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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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601.  ボーン・アイデンティティー
完成度は相当高い作品だと思うが、リアリティの高さを狙ったためかやや演出が押さえられすぎている感がする。 劇場で見たときはその押さえすぎた演出のため面白くない映画だと思っていたが、改めて観て見ると隠れたメッセージが見えてきた。 この映画が伝えたいテーマは「人間性」だと思う。 人間を完璧な兵器にする計画が「トレッドストーン計画」であったが、結局ボーンは完全な兵器にはならなかった。 それは何故かというと、人間には子どもを愛する気持ち、人を愛する気持ちがあるからではないか。 どんなに訓練しても、無くそうとしてもなくならないものが「人間性」のような気がした。 特に夜中に心配して子どもを見つめるシーンと、子どもたちとブランコのようなもので遊ぶシーンは何気ないシーンだが見逃せない。 デイモンも記憶を無くして苦悩する男を上手く演じきったと思う。 記憶が戻った方が良いのか、それとも自分が何者であったか知りたくないという気持ちに揺れている微妙な心が垣間見れる。 そして、ケイトブランシェットに似ている気もするが、あまり可愛くはないマリーも良かった。 特に巻き込まれ動揺する仕草が良い。ボーンを捨てるのかそれとも一緒に行動を共にするのかの選択を迫られるシーンや心細さに耐えられなくなりボーンにキスするシーン、どれも内面の微妙な気持ちが感じられる演技だ。 また、二人が抱き合うシーンには二人の不安な気持ちや誰かを求めずにはいられない想いがストレートに感じられる。 アクションとしても面白く、特にカーアクションはこの映画の代名詞だろう。 逆走するシーンは他の映画と違い、実にリアルだ。 ボーンのライバルとなる「カステル」と「教授」だが、ボーンとレベルの違いがありすぎてやや緊迫感に欠けると感じた。 ただ、カステルでは接近戦と肉弾戦を描き、教授とはライフルでの銃撃戦を描くという二つの異なる戦いを描いたことでそれだけのボーンが高い技能を持っていることが感じられる良い脚本・演出とも思った。 ラストの「マンハイム」の使い方も中々面白い。 CIAのミスは許さない、そして全ては闇に葬るという姿勢が感じられる。
7点(2005-02-12 03:15:43)
602.  ウッディ・アレンの愛と死
アレン監督作品の中では珍しく金が掛かってそうな作品。 あんなに大量な爆弾を爆発させたりするような映画を創っているとは思わなかった。 まあ、大砲に隠れた後のオチはお約束みたいなものでしたが。 この映画を観ている間も観た後も結局何を言っているのかは確かによくは分からない。 テーマが「神の存在・不存在」なのか「殺人という不道徳」を扱っているのか…。 「人生の幸福」についても語っているし悩まされる。 もっとも描きたかったのは、題名通り「愛と死」なんだろうけどねえ。 色々詰め込ませようとして散漫になってしまったのかとも考えられる。 一応、アレンがラストで概括的にまとめているのでそれが一番参考になるかな。 「人間は結局、精神と肉体であり、死は終末ではないが、要はくさらずに生きる事。愛について重要なのは量ではなく質だ。」ということらしい。 受けた印象としては、「死」については意識することも、恐れることもせずに精神と肉体の満足が得られるような人生を生きろ、どうせ最後には皆死ぬのだからというようなメッセージかなと個人的には感じた。 なかなか哲学的なものとアレン特有のユーモア(黒人の指揮官、戦場での応援、ホットドッグ等)を交えた面白い作品にはなっているとは思う。 しかし個人的には死神とアレンがクルクル踊りながら終わるラストのバカバカしさがやっぱり好きだな。
5点(2005-02-11 23:14:04)
603.  オペラ座の怪人(2004)
ミュージカル特有といえば良いのか、この映画に特有といえば良いのか分からないが、歌の洪水によってあまりにも一本調子で抑揚に欠ける出来になっている気がする。 アンドリューロイドウェーバーの想いが詰まったミュージカルなのかもしれないが、個人的には観客はミュージカルそのものを観に来たのではなく、映画を観に来ているということを忘れているような気がする。 肝心なところはミュージカルとして描いてもよいのだが、映画なのだからセリフをもっと多用しても良かったと思う。 もっとも字幕の出来が悪いため、ミュージカル部分の内容が分かりづらいということがあったのかもしれないが。 また、ミュージカルとして有名な本作のことをほとんど知らくて、人々から長年愛される本作がどんなに凄い内容なのかとかなり期待していたためか、その期待を裏切られたような気がする。 それはファントムに全く感情移入できなかったからだろうと思われる。 肝心の彼の孤独やクリスティーヌに対する想いの深さが残念なことにあまり伝わってこない。 彼の気持ちや立場が恐らく相当理解できるはずの自分が分からないというのだから、他の人も恐らく分からないような気がする。 個人的な疑問なのだが、そもそもラウルが置いていったサルの置き物を貰ってクリスティーヌは嬉しいのだろうか。 なぜラウルがあんなものを置いて行くのかがさっぱり分からないのは自分の理解不足だろうか。 深い思い出のあるオペラ座がらみのものということなのかもしれないが、ファントムの薔薇の方がよっぽど洒落てるぞ。 この映画の鑑賞方法はだいぶ分かったので、時間があればもう1回チャレンジしても良いかなとは思っている。 家でDVDで観ても、この映画の魅力はほとんど感じられないでしょうから。
6点(2005-02-07 00:44:04)
604.  Ray/レイ
レイチャールズについては名前と「ジョージアオンマイマインド」とくらいしか知らなかったのが、いけなかったのかあまりハマレなかったというのが正直な感想。 この映画を観た他の人たちは恐らくレイの生き方から何かを感じ取ったりできたとは思うけど、 個人的には何も感じ取ることができなかった。まあ、感じ取れたのは田舎演技の重要性くらいだろうか。 レイの生き方を美化せずにありのままに描こうとしたためか、映画としてはかなり凡庸なものに 仕上がっている気がしたのだが、アカデミー賞では主演男優賞はモチロンのこと、作品賞・監督賞までノミネートされているため、恐らくそうではないのだろうとは思うが。 彼の人生から何も感じ取ることができなかったというのはある意味で正しいような気もする。 実際、クスリと女に溺れ、弟の死の責任からいつまで経っても逃れることが出来ず、母から「嘘を付くな」と「盲目でも自分の足で立て」みたいな教えがあったはずにもかかわらず、家族や仲間、自分自身に対して嘘を付いていたし、彼の生き方は自分自身の足でも立っていなかった。 映画の中の彼の生き方はいわば心が盲目になっている状態だったと思われる。 心の盲目状態を覆したのはラストの数分だけだったような気がするので、やはり彼の生き方から何かを感じ取るのは難しいような気がする。 そういうこともあり結局、映画の内容より、この映画の最大の見所はジェイミーフォックスの演技だけがクローズアップされることとなってしまった。 確かに演技は本人が乗り移ったかのように素晴らしく、自分の予想では主演男優賞は獲得できるのではないかと思う。 気のせいかもしれないが、最初の方、クルマが故障しているようなシーンでグラサンの下の眼が開いていたようなシーンがあったような気がしたのだが、その辺りは気にしないでおくが。
5点(2005-02-07 00:08:16)
605.  アレキサンダー 《ネタバレ》 
前人未踏の大遠征を行った英雄アレキサンダーの偉業を期待して観に来た人なら「なんだこれ?」という映画かもしれない。 しかし、個人的には非常に満足できる映画だった。 自分の解釈が間違っているかもしれないが、映画の中のアレキサンダーは英雄でも王でもない、一人の弱い人間でしかなかった。 父の影に怯え続け、母に反発し、母から逃げるように東に向かって遠征していく。 自分の馬に影に怯えるなと言っていたが、影に怯えていたのは当のアレキサンダー自身であった。 そして東に向かったのは「自由の国を創るための夢」のためなんかじゃなくて、母から逃れたいだけだったのではないかという気がする。 それを「夢」と取り違えていったアレキサンダーと周囲の人々との確執と、アレキサンダーの孤独と悲劇が痛々しい。 終わることのない「夢」に人々が付いていけなくなった周囲の確執を表したプトレマイオス(ホプキンス)のラスト間際のセリフも実に見事だった。 異国の女を妻にしたのもひとえに母への反発だったような気がする。 自分が死ぬと分かってもワインを飲んだのも、ワインに浮かんだ母の姿を思いだし、母がいる故郷に戻りたくなかったからではないか。 もっともヘファイスティオンが死んでしまったため彼との約束もあったからだろうが。 自分の故郷があるにもかかわらず、自分の故郷となるべく地を求めさまよい遠征したのも母の影響のような気がしてならない。 それほどまでアレキサンダーが抱いた母への憎しみや愛情、複雑な想いを感じさせたアンジェリーナジョリーはなかなかの演技だったような気がする。 当然のように去年のラジー賞の最低主演女優賞に「テイキングライヴス(未見)」とともにノミネートされてしまったが、個人的には息子を王にしたいと願うかなり屈折したキャクラターを見事に演じきったと感じた。 特に夫が殺される瞬間を見つめる眼差しと、その夜にアレキサンダーと口論した夜は見応えがあった。ちらりと映るジョリーの内面を写したところもドキッとする。 中盤の戦闘シーンもかなり見応え充分。敵の大将もなかなかカッコ良かった。 それ以降の戦闘シーンが少ないのはちょっと残念ではあったが。 オリバーストーンはかなり好き嫌いが分かれる監督であるし、一般的な観客には受けいれられないと思うが、彼の狂気と映像センスの良さは個人的にはやっぱり才能を感じずにはいられなかった。
8点(2005-02-05 23:10:50)(良:1票)
606.  アニー・ホール
観ている間中、ずっと笑いっぱなしだった。 笑うといってもバカらしい笑いというよりもセンスのあるレベルの高い笑いが含まれていると感じる。 そしてなによりもシニカルな笑いが良い。 笑いもさることながら、演出手法が凝っているのには驚かされる。 本当にルールのない不意打ち的な手法だ。 過去の自分の姿を見て、それについて二人または三人で語り合ったり、ベッドで二人でいるのに、それを冷静にまた面倒くさそうに見つめている心の内面を語るもう一人の魂のような自分がいたり、映画館で映画等に関して得意げに語る奴に対して本人をどこからか引っ張って来たり、 心の声をセリフとして語るだけでなく、それを字幕にするというアイディアは本当に凄すぎる。 アニメにしたり、二重分割した画面なども効果的な使い方だった。 この映画は本当に評価されるべき映画でしょう。 また、笑いや演出方法だけでなく内容も評価できる。 男と女が付き合う謎を、アルビーシンガーとアニーホールという全くタイプも性格も違う二人を見せることによって、明らかにしている気がした。 男も女も確かに「卵」を求めているんだろうな。 観ていて気付いたことがあったのだが、クモを殺して欲しいと頼まれた時の壁にアルビーがエビと格闘した時の写真が貼ってあるのでそれも見て欲しい。 そして「私を会員にするようなクラブには入りたくない」というのもなんとも面白いフレーズだった。
8点(2005-01-24 01:51:47)(良:1票)
607.  ネバーランド 《ネタバレ》 
この映画を観た人は皆ネバーランドに連れていってもらったんじゃないかな。 そう思えるほど素晴らしくかつ観終わった後充実した気分にさせてくれる映画を見させてもらった。 「想像力」と「信じる力」があれば誰でもネバーランドに行ける。 人生を楽しむことの素晴らしさや自分が失いかけていた純粋さのようなものを取り戻せたような気もした。 しかし単純にそれだけを描いたわけではない。 信じる力だけでは越えられない現実もちゃんと描かれていた。 どんなに祈っても病気という現実は変えられないし、どんなに願っても妻とのどんどん離れていく距離は縮まることはなかった。 結婚した当初は、お互い二人で夢見た世界は同じだったはずなのに、すれ違いによって一緒の世界が見れなくなっていく二人の関係は切なくて悲しい。 また、なんといってもデップの演技は光っていた。 子ども達との現実世界でのやり取りや、子ども達と遊ぶイマジネーションの中での世界は微笑ましい。 特にピーターを見つめる眼が優しかった。 ピーターと自分を同一視しているのだろうか、ピーター脚本による演劇の舞台をピーターが一人でボロボロにする姿をじっと椅子に座り見つめる姿にはバリがあの時何を思っていたのだろうかと色々と考えざるを得なかった。 そして、父の死で心を閉ざし、再び母の死で完全に心を閉ざしかねなかったピーターの「母さんが見えるよ…」と発したラストのセリフを導き出した彼の演技もまた素晴らしかった。 この映画に文句をつけるのなら、まずはダスティンホフマンの存在。 チョイ役に出演するなとは言わないが、ある程度重要なキャラクターなのではと思っていたのに 全く出番がない。今回彼が出演する意味はなかったのではないか。 少なくともバリに何らかの影響(子ども達を招待するという着想は与えていたが)を与えるキャラクターであって欲しかった。 そして中盤の多少の弛みは感じられた。 バリと妻、シルヴィアとその母、バリとシルヴィアの母、バリと子ども達、シルヴィアと子ども達といくらでも盛り上げることが出来る関係があるにもかかわらず、中盤は少し脚本や演出が押さえすぎられている気が感じられた。
8点(2005-01-23 20:58:49)
608.  8mm
ニコラスケイジ同様、自分も観ていてこの闇の世界に引きずり込まれていった。 この先どうなっていくのか全く読めない面白さやこの脚本家ならではのダークな世界観が良かった。 少し押さえ気味の演出もこの世界観と合っているように感じた。 確かにストーリーは最後まで全く捻りもないままラストを迎えるし、題材的なきつさはあるけど それほどまで酷評される映画なのかな。 「アイズワイドシャット」のようなごくごく普通の人間で幸せな家族を持つ一人の男が、自分の仕事にやや不満を持ちながら生活している。 そういう男が仕事の関係から知ってはいけない世界に巻き込まれていく悲劇と真実という題材には惹かれるものがある。 そしてニコラスケイジの演技がやっぱり良かったな。 苦しみや悲しみや怒りを上手く演じていたし、自分の家族への愛や殺された娘や残された家族に対する思いが感じられた。 特に真実を知らせることの苦しみを演じたシーンと、金、力、快楽のためにあっさりと人を殺す人間がいる一方で、様々な理由があるにもかかわらず引きがねを引くことをためらう姿が良かった。 ただ、「はまったら抜けられなくなる世界」、「覗くと病みつきになる世界」、「悪魔と踊ると悪魔に染まる」ような意味深なセリフがあったが、そういう世界までは描かれてなかった。 そういう世界を描きたいのなら、やはりニコラスケイジに精神的にこの世界にどっぷりはめさせて、ラストで家族に帰るというのがオチとすれば良いのだが。 ホアキンの警告はしたぞみたいなセリフは肉体的な危険というよりも精神的な危険と思っていたので、あまり活きていない気がした。
8点(2005-01-23 03:40:57)
609.  9デイズ 《ネタバレ》 
正直ヌルイ映画でした。 実際には金がかなり掛かってそうだけど、あまり金も情熱も掛けていないB級映画を観ている感じだった。 冒頭の双子の片割れが死ぬ場面から本気で銃撃戦をしているつもりなのかと思いつつ、ナイフで襲われるシーンは「これは恐らくロックを鍛えるためのテストなのだろう」と思ってたら、マジだったのには本当にビックリするほど緊迫感も何もなし。 森でのカーチェイスには多少の迫力はあるが、やはりホプキンスにアクションは無理があるだろう。乗りこんできた敵とのやり取りにはドキドキするような緊張感を感じられなかった。 そもそもこの映画においてホプキンスを出演させる必要性と映画の中の役どころがイマイチ掴めない。 ラストに結婚式に出席するというオチなら、中盤はもっと鬼教官やロック起用反対論者としてロックと対立していた方が良いだろうし、家族の愛など仕事の邪魔のように感じているような人間だったからロックとの出会いによって心境が変わるような演出も必要だろう。 さらに、駅員を数秒で殺しておいて、CIA職員は皆怪我だけで済ませるご都合主義はいくらなんでもやり過ぎだろう。 こんな中途半端な映画にするくらいなら、思いきってコメディ映画にした方が良かったと思う。 CIAや敵側は真面目にやっているのに、素人であるロック一人独自のハッタリで逆に難局を乗り切っていく方が面白いだろう。 それともCIAも双子の片割れだと知らない方がさらに面白いかもしれない。ホプキンスをかばい双子の片割れが死に、ホプキンスが責任の重さや仕事の重要性から強引に双子の片割れを独自にリクルートして鍛え上げていく方が良かっただろう。 偽者だとバレたら作戦は中止させられるとして、敵も味方もどちらも騙しているという設定ならストーリーにも緊迫感が生じる。 結局のところブラッカイマー作品らしいというか、ブラッカイマーの悪い部分が出てしまったという映画ですな。
4点(2005-01-22 23:48:43)
610.  フローレス
ゲイと麻痺のために障害を負った者という組み合わせは実に興味深かった。 いわば二者とも一般の社会とは少々距離が出てしまう存在。 しかしゲイのホフマンは前向きに明るく、そして夢を持ちながら生きている。 映画でも言っていたが、彼の生き方は本当に勇気が必要だと思う。 一方、デニーロは障害を負う前は、ほぼ街の人気者で、ヒーローとしての扱いであり、女にも苦労はしなかったはずなのに、障害を負ったため、自殺を考えたり、人生から逃げ出そうと考えている。 しかし、自殺をする勇気はなく、結局、周りとは距離を置き、壁を作るという始末。 障害を負う前は、娼婦やゲイを毛嫌いしていたデニーロだったが、障害によって、多少ミスマッチな二人の出会いが彼を徐々に変えていく。 ホフマンの逆境の人生や運命にあえて楽しむながら挑戦していく姿や自分の真実を嘘を付かずに受けいれようとする姿勢にデニーロの心も少々動かされていくのが良かった。 途中のデニーロは酷かったからね、特にティアに対しては。 障害者を憐れに思っているのは他でもない自分自身だったのだろうと感じられた。 デニーロだけでなく、自分もホフマンの自分自身に誇りを持つという生き方は学ぶべき点は多かったと思う。 まあ、金がどうしたとかあの辺はオマケみたいなものでしょうね。 
6点(2005-01-16 22:56:21)
611.  フォーリング・ダウン
ロールプレイングゲームのように古い武器を使って、相手を倒して、更に良い武器を手に入れていくというのは面白いのだが、主人公のキャラクターがやや中途半端な印象を受ける。 主人公は離婚や無職のためにあんなに精神的に病んだ人間ではなく、どこにでもいる普通の男の方が良かった気がする。 ただ単に離婚した妻の所にいる娘にプレゼントを渡したいだけだったのに、周囲の誤解などの運命のいたずらにより、また社会に対しての様々な苛立ちのために切れてしまって、どんどんと転がり落ちる人生の方が面白い。タイトルもそうなっているだろうし。 融通の利かないバーガー屋や予算消化の道路工事、携帯が普及して今ではそんなこともなくなったが、何を考えて待っているか分からない公衆電話を待つ人間にはやや納得が出来ても、ゴルフ場での騒動や韓国人店主には少し理解に苦しむ。 まあコンビニで120円の缶コーラを買おうとしたら150円ですと言われたら、やっぱり切れるかな。
3点(2005-01-16 18:27:27)(良:1票)
612.  スリーパー
巨大プリンとの格闘とか、欲望という名の電車や、名犬ラッグスとかそういう馬鹿馬鹿しいのは好きなんだが、あとは笑いがちょっとズレているのは30年前の作品だからしょうがないかな。 特にミスコンやカガミネタや懲りない爆弾班がイマイチかなと感じる。 しかしメガネを付けながら200年も寝ていたのとメガネをかけているロボットにはだいぶ笑えた。 手術シーンもそれほど面白くはないのだが、ウディとダイアンのやり取りはやはり絶妙で息がピッタリと感じる。 SFなのだが、科学や政治なんかをだいぶ皮肉っている面があると感じる。 そして信じられるのはセックスと死というのもウディらしいな。
4点(2005-01-16 04:28:06)
613.  チョコレート(2001)
何といっても凝った映像や独特のカメラの構図などが良いと思う。 決して奇をてらったわけではなく、技巧に酔っているわけでもない、余韻を感じさせるというか、心の内面を描くというか、何かを語っているような映像だと思う。 特にセリフがないシーンや、誰も映っていないシーンにも何かを感じずにはいられない。 こういった撮り方にした理由の一つとして、本作のテーマにも関係している気がする。 「孤独」「疲れ」「苦しみ」「悲しみ」を描いているから、何もないシーンでも何かを訴えくるのではないだろうか。 そしてそれらの感情から逃れる方法が、人と人との結びつきなのだろうと感じる。 ココロの隙間を埋める方法として、チョコレートを用いられていたが、それこそやはり代用品でしかなかっただろう。 デブの坊やにとっては父親のいない家庭の寂しさを埋めるものとして、ハンクにとっては家族がバラバラで黒人に対して偏見を持ち、恐らく職場での人間関係が上手くいっていないような寂しい心を埋めるものとしての逃避的な役割でしかない。 デブの坊やにとって必要なのは父親であり、母親の愛情だったし、ハンクにとっては本当は亡くした妻や息子だったのだろう。 息子を憎んでいたようにみえて、いなくなってから本当は非常に愛していたことに気付くとは遅すぎた。 しかし息子の死によって、彼の心は変わり、黒人であるレティシアを助ける気になった。 二人の偶然の出会いが二人の孤独な人生を助けるものになっていく。 やはり、人間に必要なのはチョコレートではない、人間なんだろうなと思わせる。 まあ、ラストではチョコレートがハンクと秘密を知ったレティシアを繋ぐ役割を果たしているようにも見えたが。 本作でレティシアを演じたハルベリーがアカデミー主演女優賞を獲得したが、息子を亡くした後、自分を女に戻してとハンクに頼むシーンはかなりのものだった。 その他にも、息子のことをデブだと笑いながらも悲しむ姿やハンクの秘密を知った後の呆然とした姿やラストシーンなどなかなか評価できる演技は多かったように思える。
8点(2005-01-16 02:07:08)
614.  エニイ・ギブン・サンデー
アメフトのことはよく分からないが、一歩一歩距離を詰めていくゲームと思われる。 そういう一歩一歩の大切さをアメフトを通しながら人生の歩みについて語る仕組みは良いと思う。 「アメフトも人生も犯す過ちは気付かないほど些細なものかもしれないが、半歩遅くても早くても失敗する。何かを失ってその大切さを始めて気付くのには遅すぎる。大事な一歩は人生の至るところにある。」というのは名言だろう。 映画の中でもその一歩の大切さをそれぞれの登場人物が学んでいたと思う。 ウィリーはいうまでもないが、トニーしかりクリスティーナしかり。 そしてチームワークや自己犠牲についても描いていたと思われるが、肝心のクォーターバックの役割が映画によってゲームの主導権を握る重要なポストだとは分かるが、詳しくは何も知らないので多少つらい所。 しかし、ウィリーの自己中心的なプレイによってチームがバラバラになる姿や、トニーの演説やキャップによって一つにチームがまとまる姿や、映画の中でも散々チームリーダーの必要性やチームワークの重要性が語られてたので、同じものを目指して戦うことの素晴らしさは充分伝わってきた。 パチーノが語っていた「思い出すのはハドルの皆の顔」というセリフも重要だろう。 難をいえば、キャップがもうちっとこの点を伝えるのに適切な役割を果たしてもらいたかったものだ。 キャップは引退したいとか言い出して嫁にビンタを食らったり、自信を喪失していたりして少し役割が違うような気がした。 もっとも選手が抱えるプレッシャーや悩み、恐怖等についても描く必要はあるが、他の選手でこの点は充分描かれているのだから。 映画自体は面白いと思うが、結構様々なものを詰め込みすぎている部分が多いと感じる。 トニーが記者への暴行などはストーン得意のマスコミ批判かもしれないが、あまりストーリーとは関係ないし、エッカートは映画の中ではニックという名前があるのに本レビューの名前欄に名前がないほど存在が必要ないので彼は要らない。 クリスティーナについては、彼女の家族についての取り扱いや自分を取り戻すことについてもやや中途半端な印象。こちらはもっと大きく取り上げても良かったと思われる。 医者間のトラブルなども悪くないテーマなので多少雑な扱いという印象だった。
7点(2005-01-15 20:51:31)(良:1票)
615.  ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう
結局何も教えてくれなかった気がするのは自分だけだろうか。 しかし未知なものは未知なままにしておきましょうというメッセージだけは受け取ったつもり。 7話のうち秀逸なのは7話の「射精のメカニズム」でしょう、これについてはだいぶ教えてもらったかな。 これだけなら9点をつけても良いほど素晴らしい斬新な出来。 脳内で繰り広げられる会話には味があるし、ただ一人で踊りまくる「快感」や神父の格好をした「罪悪感」、イタリア料理嫌いの「胃」もいい存在。 仲間想いの精子達や歌をともに歌いながらチカラを合わして必死に取り組む姿には一種の感動を覚える。 「俺だけ場違いでは」「言い訳用意」のセリフもかなりツボにはまったな。 あとは7話ほど素晴らしい話はなかったけど、乳が襲ってくるやつは個人的にはあのくだらなさは好き。 羊はアレンが演じなかったため、変なリアリティが出て良かったと思う。 あの役者は眼で困惑を演じたり、手の動きで感情の動きを描いていたのが良かったと思う。 羊を真顔で探しながら「ハニー」と言うのにはかなり笑った。 しかしラストのオチ「ウール洗剤」はちょっと弱いだろう。 あとのストーリーについては工夫は随所に感じられるものの、ネタやオチはだいぶ弱いかなと思う。全体を通して観れば高得点にはならなかった。
5点(2005-01-10 20:03:39)(良:3票)
616.  ドアーズ
ドアーズというバンドを描いた作品とは知っていたが、ドアーズの存在も知らなきゃ、ジムモリソンも名前以外何も知らない上に、「ハートに火をつけても」も聴いたことがないという者がこの映画を観るということはかなりの苦痛でした。 酒やドラッグで身を滅ぼして、破滅への道をひたすら進むというような単純かつ陳腐な映画ではないので、なかなか捉えどころが難しい映画に仕上がっている。 モリソンの苦悩のようなものをはっきり言って常人には理解しがたく、初見では何も見えてこない、何も感じるものがなかった。 モリソンとストーンが見つめた人生の意味や真実がよく分からないというのが正直な感想。 インディアンの曹長はちょっと引っ張りすぎのような気がしないだろうか。 あの幼少期に目撃した事故が彼の人生にそれほど影響を与えるものだったのだろうか。 点数は付けづらいが、キルマーの演技とストーンのかすかに感じられる才能を評価したい。 
2点(2005-01-10 19:59:50)
617.  セント・エルモス・ファイアー
青春時代の幻想が詰まった作品。 それが幻想だとしても、忘れ得ぬ魅力があり、人々を感動させるチカラもあることを思い出した。 映画自体は青春時代のもどかしいじれったさをまさに感じさせるじれったい映画になっているが、その点もなかなか良かったと感じられた。 青春時代には、苦悩もあり、喜びもあり、哀しみもあり、そして別れもある。 そして確かにこの映画のようにそういった様々な感情をともに分かち合える仲間がいたなとふと感じてしまった。 映画に登場する7人にはそれぞれ個性もしっかりと描かれており、そして個別に苦悩があり、最後には成長も感じられた。 特に女性陣はかなり成長しているような気がした。 ウェンディーは親が決めた恋人と別れ、家族と離れ独立したし、レズリーもうっとしいオトコ達と離れしばらく一人で生きることを決めたし、ジュールズは先が見えない人生に疲れを感じ、死を意識していたが、前向きに仕事を見つける決意を決めた。 一方、男性陣はビリーこそニューヨークに行き、サックスで勝負する決意を固め、行き場を失いつつあったどうしようもない人生から脱却しようとしているが、揃って女性に振られた残りの3人はイマイチだね。 確かに女性関係が多くて結婚を逃げ場と考えていたり、友人の彼女に一方的に幻想を抱き続け他の女性と付き合わなかったり、昔憧れていてただ一回デートをした相手(相手は映画のタイトルでさえ混同している)を忘れられず、枕の匂いをかいだり、ストーカーっぽいことをしていたり、とそろいも揃ったどうしようもないオトコ達だからしょうがないかな。 まあ、そういうオトコが抱く女性に対するどうしようもない情けない点も描いているのもなかなか面白いと思う。
7点(2005-01-08 23:16:49)(良:1票)
618.  ウディ・アレンのバナナ 《ネタバレ》 
監督初作品の「泥棒野郎」のハイレベルの笑いから打って変わって、二作目ではやや滑り気味の笑いに終始している感がある。 冒頭での大統領暗殺での最後の一言「ファシスト、独裁者め」や、両親に外国へ行く説得をする際に手術を受けている人のセリフ「今日芝居に行くから」にはどのように笑えばよいのか多少苦しむ。 その他にもオペレッタ拷問や「CIA」を「UJA」といい間違えるのは大抵の日本人としては笑う余地がない冗談かもしれない。 とは言っても、法廷でのシーンは、フーバーのようになかなか冴えている部分も多かったと感じる。 しかし、この法廷でも一人二役のシーンは少しうざいなと思うし、飛び入りで入ってきたやつも昭和のギャグのようだった。(30年前に創られているので確かに昭和のギャグなのだろうが。) やや面白いかなと感じた部分は無意味な通訳や主な輸出品が赤痢だったり、全員に麻酔かけたり、食料品オーダーくらいだろうか。 一方、ストーリーは、中途半端なラブストーリーと中途半端な政治風刺がミックスされ、中途半端なグダグダ感は否定できない。 ヒロインが主人公に対する思いと同様に、何か物足りないと思わせる結果となっている。 それがアレンの狙いだったら凄いけど。 しかしラブストーリー部分はその後の「アニーホール」等の映画に何か繋がっているようなものも感じられた。 まあ、見所は何と言ってもシルベスタースタローンとウディアレンとの共演に尽きるかもしれない映画ですね。  
3点(2005-01-08 20:05:17)
619.  ナチュラル・ボーン・キラーズ
家庭内の暴力が新たな暴力を生むという暴力の連鎖とメディアによる暴力の垂れ流しが人々の暴力への感覚を麻痺させるという二つの仕組みが暴力の源のように描いていると思う。 このあたりは大体の人が納得できると思う。 しかし、テレビのレポーターが銃を喜んで乱射することを描くことによって人はみな心に悪魔を抱いているとかみな罪を犯しているようなことまでを描いているが、このあたりまで来ると多少分からなくなってくる。 確かに暴力願望というのは誰でも持っているかもしれない、メディアと共に暴力への好奇心を募らせているかもしれない、しかし罪を犯す人と犯さない人は紙一重ではない。 もちろんある環境に置かれれば罪を犯さざるを得ないというケースはあるかもしれないが、やはりこの境界線には決定的な差があるのではないか。 そして、この映画が導く暴力に対しての答えが見えにくいと考えられる。 ストーンのことだからよくは分からないが、暴力を推奨しようという人はまずはいないだろう。 しかし嘘だらけの一生より純粋な一瞬を望むというようなセリフもあり、暴力を実行することこそ「生きている」人生であり、暴力を頭に留めておくことはまやかしのようなことも描いていた気がする。 この映画は「暴力」について考える一助にはなるが、これでは答えがないだろう。 しかも「暴力」に加えて訳の分からん「愛」まで持ち出してくるともうこれはちょっとお手上げ状態に陥る。 しかし中身のテーマ性はともかく、この映画を見てその映像の奇抜さに相当の衝撃を受けたことは事実。 その演出に果たして意味があるかどうかは置いておいて前半1時間はまさに驚きの連続だった。 後半は多少ダレルような気がした。特に暴動から脱獄に至る部分はやや平凡な創りという印象。 レポーター殺しは良かった分、この辺りはもっと何とか出来たような気もする。
8点(2005-01-06 01:14:55)(良:1票)
620.  フォーン・ブース
満点を与えようか迷うほどの素晴らしい傑作。 81分間という短い時間ながらぎっしりと中身が濃い、充実した映画。 そして一瞬も気を許せない緊張感。 さらに満足すべきなのは、素晴らしいアイデアと脚本と演出だ。 特にラスト付近のスチュが洗いざらいぶちまける姿は見事だ。 スチュの人生はキーファーとの電話で明らかになっていくが、二人のやり取りを見ているだけでスチュの人生、性格、生き方も見えてくる。 都合良く話を作り上げたり、言い訳やごまかしを多用し、すぐに人のせいにする。 このやり取りを聞いているだけで、スチュの生き方が分かる仕掛けも見事としか言いようがない。 決して悪党とは言えない小悪党を次から次へと裸にする様は素晴らしい。 最初見たときこれがもっと大悪党だったら面白いかと思ったがそれは大間違いだった。 というのもスチュとは映画の特別な存在ではなく、いわば我々自身の姿とも言えるからだ。 衣装や上辺だけを装い、ウソで塗り固めた偽りの人生を生きているのは彼だけではない。 他人に対して傲慢にあたり、利用できる人間だけを利用しようとするのも彼だけではない。 その彼に罪を償わせ、許しを求めさせたのは何故か。それは我々も罪人だからなのかもしれない。 コリンファレルはかなり良い演技をしていたんだが、自分はこの役をトムクルーズにやらせてみたいと思った。 彼がどんな人生を告白するか考えただけで面白そうだ。 大抵の映画なら主人公や警察の機知で犯人役が捕まるというオチが相場なのだが、この映画では犯人がどんなオトコで、何の目的(ほとんど分かるけど)でこんなことをしたのか明らかになっていないが、その点も自分がこの映画が好きなところだ。 なんでもかんでも映画内で明かにするのではなく、少しは観客に想像を掻き立てる映画というのもアリだろう。
9点(2005-01-04 01:46:16)(良:1票)
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