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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1630
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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621.  ちょっと思い出しただけ 《ネタバレ》 
昼間からタクシーに乗れる様な(+乗り回さなければならない様な)身分ではないので、タクシーに乗るとしたら深夜だけ、それも基本、仕事の所為です。まあでも、思えばあの家までの時間って意外と心地好かったりするのですわコレが。仕事の方が大わらわだからこそ、その中で自分が何もしてないのに(物事が)前に進むとゆーのが最早ちょっと喜ばしいとゆーか、会話も全く無いワケではない様な(=喋りたければ喋れる)ごく適度な情報のインプットの中、帰って寝るだけの前に逆に少し落ち着けるとでもゆーか、私あの時間て実はかなり好きなのでして。今作、こんな私みたいな(深夜)タクシー好きにはこれまたうってつけの映画だったかも知れません(とは言え、作中のタクシー・シーンは必ずしも「心地好い」というモノばかりではなかった気もしますケド)。  1年おきに1日ずつ、しかも時を遡ってゆくという仕掛けですが、アイデアそのものは最近でもワリとよく見かける方の細工かも知れないですかね(『ラスト5イヤーズ』とか『弥生、三月 君を愛した30年』とかにも似通ったモノは見て取れる)。ただ、まずはその話の運び方・遡り方とゆーのは諸々の小物の使い方がワリと巧みでまま分かり易かったですし(ココには今般のコロナ状況も反映されているのですが、ソコで「マスク」がかなり有効なアイテムに見えていました)またサブキャラの小エピソード・小ネタの数々も十二分に面白みがあり、かつメインの筋に対して出しゃばり過ぎないトコロがとても適切だったと思いました(この部分、地味に俳優も豪華でそれも好かったですね)。  ただメインストーリーは、率直に比較的「ライト」なモノに感じられましたね。それこそ「ちょっと」思い出す様なモノであるダケ、とでも言いますか。でもその分、全体の雰囲気自体はごくまろやかで淡い(これまた)心地好いモノでしたし、それこそソレは主題歌の雰囲気そのものでもあったのかと思います(つまりはこの空気感・「世界観」こそが今作のコンセプトなのだ、とでもゆーか)。結論、普遍的恋愛事象としての共感のし易さも含め、恋愛映画としてはごく手堅い仕上りかと。
[映画館(邦画)] 6点(2022-02-13 19:14:22)
622.  ウエスト・サイド・ストーリー(2021) 《ネタバレ》 
リメイクですが、一番肝心な音楽(楽曲)や展開運びは結構「まんま」なので、逆に凡作には為り得ない、というヤツかも知れませんね。ただ、知らずに観に来ると実はハッピーエンドではない…というトコロにはある種面喰らうのかも知れないと思います。言われてみれば確かにミュージカルでNonハッピーエンドてのも実は結構珍しいかな~と思ったりもします(翻ってオペラはバッドエンドだらけなのですケド)。  しかし、各要素の「アップデート」ぶりは率直にどれも素晴らしく、特に映像面は流石のスピルバーグという上々の出来だったかと思います。緻密なカット割り&凝ったカメラワークがダンスシーンの臨場感や画的な面白さを倍増させると同時に、その他の場面でも監督一流の優れたテンポを生み出していて長尺ですが実にリズミカルに観てゆくことが出来ました。正直、リメイクでアカデミー作品賞はかなり厳しいかと思うのですが、監督賞あるいは撮影賞は大穴で来るかも知れませんね(対抗が弱くないのでどーかな…とも思いますが)。  キャストでゆーと、期待のアンセル・エルゴートはスラっと長身な体躯+ソレを活かしたダンスやアクションも素晴らしかったです、が、歌はたぶんプロではないのでココはごく普通という感じでしたかね。他のキャストも歌はソコまで巧くもねーな…と思ってしまったのが正直なトコロなのですが、ひとりマリア役のレイチェル・ゼグラーちゃんはもう場違いにウマい!とゆーか凄まじかったです。聞いたトコロ、歌ではYouTubeで既に大バズリしてた人だとのコトで、中々キョウビの売れ方ポイなあ…と思いました。まだ若い(20歳)しルックスもキュートだし、今後に期待ですね。
[映画館(字幕)] 8点(2022-02-13 18:28:23)
623.  特捜部Q カルテ番号64 《ネタバレ》 
今回の事件の背景部分って、世界的に見ても結構普遍的な人権問題で、日本でも少し前には話題になったかと思います。映画に落とし込まれてるのはワリと今作が初見だったので、その意味でもまず社会派作品としても意外と価値の在る作品かも知れませんね。映画全体としても、展開運びは(これまでのシリーズ作に倣って)まずはごく手堅く、かつ部分的に意外性を孕む真相・中盤~終盤のスリラー展開・そして特捜部のメンバの人間ドラマの面なんかも含めて、4作では一番諸々と質が高かったよーに思います。甘めのこの評価で。  一点、ゆーて私にはどーしてもカール(あと何ならアサドも)が優秀な刑事にはどーにも見えない…のですケド、逆にローセってメッチャ優秀じゃねーすか?(情報収集能力・分析能力が並大抵ではない)その意味からするとオーラス、カールがアサドに言う「残ってほしい→ローセには君が必要だ」ってのが、要は(ホントに抜けたら困るのはローセなんだケド、あのおねいちゃんと二人だと正直オレ間が持つ気がしないから、とりあえずアサド宜しく!)という意味だったのではないか…と何となく邪推してしまいました(スイマセン、私性格捻じ曲がってますね…)。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-02-12 22:04:13)(良:1票)
624.  特捜部Q Pからのメッセージ 《ネタバレ》 
謎解き(捜査過程)よりはスリラー展開に、そして犯人の異常性・凶悪ぶりに最も見どころがあるという3作目です。でも確かに、犯人が狡猾とゆーよりは警察がちょいポンコツすぎる…とも感じるのですが、シリアスで硬派なシリーズ引き続きの雰囲気も相まって最後までまま手堅く面白く観れました。ここまでの3作では個人的には一番でしたかね。まずまずオススメ。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-02-12 22:02:08)(良:1票)
625.  大怪獣のあとしまつ 《ネタバレ》 
「令和のデビルマン」というパワーワードは伊達ではありませんでした。確かに、ココまでの酷評を喰らっている主因とゆーのは宣伝その他でワザワザ高めた各方面の「期待」を悉く裏切った…という面が強力なのでしょーケドも、ソレを差っ引いてもほぼ全編に渡ってかなり高度にまるで面白くない!という映画です。また現時点、ココまでの言われブリは逆に下らなすぎて面白いのカモ?(ネタになるのカモ?)というモチベーションで観に行ってる人も多いかと思うのですが、個人的には正直ソレもあまりお勧めは出来ないですね。  どーしてこーなってしまったのでしょーね?速報では、とにかく「あとしまつ」側の話がしょーも無さすぎ・どーでも好すぎで全編下らないコメディで塗り潰されている…と聞いていたのですが、実際に観てみると実はそーでもなくて、ワリと「あとしまつ」側の話のシリアスめな雰囲気が全編通して保たれている…とも感じたのですよ。ただ、ゆーて確かにソッチ側の話の「中身」自体は実に下らないし薄っぺらいし、かつ「リアリティ」とかに関してはマジで皆無なのでシリアスさってのも完全に「嘘っぱち」な…という点で、まずはも~白けるしかない感じではありますし一方で見かけはシリアスなままだからコメディの雰囲気にも更々為ってなくて尚更ギャグが笑えない…という様にも感じましたかね。  あとは…コメディに徹し切れていないという意味では、本編中のギャグとゆーのは前述の中途半端にシリアスな流れの中にワリと唐突に&無造作に&脈絡無く「そっと」置いていかれる(=そーいう方向性を敢えて指向している)様に見えて、その点からも例えばフリオチ・ボケツッコミ・或いは笑かす「間」、とかいったオーソドックスな笑いのテクニックを殆ど使えていない様にも見えました。そーすると必然、笑えるかどーかはもうボケ質の「センス」(=ワードセンスとか)に全て掛かってきてしまう様にも思えるのですケド、その部分がコレもマジで超絶低レベルだった…とゆーコトにも思えますね(ウ○コだの○ンコだの)。まあ、そーいうオーソドックスではないシュールな笑いが監督の持ち味なのかも知れませんが、だとしたら率直に才能枯れてるよーにも思われますね。  ※以下余談 私の採点方針ですが、基本的に「ほぼ褒めるトコロが無い」映画が3点になります(→余程内容に「怒り」を覚えている場合を除いて)。翻って本作、実は内容「以外」は別に全然クオリティ低くもない(セット衣装美術その他大小道具、CG含む映像面、特撮、或いは役者の出来・ポテンシャル、等)と思うのでして、だから本来は「4点」が適正かとも思うのです。ただ、本作に関しては内容があまりにも面白くなさすぎる…ので1点引きました(別に2点引いてもイイのですが、いったんココまでで)。
[映画館(邦画)] 3点(2022-02-12 20:08:21)(良:1票)
626.  PSYCHO= サイコ・イコール<OV> 《ネタバレ》 
キッカリ60分しかない作品(OV)なのに、QP-CRAZYの『アルカイダ』を丸々1曲流しながら『アンダルシアの犬』+『恐怖の足跡』を結構隅々まで見ドコロ流用・切り貼りし尽くしたオープニングがなんと5分弱もある…という時点で、率直に「あ、これヤバいヤツかも?」と思ってしまいましたね。とりわけ、『アンダルシアの犬』はまだ分からなくもない(件の「目」のシーンの再現が本作のウリらしいので)のだケド、『恐怖の足跡』の方はそもそも何故にココで引用されてたのでしょーか?(全くそーいう系統のホラーじゃねーじゃんか)  そして観てると案の定とゆーか、本編も50分弱の時点で終わってもーて、残り10分強がまたなんと超絶スローなエンドロール(今度は犬神サアカス團のを2曲も続けてフルで流しやがりましたよ)だってゆーね。だから本編は実質45分ですし、それでも尚ショックシーンも精々合計20分くらいなモンです。結論、ここまで来るとちょっと(いやかなり)悪意すら感じるというヤツですね(もう詐欺まがいと言いますか)。  内容?内容は、コレもまあどーでも好いですよ。グロ以外は特に完っ全にどーでも好いですが、肝心のソレにしたって最たる見ドコロの2つ、目玉をカミソリで切り裂くのは重ねて『アンダルシアの犬』のパクリ、足首切り落とすのは『オーディション』のパクリだし。そしてそもそもカップル監禁して拷問する…てシチュエーションだって白石晃士の『グロテスク』のパクリで(と思いましたが、よく見ると今作と『グロテスク』はどちらも2009年1月公開のドンピシャなのでパクリとは言えんのですかね)目新しいモノはナニもありません。久し振りにかなり酷い作品でした(まあ、見えてる地雷も同然でしたケドね)。
[DVD(邦画)] 1点(2022-02-08 21:34:14)
627.  ヴァン・ヘルシングVSスペースドラキュラ<TVM> 《ネタバレ》 
タイトルからも分かるとおりのB級作品で、結論的にはSF色の方が強め(のアクション・ホラー)という見掛け。西暦3000年の未来を舞台に、50年間漂流中の宇宙船を発見し乗り込んだヘルシング隊長とクルー一行だったが、ソコには…というお話、なのですが…まあかなりツッコミどころが多い(そして反比例的に見どころは少ない)というC級レベルのクオリティすね。   ①西暦3000年? まず、低予算宜しく諸々のつくり込みはごく甘く、総じて未来にも宇宙にも見えません。舞台となる宇宙船に最初に乗り込む時すら宇宙服ではなく素潜り用のゴーグルみたいなのを着けてるダケという驚愕の有様で、以降はみんな着のみ着のままの(21世紀の)普段着で通しています(タンクトップだのナンだの)。ロケ場所も、途中までは工場の地下かなんかかと思って観てましたが扉のつくりを見た感じはもしかしたらホントの「船」で撮ってるかも知れないですね(どっちにしろコレもバリバリに現代のヤツ)。あとは、隊長は船内でフツーにタバコ吸ってるわ、部下に至っては自室でシーシャキメてるわ、もう一つ、クルーのひとり「プロフェッサー」は車椅子に乗ってるのですがコレも古めかしい手漕ぎのヤツだったり(流石に1000年後は全部電動になってて欲しい)ココまでやる気がないんだったら1000年後なんて見栄を張るのは止せばイイのに…と思いますね。  ②アクション・ホラー? 別に他の要素もショボくないなんてコトもないのですが、ジャンル映画なんだからココを頑張らなくてドコを頑張る?というアクションとホラーが残念ながら超絶ショボいです。特にアクションは全く何の(効果的な)工夫もないので吸血鬼が全然パラノーマルな存在に見えないです(カラコンと付けキバのオンリー)。ホラー面も、ホラーとゆーかスプラッタ(と言えなくもないモノ)が多少入ってるダケで怖いシーンは全然無いのですよね。SF・アクション・ホラーという3つのジャンルに手ェ出しているけど、どれとしても成立してない…とゆーのもチョイ酷すぎですね。  ③ヴァン・ヘルシング? 原題は『Dracula 3000』なのに邦題がコレなのは、実際に隊長の名前がヘルシングだから、なのですが、これまた途中から唐突に隊長とラスボスには1000年に渡る因縁が…とか言い出すのですよね。いくらナンでも素っ頓狂すぎますって(そもそも今回の吸血鬼は地球出身じゃないって言ってた気がしたんですケド、私の勘違いすかね?)。要するに結局、SFと雑にごた混ぜたダケで今作は古典的な吸血鬼モノでしかない、というコトなのでしょうね。終盤なんかは、吸血鬼は心臓に「木」の杭を打ち込むと死ぬ…というコトからコジツケて、吸血鬼をなんとビリヤードのキューで刺し殺しまくる(ダケの)映画に成り果ててもーてますし。   以上、こんなC級作品なのですが、役者は地味に知らなくもない人達が出てくるのでソコだけは決して悪くもないのかも知れないすね。隊長役のキャスパー・ヴァン・ディーンはあんまし存在感も無かったですが、久し振りに観たエリカ・エレニアックは相変わらず美人で(かつだいぶ薄着で)まあまあでした。ウド・キアは漂流船の船長役なのですが、過去映像内で登場するだけで他の役者との絡みは無いし、シーンとしてもぶっちゃけ有っても無くても変わんないレベル…なのはチョイ勿体無さげではありますケド。
[DVD(字幕)] 3点(2022-02-07 23:12:01)
628.  バーレスク 《ネタバレ》 
歌って踊るバーレスク・パフォーマーとしての主人公のサクセス・ストーリー、という意味では、それこそ『ショーガール』なんかにも(大まかな流れは)かなり似ています。バーレスクとゆーのは、もともとの20世紀前半においても(当時からストリップの要素を多分に含むものの)決して全裸にはならず、そのコト自体は20世紀末からのニュー・バーレスクとゆーのも基本的にはその通りで、特に現在ではエロよりも歌や踊りで魅せるもの、というコトらしいのですかね(バストトップを隠す飾りはペイスティと呼ばれるそーで)。ただ、ラスベガスではそれこそ『ショーガール』みたいなトップレスのショーもバーレスクと言ってたりするらしいので、明確な定義とゆーのは無いのかも知れません。が、とりあえず今作でのソレはあまり際どいトコロまでは脱がない(=ペイスティにもならない)ごく本当に歌と踊りが主体な大人のショー、という感じでしたかね。  そのごく健全な・まろやかな、とゆーのは見た目のみならず、お話の中身もそーだと言ってしまって好いかと思います。田舎から出てきた主人公は抜きん出た歌の才能を備えていて瞬く間にスーパーなパフォーマーになってしまいますし(だからライバルとのやり合いだとか、あとお決まりの色恋沙汰なんかも含めて派手な人間関係の立ち回りはほぼ無いですし)、終盤にお話のポイントとなるクラブの経営の危機もトリッキーな手段でアッサリ解決してしまいます。率直に、もしコレがお話だけだったら少し物足りない…という感じかとも思うのですよね。  ただ今作は、そのお話を彩るバーレスク・ショー自体のクオリティの方が確実にメインディッシュなのだとも思います(あくまでソッチを引き立たせる様なシンプルなシナリオ、という意味では、古典的ミュージカル映画風な、と言っても好いかと)。ダンスもカッコ好かったですし(+撮り方も好かったと思いますし)、何より主役の2人(アギレラ嬢とシェール姐さん)の歌唱は流石のハイ・パフォーマンスでした(圧巻の迫力)。重ねて、ミュージカル的に音楽主体でごくノンビリと観てゆく分には、まずまず楽しめる作品かと。
[DVD(字幕)] 6点(2022-02-05 00:46:47)
629.  ルクス・エテルナ 永遠の光 《ネタバレ》 
極限の「混沌(カオス)」を圧倒する暴力的な「光」。放埓に躍動するカオスそのものを可能性や若さ・命・そして罪の象徴とも捉えるコトが可能であるならば、対する光はまるで「開いた宇宙の熱的死」の後の永遠の静寂(=絶対零度の限り無く虚無な世界)をも思わせるのだし、ソレこそが「神の救済」なのだ、と言うコトもまた可能なのかも知れない。この映画に描かれているのは、実は正に「世界観」とでも言うべきモノなのかも…とも(とは言え正直、そんな確信までは到底持ち得ないな…という感覚だってまた強力に在りはするのだけれど)。  個人的には全然、観て損はしなかったすね。
[DVD(字幕)] 7点(2022-02-03 22:54:49)
630.  さがす 《ネタバレ》 
監督と言えば当然、かの問題作『岬の兄妹』しか観たコトなかったのですケド、アレはま~極度に強烈な映画でしたので、そのパーソナリティとゆーのは(1作観ただけでも)ビンビンに伝わってきましたのですよね。すなわち、社会の暗部や人間が秘める闇、だとかいったごくダークなモノを、ソレこそ取り繕うコトも無くダークでネガティブなままにフルスイングで叩きつけてくるかの様な…と言いますか。でも、その中にも実はごく善なる人間性も描き込もうとはしてる…のカモ…と(仄か乍らに)感じ取れたのも確かなのであって、だから今作、個人的にはかなり期待してたのですね(特にその後者の方に)。そして、まずはその期待した側面に関しても今作は実に好い出来だった…とは、とにかく最初に何より伝えておきたいのです(その面、かなり奥ゆかしいのも確かですケドも)。監督のファンならたぶん必見!というヤツかと思いますね。  ただ、意外なコトに本作は(前述どおりの種々の人間性の描き込みもしっかりとされてゆく中で)全体としてはハード系ヒューマンドラマとゆーよりはかなり純然たるサスペンスとして仕上げられているのでして、そしてその面の出来がまた実に意外なまでに頗る高かった…と言えるのですね。なので、お話の内容についてはレビューで言えるコトが(実は)あまりないのです(=ダマって観て!としか)。と言っても、犯罪当事者の計画が(当初から)ごく精密に考え抜かれていた…というヤツではなくて、その実行過程には行き当たりばったりや偶然も大いに孕むのですが、それでいて終盤の展開運びは明快で鮮やか、かつ抜群のキレの好さを誇っており、率直にとても素晴らしかったです。シンプルに事件ものが好き!という方にも大いにオススメですね(近年の邦画では屈指というレベルで)。
[映画館(邦画)] 8点(2022-02-03 22:48:57)(良:1票)
631.  コーダ あいのうた 《ネタバレ》 
とにかく、主人公の女のコにかかる「負荷」とゆーのがのっけから非常に高いのですよね。邦画で言えば3,40年以上前くらいの作品だと、こーいう全方位から頼られまくって辛そうな女のコ(女性)とゆーのは実はワリとよく見た様な気もするのですが、近年の作品において仮にこーいう状況があり得るとしたら、それはもう親(家族)の側に大きな「問題」があるに違いない…だからソレはその時点で非常に「暗い」社会派作品になってきちゃうとも思うのですね。ただ、今作の彼女の親には「問題」がある…と言ってしまうとソレはおそらく表現として適切でないと思いますし、ただ一方でその「ままならなさ」が確実にかなり深刻であるのもまた事実で、だからお話自体はそこまで超暗い雰囲気には決してなってないのですが、一方で尚更この主人公に対する(ごく暖かい)共感・感情移入とゆーのは更に更に深くなってゆく…という様にも感じましたね。まずは誰もがハートフルに心動かされるだろう優れた映画だと思いますし、またこの部分はそれこそ「CODA」と言われる方々の現実をまま的確に映し出している…という意味でも(この時点でも)非常に価値の高い映画だと言えるのではないでしょーか。  ごく大まかなお話の流れのソレ自体は、ゆーてワリとオーソドックス・よくあるモノだと言ってしまっても好いかと思うのです。ただ、ソレを彩る細かい演出は総じてかなり優れたものであったかと感じます。特に、主人公とそのろう者の家族3人(父・母・兄)との中盤以降の対話は、家族でありながらその関係性の中に存在する一種の(互いの互いに対する)疎外感と、それを各々がどう乗り越えていったのか、が丁寧に描かれていてどれもとても見応えのあるものでした。また、主演のエミリア・ジョーンズちゃんの歌唱力を最大限に活かした歌唱シーンも、選曲の良さ&的確さも相まってどれも非常に効果的だったと思います。  もう一点、前述の家族3名はいずれも実際に聴覚障害のある俳優の方が演じておられる(と後から知った)のですが、その「利点」とゆーか、作中の家族の手話での会話シーンがコレまたどれも非常に優れた演技として出来上がっていたと感じました(実に感情の込もったパワフルなボディランゲージで、コレは一朝一夕に出来るよーなモンじゃなさそう…とは思ったのですケドも)。そしてその意味では、エミリアちゃんに関してはこの部分はソレこそ死ぬホド訓練して撮影に臨んだのだろうとも思われまして、そしてそういった部分もまた彼女の役柄における健気さ・逞しさ(そしてソレが醸し出す爽やかな魅力)という側面に確実に滲み出ていたのではないか…とも思われるのですね。
[映画館(字幕)] 8点(2022-02-03 22:48:14)
632.  ハウス・オブ・グッチ 《ネタバレ》 
まずは矢鱈と長尺なのですが、密度自体は決して低くないとゆーか間延びしてたりするコトもないし、結論的にはワリと全編通してダレずに楽しく観れてましたかね。どちらかとゆーと本来的には更にボリュームの有るドラマを何とかこの尺に押し込めた…てな方かとも思われ、むしろ(これでも)全体的に少し軽めの描写になっちゃってる…という気すらしましたです。重ねて、長尺ですが全然普通に「観れる・観切れる」映画ではあります。少なくとも暇潰しにはも~十分かと。  とは言え…そのレベルを超えて更に面白かった・中身が芳醇だった(深かった)かと訊かれたら少し答えに困る様な…とでも言いますか。鳴り響くこれ見よがしなオペラ楽曲の数々(その他も「如何にも」な70~80年代ポップス)が醸し出す雰囲気は好く言えばレトロ、悪く言えばやや古臭いといった様にも感じられましたが、内容の方もこれらに違わぬイタリア・オペラ的な「古典的」悲喜劇の如き様相を呈している…という有様で。登場人物とて、とにかくどいつもこいつもコテコテにおバカな小悪党で、そのあまりのステレオタイプぶりには「え、これ実話ベースとチャウん?」とやや驚き(疑問)を覚えずには居られませんでしたですよ。加えて前述どおり全体的に(実は結構)ダイジェスト的な展開運びにも感じられているので、コレが尚更にごく浅薄な人達の織りなす浮ついた薄っぺらいブラック・コメディ(しかも本質的にはあんまし「笑えない」ヤツ)にも見えてもーてた…とゆーか。なんつーか、つくり話だとゆーにはあまりにペラペラなんだケドも、逆に実話だとしたらあまりに唯々「惨め」な…てかね。少なくとも私には、何らか深遠な人間性(或いはそーいった人間性が形づくる傾聴すべき物語)を描いた作品には見えてませんでしたです。  ひとつ面白かったのは、英語作品なんだケドもみんなイタリア訛りの英語で喋ってて、体感はイタリア語映画にも思える…という一見イマイチ意図の分からない演出が施されていたのですが、中々どーしてコレが効果的だったとゆーかかなり「効いてる」様に思われたというコトですね。誤解を恐れずに言えば正直、なんか「イタリアっぽい」話かなあ~とも思ったりするのですよね(実際にそーだから当たり前なのかも知れませんが、だからごくそーいう風に見せかける…とゆーのがまた非常に効果的だったのかな、と)。
[映画館(字幕)] 5点(2022-02-03 22:47:02)(良:1票)
633.  千利休 本覺坊遺文 《ネタバレ》 
原作未読。成上りの絶対権力者と、その「意のままに為らぬ者」たる求道者…という、一見そこまで難しくもない様な(難しくもなく反発し合うだろう)秀吉と利休の関係性を描くコトが本義かとも思える作品だが、中で利休自身はごく納得して死を賜った、という様にも見える。全体を通しても描き出されている(と思われる)のは、死地に赴く者への手向けとしての茶、というか、死に通じるモノとしての「茶道」観、というか、だから利休が自身の死によって自分の茶道が(少なくとも何らかの)完成に至る、と考えていた様にも見えるというか、これは確かにその部分についてはまま難解な映画だ、と言えるかと思いますね(分かった風なコトを言っても私多分ほぼ理解できてない)。  利休自身は厳密には武家の出自ではない様ですが、戦国乱世を生き抜き、またそれを制した天下人とも臆することなく渡り合った…というのですから、その精神性は間違いなく「武士」でもあったと言えるのではないでしょうか。その意味では(=前述どおり利休を「死」を纏った存在として描く、という意味でも)利休役に三船敏郎を配したとゆーのは、個人的には実に優れた判断だった…と率直に感じます(凄い迫力・存在感でした)。かなり繊細で奥ゆかしい映画だとは思うですが、中々に味わい深い作品でもありました。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-02-03 21:55:04)
634.  異端の鳥 《ネタバレ》 
むかし『LIMBO』というゲームがあって、ゲームではあるのですが個人的になんか本作に色々似てるな、と思ったのですね(特にモノクロで、かつ音楽が無い、というあたりが)。  個々の描写の凄惨さは高度ですが、全体としてはストーリーはごく淡々と進む、とゆーか、その残虐行為がごく淡々としたものに(途中から)見えてくる、とゆーか、静かな様でコレはごく「悪しき」静けさ、だとも思いましたかね。  一方で、お話(個々のエピソード)の起承転結自体には意外と因果応報な側面も無くはない…とゆーか、発端の暴虐に対する「復讐」が描かれる場面も結構多かったりするのです。ただ、此処からもやはりごく「悪しき」モノがまた感じ取れる…とゆーのが、鑑賞者としての我々さえ(少なくとも私は)その「復讐」の場面において次第にどこか確実に「胸が空く」のを覚える様になる(覚えてしまう様になる)、そのコト自体が私にはもはや一種の「恐怖」でしかなかったです。その意味でも、諸々とやはり実に恐ろしい映画だ、とも思いましたね。  もう一つだけ、コレもごく限定された時代・場所・状況設定を舞台背景にしている様に見せかけて、種々の工夫や少し非現実的なまでにショックシーンが連続する展開は本作を多分に寓話的なつくり話にも見せている、その意味では、架空と現実の「好いトコ取り」をしている様な映画だ、とも個人的には感じました(コレって、率直に相当に難しい仕事だろうな、とも)。傑作かと。
[DVD(字幕)] 9点(2022-01-30 01:55:38)
635.  花束みたいな恋をした 《ネタバレ》 
韓英恵が言う様に「若い時の恋愛と、結婚って違う」という、その変化の過程を描いている映画である(最終的には結婚なんかには辿り着かずに終わっちゃうお話だケド)。だからある種、これもまた人の成長を描く映画だとも言えるのかと。   趣味・好み・つまり「価値観」が似ているとゆーのは、人間関係を築く取っ掛かりとしては非常に分かり易くて効果的な要素だとは思う。しかし、ソレが恋人を選ぶ重要なポイントだった…とゆーのは、例え部分的にはそーであっても(=ある部分の価値観がドンピシャでも)他人同士なんて価値観が異なってるモノの方が絶対に多いのだから、その時点でも若干その「継続性」の面には危うさがあるとも思うし、そもそもソレがポイントになる時点でカップルの各々としては「自分の価値観が結構大事」という人たちなんだろう、とも思えるのだよね。人間関係ってやっぱり「妥協」が何より大切だと思ってるので、その意味でもまた危ういなあ、ともね。  若干、女のコの方がよりチャランポランに見える、という人も多いのかも知れないのですケド、どーでしょうかね。確かに彼女は自分が幸せに生きてゆくにはごく「感覚的」に自分が楽しいコトをやってゆけば好いと思っている、その点は(方法論としては)少し浅薄だ、とも思います。ただ男のコの方も、自分が仕事を頑張れば(収入が安定すれば)・或いは結婚というカタチに持ち込めれば多分ナンとかなると思ってる(+ワリとそーとしか思ってない)という点で、コッチも結構テキトーだとも思うのですよね(キョウビ尚更)。だからやはり、彼らは両人とも同じ様にまだまだ成長過程にある二人だ…と見えていて、で、人間ってやっぱり一直線に向上していくワケでもなくて、上がったり下がったりグネグネと波打ちながら徐々に徐々に少しずつ上向いていく…てなモンか、とも。個人的には結局のトコロ、それでもだからその山谷の巡り合わせが生んだ結末…てなコトでしかなかったのではないか、と。まァ~ねェ~~~中で一つ、私が菅田将暉に思いっ切り感情移入してしまった…てのが、仕事がマジでヤバい時って(私の様な映画オタクでさえ)映画観ても全然楽しくない…てなコトも実際あるんだよなァ~という場面すね(ソレを「彼は変わっちゃった」とか思われると、ちと辛い…てなモンで)。  主演2人は、別にルックス的にもとても魅力的な若人だと思いますが、超絶的美男美女というワケでもないごく近寄り難くない感じも大いに纏っている、そのコトは今作が「ごく普通の恋愛」を描こうとしているという点においては非常に適切なキャスティングだったと思います(ただ、有村架純ちゃんは演技力的にもごく等身大なこの役はピッタシだったと思いますが、菅田将暉が全力で演じるにはこの役はちょっと「簡単」だったかも知れませんね)。あと、年代を明確にし、かつソコで流行ったカルチュラルな諸々は全部実際の名前を出している、そのコト自体は、この映画が「刺さる」世代や地域、的な面での普遍性を損ないかねないという意味で(映画としては)若干リスキーな選択だったかな…とも思います。が、私の様なごくターゲットド真ん中のジェネレーションにとってはコレもまたお話を一般的なモノに見せるのには非常に効果的だったとは思います。だから私としては、その点への一種の感謝を込めて、1点足しておくコトと致します。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2022-01-29 18:54:22)
636.  許された子どもたち 《ネタバレ》 
これは、観る人に依って本当に様々な評価・意見・感想が出てくるだろう…という映画ですね。第一に、少なくともその部分についてはまま優れた社会派作品だと言えるものと思います。ただまあ単純に映画としては、少し演技の質がハイ・クオリティというモノでもないごく素朴な感じだったり(或いは部分的には展開運びも少しチープだったり)もあって、やや寓話的とも言える様な「つくりもの」ぽさが雰囲気として滲んでいる…とも思いますが。  本作における最も根本的な問題提起とゆーのはまず、例え「正当な」理由があったとしても、人が人に、或いは社会が人に対して暴力や制裁(それは社会正義を実行する為の「刑罰」を含む)を与えることが果たして正しいのか、というトコロまで遡れるモノかとも思います。全く只の理想論を語るなら、こーいった暴力や制裁は無くて済むなら無い方が好いし、減らしてゆけるなら減らした方が好い、とも言えるのかとは思うのです(例えば「死刑廃止論」とか、或いは今作でも描かれる「疑わしきは罰せず」の原則とかも、根本的にはそーいう話なのではないかと思っています)。とは言え、絶対的な現実の状況として、人が人に対して振るう暴力(=加害者と被害者が発生する状況)とゆーのを今の社会から完全に無くすコトはコレも絶対に無理なのであって、だからそのカウンターパートとしての(社会正義を維持するための)刑罰としての暴力は「正当な理由があれば」許容せざるを得ない、つまり現在の社会は理由があれば人が人を傷つけることを許しているのであって、そしてその理由の「正当さ」の判断がコレも常に「絶対に正しい」という保証もまた無いのだ、というコトだと思うのですね。個人的には、だから「理由があればいじめても(暴力を振るっても・制裁を与えても)善いのか」という今作で為される問いかけとゆーのが、月並な言葉ですがやはりとても深い論点だなと感じました。コレ、私も答え出ないし、今作でも答えは全然描かれてないのですよね(言っちゃあ結構投げっぱなしな映画かも知れんですね)。  ※まあでも、深いとも言いつつ若干は屁理屈の様な議論だとも感じるのです。「絶対に正しい」ワケじゃないからといって、ソレは「正しく」ないのか、とゆーと、ソレは決してそーでもないかな、とも思うのであって。それこそ「凡そ確からしい」正しさを備えるモノとゆーのは、今の社会にも決して全く無いワケではないとも思いますし、そのレベルの正しさでいったんは満足しておけば(=イレギュラーなケースは個々に議論すれば)さほど問題も無いのかなあ…とも思ってますケドね。  前述どおり答えの出ない議論を盛大に喚起するよーな映画だと思いますが、折角思い悩まされたのだから何らか前向きなアンサー・気付き(行動指針)を捻り出せたら好いな…とも思うのです。どーすれば(どーしてゆけば)ある程度十分にこの社会で正しく在り続けられるのでしょーかね?パッと思い浮かんだのは「法に縋る」というコトでしたが、でも、法律的に問題が無いとゆーのと社会的に正しい・正義だとゆーのは全然イコールではない、とスグに思い直しましたし(今作でも例えば、問題の非常に重大な根幹部分である少年審判における主人公側の振舞いとゆーのは、それこそ法的には何の問題も無い行為だとも思うのですよ)、法的に正しければ善いなどとゆーのは、あくまで「正義」を追及していく上ではそもそも非常に不健全な態度だ、とも思いますね(結局「法的に問題が無い」は、実は結構トンデモない言葉だとも思います)。  あとは例えば一種の「非暴力・不服従」とか、つまり社会の仕組みがどーあれ自分個人としては他者を傷つけるという意味での暴力を行使しない(=それによる自分個人への不利益は甘受する)といった指針も目標になり得るかな…などとも思ったのですが、そう腹を括った自分がそのように覚悟するのは善いとして、コレも例えば今作の様に自分に近しい人・家族が何らか「抵抗」せざるを得ない状況に追い込まれたとき、この態度を取り続けることが出来るのか(それが正しいのか)というトコロにはまた論点が残るという様な気もします(取り分け今作の様な場面において、親が子どもをある面で「守らない」とゆーのが本当に正しいのか、と)。そもそもコレを正しいとしたとして、とは言え前述どおり社会における暴力一般が「正しい」のかという議論にはノータッチのままになってしまってるとも思いますし、そもそも仮にでも社会における暴力が「必要」なモノであるなら、ソコから自分だけ勝手にドロップアウトするとゆーのはある種社会的に無責任だ、とすら思えるのですね。
[DVD(邦画)] 8点(2022-01-29 18:47:52)
637.  インシデント 《ネタバレ》 
通常、スラッシャー・ホラーにおいては、まずはヤリ○ンから殺されてゆく…とゆーのが絶対法則なのであって、ソレが今作では処女&童貞の方が狙われる、とゆーの自体が一種の脱構築とゆーか、少なくとも意表を突くという意味ではまま良好なアイデアだと思うのですね。かつ(おそらく陽キャに違いない)今作の製作陣が「処女&童貞が狙われるってなったら、マジ乱パ開くしかねーべさ!」「ヒョ~そのアイデア、マジパナイっすわヒャッハ~!!」てな具合に本作の構成をノリノリでつくり上げていった(のであろう)とゆーのも決して想像に難くない…ともやはり思われるのですよ。そして実際、平凡な前半が終わってブリタニー・マーフィちゃんが理科室で大暴れ→全校総出の乱パが現実味を帯びてゆく…というド真ん中のあたりは、私自身もかなりワクワクしながら観れていたのも(恥ずかしながら)また事実ではあるのでございますね。  しかし今作、最後まで観ると結論的にはアイデア倒れだったとゆーか、特に(そっから)中盤以降は総じてどーにもショボっちいのですよね。一切合切ひっくるめて腑に落ちない・納得いかない諸々をあげつらうってだけでも、例えば…   ・中盤以降の展開運びが単純にスローモーでだいぶダルい。 ・肝心の乱パの描写もどーにもショボい(全然「乱痴気騒ぎ」な感じがしない)。 ・そもそも、狙ったコが処女or童貞かを確かめてそーだったらトドメを刺すモンだとして、当初4人連続でアタリを引くとゆーのは結構なご都合主義ではないか。 ・とゆーか、非常に肝心なハズの「犯人が処女&童貞を狙う理由(理屈)」とゆーのが、コレも実に弱っちい(薄っぺらい)。 ★結局犯人はごく凡人…なのにも関わらず、ケニーが助けに入った段階では親子+ケニーvs犯人の3対1になってるのに、ガキどもがマトモに戦わないモンだから親父は殺されちゃうし、その後だってあれだけ(乱パに)大集合してんだから少しは抵抗してくれよ…つーか。コレも要するにですね、スラッシャーの「最大のキモ」たる殺人鬼のキャラ(凶悪さ・強大さ)のつくり込みが、これまた非常に雑だとゆーコトに他ならん…と思われるのですね。 ★そして何より、同級生が2日で4人も殺されてんのに破廉恥に浮かれてゆく生徒諸君とゆーのにだって、当たり前ですがコレはもう「狂気」とゆーべきモノしか感じ取れないです(=流石にちょっと感情移入・同情は出来ない、てか)。   もう一つだけ、何ゆえに今作の邦題は『インシデント』なんてのになってるのでしょーか?え、コレ担当のかたは中身観ないで付けた、とかじゃねーでしょーね?いくらB級ホラーとは言え、ココまでやる気(売る気)の無いヤツも中々珍しい…とも思うのですよね。
[DVD(字幕)] 4点(2022-01-27 22:03:38)
638.  ベティ・ペイジ 《ネタバレ》 
アメリカって、戦後暫く位までは(意外なホドに)エロ方面には社会的に厳しかったみたいなのですね。やはりキリスト教の国ですからその面でのモラルもワリと厳格だった、というコトなのかと思うのですが、だから確かに、まず今作で描かれる様なベティ・ペイジの仕事とゆーのは少なくとも当時においては非常に衝撃的(にハレンチ)なモノだった、というのは厳然たる事実なのでしょうし、まただから本作は、彼女がどのような人物で何をやったのかをごく淡々と描いていくだけ…であったとしても、ソレ自体でも(下手に脚色しなくても)彼女の存在or行為の社会的「意義」を(時代考証を加味すれば実は適切に)描き出している…とゆーのも、少なくとも頭では理解できなくもないのですよね。  とは言え、コレはただ時代の移り変わりが為せるワザではありますが、その彼女の実際の行為の内容自体は、また確実に現在においてはそこまで糾弾される様な衝撃的なモノではない、だからソレをそのまま現代で映画にするとゆーのは、やはり少し分かり難い(取り分け、非アメリカ人である我々にとっては)とも思います。もう少し噛み砕いて言えば、現代でコレに該当するかも知れない例えばポルノ女優とか娼婦、だとかいった方々の「お仕事」とゆーのは、またおそらく今後数百年のスパンでは「当たり前・一般的なモノ」というレベルになることはない様にも思われる、という意味で、やはり彼女の行為の「衝撃度」とゆーのには「普遍性」とまで言えるモノは備わっていない…とも思うのです(=だからこの映画もまた、実は「普遍的」なモノには為り得ないのではないか、と)。モチロン、彼女が最初にこの分野の第一人者となったという新規性や、彼女の業績そのものの素晴らしさ(普遍性)には個人的にも全く異論は無いのですケドね(ソコは取って付けながらも明言はしておきたいのです)。  主演はグレッチェン・モルでしたが、中々どーして見た目の完成度(=本人に似てるかどーか)はかなり高度だったと思いますよ(まーあの特徴的な前髪に大いに助けられてるとは思いますが)。軽い作品で他登場人物はあまり印象にも残らなかった…のが正直なトコロでしたが、強いて挙げるならアーヴィング・クロウの妹役のリリ・テイラーがちょっと面白かったです。
[DVD(字幕)] 5点(2022-01-27 21:54:47)
639.  ずっと独身でいるつもり? 《ネタバレ》 
登場人物においてだって、男の側の面々とゆーのが押し並べてかなりしょーも無い連中で揃えられているコトからしても、まずはごく「女性向け」な映画だと言って間違いはないかと。ただ、そーいったバイアス強めの状況設定を通してであっても、肝心なテーマの表現とゆーの自体は(確かにやや強引・安直ではあるものの)、描き出される「結婚しなければ幸せに為れない訳じゃない」「結婚したからと言って必ず幸せに為れる訳でもない」といったモノについてはまず説得力とゆーのがも~十分だと思うし、更にその中にそっと置いていかれる様な「たとえ結婚しても自立した(ひとりの)人間で在り続けるべき」という価値観とかにだって、コレもまあ十分に共感は出来るかと思われるのですね(私は男のほーですケド)。重ねて、決して巧みだ・スマートだ・粋だとは言わないまでも、やりたいコトとゆーのはある程度チャンと出来ている(伝わる)映画だ、とは思われますです。そんなに悪くはないかと。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-01-24 21:42:01)
640.  ティーズラマ 《ネタバレ》 
「史上最低の映画とは?」となれば、ソレは多分『死霊の盆踊り』だろう…とゆーのが昨今の本邦ではもはや共通認識に成りつつあるかと思うのですが、個人的にはココには少しだけ違和感とでもゆーべきモノがあるのですね。つまり、あの映画は60年代アメリカで盛んにつくられた「ヌーディ・キューティ」と言われるポルノ映画の一作であり、要は「ハダカが映って(さえ)いればナンでも好い」という類の作品なのであって、かつ更に溯るコト50年代にはその「ヌーディ・キューティ」の原型たる「バーレスク映画」とゆーのもシコシコとつくられていた…とゆーのまで含めると、このコト自体は(『死霊の盆踊り』の知名度に比すれば)あまり世間でも知られていない事実だと言えるかと思います。要は結論、ヌーディ・キューティなら(或いはバーレスク映画なら)別にアレに限らずどれも大体あんな感じじゃねーのかね?(ソコまで大差は無いのでは?)というコトが言いたいのです。  本作はその「バーレスク映画」の中では比較的有名な作品で、ややカルト的な扱いもされている…とのコトですね。一重にソレは出演者のスペシャリティ、つまり50年代の伝説的ピンナップ・ガールことベティ・ペイジと、往年の伝説的バーレスク・パフォーマーことテンペスト・ストームが出演してるというコトに依るものです。とは言え、映画としての内容自体は前述どおり精々『死霊の盆踊り』並み…とでも言いますか、現代の視点からするとかな~り温めな…というモノではあるのですね(=コッチも所詮薄着のおねーさんがゆーてチンタラ踊ってるだけ…てなモンで)。そもそもバーレスクという文化自体、戦前までにはストリップ主体のエロティックなショーが主流になっていたというコトらしいのですが次第に規制を受けて衰退し、本作時点の50年代においてはバーレスクそのものがもはや「過去のもの」になりつつあった…てなコトだそーなのです。また50年代ではまだエロに対する全般的な規制自体も厳格なままであって、だからバーレスク映画はヌーディ・キューティに比べてもエロの面はかなり控えめな質感に留まっています。まず乳首は映りませんし、その他の肌の露出もだいぶ控えられています(特に下半身については、かなり分厚いパンティを履き込んでその上に布を一枚纏わせているのが標準、てな感じすかね)。その意味で言えば、オッパイはバルン!と全開で尻もTバックで丸出し!な『死霊の盆踊り』の方がエロ的な価値はハッキリ高いとまで言えるでしょう(少なくとも「表面的」には)。  ただ今回、実は『死霊の盆踊り』の方もYouTubeでリマスター版をレンタルして観直しました(画質がスゲー綺麗になっててビビりましたわ)。そこで2作を観比べてみると、確かに『死霊の盆踊り』の方はそれでも諸々と非常に出来が悪い、つまりは本作『ティーズラマ』は(規制が厳しい中で)可能な限り色々と「工夫」とゆーのを施そうとはしているのだな…というコトも確実に実感できたとは言えるのですよね。  何よりとにかく『死霊の盆踊り』とゆーのは異常なまでにメリハリとゆーのが無い映画だ、というコトなのですよ。個々の演者のパフォーマンスにしても最初から最後まで全く抑揚・盛上りやストーリーというものが無いと感じます。『ティーズラマ』ではパフォーマーは3分間の中で多少は踊りにもバリエーションを付けようという姿勢が垣間見えますし、そもそもストリップ宜しく(ランジェリーまでとは言え)段々と脱いでゆく…というストーリーが基本的にはあるものなのですが、『死霊の盆踊り』は何故か「最初から脱げるトコロまで脱いで出て来る」or「最初は服着てるケド次の瞬間全開になってる(=脱いでる過程を映さない)」という2パターンしかないのですよ(コレは率直に「何故だ?」と思いますね)。あとそもそも『死霊の盆踊り』では揃えたダンサーも皆似た様な体形、かつ全員最後はトップレスにTバック…とルックス面でもバリエーションが皆無です。『ティーズラマ』ではまずテンペスト・ストームが文字通りの爆乳を引っ提げた超ダイナミックな容貌にして、一方ではモデル体形の娘もチャンと居たり…とある程度のバリエーションがあります(ベティ・ペイジは絵に描いた様なボンキュッボン!で凄いクビレでした)。もう一つ、特にペイジとストームの両名はパフォーマンス中の表情や「品の作り方」が非常に多彩でココは確かに実に魅力的です(流石)。コレも『死霊の盆踊り』のおねーちゃん達がパフォーマンス中終始ごく微妙な表情をしているのとは違いが一目瞭然ですね。これぐらい、ある種コレを「本職」にしてるのなら当然のコトかとは思うのですが、ソレを『ティーズラマ』は多少は出来てるケド『死霊の盆踊り』は全然出来てない…とゆーのもまた間違い無いとは感じられましたのですね。
[DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2022-01-22 01:31:19)
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