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放浪紳士チャーリーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1446
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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621.  ゾディアック(2007) 《ネタバレ》 
実際に起こった未解決事件の顛末、観終えた後のカタルシスが殆ど感じられないという点で、韓国映画の「殺人の追憶」を想起させられます。当時のアメリカ警察の、管轄外同士の連携がうまくいってない状態での、原始的且つまどろっこしい捜査方法が解決を遅らせたのではないかという視点も似てる。ただこっちは展開自体が淡白なせいか、映画そのものはジェイクがようやく重い腰を上げるまでの、全体の3分の2までが面白くない。ジェイクがバツイチ子持ち、新聞社のイラスト担当という面白い設定が謎解決に生かされるのかと思いきやそうでもない。やたらとものものしく表示される時刻や日時が、事件の内容とは無関係と思われる出来事も入っているので、もしやこれは何かの伏線ではっっ?と構えてみてるこっちとしてはおあずけを喰わされたまんま、焦らしに焦らされた挙句、最後は事件そのものも何かもうど~でも良くなってくる。これを最初っからもう一回観ろと言われても辛いので、ご贔屓ジェイクの最新作だけど残念ながら点数は低めにさせて頂きます。『神出鬼没怪人ゾディィィアァァァッックッ!!!~さんざん振り回された人びと編』(←特に意味なし)
[DVD(字幕)] 5点(2007-11-16 11:29:51)
622.  22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語 《ネタバレ》 
大林監督のようなもはやベテランの域になってもまだなお、「映画製作において何事か為さざらん」という意欲が一向に衰えず、新作に漲っているのはすごい事だと思う。ただその意欲が時たまとんでもない方向に傾いてしまうのが、昔っからのこの監督のご愛敬。私は昔、この伊勢正三の名曲が効果的に使われた、北海道が舞台のドラマの秀作、『昨日、悲別で』(倉本聰脚本)を観ていたので、映画化されると聞き曲調に合わせよりノスタルジー溢れる作品になるとばかり思ってました。ところが開けてびっくり、なんとホラー調とは!!恐れ入りました・・・。まだまだ僕は大林監督という人を真に理解してないのかもしれません。暗~い画調と内容はともかく、自分がこの作品を観て一番気になったのは、現在と過去それぞれの、ダブルヒロインの魅力の乏しさ。過去ヒロインは鈍重、現在ヒロインはヘンな髪型のおかげでまともにお顔さえ拝めない始末。新人発掘ヒロインを輝かす事については右に出る者がいないはずのこの監督としては、初歩的不手際としか思えない。たとえば「さびしんぼう」にあった名場面自転車チェーン外れとほぼ同趣向のシーン、このヒロインに当時の富田靖子ほどの魅力があったら!!と暗闇で地団駄を踏んでしまったほど。残念ながら失敗作というより、これは「大怪作」という評価にさせて頂きます。無機質無感情な芝居にひたすら徹した主役の筧利夫は好演。<結論>ヒロインが輝かない大林映画は映画自体も輝かず、これ鉄則なり!
[映画館(邦画)] 4点(2007-11-12 14:06:09)(良:1票)
623.  フレンチ・コネクション
確か初見はフジテレビの「ゴールデン洋画劇場」。最早語り草になっている迫力の高架線下カーチェイスに度肝を抜かれ、しばし呆然となった。何度も再見しそのたんびに驚かされるけど、オハナシの方はさっぱり記憶に残らない。へえ~麻薬捜査とか関係してたんだ、この映画って・・・ふ~ん。やばい、全然覚えてないや(↑しかも上記あらすじ参照)ハックマンのキャラ立ちと、前出カーチェイスがこの映画の総て。でも何も考えないで観られるこういう映画が昔から大好きだったなあ・・・。 
[地上波(吹替)] 7点(2007-11-11 12:08:57)
624.  道頓堀川
僕は学生時代に読んだ宮本輝氏著『青が散る』のおかげで、それまで大嫌いだった大阪弁が大好きになりました。川三部作はじめ、海外を舞台にした作品以外は殆ど読破してます。この作品は大阪ミナミの象徴道頓堀川が舞台、しかも監督が当時絶好調だった深作欣二監督となれば期待するなと言う方が無理。・・・う~ん内容がうっすい・・・しかも原作で描こうとしていた部分と全く違う箇所(真田&松坂のラブシーン)にのみリキ入れて撮っているみたいな感じ。深作監督らしいバイタリティが殆ど感じられません。残念ですね、これは。前出『青が散る』は自分は未見ですが、石黒賢&二谷友里恵でドラマ化された際かなり不評だった由、大好きな『春の夢』が下手に映像化されない事を祈るばかり。つい最近観た「自虐の詩」でもカルーセル麻紀姐さんは大阪下町のおばちゃんを好演してましたが、彼女?には大阪の風景が似合いますね。
[ビデオ(邦画)] 4点(2007-11-10 10:44:23)
625.  まぼろし 《ネタバレ》 
「デブラ・ウインガーを探して」でアメリカのある女優さんが、「フランスのシャーロット・ランプリングが羨ましい」的な発言をしていたのを、この映画を観ながら思い出しました。そりゃ彼女たちが羨ましくもなりますよ。若い時に既に「愛の嵐」という代表作を残しつつ、年を重ねたら重ねたでこんな芝居のしどころがある役が回ってくるんですもん。セックスの最中に突然笑い出し、「だって貴方軽いんですもの」っていう台詞が妙にリアル。熟年カップルのベッドシーンって苦手だけど、これはやけにエロチックで綺麗でしたね。先に「スイミングプール」を観ていたので、この監督の、何でもないシーンでも何故かドキドキさせられてしまう、ミステリアスなタッチが好き。賛否両論曖昧模糊拡大解釈可能なラストシーンも私は気に入ったので一点プラス。(追記)さかQさんともっつあれらさんのレビュー拝見して驚きました。私もラストシーン、彼女が何だか「弧を描くように」まぼろしに向かって行ったので砂丘の上を走るとそうなるのか・・・?って不思議に思ったんです。もし彼女があの「まぼろし」を「追い越していった」のなら、かなりラストの解釈が変わってきますよねえ・・・。原題「砂の下」も、もしかしたらこの監督さんはそこに何かを引っ掛けておきたかったかのかも。というわけでネタばれ有り登録もしとこ。
[DVD(字幕)] 7点(2007-11-09 11:26:40)
626.  世界中がアイ・ラヴ・ユー
拡大解釈すれば同じく、「世界は愛であふれている」テーマに沿った、私の大好きな「ラブ・アクチュアリー」のミュージカル版と言っても差し支えないこの作品。が、どうもここに出てくる登場人物は、み~んなどこか小賢しいいわゆる「大人的打算」が働いていて(ウッディ・アレン作品だから当然だけど)愛する事に真に一途な人間が一人も出てこない。それが今ひとつ、観終えた後心からハッピーな気持ちになれない原因かと思われます。
[DVD(字幕)] 6点(2007-11-02 13:39:00)
627.  TRICK トリック 劇場版2
金曜日の夜、リラックスした状態で視聴するのにぴったりだったこのドラマや「スカイハイ」とか、改めて劇場版にする事になんの意味があるんだろう・・・?しかもテイストや演出の呼吸はドラマの時とまるで変わらないのに。誉める点を挙げるとすれば、いつも犯人を崖の上に追い詰める役柄の片平なぎさを逆にした事くらいか。ホントそれ位なのが情けない。巨根=貧乳コンビのキャラクターにのみ頼ったやり取り、緩すぎるルーズなストーリー展開はドラマ時代からのトリックテイストとして許しましょう。しかし結局おしまいまでシツコク使ってた懐かしギャグのワンフレーズの多用、名脇役生瀬警部と野際母の投げっぱなしのような扱いにはさすがに我慢出来んかった。
[DVD(邦画)] 4点(2007-10-29 10:48:01)
628.  手紙(2006)
角度や目張りメイクによっては山田孝之が「博多華丸」に見えてしまうのは私の視力に問題有りなんでしょうか・・・?それはともかく、沢尻エリカ扮するヒロインが私にはよくわからない。原作ではもちろんきちんと描かれてるんであろうと思われるが、映画を観る限りではさっぱりわからない。関西出身の工場に勤務していたはずの純朴そうな彼女が突然ドレスアップして小洒落たバーに現れたり、恋人(吹石一恵)の存在を何故か最初っから知っているような素振りを見せたり、見ず知らずの刑務所に入ってる男に手紙を代筆したり・・・。よくわからない上に正体不明。全てはイケメン山田君に恋焦がれるが故の、恋は盲目状態の行動かと思われるが、その辺の経緯もなんだかよくわからない。もしかしてこういう性格不明の役どころばかりをやらされた結果、今世間をお騒がせしているような態度に出たとしたら、彼女にとっても日本映画界にとっても大変不幸な事だと思います。
[DVD(邦画)] 5点(2007-10-27 14:30:35)(良:1票)
629.  ヘアスプレー(2007)
アメリカの柳原可奈子さんはとにかくポシティブシンキングですね~。最初から最後まで勢いに乗せられて観てしまったという感じ。決してデブ専ではない自分でも、なんの憂いも翳りもなく歌い踊るニッキー嬢はすこぶるチャーミングに映りました。今年春に観た「ママの遺したラブソング」ではすっかり枯れてしまった役柄で少々幻滅したジョン=トラ氏のここでの面目躍如の活躍ぶりに溜飲を下げ、まさかまさかのウォーケン氏までが歌にお付き合いするとは思わなかったので、これは嬉しい誤算。太ってて何が悪いん?女装の何がいかん?肌の色が違って何がおかしい?そのまま、ありのままに生きられればそれでええやんっていう少々ストレート過ぎるメッセージもこの作品なら許せます。ジョン=トラのぽつりと独り言「でも男の気持ちも解るのよっ♪」には大爆笑。
[映画館(字幕)] 7点(2007-10-26 14:06:02)
630.  リトル・ミス・サンシャイン 《ネタバレ》 
優れたロードムービーのお手本のような愛すべき佳作。捨てキャラ、不要なシーンすらひとつも見当たらず。何気に買ってたエロ本でさえ後で伏線になっていたり、長男の色弱が判明するシーン(←その前にちゃんと病院で前フリがある)では、あまりの脚本の巧みさに自分は思わず唸ってしまった。それにしても「リトル・ミス・サンシャインコンテスト」って・・・、ネーミングとは裏腹に、何て不健康でジメジメしたコンテストなんだろう。居並ぶ幼女たちが次々と媚を観客に売るトコなんか、なんだか全身がムズムズしてくる。かつて「ジョンベネちゃん事件」をワイドショーで観てた時に感じたモノと同種の、生理的にいやあな感覚、痛々しいというか不健全といおうか。もちろんお腹がちょこっと出た幼児体型のオリーブちゃんだけは別。自分はストレート過ぎる家族団結ものは苦手だけど、こういうちょっと変化球気味で、ピリッとスパイスを効かせた作品は大好きです。登場人物一人一人が抱きしめてあげたい程いとおしい、そんなアメリカ映画って最近なかなかなかったと思います。もしキャストアンサンブル賞とかあったらこの作品にあげたい。
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-22 10:46:02)(良:3票)
631.  ゴースト/ニューヨークの幻
「ボディガード」「永遠に美しく」等と共に、プライムタイムに洋画劇場とかでやっていると何回か観たのにもかかわらず、何故かまた腰を落ち着けて見てしまう90年代製作定番映画の一本。素っ頓狂なインチキ霊媒師役ウーピーがいた事で、1+1イコール2の内容が5か6位割増、より愉しく切ないファンタジックな映画になったと思います。吉田栄作が出てたパクリドラマも含め、近年の浅田次郎原作映画化作品とか、いまだに連綿とこの作品から影響を受けたとおぼしきものが散見出来ますね。ショートデミ、かわい。(追記)昨晩テレビでやっていて、また結局腰を落ち着けて最後まで観てしまいました・・・。パトリック・スウェイジ・・・亡くなられたんですよね・・・。この映画が公開された頃は「劇画チックな顔した単なるガタイがいいだけの兄ちゃん」ってイメージしかなかった。そう思いながら観てたら、ラストシーン万感迫るものがあり、不覚にもまた泣いてしまいました(←泣き虫弱虫野郎)ショート・カットが似合ってたデミもすっかりイメージが変わっちゃったし。「生」の輝きが溢れている最盛期にこの作品にめぐり会えたこのお二人は、役者として幸福だと思います。
[地上波(吹替)] 8点(2007-10-21 11:35:17)
632.  自虐の詩 《ネタバレ》 
う~ん・・・、何だかこれ「嫌われ松子」の一挿話を無理矢理引き延ばし、クライマックスに延々続く回想シーンを繋げ、一応体裁を整えてるだけっていう印象の映画かなあ。中谷美紀も阿部寛も好きな役者の一人だけに、この程度の出来では少々不満。「松子」で吹っ切れた感のある、ヒロイン幸江さん=中谷はもはや美人女優の域を逸脱し、トンでもない表情を時折見せてくれ、彼女の女優根性に頭が下がる思い。演技も◎。残念ながら、不幸顔幸江さんの悲しい過去は、観客の予想の範囲を特に超えるものでもないので、肝心要のクライマックスに怒涛のごとく回想しまくりシーンを持ってこられても、観ているこっちは戸惑うばかり。幸江ヤク中更正退院→二人で大阪に引越しの間に、真面目で一途だったはずのイサオ=阿部ちゃんの心境にどんな変化があったのかがまるで描かれていないので、単にプータロー暴力夫にしか見えないのも難。画面の隅にいろんなマニアが喜びそうな小ネタをたくさん仕込むのもいいけど、もっと登場人物の感情の細かい動きにも気を配ってもらいたい。脇役の女優?カルーセル麻紀が一番大阪人らしかったかも。
[試写会(邦画)] 5点(2007-10-20 10:40:02)(良:1票)
633.  めぐり逢い(1957)
デボラ・カー追悼レビュー。限りなく典雅でエレガント、いかにも英国出身らしい知性と美貌を兼ね備えた貴女の面影をクラシック映画ファンはいつまでも甘美な記憶の中に留める事でしょう。50年代ハリウッド映画らしいメロドラマの名作。メグ・ライアン主演「めぐり逢えたら」がこれにインスパイアされた秀作になった事でも有名。色事紳士ケイリー・グラント氏との大人同士の応酬の滋味をじっくりと味わえます。さよなら、麗しのデボラ、エンパイア・ステートビルの屋上にて、いつかまた夢の中でお逢いしましょう・・・。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-10-19 17:29:54)(良:1票)
634.  40歳の童貞男
DVDジャケットから、中年版「アメリカン・パイシリーズ」みたいな、軽く観られるおちゃらけたコメディーなのかとタカくくっていたんですが意外や意外、人生の機微みたいなものを突いた科白も結構あってこれは掘り出し物でした。やたらとゲイであるかないかにこだわりまくる主人公の同僚二人が、実は互いが気になっていて最後は結ばれましたって結末になるかと予想してたら違った(笑)。情欲に走ってばかりで、パートナーとの精神的愛情を育む事を怠けてた結果、今現在では私生活が不幸のズン底に陥ってしまった私にとって、この主人公の生き方はある意味理想。これからの後半生、路線修復可能?かどうかは別として学ぶべき点が多々あったのでこの点数で。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-19 11:26:59)
635.  今宵、フィッツジェラルド劇場で 《ネタバレ》 
全編を通じ画面を支配する古き良き時代の優雅な雰囲気、郷愁そそるカントリーソングの数々、メリル・ストリープを筆頭とする芸達者な方々のやりとり等、どれを取っても自分好みの作品のはずなのに何故か今ひとつ盛り上がらない。これはおそらく自分の語学力不足のせいで、本来もっと可笑しくなっていいはずの下ネタアメリカン・ジョークや、彼らの会話の中で醸し出されているはずのペーソスが字幕だけでは伝わってこないせいかと思われます。アルトマン監督お得意の、大人数の登場人物の捌き方は本作でも流石に手馴れたもの。「首切り」トミー・リー・ジョーンズ氏が「天使」に連れ去られた事で、劇場が存続出来ましたっていう安易な結末に収まらなくて本当に良かった。アルトマン監督の遺作と知ってから観たせいか、ラストシークエンスの会話に一抹の何とも言えない余情が漂っていたような気がします。メリルの唄は「ハリウッドにくちづけ」でもすでに実力証明済みだけど正に玄人はだし。
[DVD(字幕)] 6点(2007-10-13 10:47:54)
636.  カポーティ 《ネタバレ》 
自分がトルーマン・カポーティについてあらかじめ知っていた情報。「ティファニーで朝食を」の原作者、早くからの文壇デビュー、ゲイで有る事、この三点くらい。迂闊でしたね、これは「冷血」をちゃんと読んだあと観るべき映画でした。当時最先端の流行作家であった彼の驕り、虚栄心、自己愛、苦悩が地味だけれどじっくり描かれていて、これはかなりの見ごたえ。好きな種類の映画ではないけれど、自分は興味深く鑑賞出来ました。欲を言えば、映画版オードリー主演「ティファニー」を観た時に、あまりの原作改悪ぶりに椅子からズリ落ちたとかいう、まことしやかな有名エピソードをちょこっとでも描いてもらいたかったかなあ。ラスト、幼馴染の女性(キャサリン・キーナー)に「(犯人たちを)救うつもりなんか初めっからなかったのよ」という一言がキツかったですね。(←でも彼にはいい薬)結果的に彼の嗜好?で一人の犯人だけにしか取材しなかったのはノンフィクション作者としては片手落ちなのでは?という疑問も残る。この映画の登場人物、一番の「冷血」漢はカポーティ本人だったという苦い苦い後味。
[DVD(字幕)] 6点(2007-10-12 12:17:41)
637.  ある映画監督の生涯 溝口健二の記録
自分が映画監督溝口健二という人物を知ったのは、映画を観るずっと以前に読んでいた、新藤兼人氏著「小説・田中絹代」がきっかけ。ここに書かれていた数々の暴君的振る舞いと奇矯なエピソードとは裏腹に、残されている写真等では薄く笑みを浮かべ一見「好々爺」にも見える。一体、この人はどういう方なんだろうかと、いまひとつ人物像が掴み難く、実際つい最近まで映画自体も敬遠していた次第。このドキュメンタリーに登場してくる皆さんって、溝口映画の常連としてのみならず、日本映画黄金時代の土台を支えてきた錚々たるメンバーの方々ですよね。「俺たち(私たち)が日本映画を支えてきたんだ」っていう、他の何事にも変え難い自負と誇り高いプライドが、溝口監督の思い出を語ることで生き生きと各々の顔に浮かび、また更に輝きを増しているようにも見えます。凄っげえなあ・・・、ここまで彼らを心酔させた溝口健二っていう人は。中でも圧巻はやはり田中絹代本人の証言でしょう。彼女の老いても尚、凛とした語り口を聴いていると、もちろん「小説・田中絹代」はフィクションには違いないのだけれど、ああ、もしかしてあの中に書かれていた事はかなりの割合で真実が含まれていたんじゃないかって思えてきます。それだけにこの小説の映画化、市川監督吉永小百合主演「映画女優」の出来が意外と平凡だったのが悔やまれます。でも小説の方は読む価値充分に有りです、興味が有る方は是非!近年再評価が著しい個人的日本映画ベストワン監督、成瀬巳喜男のこの種のドキュメンタリーも製作されないもんかなあ・・・。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-29 12:44:24)(良:2票)
638.  グッド・シェパード 《ネタバレ》 
とにかく2時間50分は長~い!!秋の夜長にじっくり鑑賞するに相応しい地味な大人向けの大作。仏頂面マットと魅惑の唇アンジーのラブ&クライムサスペンスかと思ってうっかり観に行くと、とんだ肩透かしを喰う事間違いなし。言ってみればアメリカ戦中戦後の裏現代史。非常に多彩な人物が錯綜し、豪華な役者が次から次へと登場しては退場していくので、ちょいと目を離したすきに置いてきぼりを食うのは必至。デ・ニーロの監督としての手腕は、これを観た限りは手堅いとしか言いようがないですね。これだけの長尺だから、何箇所か呼び物になるシーンやケレン味ある演出がもう少し必要だったように思えます。地味な展開だけに時おり思い出したように登場してくるアンジーの派手顔が出て来るたんび、ほっと一息つけるのも確か。マットとアンジーの息子役がミスキャストなので、中盤からの展開にイマイチのめりこめないのが最大の難点。愚鈍なんだか繊細なのか優秀なのか彼のキャラクター設定のブレ具合が非常に気になったなあ・・・。歌がちょっとばかり上手いだけ?だったら俺でもCIAに入れるんちゃうん?なんて思ったり笑
[試写会(字幕)] 6点(2007-09-28 14:21:52)
639.  祇園囃子
デビュー当時の若尾文子の可憐さももちろん捨てがたいけれど、何といってもこの映画は美代春姐さん=木暮実千代のものでしょう!彼女の立ち振る舞い、仕草、そうめんを啜る姿に至るまで、いちいち見惚れているうちに映画が終わってしまいました。それにしてもここに出て来る男どもは、どいつもこいつも悉くサイテーな連中ばかりですね。お茶屋の元締め浪花千栄子の、涼しげに憎々しい巧みな名演との相乗効果で、木暮姐さんの虐げられ耐え忍ぶお姿がいよいよ妖艶にみえてくるのも、溝口演出の計算のひとつなんでしょう。暑い夏の京都裏小路の情緒ある風景、クライマックスからずっと背後に流れるお囃子の音色のここち良さ・・・。もうたまりません。格調高い風俗描写映画のひとつの完成された形がここに在ります。(→池袋文芸座「リスペクト溝口健二特集」にて)
[映画館(邦画)] 8点(2007-09-23 12:30:03)(良:3票)
640.  赤線地帯
当時天才と謳われた音楽担当黛敏郎氏、挑戦的というか実験的といおうか、この作品でも賛否両論を巻き起こしそうな音楽を作曲されてますね~。小菊さんや↓他多数の賛同者の方と同じく、私もどちらかといえば否定派。まるで怪談映画のような♪ヒュ~ドロドロドロ~♪確かにインパクト大だけど、果たしてこのストーリーとリンクしてるかどうか甚だ疑問。この黛氏、小津安二郎監督「小早川家の秋」のラストでも荘厳な音楽を流し観客の不安をやたら煽っていましたけど。(←この作品では効果的でした)80年代に五社監督の映画等で、女優さんが娼婦や芸者を嬉々と演じていた映画が数多くあったけど、何か「娼婦を演じる事が演技賞への早道」みたいな悪しき慣習がこの作品あたりからすでに出来上がっていたような気がしてちょいと歯がゆい・・・もちろん女優の質も演技も、この頃の方が段違いに上なのは間違いないけれど。ミッキー=京マチ子の「八頭身やっ!」では場内一斉に笑いの渦。同じタイミングで他のたくさんのお客さんと笑えるって、映画館ならではのすごく幸福な気分。京マチ子は楊貴妃じゃダメ、ミッキーみたいな役どころこそが本筋だと思います。今回はスケジュールが合わず見逃しましたが、同監督同系列作品「夜の女たち」も機会があれば映画館で観てみたい。
[映画館(邦画)] 7点(2007-09-22 11:23:11)
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