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アングロファイルさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1000
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 レビュー数が1000に達したということで、活動を停止します。(今のところ)仕事がひじょうに忙しいので、映画を楽しむゆとりがありません。落ち着いたら再開するかもしれませんが、とりあえず未定です。

皆さま、ありがとうございました。縁があったらまたお会いしましょう。

※変更要望は出すかもしれません。

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41.  星空の用心棒 《ネタバレ》 
日本のデータでは100分程度なのですが(90分版もある)、今回見たのは120分を越えるもの。しかし全体として冗長で、「これはいらないんじゃないか」と思う部分もあります。カットされたのは正解かも。  話としては復讐譚で、血で血を洗う展開は殺伐としていますが、妙にユーモラスなところもあり、それがしっくり来ないように思いました。悪役が多めでそのため途中でどんどんやられていくのですが、それが冗長な理由の1つのようです。もう少し最後までためてほしかったのですが、最後もけっこう雑魚が多く、やっぱり悪役多すぎに思われます。女性2人の扱いはよかったです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-01-08 19:34:26)
42.  濡れ髪牡丹 《ネタバレ》 
正月からコメディタッチの時代劇を見てきたのですが、これが一番面白かった。基本は市川雷蔵と京マチ子のラブコメです。京マチ子演ずるおもんさんは、多数の手下を抱える大親分で、才色兼備の切れ者。「自分よりできる男としか一緒にならない」と言っているのですが、そんな男がおいそれといるわけではない。そこに来たのが雷蔵演ずる八八の瓢太郎。口八丁手八丁、さまざまなことで「免許皆伝」の腕を持つだけに、次々と試験をパスするのだが……というお話。おもんさんは瓢太郎の腕も認めていて惹かれているのですが、なかなか素直になれない。この京マチ子のツンデレぶりが見もの。腕が立つということで殺陣も見せてくれますが、これも格好いいです。  一方の雷蔵もとぼけた味が出ていますが、一番とぼけているのは、ヤクザ者でなんでもこなすのに博打にだけはめっぽう弱いということ。通常とは逆を行く設定が楽しいです。脇の小林勝彦・小桜純子・大辻伺郎がまた、明るく楽しくて雰囲気を盛り上げています。  主な筋は雷蔵・マチ子の意地の張り合いで進むのですが、後半横恋慕した安部徹に殺し屋3人組がからみ、アクションもあって飽きさせません。最後は(自称)フェミニストのセンセイ方が激怒しそうな結論になるのですが、これもまあ時代がよく出ていると思います。全体としは明朗快活時代劇で、大いに楽しめました。
[地上波(邦画)] 7点(2016-01-06 20:21:46)
43.  濡れ髪喧嘩旅 《ネタバレ》 
金勘定にうるさくしみったれたおさらば伝次と、気弱で女好きでお調子者の遠山金八郎の訳あり旅。全体的にコメディタッチで笑えますが、後半はけっこう真面目な展開になります。これが片方だけ真面目なら具合が悪いのですが、両方ともそうなるのでバランスはとれています。結局人情噺に落とすところは、時代劇らしい。意外と正調なのです。  主人公2人のキャラクター、喧嘩しながら道中を行くところも楽しいのですが、スリー・キャッツがそのままの名前で出ていて(のぼりにも堂々と「スリー・キャッツ」と書いてある)、劇中で「黄色いさくらんぼ」を歌ったりするあたり、時代無視のナンセンス時代劇としての面もあり、硬軟うまく使い分けていると思いました。そういう意味では「一粒で二度おいしい」映画と言えるかもしれません。女優陣は山田五十鈴が出ているせいかそれ以外は精彩を欠きますが、最後に仁木多鶴子がいいところを持っていきました。なかなか楽しい時代劇です。
[地上波(邦画)] 7点(2016-01-05 20:45:14)
44.  てなもんや三度笠 《ネタバレ》 
テレビ番組は見たことがありません。この映画では時次郎と珍念の出会いから描いていますから、見ていなくても問題ないでしょう。  お話は基本的に、清水次郎長を討ち取ろうと清水に向かう道中記。東西喜劇人がゾロゾロ登場する豪華なキャスティングですが、だいたい道中のエピソードでのワンポイントの登場です。それでもトニー谷と若水ヤエ子なんて、なかなかおかしい。堺駿二も終盤に出てきていいところを持っていきます。芦屋雁之助の「忍者ごっこ」もかなり面白かった。このように、コント風のところはいいのですが、全体の筋としてはややとりとめがなく、散漫になってしまったのは残念。そういう意味では、やはりテレビ向きの題材かもしれません。製作時期からするとカラーが普通だと思うのですが、モノクロなのはテレビバラエティということでちょっと侮られていたのかとも思えます。
[地上波(邦画)] 6点(2016-01-03 09:23:24)
45.  花くらべ狸道中 《ネタバレ》 
2年前の『初春狸御殿』と同じく、雷蔵・勝新・若尾文子による狸もの。ただし監督は木村恵吾ではありません。前作では勝新太郎がちょい役だったのに対し、今回は雷蔵と弥次喜多コンビを組むということで、出番も多くそれだけでポイントは高いです。人間に化けて阿波から江戸まで旅をする、つまり人間界が主な舞台になっているということで、狸らしさがちと少ないのが残念。若尾文子はまあ普通のヒロインですが、それよりも中田康子が妖艶な悪役で魅せてくれます。歌とか踊りもなかなかけっこう。  コメディとしては、時代を考えればまあこんなものでしょう。しかしそれよりも、途中で色っぽいシーンとかもあるのに、最後はなんだか子供向けみたいな結末でなんだかちぐはぐな感じがします。観客の対象を絞れていないようで、残念でした。基本的には娯楽作品で気楽に見られます。
[地上波(邦画)] 6点(2016-01-02 15:17:46)
46.  肉弾(1968) 《ネタバレ》 
コミカルな、しかし軽薄ではない映画。とはいえ、笑いを取り入れることによって生まれる「軽み」が、シリアスな部分を強調して全体を引き締めています。ちょっと中盤ダレて少々長いかと思わせましたが、最後まで見るとそう長いとも感じない。ラストに現代に漂着するあたりがたいへん辛口で、「苦さ」よりも「辛さ」があとに残る作でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-12-25 20:06:51)
47.  猿の惑星 《ネタバレ》 
最初に見たのは「月曜ロードショー」でした。荻昌弘さんが最後に猿のメーキャップをして登場した放送です。ラストについては「あ、そう」という感じで、特に驚きとかは感じませんでした。まあ子供だったから意味もあまりよくわかっていなかったのでしょう。その後民放で2回ほど見ました。  今回久しぶりにノーカット・字幕で見て、ていねいな作りに感心しました。宇宙船が不時着してから砂漠や荒野を越え、植物を発見し、次第に惑星のことがわかってくる。そして人間を登場させ、人間を狩る猿の出現。この展開は正攻法ながら、それ故に成功しています。物語の設定が奇抜なだけに効果的だと思います。それ以降も、テイラーが喉を打たれて最初は話せない、コーネリアスが研究している遺跡に何か秘密があるなど、段階を踏んだ進め方で自然な流れになっています。  テーマとしては人間社会に対する批判が色濃く、そもそもテイラーが人間を嫌い、地球を見捨てるような形で宇宙船に乗り込んだということが、それを端的に示しています。猿が支配する社会を舞台にすることで、猿と人間を対比させて人間批判を行うというのも、正統派ですがそれだけに説得力があります。面白いのは、人間が滅んだ理由としてテイラーが病気や自然災害を挙げ、戦争に言及しないこと。真っ先に思いつきそうなものですが、おそらくは敢えて戦争を出さないことが、なかなか意味深いと思います。  結局、そうした人間に対する批判の結果としてあのラストシーンがあるわけで、そこだけ取り出してもあまり意味がないと思うのですが……。非常によく練られた脚本で、シャフナー監督のダイナミックな演出も見どころですし、名作の名に恥じない作だと思います。(レビュー800本目)
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-12-13 10:28:24)(良:2票)
48.  荒野の七人 《ネタバレ》 
改めて考えたらまだレビューしてませんでした。ということで久しぶりに見たのですが、ちょっと微妙。面白いのはハリーとリーという、『七人の侍』にはいないオリジナルの人物。特に一攫千金を狙っているというのは異色ですが、考えると逆に西部劇的な設定かとも思えます。個人的には、「男気」を感じさせないリーが好きです。彼だけ衣装がキッチリしていて洒落者って印象ですね。  時間の関係もあって人物設定・物語共に薄味で、特に後半農民が裏切ったりするのは、独自の展開を考えたのでしょうが、あまり面白くない。最後にバタバタと4人死ぬのもあっさりしすぎで、むしろとってつけたよう。このあたりがよければもう少し高得点でした。娯楽映画として楽しいことは間違いないですが。  あとこの映画、スティーヴ・マックィーンが格好よすぎて、ユル・ブリンナーはお気の毒さま。序盤の霊柩車で準備するところを見ても、2人が違いすぎ。このマックィーンはほとんど反則ですわ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-11-28 21:05:15)(良:1票)
49.  ハタリ! 《ネタバレ》 
ジョン・ウェイン主演でアフリカが舞台の映画、あと「みんなのうた」で聞いたことのある「子象の行進」くらいしか予備知識はありませんでした。実際見てみたら、いい意味でふざけた映画ですね(笑)。途中から子象が増えたり、猿を捕獲するのにロケットを使ったり、その猿を収容するのにヘンテコな「鎧」を着込んだりと、だんだん現実離れしていくのがおかしい。その一方で、通常の動物捕獲作戦は迫力があり、アクション性もあって楽しめました。長くて途中ちょっと飽きましたが、基本的にエピソードの積み重ねであり、作り自体はうまくやっていると思います。ドラマ部分の恋愛も、男女関係のおかしさをうまくかもし出していたと思います。気楽に楽しめる娯楽作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-11-16 18:23:45)
50.  テレマークの要塞 《ネタバレ》 
登場人物に魅力がないのが致命的なんですよね。主人公2人も没個性的ですし……。ロルフ教授と元妻の関係も中途半端な扱い。アクションもそれほど見どころがあるわけでもなし。最後の沈没のシークエンスは悪くなかったですが。  あと、ナチの原爆製造を阻止して一応めでたしなのですが、その後アメリカが日本に原爆を2発も落としたことを、実際にこの活動に参加した人たちはどう思ったのでしょう。そこのところがものすごく引っかかる。そういう点からも、日本人は見ない方が賢明かもそれません。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-11-15 11:03:48)
51.  シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 
最初に見たのは、民放の放送でしたねぇ。あまり予備知識がなかったので、全編歌いまくりで驚きました。踊りもないし、ミュージカルのようでミュージカルとも違う。セリフで語るべきところを歌うというのはオペラの手法ですが、オペラのアリアはもっと聞き応えがあります。これは一部を除いてレシタティーヴォばかりという印象。結局、他に類を見ない、なんとも名付けようのない、奇妙な映画です。  なぜこんな手法をとったのかわかりませんし、そもそも全部歌うことにどういう意義があるのかも不明。正直、その点には魅力を感じません。ストーリーがけっこう単純だからこんなことをしたのか……。実験的なところがあるように思われますが、誰も追随しないところをみると、はっきり言って失敗ですね。  ということで、歌は聞きものではない、話もそれほどでもないのですが、美術的にはなかなかよいと思います。衣装・家屋などの色づかいがよく、季節と衣装の色を合わせるなど、かなり工夫された様子がうかがえます。文字通り「見もの」な映画でしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-11-04 20:59:22)
52.  カトマンズの男
邦題からすると『リオの男』の姉妹編かと思いますが、実際はまったく関係ありません。内容的には『リオの男』より劣る。こちらは徹底したドタバタギャグ映画なのですが、それがかなりしつこい。ドタバタのためのドタバタという感じで、かえってつまらなくなってきます。保険会社のボディガード2人なども、無駄に騒ぎすぎ。全体としてメリハリがついておらず話がダラダラと続くのも欠点でしょうか。執事のレオンやゴー氏などはよかったのに、残念でした。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2015-11-02 20:48:01)
53.  赤ひげ 《ネタバレ》 
基本的にエピソードの連続なので、時間が長くても長さを感じません。また、各エピソードにそれぞれ凄みのようなものがあり、引き込まれて飽きているヒマなどありません。前半は科白回しや場面設定、語りを中心とした物語ということで、ちょっと舞台劇っぽい印象を受けました。黒澤明の映画としては意外です。もちろん、映像的な演出にも見るべきところは多いと思います。しかし、全体としては語りのうまさ・巧みさが光り、そのあたりが私の好みに合っているように思います。  物語としては、まあ文句のつけようがないですし、たいへん感動的でありました。難を言えば、赤ひげ先生があまりにも完璧すぎるところでしょうか。とはいえ、ユーモアもあって面白いキャラクターになっていました。あと、冒頭で江原達怡が加山雄三を案内するというのは、当時の観客はニヤニヤしながら観てたんでしょうねぇ。こういう遊び心が、余裕を感じさせます。終始オーケストラで攻めた佐藤勝の音楽もマル。
[映画館(邦画)] 10点(2015-10-20 20:40:30)
54.  続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 《ネタバレ》 
やっぱり長いですよねぇ。序盤の人物紹介はなかなか面白かったのですが、1時間くらい経つと飽きてきました。砂漠の場面とか。「これはなくてもいいだろう」と思うシーンもけっこうありましたし。いや、別にあってもいいんですが、やっぱり飽きてくる。それもあってか全体的に演出がもったいぶったように思えてきて、クライマックスであるはずの三すくみも見ていてだれました。ドル三部作は前の2作が面白かっただけに残念です。  主人公3人の中で得をしているのは、やはりイーライ・ウォラック。バカでユーモラスな役を楽しく演じていて、ほとんど主役。この人に比べると、あとの2人は魅力に欠けてつまらない。こんなところもマイナスの要素でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-10-01 20:40:56)(良:1票)
55.  婚期 《ネタバレ》 
小姑姉妹がなぜ兄嫁をあれほど嫌うのかいまいちよくわからないので、意地悪な行動に説得力がありません。とはいえ、動機づけは映画的には重要ではないのでしょうが(あれこれ言っているけど、本人たちもちゃんとわかっているか疑問)。本作では言葉のやりとりと、そこから来るおかしみがポイントでしょうから。それにしても、いちいち面倒くさい人たちですなぁ。途中で嫌気がさししてきました。しかしその頃には次女の結婚話が持ち上がり、うまく話の方向が変わってうまく最後まで持って行っています。  それにしても最後になると、結局小姑姉妹が同居していたことがすべての元凶のように思えるのですが、それでいいのでしょうか。愛人問題も片付いたのかどうかわかりませんし。どちらにせよ、バカな人間たちがバカやっているのを笑う映画ですが、観ているこちらは笑いながらもだんだんとバカバカしくなってきました。面白いんですが、どうでもいいと言えばどうでもいい。ワイドショーでの芸能ネタがどうでもいいのと同じです。北林谷栄の婆やが一番まともに見えるというのは、皮肉が利いています。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-09-14 23:15:14)
56.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 
「評判はいいけど、たいして面白くないんだろうな」と思っていたら、予想通りでした。どうもビリー・ワイルダー監督の作品は、サスペンス/ミステリー系はいいのですが、それ以外だとたいして笑えないし面白くもない。  本作の場合、まずジャック・レモン演ずるバクスター氏が、上司におもねってまで出世を願っているように見えない。どうもジャック・レモンという人は、お気楽でノホホンとしたイメージがあるのですね。さらにフランをめぐる一連の行動を見ていると、惚れた女のためとはいえ、かなり誠実で実直な人間性を感じさせます。なので話が進むにつれて、ますます印象がちがってきて、かなり違和感を感じます。  そもそも、上司に部屋を貸すというのが理解できない。これは時代性やお国柄もあるのかもしれません。しかし当時のアメリカでは、実際にあんなことをする人がいたのでしょうか。このあたりも何とはなしに嘘くさくて、面白味を削いでいると思います。  物語の展開のさせ方とか、小道具の使い方はやはり素晴らしいのですが、どうもそれだけという気がします。悪く言えば、技巧に走っただけで肝心の中身が本物らしく見えず、空虚な感じがするのです。一応コメディとされていますが、笑えるところも全然ない。魅力にとぼしい作でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-09-14 22:25:35)(良:1票)
57.  日本のいちばん長い日(1967) 《ネタバレ》 
序盤は記録フィルムも使っての状況説明ですが、非常にテンポがよく飽きさせない。仲代達矢の語りもなかなかの名調子。このテンポのよさ、歯切れのよさが全編を貫いており、下手をすると収拾がつかなくなるような話をうまくまとめています。そのためか長さも気になりませんでした。  内容自体については、とにかく「見ればわかる」ことですが、陸軍の青年将校たちはやはり自分たちの目先のことしか頭になかったと思われます。そのあたり、大局を見て行動していた内閣の面々との対比も出ていたと思います。自分たちの体面や主義のためならば、国民や国体や天皇までも利用するという独善性。たとえば、天皇が終戦を決定したのは重臣にたぶらかされたからだと主張していますが、冷静に考えれば、現人神であるはずの天皇が臣下の者にだまされるものなのか。畏れおおくもその天皇を意のままにしようとしているくせに、都合のいいときには軍を動かすために「軍隊では上官の命令は絶対」と言う。利己的な小人の矛盾した行いであり、彼らの計画が頓挫したのも当然の帰結と申せましょう。とはいえ、そんな彼らを生み出したのも日本の政治家・軍隊であったわけで、そのあたりも突っ込んでもらえるとさらによかったと思います。  出演者で印象に残った人は多いのですが(というか多すぎる)、特記したいのは伊藤雄之助と小林桂樹。前者は常に悲壮な表情でセリフをまくし立てるよりも説得力があり、後者の徳川侍従はいかにも謹厳実直でこの人にぴったりの役でした。  まあなんにせよ、とにかく「面白い」映画であることは間違いないでしょう。その面白さの一因は全体からあふれ出ている熱気であり、それが熱に浮かされたような戦争末期の状況をよく現していたと思います。おそらく製作現場も、熱気にあふれていたのでしょうね。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2015-09-13 11:32:22)
58.  若草の萌えるころ
あー、基本的にアイドル主演の青春映画でしたね。どうもそういうものにはあまり魅力を感じないもので。作風としてもとりとめがないし。スペイン内乱をからませたのはそれなりに意味があるようですが、あまりドラマ性は高くないように感じました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-08-17 18:02:31)
59.  西部に賭ける女 《ネタバレ》 
ソフィア・ローレンにアンソニー・クインと、なんとも濃いキャスティング。旅回り一座の座長とその恋人女優という役柄ですが、女優に振り回されるちょっと弱気なクインがなかなか楽しい。ソフィア・ローレンも、どこまで本気だかわからないような天然気味のお色気女優が合っています。この2人は民間人ということで、銃の方はからっきし。そちらはスティーヴ・フォレスト演じるメイブリーの役回りなのですが、こいつがやたらとにやけていてあまり魅力がない。もっとも、脇役ですからそのあたりは考えてのことでしょう。  メインのヒーリー一座は、借金取りやらなにやらから逃げ回っていて、前半は次第に状況が悪くなるばかり。これでどうなるのかと思いきや、意外なことから逆転するという寸法。それもこれもヒロイン・アンジェラのとぼけた性格から来ていて、これがなかなか面白い。一座の人間も個性的でよかったです。メイブリーは結局うまい具合に使われてしまうわけですが、作中では特にいい役回りというわけでもないので、気になりません。むしろ暴力はからっきしのアンジェラたちが、彼をうまく利用して最後には助けてしまうあたりが痛快です。  こうした、主人公たちが暴力よりも口先やアイデアで窮地をしのぎ、最後にはめでたしめでたしとなる話なので、通常の西部劇とはかなり趣が異なっています。むしろ、既存の西部劇のアンチ・テーゼになっているのではないかとも思われます。そう考えると、西部劇のイメージが薄い2人が主役だったり、監督がジョージ・キューカーだったりするのも納得です。なかなか異色な快作でした。  しかしこの邦題、『西部に賭ける女』というよりは、『西部“で”賭ける女』という気もしますが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-07-11 11:29:03)
60.  続・荒野の用心棒 《ネタバレ》 
「いつ面白くなるんだろう」と思って見ていたら、そのまま終わってしまった。機関銃は話の上で必要なのはわかりますが、やはりああいうのを出すとあまり面白くない。最後も期待を持たせておいてあっさり終わり。あまり盛り上がらなかった。なにより、主人公のジャンゴにあまり魅力を感じなかった。序盤であっさり女を助けるというのは、どうなのか……。邦題は、続編でないのはともかく、用心棒でもないのでは。合ってるのは「荒野」だけですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-06-14 10:58:54)(良:1票)
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