521. 夕陽のガンマン
《ネタバレ》 コテコテの西部劇。こーゆーのが見たかった。 クリント・イーストウッドが主役なのかと思ったら、もう一人主役級の人物が。この人が負けず劣らずかっこいい。 モンコとモーティマー大佐、2人の登場シーンがまずかっこいい。 この二人がこれから出会って仲間になるのか。はたまた、敵同士になってしまうのか。それを想像するだけでもワクワクしてしまいます。 二人の初対峙シーンが激アツで、帽子のとばしあいでスキルを競いあうなんてオシャレ。 『北に行くよう説得しろ』と言われ、『南に行け』と進言し、結果『東』に行くことになったのに、なぜか先に待ち伏せしているモーティマー大佐。『お前は逆のことを言うだろうと思っていた。インディオは疑い深いから、違うところに行くだろうと思った。エル・パソ(西)に戻るはずがないから、行先は東しかない。』 ここめっちゃ好きです。モーティマー大佐の手のひらの上で、インディオもモンコも踊らされてます。リンゴ撃ちのシーン最高です。なんかもう『相棒』って感じで良いですよね。 みなさん絶賛されているなか、こんなこと言うのは勇気がいるのですが、個人的には敵の役不足感が残念でした。 登場シーンこそ、カリスマを感じさせるほどの悪党っぷりだったのですが。話が先に進めば進むほど小者っぷりがあらわに。モンコとモーティマーが金の隠し場所から出てくるのを待ち伏せする知恵があるんだったら、金が無事かどうかくらい確認しなさいよ。 そして手下たちにモンコたちを始末させて、金を持ち逃げしようとする小者っぷり。そこは仲間を大切にするワルでいてほしかった。 とゆーことで、凄く期待値が上がってしまったんですが、それに対して終盤が盛り上がり切れなかったかなぁ・・・と。 モーティマー大佐の真の目的が復讐だったっていうのは良かったですけどね。 モーティマー大佐がバウンティハンターやっているのも、いつかインディオにたどりつくためだったんですねぇ・・。 [DVD(字幕)] 7点(2023-08-16 01:06:21)(良:1票) |
522. エンド・オブ・ステイツ
《ネタバレ》 前2作とは若干路線変更の3作目。 今までと違うのは、ターゲットの一人がマイク・バニングになったこと。 とはいえ、命を狙われたわけではなく、マイクはスケープゴート。大統領暗殺の濡れ衣を着せられるのであります。 ただまあ結局、マイクは犯人グループに拉致される寸前で逃げだし、結果命を狙われるといういつものパターンになっていくわけですが。 いつもと違うのは、FBIもマイクを追っかけっているってとこでしょう。 つまりは冤罪もの?ってか四面楚歌状態。逃亡サスペンス。 普通は濡れ衣系のサスペンスってミステリー要素も楽しめるのですが、今作は皆無。なにしろ早い段階で犯人グループの正体明かしちゃいますから。ミステリーにする気はさらさらないようです。 前作では大統領がマイクの相棒のような立ち位置でした。 今作ではなんと父親が相棒に。マイクと父親のかけあいは漫才のようで面白いです。 序盤の見せ場はドローン爆撃。時代ですねぇ。これが画的にはとても見ごたえがあるのですが、前2作と比較するとスケールダウン感は否めません。 後半の見せ場は病院内アクション。これが明るくきれいな施設でのアクションなのでなにしろ見やすい。個人的にかなり良かったです。病院大爆破までのカウントダウンもなかなかハラハラさせてくれます。 今作ではFBIが重要な役割を果たすのですが、ちょっとピエロにさせすぎでしょう。いくらなんでも頭が悪すぎます。ちょっとイライラさせられちゃったのでそこはマイナス。女捜査官がやられちゃったときなんか、ちょっと胸がスッとしちゃったくらいです。 あ、ただのモブキャラと思われた頼りなさそうな副大統領が黒幕だったっていうのは意外性があってよかったです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-08-09 03:52:22) |
523. ダイヤルMを廻せ!
《ネタバレ》 そうかそうか、何か気に入らないと思ったら、そもそも不貞をはたらいた妻が、終始被害者のように描かれているところが気に入らないのだ。愛人の男が、なんだか正義の味方みたいなポジションに居座っているのが気に入らないのだ。 もちろん、殺人が一番悪い。そんなことはぁわかっています。わかっているうえで、心情的にはトニーを応援してしまう。だって人間だもの・・・。でもなんとなくこれは失敗するんだろぉなぁ・・・って思い、そしてその通りになるから、なんか気に入らないんだ。 もとはと言えばマーゴとマークが悪いのに。結局トニーがお縄。不倫関係にある2人は見事に障害を排除して結ばれましたとサ、ちゃんちゃん♪。うん、胸糞悪いです♪。 救いなのは、トニーが『あーあ、ばれちゃったか。』みたいな感じで、潔いほどかっこつけてくれるんです。これで後味がそこまで悪くならない。 だいたい愛人の小説家。トニーが犠牲になってマーゴを助けようなんて、いけしゃあしゃあとどの口が言ってんだコノヤロウ、と虫唾が走ります。この愛人マークが死刑になれば良かったのに。 とゆーわけで、結果そのものは見ていて気分が良いものではなかったです。 ただその過程はとても面白い。 序盤で愛人マークが『現実は小説のように絶対うまくはいかないから』って言ったように、ことごとく計画通りに進まないのが面白い。一番の誤算は、殺し屋が返り討ちにあっちゃうこと。この鋏も予定ではそんなとこにあるはずないのに、予定外のことが起こって裁縫箱からそんなところに置きっぱなし。そのせいで計画が狂っちゃうなんてさすがのトニーも夢にも思わず。 ところが、ここからトニーは機転を効かせまくって、今度は妻を死刑にもっていっちゃう。このストーリー展開はもはや爽快ですらあります。 個人的にはそのままマーゴ死刑エンドでも良かったんだけどなぁ・・・。 伏線の回収はまさに完璧な作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2023-07-30 21:31:37)(良:1票) |
524. ヒッチコック
《ネタバレ》 そーいえばヒッチコックの映画って見たことない・・・ どーしてもモノクロ映画ってなかなか見る気が起きなくて・・・ そんな私が『サイコ』を見たくなってしまう、そんな映画です。 なんかこの映画見て、俄然興味が湧いてきちゃいました。 ライトな伝記ものとして、大変そつなく簡潔にまとめられています。『サイコ』の制作の裏側に限定したことで、90分という短さにまとめられたのも良かったのかもしれません。 当時の映倫は非常に厳しかったんだとか、配給会社のパラマウントとの確執だとか、当時としてはきっと珍しかったであろう猟奇サスペンスを撮るのは大変だったんですねぇ。 ( ゚д゚)ハッ!もしかして『サイコ』だけモノクロなのは、パラマウントが出資してくれなかったから?単なる資金不足? それにしても、ヒッチコックは奥さんも映画製作に協力していたのですね。お互いの仕事のことがわかっているから、反発しながらも苦しいことも嬉しいことも分かち合えている様子がなんか良かったです。私も妻と同じ職場なので、なんだかすごく共感しちゃいました。 ・・・だからこそ、奥さんがウィットに惹かれていくようなエピソードって必要だったのか、これこそ蛇足じゃないかと思う次第です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-07-12 14:53:36) |
525. パラノーマル・アクティビティ5
《ネタバレ》 『第一夜』のフレーズが出てくると、ぐっとパラノーマルっぽくなります。「呪いの印」ではそのフレーズが出てこなかったし、そもそも定点カメラもなかった。なんか足りないな~と思った原因はそれか。今作を見てわかりました。 さて、今作ではまた設定をいじくっております。 『あの人』=『トビー』を復活させるためには6月6日生まれの子供二人の血が必要・・・。とうとう男の子である必要もなくなりました。まあ、いい加減な後付け設定はこのシリーズの持ち味ですね。 今作ではついにトビーが黒いもやもやで視覚化されます。そのぶん突然「わあっ」って驚かされる感覚は軽減されたように感じます。ここにきて真っ当なホラー映画っぽくなってきたと感じるのですがいかがでしょう。 更には1988年のビデオテープに映るケイティが、こちらの家の様子を見ているというアイデアが斬新。なんかぞっとする恐ろしさを感じて好きでした。パターン化されたなかに、新しい試みを取り入れていて、個人的には良かったです。 最後がいつも通りのパワーゲームで終わってしまったのはなんだかなぁ。まあ映画としては正解なんでしょうけど。 結局はいつも通りのバッドエンドか。両親も神父もみんな殺しちゃってかわいそうに。 まあでもトビー君、ようやく体を手に入れられて良かったですね。ごくろうさまでした。 [DVD(字幕)] 7点(2023-07-08 15:11:40) |
526. パラノーマル・アクティビティ/呪いの印
《ネタバレ》 もう真相だとか真実だとかはどーでもよくなった感じ。 実は、謎は謎のままだったほうが面白かったりするものです。特にホラーは、真相がわからないほうが次に何か起こるかわからない予測不能の面白さってのを演出できたりします。 この映画もまたしかり。アナがなぜ優等生君やジェシーを狙ったのか。18歳男子なら誰でも良いのか。肝心なことは何ひとつ教えてくれず、思わせぶりなヒントを餌に、ただひたすら驚かせ、怖がらせてくる。だいたい、ジェシーたちの母親が身籠っていたときから何やら怪しい儀式を妊婦にしてたんだぜ~みたいなとんでもないこと言いだすし。かと思いきや、ラストはもうしっちゃかめっちゃかで、魔女たちにとりかこまれるわ、ケイティたちの家にワープするわで、もうやりたい放題。 ま、要するに開き直っちゃっているわけですね。整合性とか前作の関連付けとかストーリーとかどうでも良いだろうと。とにかくびびらせておけば観客は喜ぶだろうと。・・・つまりアトラクションです。5分待ちくらいのアトラクションです。 で、ここまで割り切られちゃうと、それはそれで楽しかったりするのです。出てくるオネーチャンもかわいくて良い感じです。 見て損はないのではないでしょうか。 いや、人によるか。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-07-07 14:41:45) |
527. ネイビーシールズ(2012)
《ネタバレ》 ただ淡々と軍事作戦を描いた映画。9.11を凌ぐ同時多発テロを画策しているテロリストグループ。それを阻止するため、文字通り体を張り命をかけるネイビーシールズ。今日も世界は何事もなく平和だけれど、その平和は実は命をかけて守られているものなんですよ~っていうのが一番伝えたいメッセージのようです。 CIAの女性の救出任務までは手に汗握り見ていたのですが、そっから先はやや冗長に感じてしまいました。 救出した女性CIAから、大規模テロの情報が手に入り、今度はそのテロを阻止するために動くわけですが・・・。女性救出に比べるとなんだかいろいろわかりにくかったです。テロの脅威と、それを阻止する方法を、もう少し明確に描いてくれたらもっと緊張感をもって見られたのかもしれないのですが・・・。 女性を救出して脱出するところまでは8点。後半6点。あいだをとって7点といったところです。 あとやたら大尉の死亡フラグをたてるので、『もうやめたげて~』『それ以上死亡フラグたてないであげて~』って、ずっと思っていました。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-07-03 23:51:19) |
528. スター・トレック(2009)
《ネタバレ》 え?館長って挙手制なの?ってところで、「ああ、この映画は肩の力を抜いて気楽に見るものだ・・」と思いました。 オープニングがなかなかシリアスな入りでしたので、なんだかめっちゃ真面目な感じで見てました。 ちなみにオリジナルのスタートレックは未見。今作がスター・トレック初挑戦です。 スター・トレックを見たことがなかったので楽しめないんじゃないかと、正直あんまり期待はしていませんでした。ですが、初見の人でも楽しめるような作風で、予想以上に良かったです。オープニングでいきなりひきこまれました。 で、ストーリーはというと・・・やれやれ、また過去改変ものかと・・・。SFっていうだけで、やたら過去や未来をいったりきたりしがち。あまり好きではないんですよね。ただ、今作はかなりわかりやすいストーリーにしてありましたから、まだ見やすかったです。 要は未来のスポックがロミュラン人のネロから逆恨みされて母星を破壊されちゃうお話。で、ネロはそれだけだと腹の虫がおさまらず、連邦政府は皆殺しじゃ~、まずは地球からじゃ~っ、ブラックホールで全部消し去ってくれるわ~。って感じ。 で、まあそれを阻止しようと・・・。 それ以上にお話しが広がるわけではありませんので、決して面白いとかのめり込むタイプのストーリーではなく・・・。 ただ見方を変えれば、ストーリーが単純だからこそ、難しく考えず、迫力ある映像に没頭できるという良さもあります。 そう、この映画、見所は多い。 まずオープニング。ワープ後、待ち伏せされて襲撃されるとこ。氷の惑星で謎の生物に襲われるとこ。 どれも違った迫力、魅力があり、こーゆーアトラクション的楽しさを満喫できるのもSFの醍醐味のひとつだなぁ、と思う次第です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-07-02 13:34:28) |
529. パラノーマル・アクティビティ2
《ネタバレ》 ひゃあ、評価低いですね~。個人的に『1』より好きでしたよー。 『1』がヒットして予算が出たのか、映像が格段にきれいになりましたねー。 前作は面白半分で映像を撮っていましたが、今作は防犯のためにカメラを設置。自然な流れで良かったと思います。 キャストのビジュアルも良かったと思います。クリスティもアリもかわいい。 アリの怖がり方すき。最初のうちは『家に幽霊がいるなんてかっこいい』って余裕かましてましたが、しだいに余裕がなくなっていくのがなんかリアル。終盤、父親に電話で助けを呼ぶシーン。そして帰ってきた父に、まずは映像を確認するよう必死で説得するシーンが、どちらも良かったです。 ケイティとミカがでてきたのも、なんか嬉しい。前作としっかりつながっている構成も良かったと思います。こーゆーシンプルな内容であれば、シリーズ化されても問題ない気がします。前作を思い出しながら見ると、より面白く感じます。 ヴィジャボードの使い方も良かったです。1回目、故意に動かしたことで、2回目はおそらく悪霊が動かしているんですが、2人ともお互いに相手が動かしているものだと思って異変に気付いていないのがうまい。2回目のつづりはたぶん『HUNTER』。ここはちょっとぞっとしました。好きな演出です。 で、全体的に良かったのですが、肝心のホラー演出が『突然大きな音を出してびっくりさせる』ばかり。それがちょっと嫌でした。 だってずるくない? [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-06-22 02:30:52) |
530. アナと雪の女王2
《ネタバレ》 前作に比べるとストーリーはどうしても弱い。なにせダムを壊すだけですから。大山鳴動して鼠一匹とまでは言わないですが、そんなことでこの人たちは30年以上も閉じ込められていたのかと思うと不憫。 一番の悪役がとうの昔に死んじゃっているのも、ストーリーが盛り上がらなかった一因かも。しかも、あからさまに最初から祖父国王が裏切ったんだろーなーってことが予測できちゃうので、ミステリーとしても楽しめない。 もうひとつのミステリーは、逆にわからなさすぎ。結局エルサを呼んでいたのは何だったのか。アートハランってのは地名なのか、精霊かなにかの呼称なのか。エルサは終盤、なぜ氷漬けにされちゃったのか。よくわからないことばかりです。 ただおそらく、祖父国王が自然を破壊しダムを作っちゃったことに精霊たちが怒って、霧で外界と隔絶しちゃったのでしょう。たぶん・・・。レビューというより考察になってしまった・・・。 で、前作もなんですが、今作も中盤以降派手に活躍するのはエルサだけなので、どうしても飽きちゃうんですよねー。新しく出会うみなさまも、パンチが弱い。これといって話を盛り上げるキーマンがいません。 エルサはとにかく謎を解明したい。アナはとにかくエルサといっしょにいたい。クリストフはとにかくプロポーズしたい。オラフは特になにも考えていない。終盤までみんなが向いているベクトルがばらばらなのも、物語を退屈に感じさせちゃう一因かもしれません。せっかくパーティーで動いているのに、チーム感が乏しいのです。 アニメーションは抜群に良いです。音楽も好き。風、火、水、大地の精霊たちも良い感じ。だから見る価値はおおいにあるのですが、どーしても映画としての盛りあがりに欠けるなぁ、という感じです。 前半はオラフがとにかくおかしくてかわいいし、アナとクリストフの夫婦漫才も楽しい。明るい雰囲気だし音楽も華やか。前半の満足度はかなり高いです。そこで膨らんだ期待感に、後半が応えられなかったという感じでしょうか。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2023-06-21 02:04:48) |
531. 崖っぷちの男
《ネタバレ》 タイトルからはどんな映画か全く想像できなかったのですが、まさかのミッションインポッシブルみたいな路線。 最初は時系列も含め、何が起きているのか状況把握が大変。ですがわりと早い段階でストーリーの全体像が見えてきます。小難しすぎず、わかりやすい。軽い気持ちで見ても十分楽しめるエンタメムービーです。 登場人物は、悪人も含めみな個性があってキャラづくりは完璧。 実は父親の葬儀からこの計画が始まっているのだとわかってからは、もうずっとワクワク、ハラハラの繰り返しです。 冤罪系の映画ってやたら重かったり、深刻だったりするのですが、この映画はライトな感じ。冤罪を晴らすためだけにチームで動くっていうのは、ありそうでなかなかないんじゃないですか?だって自分には何のメリットもないのに、リスクを冒してまで他人の冤罪を晴らしてやろうなんて人はいないから。でも家族なら話は別。弟が目的のダイヤ以外には手を出させないのを見て、兄の冤罪を晴らすだめだけに動いているのだとわかり、『正義は我にあり』という気持ちで応援できるのが良かったです。 賛否両論あるみたいですが、父親のサプライズは個人的に最高でした。 欲を言えば、エド・ハリスがあの後どうなったのか、そこまで見せてくれたらベストでした。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-06-16 15:01:14)(良:1票) |
532. 拷問男
《ネタバレ》 他の方がおっしゃっているように、タイトルで損しているのは間違いないです。 とはいえ、原題のままだと、ドラマかなんかだと勘違いして見た人が卒倒しちゃいそうです。 いや~、拷問する側の人間にこれほどまでに感情移入するドラマがいまだかつてあっただろうか。これはもう、前半の作りこみが良かったのだと思います。過剰なまでの娘への溺愛ぶり。そして娘もパパが大好き。そこからの悲劇。娘が見つかったときの描写の辛さといったら・・・。父親も母親も、娘が見つかったという一報を受け、安堵し喜び、思わず笑みがこぼれ、迎えに行ったらそこには変わり果てた娘の姿が・・・。女性警官が吐くところを見せて、父親に最悪の事態を想起させるシーンなんか本当によくできています。まさに天国から地獄です。 ただ、一言だけ言わせてもらうなら、そんなに娘が大事なら離婚なんかするんじゃないよ。 確かに窓を直さないのも問題だけどサ。それ以前にせめて娘が大きくなるまでは、離婚せずに家族仲良く暮らしていればこんなことは起きなかったんだから。そこだけはずっと心にひっかかっていました。 おそらく、なんとなくですけど、離婚の原因は奥さんのほうにあるんだろーなー、という気はしましたが・・・ [DVD(字幕)] 7点(2023-06-14 01:18:23)(良:1票) |
533. gifted/ギフテッド
《ネタバレ》 予備知識無しで鑑賞。 ドラマなんですが、ダラダラした感じはなく。 テンポ良し。人物良し。雰囲気良し。風景良し。音楽良し。 前半が特に好きです。天才少女がわくわくさせてくれます。小さな盛りあがりがたくさんあって、ずっとわくわくできちゃいます。 先生と計算のやりとりをするシーン。祖母が数学の難しい本を持ってきたら、『その本好き』って言って、『もう読んだの?』って祖母イヴリンが目を丸くするシーン。そのどれもがお気に入り。 ただ祖母イヴリンの登場から、物語は次第に親権をめぐる裁判沙汰へと方向転換していきます。 この前半からの大きな転換を受け入れられるかどうかで、評価が分かれそうな気がしますね。 てっきり天才少女のサクセスストーリーが始まるのかなぁって思っていたので、後半は期待とは違うものを見せられた気分になってしまった・・・。 とはいえ、後半の裁判、それはそれで見ごたえがあります。メアリーを里親に引き渡すシーンでは不覚にも涙してしまいました。 叔父と祖母の親権で争っていたのに、折衷案として里親が出てくるのには面喰いましたが、実はそこには祖母イブリンの陰謀が・・・。なるほどね・・・。 猫を勝手に処分しようとしたり、イヴリンがあまりに腹黒いので、逆にフランクが吹っ切れて行動を起こすきっかけとなりました。結果オーライです。娘アマンダの遺したナントカの方程式の完全証明が手に入るやいなや、すっと身を引くイヴリン。そりゃそうか、孫娘だって7年ほったらかしだったわけだし。結局娘や孫を愛していたわけではなく、その才能を愛していただけなんですねー。 ・・・・・・まあ人類の発展のためには、イヴリンのような人間も必要だとは思います。共感はできませんが・・・。 フランクはフランクでやや極端な教育方針。 でもその背景には姉の自殺があるのかな・・。同じような道をメアリーに歩ませちゃうと、どーしても姉の死がちらついちゃって、違う道を歩ませたくなるのは心情としては理解できます。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-06-12 15:00:14) |
534. エイリアン:コヴェナント
《ネタバレ》 『プロメテウス』とはうってかわって、本来のエイリアンらしさを取り戻した本作。このシリーズならではの不気味さや恐ろしさ、緊張感を堪能できました。 エイリアンシリーズはいつもコールドスリープから目覚めるところから始まりますね。芸がないなぁって思っていたのですが、冒頭、コールドスリープの中でいきなり船長が丸焦げに。そこは芸があるなぁって思いました。 遠い予定地。突然湧いて出た、近くの掘り出し物。究極の二択。これ、日本の船だったら迷わず予定地に向かうんだろーなー。さすがアメリカ。自由の国。フロンティアスピリッツが違いますね。 エイリアンはすぐ登場するし。あっちこっちで惨劇が起きるし。前作に比べるとかなりエンターテイメント。 前作がマニア向けなら、今作は完全に大衆向け。 私は今作、結構好きですねー。 ただ宇宙船のクルーたちがいくらなんでもパニック起こしすぎで、正直イライラしたことは否めない。予定にない未知の惑星に不時着しようってんだから、ある程度の危険は覚悟しとかないと。もう始めから遠足気分じゃないですか。だから何か起こったときにワーワーキャーキャー。心構えがあれば、そうはならんでしょ。けが人、病人出ても落ち着いて対処せんかい。 特に、小型の探査船に残っていた整備士の女性は最悪。あんたのせーで母船に帰れなくなってしまいましたやん。 母船に残っていた整備士の女性の旦那も最悪。自分の妻の安否を知りたいがためだけに、2000人の命を危険にさらす。言語道断。開いた口が塞がりません。 本作は『1』への架け橋的作品なので仕方ないことではありますが、あまりにもあまりすぎるバッドエンド。 同じ顔のアンドロイドなんだから、コールドスリープに入る前に、もう少し疑ってほしかったかな。 自分達で生み出したアンドロイドが生み出したエイリアンに滅ぼされる人間たち・・・。 人間ってほんと愚か・・・。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-06-06 01:12:44) |
535. ビザンチウム
《ネタバレ》 最初は退屈そうだなぁ・・・って思っていたのですが、美少女がいきなり血を吸ったり、追っかけてきた男の首をチョンパしちゃったり、突然のグロ展開。全く予備知識なしで見たものですから、唖然としちゃいました。 こいつは面白くなりそうだと思ったのですが、こっからまたのんびりダラダラ・・・。 良く言えば丁寧、悪く言えば退屈。 いや、最近のテンポの速い映画に慣れすぎている自分がいけないんだろーな。・・・とはいえ、なかなか話が進まないものですから・・・。 こんなこと言うのはあれなんですけど、200年も生きてきて、まだ大学に通いますか?危険を冒してまで?あの母親がなぜそれを許すの?う~ん。 ちなみにクララのキャラクターは、エレノアと同じくらい良かったと思います。最初は毒親かと思ったのですが、エレノアに対する母の愛は本物だったのがぐっときました。特に終盤ですね。エレノアも、反発しつつも、やはりクララのことを母親として愛しているのが伝わってきて、そーゆードラマが描けているのが殊の外良かったです。 こーゆー映画って、最後はみんな滅んじゃうんだろーな。少なくとも母娘は滅んじゃうんだろーな。なーんて、固定観念があったのですが、真逆の結末。考えうる限り、エレノアとクララにとって最高の結末だったのではないでしょうか。 エレベーターに墜落死しちゃった親切な男性。エレノアのことを本気で心配してくれた大学の先生たち。みんな良い人たちだったのに、死んじゃって、殺されちゃって可哀そう。そこはなんとかならなかったのかな。 ちなみに、誰も触れていませんが、エレノアがヴァンパイアなのに吸血鬼の映画をTⅤで見ていたのが、超シュールで私にはたまらなく面白かった。 [DVD(字幕)] 7点(2023-06-05 02:09:25) |
536. ロスト・ボディ(2012)
《ネタバレ》 これはまんまと騙されました。 幽霊なのか?それとも実はマイカは生きているというサスペンスなのか? 選択肢が2つあると、人ってそれ以外の可能性を疑わないものなんですね~。まさかあそことあそこがグルだったとは・・・! で、まあアレックスが一応本作の主人公でいいのかな?その主人公があの結末。普通に考えればバッドエンドなんですが、アレックスもマイカもなかなかのクソなんで、同情の余地はありません。因果応報。なので、まあ気持ちよく騙されたって感じです。 自業自得とはいえ、アレックスがどんどん追い詰められていく様子はこっちもハラハラ。警察にいつ犯行がばれちゃうのか、そこもヒヤヒヤ。この辺の演出がとてもうまい。ワイングラスや手紙、ビンなどの小道具の使い方も巧みでしたね~。 まあ復讐のためとはいえ、体を許しちゃうっていうのは理解に苦しみますが・・・ オトンもそれで良いのか? ただこーゆー考え方もできます。 娘は本当にアレックスのことを好きになってしまった!! だから母を殺したのはアレックスではないという証拠をつかみたかったのです。 ですが遂にアレックスから過去の罪を告白されてしまう・・・。 階段での涙は、信じたくはなかったという涙、そしてアレックスとの決別を決意した涙だったのでは? [DVD(字幕)] 7点(2023-06-03 01:22:28)(良:1票) |
537. プレーンズ
《ネタバレ》 やっていることはカーズとほぼ同じ。 レースに憧れる農薬散布用の飛行機が、本当に世界一周レースに出ちゃって、優勝しちゃうお話。 仲間がいて、師匠がいて、ヒロインがいて、ライバルがいる。 何から何までカーズと同じ。特訓するノリまですべて同じ。 ・・・・でもなんだろう、ダスティのキャラが個人的にかなり気に入ってしまった・・・。素直で正直で、そして善人。とにかく見ていてホッとします。あまりに毒が無さすぎて、つまらないと感じる人もいるでしょうが、なんだかダスティが愛らしすぎて癒されてしまいました。どちらかというと、カーズよりも、よりストレートな作風のこちらのほうが自分の好みには合っていたようです。 それに、車もいいんですが、どうやら私は空を飛ぶシチュエーションが好きみたいです。 アニメーション、ばっちり。本当に自分が飛んでいるかのように錯覚する画作り。トンネルや荒れ狂う大海原のシーンはスリル満点。特に、海のシーン。高波にのまれちゃうところは本当に怖かった。ディズニーのアニメーションは本当にレベルが高い。 レースに勝ちたい。決められたこと以外のことも自分はできるんだと証明したい。そんな誰よりもレースにこだわるダスティが、困っている飛行機がいると迷わず助けにいってしまう。自分の事より人のことを考え、周りの人たちの手助けをし、仲間が増えていく。最後はその仲間たちに助けられ、遂に優勝してしまう。 ありきたりで王道。安直なサクセスストーリーだっていいじゃない。アニメなんだから。 傑作とまでは言えないかもしれません。ですが間違いなく良作アニメーションだと言えます。ってゆーかこーゆーの好き。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2023-05-27 01:57:17) |
538. サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース
《ネタバレ》 B級ホラーの企画もの。と思いきや、バカにできないクオリティ。グロ描写、なかなか気合入ってます。ってゆーか、痛そう。 スタートから丁寧な作り。結構有名な役者さんもありをりはべり。 決して怖すぎない、ほどよいお化け屋敷感。ホラー苦手な方でも見れそう。ただ少々悪趣味とも言えるスプラッタシーンはあるので、グロいのや痛いのが苦手な人は辛いかも。 ストーリーはもうB級ホラーにありがちで、つっこみどころ満載。犯人でもない人間が、まるで犯人かのようなセリフを吐いたり、無駄に逃げたりする、乱暴すぎるミスリード。身に覚えがないなら逃げるなよ。 名優マルコム・マクドウェルが演じる所長は絵に描いたようなバカ所長。 主人公のオーブリーも、『○○が犯人です!』って言いきって、捕まえては、『○○が犯人なのは不自然です・・・』って。 いやいや、○○が犯人って言いだしたのはあなたですからΣ( ̄□ ̄|||) 結局主人公が犯人だの怪しいだの言っていた二人は事件とは無関係。 そして殺人鬼。なんだか殺す人とそうでない人の境界がすごく曖昧。 風紀を乱す人や、ちょっと悪いことしている人がターゲットなのかな~って思いきや、じゃあ町長はどうして殺されちゃったのさ~。おし~えて~、おじい~さん~♪。 ・・・まあ、母親に対してめっちゃ悪い態度を取る女の子を躊躇なく殺しちゃうのは、思い切ってて感心しましたが・・・。 そしてこの映画何が良いかって、女優陣のレベルが何気に高い。目の保養になるシーンもちゃんとある。 終盤グダグダで、ラストはいまいち。 ですが全体的には王道で手堅くまとまっているんじゃないでしょうか。 スプラッタホラー作品としては、正統派で好きな部類です。 [DVD(字幕)] 7点(2023-05-22 04:30:29) |
539. ファインド・アウト
《ネタバレ》 警察があまりに無能すぎて、『ドキドキ』『ハラハラ』より『イライラ』が勝っちゃう映画。 当時、ジルがどーゆー状況で発見されたかはわからない。 ですが誘拐された本人が、命からがら逃げだして、被害を訴えているにも関わらず、虚言扱いして強制的に精神病院送り。いやいや、いったいいつの時代の話ですか。だから途中までは、犯人どころか、妹モリーの存在さえ主人公ジルの妄想だと思っていましたよ。 でも、ジルの言っていることは正しかった・・・・。ええ~(-_-;)。じゃあ警察がダメすぎでしょう。小娘一人が警察に追われながら四面楚歌状態で、それでも突き止められる犯人を見つけられない。いや、それどころか、事件の存在すら気付かないなんて。ポンコツにも程があります。 ・・・・・・・とまあ、散々悪く言いましたが、映画そのものはとても面白い。 警察に捕まるんじゃないかというスリル。いつ犯人に襲われるかわからないスリル。どちらも丁寧に描かれていて、なかなかの緊張感を堪能できます。 欲を言えば、ラストはもう少しだけ溜飲が下がる何かが欲しかったかな。 後になって写真を送り付けるぐらいなら、家に戻ってきたときに刑事たちに写真をたたきつけてほしかった。そこで何も言えない刑事諸君に、『犯人なんていないわ。全部私の妄想だから』って言えば、より一層皮肉が効いたのに。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-05-22 03:52:03)(良:1票) |
540. 凶悪
《ネタバレ》 いやはや、恐ろしい人間がいたもんだ・・・。 『実話をもとにしたフィクション・・・』のナレーションで始まる本作。 どれくらい実際の事件が反映されているのか気になるところ。まあ、フィクションって自分から言っているくらいだし、ほとんどフィクションなんだろーなーって思っていたのですが・・・。 ほぼ全部ノンフィクションやんけ~。まじっすか~。名前と顔が違うだけ。あとは記者の家族エピソード、これがおそらくフィクションなんじゃないかなぁ・・・。 それにしてもこの映画、時系列の使い方が上手です。回想シーンがずっと続いていたところに、突如リリー・フランキーを撮る山田孝之が映し出される。この辺りうまいなぁ。実に自然に過去から現在へと戻ってきます。 さて、他の方も言及されているように、私もこの藤井記者がどーにも好きになれません。いくらなんでも妻をないがしろにしすぎ。そっちが気になってしまって、序盤と終盤は藤井家のごたごたが邪魔で仕方なかった。真相を暴く記者の姿だけ映してくれたらよかったのに。それに山田孝之は声を張り上げる演技があまり上手じゃない。感情を押し殺した演技はうまいんですけどね。 でも終盤、法廷で『生きる喜びなんか知るな』って須藤にキレるシーンは良かったです。ただあんたにそんなこと言う資格はないけどね。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2023-05-09 15:12:59)(良:1票) |