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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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41.  1秒先の彼女 《ネタバレ》 
序盤、シャオチー (リー・ペイユー) とイケメン詐欺師のロマンスに心がときめき、彼にもらった弁当に涙ぐむ彼女の姿に、まんまともらい泣きしてしてしまった私はよいお客なんだろう (笑) この映画はざっくりと、前半のシャオチー編、後半のグアタイ編、とも言える二部構成となってます。前半は、二人の被写体 (シャオチーと詐欺師) がとにかくよく動く。シャオチーのせっかちで1秒早いフライング体質という設定、映画の撮り方もそこに同調していると思えます。(カット割りも多い) 後半は一転する。今度は1秒トロいグアタイのストーリーになると、カメラワークは落ち着きを取り戻し、ゆっくりな展開どころか、とうとう、時間まで止まる。 撮り方にこういう工夫がある上、おまけに映像美も素晴らしい。特にグアタイ編の、夕暮れの中、四方を海で囲まれた狭い道をバスが走っていく光景は実に幻想的。 二人の1日について、シャオチーが失った「1日」(24時間) は1秒生き急いできたこと、グアタイがもらった「1日」(24時間) は1秒遅れるように生きてきたこと、その帳尻合せと思っていますが、どうやら彼が長年彼女に認め続けた「手紙」や私書箱も要因の気がしてます。このあたり、まだモヤッとしてますが、ファンタジーだし感動に身を任せてそれでいいじゃん、、という良い意味での「ちから」(説得力) がこの映画にはありました。もちろん、何度か観て理解を深めたいとは思います。 主演のリー・ペイユーさんは、超美人ではなかったですが、恋することで段々と美しく輝きを増してゆきました。対するリウ・グァンティンさんは、その雰囲気から誠実さがにじみ出るよいキャスティングであったと思えます。 人よし、脚本よし、映像よし、そして「台湾」という国がよし。このオリジナリティーあふれる素晴らしい脚本は、お近くのパクリ主義の大国には決して真似できまい。 負けるな台湾、今のままでいつまでもいい映画をたくさん作ってほしいです。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-01-04 23:34:45)(良:1票)
42.  知らない、ふたり 《ネタバレ》 
今泉監督の佳作、いや、秀作。 監督は毎回、人を好きになることの肯定、をテーマに数多くの傑作恋愛映画を撮られていますが、ストーリーと見せ方のアイデアが豊富であり、どれもが全く違った色合いの映画になるところがすごい。そして、パンとか、お花とか、古着とか、本作の靴とか、、映画を彩る小道具も毎回楽しみにしてます。監督 (の日常生活) はきっとおシャレだろうな、お会いしなくとも私には手に取るようにわかります。 そうそう、監督の映画には、よくストーカーがご登場されます (笑) でも当事者たちは、いつも威風堂々としていて、決してその行為を (第三者に) 隠そうとしない、、そこが笑えるし、なぜか清々しいところ。誰にも隠したらヘンタイ (ストーカー) 、そうでなければ純愛。そこ、重要な境界線。本作の彼らは一見「ストーカー」ではありますが、もしかしたら、それはまだ呼び名のない、全く新しい恋のカタチなのかもしれません。 一人が二人を同時に好きになること。どちらにも隠したら二股 (浮気) 、隠さなければ (どちらも) 純愛。そこ、重要な境界線。それもまだ呼び名のない、全く新しい恋のカタチなのかもしれません。(また言っちゃった) 監督はいつも、恋する人たちの「内面」を優しく描いています。だから、私たちが意識するほど、この映画にとって、日本人とか、韓国人とか、あまり関係ないのかもしれない。大切なのは、国籍や言葉ではなくて、その人、その心の内面なのだから。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-12-27 23:09:19)(良:1票)
43.  馬の骨
「イカ天」がテレビでやっていた頃の1989年~1990頃、私はと言えば、青春真っ盛りの15~16歳で、時代はまさに空前のバンドブームでありました。番組詳細については、前段にて記載済のため割愛。(かっぱ堰さん、ありがとうございます) そして本作、「馬の骨」。まず、フロントマンの熊田 (桐生コウジ) の出で立ちが、明らかに忌野清志郎を意識しまくりで笑えます。ユカ (小島藤子) はかわいかった、そして、しれっと彼女と同居しているストーカーな彼、ちょっと危ないヤツだが、悪びれることなく、熊田さんをストーカー呼ばわりするところがまた笑えます。(おまえが言うか、って 笑) 全体的に、音楽で成功を夢見る人たち、インディーズの舞台裏やライブハウスの描き方は、成功するばかりが成功ではない、、そういう、音楽を (真剣に) すること、、それそのものへの愛が感じられてよかったです。 イカ、、じゃなくて、以下は余談。(忙しい方は読まなくていいです) あの頃 (1988~90年頃) は爆発的にCDが普及したこともあり、友人同士でCDを貸し借りするのがコミュニケーションの一つの手段となっていた。ちなみに、私が生まれて初めて買った記念碑的なアルバムは、光GENJIの「Hey!Say!」という、何ともトホホ・・な感じでして。 ← 時代が平成に変わったばかりの1989年2月発売、だから HeySay (平成) ね。(どうでもいいけど笑) その当時、おままごと程度にお付き合いしていた彼女が彼らの大ファンで、絶対いいから!! と、ゴリ押しで買わされたんです(T T) なんだかこっぱずかしいので、知り合い筋には、ブルーハーツの「TRAIN-TRAIN」てことにしてある。 以上、、ガラスの四十代、タケノコの告白でした。 ・・・内緒だよ。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-12-16 22:09:13)
44.  星屑の町 《ネタバレ》 
山田修とハローナイツの面々、、その中でも特に、でんでんと渡辺哲による「冷たい熱帯魚」の最凶極悪コンビに、いつもすぐに殺られるチョイ役俳優の有薗芳記という、このキャスティングに笑えてくる。歯を抜こうとするくだり、彼が二人に殺られるんじゃないかと (笑) 映画の作りとしては、低予算でかつ、「ムード歌謡コーラス」を題材にしたコメディタッチ、しかしながら、とても真面目に作られた映画であったと思えます。こういうオッサンたちが、例え場末であろうが、「これしかないから」と歌うことにしがみついて、生き残りに悪あがきするその姿に感動します。この仕事しかない、もうそれで生きていくしかない、、それは私ら中年サラリーマンとて同様。その業界を置き換えても、そこだけは共感できるから、すんなりと感情移入できたのかもしれません。 のんさんは歌が抜群にうまいとは言えない。(ゴメンね) だがしかし、それを補って余りある「声」そのものの良さがある。そして、歌ってる姿が「絵」になる、様になる。とても不思議ですねぇ、、平成世代の彼女の歌声から、ハローナイツのコーラスをバックに歌うお姿から、昔テレビで見ていた昭和 (歌謡界) の光景が懐かしく浮かんできました。 本作は歌 (選曲) もよかったけど、昭和歌謡界と「ムード歌謡コーラス」という文化に、嘘偽りなく深い愛情がございました。そこが何よりよかったと思えます。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-04-10 22:02:43)
45.  かそけきサンカヨウ
かそけき、とは古語の "幽けし" のことで、淡い、薄いといった意味なそう。サンカヨウは、白くて水に触れると花びらが透明になるという、珍しい植物。目立たないけど個性的、とか、静かなる自己主張、そういう隠喩として、また家族における「陽」の存在の例えとしても、うまい題名と思えます。また、志田彩良さんの透明感ある雰囲気と、淡くて薄い映像美の在り方も、本作のテーマをよく支えているように感じました。 ストーリーとしては、どこかで観たような家族のお話でしたが、終始居心地よく、観た後は優しい気持ちになれる、、それだけでよかった気がします。「お母さん、て呼んでもいい?」には、涙涙・・。 私にとって、かつての今泉監督と言えば (笑える) 恋愛映画の職人でありましたが、近年は家族ドラマを撮ることが多くなりました。しかし、本作の陽と陸くんの恋模様からして、「愛がなんだ」の今泉監督が時折顔を出すあたりは、まるでサンカヨウのごとく自己主張とお見受けいたします。これからも、監督を支持し、新作を心待ちにしています。 そうそう、自分史上一番古い記憶、これは書かねばなりません。時は1976年頃、当時住んでいた家の前の道路で (袋小路なので車は通らない) 、幼い私と遊んでくれた近所のおばちゃんたちの姿ばかりがボンヤリと浮かんできます。なぜか、母の記憶があまりなくて (笑) ではでは、これからレビューを書かれるみなさまの、自分史上一番古い記憶、楽しみにお待ちしております。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-04-03 12:24:40)(良:1票)
46.  ドライブ・マイ・カー 《ネタバレ》 
村上春樹氏の原作は読んでおりませんが、本作が各国の賞レースを賑わせているのは、まずは (日本人として) 喜ばしいこと。しかし、それはさておいても、率直に言って好きな映画でした。 ウィスキーとタバコの煙と、赤い車から漂うレトロ感。この映画のさりげなく懐古趣味なところ、良かったと思う。 ストーリーとしては、現実と妄想の狭間を漂う家福 (西島秀俊) が中心である前半はやや退屈ですが、存在感ある渡利みさき (三浦透子) の登場によって、ドラマが大きく動き出す。 家福とみさき、それぞれ苦しさや喪失感を抱えて、その重さを抱えきれずにそれでも生きていて。そんな二人による、人生のつかの間の「並走」。最後の二人の抱擁は、友情とも愛情とも違う、と思う。一人の人と人として、お互いに今まで本当にお疲れ様、、そしてこれからの人生の健闘を祈る、、。そういう含みのある、ひとまず人生の「ノーサイド」であり、ここが二人の長い旅路の分岐点 (別れ) に見えました。 思えば、映画全体に漂う「死」の重くるしさを緩和するように、海岸線沿いを走る赤い車のフォトジェニックな存在感がありました。その姿はいつでも軽快で、そして洒脱だった。 題名からして人生を車やドライブに例える含みはあると思うけど、私はただ映画の広告塔やイメージとして、この赤い車は大正解だったな、と。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-21 14:19:48)
47.  秘密と嘘 《ネタバレ》 
大きなドラマが展開することなく、もどかしい展開が続きますが、全ては、「お誕生日会」のために、と言える脚本でした。あの場面は、言うなれば「七人の怒れる家族たち」じゃないけど、たいへん観応えある舞台劇仕立てのドラマだったように思います。 私は題名について、一生隠し通したら秘密、でも言うべき時がきて隠したらそれは嘘になる、、そういう表裏一体の関係と思ってる。つまり、本作に「嘘」だけはなかったはずで、誰もがお互いに対して誠実な家族であろうとした、、それだけは言えると思えます。 そして、この映画で興味深いのは、各々の家や部屋にスポットを当てているところ。人と人をつなぎ止めているのは「心」ですが、この映画では「家」と言っている気がします。家に人は共に生きて、家に心と心がつなぎ留められ、妥協点を模索しながら、いつしか同じ未来を見据える本当の家族となる・・。 とりわけ、シンシアが物語の軸ではありましたが、モーリスやホーテンスの登場も多く、ある意味では主役が存在しない群像劇であり、つまり全員が物語の主役である、、そういう映画なのかもしれません。
[DVD(字幕)] 8点(2022-03-06 16:20:27)
48.  コーダ あいのうた 《ネタバレ》 
冒頭、採れたての魚を売るために、漁港で父と兄に代わって交渉するルビー (エミリア・ジョーンズ) の姿。そして、汗も流せず、キレイな洋服に着替える間もなく、魚臭いまま学校へと向かう・・。彼女は優しいから顔や態度には一つも出さないけど、家族の「通訳」として多くを犠牲にしてきたであろう、若い彼女の半生を想像するだけでちょっと泣けてくる。 この映画の面白いのは、音楽の使い方。まず、学校 (合唱部) と家 (家族) を二つの音楽のスタイルに例えて、対比的に描いてる。学校がバークリー音楽大学を目指すほど芸術志向の音楽なら、彼女の家族たちは生き方そのものに「ロック」を感じさせる。 なぜって? 手話で風を切って下ネタを連発する彼らの姿、、これは少なくともオペラやクラシックじゃない (笑) この映画は「手話」を音楽に例えて、表現の一つのスタイルである、と言っているんじゃないかな。大切なのは、日本語、英語、、そして「手話」も同じで、それは "話し方" という表現であり個性だし、その人の心や本質はそれによって変わるものではない、ということ。もちろん、どういう人生を選んで、どういう歌を歌っても、ルビーはルビー、彼女が彼女であることにも変わりはない。 個性豊かな登場人物たちと多くの歌と音楽による、生き方と表現による人生のハーモニー、とも言うべき映画でしたが、むしろ見た目からは伝わらない「内面」にある本質、耳には聴こえてこない心の「声」、、そこを描いているところが素晴らしいと思えます。
[映画館(字幕)] 8点(2022-02-27 14:49:28)(良:1票)
49.  きみはいい子 《ネタバレ》 
モンスターペアレント、幼児虐待と育児放棄(ぎみ)、認知症、、心が痛くなるようなエピソードばかりを集めた、まるで不幸の見本市のような映画でした。 それでも、最後は救われたような気持ちになるのは、力の弱い者同士、助け合って生きていこう、というメッセージに共感できるから。孤独な認知症の老人と知的障害の少年が寄り添う姿、それをこの映画は「惨状」ではなく「希望」として描いているから。 おそらく、この映画は不幸を「個人」の責任ではなくて、介護や保護を支援するべき社会全体の問題として提起しています。物語を俯瞰的に観れば、教育や生活に内在する問題に真剣に目をむけない学校や自治体があり、さらにその上に国がある、、。そういう、暗に体制批判の物語、ではありませんかな。 はるか上流から流れ着いた「責任」が社会の底辺で行き場を無くして渦を巻き、その底辺では、責任を背負わされ、難しい問題に向き合いながらも、支え合い、ひっそりと生きていこうとする人たちの姿がある。 この映画は、その姿に優しく光を当てています。
[DVD(邦画)] 8点(2022-02-21 21:35:08)
50.  騙し絵の牙 《ネタバレ》 
※ネタバレございます※ レンタル中、二日連続で観ました。いやあ これは面白い。 原作含めて、大泉洋へのあて書き、というPRの時点からミスリードは始まっています。いかにも策士たる彼が主演ということ、表題も全部ひっくるめて「騙し」を匂わせて、でも実はテーマは騙しではない、という「騙し」の映画ですよね。 とある大手出版社の覇権争いの果てに、まさかの平社員? よもやの高野恵 (松岡茉優) が、全ての曲者たちを出し抜いちゃった、という爽快な結末。彼女には、彼らのような権力もなく、おそらく派閥に関心もなく、そして出世に対する策や野心もなかった。(と、思ってる) その代わり彼女には、誰にも負けない「本」に対する愛情と、出版という仕事に対する情熱があった。結局は、あるべき正しい「心」に勝利の女神が微笑んだ、という、根っこはシンプルな「サクセスストーリー」ということです。 脚本は完璧に近いが、、一つだけ。伊庭惟高 (中村倫也) は、アメリカで大きな仕事をしてきたわけじゃないですか? であれば、帰還した彼が東松 (佐藤浩市) に言い放った台詞は、「英語」にしたらなお面白かった気がします。一瞬、キョトンとする東松に向けて、もう一度日本語で言い直す、、この方がより刺激的だったと思う。もし、この脚本に「エンピツを入れる」ことができたなら、私がお願いしたいのはここだけかな (笑)
[インターネット(邦画)] 8点(2022-01-26 23:41:16)(良:2票)
51.  潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ 《ネタバレ》 
なんせ、ヘミングウェイだし、文学の香りにたじろぎつつ、身構えて鑑賞を始めたが、、その心配は、「すっ裸」のフランクによって、すぐに杞憂に終わりました (笑) 潮風漂う海辺の美しい風景の中、全く違う人生を歩んできた二人の老人の心温まる交流が、とてもよかった。 フランク (リチャード・ハリス) はウォルトから礼節や身だしなみを教わり、次第に紳士らしく変貌してゆく。かたやウォルト (ロバート・デュヴァル) は、奔放なフランクの影響でタガが外れていき、ついには二人そろって「すっ裸」で遊泳してしまう姿が笑えてくる。お互いが「持ち味」を与え合い、少しずつ変わっていく二人の姿は微笑ましいし、この年齢からでも人は変われるんだ、と感じさせてくれる。 フランクの最後は切ないけど、たくさんのよい出会いのおかげで、彼は一片の悔いなく人生を終えることができた、そう思いたい。 二人乗りの自転車、海辺の公園で幼い少女たちと語らう二人の老人の姿、、それは理屈抜きに癒される光景であり、いつまでも心に残りそうだ。 そして、シャーリー・マクレーンはいつまでもキレイだ。彼女がアパートの管理人さんとは、まさに「アパートの鍵貸します」らしくていいじゃないか。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-01-10 16:30:32)
52.  種まく旅人〜みのりの茶〜 《ネタバレ》 
本筋である「お茶畑」サクセスストーリーの裏で、いくつかの興味をちらつかせることによって、最後まで客をうまく惹きつけているのが本作の面白いところ。 ①金ちゃん (陣内孝則) と木村 (吉沢悠) のうち、みのり (田中麗奈) のハートを射止めるのはどちらなのか? しかし、金ちゃんはみのりどころか何の見返りも求めずに、ただお茶畑の繁栄を見届けて去っていくという、まるで西部劇のC・イーストウッドのように高潔なお方であった。 まだある。 ②みのりは、いつになったら金ちゃんの正体 (農林水産省) を知るのか? ③木村は、いつになったら局長 (金ちゃんだけど) に会えるのか? (ニアミス続きすぎやろ笑) とうとう最後までじらしたあげく、、彼が農林水産省の閣僚として二人の前に参上する表彰式が最高だ。この場面には、驚きと笑いがあり、爽快感があり、そして何より、目線だけで言葉以上の会話を交わした二人の姿に胸が熱くなる。 以下余談。 陣内孝則さんは久しぶりに観たが、改めてよい俳優だと感じた。 田中麗奈ちゃんは「なっちゃん」らしく「ミカン畑」で勝負してほしかったが、大人になった今、茶畑のみっちゃんでも悪くはなかろう。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-01-08 18:11:57)
53.  しあわせのかおり 《ネタバレ》 
日本料理、焼肉、イタリアン、フレンチ、、ありとあらゆる食の映画を観ても、なぜか「中華料理」が最も映画映えすると言うか、うまそうに見えると言うか、、このボリューム感のせいだろうか? 冒頭の海定食、山定食だけでかなりの満腹感、いや満足感でしたなあ。まぁそれはさておき (笑) 本作は出演者たちを厨房に立たせて実際に料理をさせて、その包丁やフライパンの手捌き、一つ一つの「音」と、料理人の汗ばんだ表情を抜かりなく撮っています。出来上がった料理が一層うまそうに見えるのは、料理人の、労を惜しまぬ仕事ぶりを丁寧に、力強く見せているからこそ。そして、画面から「かおり」が漂ってくる (気がする) のは、これがよい料理映画であることの証、なんです。 全体を通して、安直な回想場面ではなく、王さんと貴子、それぞれの部屋に置かれている写真によって、視聴者に想像をさせながら二人の半生を伝えていることもよかった。 王さんが貴子を連れて中国に帰省する場面、これは紹興という街の美しさとともに、忘れ難いエピソードとなっています。ここで垣間見た彼の生い立ちや人望の厚さは、「王慶国」という人物に深みを与えているし、娘と紹介されたことを知り涙する貴子の姿に私ももらい泣きするという、、。 お互いに、父と娘の面影を投影した関係ではありましたが、そこにたどり着くまでには、ほとんど "力仕事" のような中華料理店の厨房を、日本人の、それも女性に託すという、中国出身の王さんとしては、相当な覚悟と葛藤があったはずなんです。 だから、国境、言葉、そして男女格差のような、世に多くの見えない「壁」があるなら、それを乗り越えていく架け橋として「食」(料理) の力がある、、本作にはそういうメッセージが込められているのかもしれません。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-12-12 20:50:41)
54.  恋のためらい/フランキー&ジョニー
あのアル・パチーノがロマンチックコメディとは、パチーノ映画史の中でもたいへん「希少価値」の高い映画。そして相手役にミシェル・ファイファーとは、「スカーフェイス」の二人がこんなところで再度相まみえる (笑) という、実に粋なキャスティングだ、もちろん脚本も粋だけど。しかし、二人はどの映画でもケンカばかりしてるな、うん。 また恋愛モノとしてこだわらずとも、これまたいつもと違うアル・パチーノがわんさか堪能できて嬉しい映画。だって、アル・パチーノがダイナーのコックさんですよ? これだけで微笑ましいじゃありませんか。やっぱり、包丁片手に「フーアー!!」ってやってました、厨房で。 特にお気に入りが、友人を祝うダンスパーティーのシーン。酒飲んで、歌って踊って、グルグル回って、、こんなに楽しそうな彼、他ではほとんど見られません。そしてこれだけ大勢いるのに、彼が一番チビなんですよね・・。「輪」になって踊ってると、隠そうとしても隠せない。(ゴメンね、パチーノ) でも本人は全く気にしてない感じだし、うまく言えんがそういうところが私がアル・パチーノを好きな理由の一つなんだ。 って、内容についてのコメントがほとんどないな、、まっいいか。
[DVD(字幕)] 8点(2021-10-19 22:20:14)(良:1票)
55.  チチを撮りに 《ネタバレ》 
中野量太監督の作品では、湯を沸かすほどの熱い愛 、長いお別れ 、を先に鑑賞させていただき、続いて本作を鑑賞。 全作品でブレることなく一貫しているのは、「死」をうまく笑いに昇華していること。不思議と不謹慎な感じがしないのは、監督の視点 (人物の描き方) が優しいからだろう。 姉妹の顔を確かめるように撫でる祖母、母のチチに興味津々でふれる姉妹、、そういう身体的スキンシップによる愛情表現もとてもよかった。 父のもとへと向かう道中、妹に重い荷物を持たせていた姉が、予期せぬ弟の登場を契機に、その荷物を姉妹二人で力を合わせて持つ。やがて、弟もふらふらとしながらも手伝う。親が残した "重荷" を一人で、そして時には力を合わせて持って、疲れたら誰かに代わり、いずれにせよ前に向かって歩かざるを得ない、それが人生の順番というセオリーだ。 「死」はお別れではなくて、お互いがそれぞれ生きてきた健闘を最後に讃え合う、人生の「ノーサイド」だ。誰だって生きていたら色々とあるけど、最後だけは笑って、そして堂々と送り出してあげようじゃないか。 夏の終わりに、とてもよい映画を観させていただきました。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-08-28 13:02:46)(良:1票)
56.  かもめ食堂 《ネタバレ》 
これは好きだなあ。 日本からの「転校生」サチエさん、ダーツの旅のミドリさん、わら人形のマサコさん。そんな彼女たちとともに、疲れた日常からの束の間の現実逃避、ですかね。いい感じにユルくて、ご飯もうまそうで、フィンランドの景色も素晴らしい、ときてる。おまけに、尺が短い上に構えずに観れるので、暇な時などビール片手についつい観てしまう。 しかし、わざわざフィンランドを舞台にするあたり、荻上監督はアキ・カウリスマキが大好きなんだろうなあ。食堂というストーリーからして「浮き雲」のオマージュだし、マルック・ペルトラ (コピルアクの人) は代表作「過去のない男」の主演俳優。ならば本作は、かもめ食堂~サブタイトル「過去のない女たち」、ということにしておきましょうか (笑) そうそう、本作で印象的なのは登場人物たちの無表情でそっけない感じ。ちょっと、何考えてるのか、よくわからない。もちろん、アキ・カウリスマキのタッチをねらったと思うけど、どうやらこれについては、多くのみなさんには単に不気味なだけに映ったようだ。
[DVD(邦画)] 8点(2021-06-07 21:32:36)
57.  村の写真集 《ネタバレ》 
徳島県の山奥にある素朴な村の風景に癒され、藤竜也さんの背中に多くを教わり、その一挙一動に身が引き締まる映画でした。 彼が演じたのはカメラマンではなく、"写真家" の高橋研一であり、そしてどこにでもいるような、息子との接し方に戸惑う一人の不器用な父親でもありました。出がけに自然光の色合いを確かめる表情、カメラの向う側の村人たちに微笑む笑顔、、その素顔は朴訥で優しい人。 まるで村の守り神のような存在である反面、息子への厳しさは、父としての責任であり、優しさでもあり、そして照れ隠しのようにも思えました。 言うまでもなく、本作に一貫しているテーマとしては、後世に伝えていきたいもの。古き良き日本の風景。人としての、礼節。あえて言うなら、愛があることを前提とした鉄拳制裁もそうだ。 なお、昔からの映画ファンにとっては嬉しいサプライズが最後の最後に待っていました。そう、まるで「過去」からやってきたように突然に現れて、おいしいところを全て持っていった原田知世さん。 さすがは、「時をかける少女」といったところか。
[DVD(邦画)] 8点(2021-05-30 22:37:38)
58.  赤ひげ 《ネタバレ》 
良くも悪くも際立っているのが、赤ひげがヤクザ者たちをボコボコにする場面。相手が悪者たちとは言え、ここだけは映画としても、医者としての振る舞いとしても、賛否両論あると思います。でもこれは額面通りではなくて、「(治ることがわかってる病気やケガは) 俺の仕事じゃない」と受け取るべき、と思っています。患者の心の傷を癒すこと、そして身寄りのない人の最後を看取ること、、。実際、彼が理想とする医者の使命とは、今で言う精神科医とか、終末期医療 (ターミナルケア) の在り方に近いものでした。 所長である赤ひげの理念通り、舞台である小石川療養所は、全編を通して、不幸な生い立ちの者たちによる駆け込み寺の様相でした。そこに集う面々、赤ひげはもちろんですが、狂女やおとよなど、どこか浮世離れした登場人物たちの描き方、それはこのテーマにしても娯楽映画として譲らない、黒澤明の哲学を見た気がしました。 そして、、加山雄三氏が、若い。きっと、偉大な監督や俳優たちとの仕事に、「ぼかぁ幸せだなあ」だったんじゃなかろうか。
[DVD(邦画)] 8点(2021-05-06 20:47:45)
59.  花様年華 《ネタバレ》 
言ってしまえば、ストーリーはありがちなメロドラマのように思う。しかし、この映画の何という美しさ、そこに尽きる。赤ではなく、紅い色彩を基調とした映像に、雨がこんなにもよく似合うとは。 そして主演二人の、どこから撮っても「絵」になること。特に、張曼玉 (マギー・チャン) の真紅のチャイナドレス姿は、お人形さんかい? って本気で思うほど。トニー・レオンは、やはりウォン・カーウァイと相性がいいようだ。 その二人を一層華やかに際立たせた衣装、当時の香港を完璧に再現した街並み、画面の細部まで拘りが行き届いた美術、、本作は衣装や照明といった美術スタッフ、そして撮影の素晴らしい仕事にも拍手を送るべきだろう。 「花様年華」とは、花のようなきれいな時期、人生で最も美しい瞬間と言われる。本作で言うなら、香港における1960年代という「時代」のことだろう。 1960年代、香港、そこに確かに存在した一人の女、、それは記憶の中で永遠に美しい花として咲き誇るのだ。
[DVD(字幕)] 8点(2021-05-06 20:41:51)
60.  街の上で 《ネタバレ》 
やはり、今泉監督はご自身で脚本を書いたオリジナルの恋愛群像劇が絶対にいい、うん。 今回は恋愛トークはもちろん、特に、あっと驚く脚本と人間相関図が秀逸だ。あの主要な面々がバッタリ出くわすあの修羅場の何と楽しいこと。笑っちゃいけないところだから、なおさら笑えるという (笑) またご自身の脚本だけあって、キャスティングも完璧。おそらくあて書きだろうお二人、若葉竜也はもちろんのこと、有名人の成田凌は実にハマり役だったように思う。女優たちも、本当に下北を歩いていそうな (古着通の) 女性たちばかりで、さすが監督はよくわかっていらっしゃる。(ここは、プラダやヴィトン持ってサングラスを頭に乗せた女が歩く街ではない) そして、今回のテーマはズバリ、「成就できなかった "想い" たちよ、永遠に」。 それは、彼の映画出演カットのエピソードからわかるように、お蔵入りした演技や映像フィルムにも向けられています。思えば、出演シーンのお蔵入りは失恋とよく似ている。相手に一方的に「NG」をもらって、その映画やその人の人生から立ち去るしかないから。でも、その後に城定さんが田辺さんにフォローした言葉を私は忘れません。「私には映っていたよ」(だったかな?) それはつまり、成功した本編と同等の価値がある、と思ってよろしいでしょうか? 今泉監督。いいんですね、ありがとうございます (泣) これで、今までの失恋とお蔵入りによって傷ついた私の心たちは安らかに成仏できそうです。
[映画館(邦画)] 8点(2021-04-12 23:14:22)(良:2票)
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