441. ディセント
《ネタバレ》 地底人より何より、人が一人張って通れそうな所でつっかえて身動き取れない状況に追い込まれるという状況描写だけで息がつまりそうというか、下手なホラーよりよっぽど怖いです。 洞くつ探検の場面では、上記の場面や断崖をロープで渡る場面など、息もつかせぬ展開ではらはらさせ、一瞬登場する“何か”の描写は恐怖心を呷ってくれます。 が、悲しいかな、地底人が本格的に出てきてからは、結構残虐にしろ恐怖心が薄れてしまうので逆に緊張が解けてしまいました。 まあ、それでもこれはこれで結構迫力があって見応えがあるのですが、個人的には大勢でワラワラ出てくるよりは、メンバー同士疑心暗鬼になりながら、一人また一人と闇に消え、最後の最後で地底人が!!という展開の方が楽しめたかな、と思います。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-11 02:09:56) |
442. MAY -メイ-
《ネタバレ》 DVDのジャケットは結構暗そうな雰囲気を醸し出していますが、実際に観てみると中盤までは、不思議ちゃんの恋愛奮闘記、にもなり得そうな設定や展開。 後半、ついにメイの精神が崩壊して殺戮に至りますが、殺戮方法と云い精神崩壊のタイミングと云い微妙にインパクトに欠け、実に中途半端なイメージでした。根暗ちゃんからだんだん女の子の顔になっていくメイの変化がなかなか良かったため、後半の展開がむしろ邪魔に思えてしまった何とも消化不良な作品でした。 [DVD(字幕)] 5点(2011-07-11 01:59:49) |
443. 肉の蝋人形 (1953)
《ネタバレ》 中盤の身意味に長い呼び込み師の場面は3D作品として作られた故のものでしょうが、あそこだけ妙に浮き出て不自然に感じられます。 まあ、あとは、弱そうに見えて実はやたらと強くて元気な人形師等々、設定やストーリーは33年のオリジナルとほぼ一緒ですが、若干ストーリーをシンプルにして入り込みやすくしているので結構見やすいです。 まあ、面白さで言えばどっこいどっこいなんですが、こちらの方が、どうして人形師が蝋人形に死体を埋め込むようになったのか、という心理描写が若干明確にされているので、オリジナルの点数にプラスして6点と云うことで。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-11 01:42:31) |
444. 肉の蝋人形 (1933)
《ネタバレ》 幾度もリメイクされている作品のオリジナル。 現代風にアレンジされた蝋人形の館は残虐描写がなかなかすさまじいですが、さすがに本作は80年近く前の作品であるためそんな残虐描写があるわけもなく…古き良きゴシックホラーの趣で進んでいきます。 が、実際にホラー色を感じられるのは冒頭と終盤のみ。あとは結構ノーテンキ、そして結構複雑に進んでいきます。 まあ、上映時間も77分と短く、人形師の造詣もなかなか気合が入っていたり、結構タフで一人で警官隊十数人を相手にするアクションシーンもあり、幾分フランケンシュタインを彷彿とさせるギミックもあったりするので色々と楽しめる面もあるのですが、展開が遅い割にはちょっと場面転換が忙しすぎな気もするので、この点数で。 [DVD(字幕)] 5点(2011-07-11 01:35:46) |
445. SP 革命篇
《ネタバレ》 個人的には前作よりスケールはアップしましたが、ややアクションとしてはお上品すぎるといったところでしょうか。 セガール映画ではないですけど、人質、敵、味方双方殆ど死傷者も出ず(一部例外はありますが)、トラップが作動して大爆発!と云った大波乱もなし…まあ舞台や登場人物的に考えて安易に死傷者や損壊場所を出せなのかもしれないのですが、やはりアクションとしては少し刺激が足りないように思います。 しかし、それを考えなければアクション自体は見ごたえがあり、適度なスリル、そして互いの信念をかけた男の闘い等色々な要素が入っているのでなかなか楽しめると思います。まあ、完全な続きものなので前作を観ていないと半分以上置いていかれますが…。 点数は、前編の「野望編」と総合して7点と云うことで。 [映画館(邦画)] 7点(2011-06-15 02:14:09) |
446. SP 野望篇
《ネタバレ》 実際にジークンドーやエスクリマを習得したというだけあり岡田君をはじめとしたキャストのアクションシーンは見応えがあり、またいなし技からの急所攻撃など、リアリティ溢れる格闘場面だと思います。 特に、終盤の、敵からの襲撃にあいながらマルタイを護衛していく場面は本作最大の見所ではないでしょうか。 ただ、残念ながらこの作品も、近年の作品群の例に洩れず“一見さんおことわり”な作りをしているところ。 ストーリーはまだ何とかついていけるにしても、主人公の特殊能力云々に関しては原作に当たるドラマ版を観ていなければ完全に置いていかれます。 そして、もう一つは劇場版にしては“派手さ”がない点。確かに前記した終盤のシークエンスは見応え充分ですが、それを“敢えて”劇場の大スクリーンでやる必要があるかと云えば、他の方も仰っている通りテレビの2時間枠で充分に見えてしまいます。 まあ、本作は2部構成なのでこれ1本のみでどうこう言うのもあれなんでしょうが、単体として考えれば、あと一歩、と云ったところでしょうか。 [DVD(邦画)] 6点(2011-06-15 01:58:53) |
447. ザ・ライト -エクソシストの真実-
《ネタバレ》 エクソシストの真実~…ということでこうした実話ものがどれほど“実話”に忠実に描かれているのか怪しいものですが、本作はホラー映画というよりは宗教映画に通ずるものがあると思います。 勿論、恐怖描写はホラー映画のそれですし、終盤のA・ホプキンスの変容および悪魔祓いの描写なども迫力があるのですが、本作はまず“キリスト教の神&悪魔ありき”の状態で話が始まりますから、信者ならまだしも聖書もろくに知らない我々にとっては恐怖の対象にはなりえないからです。 まあ、同じ“実話を基にした”という触れ込みの「エクソシスト・トゥルーストーリー」よりは画面的にも栄えるので、そちらよりは観ていて面白いですが…。 [映画館(字幕)] 6点(2011-06-11 17:19:49) |
448. REC【レック】(2000)
《ネタバレ》 他の方も仰っている通り、ジャケットが心霊系と見紛うものですが、内容はラストサマーといった感じでしょうか。 しかし犯人が意外によわっちいことや、ビジュアルからあまり恐怖感や嫌悪感を抱くものでないためにあまり盛り上がりませんでした。 また、犯人が2人…と見せかけて実は3人というオチも、まあ証拠テープや先生の「死んでない」発言で納得できますが、事件に直接関係のない人が殺されるのってどうよ?って思ってしまったので、少し点数を下げます。 [DVD(字幕)] 4点(2011-06-11 16:58:49) |
449. REC:レック/ザ・クアランティン
《ネタバレ》 ほぼオリジナルに準じたストーリー展開。 ですが上映時間が長い分、やや冗長に感じてしまいます。 そして、事の顛末も、オリジナルではウィルスか、悪魔憑きかという微妙なラインで止めておいたのに対し、本作ではほぼ「ハルマゲドンウィルス」というバイオテロを彷彿とさせるものに置き換えられているので、鑑賞後の余韻があまりありませんでした。 [DVD(字幕)] 5点(2011-06-11 16:51:42) |
450. パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉
《ネタバレ》 奇人、変人、常人何でもございのジョニー・デップに舞台出身の実力派ジェフリー・ッラッシュ、世界最強の不良オヤジことキース・リチャーズに怏々しいBGMでは信頼のハンス・ジマーの楽曲と、個性豊かな面々が揃っているにもかかわらず物語にあんまり起伏が感じられませんでした。 冒頭の裁判所、および王宮脱出シーンなど、見せ場と思われるシーンでも、盛り上がる場面のはずなのに画面の“タメ”が一切ないため、どうしても盛り上がれませんでした。 初登場の女海賊アンジェリカも、綺麗ですが妖艶とまではいかず、また他の方も仰ってますが親玉の黒ひげのキャラクターがどうしても前作までのアクの強い敵役に負けている気がします…というよりバルボッサに完全に食われてます。 本作、唯一心躍った場面が、バルボッサが心中を語る場面、そしてラストの黒ひげの剣を掲げ帽子を被る場面…完全においしいところを持っていっています。 前作の大団円の後、心機一転とばかり設定をリセットして作られたのはいいですが、この作品群独特の、ゆるっとした描写に、そろそろ飽きてきました…といいつつ、バルボッサ船長の健在と、キースが見られたということでおまけして6点。 [映画館(字幕)] 6点(2011-06-11 16:40:12) |
451. 禁断の惑星
《ネタバレ》 昔観たときは退屈な映画だなぁと思いましたが、考え違い。ちゃんと観直してみるととってもサスペンスフルな作品でした。 宇宙船の造詣が今の洗練されたものから比べるとちゃちに見えますし、小道具などもレトロ感ばりばりですが、イドの怪物が宇宙船内に侵入する際の視覚効果や惑星内の造形などはしっかりとした作りでとても見ごたえあり、更には怪物の正体、及び異星人の計画の全容が明らかになっていく過程はとてもスリリングな展開で見入ってしまいました。 独特のBGM効果も相まって、今でも充分に楽しめる作品だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-03 01:10:06)(良:1票) |
452. メトロポリス(1926)
《ネタバレ》 現時点で150分バージョンなどが出ている中で、自分が観賞したのは淀川さんの解説付き版(96分版)。完全版からすればかなり色々と欠落しているらしいので、正確に話を理解できたかと云えばどうなのかと思いますが…。 とりあえず、自分が感じたことは、方々で言われているアンドロイドの造形。C-3POのの元ネタということですが、確かに女性的な艶かしさと機械的な質感が見事にマッチした、秀逸な出来栄えだと思います。 都市の造詣も、しっかりと近未来の風景に見えますし、何より、現代に通ずるテーマをこの時代に語ってしまうことがすごいと思います。 出来れば、完全な状態で復活したこの作品をいつか観てみたいです。 [DVD(字幕)] 8点(2011-06-03 01:01:48) |
453. ブレイド2
《ネタバレ》 アクションシーンは前作以上に超人実が出ていて激しさをまし、新種族のリーパーズの登場によりブレイド・ヴァンパイアの同盟軍が結成されるなど、なかなか面白い要素が詰まってい入るのですが、結局のところ、行きつくところは、新種族もヴァンパイアたちによって作られた存在だったッ!という安直なオチに行ってしまうのは少々がっかりです。 しかも、敵の敵は味方的なことを言っておきながら結局リーパーズもブレイドと闘うことになりますが、そこに漠然と感じ取れる“プライド”以上の確固たる必然性が感じられないのもマイナス。そしてどう見てもムルナウのノスフェラトゥにしか見えないヴァンパイアの親玉もあっけなく散ってしまい、威厳も感じられず…。 アクションは見応え充分な分、残念です。 [DVD(字幕)] 5点(2011-04-30 20:53:47) |
454. IT/イット〈TVM〉
《ネタバレ》 前半はスタンド・バイ・ミーを彷彿とさせたり、そこに絶妙なファンタジー・ホラー要素が加わり観ていてなかなか面白いものがありますが、30年後の大人になった主人公たちのパートになると少々失速。 主人公たちが一名除き全員成功しているというのもなんか違和感を感じますし、ラスト近くに登場した精神科に入院している子ども時代の不良も、あっけなく退場してしまうし…。もう少し粘らせれば作品が面白くなったのではないかと思います。 そして、イットの存在が悪霊と化した巨大クモというのが、観ていて最大のがっかりポイントでしょうか。 恐怖の対象とは、姿が不明瞭だからこそ恐怖を感じるものですから。 総じて、前半6点、後半4点の平均5点が妥当な線でしょう。 [地上波(字幕)] 5点(2011-04-30 20:46:40) |
455. ドラキュラ(1992)
《ネタバレ》 時折挿入される登場人物の日記(原作小説が日記や新聞記事のみで構成されている)、“実はドラキュラ伯爵、太陽の下で活動可能”“霧や動物に変身するだけでなく、動物を使役したり、天候まで操っちゃう”等々、原作小説通りに映像化されているので、今までのドラキュラものの中では一番原作に忠実。 …なはずなんだが、すごく、すごく、すごく、物凄く煮え切らない作品。 実在のヴラド三世の逸話(妃のくだり)を上手く吸血鬼になる動機へと盛り込んだりと、評価できる部分もあるのだが、本作最大のマイナス要因はドラキュラ伯爵自身の描き方にある。 原作では、徹底的に悪の権化として描かれ、だからこそ彼の圧倒的な力やもたらす災厄に恐怖感が生まれていたのだが、映画では、死んだ妃に瓜二つのヒロインに恋し、あまつさえ恋の涙まで見せてしまうという、何ともしみったれた描かれ方。 さらに、ミナに血の洗礼を施す時でさえ、「俺やっぱ自信ないよぅ」と云った感じでとにかく歯切れが悪く苦笑いしてしまう。 そして、倒された伯爵の許にミナが行ってしまうという衝撃のラスト。 原作では伯爵のもたらす死の恐怖を止めるため、そしてその呪いを受けてしまった最愛のひとを救うためという目的があったのに、その絶対悪の許に行ってしまわれたんではテーマが霞んでしまうというかクインシーただの無駄死に(苦笑)しかも絶対的な光の守護者たるヘルシング教授さえもそのテーマを危ぶむような発言まで…。 アンソニーホプキンスは良いが、やはりゲイリー・オールドマンでは優男に見えてしまい(だからこそ選ばれたのだろうが)何とも映画が歯切れの悪い所で終わってしまっている。 原作ファンからすれば0点にしたいところだが、おしい点がいくつもあるので…5点。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-04-06 01:12:17) |
456. 逃亡者(1993)
《ネタバレ》 実はこの作品が元はテレビドラマで、更には実際に起きた事件が元と云う事を知ったのはかなり後の事だったりします。そして、この作品の事を知ったのは実はWhat's マイケルの中のパロディだったわけですが…。 ま、そんなことはどうでも良いとして、若干キンブル医師が超人的に描かれているかも?という描写はありますが、名医師と敏腕連邦保安官ジェラードの手に汗握る攻防がとにかく見ものです。 中盤、刑務所内で名前を呼ばれてつい反応してしまうのは、人間の条件反射を上手く描いていると思いますし、下手な変装をしていないのもまたリアリティがあって良いです。いくら指名手配とはいえ、四六時中テレビや新聞等を見ているわけでもなく、ましてや通りすがりの人の顔なんていちいち覚えていないのが現状。他人は自分が思っているほど自分に関心がないということをもろに語っている描写だと思います。 真犯人究明というサスペンスフルな展開もあり、やはり多くの映画の見本になるような作りをしていると思います。 [DVD(字幕)] 8点(2011-04-01 03:45:26) |
457. アンダーワールド:ビギンズ
《ネタバレ》 ベッキンセール主演ではないため、一瞬モックバスターと間違われそうですがれっきとした続編で安心。 …ですが、内容自体は、だからどーした?といった感じです。 ライカンたちの脱出場面やそれぞれの戦闘シーンは見ごたえありですが、このシリーズの宿命というか、どうしてこれを「狼男」と「吸血鬼」でやるかが疑問です。 ライカンは百歩譲るとして、吸血鬼たちは闘うにしても殆ど剣やボウガンやらを使っての闘い。途中思い出したかのようにビクターがちょっと本気出しましたがそれ以外は殆ど人間と描写が変わらず、「別にこの題材なら人間対狼男でいんじゃね?」と思えてくる始末です。というか太陽光で死んで初めて「あぁ、こいつも吸血鬼だったのね」なんて気付くことも…。 前日談としては上手く出来ていると思いますが、どうしてもそこが(初代から)引っかかっているので5点。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-31 19:38:49) |
458. ヴァンパイア・イン・ブルックリン
《ネタバレ》 B級ホラーの雄、ウェス・クレイヴンが監督しているだけあって古典的な内容を上手く現代風にアレンジしつつ、しっかりとゴシック調の雰囲気も出ています。 エディ・マーフィの吸血鬼と云うことで、いつもの彼のキャラ像からかけ離れているところに皆さま大分評価を落とされているようですが、個人的には全く問題なし。むしろこうした役も様になると云う事を証明しています。 また、冒頭の船での登場シーンや、マクシミリアンの数々の特殊能力、また一人の女性をめぐっての脆弱な人間との攻防など、ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」を彷彿とさせるものになっているのも評価できます。 まあ、物語自体があまり起伏に富んだものではないので、その点がおしい点ですが。 [地上波(吹替)] 6点(2011-03-31 19:21:12) |
459. ローズマリーの赤ちゃん
《ネタバレ》 昔観た時はまだケツが青かったんでしょう。派手さのない描写につまんねーと思いましたが観返してみればなんと面白い作品でしょう。 妊婦のマタニティ・ブルーの不安定さも手伝って、現実か、妄想かという境目、そして自分と赤ちゃんに危機が迫っているという恐怖、そして、赤ちゃんが狙われていると思いきや実はその輪が子こそ邪悪の化身だったという驚愕のラスト、更には、それでも尚わが子として愛してしまう母の強さという安直な描写ではない数々の場面があり、オカルトブーム前の作品ながら燦然と輝いております。 ただ、個人的には、前半の、髪を切る前のミア・ファローのほうが好みでした。 [DVD(字幕)] 8点(2011-03-31 01:12:09) |
460. ウルフ
《ネタバレ》 他の狼男作品のように特殊メイクで阿鼻叫喚の変身シーンを見せ付けるのではなく、狼の魂が目覚めても基本人間のまま(毛深くなって牙が等が生える)で驚異的な身体能力や感覚が備わるという設定は、現代劇と考えればとてもしっくりくると思います。 ただ心境や身体の変化を丁寧に描写してくれるのは良いですがややかったるいと思う部分も無きにしも非ず。そして「僕は野性味とは無縁の存在です」て狼に噛まれなくても狼男のような顔してるジャック・ニコルソンが言っても全然説得力ありません。 まあ、それだけ好演しておりますが。 [DVD(字幕)] 6点(2011-03-31 01:03:53) |