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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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501.  アイス・ストーム 《ネタバレ》 
面白くもなんともない映画、正直嫌いなタイプの映画である。だけど、演出は凄いかもしれない。この映画でいう「虚空」というか「負の地帯」に陥った「家族」を見事に描ききっている。普通にどこにでもありそうな家族で、言い争いをするわけでもなく、何かが決定的におかしくなっているわけでもない(夫婦仲に問題があるわけではないからセラピーも止めたと言っている)けど、どこか間違っていると感じられる微妙な空気感、違和感を「冷たい風景」と併せて感じさせている。映画化するには難しい脚本をここまで演出できるのは素晴らしい。さすがアンリーだ。 しかし、正直言って①この映画って結局何が言いたいの?②マイキー(イライジャウッド)をなぜ殺す必要があったのか?③ポール(トビーマグワイア)ってこの映画に必要なのか?について疑問に思った。 自分なりにこれらについて考えてみたところ、①については、「家族」について描いた作品であるのは誰でも分かることであるが、ポールがいうように「家族」というものは「反物質」なんだろうと思う。家族という一つの「核」の中で互いに反発しあうけれども、人間というのは「家族」という「核」がなければ反発する力を失い活動することができないものなのではないか。反物質でありながら離れたくても離れられないという矛盾を抱えた存在が家族なのではないか。だから、どんなに腹がたって旦那を裏切りたくてもエレナ(ジョアンアレン)はベン(ケヴィンクライン)を見捨てることはできずに、ベンがいるトイレに戻っていったし、ポールは好きな女の子を置き去りにして家族の元へと帰っていった。人はやはり一人では生きられない(ジェイニー(シガニーウィバー)がラスト間際で一人くるまって眠る姿・表情には孤独を感じずにはいられない)。皆心のどこかでは何か家族の温もりのようなものを求めているのではないかということを言いたいのではないか。 ②マイキーを殺す必要については、どんなに離れたくても離れられないものが家族であるが、簡単に家族から離れることができる方法が「死」である。その「死」は突然に警告もなく訪れるもの。ベンがラストで車で涙したのも、マイキーの死を目の当たりにして単に「家族四人で居られることへの喜び」からくるものであったと思う。②で喪失感を描き、③ポールの帰還を描くことで、家族が無事にいられることの感謝を伝えたいのでないか。
[ビデオ(字幕)] 4点(2006-03-29 01:19:14)
502.  いつか晴れた日に 《ネタバレ》 
ラストにエリノアが泣き崩れるシーンがいいね。あのシーンだけでいかにエリノアが内に色々なことを抱えて生きていたのかがよく分かる。自由気ままな妹(最初姉を気遣ってブランドン大佐との関係を踏み出せずにいるのかと思っていた…)を心配し、夫を亡くした母を気遣い、言いたいこともいえずに一人悶々とした日々を送り、おまけにルーシーとかいう女に色々とあることないこと訳の分からないことを言われ続けた揚句の涙だけによくエリノアの心情を察することができるよいシーンだと思う。 その後もとくにエドワードとエリノアの二人の結果を執拗に描くこともせずに、さらりとブランドン大佐とマリアンヌの結婚式の中で描くのもさすがにアンリーだ。 そして、あの結婚式の風景を丘で一人見詰めるウィロビーの表情も好きだ。人間的で、かつ複雑な表情をしている。 マリアンヌに幸せになって欲しいと願っているのと同時に、やや後悔にも似た想いを感じる。様々な環境に流されて、間違った選択をしてしまうのは人生に付きまとうものである。 マリアンヌを選ばなかった選択が間違っているか、合っていたのかは分からないが、もし自分がウィロビーの立場ならば、彼と同じ選択をしただろう。その選択が合っているのかどうか分からずに悩みながら人生を生きるというのも一つの男の生き方ではないか。ブランドン大佐に賞賛の声が多数挙げられているが、ブランドン大佐のモトカノの娘を孕ましたというエピソードがなければもっと彼に対しても同情の声があってもよいと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2006-03-27 01:08:25)(良:1票)
503.  ヒストリー・オブ・バイオレンス 《ネタバレ》 
クローネンバーグ監督作品はほとんど馴染みがなく、代表作の「デッドゾーン」もあまりピンと来なかったので、自分に合うかどうか不安だったが、アメリカでも評価が高かったと聞いており、噂に違わず素晴らしい映画だった。 原作もあるらしいけれども、そんな余計な知識は要らない。96分という短い時間に、無駄な部分を省いて、適度な重み、観客へのメッセージや問いかけを残して、ボールを観客に投げ込む。 そのボール(問いかけ)にどう想うかは観客に委ねられるというラストはまさにプロの業の一言。中途半端なラストが多い昨今の映画の中でこの映画はベストに締め括ったといえよう。 個人的に気に入ったセリフは「なんでも暴力で解決しようとするな」ヴィゴが息子に語ったセリフ。この一言がとてつもなく重い、心に響いた。 恐らくヴィゴは、暴力で解決することへの後悔や無意味さを知り、暴力では何も解決できないということを自分が重々知っているのであろう。 だからこそ、ヴィゴはジョーイからトムへと生まれ変わったのである。生まれ変わり、家族を持つ事で解決しようとしたヴィゴだからこそ、あの一言が重く感じる。 そのことをなんとしてでも息子に教えたかったのだろう。だからこそ、暴力の連鎖が起きたときの彼の表情や息子への接し方に複雑な心境が感じられる。あれは見事な演技だったと思う。 ラストでヴィゴは「どうすれば償えるのか」とウィリアムハートに問いかける。しかし、暴力以外で解決したくても、暴力でしか物事を収束できないというもどかしさ、虚しさを湖面でたたずむヴィゴに感じずにはいられない。 また、この映画では家族や妻の役割の重さも感じずにはいられない。自分の素性が妻にばれたときの階段での二人の行為には「自分を信じて欲しい」という無言でのヴィゴの問いかけと「どうすれば信じられるのか」というマリアベロの反論、それぞれに開いた心の傷を埋めようとする言葉よりも何よりも必要な行為ではなかったか。 そして、傷つきながらも家族の元へと帰るヴィゴに何も聞かずに、皿や肉を差し出す息子と娘の姿が温かい。「なんで結婚なんてしたんだ」「いい女なんていっぱいいるだろう」というハートの問いかけの答えのような気がしてならない。
[映画館(字幕)] 9点(2006-03-20 23:57:40)(良:3票)
504.  マンダレイ 《ネタバレ》 
個人的にはドッグヴィルの方が良かったかな。マンダレイはかなり真面目でかつ政治的色彩を帯びた映画になっている(途中まで「社会」「政治」「倫理」「保健体育」の授業を受けているような錯覚に陥る)。 差別的でありながらも何とか最悪な事態を避けるために独自の慣習で上手く共存してきたある地域を、正義と法の元に武力で制圧し、暮らしてきた者の意向を問わずに強引に民主化を進めていくことへの警鐘や批判を込めた作品。 民主化を推し進めた結果、事態は混沌としながらも、いい結果に向かうようにも思えたのだが…。やはりトリアーの描く「人間の本質」は残酷だ。民主主義はいいように捻じ曲げられ、人間の醜さや恐ろしさ、弱さが露呈されていく。 ドッグヴィルで経験した抑圧された想いを知るグレースは、今回マンダレイにおいて同様に抑圧されていると感じた黒人たちを解放しようとする動機は充分理解できる。今回の経験が三部作最後の「ワシントン」でどのように活かされるのか、活かされないのかもまた注目である。 グレース役はニコールキッドマンからブライスダラスハワードに変更になっている。体当たりで頑張っているが、やはりニコールの方が一枚も二枚も上かな。役柄と年齢のせいもあるかもしれないが、ニコールとは違い、なんというか「疲労感」「虚無感」が感じられない。そうはいってもセリフとかはなかなか上手い女優だとは思う。むしろ人間的にも肉体的にも「若さ」が感じられる今回のグレースはニコールよりも若いブライスの方がよかったのかもしれない。
[映画館(字幕)] 6点(2006-03-20 02:13:14)
505.  メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 《ネタバレ》 
深そうなテーマ(暴力や人種差別など)をちりばめつつも、なかなか本質が捉えにくい映画になっていると思う。 それにしても、宣伝文句の感動のラストというのはいかがなものかと思うが、なかなかシュールなラストになっているのには驚いた。 その辺にごろごろしている普通の観慣れた作品に飽きた人には勧められる一風変わった映画なのかもしれないけど、あまり一般の人には勧められない映画かな。 <以下ネタバレ>①バリーペッパーの役をもうちょい小悪役にした方が話がすんなり入るのではないかなと思う。メルキアデス殺した行為には殺意はなく単なる事故であり、嫁とショッピングを楽しむ余裕もないほど、追い詰められひどく罪悪感を感じている者に対して余りありすぎる報復ではないか。むしろ嫁との浮気を妬んで殺したとかの方が良かったのではないか。 ②ジョーンズとメルキアデスとの関係がフラッシュバックのように挿入されているが、二人の関係の強固さがイマイチ伺いしれないのではないか。なぜジョーンズが法を犯してまで、メルキアデスとの約束にこだわるのか、自分にはよく伝わってこなかった。ジョーンズの動機がわからないために感情移入ができるはずもない。もっとメルキアデスがどういう人間であるかを観客に知らせた方がよかったのではないか。 ③メルキアデスがなぜジョーンズにあのようなことを真面目に言ったのだろうか。自分が死んだら自分の身を故郷に戻してほしいという想いがあったのかもしれないが、生前の彼の真面目な行動とあの言葉がどうにも結びついてこない。 ④3度の埋葬というタイトルだが、それぞれに確かに意味があるのかもしれないが、タイトルになるほどのインパクトが1、2度にあったのだろうか。
[映画館(字幕)] 5点(2006-03-19 00:52:56)(良:2票)
506.  ブロークバック・マウンテン 《ネタバレ》 
正直言って面白い映画ではない。また、テーマがテーマなだけに自分の心にぴたっとくるまでには相当時間がかかる気がした。 しかし、なんというか無形のものを類まれな演出力(セリフや演技でカバーできない空気や雰囲気)によって映像化された凄さに驚かされたという気がする。そういう意味において、この映画に作品賞ではなく監督賞が与えられたことは正当なジャッジなのかもしれない。 思ったことは、この映画はゲイの映画というよりも、障害ゆえに愛を成就できない狂おしい気持ち、行き場のない想いといった普遍的な感情が痛々しいほどに描かれていると思う。 少ないセリフ、うつろな表情、耳に残る音楽、全体的な雰囲気で二人の長年に及ぶ関係や気持ちを伺い知ることができる。 そして、唯一、お互いの気持ちを確認でき、何の障害もない場があの澄み切ったブロークバックマウンテンとあのシャツだけだったのではないか。 気に入ったシーンの一つに、イニスが釣具入れを忘れそうになり奥さんが忘れ物をしているよと言うシーンがある。なんてこともないやり取りなんだけど、イニスは釣りに対しては全く興味のないことを表していると同時に、奥さんにとっては、これが釣りであって欲しいという想いと釣具入れに込めた奥さんの大切な気持ちが感じられる。お互いの気持ちのズレが感じれる短いながらもいいシーンだと思う。イニスの奥さんはイニスを愛しているがゆえにイニスと別れるしかなく、ジャックの奥さんはジャックを心から愛していない(父親への反抗ゆえに結婚したような)から、別れることもなく、彼の死の原因や理由も分からなかったのかもしれない。
[映画館(字幕)] 7点(2006-03-14 01:15:13)(良:2票)
507.  機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛 《ネタバレ》 
一言でいえば、こんなものはZでもなんでもない茶番だ。 鑑賞前から恐らくハッピィーエンドで終わるであろうとは思っていたが、単に強引にハッピィーエンドにしたところで、何も感じることもないものにして良いはずがない。 そもそもオリジナルラストでカミーユの精神が崩壊するのは、シロッコが死ぬ間際に「オマエの心も連れていく」と言ったからだけではない。あれは単なる引き金に過ぎない。カミーユは戦闘の中においても、「人は誰とでも分かり合えるのではないか」という想いを抱いて戦っていたが、レコア、サラ、ロザミアといった女性たちと最後まで分かり合えることなく、戦いを止めさせることができなく死なせてしまったという苦しみ。また、戦闘の最中にカツ、ヘンケン、エマという仲間が無残に死んでいく姿や、コロニーレーザー「グリプスⅡ」の圧倒的な力にニュータイプ一人の力では戦争を終わらせることができない無力感、そしてニュータイプは単なる人殺しでしかないのではないかという苛立ちなどが、たまりにたまってカミーユの精神を崩壊させたのである。宇宙空間でヘルメットのバイザーを上げたのも既に精神に変調を来しているからであって、「一瞬気絶してました」とかいう訳の分からない理由からではない。 それにしても創りが雑すぎる。ロザミアを描くことは時間的にできないにしても、最後のシロッコとの戦いにはでてくるのは問題だし、さもなければロザミアを描けないかわりに、レコアやサラとカミーユの関係はじっくり描くべきだろう。 そもそも結構劇中では出番があったのに、なぜレコアがエウーゴから離脱し捕虜ではなくティターンズに加わって戦っているのかが普通の人では感じ取れないだろう。オリジナルではクワトロが暴走したグワダンでの脱出の際に確かクワトロをかばってレコアは怪我をしたはずであり、その辺りでのクワトロとのやり取りを上手く利用すればよかったのではないか。なぜか普通に敵に撃たれていたのには理解が苦しむ。また、バスク大佐のドゴスギアを撃ち落としたのは、レコアのパラスアテネであってヤザンではない。あれではヤザンの立ち位置が余計ややこしくなる。 エウーゴとティターンズの間でキャスティングボートを握るアクシズを巡る三者の攻防に加えて、ティターンズ内のシロッコとジャミトフ+バスクの内紛も劇中ではごちゃごちゃさせただけで上手く描けなかったのも悲しいことだ。
[映画館(字幕)] 3点(2006-03-11 23:29:41)(良:3票)
508.  シリアナ 《ネタバレ》 
ジョージクルーニーのオスカー受賞に伴い、本作も注目を浴びるだろうが、本作に関しては是非鑑賞前に公式HPなどでストーリーや背景について事前に確認してほしい。ストーリーや登場人物などはいたってシンプルであるが、必要以上に細かく切り刻んだために物事の本質が何であるか、何を訴えたいのか、焦点がぼやけた演出となっているので、前広に情報を入手した方がよいだろう。 物事に対して批判しようとするとき、「ボウリングフォーコロンバイン」のように批判対象から完全に逆サイドに立って描くというやり方がある。一方、本作ではアメリカ、中東などの石油業界を取り巻く巨大な渦の中に人々が巻き込まれていく姿をかなり冷めた目で客観的に、かつ感情的にならないように描いている。しかし、「トラフィック」のようなアメリカでは身近な問題である「ドラッグ問題」ならばやや第三者的な描き方をして、鑑賞者に「どう思うか」を問いてもいいかもしれないが、石油問題に関しては身近に感じる人は少ないだろう。この身近ではない問題に対しては、第三者的ではなく、もっと踏み込んだ形で感情的に人々に問いた方がもっと説得力を増すと思う。この描き方では、あまり知らない一般人が映画を見たとしても、世界で最も恐ろしいタブーに震撼するというよりも、「へぇー、そうなんだ。」程度の感想しか持たないだろう。<以下ネタバレ>ジョージクルーニー演じるボブはテロとは無縁の中東の王子(アメリカ寄りから中国寄りにシフトしようとする)をテロの首謀者だからと殺害を命じられ、それに失敗し、あっさりとCIAから駒のように切り捨てられてしまう。真相を知った際の表情、ラストの行動にはそれなりに彼の感情を感じられるが、彼の長年信じてやってきたものが何だったのかという苦悩、悲哀は分かりにくい。合併話の調査を命じられたホリデイ弁護士はラストにはまさに羊を面を被った狼のような行動をするわけだが、彼の心情の変化と父親の関係も伝わりにくい。 アメリカから中国へシフトしようとしたナシール王子と、新米派の父親や弟の確執もあっさりとしすぎている。これらの確執の中で仕事を失い行き場をなくしたワシームをテロへと駆り立てた動機と神学校との関係もまた伝わりにくい。上手く描けばもっと面白くなる題材だと思うが、個人的には全く面白みを感じられる映画ではなかった。
[映画館(字幕)] 3点(2006-03-07 22:17:47)
509.  クラッシュ(2004) 《ネタバレ》 
白人>黒人>南米系>中央アジア系>東南アジア系という人種問題の構図を扱いながらも、テーマの本質は「人間」そのものを描いた作品。 人は誰しも、やり場のない悲しみ、苦しみ、怒りを抱えながら立場の弱い人を傷つけ、また逆に人に傷つけられて生きている。それでもなお、誰かに触れ合いたい、何かを感じたい、心の乾きを潤したいと求めずにはいられない弱い存在でしかない。オムニバス形式で短い時間で深く描きこめてはなかったが「人間」の本質を捉えた素晴らしい、いい映画だった。ブレンダンフレイザー以外の俳優陣の演技も素晴らしかった。フレイザーの役は妻の苦しみに全く気づかない、あるいは妻の怒りに相当うんざりしているというようなさらなる演技が必要ではなかったか。または、妻の苦しみに手を差し伸べるか、逆に振り払うかの流れもあってもよかった。中途半端でどっちつかずの役柄だった。 映画はよいのだが、個人的にはラストがどうにも気に入らない。東南アジアの人達を解放する黒人の笑顔がこの映画とマッチしていないような気がする。「笑顔」に対するうそ臭さではなく、ややちょっとこのエピソードが突飛というか、ずれている気がする。ラストは多数の人の交錯するシーンで終わればよかったのではないか。エピソード自体あってもいいけど、ラストに持ってくるものではないだろう。 また、人種差別者のマットディロンが起こした行動とマットディロンを嫌ってパートーナーの起こした行動の対比が見事だな。どんなに蔑んでいたとしても、自分の命を省みない行動を起こせるし、逆に人種差別なんてしない、仲良くなろうしても、心のどこかに人を信じきれない先入観が潜んでいる。自暴自棄になった黒人テレビ演出家を救った男のもう一つの行動に「人間」という複雑さ、強さ、弱さを感じられた。余談だが、隣の客がモノ凄い花粉症の人で常に鼻から「スピースピー」と訳の分からない音が聞えてきた。花粉症の人はこの時期大変かと思うけど映画鑑賞の際には周りの人の迷惑にならないように気をつけましょう。
[映画館(字幕)] 9点(2006-02-27 01:49:27)(良:1票)
510.  ジャーヘッド 《ネタバレ》 
「オマエはケニーGか」一人で爆笑していた。 冒頭とラストのオムツがどうのこうのとか、まだ砂漠にいるとかどうのこうのとかはよく分からなかったけど、それ以外はなかなか良かった。手にした銃の感触は消えないとかそんなことも言っていたが、果たしてこの映画はそんな映画だっただろうか、ちょっと疑問。 イラクとの戦闘シーン(切れた電池を取りに銃弾の中を走るシーンなど)はあったけど、アメリカ兵が死亡または負傷する目立ったシーンが、訓練と誤射というのがこの映画のすべてを物語っていると思う。それなりにサムメンデスのアイロニカルで斜に構えた感じと空虚さが交じり合った空気は悪くはないと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2006-02-13 01:52:12)(良:1票)
511.  ミュンヘン 《ネタバレ》 
後半のオランダ女が登場し、ちょっとディアハンター風になってきてから、この映画はモノ凄く面白くなっていったと思う。 何かを感じさせ、何かを考えさせ、深いインパクトを与える、良い映画なので、もう1点ほど加えてもいいかなと思ったけど、平和に胡座をかいていて、民族とか祖国とかそういう感覚に対して全く希薄である今の自分がこの映画に対して深くは共鳴することはできなかった。ましてや、ミュンヘン事件なんてこの映画を知る前にはその存在する知らなかったし、今でもイスラエルとパレスチナの関係もよく分からんけど、あのラジオの音楽の選曲争いなんかもいい例えなのかなと思う。ラジオが自分の祖国と考えると、何か見えてきそうな気がするが。 そんなわけで、自分にはバナの心の動きを感じることしかできなかった。バナは結構よかったんじゃないかな。数人で打ち合わせしていても、どこにいるかも分からないあの存在感のなさ。そんな普通で頼りない男が、家族のため、祖国のためと自分に言い聞かせて暗殺グループのリーダーになるというところがよい。そして、序盤のぎこちなさ、まとまり感のなさから、困惑気味に手探り状態でスタートし、徐々に暗殺グループとして成長していく。リストにも載っていないオランダ女を殺したときの「(偽造のプロの人のことに対して)全然気づかなかった」セリフがポイントだと思う。彼らが祖国のためでもなく殺人に対して享楽的になっていることが分かる。そして逆にあっという間に、追う者から追われる者へと精神的に追い詰められていく様が見事だ。 追い詰められた男に対するジェフリーラッシュ(国)の切り捨てと、妻(家族)の温かさの対比もまた見事だった。 難点をいえば、線で描くのではなく、点と点を繋いでいるようなかなり雑な創りな気もするし、もっと整理して演出したり、事実に基づいているので難しいかもしれないがもっとストーリーや人間関係を膨らませれば面白くできるのではないかという気がしたが、この映画がアカデミー賞にノミネートされたというのはやはりなかなかアカデミー賞は捨てたものではないと思う。
[映画館(字幕)] 8点(2006-02-05 22:02:51)(良:1票)
512.  プルーフ・オブ・マイ・ライフ 《ネタバレ》 
グウィネスの演技がよかったという事以外にまるで何も感じるところがない映画。グウィネスの演技に助けられ愚作とは言えないけれでも、この映画でジョンマッデンが何を伝えたかったのかがまるで理解できない凡作のような気がする。 自分なりに感じたことは、この映画のキーワードは「信頼感」のような気がしてならない。「姉と妹」「父と娘」「恋人同士」のそれぞれの信頼感。結果として、妹は姉を信頼できなかった。そして恋人を再び信頼することとした。その理由や過程が重要なのであり、そこをきちんと描くべきではないか。 「信頼感」や「愛情」というものは、相手に対して「証明」することはできないけど、「証明」しようとする「行為」そのものが「証明」なのではないかということを考えた。 しかしながら、この映画では、肝心のジェイクギレンホールの再び信頼感を得ようとする行為、証明しようとする行為が欠如してしまってはいないか。 一度は確かにグウィネスのことを疑ってしまったが、間違いであり信じていることをグウィネスに示そうとする行為や過程が描ききれていない。「若手とベテランのそれぞれのチームが検証した」とか、「ノートを投げ入れる行為」では決して失った信用は回復されないのではないか。 いかにして「信用」を得て、いかにして「信用」を失い、いかにして再び「信用」を得たのか、その辺が重要のような気がするのだが。 そうは言っても、父と娘の関係には、目に見えない絆や信頼感、相手に対する気遣いがきちんと描かれていたと思う。 「姉と妹」「父と娘」の関係の描き方は良かったのに、もっとも重要な「恋人同士」の関係の描き方が悪いために、深みのない作品になってしまい残念。
[映画館(字幕)] 5点(2006-01-29 22:32:52)
513.  フライトプラン 《ネタバレ》 
演技や演出等については悪くはないけど、観終わった直後の感想は「なんだかなぁ」という一言にしかでてこない。とにかくこのプランは稚拙以外の何物でもない。 【以下完全ネタバレ】①離陸してフォスターはすぐに後ろの座席に移動して寝たが、もし後ろの座席に移動しなかったら、この計画は実行できたのだろうか。移動せずに窓際に娘を座らせて、横に母親が寝ていたら、とても連れ出すことは不可能。なぜ客室乗務員が共犯にいるのに、あんな真ん中の席にあの親子を配置させたのかが理解に苦しむ。親子連れの先入れを利用して、奥の目立たない席でかつ娘を連れ出しやすい席に配置させる位のことは必要だろう。結果論としてうるさい子どもの陰に隠れてジュリアが目立たなかったことが幸いしただけで、普通ならばあんな母親似の小さい可愛い子どもには誰か気づくはず(飛行機に32以上の子どもが乗っていたとして)で完全犯罪にはほど遠い。 ②フォスターのバックグラウンドが描かれていないのでよく分からないが、旅行中でもなさそうなフォスターの旦那を殺せば、なぜアメリカに棺で戻るということが事前に分かるのかが不明。共犯に安置室関係者がいるのならば、旦那を殺す必要はなくただ事故死の情報を貰えばよいのではないか。そもそも航空保安官や客室乗務員がいるのに、わざわざ棺を利用する必要があるのだろうか。そんなにチェックが厳しいのか。そもそもフォスターが棺を開けっぱにしなかったら、この計画はお終い。 ③娘がいたところに確か男と女が調べに来たはずだが、仮に共犯が調べに来ていたのならば少しは納得できるが、あんな目立つところに娘をおいておく神経がよく分からない。娘が見つかったらこの計画は全てお終いなのに。 ④正当防衛とはいえ人一人殺した上に、三人に対して殴りかかり、飛行機内をメチャクチャにして乗客400名以上を恐怖のどん底に叩きこんだフォスターの行動には引くのに最後の感動ストーリーはないだろう。アラブ人可哀相すぎ。 ⑤フォスターをハイジャック犯にしたてた後に爆弾で殺したとしても、その後、口座から金を引き出した瞬間逮捕されるのがオチ。 〇消えた子どものネタはいいネタなんだが、「フォーゴットン」といい、この映画といい使い方が間違っている。最初は「シックスセンス」の方式で攻めて、ラストにとんでもない大どんでん返しが待っているようにしないと観客は納得しないだろう。 
[映画館(字幕)] 4点(2006-01-29 01:00:52)(良:3票)
514.  僕のニューヨークライフ
自分の点数は若干低めだけど、アレン好きの人には結構楽しめる作品だと思う。自分も会話自体は充分に楽しめたと感じた。 ストーリーは基本的にないと言っても過言ではなく、主人公ジェイソンビッグスを中心に、彼と恋人、先輩、マネージャー、精神科医との会話を楽しむ映画だった気がする。 しかし、会話が楽しい映画に留まってしまい、深みがある映画でも、魂がえぐられるような映画でもない。 テーマが「人生はそんなもん」なら、もうちょっと主人公ジェイソンビッグスの苦悩なり、人生に対する苛立ちのようなものを感じさせて欲しかった。もっとも、ジェイソンビッグスは彼なりになかなかいい演技をしていたようには感じたが。 本当は彼には色々と苦悩はあったはずだ。 彼女には拒まれて上手くいっていない上に彼女の母親に家に居候されて仕事を邪魔される。 役に立たないマネージャーと手を切りたいけど恩義もあり、マネージャーの生活もあり、手を切れない。 コメディ作家のアレンと新たな仕事の申し出があるけど、全てを捨てて、カルフォルニアで新しい出発をすべきかどうかと、悩んでいたはずだ。 これらの悩みを抱えて、至った結論が「人生はそんなもん」と感じさせなくてはいけないのではないだろうか。 コメディ色を強めた結果、どうにも軽く、印象に残らない映画になってしまったような気がする。
[映画館(字幕)] 6点(2006-01-22 22:54:00)
515.  ラブ・アクチュアリー
様々な「愛」が溢れた心温まる素晴らしい映画。普通の恋愛だけでなく、言語を越えた愛やあり得ないシチュエーションの愛、友情や、兄弟愛、親子愛など様々な形の愛が描かれているのが特筆すべき点だろう。 どの愛にも美しかったり、切なかったり、応援したくなるようなものがあったりと、この短時間でよくもここまで良い内容にまとめ上げたなという気がする。この映画のどれかに共感できない人はほとんどいないのではないか。 その中でも、個人的には少年の片思いのストーリーと親友の彼女を見守り続ける男のストーリーには泣けた。 好きな女の子のために必死になれる少年の姿には心打たれたし、それに報いてくれる少女の姿も良かった。 また、親友の彼女のエピソードでは、好きな女性だからこそ素っ気無い態度を取り続けて、それがばれた時にでも、どうすればよいのか分からずにとりあえずカッコつける態度がどの国でも同じなんだなと思う。あの「愛」の伝え方もクールだな。悩みに悩んで相手を困らせないように相手のことを一番に考えた方法だろう。「enough」という言葉に重みと後悔のない潔さを感じる。  本当は10点を付けようか悩んだけど自分の心のどこかでそれをストップさせた。なぜなのか考えてみると、この映画は「なぜ二人は恋に落ちたのか」「なぜ相手を好きになったのか」を描いていないからではないか。ほとんどのエピソードでは既に相手のことが好きであり、「どうやって愛を伝えたか」「どうやって恋(友情)を成就(確認)させたか」「いかにして愛を成就させなかったか」という恋の起承転結のうちの「結」に特化して描かれていた気がする。だからこそ、これほど多くのストーリーを詰めこむことができたのだが、それが小さなマイナス材料にもなっている気がする。特に、首相の恋には何らかの引きがねと障害が欲しかった気がする。ヒューグラントは面白い役柄を演じていたが、あの二人の恋には何も感じるものがなかったのが残念である。身分ゆえの障害、見た目ゆえの障害というのももっと押し出すべきではなかったか。 
[映画館(字幕)] 9点(2006-01-11 03:19:02)(良:2票)
516.  コレリ大尉のマンドリン
テーマは深そうだけど、映画自体は正直言って全くつまらないものに仕上っている。 全体としてみると散漫かつ説明不足ではないだろうか。このテーマならば、もっとペネロペとニコラスの関係は深めに描かないといけないと思う。この内容では親父さんの言う「恋と愛」の違いを具現化したものにはなっていないのではないか。もっと「音楽」を絡めて二人の関係が「愛」に高まるまでを描くべきだろう。 この映画を観る限り最終的には、むしろニコラスの関係が「恋」で、クリスチャンベールの関係を「愛」として描いてもよかったのかもしれない。それだけペネロペとニコラスの二人の関係は希薄なものと感じたし、ベールには真実の愛に気づいたという流れと感じた。 また、ベール自身や、ドイツ人大尉とニコラス、かばって死んだ軍人とニコラスとの関係があまり見えてこないので、やはり物足りないと感じた。 しかしながら、戦争の中で「音楽」や「愛」を描いており、あの陽気な世界には「争い」とは真逆の想いが感じられる。充分「反戦」に対する気持ちが伝わってくるが、やはりこれでは何もかも描き方が不充分すぎると思う。 映画自体は全く異なるが、「パールハーバー」と似たり寄ったりといっても言いすぎではないだろう。むしろ、あちらはアクションが優れているので、まだ見れる気もする。
[DVD(字幕)] 4点(2006-01-10 00:02:20)
517.  ハンナとその姉妹
この映画には「詩」のような雰囲気を感じた。 とくにストーリーもなく、繰り返される日々の日常から、「人生」や「人間」の意味を感じ取っていくしかないという映画。 人生を深く考えたところでも答えなんて出るものではない。人は皆、自分の本音なのか、建て前なのかも分からず発言したり考えたり行動したりもするが、結局のところ川の流れのように人生も流れていくところに流れていく。答えなんてものは後から分かるものなんだというように感じた。 このストーリーで多くの登場人物がいるにもかかわらず、かなり調和がとれた優れた映画であるのは素晴らしいが、アレン演じるミッキーが役柄上必要なんだが、どうにも違和感を感じる。彼は唯一「人生の意味」を真面目に考えようとして、その結論をつける重要なキャラクターではあるので外すことはできないのだが。 また、三姉妹ということもあり「インテリア」テイストを多めに捻じ込んだのも本作のテーマからすると余計だったかなという気もした。 素晴らしい傑作になり得た作品だけど、このテーマを映画に仕立てるのが難しすぎて、うまくまとめ切れなかった感を受けた。
[DVD(字幕)] 6点(2006-01-03 07:01:39)
518.  戦場のピアニスト
映画を超越している作品を観た気がする。ほとんどドキュメントに近い完成度の高さだと感じた。こんな映画は今までに見たことないという衝撃を受けた。 「悲惨さ」や「酷さ」が伝わると同時に、やはり一人のピアニストの生き様が激しく描かれていたと思う。何もないときでも常に指を動かしている様子、弾けるはずもないのに隠れ家のピアノを前にしたときの喜び、そして久しぶりにピアノを弾く際のなんとも言いようもない激しさ。 あの時のピアノの音に何を思うのかは観た人によって異なるだろう。 殺されるかもしれないという恐怖(もはやそんなことも感じられなくなっていたかもしれないが)を感じつつも、まず何かを噛み締めるように音を確かめていき、自分がピアニストだったことを徐々に思い出していく。そして、苦しみ、悲しみを音に乗せていき、内に秘めた怒りを徐々にあらわしていき、それがどんどんと大きくなっていく。また、怒りを爆発させると同時に、ピアノを存分に弾ける喜び、かつ、これが最後になるかもしれないから悔いの残らないようにという思いや名残惜しさも感じられる。そんな演奏だったように思われた。 ある意味、監督自身もシュピルマン同様に逃亡者であり、シュピルマンが満足にピアノを弾けないのと同じく、ポランスキー監督も満足に映画作成はできなかったのではないか。しかし、この映画で存分に満足のいくまでの映画作りができたポランスキー監督の姿とぼろぼろになりながらも満足のいく演奏をしたシュピルマン(ブロディ)の姿がだぶって見える気がした。
[DVD(字幕)] 9点(2006-01-03 06:54:31)
519.  フランティック 《ネタバレ》 
自分がポランスキー監督のことをよく分かっていないのかもしれないけど、ポランスキー監督らしくない普通の真っ当なサスペンス作品であることにまず少々驚いた。こんな映画も撮れる人なんだなというのが正直な感想。 そしてハリソンフォード。この人は嫌いでもないし、特別好きでもない、正直いってあまり印象もない人だけれども、この映画の中の彼の演技は素晴らしいと言わざるを得ない。 異国の地で事件に巻き込まれた「孤独感」「困惑」「いらだち」「必死さ」を見事に表現していた。 特に子ども達への電話が見事。普段なら親のいないところでパーティーなんてやっていたり、深夜に出歩いていたら、どなりつけるものなのに「楽しみなさい」なんて絶対言わないようなセリフの一つに「不安感」とともに「安堵感」という表裏した感情を織り交ぜている。 また、屋上での窓から窓への移動における彼の演技も素晴らしくないだろうか。唯一の手がかりであるカバンをぶちまけたのに「もうどうなっても知らんがな」という投げやりな表情を浮かべている。 そして、劇中における彼の性格や生活感も随所ににじみ出ていた。裕福な医者でありなんでも金で解決しようとする姿勢や、重要な交換条件である自由の女神よりも目の前の女性の命を優先する姿勢、敵であるはずなのに心臓マッサージを施す姿や、こんなところでは会いたくもないはずなのに能天気な医者仲間に会った時の彼の態度、全てに彼の性格があらわれている。 この映画は細かい部分に亘って、演技、脚本、演出が揃ったなかなかのものと言わざるを得ない。 謎の女性もなかなかの好演。最後に金を要求したのも、彼女なりの意地と、親友を(敵対している相手から)殺されたせめてもの報いを込めているのだろう。 それにしても、この映画、冒頭のクレジットから「ナインスゲート」に酷似している気がする。テーマこそ全く違うが、アメリカから来た男性が異国の地で否応なく事件に巻き込まれていく、そしてその登場人物を助ける謎の女がいるという構図はそっくりだ。しかし、あちらの評価は相当低くした。自分にとって、映画における重要な点の一つに、登場人物の感情の動きが読めるのかどうか、感情移入できるかどうかという点があるのではないかと二つの映画をみて思い知った。 
[DVD(字幕)] 8点(2006-01-01 18:01:36)(良:2票)
520.  ナインスゲート 《ネタバレ》 
ストーリーの筋自体は全く難解ではなく比較的分かりやすいが、なんとなく釈然ともしないし、面白みを感じさせる映画ではない。 まずジョニーデップについては、相変わらず演技自体はしっかりしているが、一体何が目的で動いているのかがピンと来ない。金というわけでもなく、本に隠された謎解きをしたいわけでもなく、自分に嫌疑が掛かっているから真犯人を探すというわけでもない。 ただただ、色々な人の掌の上で駒になって動いているにすぎない。だから、デップを主体としたこのストーリーに入りこめていけない。 その上、バルカンは殺人等の嫌疑を掛けたいがためにデップを雇っていると思われるが、なにもかも全部一人でやっているうえに途中で暴走するため、結局デップ雇って何がしたかったのか、本ストーリーにおけるデップの必要性がますます分からなくなっている。 せっかく「悪魔」「ナインスゲート」というやや面白い素材があるのだから上手く活かすべきではなかったか。実際の事件と9枚の絵を見立てる位のアイディアがあれば、絵にも興味が湧くし、よりストーリーに入りこめるのではないかという気がして勿体ない印象を受けた。 また、どのキャラクターも感情があまりないという気がする。バルカンこそラストにだけ自分の感情を露呈したが、他のキャラクターには「欲望」もなければ「憎悪」もない。たたただ、ストーリーが淡々と進んでいるだけであり、やはりこのストーリーでは関心を引く要素は薄い気がする。
[DVD(字幕)] 3点(2005-12-31 03:26:34)
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