナの関係も途中にもうちょい膨らませた方がラストもっと盛りあがったのにな。 ヘルシングはウルヴァリンと似ているがもうちょい自分が何者なのか苦悩した方が良かったし、アナも孤独感や宿命の重さをもっと表に出せよと思いつつも、やはり手に汗握る展開にそれなりに楽しめたと思う。
7点(2004-08-29 03:11:02)
418.  ゴスフォード・パーク
演出とセリフと演技が素晴らしく、それらが一体となって見事な映画に仕上がっている。  華やかな階上とそれを支える階下があり、上の人も下の人にもそれぞれに表の顔とどろどろした裏の顔がある。 これだけ登場人物が多いと確かにきつい面があるけど、大体の人物構成は理解できるはずで、それぞれのキャラクターに個性があり、キャラが生きている、登場人物の多さに関わらず全然死んでいない。 特に歌を聴いている階下の人間の姿がとても良かった。 あれだけ見ても、やはり上と下の違いがはっきり出ているし、超えられない何かを感じる。 上には上の世界がしっかりしてあり、下には下の世界がはっきりある。 そのような互いに犯してはならない暗黙なルールを破った俳優への態度にあからさまに出ていた。  映画としても表の顔はミステリーと言えるが、裏の顔は人間ドラマであり、「先を読む力」に優れた使用人としての子を想う親の気持ちを描いたものに仕上がっている。
7点(2004-07-24 23:15:32)
419.  M★A★S★H/マッシュ
凄いね、この映画。あの変化球でここまで痛烈に戦争を皮肉れるのもかと思った。 作られた時代が時代だけに、その当時の反響とかは気になるし、これがアカデミー賞にノミネートされたのも映画の趣旨が好意的に理解されたからだろうな。 自分はアルトマンだからという理由で借りてみたが、最初、戦場の軍医を扱った映画は珍しいなあ。 戦争での戦い、その悲惨さをクローズアップした映画はよくあるけど、その陰に隠れた裏方のもう一つの戦いを描いて戦争の悲惨さを描くつもりだろうなと読んでいたら…。 あまりの下ネタにしばし呆然とする…そして1時間30分過ぎてもまだも下ネタが続く。 でも見終わった後の何とも言えない気分がこの映画の良さだろうか。 ラストの「くさるよなぁ」が何とも言えず良い。  
7点(2004-07-24 19:39:59)
420.  X-MEN2 《ネタバレ》 
「なんでストーリーがこんな地味なの?」「なんでリーダーと主人公がクソ弱くて全く役に立たないの?」というのは、前作から引き続き思うこと。前作と比較をすると様々な点で前作以上と思われる。 【技術面】格段の進歩を遂げている。冒頭のナイトクロウラーのホワイトハウス襲撃や、パイロの火炎ショー、マグニートーの脱獄シーンなどは他ではみられない相当の映像技術レベルだと思う。 【キャラクター】前作では各人の能力が完全に活かされていると思えなかったが、今回はサイクロップスを除くすべてのキャラクターにある程度、見せ場がきちんと用意されている。自己犠牲を図ったジーンを筆頭に、八面六臂の活躍をみせたミスティーク、新規参入したナイトクロウラー(原作ではミスティークの子ども?)も冒頭の襲撃、飛行機でのローグ救出、ストームを伴ったセレブロへの侵入などの著しい活躍をみせている。前作よりも影が薄くなったローグでさえ、パイロの暴走を止めるために、彼の能力を吸収して、炎を鎮火させるといった動きをみせている。全身を鋼鉄化できるコロッサスや壁抜けのシャドウキャットといった脇役ともいえないキャラにも見せ場をきちんと与えているのもなかなか凄いところ。それにも関わらずサイクロップスは…。味方としてもダメ、敵になってもダメって。存在としてそうとうヤバイと思う。非情になりきれない優しさがあるのか?また、ジーンを失った際に、サングラスのため表情が分からないのもなかなか感情が伝わらず、今回は損な役回りを演じることとなった。 【ドラマ】前回はイマイチだったドラマ部分も、今回は細かいながらもきちんと描かれていたと思う。ジーン、ウルヴァリン、サイクロップスの微妙な三角関係(「ジーンを選んだのはお前だった」)、ウルヴァリンとローグ(認証票のやりとり)、アイスマンの関係(キッチンでの会話)もなかなかよかった。ウルヴァリンはローグにとって、父親みたいな存在で、家族なんだときちんと感じられる。ストームとナイトクラウラー、パイロとマグニートーの会話には短いながらも深みがあったように感じられた。マグニートーは前作では人類抹殺の思想までは持ち合わせてなかった気がしたが、今回はミュータント抹殺という人間からの宣戦布告に対して、真っ向から戦いを挑んだ形となった。だんだん過激になっていくマグニートーの動きは次作以降にどのように繋がっていくだろうか。
[映画館(字幕)] 7点(2004-07-03 19:42:07)(良:2票)
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