621. 善き人のためのソナタ
《ネタバレ》 何の予備知識なしに観たので、ヴィスラー大尉がなぜ、この若い二人を助けようとしたのかが、ちょっと分かりにくかった。彼らがピアノで弾いてた曲がそう思わせたのならば、もうちょっとその辺を描いて欲しかった。でも、久々に良い映画観たなあと思いました。構図がきれいだった。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-15 01:05:24) |
622. 恋の十日間
《ネタバレ》 どこか人生に疲れてるのか、影のあるジョセフコットン。戦場での後遺症に悩んでたり、孤児であるこの役にピッタシ。きっとこのドラマでも、そこに女性が同情して、魅かれて行くのかと思えば、女性もワケありの人だった。寂しい二人が出会えば、恋の予感。でもやはり、舞台を整えたのは、日本の敵国だった、この国の人達の明るさ。最初の電車で隣りに座った水兵さんや、二人を暖かく迎える、親戚の家族の人達。さりげなく、気をつかう人達ばかり。今の先進国の映画が置き忘れた、愛があふれてる。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-08-10 22:32:25) |
623. カード・カウンター
《ネタバレ》 スコセッシとポールシュレッダーのコンビである。 二人のコンビと言えば、「タクシードライバー」である。 あの映画も、ベトナム帰還兵のトラウマが描かれていたが、 本作も、軍での尋問に耐える姿が、映画に出てくる。 非常にカジノの蘊蓄や軍の尋問のことなど、 台詞に出てくる興味深い内容が面白い。 前半はそれで話を引っ張り、 後半、カジノで儲けた金で青年の未来を買おうとするが、 青年は復讐に人生をかけ、殺されてしまう。 それをギャンブラーが、代わりに上官を殺してまた刑務所もどり。 そんな話なのだが、 話の進行が、新しい。 出てくる建物、セットすべてが洗練されていて、 今までの生活臭のある映像ではない。 [DVD(字幕)] 7点(2024-05-04 01:12:15)《新規》 |
624. アンダーカレント
《ネタバレ》 嘘つきの映画といえば、日本映画では根岸監督の「永遠の1/2」。 今泉監督の本作のラストで、それを思い出しました。 嘘つきには、遠く離れてついていくとこ。 今泉監督の会話術の巧みさで、サスペンスタッチになっていくとこは、新境地でした。 でも真木よう子が嘘つきだったから、瑛太も嘘つきになったとも言えなくもない。 だから、お兄さんの一言で、真木よう子の魔法が解けたら、瑛太とも上手く付き合えるのではないか? だから三角関係の始まりのようなラストでした。 いいね♪ [DVD(邦画)] 7点(2024-05-04 00:38:40)《新規》 |
625. あのこは貴族
《ネタバレ》 地方流入者と地元。東京と地方。 この二つの軸が、一人のエリート男性一族の中で展開する。 エリートを高良健吾が好演。 嫌な奴なのだが、ラスト、門脇麦の表情に、さわやかな好青年なのかな?と思わせる。 門脇麦のただそこにいるだけのお嬢さんが、いかにも居そうな感じをさせる。 こんな人種、いるの~? いたら格差社会のモンスターだよ。 でも確かに地元民には、地方漂流民の姿は見えにくい。 地元民は繁華街とか近寄らないからだ。 大都会の男の不倫の対象にされた、二人の女性起業家の一言。 「私たちって東京の養分だよ」 大都会東京は、地方の若者の養分でこれからもドンドン肥え太るのか? [DVD(邦画)] 7点(2024-04-29 23:05:20) |
626. せかいのおきく
《ネタバレ》 どんな職業にも、それを見ている女性がいる。 そんな阪本監督の祈りが感じられた。 江戸は上下水道の整備された街だった。 これは欧米と違うとこだったようだ。 上水は、川から水を引いて、井戸を作る。 下水は、糞尿を集めて、田畑の肥料にする人たちがいた。 そんな糞尿を集める人たちの物語だ。 もともと阪本監督は地味な素材を傑作にする名手である。 このような素材も、一本の映画に仕立ててる。 安政の大獄で弾圧を受けた父と、その娘。 そんな、世界に日本が拓かれようとしている時代の女性を黒木華が好演している。 [DVD(邦画)] 7点(2024-04-28 22:35:52) |
627. スイート・チャリティ
《ネタバレ》 シャーリーマクレーンの傷ついても傷ついても、愛を求める女が よかった。 ハスキーボイスがカワイイ。 何よりボブフォッシーの振り付けが、カッコイイ。 ダンスと言えば、今の若者にはオリンピック競技のブレイキンだろうけど、 昭和生まれの自分には、こんな振り付けがセンスの出発点。 非常に今観ても、映像的に刺さる。 ダンスの一瞬一瞬が、絵にしたくてしょうがないくらい、痺れるのだ。 [DVD(字幕)] 7点(2024-04-27 21:24:34) |
628. ラスト・アメリカン・ヒーロー
《ネタバレ》 ニューシネマの佳作。 コロシアム風のカーアクションは、アメリカならでは・・ そして、そこで名を鳴らして、カーレースへと乗り出す主人公。 苦い女性との思い出は、いかにもバッドエンドなニューシネマ。 実話と知って、驚き。 ジェフブリッジスの若い頃が堪能できる。 [DVD(字幕)] 7点(2024-04-18 00:02:30) |
629. ブロンコ・ビリー
《ネタバレ》 才色兼備のソンドラロックとの共演が多かった頃の映画。 女性にモテモテだったイーストウッドだが、ロックを見捨てておけなかったんだろうね・・ その辺の男女のギクシャクからラブラブになる様子がこの映画で描かれている。 (ネットで調べると、イーストウッドの実人生の女性観が「え!?」ってことが分かる) 彼らにとって青春の一本。 いよ~、お二人熱いねって感じです。 カウボーイハットが似合うイーストウッド。 カウボーイハットアメリカンの今を描いた「運び屋」や「クライマッチョ」も好きな作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2024-04-14 00:25:56) |
630. 黒い罠
《ネタバレ》 オーソンウェルズは、スゴイ! ヒッチコックのやりたがらない、女性に手を出す展開も、やってのけてしまう。 多分、当時は、かなりショッキングなものだと思う。 やり手の悪徳警官に対する正義側が押され気味なところが怖い・・ 悪のキャラは今観ても斬新。 臆病なモーテルの管理人をはやしたてるチンピラの様子は、タランティーノが影響受けてるんじゃない? そもそもオーソンウェルズみたいな俳優、その後いないっしょ!? 白黒の構図が見事で、アメコミの漫画を見ているよう。 多分、アメリカの漫画家も、この映画を観て手本にしたのでは? 大友克洋の「アキラ」のジュークボックスは、ここからかな? [DVD(字幕)] 7点(2024-04-12 22:58:10) |
631. ギャンブラー
《ネタバレ》 アルトマンの映画鑑賞にはコツがある。 群像劇の名手なので、サイドエピソードも主役級のドラマ性があるのだ。 だから、メインストーリーが曇りがちである。 だが、本作、群像劇ではなかった。 ギャンブラーなどと言うタイトルなので、マックィーンの「華麗なる賭け」のような内容と思いがちだが、 経営の話だった。 明治頃のアメリカの経営話は、怖いねぇ・・汗 暴力でケリをつけるお国柄だったんだね。 日本のヤクザ映画みたいなことを企業がやってたら、そりゃ、ビビりますって。 ラストは、ニューシネマらしい締めだった。 [DVD(字幕)] 7点(2024-04-10 01:19:53) |
632. 八甲田山
《ネタバレ》 橋本忍脚本にアクションを加えたらどうなるか? もうそれだけで、一見の価値がある。 見事なリーダー論になってる。 二つの隊が、雪の中の行進をする。 それぞれの隊のリーダーの在り方で命運が変わる、と言ってもいいくらいの違いがある。 吹雪の中、あと2キロの目的地に行くか行かないか、土地に詳しい案内を頼むか頼まないか・・等々 中盤、北大路欣也の部隊が全滅したあと、高倉健の部隊が進むかどうか、 軍本部は中止させたいが、連絡方法がない、というとこは、もっと見せ場にできたと思う。 ラスト、生き残った部隊が、日露戦争で全滅したという説明書きが出て、鑑賞後、凹んだ。 (実話ですよね。簡単にコメント言えない) 木村大作の撮影が見事!さすが日本を代表するカメラスタッフ! [DVD(邦画)] 7点(2024-04-07 21:10:13) |
633. コールガール(1971)
《ネタバレ》 名作として有名な作品。 当時、コールガールの心情を的確に捉えた映画が少なかったからだろうか・・ ジェーンフォンダのアップが多い。 アメリカ人女性の顔のつくりが分かる。 漫画家大友克洋の女性は、この映画のジェーンではなかったか・・ 彼の漫画を思い出した。 [ビデオ(字幕)] 7点(2024-04-05 21:47:32) |
634. 天国の日々
《ネタバレ》 テレンスマリックは、静かな口調で、きれいな映像で語る。 野心のために、(素直になれないために?)、自分の彼女を金持ちの嫁にやる。 そこから、「天国」の日々が始まる。 もう汗を流して働かなくていい、そんな「天国」。 日本では、明治から大正に代わる頃のお話。 西部劇の世界が終り、アメリカンドリームを実現せんとする若者たち。 だが、人間も甘くないし、自然も甘くない・・(イナゴの大発生を描いたアメリカ映画って、他にある?) [ビデオ(字幕)] 7点(2024-04-01 15:41:20) |
635. 座頭市 THE LAST
《ネタバレ》 阪本順治の「ザ・座頭市」ですね。 とても映画的ではあるけど、座頭市の映画ではないですね。 座頭市の魅力と言うのは、好敵手や敵とも言えない相手(時には愛する相手)と やむにやまれぬ決闘をするのが魅力です。 仲代達也と闘わせたりするアイデアも面白いですし、すべりやすい雪でのアクションのアイデアも 秀逸ですが、やはり阪本映画としてしか面白がれなかったですね。 このタイトルにめげずに、どんどん色んな監督が座頭市を創れればいいんじゃないでしょうか? 「座頭市~お終い~」「完結編」「さらば座頭市」とか。 なんちゃって最終回にして、また新しい座頭市が観たいです。 日本映画、得意じゃないですか、そういうの(笑) [DVD(邦画)] 7点(2024-03-31 02:52:14) |
636. 御存じ いれずみ判官
《ネタバレ》 遠山の金さんですね。 時代は、天保の改革の頃。(幕末前の江戸後期) 普段は遊び人の金さんが、何気に正義のために動く。 この映画には銭屋五兵衛まで出てくる。 講談ではおなじみのキャラらしい。 古本屋に、この人だけのテーマの本があったから、有名なんだろうな。 ラスト、狂言を演じつつ、真相をお上に訴えるとこが何とも粋ですね。 1950年後半から1960年くらいのカラー時代劇は面白い! [DVD(邦画)] 7点(2024-03-26 02:55:07) |
637. 素晴らしき日
《ネタバレ》 ニールサイモンの脚本。 ニールサイモンといえば、「グッバイガール」でお馴染みのラブコメ。 90年代のニューヨークが舞台。 テンポよく現代劇に仕立ててる。 ミッシェルとクルー二の、いい女といい男の感じのいい話。 [DVD(字幕)] 7点(2024-03-23 23:09:13) |
638. 丹下左膳(2004)<TVM>
《ネタバレ》 テレビ映画の丹下左膳。 丹下って吉宗の頃なんだね。 暴れん坊将軍と大岡越前のころですな。 シリーズ物の時代劇映画って、この頃と、江戸後期から幕末にかけてと大きく二つに分けられる。 鞍馬天狗や眠狂四郎は後者。 そして、本作だが、分かりやすい丹下だね。 初めて丹下を観る人には、いいかも。 [DVD(邦画)] 7点(2024-03-16 22:50:21) |
639. レッド・バイオリン
《ネタバレ》 様々な人の手に渡った、なんかしらの物が「呪い」をもたらすという話は、 ホラーなどではよくあるパターン。 でも、様々な演奏家により名曲を奏でたバイオリンが、 ラスト、オークションにかけられるというのは、変わった趣向。 様々な演奏家のエピソードも秀逸ながら、 クライマックスがオークションというのは、他にはないですよね。 飽きさせない展開で面白かった。 [DVD(字幕)] 7点(2024-03-16 00:02:40) |
640. ブレイズ
《ネタバレ》 評価のついて回らない、女好きの実力派を演じさせると、 とかくポールニューマンは渋い! いやぁ実話なんですね。 アメリカらしい話だなぁ。 政治家とストリッパーの愛の話。 ちょっと失礼かもしれないが、 野村監督とサッチーを思い出した。 曲者には、裸一貫で生きてる女性の方が相性がいいのかもしれない。 (サッチー、失礼!汗) [DVD(字幕)] 7点(2024-03-14 22:05:49) |