601. 硫黄島からの手紙
《ネタバレ》 「父親たち~」と違って、こちらはそのもの硫黄島の戦いがメイン。しかしかなり中途半端な出来。第一、日本兵が日本人らしくない。二宮やらの兵隊たちなど、まんまアメリカ兵のコピー。行動も会話もありえないほどの違和感がある。どこかから聞きかじったかのような強圧的だったり何かと死にたがる典型的な上官はしっかり描かれているのに、何故そこだけコピーになるんだろう。結局アメリカ人に日本人を描くのは無理があったということか。相当粘りに粘って戦ったはずが、この映画を観ると粘っている感じが殆ど伝わってこない。そこが肝ではないのか。何しろ直ぐ死にたがる。玉砕だぁ玉砕だぁとやかましい。こんな奴らを使って本当にそんな驚異的な粘り腰を利かせられたのかと不思議になる。こんな内容ならば何も硫黄島じゃなくてもいいんじゃないのか。「父親たち~」で手榴弾を使って自害した日本兵の遺体をリアルに描いていたが、こちらではその自害シーンを描いている。どうもねぇこういう特殊なところだけを好んで描いている感じがして嫌だ。戦いの悲惨さが描かれない中でこういうことをされても、それは残酷シーンを描いてるだけにしか見えないんですな。米兵が捕虜を虐殺してしまうシーンが唯一米軍の悪逆を描いたもので評価に値はするが、実際もっと酷いことやってるわけで、物足りないのも事実。そういえば回想シーンで日本とアメリカが戦争になったらどうなさるの?などというわざとらしい間抜けな会話は普通にいらんなぁと思う。 [DVD(字幕)] 4点(2007-09-29 21:18:48) |
602. ニューヨーク・ニューヨーク
《ネタバレ》 デニーロのしつこいことしつこいこと。本当に鬱陶しい。人物的にも懐の浅い、ちっちゃい男で好きになれない。あんな時に別れを告げるとはね。最後のミュージカルシーンなど、別にそこまでしなくてもという気はするが、それなりに見られるミュージカルシーンではある。最後にどちらも成功しているというのは出来すぎな感じがするが、ラスト周りは良かった。しかしとにもかくにも長い。これだけのことに3時間弱はきついです。もう少し短くまとめてくれればもう少し楽しめただろう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-09-18 20:36:25) |
603. ラルジャン
まるであらすじをそのまま映像にしたような世界。実に淡々と進んでいく。妙に殺風景なセットに妙に光量の多い画がなんだかコントチック。前半はもろにあらすじのまんまだが、テンポが良い分それなりに楽しめる。後半は翻弄された男に話が絞られていき、普通な感じになって逆につまらない。そして展開も。目的とその方向を間違いすぎている。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-09-17 18:56:59) |
604. 守護神
《ネタバレ》 どこかで観たような話。いろんなものの寄せ集め感は否めず。この手のものを初めて観るなら楽しめるのだろうか。でもやっぱり140分は長過ぎだね。終盤の殺す気満々の展開には萎えます。直ぐパニックになる落ちこぼれっぽい生徒が合格するシーンは感動シーンなんでしょうが、あいつに救助される人のことを考えると、とてもじゃないが感動出来ない。プールであれだけパニくる男が現場で冷静でいられる訳ないじゃない。彼のことを本当に考えるなら、もっと早くに不適格として放校するべきでしょ。現実の厳しさをあれほど口にしながら変に情に流されてる感じが、一貫性がなくて嫌。 [DVD(字幕)] 4点(2007-09-17 16:43:20) |
605. セント・エルモス・ファイアー
《ネタバレ》 大学は出たけど大人になりきれないモラトリアム群像劇。登場人物にもエピソードにも魅力に欠ける。無理を通して道理を引っ込ませてストーリーを成立させている点が目に付く。皆押しなべて魅力が無いが三角関係の中核の女が一番嫌な奴。一見善人の顔をして、自分の希望と都合だけを主張する我が儘女。あんなことしといて今までどおりみんなで仲良くしましょって、アホかい。こういう女が一番性質が悪い。それにしても随分広い部屋に皆住んでるねぇ。その点、ちょっと昔の日本のトレンディドラマ風。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-08-30 22:35:08) |
606. バッド・エデュケーション(2004)
サスペンスとして成立する前にネタ晴らしが始まってしまう。大して追求することもなくべらべら喋ります。もう少し、謎に迫っていく感じや思考させる間がないとミステリーにもサスペンスにもなりません。ただ後味として残るのはグロテスク感のみ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-08-27 23:11:07) |
607. 逆転
ノーベル賞授賞式が舞台というのはなかなか変わっていて良い。しかしサスペンスとしてはかなり緩く、詰めもつっ込みも甘い。ヒッチコック作品の劣化版のようなイメージ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-08-27 22:50:58) |
608. 俺は待ってるぜ
《ネタバレ》 初っ端から浮世離れというか、気障というか、妙に背伸びしたような会話が続く。大人びて見えない裕次郎のビジュアルでこういう会話をされると違和感に拍車がかかってどうしても冷める。ハードボイルドなのか西部劇なのか良く判らん見せ掛けの要素を匂わせつつ、実はやってることは時代劇にも思える。しかも物憂い。大した根拠のない無駄な厭世観みたいなものが支配していてついていけません。それにしても、どいつもこいつもよくもまあこう心情をべらべらと言葉にするもんだ。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2007-08-21 22:39:25) |
609. ブルワース
観ていられないというほどでもないが、決して面白くはなし。この手のものであれば、もう少し明快な痛快さが欲しいところ。個人的には内容よりも、あの二人って「天国から来た~」のコンビだなぁと、そちらの懐かしさの方が印象に残ります。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-08-07 20:45:32) |
610. メゾン・ド・ヒミコ
今まで観た中で、この作品のオダギリ・ジョーは一番美しく格好良い。でも映画の内容はどうも中途半端。ゲイ専門の老人ホームという発想は面白いけど、それをまったく生かせていない物語。皆、あんまりゲイっぽく見えないなぁってのはいいとしても、キャラクターを使いこなせていないために、その場その場での使い捨て感が漂っています。オダギリのヒミコへの想いも殆ど感じられない。柴崎のキャラもも相当ふら付いていて纏まりなし。やっぱり中途半端なんだなぁ。 [DVD(邦画)] 4点(2007-07-31 21:36:29) |
611. ジャスティス(2002・ブルース・ウィリス主演)
《ネタバレ》 差別主義のナチスの捕虜収容所内で捕虜達は黒人差別に躍起になっているという皮肉に満ちた構図。差別の二重構造という設定は人間の愚かさを描くには十分な設定だったはずだが、結局なんら発展もせず、設定オチで終わってしまった感じ。戻ってきた大佐を英雄の扱いする姿にはさすがに開いた口も塞がらない。勘弁してください。ただ序盤の空爆シーンだけは迫力があり、リアリティも感じられて良かった。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-07-23 19:50:31) |
612. 新選組始末記
《ネタバレ》 出だしの主人公と恋人との会話を前半は恋人のアップだけ、後半は主人公のアップだけで済ませる撮り方は面白く、これは結構期待できそうだと思ったが、進むにつれてどうにもつまらなくなる。平凡な時代劇。近藤だ土方だ沖田だと有名面子がイメージに合わないのは仕方ないとしても、所々に見られる目を引く演出がまったく物語に影響を与えるものとして機能せず、ただあるだけの使い捨てな扱いで残念。これでは寧ろ目障りにも感じてしまう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-07-23 19:24:39) |
613. 天国の口、終りの楽園。
《ネタバレ》 どいつもこいつもやりたがる。乱れまくりの世界。結局みんな猿なんだ、ということでそれなりに納得だったが、最後の最後で、あの女性が実は癌で一ヵ月後に死にましたというオチにがっくり。説得力ゼロ。そんなものを付け足して、あれらの行為に別の意味を持たそうとするのはあざというというか、間抜けっぽい。そういう嘘くささははいらないのです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-07-18 20:07:32) |
614. ウォール街
《ネタバレ》 チャーリー・シーンがあまりに無能なおばかさん過ぎるというのが映画を面白くないものにしているように感じる。後半、マイケル・ダグラスを一泡吹かせるほどに成長しているといのも違和感ありすぎ。計画が成功して有頂天も反撃食らって連行されて泣くところも、その前のシーンを台無しにしている。これじゃ結局なんの覚悟も出来ていないお馬鹿さんのままです。ダグラスもダグラスで、事がわかった後でわざわざC・シーンにあって、テープに内幕を録られてしまうというのはお馬鹿すぎ。普通そのくらいは警戒するものです。ダリル・ハンナの存在もかなりぼやけていて、本当、別にいてもいなくてもいい。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-07-08 22:22:17) |
615. 3-4X10月
《ネタバレ》 異端のヤクザや砂浜へ行っての馬鹿遊び、後のたけし作品にも受け継がれていく要素がここに既にある。ある意味これが後の作品のプロトタイプとも言える。観ていて、とても不自然に感じる点がいくつもあったが、なるほど主人公の妄想と現実の融合として考えると、とりあえず納得はいきます。しかし、だからといって面白いわけではなく、作品としてはガダルカナルタカがヤクザに対して反抗するあたりまでは結構楽しめたものの、その後は例のパターンに落ちて全くつまらないものになってしまった感じ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-07-06 21:28:06) |
616. モモ
《ネタバレ》 セットは結構味があって良い。全員スキンヘッドという時間泥棒たちの設定も定番だが良い。しかし、良い部分はあってもいまいち面白味が感じられ無い。時間泥棒たちが攻めてきても時間を止められあっさり撃退されてしまったり、クライマックスの時間泥棒たちの間をすり抜けて扉を閉めるまでの過程もまたあっさりと、あっさりしすぎて盛り上がるべきところで盛り上がりに欠けてしまっているのがひとつの要因。原作は読んでませんが、原作もこうなんでしょうか。なんだか惜しい。子供向けな作りなものの、子供が見てもこの映画の内容って本当に理解できるのかも少々疑問。小学校低学年では難しいかな。 [DVD(字幕)] 4点(2007-07-02 21:13:21) |
617. フライト・オブ・フェニックス
《ネタバレ》 オリジナル版とは設定も構成も若干変更してある様子。構成の変更はともかく、設定の変更はかえって無理を生んで破綻を呼び込んでしまう結果に。ツッコミどころを無駄に増やしてどうする。要らんことしたもんです。飢餓感も薄く、水不足の中、真昼間からあんな力仕事をしてもみんなピンピンしているのもなんだかな。謎の男も性格の悪さを前面に出したのに、妙に安定着地で、最後のその後でNASAのホープにまでなっている悪乗り。現代ハリウッドによくある質の悪いリメイク物という印象。 [DVD(字幕)] 4点(2007-07-02 20:23:42) |
618. ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]
《ネタバレ》 ヒーロー物かと思ったら、置かれた状況に対し葛藤する人間ドラマ。悪く言えばただの内輪もめな話。まあ、スケールのちっちゃいこと。最後の悪役との対戦もあっけなく、盛り上がる猶予もない。思いっ切り続編を匂わすラストも、これでは不満が募るだけですね。 [DVD(字幕)] 4点(2007-06-20 22:11:05) |
619. パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
《ネタバレ》 前作に比べれば無駄にふざけているシーンが少なくなったのはいいが、やはり映画として面白味を感じない。娯楽作でありながら、ごちゃごちゃしすぎているのも問題だろう。あれもこれもと注文しながら食べきれずに残飯だけを増やしていくような、無計画な要素の投げ込みが目立ち、その場その場での対処に終始する。大艦隊がお飾りで何故か旗艦だけが突っ込んで決着する結末にはさすがに脱力した。結局1だけで良かったなぁというシリーズ物お定まりの感想に帰結する。 [映画館(字幕)] 4点(2007-06-20 21:24:22)(良:1票) |
620. アナスタシア
《ネタバレ》 誰でもそう思うよねというほど、やっぱりディズニーっぽい。非常に人間的な動きは大したもんだし、3DCGの使われ方も程よい。絵はとても綺麗です。だが話がとてもつまらない。悪役のキャラも弱く、湖に落ちてそのままあっさりだったり、いざパリに行っても、自分の送った手下の悪霊よりも遥かに弱いという体たらく。記憶喪失の原因がてっきり呪いの影響かと思ったらそうでもないようで、はぐれた時に頭を打ったのが原因っぽい。なんだかなぁ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-06-11 19:53:37) |