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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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621.  聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ
実際に起きたアル・カポネによる「聖バレンタインデーの虐殺」をドキュメンタリータッチで映像化した傑作。 「機関銃ケリー」でも堪能できるコーマン得意のB級的かつスピーディーで緻密な演出の数々はモチロン、ド派手な銃撃戦は「暗黒街の顔役」へのオマージュも感じさせる。  というより、「暗黒街の顔役」は実際に繰り広げられた様々な抗争事件を一つの流れに収めてしまった所が凄い。 ベン・ヘクトの並外れた脚本がそれを可能にしているのだ。 一方で、コーマンはそれを一つ一つ丁寧に映像化している。 この「聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ」を見る事で、如何にハワード・ホークスやベン・ヘクト、ハワード・ヒューズの「暗黒街の顔役」が凄い映画だったのか更に理解を深める事が出来るだろう。  ジェイソン・ロバーツの演技がサイコーです。  「B級映画の帝王」はコーマンに与えられた最大級の賛辞だと俺は思う。 A級と呼ばれる映画人にはけして作れない娯楽、娯楽、娯楽。 黒人を描いた社会派ドラマでも「侵入者」という大傑作を残しているが、モチロン酷い(褒めてる)映画もいっぱいある。 そんなコーマンをコーマンたらしめるズバ抜けた傑作が「聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ」だ。  何?バレンタインデーにチョコが欲しい?ホワイトデーのお返しは何が良いかって?  そんな時はトンプソンで鉛玉をたらふく食わせてやれ。ホラ、劇中の人間も口から(血が)溢れるほど美味しそうに食べて・・・嘘々、冗談ですよ。 ちゃんとチョコで返事しましょう。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 21:41:47)
622.  ウエディング
アルトマン初心者にオススメ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 21:38:07)
623.  深夜の告白(1944) 《ネタバレ》 
ワイルダーの傑作は数あれど、個人的に最高傑作を一つ挙げるとすれば「深夜の告白」になるだろうか。 レイモンド・チャンドラーと組んだシナリオというだけでも凄い。 「失われた週末」「サンセット大通り」に先駆けた初期の傑作フィルム・ノワールであり、ワイルダーが余り好きで無いという人間にもオススメする作品だ。  真夜中のハイウェイ。 冒頭から車をブッ飛ばして会社に駆け込む一人の男。どうやらこの男はかなりワケ有りのようだ。 そこから回想形式で事の顛末を告白していく形式が面白い。 如何にして事件に至ったのか。倒錯的なサスペンスとして、中盤から徐々にスリルを増していくストーリーが面白かった。 エンジンが中々かからない場面も異様に緊張感を盛り上げる。 バーバラ・スタンウィックの悪女振りも最高。真の主役はフレッド・マクマレイではなくエドワード・G・ロビンソンなのかも知れない。どちらも素晴らしい名演だ。  ワイルダーと組んだレイモンド・チャンドラーだが、この二人の折り合いは最悪と言っても良い。 ジェームズ・ケインの原作が元だが、そもそもチャンドラーはケインの作品が大嫌いだった。元々金欲しさで契約を結んでいたに過ぎず、ケインと同席しようものなら遠慮なく作品を酷評するほどだった。ワイルダーも余り好きではなかった。 ワイルダーが長くコンビを組んてきたチャールズ・ブラケットまで「糞」呼ばわり。こんな状況で一体どうやってこの傑作が生まれたのだろうか。不思議でしょうがない。  だが、それと作品の完成度は別だ。 チャンドラーの鮮やかな脚色、ワイルダーの辛辣な人物描写。制作現場のギスギスした空気は、そのまま映画の面白さに結びつく。 そんな二人を不安に満ちた表情で見守るかのようなミクロス・ローザの音楽も秀逸だ。いや、実際にカメラで見守るのはジョン・サイツの見事な撮影だろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 21:32:42)(良:1票)
624.  侠女
キン・フーが何故巨匠と呼ばれるのか。それはひとえにアクション豊富な娯楽もあれば、映像の美しさを求めた幻想的な作品も撮っているからだ。 キン・フーにカンヌでの受賞という名誉を与えた「侠女」。 俺は「山中傅奇」の方が完成度は高いと思うし、アクション映画にしても「迎春閣之風波」「忠裂圖」ほど洗練されたものは感じない。 それでも「侠女」が一つの到達点として語られる事は間違いないだろう。 キン・フー映画にしては上映時間の長さに驚くが、計算された画面作りと中盤のアクションはやはり凄い。 竹林における戦闘は屈指の名場面だ。人間離れした跳躍で切り結ぶ武人たちが入り乱れる! 特筆すべきは、ヒロインの徐楓の演技が素晴らしい。 他のキン・フー映画は女性としてはパッとしない・・・つうか男女関係無くブッた斬りまくりの凄まじい役回りが多すぎた。 今回の徐楓は女性らしさを細かい表情の違いで見せてくれる。キン・フー映画の常連である徐楓は、彼の作品を通して確実に役者としてのスキルを上げていったのだろう。 後の「グリーン・デスティニー」における強烈な役回りも納得がいくぜ。  終盤の展開は「あれ?見る映画変わった?」というくらい蛇足というか、別の映画になったと錯覚を起こす余計とすら思えるクライマックスだが(やや難解だし)、それでも画面全体を包み込む太陽の美しさ。 この映像の美しさがキン・フーを巨匠にしたのだろう。  彼の代表作としては充分な仕上がりだ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 21:29:12)
625.  我等の生涯の最良の年
戦争の傷跡から苦悩し、再び立ち上がろうとする3人の男たちと家族のドラマを描いた作品。 戦場で様々な「何か」を失い帰還した3人の男たち。それを暖かく迎え入れる家族たちも、何処か後ろめたい暗さを見せる。 悪夢にうなされていた男は、現実でも妻にうなされていたろうぜ。廃棄寸前の飛行機に居心地良さそうに座る姿なんかさ。心がどっか行っちまってんのさ。 そんな男たちが再び家族や恋人と交流し、自分なりに立ち直っていく姿に勇気付けられる。良い映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 21:24:43)
626.  黒蘭の女 《ネタバレ》 
ワイラー版「風と共に去りぬ」。 スペクタクルを期待する人間には少々物足りないかも知れないが、普通のメロドラマを期待する人には充分な作品。 少なくとも俺は「風と共に去りぬ」よりも好きだ。 ベティ・デイヴィスの演技が良い。気が強くワガママだったヒロインは、やがて気丈で落ち着きのある大人の女性へと成長していく。 物語は南北戦争を背景に男女の複雑な絡み合いを見せる。 彼女の着た「真紅のドレス(白黒画面では黒衣のドレスにしか見えない)」は別れの印か。彼女は“ジイゼベル”と呼ばれる男を狂わせる女なのだろうか。 いや、感情こそ激しいがラストの彼女の姿は気高い一人の女性でしか無い。病なんて関係ない。だって彼を愛しているのだから。 愛する男を殺そうとする病が、再びヒロインと彼を結びつけるとは何とも皮肉なものだ。   「そうだ明日があるは」何て事言いやがる女と、病が染つるかも知れない男に「愛しているから」ってだけで追いていく女、どっちが良いよ。俺は後者だね。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 21:23:03)(良:1票)
627.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 
本作は「深夜の告白」と共にビリー・ワイルダーが苦手という人にもオススメな最高傑作の一つ。 窓の明りで始まる物語、保険会社に務めるさえない平社員のバド(バクスター)は回想形式で自己紹介を済ませると、毎晩“ラブホテル”と化した窓の明りが消えるまで会社で暇を潰したり家の外で待たなければならない様子を観客に見せる。 嫌な上司と鉢合わせするよりもレジスタとにらめっこしていた方がまだマシ、社員がバカなら他人の家で情事にふけるクソ上司。オマケに隣の医者に変な勘違いまでされる始末。残った酒で孤独な自分に乾杯。それを雨に濡れた冷たそうな舗道で孤独に耐えながら待ったり、キング・ヴィダーの「群衆」を思い出すオフィスと天井が拡がる空間で黙々と仕事をする姿が余計に寂しさを感じさせる。 ワイルダーの映画が面白いのは、こういう会話だけでなく細部まで造り込まれた空間が我々の眼を楽しませてくれるからであろう。 バドは不幸続きで何かと苦労を重ね、お人好しの面があり何時の間にかホテル代わりに自分の住むアパートの鍵を貸し放題。家に帰れば何時も「宿泊人」の後始末。友達への助け舟が何時の間にか上司(情事)の密会場だもんなあ。 そんなバドにも好意を寄せる女性。その彼女もまた秘密を隠している。 バドもまた生来のポジティブで前向きな性格で何時までもクヨクヨしない、殴られても殴り返さない、しかし汚名は全部返上する男に成長・・・いや戻ったのかもな。 紆余曲折を経て二人の男女の距離は縮まる。縮まったりまた離れたり。そして束の間のトランプ、ラケットで茹でたパスタをキョトンとしながらも美味しそうに食べる彼女の笑顔。 職は失ってもかけがえのない隣人を得たバド、成功は収めても大切な隣人を次々と失っていくシェルドレイクの対比。悲惨な奴だ。あ、トイレの鍵はゲットしたか。 どんなに良い仕事でも、惚れた女には敵わない。シェルドレイクの仕事を蹴りイキイキと去っていくバドの姿は何度見ても良い。 「彼女を待たせているんだ」の場面で終わっても良かったが、その後に素敵な“奇跡”を用意するワイルダーの二段構え、お見事。愛のないキスに表情は変わらず、愛のこもったトランプで微笑む彼女。 勘違いとはいえ、二人とも気付いた瞬間に全力疾走で相手の元に駆け寄るお似合い振り。 ラストなんかキャプラの「或る夜の出来事」を思い出した。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 21:21:37)(良:1票)
628.  ゾラの生涯 《ネタバレ》 
エミール・ゾラの一生をスピーディーな展開で魅せるウィリアム・ディターレの傑作。 とにかくポール・ムニの演技が最高すぎる。 ただ1本のペンで様々な権力や政治問題に爆弾をブチ込み、切り裂いては果敢に立ち向かったゾラ。 「ペンは剣より強し」身を持って証明した偉大なる作家だ。 特に中盤の「ドレフュス事件」を巡るドラマは素晴らしい。クライマックス直前の法廷劇も面白い。 時間としては短いものだが、法廷劇としても最高の部類に入る屈指の名場面だ。 ドレフュスを演じたジョセフ・シルドクラウトの演技も大変素晴らしい。  ポール・ムニは大好きな俳優の一人だ。 「暗黒街の顔役」や「科学者の道」「仮面の米国」での演技も最高だった。正に唯一無二(ムニ)の役者だぜ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 21:16:58)
629.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 
「ヒズ・ガール・フライデー」「イヴの総て」に並ぶセリフ劇の傑作。 フランクリン・J・シャフナーが演出を手掛けたドラマが原作だが、映画版となったシドニー・ルメットのこの作品もモチロン面白いし、リメイクとなるウィリアム・フリードキン版やニキータ・ミハルコフ版もまた面白いんだよなコレが。 同時に、ハリウッドのアカデミー賞ってシステムがクソッたれだという事もよーく解る作品だ。 あの雨上がりのシーンを撮影した名カメラマンのボリス・カウフマン! ソ連出身、「これがロシアだ!(カメラを持った男)」を手掛けたジガ・ヴェルトフの弟、 「アタラント号」「波止場」「ベビイ・ドール」を撮ったカウフマンに撮影賞を与えないなんてアホなのか? そりゃあ、受賞した「波止場」に比べたらシーン数は少ないだろうよ。 だが、ラストシーンにおけるカウフマンの撮影が無かったら作品の評価そのものが割れるほどだと俺は断言したい。 何と言ってもヘンリー・フォンダが闘いを終えて外に出るシーン。 今まで降っていた雨が止み、法を巡る論戦からの、密室からの解放感。濡れたアスファルトから漂う蒸気の涼しげな様子。その場所でフォンダと御老公が互いの健闘を讃えてそれぞれの名前を聞くシーン。 このシーンの何ともいえない空気感というか、一仕事終えた後のあの達成感。 それがラストシーンに刻まれているのよ。 密室において繰り拡げられる12人の男たちの言葉をぶつけ、言葉による殴り合い。たった1人の少年の命のために。 無罪なら(人生を)延長、有罪なら即座に・・・無駄と解ったらブッ殺して(死刑)楽にしてやればいいのだから。 異を唱える1人の男がイカれているのか、 それとも何の疑問も抱かず問答無用で少年に死刑を下せる11人の男たちがイカれているのか。 セリフだけかと思いきや、証言を思い返す内に出てくるナイフ、現場再現、子供の写真、そして眼鏡。 フォンダの言葉だけが11人の男たちを動かすワケじゃない。 過ぎる時間、暑さ、降りしきる雨、雨、雨。心も身体も消耗、誰が最後まで粘り、誰が最後に折れるのか。 12人の、そして傍観者・伝達者として部屋に出入りする13人目の男。 欲を言えば例の女性や例の御老人の姿も一瞬でいいから見せて欲しかった。 ま、そこは小説のように想像に任せるとしましょう。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 02:19:02)
630.  ダーティハリー 《ネタバレ》 
個人的にシーゲルは「殺し屋ネルソン」が最高傑作だと思うが、イーストウッドとのコンビはコレがベスト。 赤狩り(レッド・パージ)の嵐が吹き荒れる時代から戦い続けてきたリベラル派シーゲル、そしてスパゲッティウエスタン(マカロニウエスタン)を経てアメリカに戻ってきたアンチ・ヒーローが結んだ師弟関係。その二人が70年代に蘇らせる刑事アクション。 輝くバッヂと法の文章、ドス黒いサイレンサー付きライフル、スコープに映る標的、襲い掛かる凶弾…! 黒いサングラスで威圧するように登場するハリー・キャラハン。 ハリーは手がかりを得るためにひたすら歩き壁をよじ上る。どんなにボロボロになり砂の山に埋もれようとも。ペンが拾い上げる証拠、残される犯人からの挑戦状。ここからクソ野郎スコルピオとハリーの孤独な戦いが幕をあけるのである。  やさぐれ警官がやさぐれたのも腐った世の中で自分の意思を貫き続けたためであろう。むしろ汚名を背負ってまで仕事を、肌の色に関係なく平等に嫌い、思いやり、鉛弾をブチ込み、理由なく殺された人々の無念を晴らそうとするハリーを俺は心から応援してしまった。その姿勢は映画監督として「許されざる者」や「グラン・トリノ」といった傑作でも貫かれる。  食事中に事件が起きればマグナム片手に車ごとブッ転がす!水道が噴出する中をゆうゆうと、のしのしと歩き、撃ち尽くした拳銃の銃口を向けてショットガンに手をかけようとする犯人に警告を示す。犯人はそのことを知らない。 「ホラ、入ってないだろ?」って笑顔がたまらない。  対するスコルピオの次の標的を物色し不気味な笑みを浮かべる狂気。 ヘリによる捜索、夜の市街を淡々と走り、窓から覗くもの、窮地と救助、イーストウッドが監督したビルにおける説得場面。殴りつけて必死に抱え込む姿が面白い。 捜査とはいえ堂々と覗くハリーもやっぱり男。でも前の奥さんを気遣ってか再婚もしない。 ボルトアクションライフルによる狙撃とマシンガンによる銃撃戦、夜の暗闇で影が蠢き、あらゆる閃光が照らす。  脚に仕込むナイフ、バッグを抱えて公衆電話から公衆電話への移動、走り続ける追跡、トンネルでのひと悶着、銃撃戦、ナイフ。 恐怖の鬼ごっこ、人の人権踏みにじっといて弁護士呼べとか言ってるクズの脚の傷を踏みにじって何が悪いというのか!人質最優先で手掛かりを得るために殺さない、あるいは警察という組織を信じているからこそ法の裁きに委ねようとしたのかもしれない。 ボロクソになっても諦めないスコルピオのしぶとさもたまげたもんだ。  あの明け方に哀しそうに、疲れ切ってたたずむハリーの姿といったらないぜ。病院への見舞いとレディ・ファーストな気遣いは数少ない癒し。  信じていたものに裏切られる絶望、悪魔が世に再び解き放たれ再び犯罪が繰り返されるやるせなさ。  バイソンの群れ、バスという密室で子供たちに狂気を振りまき、橋の上から走行する車両に飛び乗り一騎打ちへ! 工事現場の狭い道におけるジリジリとした追跡のスリル、石を運ぶレール、開けた空間に見つける切り札あるいは逃げ場を失う選択か。冥途の土産に弾丸も星もくれてやる。  「真昼の決闘」のゲイリー・クーパーは、自分でまいた種によって民衆にも仲間からも見捨てられたことを“認めて”か、バッヂを地面に捨て自分を信じてくれた若妻と一緒に去っていく。 本作のイーストウッドは民衆を信じ、腐敗した警官と法に対しての怒りをこめバッヂを投げ捨て独り寂して去っていく。 「荒野のストレンジャー」で「真昼の決闘」のifを描いたイーストウッドだ。あの場面は完全に当てつけです(褒め言葉)。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-10 20:43:10)(良:1票)
631.  戦艦ポチョムキン 《ネタバレ》 
実際に起きた反乱を元に描かれる本作。  今でこそ「モンタージュ技法なんて使い古されて新鮮味なんか無いよ」と言うかもしれない。 ただコイツを見たらそんな事は言えなくなる。  この映画のモンタージュは新鮮味ではなく驚きと興奮のモンタージュだからだ。 冒頭数分の単調さが、兵士の怒りの声が挙がるあたりから面白くなる。 ウジが湧いて腐った肉を、これほどまでに生々しく描写する。 腹が減っては戦はできぬ。 飢えた軍隊は勝てない。 軍の底を支える兵士の扱いの不当さ、上層部の傲慢への怒り。 当時のソ連社会への怒りを、食料を通じて描くその生々しさ!  それを巡って反乱が起き、その波は民衆にまで流れていく。 そして血で血を争う戦い・虐殺。 「ストライキ」を超えたカタルシス。 母親に抱きかかえられた子供。 手当をしても何をしても助からない。 命の軽さと重さ。 一体民衆が何をした。 ロシア革命から続く理不尽な市民の虐殺。 その怒りを、惨たらしく死んで行く人々の叫びで訴えかける強烈な映像! それをここまで残酷かつ力強く映していく。 画面に映る男も女も、みんな時代の波にさらされながら、力強く抗い生き残ってきたという鍛えられた表情をしている。 それだけに説得力も段違いだ。 よくもこんな凄い映画を検閲だのなんだのでカットしたり焼き捨てるなんて馬鹿みてえな事が出来たもんだ。 スターリンが悪いんじゃない。 そんな理不尽なやり方を実践できる「人の心」が腐っているのだから。 ふざけやがって・・・。  この映画は「面白さ」を楽しむ映画じゃない。 戦争に対する怒りを感じられるか感じられないか。 それを個々の視点で感じて欲しい映画である。 シベリアの雪の大地を踏み歩くロシア人の力強さを・・・!  そしてこの映画を探し出し、再びこの世の中に蘇らせてくれたスタッフに感謝したい。 音楽的には「マイゼル版」がオススメかな。 あの旗を染めた「赤」の色のように、いつまでも鮮やかに輝く映画だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-10 07:21:30)
632.  大酔侠
キン・フーは大好きな監督だ。 メチャクチャ面白いし飛び抜けてる(俳優のブッ飛び具合が)。  「大酔侠」はそんなキン・フーの最初の傑作だと思うし、俺が一番好きな作品だ。 後年の「迎春閣之風波」や「忠烈図」「侠女」に比べるとまだまだ完成されていない部分も多いが、それでも個性豊かで魅力的な登場人物、ユーモア&ヴァイオレンス、迫力満点の大立ち回りと既にキン・フー映画の醍醐味が詰め込まれているぜ。 まあ、俺が一番好きだと言う理由はやはり“女剣士”の一言に限るね。 冒頭のド派手なスタートダッシュから一転、雷鳴と共に登場する旅の剣士。“最初”の主人公だ。 この後「取って置き」のキャラクターが出てくるが、ソイツのやり取りはもう最高。 寡黙で男勝り、気丈に振舞うもピンチの時は女らしい一面も覗かせる・・・強い女性は万国共通で美しい。 一見すると普通の顔立ちなんだが、女の一面を覗かせる時、そして戦っている時の彼女はカッコイイし美しい。 傷を負った時は不覚にもドキッとしてしまった(キン・フーなのに)。 キン・フー映画の女って愛嬌より度胸・華より青龍刀・色気皆無(褒め言葉)の女傑キャラしかいないのかと思っていたが、そういう意味でも彼女は大変貴重なキャラだ。  ペイペイに魅せられた野郎共は「侠女」も必見だ。あの作品の彼女はとにかく素晴らしい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-07 02:31:24)(良:2票)
633.  キートンの大列車追跡 《ネタバレ》 
再見。 やはり何度見ても・いつ見てもアクション映画としてまったく色あせない面白さだ。 「将軍」または「大列車追跡」「大列車強盗」の名でも知られる、「トイストーリー」や「怒りのデスロード」をはじめ様々なアクション映画に影響を与え続けるキートンの傑作の一つ。  個人的には冒頭から濃密に展開される「カメラマン」が一番好きだが、南北戦争を描いた作品はコレが一番だろうな。  キートンの映画にしてはかなりゆったりしているが、走りはじめ徐々に加速していき最高潮に盛り上がる展開は「セブン・チャンス」や「蒸気船」に並ぶ後半大爆発型の面白さ。 それに第一次大戦を生き残ったキートンの南北戦争時代の服装や武器へのこだわりも徹底している。   のどかな風景の中を列車が疾走し、キャメラは機関士と列車に刻まれた“General(将軍)”の文字を捉える。キャメラはひたすら横に移動し続け、キートンや列車たちの運動(アクション)をフィルムに刻んでいく。  列車から降りていく人々の賑わいと活気、愛する女性の写真をしまい家へと向かう。 愛しの人が外にいるとも知らずに、家のドアの前まで子供を連れて進み続けるとこからして微笑ましい。 2人っきりになるために子供たちを外に追い出し、自慢の機関車の写真を見せる。 ドアを開けた瞬間に鉢合わせする男たちは、握手を交わして何処かへ消えていく。キートンもまた足元がお留守になるくらい恋人との別れを惜しむ。  街に響き渡るであろう戦争と志願する男たちの足音、狭い室内で軽々と机に飛び乗り、列の前まで飛んでいってしまう身のこなし。 理由もわからず腕っぷしや身長を見比べたり、帽子を被りなおしたり職業を偽ったり再挑戦したり、一生懸命な姿がコミカルだけど物悲しい。  しょんぼりして機関車の連結棒に座り込んでいると、誰かが乗り込んで列車を突き動かしてしまう追い打ち。戦争にしょんぼりしている時間なんて無いのだ。  野営地、スパイ活動の作戦、地図。  物語が大きく動き出すのは列車が駅に停車する瞬間から。 車両に乗り込む者、引き抜かれる鉄棒、杖の一振りとともに列車に雪崩れ込む部隊、置いていかれたら、奪われたら全力で走って走って走りまくり奪い返しに戻って来る! 家族同然の愛する列車のため、愛する人のために命懸けの追跡劇へ。  断ち切れらる電線、破壊工作、ポイントの切り替え、一人手漕ぎトロッコ、盗んだ自転車ですってんころりん、列車だけ頂戴して追跡続行。こういうジリジリとしたチェイスは最高だね。  休憩する間なんて与えるものか、列車砲を拾い、列車の上を駆けずり回りあの手この手で駆け引きを続ける闘い、タンクの水がかかろうが、砲弾かついで込めて発射準備、勝手にピンチになって材木ブン投げたってどうしようもない、徐々に距離を詰めたり引き離されたりを繰り返し、吹き上げ続ける煙、線路に落とされるもの、線路から弾き出すもの、自力で担ぎ上げ乗り上げる材木との格闘、自らを切り離し破壊され燃料にされていく列車、トンネルだって燃やし、空回りするなら砂利をかけてまた追いかけ、襲い掛かる蒸気と煙、いつの間にか南北戦争の戦場に迷い込んでしまう、無我夢中で気づかず我武者羅に動き続ける、慌てて軍服を脱いで隠したり、橋の上と下、降り注ぐもの、密林への疾走と降り注ぐ雨。  敵地でうっかり情報を掴んでしまうスリル、変装、罠との格闘、雷雨の中で抱き合う恋人たち。  袋に隠すもの、担ぎ上げるもの、引き抜かれるもの、めまいがしそうなほど重いものが詰め込まれ、板切れで殴りつける大列車強盗!  ロープをくくりつけ薙ぎ倒し叩っ切り、踏んだり蹴ったり水責めされて散々、垣根は解体され燃料となり、ロープは一直線に張られ木を根こそぎ引っこ抜き、積み荷は線路にばら撒かれ蹴散らされ、材木は脳天を直撃する。  鎖でくくりつけ、斜面を滑って登って、ランプは火種になって橋を焼き尽くし、撃たれた理由、運ばれてきた情報と出撃、群衆の中を轢かれかけながら突きっきる再会、人馬が駆けだす出陣、狙撃、死に様はブラックユーモアも混ざり、砲弾の行方、押し流すように畳みかけ、引き継がれるものは消耗品としての兵士が描かれる。 敵として・仲間として闘った者への粋な計らい、サーベルをめぐるやり取り、機関銃のように繰り返される敬礼。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 15:09:14)
634.  勇気ある追跡 《ネタバレ》 
チャールズ・ポーティスの原作を映画化した「True Grit」。 これは数ある保安官ものの中でも一番好きな西部劇かも。 ジョン・ウェインの事を「いつも同じような口調で野暮ったい役者だよね」と思う人は本作を観れば意識を改める事だろう。 本作のウェインは実に人間臭く味わいのある演技を見せてくれた。 あの眼帯が無くとも表情豊かでノリノリな感じが伝わって来る。 犯人を捕まえるのは賞金目当て、常にケンカ腰な不良保安官「ルースター・コグバーン」。 酒好き、ポーカー三昧、大昔は仕方無いとはいえ盗みもやっていた筋金入りのワル。 ワイアット・アープがグレたらこうなんだろうなぁ・・・。 肉屋の爺さんと「プライス将軍」と呼ばれる猫が唯一の家族という寂しさも覗かせる。  物語はそのコグバーンに父の仇を討って欲しいと「マティ・ロス」という少女が願いに来る。 そこから同じく犯人を追うテキサス・レンジャーの「ラ・ビーフ」と3人の奇妙な追跡が始まった。 この3人のキャラが実に良いんだよね。 老いを感じさせない超ワル親父のコグバーン、 父の仇を討たんと、法律や持ち前の度胸を武器に動くボーイッシュで男勝りなマティ、 憎まれ口を叩くコグバーンに何かと突っかかるラ・ビーフのユニークなやりとり。 敵も地味にデニス・ホッパーとロバート・デュバルという顔ぶれ。 通りで強烈な印象があったわけだ。  ストーリーは人間ドラマが占める作品だが、中盤の逮捕劇と尋問、ラストの決闘と帰還劇など見所も多く、何より人間ドラマが最高。 特に銃ではなく法律を武器に駆け引きをするストーリーが現代的で面白い。 終盤でヒロインが敵とバッタリ会って人質になるのはどうかと思ったけど、そこには「リオ・ブラボー」に通じる交渉術があった。  仲間の仇の一人と言える娘をあえて生かしたのは人質とするため=娘が死ねばコグバーンに血祭りにされる(まあ結局は「お約束」でしたけどね)。  ラストの疾走するコグバーンが最高にカッコ良いのでそんな事はどうでも良くなるね。  人質の件以外は文句なしの傑作!  
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 14:54:31)
635.  みかへりの塔 《ネタバレ》 
凄い映画だった。 ストーリーは問題を起こした“子供”なら小学生だろうと大人だろうと送られ集団生活をさせられる学園の話。 浮浪や盗み、怠け者など問題児を一緒に生活させて更生していこうというものだ。 映画は1941年と戦争も近い筈だが、非国民がどうとか戦争のプロパガンダとかそんな要素は微塵も感じられない。 集団で社会的な学習をさせ、子供たちに自分の長所や短所を見極めさせるなど興味深い。 つうか「寝ショウベンの統計」って(笑) 教員も擬似的な父親・母親となって家族のように教えていく。 仕事が忙しいので託児所の代わりにする親も入れば、自分の不始末を人任せにしようという無責任な親も出てくる。 育児放棄も同じだ。 今の我が子に過剰に愛を注ぐ「モンスターペアレント」とこの映画の親たち。一体どっちが酷い親だろうか。 どんな事情があれ、俺は両方ともクソだと思うよ。てめえの不始末他人に押し付けるような親はな。  まあ俺も最初こそ「悪い刷り込み」を感じた。 塔に入ったばかりのお嬢ちゃん育ちの女の子と一緒の気持ちだった。 だがそんな考えは次第に薄れる。 子供たちはみんな活き活きしているし、厳しいけど個性を尊重する辺りなどある程度のびのびした感じだ。 また、卒院しても社会に打ちのめされ戻っていくる生徒の様子も良かった。 塔を見る世の中の冷たい現実、そんな現実にまた戻り挑み直そうとする場面。  笠智衆の先生の言葉も良い。 「世間に負けないように強くなれ。ここで培ったことを忘れるな」逆境に負けるなという教えが感じられる。 水を引いていく力強い場面はキング・ヴィダーの「麦秋」を思い出す。 言葉には言葉、拳骨には拳骨で応える。 拳骨の後に抱きかかえて励ます姿勢がグッド。これが本当の愛のある拳骨や。  「蛍の光」は思わずうるっと来てしまう。 鐘の音はちょっと拍子抜けしたが、去っていく生徒たちの希望と不安を感じさせるシーン。 横を走る汽車も、この数年後には戦地に行く兵士たちを乗せて走っていくのだろう。 戦争を知る前と知った後じゃ印象が違うラストだ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 14:37:56)
636.  按摩と女 《ネタバレ》 
按摩を主人公にした当時としては珍しい映画。 取り敢えずクレジットの「曳かれる男」にワロタ。  ストーリーは清水宏らしく至極単純、温泉宿にマッサージを生業としてやって来る按摩、 そんな按摩と東京から来たワケ有り女性とのロマンス。 そこに絡む同じく東京からやって来た男とそれに付きそう子供。 謎めいた女性に“嗅覚”が反応し惹かれていく按摩。 同じく子供の世話を一人でするのは大変だと洩らす男。 「奥さんは?」満更でも無い表情を覗かせる女性。 根っからのお嬢様である高峰三枝子の気品と色気が良い。  「按摩が人にぶつかるなんてたりめえだろぅが!」スゲー自己中。 挙句にぶつかっといて叩きのめすって・・・按摩強えぇー。後の「座頭市」である。 ラストの馬車を見送るシーンは超名場面です。 眼の見える人間には見えず、眼の見えない男に見えるもの・・・徳大寺伸の繊細な演技が光る。 ・・・で、結局宿屋ドロボーは誰だったんだよ・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 14:35:45)
637.  迎春閣之風波 《ネタバレ》 
香港映画界の巨匠キン・フー(胡金銓)が手掛けた究極の武侠映画。 ブルース・リーの師匠みたいなもんだし、何よりサモハン・キンポーが武術指導。そこにキン・フーの静と動の演出を撮り抜く演出。 それは日本で言えば伊藤大輔や黒澤明のような重厚さがあり、尚且つマキノ雅弘や山中貞雄のような肩の力を抜いて楽しめるシャープでスピーディーな・・・まあ理屈をこねても仕方ない。とにかく面白れえ。 モチロン、アクションだけ関して言えばブルース・リーやジャッキー・チェンといった後続の方が洗練されているだろう(キン・フーの場合はブッ飛びすぎ)。 ただ、個性豊かな登場人物やドラマの面白さは今の中国映画なんぞより遥かに面白い。 冒頭15分はそんな丁寧でコミカルなドラマで楽しませてくれる。 「迎春閣之風波」は中国は明の時代が舞台。 お上の殿下率いる田豐たちと朝廷に反旗を翻す朱元璋一門の戦いを描く。 舞台は朱元璋一門の門派が密かに開設した料理屋「迎春閣」で繰り広げられる。 「迎春閣」に訪れる奇妙な客たち、それを迎える武闘派姉ちゃん・姉さんたち。 博打をやる者、飯を食う者大歓迎、ただし強盗連中は容赦なく滅多打ち。 序盤のドタバタした楽しいやり取りを見ていれば解るだろう。機密文章だとか、敵味方が誰か解らないとか、怪しげな美女とか、キン・フー映画に其の辺のスリルは皆無です(褒めてます)。 いや、いつ誰が刃を抜き放ってもおかしくないという肌を刺すような緊迫感は「龍門客棧」の方が圧倒的だ。だが楽しさは断然コッチだろう。 そこから中盤はシリアス一色になってくる。緊迫したやり取りや次々と血に染まる「迎春閣」、そしてラストのダイナミックなバトル、バトル、バトル!ラストバトルの壮絶さ、華やかより男勝り・女傑振り!愛嬌より度胸!それがキン・フーの女たちだ。 しかしコレで驚いていてはいけない。 「大酔侠」や「忠烈図」はもっとブッ飛んでるから(スタントマンじゃなくて猿が飛んでんじゃないかってくらい)。 個人的にキン・フーの最高傑作は「忠烈図」と「侠女」だが、一番好きなのはやはり「大酔侠」と本作だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 03:45:01)(良:1票)
638.  ポセイドン・アドベンチャー(1972) 《ネタバレ》 
CGも発達していない時代にこんな凄い映画を造りやがった!!  ポール・ギャリコの原作をここまでリアリティのある大作に仕上げた超A級のパニック映画。  「あんな沖にいて巨大な津波に襲われるのか?」という疑問を破壊してくれる造り込み。  いや、あの時代だからこそやる意義があったし、あの時代のうねりがこの映画を産み出せた。  舞台は大洋にポツリと浮かぶ豪華客船。 逃げ場の無い海上、「方舟」は一瞬にして巨大な「棺桶」と化す。 甲板が地獄で船底が天国という皮肉。 船を大津波でひっくり返すって発想が面白い。 実際こんな目に遭ったら「悪夢」だけど、映画としてならやってみたい魅力的な「夢」だ。 天地逆転した船の中でパニックに陥る乗客、冷静な判断で生き残っていく人々。 押し寄せる海水、爆発で揺れる巨船、そして試される人間の尊厳。 極限状態で生き残ろうと必死に抗う人々の力強さ、死。 生き残るはずだった者、死ぬ運命にあった者、その容赦の無さ。  撮影も命懸け、俳優陣も持てるポテンシャル全快で命懸けの熱演を魅せてくれた。  今でもジーン・ハックマン演じる牧師の名ゼリフが聞こえてくる。 「主よ、助けてくれとは申しません。どうか邪魔はしないで下さい・・・!」
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 01:53:21)(良:1票)
639.  プロフェッショナル(1966)
アクション、戦争、ガンファイトが豊富なアクション大作。  「特攻野郎Aチーム」のような馬鹿馬鹿しさと清々しさに溢れた逸品。 満面の笑みで機関砲を回すシーンが忘れられない。  ブルックス監督は「最後の銃撃」も良いが、バート・ランカスターの素晴らしいアクションを撮り下ろした本作は一番の快作。  西部劇の枠に留めておくにはもったいない。  地味ながらクラウディア・カルディナーレが相変わらずエロかった。  オマケに人妻? 若妻? そそる。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 01:26:24)
640.  大平原 《ネタバレ》 
デミルの西部劇の中でも「平原児」に並ぶ最高の1本。 西部劇の醍醐味がすべて詰め込まれているし、とにかくメチャクチャ面白いし。今見ても最後まで楽しめる指折りの西部劇の一つだと思う。 序盤は銃撃戦の一切ないドラマが25分続くが、コレがまた面白い。銃撃戦だけが西部劇じゃないって事を証明してくれる出だしだ。 25分を過ぎた辺りから次々と巻き起こる事件の数々。アクション、ガンファイト!特に中盤のスー連合(インディアン)との死闘は西部劇史上に残る屈指のスペクタクルだ。 物語は大西洋と太平洋を結ぶ「大陸横断鉄道」の施工を巡って繰り広げられる政治ドラマから始まる。 そこから鉄道工事に命を賭ける個性豊かな面々のドラマで楽しませてくれる。 武闘派エンジニアで列車の保安官を務めるジェフ・バトラー、 列車の運転手を務めるモナハン、 モナハンの娘で男勝りの元気な女性モリー、 アウトローでバトラーの戦友でもあるディック、 用心棒を務める鞭の名手フィエスタ、 フィエスタの相方リーチ、 過激なクレイトン、 工事の阻止を企てる悪党キャンポーと魅力的な登場人物たち。 特にキャンポーにつるんじゃいるが昔の義理でバトラーを裏切れないディックの存在が面白い。 酒場でのやり取りは絶対「やっちまいなバトラー」ってシーンだと思うぜ。ピカピカに磨かれた鏡に感謝だ。 セリフの方も熱い言葉が多い。 「拳銃で人の心を変えられないわ」 「顔を隠せ身元が判らなくなる」 「モーゼだって海を渡ったぜ」 「私は支持するわ」 俺も支持するぜ、インディアンを無闇に殺しやがった男をブチのめしてくれたバトラーに。 デミルの西部劇はただの娯楽じゃない。インディアンを撃つ前に「殺生も許されるわよね赤い悪魔なら」なんてセリフはデミルの作品じゃなきゃ言えねえよ。 命懸けで大陸に渡った開拓者たち、元々そこを故郷にしてきたインディアンたちの衝突。 交流もあったが、その多くは殺し合いの負の連鎖が続く悲劇を生んでしまった。今日に語られる西部劇はその負の連鎖を正直に告白してきてくれた。もう二度と同じ過ちを繰り返さないためにも。 西部の荒野を突っ走る列車に込められたフロンティア魂。線路は続くよ何処までも。未来に向かって今日も人々の夢と希望を乗せて走り続けるだろう。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-03 04:29:43)
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