541. ワイルドシングス
同じ学園サスペンス系だからか、テンションが何となく「クルーエル・インテンションズ」に似ていると思った。いかにも“作られた映画”という感じです。でもそもそも馬鹿馬鹿しいサスペンスものが観たいと思って手を出したので、あの流れはむしろ私が求めていたものでした。デニス・リチャーズとネーブ・キャンベル、私より1、2歳年上位かと思っていたら、5、6歳年上でした。この時点で2人共もう25歳位だったとはびっくりです。 5点(2004-06-20 20:34:28) |
542. アメリカン・グラフィティ
昔この作品を観た時、良さが全く分からなかった。それは私がアメリカ人でもなく60年代も知らないからだと思っていた。でも多分違う。単純に若過ぎたのだ。この映画を良いと思えるのは大人の特権なんだろうと思う。思い出の容量が増え、かつそれらが容易には取り出すことの出来ない深部にまで達してしまった人間だけの特権。当時29歳だったルーカス。次に観るのは、当時のルーカスの年齢を超えてからにしよう。30代になってから。ま、すぐだけどね。20歳を越えたら年を取るのが音速並みに早いんだ。中身は全然変わんないのに。 5点(2004-06-20 20:24:59) |
543. ジターノ
やっぱりラテン系の醸し出す色気は凄い。そこはかとなく香る東洋の色気ではなく、もーうダイレクトで強烈な放出系の色気。濃い、濃い、濃い。ホアキン・コルテスの、“情熱”そのものを体現するようなパフォーマンス。素晴らしい。でもあそこまで強烈にセクシーだと、逆に引く(笑)。“ジプシーの血の掟”的な作品世界にも、どっぷり日本人の私には入って行きにくいところ。画面をまともに観られない位に強烈に極濃な作品。 5点(2004-06-20 20:23:08) |
544. エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事
コスチューム・プレイ(いやらしい方ではない)は何となく肌に合わないな、と常々思っていて、いつか好きなものに会えるかも…と期待しつつ毎回観るのだけれど、これも肌に合わなかった。ゴージャスなんだけれど、どうも私の心をスルーしちゃうんですよ。悪い作品とは決して思わないのだけれど、何か弱いんです。ピンと来ない。 5点(2004-04-02 14:00:53) |
545. 白いドレスの女(1981)
20代半ばのキャスリ~ン・タ~ナ~!セ~クシ~!「シリアル・ママ」なんか観た後でこの作品を観るとちょっとびっくり。若いし体は締まってるし。そうだよな…この人はもともとセクシー系で出て来た女優だもんな…。とにかく女は怖いのです。本当に怖いのです。女が本当に怖さを発揮したらとんでもないことになります。女の私が見て来て言うんだから間違いない。いや、ほんとに女は怖いんだ。常に予想の斜め上を行くんだ。 5点(2004-04-02 13:33:59) |
546. メトロポリス(2001)
CG技術はここまで来たのか…とその映像世界には圧倒されるのだけれど、ありがちなことに映像に内容が付いて行っていないような気がする。テーマ自体にはいくらでも突っ込んで行ける深遠さがある。それはもう、怖いくらいに。しかしどこか逃げに走り、映像技術と選曲で誤魔化した感じがするのは否めない。壮大な氷山の一角をもっともらしく見せて、お茶を濁した感じ。提示したものが大き過ぎる為、消化しきれないであろうことを製作側も気付いていたはず。映像表現姿勢はポジティブだったけれど、他の全ての姿勢がどこかネガティブでした。 5点(2004-04-02 13:06:26) |
547. ラスト・オブ・モヒカン
テーマがテーマだけに歴史大作的なものを期待したのだけれど、壮大というにはこじんまりとした作りで、何だかリアリティにも欠け、それほど印象にも残らなかった。当時のデイ・ルイスは妙にコアなファンに騒がれていた記憶があるけれど、イマイチその魅力は私には分からなかった。マデリン・ストーは本当に美しかった。 5点(2004-03-30 20:41:53) |
548. マイ・プライベート・アイダホ
実際のところは違うにしても、マイクとリバー・フェニックス本人の姿が重なる。本当に消え入ってしまいそうだった。ここにいても、どこにもいない。どこに行っても、どこにも辿り着けていない。そんな感じだった。 5点(2004-03-28 14:27:16) |
549. バックマン家の人々
ホアキン・フェニックスがね…、今となっては信じられない位、まるで女の子みたいに可愛らしいんですよ…。私はこの作品をビデオで観た後に映画館に「サイン」を観に行って、彼の変貌振りにプチ狼狽しました。作品的には普通な感じだけれど、的確なホームドラマです。日本だとかアメリカだとかを問わない普遍的なものがあって、誰が観ても誰かしらに感情移入出来る作品ではないでしょうか。 5点(2004-03-22 15:29:10) |
550. 季節の中で
実はベトナム映画だと思い込んで観ていて、途中で《いや、何かそれっぽくないな…妙にこざっぱりと洗練されているな…》と思ったら、思いっきりアメリカ映画だった。アメリカの製作陣の立場として狙ったのは、第一に異国情緒的な雰囲気だったのだと思う。雰囲気メイン。そして結局はエキゾチシズムにやたらと頼りすぎていて、ストーリー自体は安易でちょっと弱いような気はする。ベトナムの素朴な美しさが目に優しい、小綺麗な作品ではありました。 5点(2004-03-19 23:19:17) |
551. ディープエンド・オブ・オーシャン
アメリカでは似たような事件が本当に起こっている。死んだと思っていた娘が実は友人に育てられていた、という事件。この作品で描かれたようなことは実際に起こり得るのだ…とぞっとした。本当に怖い話だと思う。再会に喜びつつも、戸惑う親子の姿。長すぎる空白の期間、埋めるのが難しい穴に葛藤する家族。地味で小粒な作品だけれど、家族の再生を丁寧なタッチで描いた作品です。 5点(2004-03-04 19:28:11) |
552. ドク・ハリウッド
1991年製作…。90年代に突入したもののまだ80年代を引き摺っている、という匂いがぷんぷんする。今観るともちろん全体的にダサいのだけれど、変に気張ったところのない作品なので、意外と今でも普通に安心して観ることが出来る。アメリカで大ヒットしたという割には特に派手さもなく平凡で平均的な作品ですね。うん、本当に特に特筆すべきものもない、フツ~の作品。 5点(2004-03-01 19:36:40) |
553. アフガン零年
この作品が1つの映画作品として傑作かどうかは分からない。この作品に力を持たせたのは監督の力量ではなく、アフガニスタンという国が内包する根本的な悲惨さなのではないかと思ってしまう。だから映画としてどうかと言われても評価に迷う。それで5点にした。それでもやはり監督がこの作品を世に送り出したことが功績であることには間違いがなく、厳粛に受け止めなければならない。これはアフガン初の映画作品であり、驚異的なまでにエポックメイキングな作品なのだから。これは観る者に問題提起し思考促進させるという点では、天井に近いレベルにある。「一を聞いて十を悟れ」という言葉があるが、まさしくこの作品はそうだ。提示された「一」の中に筆舌に尽くしがたい無限の絶望がある。心象風景、もしくはメタファーのように何度も挿入される、女性たちが座り込む牢屋の中で縄飛びをする少女の姿。アフガンで抑圧された女性たちの姿。いつまで経ってもあの映像はまざまざと瞼に蘇る。人間はイデオロギーで自分を縛り、他者にも強要する。宗教はその極限の形だ。被害者はいつも、草の根に生きる弱者。それは、いつも。どう言っていいのか分からないが、1つ思うに、この作品を無下にする人がいたら、それは非常に悲しい。ひたすら悲しい。この作品を観るあらゆる人に、何がしかを感じて、考えて欲しい。考え過ぎな位に、千思万考を繰り返して欲しい。そんな作品。それが、今の私が言える、全部。 5点(2004-02-27 18:36:49)(良:3票) |
554. 慕情(1955)
以前おすぎが、「戦争によって引き裂かれた愛を語るなら、『パール・ハーバー』なんて作らなくても、『慕情』という映画があるのよ!」みたいなことを言っていた(確かに私にとって「パール・ハーバー」は、「マディソン郡の橋」と並んで、“一生観たくない映画リスト”のトップクラスを死守している)。これはしかし名作として高名な作品だけれど、思ったよりも凡庸な印象を受けたのは私が未熟だからなのか…?正直、20代のイチ映画素人の私には、それ程の名作、優れた作品だとは思えなかった。 5点(2004-02-26 22:10:33) |
555. 顔のない天使
先入観。排他意識。狡猾な保身。人は、人を信じることよりも、疑うことに長けている。人を信じることは難しい。人を信じることは本当に難しい。 5点(2004-02-24 19:25:42) |
556. 遥かなる大地へ
これは確かトムとニコールがラブラブ共演しながらも興行的にコケたという作品ですね。トムのリズミカルな拳闘シーンが良かった。アメリカという国は開拓時代が1番夢があって良かったのかも知れないですね。この時代の若者たち、あの2人の姿にこそ、本来の意味でのアメリカン・ドリームがあったのだなあ、と思う。 5点(2004-02-23 19:49:20) |
557. トリコロール/赤の愛
《ネタバレ》 監督の遺作ですね。3部作が見事に絡み合うあのラストが良かった。3部作全てををスクランブルさせる何かのアクシデントがある、ということは事前に知っていたけれど、そうか、そう来たか、と少しにんまりした。青→白→赤の順番通りに観たけれど、全作を通して特別好きだとは思えなかった。それでも絵的なこだわりや人の倫理に対する目線がどの作品にもあり、監督による横道に逸れない1つの美意識を感じました。 5点(2004-02-16 16:44:43) |
558. トリコロール/白の愛
3部作の中では1番コミカルだった。とにかくジュリー・デルピーは適役だったと思う。本当に白いから。白過ぎる位に白い。トリコロールの白=平等だけれど、そんな堅苦しい作品ではなかった気がする。「おあいこ」とか、「どっちもどっち」そして「やられたらやりかえす」そんな感じでした。 5点(2004-02-16 16:34:41) |
559. トリコロール/青の愛
《ネタバレ》 つまり「Trois Couleurs」とは「Three Colors(三色)」のことだったのだな、と遅まきながらこの作品を観た時にやっと思い当たった。それまで、フランス語も全く分からないし深く考えてもいなかった。青は自由、白は平等、赤は博愛(フランス人が実際にそうかどうかを考えたらかなり疑問の残る部分もあるが)。3部作第1作目は「青の愛」。ビノシュ演じる深い絶望の底にいる女性が、結果的にあることを契機として、生き直す決意をする物語。青は憂鬱の象徴でもあり、本当の失意を経験した者、深い水の底のような深い青の中に沈んだ者だけが、本当の自由を得られる、という1つのテーマを感じた。 5点(2004-02-16 16:23:04) |
560. ラジオタウンで恋をして
ずっと思っていたのだけれど、キアヌにはスタイリッシュなラブストーリーは似合わない。むしろ“愛すべきダサさ”みたいなものを武器にした変化球なラブストーリーがいいですよ。こういう作品とか似合ってます。年上で酸いも甘いも知った大人の女に翻弄される一途で純朴な青年、そんな姿が実にハマってました。 5点(2004-02-15 16:42:29) |