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放浪紳士チャーリーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1446
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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41.  雲ながるる果てに(1953) 《ネタバレ》 
戦争の記憶がまだ癒えぬ、終戦後八年経過したこの時期でなければできなかった秀作だと思います。鶴田浩二さんが亡くなられた時、自分はまだ十代でしたが、葬儀の際、軍歌が延々と流れる模様がワイドショーで中継され、少々「奇異」に感じたことをよく憶えています。鶴田さんが特攻隊くずれだったとか、いや特攻隊員を見送る整備兵だったとか、映画の宣伝でそういう事実をでっち上げただけとか色々な説があるみたいです。御本人はすべての説を否定も肯定もしなかったとの事。でも彼がこの映画で、空の彼方に消えゆく一特攻隊員を、決して英雄化する事無く真摯な態度で演じられたのは事実。それは誰も否定できないはず。黄門様西村晃はじめ、この映画に出演された役者さん達は、きっと敬虔な気持ちと使命感で撮影に臨まれたことと思う。独立プロ勃興の時期だから出演料も安かっただろうし。ラストシーンのナレーション、それまで感傷を極力排して描いていたせいか、一気にいろんな感情が噴き上がってくる効果を上げています。『よっちゃん、リンゴのほっぺただ』泣けました。ただただ、泣けました。もう一人の主役、繊細キャラの木村功も良かった。『ひめゆり』は結局何度も再映画化されて質が落ちていったけど、願わくばこの作品だけは安易にドラマ化やリメイクはしないでもらいたい、強く心からそう願います。
[DVD(邦画)] 8点(2022-08-16 21:49:46)
42.  妻二人 《ネタバレ》 
私の世代だと高橋幸治氏といえば、幼い頃観た大河ドラマ『黄金の日々』での織田信長役!これに尽きます。まるで、天才児信長を演じる為に役者になられたようなイメージの方。ここでも喜怒哀楽をあくまでポーカーフェイスで最後まで押し通す、私の中のイメージ通りの好演技。いわゆる大映現代劇印特有のネットリしたオハナシなんだけれど、増村監督十八番の、一種乾いた演出の功で見応えある面白いプログラムピクチャーに仕上がってました。「清く正しく美しく」がモットーの嘘が許せない理知的な本妻、対照的な奔放で感情的な浮草その日暮らしの元カノ。最初、若尾文子と岡田茉莉子の配役、これ、あべこべなんじゃないかと思ったけど、全くの杞憂でした。どちらもホントお上手で、大女優演技対決は引き分けといったところ。いや、既にこの時期、増村&若尾コンビは話題作問題作を連発していたから、アウェイ側の岡田茉莉子に軍配を上げたいくらい。殺人事件なのに、警察の捜査体制がとろくさいというか、有り得ないほど愚鈍な点には敢えて目を瞑ります。有能だと逆にハナシが成り立たない展開だし。場の賑やかしみたく、扇情的に姿態を晒しまくる江波杏子も良い味出してました。この当時って、羽田-大阪間午前2時発の深夜航空便が存在してたんですね、殺人アリバイトリックにこの移動が絡むのかと思いきやあっさり解決したので、ビックリ。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-08-13 12:40:36)
43.  チャイナタウン
ハードボイルドと称する小説や映画、世間的に名作と言われる作品でもことごとく合わず、苦手なジャンルでしたがこの作品は面白かった。何よりまず、レビュワーの皆さんもご指摘されている通りロバート・タウンの脚本が優れているからだと思います。本筋からなぜか途中サイドストーリーへ、どんどん脇道に逸れるのがこのジャンルの常套だけど、この映画は逸れながらも最後まで興味を削がれることがない。謎の仕掛け方が巧いんですよね、きっと。美しい盛りのダナウェイ、演り過ぎ感のない時期のニコルソン、ここでは怪優の面目躍如たるところを見せる長身馬面ヒューストン監督の三つ巴競演。乾ききった当時の退廃的な雰囲気を漂わす撮影の妙味もあり忘れがたい印象を残す、映画として第一級の出来。『マルタの鷹』『三つ数えろ』ですら受け付けなかった、自分のようなハードボイルドアレルギーの方も是非!
[DVD(字幕)] 8点(2022-08-13 09:35:24)
44.  華麗なる週末 《ネタバレ》 
先に原作を読んで、その映画化を鑑賞するっていうのは自分はよくある事だけど、映画を観た後でこれって原作だとどういう事になってるんだろう?と、久しぶりに原作も読んでみたくなった映画。後に『黄昏』で、ニューイングランド州の湖水風景を堪能させてくれたマーク・ライデル監督、ここでもミシシッピー州の緑したたる沼地の風景や道路脇の草花の何気ない描写が、登場人物の心の動きとリンクして良く捉えられている。そういう意味では、風水物を「いとをかし」と愛でる、ニッポン人好みの演出家なのかな、と。よくわからなかったのが、マックィ―ン扮するブーンとその相棒ネッド君は、普段一体どんな生活しているのかっていう事。「ボス」と畏れて呼ぶ少年の祖父がいるからには、二人ともその雇人らしいが、車を洗車している以外仕事している様子が一切描かれない。ネッド君は馬房担当?なのかな、後半での活躍から見ると。旅する途中で、その辺りが明らかになっていく展開なのかと思ってたら、あっけなく目的地の娼家にご到着しちゃうし。同行11歳少年も、もともと物質的にも家庭的にも恵まれた伸び伸び育った環境だから「華麗なる週末」を終えてのキモチの変化がイマイチ読みづらい。何かひとつでも「枷」を与えてあげた方が良かったかも。メインテーマは『スタンド・バイ・ミー』に連なる少年から大人の男への成長儀礼なんだろうけど、それにしては設定自体少々弱いような。原作『自動車泥棒』を読めば、そのモヤモヤがスッキリするんかなあ・・・。でも映画全体に漂う懐古的な雰囲気は好きだし、マックィーンがこういう役を演じても、やっぱり惚れ惚れするほどカッコいいんでこの点数。
[DVD(字幕)] 7点(2022-08-09 23:37:04)
45.  逃走迷路 《ネタバレ》 
エピソード的に面白い部分もあるんだけど、それが太い線となってメインのストーリーに巧く絡んでいかないというか、転がっていかないというか。観ていて何となくもどかしい気分にさせられる作品なんですよね、これ。んで、クライマックスの、自由の女神のシーンのド迫力にひたすら圧倒されてるうちにジ・エンドという。イギリス時代の『三十九夜』アメリカ渡米後の『海外特派員』、そして本作と、ヒッチコックが試作と清書を常に繰り返しながら、集大成的作品『北北西に進路をとれ』に発展させ繋げていった軌跡がこれを観るとよくわかります。でも単体だと、この点数止まりかなぁ。主人公のロバート・カミングスはまあ及第点として、ヒロインがちと弱い。
[DVD(字幕)] 6点(2022-08-08 22:35:11)
46.  拳銃の報酬(1959) 《ネタバレ》 
自分は十代の頃『誇り高き男』での、保安官役を観て以来のロバート・ライアンのファン。善人役でも悪人役でも、脇でも主役でも、このヒトは常に抜きん出た存在感を魅せてくれるオールマイティーな曲者役者。どちらかと言えば、あの不敵な面構えから悪人役のが多いような気もするけど。この作品でも見事に私の期待?に応え、寄る年波への諦念とまだやれるという葛藤の中懊悩する、真のワルになりきれないアンチヒーローを演じてます。クリーニング済の、女性用ドレスを雑踏の中持ち歩く姿だけでもなんか粋でカッコ良く見えてくる。よーく考えたら、無職のヒモ男なのに。鑑賞途中、これって、もしや前年製作『手錠のままの脱獄』が高評価された為、その時流に乗って企画された映画なんかなあとも思ったけれど、面白かったから文句ナシ。うんうん、クライマックスの銀行強盗シーン、内側からドアチェーン外させるのは俺もあの方法がベストだと思った。いつか何かの機会に試してみたい(←どんな機会やねん)流れるモダンジャズや音楽の使い方も巧みで次作『ウエストサイド物語』で、大ホームランをかっ飛ばす、ロバート・ワイズ監督の面目躍如といったところ。渋過ぎる二大女優も含め、脇役も地味だけれど見応えある佳作。ここではホンのチョイ役なのにグロリア・グレアムがモノクロ画面に登場すると、途端にフィルムノワールって雰囲気になるのが不思議。先日観た『重役室』も面白かったし、ワイズ監督の大作主義以前の作品群もっと観たくなりましたね。↓あの小ウサギを撃つのに躊躇するシーン、そんな意味が含まれていたとは!
[DVD(字幕)] 7点(2022-08-02 09:01:03)
47.  イタリア旅行 《ネタバレ》 
私が観たDVDの解説にはゴダール監督の「男と女、一台の車、そしてキャメラがあれば映画が撮れる」という発言が掲載されていました。これはこの作品に対する、おそらく賛辞というか、きっと誉め言葉なんでしょう。だとしたら、映画は撮れるかもしれんけど、面白い映画が撮れるわけじゃないと、ハッキリ反論させて頂きたい。ヨーロッパ国内のロードムービー、破綻寸前のマリッジピープル、というとオードリー・ヘプバーンの『いつも2人で』を、どうしても思い出してしまう。自分、この映画には満点つけてます。しかしこちらは・・・見事につまらなかった。互いに傲慢で身勝手な夫と妻のイタリア旅行。実業家らしい夫がどういう人物なのかも不明瞭だし(、金銭的に恵まれてるのだけは解る)奥さん側にも何の共感も湧かない。描き方にユーモアの欠片もない。ラスト群衆ではぐれそうになり、唐突に愛情が復活したかのように描かれているが、数分後にはやいのやいのとまた大喧嘩始めそう。んでもって、二人揃って脇見運転しすぎ、危ないぞ、あんな運転してたら、いまにきっと人轢くぞ。こんな美しくもなく魅力がないバーグマンの映画、初めて観ました。私はロッセリーニ監督の代表作は未見の為、偉そうなことは言えませんがこういう演出のタッチが、いわゆるイタリアンネオリスモ?なるものなんでしょうか?それにしては、アメリカからジョージ・サンダースというスターを招いてゲージツ性と商業的成功、両方に目配せしているようでイヤラシイ。まだこのコンビの前作「ヨーロッパ一九五一年」(5点)のが良かったです。
[DVD(字幕)] 3点(2022-07-29 09:03:57)
48.  グレン・ミラー物語 《ネタバレ》 
功成り名を遂げた人物の伝記映画として、ごくオーソドックス且つウェルメイドな作品だと思います。楽曲の挿入方も実に的を射た場面で流され申し分ない。脚本の要所要所での「省略方」も巧い。首の後ろをさする仕草の伏線も効いている。でも、何よりこの映画の魅力を二割増し三割増しにしているのは、『甦る熱球』(8点)以来の、ジェームズ・スチュアート&ジューン・アリスンコンビの、呼吸の合った素敵な夫婦っぷり。このお二人が揃って画面に登場すると、もはや役を演じているように見えない。これってホント凄い事だと思う。小柄な彼女がノッポの彼を、顎を上げじっと見上げるシーンだけで、一幅の絵になるというか、特に悲しいシーンでもないのに、自分は眼がウルウルしてくる。何故だろう・・・不思議。主演作が数多いJ・スチュアートと、特にお似合いだった相手役は誰だったんかなあと、ふと考えてみた。私見では、ジーン・アーサー(スミス都へ行く、我が家の楽園)ドナ・リード(素晴らしき哉、人生!)そして栄えあるナンバーワンは、誰がなんと言おうとこのJ・アリスン!このお三方ではないかと勝手に決めてみる。異論は大いに結構。決してグレース・ケリーやキム・ノヴァクではなく(映画としての評価は別)彼女たちの共通点は、揃ってアメリカの女優にしては小柄な事、ハスキー寄りの変わったヘンな声質の持ち主だという事。今一本、同監督作『戦略空軍命令』というコンビ最終作があるようなので、これも機会があれば近々鑑賞してみたい。♪ブギウギだけが俺のララバイいい夢みるぜ~ピカピカのパラダイス~キラキラのパラダイス~♪←『瀬戸内少年野球団』テーマ曲「イン・ザ・ムード」より。結構好き。
[DVD(字幕)] 9点(2022-07-28 08:04:13)
49.  夜の人々(1948) 《ネタバレ》 
瑞々しい青春映画。後年の『理由なき反抗』(8点)でも若い世代の扱いが巧かったニコラス・レイ監督、なんとこれが処女作なんですね。デビュー作にしては腰が据わった演出っぷり。最初、多少発育不全気味?に見えたヒロインが、主人公と行動を共にするにつれ、とびきりの美人とまではいかないけれどフツ―にチャーミングに見えてくる、これも映画のマジック。二人とも共倒れになる結末ではなく、彼女と胎内に宿った小さな命だけは死守しようとしたボウイ君の男気に、自分はキモチ揺すぶられました。キャストもオハナシも地味だけれど見応えありの佳作です。
[DVD(字幕)] 7点(2022-07-26 21:45:37)
50.  ベビイドール 《ネタバレ》 
50年代から60年代にかけ、大量生産されたテネシー・ウィリアムズ戯曲映画化の一本。「イグアナの夜」レビューでも書きましたが、彼の戯曲の映画化は極端に玉石混合の作品群で占められてます。戯曲の映像化というからには、ただでさえ台詞が多い。会話劇をいかに一個の映画作品として成立させるか、そこが挑んだ監督たちのの腕のみせどころだったと思います。私見では「欲望という名の電車」「熱いトタン屋根の猫」「イグアナ」の三本が映画作品としては最上。「夕なぎ」「ローマの哀愁」なんかは石の部類。「去年の夏突然に」「雨のニューオリンズ」そしてこの「ベビイドール」は、正直評価に困る・・・。演出自体はしっかりしてるんですよ。「欲望~」でもタッグを組んだ、エリア・カザン監督だけあってそつがない。アメリカ南部ミシシッピー州片田舎の、むせっ返るような臭気が充満する寂れた邸宅、癖のあるというかヘンな癖しかない主要人物が絡み合う様をネチっこくリアルに描写。幼妻役キャロル・ベイカーの指をしゃぶりながらベビーベッドにしどけなく横たわる姿態が、当時センセーショナルな話題を浚ったようですが、実物を観てナルホドと納得。今観るとたいした刺戟でもないけれど。おあずけを喰う欲求不満の夫、意図あって彼女にまとわり付く口達者な町の有力者、屋敷に住み込みひたすら狂気を撒き散らす彼女の叔母・・・、あぁ、書いてるだけでもう胃もたれが。敷地内で黙ってずっとたたずんでいる雇人労働者達が一番まともに見えてくる。優れた映画かと聞かれたら、まあまあと答えますが、好きな映画かと問わせたら・・・返答に窮する、そんな映画です。
[DVD(字幕)] 6点(2022-07-26 07:53:34)
51.  泥棒貴族 《ネタバレ》 
この映画最大の爆笑シーンは、本編開始後30分くらい経過したあたり。知能犯マイケル・ケイン氏が『・・・というのが今回の実行計画の一部始終だ』と、しれっと台詞を吐くとこですね。どっっひゃー、いままでのはぜーんぶあんたの妄想だったんかいっっっ!!!妄想長っっ!!!って、全盛期の吉本新喜劇なら全員総出ツッコミが入るはず。その後の展開が、彼のこの計画通りには全く進行しないところが、この作品の一筋縄ではゆかない面白さ。その目論見は見事大成功。ハリウッド随一のコメディエンヌ、シャーリーのトボけた個性の魅力炸裂。無表情でじっと黙ってるだけでも既におかしい。アジア系の女性を演じるのは「青い目の蝶々さん」で、既に演じてる事もあって手慣れたもの。受けて立つマイケルも、スカし顔でのっぴきならない状況に追い込まれるドロボーを実に巧く演じていて好一対。リメイク「モネゲーム」(6点)は公開時観ましたが、「贋作」が絡むだけの全く違うオハナシなんですよね。この秀作オリジナルがあるのに、よくリメイクしようと思ったもんだ。しかも時代が進んでいるのにアナログに退化。この映画製作時「おしゃれ泥棒」「美人泥棒」「トプカピ」「おしゃれスパイ危機連発」「黄金の7人」シリーズとか、錚々たる美人女優がドロボー役を演じていましたが、ちょっとしたドロボー映画ブームだったんでしょうか・・・?
[DVD(字幕)] 8点(2022-07-25 20:13:44)(良:2票)
52.  秘密の儀式 《ネタバレ》 
鑑賞後、ロンドンの空模様のように陰鬱な気分になる事請け合いな怪作。監督ジョセフ・ロージーは、エリザベス・テイラー主演で「夕なぎ」(原題「Boom!」当サイト未登録)という、この作品に負けず劣らずの世迷言台詞満載な問題作を連作でこしらえてます。最早この時期になると、僕が大好きだった『ジャイアンツ』『熱いトタン屋根の猫』あたりの、魅力的な世界一の美女リズは一体どこに行ってしまったんだろうと暗鬱たる気持にさせられる。エリザベス・テイラーという完璧マスクを、顔表面に張り付けた別の女優が口調を真似て出演しているみたい。鏡を見ながら「太ってる!」とか、自己パロディをいきなりやられてもこっちは困惑するだけ。取っ替え引っ替えの豪奢なお衣装も、体型に全く合わず悪趣味で幻滅。あ、ラヴェンダー一色で纏めたドレスだけはお似合いだったかも。ああ、彼女の事を絶対こんな風に語りたくはなかったのになあ・・・(泣)自分で登録した作品だから、レビューできっちり落とし前はつけないとね。唯一の取柄はモンシロ蝶か色素の薄い蛾のごとく、画面をフラフラと彷徨う痩身ミア・ファローが、例の不可思議な雰囲気を撒き散らしている点のみ。途中から出てくる、義父役R・ミッチャムは特に見せ場も生彩もなし。凄んでみせてもさして怖くないし。オハナシ自体も凡人には理解しがたい内容。で、結局なんだったんこれ?っていう、疑問符のみ空しく残る。
[DVD(字幕)] 4点(2022-07-22 07:13:56)
53.  重役室 《ネタバレ》 
これこれ、こういう映画をオーソドックスな「オールスター映画」っていうんですよ!タイトルバックからして、画面の奥から次々とメインキャストの名前が真正面にドーンと出てくる手法。いいんだなぁ、この感覚が。巻頭しばらくは、一人称のカメラが人物の視線となって映し出され、こっちは身を乗り出して見守り、やがてぐらりとその視線がゆらぎ、その人物(社長)がこの瞬間事切れた事実を観客は知らされる・・・。後の巨匠R・ワイズ監督らしい、なかなか凝ったオープニングで掴みは万全。次期社長を狙い、当時の新旧取り混ぜた重役室オールスター達が、虎視眈々と駆け引きを繰り広げる展開。会社の業務内容が家具メーカーっていうのも面白い。ただ、製作当時時点ではどうしたってウィリアム・ホールデンが名実ともに一番客を呼べる大スターだったはずだから、最終的に彼が勝利を収める形になるのが、何となく途中で読めてきちゃうんですよね。彼みたいな職人堅気の技術屋さんは、むしろ副社長的ナンバーツーの立場のほうがサマになるのになあ・・・と、自分は思って観てました。敵対する、経理部長フレデリック・マーチの言う事も、裏でやってる事はともかく、もうひとつの正論のような気もするし。ホールデンの妻役、ジューン・アリスンは、いつも通りの彼女で清涼剤的な役どころ。登場シーンはあまり多くないけれど、彼女があの笑顔で画面に出てくるたんびに何となく嬉しくなった。
[DVD(字幕)] 8点(2022-07-20 23:06:02)
54.  寒い国から帰ったスパイ 《ネタバレ》 
リチャード・バートンって役者として過少評価され過ぎですよね・・・。例の『クレオパトラ』前後、エリザベス・テイラーとのすったもんだスキャンダルがおそらく影響しているせいだと思うけど。この映画や『イグアナの夜』なんかを観ると、ただ黙っているだけでも女性が放っておかないような男の色気に溢れてますもん。彼の好演ももちろんだけれど、ここでは名前からしていけすかない、敵役のドイツ司令官「ムント氏」が憎々しげにポートレートされていて、観客の焦燥感をこれでもかというくらい煽り立ててくれます。生真面目な作風のM・リット監督らしく、折り目正しい端正なスパイ映画に仕上がっていました。原作通りだとしても、このラストの描写は・・・ツラいなあ、哀しいなあ・・・。きっと彼は最期だけはスパイとしてではなく、感情に流される「人間」として人生に終止符を打ちたかったんでしょう。うん、これも男の素晴らしい生き様だと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2022-07-19 22:58:36)(良:1票)
55.  セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転進 《ネタバレ》 
ロック・ハドソンと言えばまず私が偏愛する『ジャイアンツ』(10点)の主人公、次にドリス・デイとのコンビで量産されたライトコメディ作品群での明朗で粋なスーツ姿がイメージとして真っ先に浮かんできます。おそらくこの映画、その作品群がマンネリで飽きられ始めた時期に、演技派へのシフトチェンジを狙い主演したのではないかと。結果的には及第点。外見をチェンジして全く別の人間として再生するって内容は、アニメやドラマでも今となってはさほど目新しくないネタだけれど、おそらくこれが先駆けになった映画じゃないかな。しかもかなり大仕掛け。導入部から手術直後の、外見がイケメンロック君になるまでは、モノクロの凝ったカメラワークも独特で、これ世紀の大傑作ちゃうんか~?って、期待したけれど「転身」してからが少々失速。ワイン祭り?のシークエンスとか、やたら長ったらしい。主人公が徐々に錯乱していく様を描きたかったんだろうけど、観ているこっちまで不快指数MAXでアタマがやられそうに。題材的にこの種の映画の先駆けという点、只事ではない秀逸なカメラワーク、ラストに向けまたグッとテンションが盛り上がるのでこの点数で。良く出来た実験作だと思います。観ながら何故かカフカ原作の『審判』(7点)を思い出しました。内容は違うけれど、あれもモノクロ画面がやたら怖かった。
[DVD(字幕)] 7点(2022-07-19 08:12:15)
56.  偽の売国奴 《ネタバレ》 
50年代に代表作を連発し、順調にキャリアを重ねて全盛期を迎えたウィリアム・ホールデンですが、60年代のある時期から、いきなりガクッと老け込んでしまったんですよね。でもまだこの作品では実に颯爽とした、僕が大好きだった身のこなしが軽くスマートでカッコいいホールデンが見られます。よく「危機から危機へのつるべ落ち」っていうけれど、この映画こそ、この形容詞にピタリ当て嵌まるサスペンス映画。ヒッチコック先生の、この時期のスパイ映画と比較しても全く遜色なし。いや、「引き裂かれたカーテン」「トパーズ」なんかより遥かに面白かった。冷戦時代のスパイ映画は、数多く製作されたはずだけど、これは実話ベースの第二次大戦中の対ナチス相手のスパイ映画。題材的にも興味深かったし、何よりラストまで手に汗握るスリルの連続。クライマックスと呼べる山場のシーンが、これでもかってくらい何度もあって楽しめました。場所から場所への、乗り物移動サスペンスがお好きな方には特におすすめ。ヒロインも適役だし、脇役も充実。中でもナチスシンパの眼鏡少年が巧く使われていました。原題「偽造者」。邦題の「偽の売国奴」、う~ん、確かにその通りの内容だし偽りなし。悪くはない、悪くはないんけどなあ・・・これだと、どこか安っぽい二流活劇を思わせる。なかなかの隠れた秀作なのに、今ひとつ一般的にも浸透していないのは、このタイトルにも責任の一端があるんじゃないかと思うんだが。
[DVD(字幕)] 8点(2022-07-17 23:06:23)(良:1票)
57.  サンダウナーズ(1960) 《ネタバレ》 
「サンダウナー」っていうのは、後半出てくる競走馬の名前。映画史的に殆ど語られる事がない映画だけに、地味な佳作かと思いきや、とんでもない。家族、親子の愛、夫婦の絆、仲間達との絆、オーストラリア大地の雄大な景観、飛び交う羊たちの群れ、メルボルンカップ、山火事スペクタクル・・・と、内容てんこもり盛りだくさんの御馳走映画でした。しかし長編小説のダイジェスト映画版などでは決してなく、きちんとした一個の映画作品として成立しているのは名匠フレッド・ジンネマン監督の力量と演出の巧みさによるもの。この監督の作品に出演する事が、アカデミー賞受賞への近道と当時から言われていたようですが、この映画でも、各々の役者から好演技を引出し且つ、個性を損なうことなく画面に生きている人間像として観客に納得させてくれる、ホント素晴らしいと思う。奥さん役デボラ・カーの演技巧者っぷりは、これまで観た作品からも当然だと解ってはいましたが(意外な色っぽさもここで引き出され6度目最後のアカデミー賞ノミネーション)、定住嫌いの旦那役R・ミッチャムがここまで良い役者とは。三回目の共演作とあって呼吸もピッタリ。映画を観終わって即思い出したのは、昔観てたアニメ「マンガニッポン昔ばなし」のED「いいな、いいな、人間っていいな~」のテーマ曲。過去の諸作に比べ若干緻密さには欠けるものの、この作品はジンネマン監督流の「人間賛歌」。タイトルが原題も含め複数系なのも納得。
[DVD(字幕)] 8点(2022-07-14 10:47:00)(良:1票)
58.  走り来る人々 《ネタバレ》 
『急いては事を仕損じる』昔ながらのこの格言の意味を、口八丁手八丁な主人公フランク・シナトラ君に投げて説教したくなる、そんな気分にさせる映画です。『地上より永遠に』で脇役だった頃はそうでもなかったのに、この時期になると画面から漂う、彼の「俺様」感がやけに鼻についてくる。そもそも彼が断筆中とはいえ「小説家」っていう柄にとても見えない。アメリカのスモールタウンで繰り広げられる、コメディというよりは人情劇。作品全体の雰囲気は良いし、何より語りたいのはこの作品で初めてアカデミー賞にノミネートされた、シャーリー・マクレーン!可笑しさの中に切ない哀しみの表情を滲ませる、このジニーという役は、後年の彼女の十八番となったキャラの原点といえる適役。この映画での好演が、彼女のコメディエンヌとしての進路を決定づけたような気がします。何があっても帽子を脱がないD・マーティンはじめ、他の脇役陣も粒が揃っているのに、主役のシナトラ氏だけがどうにも私には食い足りないゆえ、この点数に留めます。
[DVD(字幕)] 6点(2022-07-12 07:49:09)
59.  日本やくざ伝 総長への道
ヤクザ映画、今に至るまで、ほとんど未鑑賞。シドニー・ポラック監督「ザ・ヤクザ」(6点)くらい。でも、あれは変化球的で純粋なヤクザ映画ではなかったような。東映の動画配信で、たまたまこの作品があったので観てみました。フツ―に面白かったです。ヤクザ映画での、傑作か凡作かの基準がイマイチ初心者の自分にはわからないんですが。健さんはここでもガマンにガマンを重ね、最後の大立ち回りで怒り大爆発、観客にカタルシスを与える後年のキャラを踏襲しているようでカッコいい。健さんを支える脇役陣もすこぶる充実。流血度もさほどではない。この作品あたりがヤクザ映画のスタンダードなら、もっと秀作と言われている作品群もこれから鑑賞してみたいと思います。映画ジャンルの食わず嫌いって、やっぱり良くないのかもしれませんね。色々これまでの事を後悔。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-07-08 07:11:57)
60.  三つ数えろ 《ネタバレ》 
苦手ジャンルの映画を今さら克服してみよう!シリーズ第二弾ハードボイルド編。「マルタの鷹」(5点)と、たいして面白さ自体は変わりませんが、こっちのが、出てる女優陣が豪華で華やかな点を鑑みて点数上乗せ。しかしこの映画も本筋のストーリーから脇道に逸れる逸れる。ハードボイルド小説や映画が好きな方って回り回って元の位置に無事着地するスリルが好きなんかなあ・・・。などど邪推してみたりする。
[DVD(字幕)] 6点(2022-07-05 22:32:40)
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