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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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681.  聖衣 《ネタバレ》 
歴史スペクタクル、とは言っても大規模な戦闘シーンを売り物にしている訳ではないのですが(チャンバラが多少)、大がかりなセットに大勢のエキストラ、やはりこれはスペクタクル。 イエス・キリストの処刑にまつわるオハナシで、例によってイエスの顔は劇中には登場しません。そして意外にアッサリと処刑されてしまう。その処刑の際にイエスが身に着けていた衣装、「聖衣」がこの作品のテーマ。 イエスは生前、人々の病気を治す奇蹟をおこなった、らしいのだけど、作中ではその奇蹟が直接描かれる訳ではなく、イエスを自らの手で処刑し後に続くマーセラスの苦しみも、聖衣に触れたため、というよりは、聖衣を通じて自分の良心の呵責に触れたため、という描かれ方になってます。キリスト教とは無縁の人間が観ても、納得感がありますね。 ラストシーンで胸を張って処刑場に赴く主人公と、その恋人。彼らの背景が、次第に現実のものから大霊界(?)へと変化していく描写が、これは今見ると少し気恥ずかしいものがあったりもするのですが、しかしなるほど、合成技術によりこういう表現もできるんだなあ。というワケで、この手法は少林サッカーあたりにも影響を与えているのではないか、と(まさか)。 基本は宗教劇なので、活劇の要素は多くはありませんが、ペテロの集会が軍隊に襲われる場面や、終盤の城への侵入シーンなどは、なかなかの見せ場になっています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-04 15:43:28)(良:1票)
682.  荒野の誓い
先住民が白人の一家に襲い掛かり虐殺する、という発端。こんな風に先住民の悪辣ぶりを描くのは、昔の西部劇ならいざ知らず、昨今ではなかなか珍しいですが、とにもかくにも、母親だけが生き残る。彼女の慟哭。 彼女はクリスチャン・ベイル率いる部隊に同行することになるのだけれど、その部隊は、件の部族(コマンチ族)とは別の部族の先住民一家を居留地へ護送する任務を負っている。クリスチャン・ベイルは、家族を失い精神が不安定になっている彼女に対し、細やかな気遣いを見せるのだけど、そういう「ワカッてるヒト」である彼だからこそ、その彼が譲れない部分というのは、とことん譲れないのであろう、という、彼自身の不安定な危うさも感じさせます。何しろ、彼にとって先住民とは、かつて血で血を洗うような戦いを繰り広げた相手であり、いわば天敵ともいうべき存在。今回はその彼らを護送する役割なのだから。 さらには家族を失った母親にとっても、先住民は憎んでも憎み切れない対象。一方ではコマンチがいつ襲ってくるやも知れない危機感もあり、一行には何重もの危うさが漂っているのですが、その彼らを大自然がゆったりと包んでいる。映画全編にわたって、息を呑むような雄大な風景が、広がり、これが実にお見事。 ゆったりした流れの中で、いくつかの事件があり、登場人物たちが一人また一人と命を落とす。その悲しみもあるけれど、それも含めて生き残る登場人物たちの心の動きが、これもゆったりじっくりと描かれます。クリスチャン・ベイルの寡黙さの中の心の動き。こういうのは高倉健の専売特許かと思ったけど。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-01-04 10:54:59)
683.  アイガー北壁
危険な山岳地帯でロケしてます、ってのはよくわかるんですけれども、それにしては、その危険さをしっかり画面で見せつけてくれないのが残念。もしかして、編集の際に、ワンショットは何秒まで、とかいうルールでも設けてたんですかね。じっくり見たいショットもそうでないショットも、やたらと切り替わってしまって。高所を捉えた迫力あるシーンがある一方で、人物なり事物なりのクローズアップもあり、それ自体はいいんですけど、本作は後者がちょっと多すぎるようにも思えます。「いかにも危険そうなシーン」は、じっくり見せてくれさえすればコチラで勝手にハラハラしようものを、すぐにショットを切り替えてしまう。残念ながら、周囲の光景がアングルに収められていないアップのシーンが多いと(それはつまり、周囲が映るとマズい場所で撮ってるんでしょ、という勘繰りにも繋がりかねない)、いまひとつ危険さや過酷さが伝わってこないもんです。 もちろんあの、凍傷の痛々しさ、というのは、これはクローズアップならではの表現であり、アップが不要というつもりはないのですが、そこでまさかのジャンプカット演出。いやいやいや。ここは「もたつくこと」の表現、その持続した時間こそが、サスペンスになるべきなのでは。 登攀シーンですら、このように細切れなもんで、屋内の会話シーンなんて、カメラがどこを見て何を撮りたいのか、何だかよくわからない。 音楽も、不必要に大仰で、まるで映像に合っていない部分が多々。一方で、登攀シーンでは映像に合わせようというのか、音楽にハーケンの音が取り入れられているのですが、音楽のつもりなのか効果音のつもりなのか、見てて戸惑ってしまい、逆効果。気を削いでしまいます。 いろいろと、もったいない部分の多い映画でした。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2021-01-04 06:33:31)
684.  透明人間(2020)
透明人間なんていう、「見えないもの」を、映画でどう見せるか。というところですが、いや実際、透明なんだから、見えなくったっていいじゃないの、というアプローチの作品になっていて、これが功を奏してます。誰かがそこにいるんじゃないのか、という空間、それが映画の中で重要なファクター、というか重要なキャラクターと言ってもよいような役割を果たしています。何かが起こるんじゃなきいか、という、ボヤっとした空間。この雰囲気は、パラノーマル・アクティビティなんかにも繋がるものがありますけれど、ホレ、この通り、別にインチキドキュメンタリ形式にしなくったって、ちゃんと恐怖が成立するのが、本作を観ればよくわかります。 とは言え、何もない空間に対してひたすら怯える演技をし続ける映画、ってのもさすがに昨今、流行らないワケで、随所に取り入れられた特殊効果が、ちょいとドキリとさせるスパイスになってます。 基本は、SFというより、心理サスペンス。見えるものが正しいもの、である以上、見えないものに怯える主人公はすなわち「正しくないもの」であり、彼女は、ひとり追い詰められていくことになる。だけど透明人間がその姿を垣間見せ、見える・見えないの境界が揺らぎ始める時、物語は一気に加速し始めて。で、最終的にはまた「見えるものが正しいもの」へと回帰していく、ちょっと意表を突くラストへ。 今さら透明人間、という先入観を逆手にとった、意外な面白さのある作品でした。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-01-02 17:26:00)
685.  仁義なき戦い 代理戦争 《ネタバレ》 
冷戦下、世界のあちこちで勃発した戦争は、大国間のいわば代理戦争だった。一方、日本のヤクザ社会もまた、そういう代理戦争の様相を呈していた、というのがタイトルの由来ですが、どうでしょうね、そんなに「代理戦争」感は強くない、ってか、もともとこのシリーズ自体が、消耗品としての男の生き様を描いてて、むしろシリーズの世界観そのまんま、という気も。 代理戦争、というよりは、心理戦。吹き荒れる暴力の背景には、裏切り、謀略が渦巻いている。上は金子信雄から、下は(一見何も考えてい無さそうな)川谷拓三まで、とかく要らん策略を張り巡らせては、事態を悪化させ、その結局犠牲になるのは、渡瀬恒彦のような若者。ただ死んでいく者が多い中で、渡瀬恒彦演じる若者は、母との関係が作中に織り込まれ、息子を失った母親の哀しみをこれでもかと描く。こういう、殺伐とした映画にウェットな情を絡めてくるのが、深作監督らしいところ、と言えましょうか。 危険なニオイをプンプンさせる菅原文太ほか、コワモテ俳優がずらりと並ぶ中(眉毛が無いとは言え梅宮辰夫の顔が、コワモテに分類されるのかは正直よくわからんが)、スター・小林旭がそこに顔を並べているのが、ちょっと異彩を放っています。正直、東映に来てもこういう「非・スター映画」の中に放り込まれてしまうのでは、もったいない起用、という気がしなくもないのですが、確かに作中で独特の雰囲気は醸し出しています。 ラストは、まさにここから、という場面でオシマイ。イジワル。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-01-02 07:13:48)
686.  天国は待ってくれる(1943)
金持ちの考えることはよくワカラン、というか。上流階級の好色オヤジの一代記。別にエロい作品ではありませんが。 さまざまな調度に彩られた大邸宅のセットが、お見事。物語自体は、何ちゅうこともないのですが、飄々と我が道を行く主人公と、なにかとワリを食う羽目になる従兄弟との関係が、オモシロい。 この主人公、色々と罪深いところもあるけれど、片っ端から女性に手を出している訳ではなく、基本には常に奥さんとの関係があって。そこが、地獄に落ちるドン・ジョヴァンニと違うところ。 冒頭、あの世に行った主人公が天国に行くのか地獄に行くのか、というところから始まって、そこにやってきた知り合いのオバチャンが、昔は脚線美を誇ったものよ、と現在の大根足を見せたとたん、床に穴が開いて地獄に突き落とされる。なんだ、これではまるでスペクターの基地ではないか(スペクターはこれをパクったのか?)と思っちゃうのだけど、床の穴が開いた途端に煙が噴き出す芸の細かさ。スペクターはこういう部分こそ、見倣って欲しいもの。 そこから物語は主人公の生前に移り、それなりにアホらしい人生が描かれるのだけど、最後はやっぱりシンミリしてしまう。ジジイになってもエロいことはエロいんだけど、その背景には、過ぎ去って二度と戻らぬ青春の日々、ってのがあって。人生最後まで笑って暮らし、でもそのどこかには、泣き笑いがある。 ところで、地獄に落ちたら、ベートーヴェン、バッハ、モーツァルトの音楽とはオサラバ、だそうですが、本当にこの3人は無事に天国に行けたのだろうか。三者三様、それぞれ脛に傷を持たない訳でもなく・・・
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-12-31 09:56:30)
687.  アラスカ魂
ジョン・ウェインと言えば、西部劇におけるヒーローの中のヒーロー、というイメージがあるのですが、しかし実際に映画に登場する彼から受けるのは、剽軽でお茶目なオヤジ、という印象。ある作品を「おおらかな西部劇」と言った時、そのおおらかさの半分は、彼に起因するものではないか、とすら思えてきます。 その彼が、ここでは文句なくコミカルなドタバタをやってます。何かといえば大騒ぎ、乱闘、殴り合い。何かといえばおごってくれる気前の良さ。 男女が意地を張り合う凸凹恋愛劇、という基本ストーリーは、これは50歳を過ぎたオヤジには似合わぬキツイものが、若干無いでは無いけれど、こういうアホらしいオハナシをえらく手間をかけて大々的に撮影し、乱闘ドタバタのみならず、こんな作品には誰も期待しない銃撃戦まで織り込んでみせたりして。相棒ジョージ(スチュワート・グレンジャー)の人懐っこい表情も忘れ難い。実に「おおらかな」作品です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-31 09:23:21)
688.  愛人/ラマン 《ネタバレ》 
中国人青年を演じるレオン・カーフェイが、ジェーン・マーチと知り合ってからエッチするまでの場面で、初めてひとりでエロ本を買いに行く中学生みたいな演技をしていて、微笑ましいというか叱りつけたくなるというか、なかなか絶妙な演技を見せてくれるのですが、こういう描写は、原作小説にはほとんど見られない要素ですね・・・などと偉そうなコトを言えないのは、原作を読んだ記憶はあるのに内容をサッパリ覚えていないからで。久しぶりに本棚から取り出してパラパラめくり、まるで内容を憶えているかのごとくこうやってコメントを書くのも、我ながら、どうかと。スミマセンです。 映画の方は、途中からエッチシーンが連発され、昼日中にくんずほぐれつやってる一方で、表の通りには日常の喧騒があって。ってな描写が、退廃的で独特の雰囲気。ただ、それをいくら繰り返してもあまり変わり映えがせず、だんだん「こういうのは結局、映像では伝わらないよね」と投げやりになっていくような印象があって(ホントにアノーがそんな事を思っていたとは思わんけど)。 ラストの「ショパンのワルツに涙する」というのは、これまた陳腐な話だ、と思ってたら、これは原作にもあるエピソードでした(もちろん私はこれも覚えてなかったけど。スミマセン)。少なくとも、映画で見せるには、これは陳腐だと思うのですが、どうでしょうか。 三人称で語りつつも実際は一人称の物語である原作に対し(・・・スミマセン)、映像作品である本作には、幾分、客観的な視点があり、中国人青年の立場、というものも織り込まれているのだけど、何となく、「家畜人ヤプー」を白人の立場から描くとこんな感じになるのかな、とも思ったり。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-12-31 08:48:27)
689.  カリフォルニア~ジェンマの復讐の用心棒
『シルバー・サドル 新・復讐の用心棒』と相前後して、どうもジェンマに愛想がない。本作なんかも寡黙な役どころで、どっちかというとフランコ・ネロとかに演って欲しいタイプの主人公です。まあ、ジェンマのマカロニ・キャリアも終盤に入って、年相応の役、ではありますが。 その代わり、彼の相棒となる若造がなかなかの美青年で、コチラの方が女性受けはよろしいのではないか、と勝手に想像しつつ。 舞台は南北戦争後のアメリカ。北軍とつるんだ悪徳賞金稼ぎが、南軍兵士にかけられたでっち上げの懸賞金を目当てに、彼らをつけ狙う。という訳で、ついにジェンマの怒りが爆発する復讐劇、ではあるのですが、イロイロと事件が起きるもんで、これはいったい誰の復讐を誰に対して行う物語なんだろう、と、やや焦点がボケ気味の印象も。いや、いいじゃないですか、怒りの要素は多ければ多い程、いいのです。 ところどころのシーンでカメラに逆光を取り入れたりするのが、なんだか小賢しく感じられ、無理にそんな気取らなくてもいいのに、とか思っちゃうけれど、映画自体は面白くって、だんだんそんな事、気にならなくなってくる。という時点で、技法としては失敗、ということにもなりますが。ま、これも、いいじゃないですか。 終盤の敵との駆け引きも、本作のユニークなところ。 はい、正直、オモシロかったです。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-12-31 07:34:15)
690.  関東流れ者(1965)
本作の新規登録依頼を「日本大侠客」と一緒に出させていただきましたが、どちらの作品も、明治時代を舞台に鶴田浩二が、大木実を子分に従え、藤純子とは微妙な関係にあり、内田朝雄に立ち向かう、要するに殆ど同じようなことをやってるもんで、チョット混乱してきてしまいます。私自身はコチラの方を先に見たにも関わらず、両者を比べると何となくコチラの方にパクリ感を感じてしまい、でもコチラの方が先に作られた映画なのです。本作の方が、やることなすこと、いちいち極端なんですよね。面白いからいいけど。 何が極端と言って、ダイナマイトを手に獅子奮迅の活躍をする大木実もそうだけど、とにかく村田英雄の眼力のスゴさ。ほぼ人間離れしていて、これぞ極端中の極端といってよいでしょう。顔は鶴田浩二より若いようにしか見えないけれど、描きに描きまくったような眉毛の下で眼力を飛ばしまくり、鶴田浩二に「オヤブン」と呼ばれて本人も完全にその気になって、ひとり、異次元に突入してしまっています。まさに摩訶不思議な村田ワールド。 後半には若き日の北島サブちゃんも登場。正直、こちらはサルにしか見えない。ごめんなさい。いやホントごめんなさい。でも風呂に入ってはイイ声を披露し、終盤には泥にまみれて壮絶な最期を遂げてみせる、さすがサルちゃん、じゃなかった、サブちゃん。 ちょっと冷たい感じの小山明子と、鶴田・大木との哀しき関係。さらにはどこのイモ姉ちゃんかと思ったら洋装の藤純子。工事請負に関し不正を働く、内田朝雄・遠藤辰雄率いる悪徳業者の横暴ぶり。ついに彼らが一線を越えたとき、男の怒りが炸裂する。 やってることはいちいち極端だけど、ストーリーの盛り上がりに対してすべてがちゃんと収まるところに収まっていて、さすが、と思わせるオモシロ映画になってます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-12-31 06:56:08)
691.  女の警察
“女の警察”を小林旭が演じています。でも女の警察って、一体何でしょう。なんとなく、敵から女性を守る正義の味方、みたいなものを想像してしまうのですが(多少はそういう役割も果たしているようですが)、基本的にはむしろ真逆。キャバレー経営会社の保安部長として、夜の街の女性たちを見張り、支配する、どっちかというと女性を食い物にする側の人間です。それを我らがアキラが、クールに演じる。この女性への容赦なさは、さしずめ現代版・眠狂四郎、ってなところか。でも狂四郎を演じると雷蔵は何だかミョーなことになってしまっていたけれど、さすがはアキラ、どんな役でもアキラ色に染めてしまう。無色透明に近い色だけど・・・。 しかしまあ、この1969年の作品、ロマンポルノ前夜という雰囲気が漂っていて、日活もだいぶヤキが回ったけど、まだフンギリがついていない、ってな感じでしょうか。明らかに「ここからはそのテのシーンです」と言わんばかりに、唐突に濡れ場に突入したりして、エロそうな雰囲気が休息に立ち込める。でもそれが雰囲気先行で、観てる側が恥ずかしくなる割に、実際には大したコトやってるでもなし。でもソッチ方面に期待せずに見れば、ちょっとしたご褒美があるかも??? それはいいとしても、このクールでダークな主人公をせっかく小林旭が演じているのだから、もう少しアクションを見せて欲しいところ。多少の乱闘はあれど、全体的にアクション少なめで、これは寂しい。 まるで売れっ子の作家が締め切りに追われて無理やり短編ミステリを書き飛ばしたようなストーリー、見せ場も少なく、しかし考えようによっては、「迷走している映画会社」でなければなかなか作れないタイプの作品、とは言えるかも知れませんが。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-12-31 06:12:58)
692.  日本大侠客 《ネタバレ》 
石炭積み出しに沸く明治の北九州・若松を舞台に、侠客・吉田磯吉の半生を描く。とは言っても、とても実話とは思えない点が多々あるのですが、フィクションで誇張された漢気が漲った、これぞ痛快娯楽作、という作品になってます。ユーモアもあれば悲壮感もあり、ホントに面白いんだ、これが。 磯吉オヤブンを演じるは、鶴田浩二。気が良くって無鉄砲、愛される存在ではあるけれど、身内からすれば頼りないことこの上ない。そんな彼の成長譚みたいなところもあって、いや、まあ、最後までずっと頼りないっちゃあ頼りないけれど、でも人間、こうやって周りから徐々に頼られるようになって、ジワっと成長していくもんだよね、というのが、よく出ています。 方言によるセリフがまた、何とも言えぬ人間味を感じさせるし、さまざまな人間が集まってくる港町らしく、さまざまな方言が入り混じる(関西訛りの役者たち)のも面白いところ。エキストラの動員により、町の雑多な感じや、殺伐とした争い、といったものも、映画によく表れています。 商売人としてはサッパリだけれど、舎弟たちに愛され、仲仕たちに愛され、大物オヤブンにも愛され、しかし藤純子演じるお竜との切ない関係があったりもして。その他、病弱なヒットマンとか、人が好さそうに見えて実は剣の達人のオッチャンとか、脇を固めるキャラクターも多彩で、それぞれが忘れ難い存在感を示しています。 そして、若松を牛耳ろうと企むハゲ親父・岩万こと内田朝雄との、深まる因縁。ラストはもう、殴り込みならぬ、討ち入り状態で、準備のために集結した主人公たちの姿が、どえらくカッコいい。激しい死闘、そして最後に鳴り響く銃声。シビレます。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2020-12-29 04:15:35)
693.  アルティメット2 マッスル・ネバー・ダイ
かつてジャッキー・チェンがやってたみたいにどえらく体を張った危険なアクションやってるなー、と、そこはそかつてジャッキー・チェンがやってたみたいにどえらく体を張った危険なアクションやってるなー、と、そこはソコソコ感心するのだけど、どうも映画全体的に見せ方が上手くない。 ただでもガラの悪い連中ばかり出てくるのに、前半の描き方がやたらゴチャゴチャしていて、何だかひたすら乱雑な雰囲気しか感じない。それが後半、それなりに映画の焦点が合ってくるのだけど、そこで、前半散らかしたものがハマるべきところにピタリとハマったならば、「なるほどそういうことだったのか」と、一種の快感に繋がったりもするところ。本作にはどうもそのカタルシスが無くって。ゴチャゴチャしてた割に、結局、この程度のオハナシだったのか、と思っちゃう。 アクションも、演じてる側は体張って派手にやってみせてくれるけれど、撮る側がどうもイマイチで、工夫も乏しく、せっかくのアクションも見栄えがしなかったりして。 ま、派手なところは確かに、とことん派手にやってくれますが。 ただ、このテの格闘映画で、金的攻撃は禁止にして欲しいぞ。盛り上がりを期待したところでこの肩透かし、笑ってくれというつもりかも知れないけれど、これは『大福星』でサモハンが西脇美智子を倒すシーン以来のガッカリ感と言っても過言ではない。とまで言うのは過言かもしれないけれど。 それにしても、結局、この危機に対して立ち上がったガラの悪い集団が、どうやら色々な人種・民族の混合であるらしいのが、特定の観客層しかターゲットに出来ないアメリカ映画との、違い、と言えるのかも。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-12-26 12:24:46)
694.  制覇(1982)
物語の中心人物が、「谷」口組の田「所」組長、ってんだから、モデルが誰なのかは明らかで、さすが芸能界にも幅を利かせた人物だけのことはあって(なのかどうかは知らないけれど)、これでもかと有名俳優が名を連ねたオールスター映画となってます。冒頭に出演者がクレジットされないので、誰が出てくるかは見てのお楽しみ。まあ、あの人この人、出てくるわ出てくるわ。まずは主人公に、世界のミフネ。 医者役にはどこかで見たことのあるオジサンが。と思ったら鶴田浩二で、本来、このヒトの端正な顔立ちはこういう役にピッタリだと思うのだけど、ヤクザ映画にカタギの役で出てくるとヘンな違和感が。一瞬、誰かワカランかったぞ。そんでもって、日活からやってきた大スター、小林旭の顔も。なんだかこの辺り、モデルとなった組長さんとは因縁深いヒトたちでもありますが。 他にも菅原文太、若山富三郎、丹波哲郎などが続々登場、それから、意外に重要な役でハングマン名高達郎、意外に重要でない役でアオレンジャー宮内洋、等々。次は誰が出てくるかを気にしだしたら、お腹いっぱいになってしまいます。後半に入ったらもう新たには誰も出てこないだろう、と思ってたら何と、披露宴のシーンに志茂田景樹の姿が(?)。ただしこれは原作者枠であることがラストのクレジットで判明。 と、賑やかな顔触れのヤクザ映画巨編、という訳ですが、組長の家庭のシーンになると、これが途轍もなく日常的、庶民的。完全にホームドラマの世界です。暴力の世界と家族の世界を表裏一体で描く。他の組織との抗争、跡継ぎの問題。まあ、『ゴッドファーザー』みたいな路線を狙ったんだろう、とは、おそらく誰しもが感じるところ。 もちろん、完全に同じ路線ではないし、実際遠く及ばないし、一方で本作ならではの(良くも悪くも)日本らしさ、みたいなものがあったりもするのですが、いかんせん、内容的にチト弱い印象。組長襲撃に端を発する前半は、悪くないとは思うのですが、後半、やや薄味になってしまったような気がします。若山富三郎の無骨さは光っていますが、どうも尺の長さに割に見どころが少なくって。 とは言え、主役のモデルになったお方の息子さんが作品に関わっていることもあってか、雰囲気はよく出ています。跡目を発表する岡田茉莉子を前にして、幹部たちが居ずまいを正すシーンなんか、いいですね。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-12-26 06:10:36)
695.  レッド・ダイヤモンド
ブルース・ウィルスが小遣い稼ぎみたいに脇役出演していると聞くと、きっと激安のアクション映画だろう、と思っちゃうのですが、さにあらず。そもそも主演なら大丈夫という訳でも何でもないしね。とにかくこれが、意外にオモシロかったのでした。 だけど、この作品が本サイトで未登録だったので、登録要望出そうと、作品情報調べてたら、某サイトには「多くの批評家から酷評されている」とか書いてあって。え~。私にとっては、やたらと面白い作品だったのに~。 まあ確かに、いきなりボートチェイスが始まったりカーチェイスが始まったりしてストーリーそっちのけになっちゃうのは、いかにも安っぽくはあるのですが。しかしそれがどうした。安くてもいいではないですか、オモシロいんだから。そしてどこか、懐かしい。 まず本作の何がいいって、主人公には女性スナイパーの相棒がいて、これがなかなかのカワイ子ちゃんであるにもかかわらず、どういう訳か主人公の男は、このカワイ子ちゃんには手を出そうとせず、その代わりどういう訳かオバチャンにばかり関心を向けている、というのがスバラシイ。ホント、どういう訳なんだろうか、と思いつつ、見てて何となく安堵を感じてしまう(笑)。しかしそれにしても人の好みはワカランもんです。 ってのはさておき、オバチャンとのクサレ縁から、面倒ごとに巻き込まれる主人公。しかし心配ご無用、彼には信頼できる仲間たちがいる。という訳でその信頼できる仲間たちを招集するのだけど、これがまた、ポンコツばかり。この主人公、つくづく人間関係に恵まれていない、という気がしつつ、見てて何となく安堵を感じてしまう(笑)。 そんなこんなで、ポンコツな人たちの活躍が描かれるのですが、適度にユーモアとアクションを散りばめて、なかなかの楽しさ。終盤は映画の尺を少し残して事件が収束してしまい、残った時間で何をするんだろう、と思ってたら、冒頭の「ゴルフ打ちっぱなし」のシーンが回帰して、しかもラストで打たれるのはゴルフボールではなく・・・という、ちょいとシャレた終わり方。 さらにエンドクレジットに重ねてオマケ映像があり、途中からはNG集。撮影現場の楽しそうな雰囲気が窺えて、後味も良し。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-12-21 21:34:24)
696.  ドルフ・ラングレン ダブル・トリガー
ドルフ・ラングレン主演と聞くと、きっと激安のアクション映画だろう、と思っちゃうのですが、さにあらず。そもそも主演じゃないしね。と聞くと余計に不安になりますが。 意外にしっかりした、サスペンス映画。 仲睦まじい若夫婦が手にいれた新居は、セキュリティ万全の、拾い物。と思いきや、家の中で見つけたのは、大量のヤバいブツ。どうやらここは以前は悪党どもの巣窟だったらしい。これも一種の事故物件ですな。しかもそこに当の悪党どもがやってきてしまう。と言う訳で、一軒家での攻防戦の一夜が始まる。 今どきみんなケータイ持ってるんだから、助けを呼べばいい話、こういうシチュエーションが成立しにくい時代となっておりますが、そこは本作、道中のシーンで、主人公の夫婦に、クルマの中でケータイを放り投げさせており、抜け目がありません。 悪党どもが襲い掛かってくる、とは言っても、たったの二人なんですけど、逆に、あまり風呂敷を広げ過ぎずに少人数の戦いとして描いているのがいい。 頑丈な防御が施されているため、侵入に手をあぐねる悪党二人組。その様子を監視カメラ越しに描くのは、映画としては常套手段かもしれないけれど、なかなかの効果を上げています。 そして、家の中にはヤバいブツ以上にさらにヤバい「あるモノ」が。だから悪党どもは、何が何でも侵入しようと躍起になる。 終盤、物語は大きく動き、「悪党との対決」という意味では物語が破綻しかかるのだけど、そこは厚かましく、ひたすら対決の物語として突き進んでいく。破綻を恐れずに厚かましく突き進むからこそ、物語はこうやって盛り上がる訳で。 新居はハズレでしたが、この映画は、拾い物です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-19 17:38:18)
697.  山猫は眠らない4 復活の銃弾
かつてタイタニックを観た女性たちはレオ様に熱狂し、これに対抗すべく男どもはビリー様の気持ちいいまでのいじめっ子ぶりに熱狂した訳ですが(してないか・・・)、そのビリー様ことビリー・ゼイン、タイタニックの数年前に『山猫は眠らない』に出演しておいたお陰で、シリーズ化されると、こうやってちょいちょい呼んでもらえる。色んなところにコネは作っておくもの。 とは言え、この第4作。あまりに安っぽい。Vシネ並み。いや実際、ビデオ作品らしい。 一応、それなりの場所に行ってロケ撮影してるんだろう、とは思うものの、見た感じはおよそ、どこか近所の空き地で撮影したようにしか見えませぬ。 さすがにこれは、無いよなあ、と。
[CS・衛星(吹替)] 2点(2020-12-16 20:59:55)
698.  沈黙 ーサイレンスー(2016)
遠藤周作の小説の映画化ですから、やっぱり竹中直人に出演して欲しかったなあ、と。何の役かというと勿論、「カメオ出演する原作者」の役で(そんな役、無いけど)。 「イエスの生涯」で遠藤周作はイエスを、ただひたすら愛を説いて十字架上に死んでいった無力な青年、人々の苦しみを分かち合う「永年の同伴者」として描いており、そしてこの「沈黙」における「あの人」もまた、弾圧される信者たちや主人公を直接的に救うことはなく、しかし彼らの苦しみに寄り添う存在として描かれています。 しかしその一方で、この「沈黙」には、異端の者として挫折していく主人公の哀しみ、みたいなものが同時に描かれていて、遠藤作品では「留学」などが同様の視点を感じさせますけれども、これにはもしかしたら、極東の地に生まれてキリスト教の世界では傍流を歩まざるを得ない作者自身が、投影されているのかも知れません。 という点から見ると、やはりこれは、あくまで欧米人の視点で描いた映画なんだな、という気がしてきます。あくまで主人公と神との関係(あるいは、信者と神との板挟み、とでもいうか)に主眼が置かれていて、そして信仰心そのものに主眼が描かれていて、異端の哀しみみたいなものは、あまり感じられない。これはこれで、なるほど、と思わせるものは、あります。 舞台となっている長崎、五島列島の風景は、どことも得体の知れぬ、何やら地の果てのような雰囲気であって、我々日本人の目にすらも「見知らぬ異国」として映る、謎めいた世界のように描かれています(日本でロケしてないから、と言っちゃあ、それまでだけど)。原作同様のセリフが登場しても、どこか雰囲気が異なっているのは、そこに、自国としての日本、という感覚が一切含まれていないからでしょうか。作者が日本人であり続けねばならなかったように、主人公も日本人として後半生を送らねばならかった、そのことへの諦念よりも、「形はどうあれ、やっぱり信仰心、だよね」というノリで押し切ってしまうのが、やはり欧米の視点、なんですかね。 と言う訳で、次は是非「おバカさん」の映画化をヨロシク!
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-12-08 20:10:50)(良:1票)
699.  日本女侠伝 鉄火芸者
藤純子さんの日本舞踊、さすがですね。冒頭のタイトルバックから、安心して見られます。本編の中でも随所で腕前を披露していて。寛美先生もご満足でしょうな、きっと(気難しげなお師匠さんの役です)。 物語はというと、曽我廼家明蝶vs安部徹、マジメ企業と悪徳企業との戦い。曽我廼家明蝶は藤純子演じる主人公の芸者さんのパトロンみたいな感じですかね。で、彼のもとで菅原文太が働いていて、藤純子と知り合って・・・ってのはいいけれど、二人が実は初対面ではなくって、過去に意外な接点があった、というあたりが、正直、出来過ぎた話で、もう一つ乗れないところ。回想シーンでこの事実を一気にバラされると、見てる方もちょっと面食らってしまいます。いや、出来過ぎで何が悪い、と言われりゃ、そうなんですけれども。 それ以外にも、ちょっと「え?(笑)」というような思わぬ事件が発生したりして。ちょっと強引かな、と。 とは言え、クライマックスに向けては、これはもう、強引で大いにOK、ああ、やっぱりそうなるよね、という大事件と、最後は殴りこみ。 結局、菅原文太であったり、エロ親父の伴淳三郎であったり、「男のヤセ我慢」みたいなのが見せ場になっていて、藤純子が啖呵を切ろうとなんだろうと、女性はそっと静かに耐えるだけ、というのが、女性を主人公にした作品にしてはちょいと寂しい部分でもあるのですが、今の視点でそれをどうこう言うのも、ちょっと違うかな、と。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-12-06 19:04:43)
700.  ファイト・クラブ
これ、初めて見た時は、何て気持ちの悪い映画なんだ、と思いました。この作品の、メタ性、みたいな部分が、どうも引っかかって仕方がなかったんですね。多分、当時、気持ち悪いと感じた一番の理由は、エドワード・ノートンが映写技師としてのブラッド・ピットについて語る場面、にあったように思います。ここでノートンは明らかにカメラに向かって、つまり我々に向かって語っていて、しかも映画の画面右上の「チェンジマーク」の説明まで始めてしまう。一種の自己言及であり、メタ構造を垣間見せることで、映画の中と我々との境界が曖昧になる。このシーンがあった上での、終盤にあの「真相」が示されてみると、何だか途轍もなく気持ちが悪い。 思えばポストモダンの時代とはすなわち、呪われた自己言及の時代であった、なんてテキトーな事を言うと怒られそうですが、19世紀、科学の「絶対性」はあと一歩で人類の手中に収まる、なんて思ってたら、20世紀に入ると、相対性理論やら量子力学やら不完全定理やらが「絶対性」を悉く奪い去ってしまって。代わりに相対的な視点を手に入れたはいいけど、その後には、無限に続く自己言及、自己懐疑が残されてしまった。自分を批判的に見る自分を、さらに意識する自分、いや、そんな事気にしてたらキリがないよね、とそれを割り切っている自分を、さらに意識せざるを得ない自分。 広義に見れば、映画におけるパロディというものも、映画の自己言及の一つ、と思えば、そんな事は昔からやってたんだろうけれど、ホラー映画の世界では『スクリーム』がメタ性を意識的に取り上げたりしてて、本作もそういう流れの上にあるのかも知れませんが、『スクリーム』がそれを娯楽性のためのギミックに留めていたのに対し、本作の場合は「ついに一線を越えちゃったな」みたいなところがあって。無目的な(あるいはそれ自体が目的の)殴り合いや、テロ行為といった、テーマ自体の破壊性とも相俟って、気持ち悪いとすら感じるほどの野心作となっております。 もっとも、かつて本作を観てから、その後さまざまな反則スレスレの映画を目にしてきて、今回また改めて本作を観ると、そこまでの気持ち悪さは感じない、というか、どこか「世紀末の懐かしさ」、みたいなものすらも感じてしまいます。ま、そもそも、真相を知らずに観るのと、知った上で観るのとでは、明らかに異なる世界が広がるのですが。 そうは言っても、この生々しい暴力がもたらす強烈な印象は、今もって新鮮で、むしろ、生の充足すらも記号化されつつあるデジタル社会にこそ、この作品は牙を剥く、そんな一面も確かに持ち合わせた映画だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-06 16:38:31)(良:1票)
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