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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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681.  エイリアン
前見た時は相当の古臭さを感じたが、ディレクターズカット版では古臭さを全く微塵も感じさせない出来に驚いた。 そして閉塞的で息が詰まる重々しい気持ち悪さを感じさせる雰囲気がまた良い意味で素晴らしい。 あまり敵をはっきりと見せないという演出も冴えている。 またリドリースコットらしい暗闇と雨のような水滴が効果的に使われているのがいい雰囲気を出している。 エイリアンのデザインも良いのだが、最初に寄生された場所の異性人の宇宙船と内部のデザインは素晴らしい出来だと思う。 ラスト付近のたかが宇宙船に3度大爆発をさせるのがよく分からんが、人間関係において契約、命令、法律など中々面白い仕組みになっているのも特筆できる点だ。 敵が1匹に対し、7人(ロボット含む)中1人と猫が生還。有力キャラっぽい船長は3番目に死亡。 フェイスハガーは人に張りついて役目を終えたら、勝手に死ぬんだなあと改めて気づいた。 船長等をある場所に集めていたが、マザーもいないのにどうするつもりだったのだろうか。 最初の一匹目がマザーになる資格を得るのだろうか少しその部分が疑問として残った。
8点(2004-12-05 23:38:27)
682.  キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
ストーリーに抑揚がなくストーリー自体は大して面白くはないと思う反面、じっくりと創り込められていると感じた。全体を通せば映画の出来はかなり良い。 ディカプリオとハンクスの追っかけたり、追われたりという二人のスピーディのある映画ではなく、ディカプリオが失ったものを必死に追いかけている映画だと感じた。 追っかけているのはトムハンクスではなくて、ディカプリオなんだなと思う。 「catch me if you can」の「you」はディカプリオで「me」とは実は家族の幸せだったのではないか。 父親のネズミの教え通りにもがき続けた人生の果てに見た「母親の幸せそうな家族」。 もう自分が求め続けた家族の幸せは取り戻せない。 あそこでもがくのをあきらめざるを得ない心境になるのは映画を通してよく理解できた。 クリスマスに相手をする人がいなくハンクスに電話をしてしまう寂しさとハンクスにずばり言い当てられてしまう悔しさ。 二人の関係も最終的には嘘、偽りのない並々ならぬ関係に描かれており、ラスト付近の空港の会話や職場で待つハンクスとディカプリオのやり取りも胸に染みた。 二人の信頼感がまさに固まった瞬間で終わったのが良かった。 追い求めた家族の幸せは取り戻せなかったが、最後は説明だけだが、自分の本当の家族を作ることが出来たなんていうのはなかなか良いストーリーではなかったか。
8点(2004-12-05 23:37:31)
683.  スパイダーマン(2002)
本作のテーマは「ヒーローの宿命」ということでしょうか。 ヒーローとして生きるということは、たとえ好きな人を愛したとしても、それは結局、彼女を傷つけることにしかならないというヒーローの宿命を描きたかったのではないか。 しかし、一緒には居られないが、いつまでも好きな人を見守り続ける覚悟を決めたのが、ラストの墓の告白シーンで感じられた。 そして、何度も繰り返し語られた「大いなる力には大いなる責任が伴う。」ということを、全般を通してかなりねちっこく描いていると感じた。 自分に関係ないと思っていた犯罪者が、ひいては自分の愛する家族を傷つけることになるという一連の正義への目覚めへの流れはよく出来ている。 自分の信じる正義の道がマスコミやゴブリンによって揺さぶりを掛けられ続けるというのも悪くない流れだ。 映像の出来に関して言えば、あの浮遊感を表現できたのはモノ凄いと感じた。 小ネタだが、スパイダーマンと名づけたのがプロレスのリングアナというのはちょっと驚いた。 デフォーの二面性を描いた一種のゴラム化は見応えがあった。
8点(2004-12-01 01:14:34)
684.  ピッチブラック
金は掛けなくても映像は凝ってるし、冒頭の落下のシーンにはセンスの良さを感じた。 あれだけ多数のエイリアンが相手なので、エイリアンとの戦いには焦点をあてずに、極限状態での人間性をテーマに悪人リディックを主人公にした設定は面白いと思う。 冒頭に人を荷物のように投げ捨てようとしたにもかかわらず、ラストに自分の命の危険性を省みずに救おうとしたキャロリンの姿が対照的に描かれている点は素晴らしい。 極限状態になれば普通恐怖に怯え、自分が生き残るためには他人を犠牲にしても厭わない、そういう世界は確かに描けてはおり、一体何が善で、何が悪なのかを一応考えることは出来たが、そういう世界や視点が上手く表現できていなかった気はする。 善人そうに見えていたほど…という展開の方が分かりやすかったのではないか。特にあの警官っぽい賞金稼ぎをもっと上手く使って欲しかった。 リディックは確かにカッコ良かったが、神の存在を信じているが、神を憎み続けた男が辿り着いたラストとしてはあれでは少し演出が弱いと思う。 ラストの一言以外にもっと心の動きを感じられれば良かった。 こんな中途半端に描くくらいなら、「自分の命を賭けられるか」というキャロリンとリディックとの二人のやり取りを考えると、思いきってリディックが自分が助かりたいがためにキャロリンをエサにしようという演技をしていたという展開の方が面白いと思った。 それならば、こいつは筋金入りのワルだなと思える。 本作はやはりどことなく中途半端に感じる。
5点(2004-12-01 00:39:48)(良:1票)
685.  スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー 《ネタバレ》 
正直言って、自分は全くこの世界観に溶け込めずに、完全に置き去りにされてしまった感じがした。 前編を創りたいのは分かるけど、思わせぶりのセリフが多いのもやや気になる手法。 問題点としては、まずは薄っぺらい世界に合う薄っぺらい脚本。 ご都合主義満載のストーリーにはもはや突っ込む気にはなれず、これ以上あえて語るつもりはない。 宮崎映画というより、ラストあたりは自分はルパンのクローンのやつを思い出しましたよ。 そして、全く臨場感も疾走感も感じられない映像。 CG映画は好きな方であるし、CGによって映画は発展していると感じているが、この出来は、いかがなものだろうか。 特にグィネスが序盤ロボットに踏み潰されそうになっている場面は酷いとしか言いようがない。 あれでどうやって、ドキドキしろと言うだろうか。 真面目なヒーローモノと構えずに、完全にギャグ映画だと割り切れば楽しめる人は多いかもしれない。 事実、狙い通りレトロの世界に合う古典的なギャグで場内は結構笑いに溢れていた。 自分はグウィネスが好きなのでその点は充分楽しめたし。 衣装はステラマッカートニーが担当しているらしい。彼女はビートルズのポールの娘で、元クロエのデザイナー。 現在はグッチグループで自分の名前でデザインしている人気のデザイナーなので、ジュードとグィネスの衣装には注目して欲しい。 そして、かなり引っ張りに引っ張ったラストのオチ。あれには本当にマジ参った。あれで最低の映画だったのが救われた、完全にポイントアップした衝撃の驚きのラストは必見。
5点(2004-11-29 21:19:57)
686.  ポーラー・エクスプレス 《ネタバレ》 
映像は素晴らしいの一言。今までのアニメを越えた独特の映像には驚かされる。 イノセンスの映像も素晴らしいと思っていたが、あれとは違った驚きがある。 気持ち悪いと評判だった子ども達の表情も特に違和感なく、逆にリアルで良かった。 ストーリーは正にファンタジック内容で、こんなこと言っては引く人もいると思うが正直言って感動してしまった。 サンタクロースモノというジャンルがあるとすれば、この映画はそのジャンルの中ではベストの作品だろう。 サンタクロースを信じている子どもたちやその存在を疑っている子どもたちがいたら、見せてあげたい一本。 しかし劇場には子どもの姿は一人、二人…、しかも上映中はちょっとつまらなそうにしていたなあ。 鈴の効果的な使い方が印象的だった。大人たちや信じない子どもには聞こえない鈴の音。 自分には果たしてあの音が聞こえるんだろうか、少なくともこの映画を創った人達には聞こえているんだろうと感じた。それだけ愛情や夢が詰まったいい映画だった。 子ども達がこの旅で学んだもの、得たものが切符に打ち込まれるのもいい演出だった。 サンタクロースだけでなく、黒人の女の子のブレーキの話も信じなかったりしていたのもなかなかいい前振りだった。 人や見えるものを信じることの大切さも確かに重要だが、見えないものを信じることの大切さ、そして何よりも乗ろうと決めた、その第一歩を踏み出すことの重要さを描いている点が本作のテーマだろう。 見終わった後はホットチョコレートも飲みたくなるココロもカラダも温まる、すっきりする映画だった。 劇場名は言わないが、上映中に映像が途中で途切れるというハプニングあり。 薄い幕が一旦完全に下がり、劇場が明るくなる始末。しかも薄幕が下がったまま再開され、途切れた集中力を回復させるのはちょっとしんどかった。 観客が少なかったから誰も騒がなかったが、満員だったら大ゴトだった。まあ、ちゃんと最後にはプレゼントはもらったけどね。
8点(2004-11-28 17:08:53)
687.  Mr.インクレディブル 《ネタバレ》 
文句のつけようがない大満足の大傑作。 かなり練られた脚本とテンポの良さとそれぞれのキャラクターが生きている点が素晴らしい。 ストーリーは計算されつくされており、全てに繋がりがあり全く無駄がない。張ってある伏線も出来がいい。 インクレディブルとモードとの会話で「マント」ネタはどこかで使ってくると思ってたら、やっぱり生かされているし。 弟がジャングルで朝起きた時に姉ちゃんが近くにいてゲンナリするシーンがあったが、銃で襲われる姉ちゃんをカラダを張って助けるシーンに大きな効果を与えている。 普段は喧嘩をしたり嫌っているように見えても、実は内心大切に想っているという気持ちがゲンナリシーンがあったためより一層伝わる。 それが後半ではバリアで弟を逆に助けるシーンにも活きてくる。 またキャラクターにはそれぞれの長所や性格があり、その長所が存分に映像に活かされている。 特に体が伸びる奥さんが敵基地に潜入する場面は秀逸だろう。 弟の疾走感も見事に映像化されていた。 奥さんや弟などは、さすがアニメのチカラを感じる。 姉ちゃんも気持ちの変化というか成長は見逃せない。 始めは内気すぎてちょっと怖い感じがする上に貞子みたいだし、パワーも使いこなせないどうしようもないキャラクターだったが、前半のヘタレぶりが効果的だったために、後半での活躍ぶりは見事に感じる。 飛行機のシーンでは姉ちゃんがバリアを張れなかったため、奥さんがカラダを張って子ども達を助けていたが、あの時の陸にあがった時の疲労感も効果的だ。 疲労感がより描かれることにより、自分に疲労感があっても疲れた息子を誉めることを忘れないという奥さんの性格と子どもへの愛情が垣間見れる。 この映画は、家族愛が描かれているだけでなく、ヒーローモノとしても、スパイモノとしても、色々なタイプの映画を楽しめるように出来ている点も良く、子どもだけでなく大人も間違いなく楽しめるオススメの作品だ。
10点(2004-11-28 03:15:38)(良:3票)
688.  キャスト・アウェイ
自分の人生に生きがいを失っていると感じている人に見てもらいたい良作。 本作は人々に生きる希望を与え、人生あきらめてはいけないことを教えてくれるような気がした。 チャックが語っていたように、息をし続けていれば、潮がきっと何かを運んでくれる。 人生につらい事があっても生きてさえいれば、きっと何かいいことがあるということを言っているのだろう。 たとえ最愛の女性と気持ちは通じ合っていても別れなければならない状況に陥ったとしても、チャックのように最後の最後まで自分の仕事に対するプロ意識があれば、また新しい出会いに巡り合えるチャンスを得ることもできる。 人生も一種の漂流みたいなものだ。どこにたどり着くかは分からないが、どこかに向かって歩きつづけ、もがきつづけている。  そして愛する人への想いが人を生へ固執させることを改めて教えてくれた。 「島ではずっと一緒にいてくれた…。」フォレストガンプでも似たようなセリフはあったが、こういったセリフは本当に純粋に胸を打つ。 愛する人の支えがあるからこそ、人は頑張れる。 愛する人だけでなく、親友ももちろん重要だろう。 最高の親友であるウィルソンとの別れのシーンも最高だった。 確かに少しオーバーアクションで感動させようとしているのがちょっと分かってしまうが、普通の人間の親友や恋人との別れのシーンよりもある意味で感動的だった。 戻ってきた時の文明や飽食に対する寂しそうな表情も忘れられない。 あの火を起こす苦労に比べ、チャッカマンなんて反則だからなあ。 自殺、文明への依存、食べ物に対する意識など、現代社会に対する警鐘的な要素も見逃せない。 
9点(2004-11-24 22:00:52)
689.  フォレスト・ガンプ/一期一会
始めの頃は何とも思わなかったけど、後半に行くにしたがいどんどんと引き込まれていく。 見終わった後は本当に素晴らしい映画だと感じた。 「運命」と「愛」という難しい二つのテーマを溶け込ませた本当の傑作。 「運命」には、定めという性格がある、その一方で、風にのってたださまようという性格もある。 その二つの性格をもったものが「運命」ではあるが、結局は自分の運命は自分で見つけ、決めることが必要というメッセージを受けとめた。 確かに人生はチョコレート箱のようなものだろう、個人的にはビックリ箱のように思っているが。 映画の中の人生だけでなく、自分の人生もどう転ぶかは誰も分からない。 他人からは平凡の人生に見えても、他人には分からない大きな山がいくつもあるし、日々の営みには色々な出来事がある。 だから本当に人生は面白いし、後悔しないように必死に生きようとするのだろう。 「愛」について何も知らないとジェニーに始めの頃、フォレストは言われていたが、「愛」について誰よりも知っている男がフォレストだろう。 ジェニーへの想いが彼を支え続けた。そしてジェニーも彼によって何度も支えられていたと感じた。 この映画には「画」の撮り方に随所に素晴らしい面が見受けれれたが、その効果が「君もいたよ」という短いセリフに現われた。 「あの美しい景色を自分は君を想いながら眺めていた。そして一緒に見ていたように感じていた。」という想いが伝わる短いながらも最高のセリフだと思う。 人生に行き詰まった時があったら、もう一度見てみたい。そんな映画に巡り合えた気がした。
10点(2004-11-23 22:23:05)
690.  座頭市(2003)
この映画はかなり評価が割れそうな気がする。 リズムこそいいけど、テンポが悪く、ストーリーもそれほど大した事はない。映像やCGも結構、雑な気がするのでつまらないと思う人もいるかもしれないが、見終わった後の余韻というか何かがいつまでもココロに残る気がした。 観終わった後に何も残らない映画が多い中で、これだけでも評価に値するのではないだろうか。 ストーリーとはあまり関係はなかったけど、いくら目を見開いても、見えないものは多い、「めくら」のほうが逆に多く見えることはあるというのもなかなか面白いメッセージでもある。 話題のラストの踊りのシーンだが、踊り単独でも確かに見ごたえは充分あるけど、映画を通してあの踊りに対して何を感じるかだろう。 自分はあの踊りに対して、姉と弟の復讐という呪縛からの解放と悪党がいなくなり10年の苦しみから救われ、これからいい村に再建していくという村人達の希望みたいなものを感じた。 残念なのは、悪党の黒幕がバレバレなこと。もっといい伏線を貼ったり、いい演出が出来たものだろうと思う。 序盤でバレないようにしておいて、ラストで一転させたほうが更に面白い映画になると思う。 いい奴だと思ってた奴が実は悪い奴だったら、テーマにもリンクするんじゃないのかなあ。 服飾も良かった、「市」の帯とか結構センスあるなと感じる。
7点(2004-11-23 14:10:42)
691.  ハウルの動く城 《ネタバレ》 
相当の期待感を胸に映画館に足を運んだが、見終わった後の率直な感想は何を伝えたかったのかが全く分からなかったという思いしか残らなかった。特に強いメッセージ性を要求しているのではない、単純なものでいい、何かを伝えて欲しかった。もっとも全編を通して伝えたかったのは「愛」だろう。それは理解できる。しかしそれを伝える手段としては疑問を感じざるを得ない。ハウルへの想いの強さによってソフィーは少女のようにも、老婆のようにも姿が変わる。この描き方は面白いと感じた。かけられていた呪いも二人の愛の力によって解いたのだと思う。その点も本来は感動的なはずだが大事なのは過程だろう。個人的には、もっと自分の身を犠牲にしてでも相手を守りたいという点を強調しても良かったと思う。「守りたいものが出来た。それは君だ。」ということを、もっとはっきりと大きなテーマにすべきではなかっただろうか。確かに、ハウルはソフィーのために身を呈して爆弾を防いだりしていたが、あれでは盛り上がりに欠ける。一方、ソフィーもハウルのために、火を恐れずに荒地の魔女から心臓を取り戻した。しかし、もっとドラマティックに演出することはいくらでも可能だっただろう。そもそも荒地の魔女とのやり取りをあんなにあっさりと終わらせるのはもったいなさすぎる。あそこは最大のクライマックスしても良かった。チカラを失っていたと思われた荒地の魔女が、我を忘れて異形に近いような姿になるのを、ソフィーが愛の力で取り返すという展開にした方がまだ面白い。荒地の魔女も本来の人間の心がまだ片隅にあり、ソフィーに親切にしてもらった気持ちやソフィーのハウルに対する愛情を感じていて、改心するという方が良かっただろう。そうすれば、荒地の魔女の存在意義も大きなものになってくる。はっきり言って荒地の魔女だけでなく、ハウル、ソフィー、師匠、ソフィー母等、キャラクターの描き方・存在理由に違和感も覚えざるを得ない。 そしてもう一点、戦争の描き方に対しても疑問を持つ。あそこまで不明確に描く理由があるのだろうか。大体は流れでなんとなく分かるが、誰が何のために争っていて、解決策があるのか、ハウルがその戦争にどのように関与しているのかは少なくても明瞭にすべきだったと思われる。そうしないと「かかし」の存在も意味がなく、「こんなくだらない戦争終わらせないと」のようなラストのセリフも生きようもない。
3点(2004-11-22 22:39:45)(良:2票)
692.  モーターサイクル・ダイアリーズ
旅をするために旅に出発した二人、詳細なプランは特別にはない、目的地はハンセン病施設。 そんなあてどもない旅を通して、ゲバラが何を見つけ、何を学んだのかという視点が上手く描かれていた。 学んだものは、ぶつける事が出来ないどうしようもない怒り、やりきれない想い、人々の貧しさと、人のために役に立ちたいという漠然とした気持ちが強い想いに変わったこと。 旅を通して自分が何をなすべきかを探し得たのではないだろうか。 嘘をつくことが出来ない、わけ隔てなく人に対して向き合い、人に対しての愚直なまでの率直さが、ガエルガルシアの真っ直ぐな眼差しとあいまって、人々を惹きつける魅力となっている。 旅をしているうちに様々な人々と触れ合い、大きく変わっていく自分。 そしてもう戻ることが出来ない自分もいた。 旅もそうであろうが、自分に対しても郷愁と興奮があるように感じる。 もう戻ることが出来ないなつかしい思いのする自分と、どういう人生を歩んでいくか興奮を感じさせる自分。 そのような目的を見つけ、皆にスピーチするゲバラを見つめるアルベルトはどことなく羨ましそうだった。
7点(2004-11-20 22:40:12)
693.  スパイダーマン2
まずオープニングクレジット出来が素晴らしい。 前作の復習が出来るだけでなく劇画風デザインのセンスの良さが光る。 前作での「ヒーローとして生きる決意」を引き継いで、本作では「ヒーローとしての責任の重さ」、「その重さと一人の若者としての葛藤」、「ヒーローの孤独感」の三点が上手く描けていたと感じた。 ヒーローではない時の一人の若者としてのピーターパーカーに対してスポットを当てることにより、家賃を稼ぐために働かなくてはならない等の日々の営みがある「一人の人間」であることを改めて強調している。 普通の人間であることを強調することにより、ヒーローの困難さとその重みがますます感じられ、またヒーローとして生きるためには何かを犠牲にしなくてはならないことに説得感が増す。 しかし、たとえヒーローであっても、人を愛することまでも犠牲にしなくてはならないのかという問いに対しては、苦悩する一人の若者ということを強調することにより、ヒーローでも人を愛してもいいんではないかという答えを出したと思う。 今回、顔を晒しまくったのは、ヒーローの重みは一人で背負えるものではない、周囲の人の支えや愛する人が見守ってくれるから、ヒーローとして頑張れるということを言いたかったのではないだろうか。 それを描いたのが、電車のシーンだろう。ヒーローモノとしては最高のシーンだと思う。 ピーターの表情も良かったが、ぶっ倒れそうなピーターを皆で支えるシーンは、ヒーローはたとえ一人で戦うとしても、一人だけでは出来ない、周囲の人によって支えられるから成り立つことを表しているように感じとれた。確か前作でも橋のシーンで周囲の人に助けてもらっていたはずだ。 他にもピーターには支えてくれる叔母さんがいる。 一度は捨てたはずのヒーローの道を取り戻すきっかけになる叔母さんのセリフは本作のテーマ。あの叔父さんと叔母さん夫婦は本当にピーターにいい影響を与えてくれる。 期待していたんだが「1」に続いて地味なままで終わったハリーは次回では出番がありそうで楽しみ。 エレベーターや腰痛ネタもあり、笑えるシーンや泣けるシーン、爽快なシーン、苦悩するシーンなど様々な感情を味わえる本当に良い作品に仕上がっていると感じた。
9点(2004-11-19 21:28:43)
694.  砂と霧の家 《ネタバレ》 
映画を見終った後の観客のそれぞれの足取りが重かったことがこの映画を言い表している。 映画を見た後なのに近くにいたカップルなんて一言もしゃべらずただだまって歩いていただけだし。 陳腐な言い方だが、後味のワルさと何とも言い切れない憂鬱感だけはアカデミー賞級の映画。 一体何を感じ取れば良いのかちょっと整理はつかないけど、骨太で重厚な創りと、俳優陣の演技、映像の綺麗さは誉めることができる。特にラヴシーンの綺麗さは良かった。 あんな警官とのラブシーンにあそこまで綺麗に取る必要があるかはよく分からないが。 個人的に思ったことであるが、ファーストカットとファイナルカットがかぶっている創りにする意味が良く分からん。 あんなファーストカットはほとんど意味がなく、むしろ撮るものは他にあったと思われる。 キングスレーとジェニファーの二人が取り戻したかったモノは何か? そう考えれば、キングスレーにとっては家族の幸せであり、父親としての威厳とプライドだろう。 一方、ジェニファーにとっては父と兄と暮らした幸せが詰まった想い出である。 その結果からすると、冒頭にはジェニファーの幼少期、父と遊ぶ、幸せな想い出を入れ、キングスレーには訳が分からん木を倒すシーンよりも、イラン時代の家族が幸せで自分の威厳があったシーンを入れるべきではないだろうか。その際はあの家と少し雰囲気が似ている家の必要はあるが。 その方が何故あの二人が必死になる必要があるのかがより明確になると思う。 家族への偽りの人生が招いた悲劇、その結果失ったものは、キングスレーと警官の二つの家族と一つの家…。 家族の幸せは、砂のようにもろく、霧のように掴みづらいものなんだろうか。
7点(2004-11-14 22:23:31)(良:1票)
695.  イレイザーヘッド
観ている間、まるで鈍器でアタマを殴られ続けるような感じにさせてくれる映画。 ヘンリーだけでなく観客にとっても正に悪夢と言ってもよいかもしれない。 あまりに耐えられない悪夢なので、自分の妄想のなかで自分のアタマを消しゴムにして粉々に吹き飛ばしてみたくなる衝動もなんとか分からんでもな。 悲惨なオトコの現実逃避を描いた作品なのかもしれない。 そして途中でラジエーターの女性が歌った歌がこの映画を言い表したようなものでしょうか。 頭が変になることもなく、全て上手くいき、悩みなんてない世界、それが天国。 子どもを殺して、最後は自分を天国に行かせてしまったような感じがする。 リンチ以外に作ることは出来ない正にある意味では傑作と言って良い世界観をもった映画。モノクロもいい効果が出ている 個人的には「工場で何してるんだ?」「ただの工員です。」の後に全く動かなくなったオヤジとベッド脇に盛られた土に刺さった草のようなモノが特に気に入りました。 それにしてもあの赤ん坊は作り物としてもリアル過ぎる、特にあの眼の動きは説明することは難しい。 そしてあの口や舌の動き方はなんなんだろう、切ろうとしたチキンが足をばたつかせることの比ではなく説明困難だ。
7点(2004-11-14 04:31:48)
696.  シュレック
見かけだけで人を判断するなというテーマと同時に「オレが世間を避けているんではない、世間の方がオレを避けてるんだ」と知らない間に周りと壁を作っているシュレックの人や社会への接し方は現代にも当てはまるような気がした。 結局は、自分ことを一番醜いと思っていたのが自分なんだろうなと感じる。 それを救ったのはドンキーなのではないか。 ドンキーの友情がシュレックの心の孤独の闇から救ったと思う。フィオナと上手くいったのもドンキーがいたからこそだろう。 風船交換等のシュレックとフィオナのバカップルぷりも確かに良かったが、難を言えばやはりストーリーが浅過ぎると言わざるを得ない。 もうちょっと身分や立場は違うけど本当の愛とは何か、本当の強さとは何か、本当の勇気とは何かを描ければだいぶいい作品になっただろう。 そして「本当の自分のことを知りもしないで」と玉ねぎを引用してシュレックは語っていたけど、シュレックの良さはそれほど感じられないし、描かれてはいなかったと思う。
5点(2004-11-11 02:59:32)
697.  ロスト・ハイウェイ
この映画に答えなんてないし、どのような解釈もアリだと思います。 時間軸のズレなど観客だけでなく監督すら迷宮に入りこんだような作品、しかし好きなジャンルの映画です。 たぶん合ってないと思いますが、自分なりの解釈を試みたいと思います。 妻を殺したのは、フレッド自身、しかし彼にはその自覚はない。 何故彼女を殺したかというと、妻の不倫を疑い、あまりにも妻を愛しすぎていたため、猜疑心によって気が狂ってしまった。 それに耐えられなくなってもう一人の自分であるミステリーマンという人格を作りだし、もう一人の自分が妻を殺したため本人には自覚がない。 テープにより証拠が固い為、死刑になり独房に入れられる。 ピートの話は大部分が妄想の世界と考えられる。 根拠はアリスという女性が写真から消えることと、ミステリーマンが「あの女はレネエだぞ」というセリフから推測できる。 自分を正当化し、自分の願望を達成するために創り出したフレッド自身の世界であり、現実ではないと思われる。 ピートはフレッド自身であり、アリスはレネエを投影した妄想で問題はないはず。 ピート編を全て妄想と片付けることが一番手っ取り早い解釈だが、ちょっと味気ない気がする。 ディックロラントとアンディを殺したことはなんとなく現実化したいので、自分のなかでは現実にフレッドが殺したことにしました。 アリスが「あなたが殺したのよ」と語ったセリフからそんな気がした。 二人を殺すことであたかも妻が死んだのはオマエラのせいだとだから復讐をしたかのように自分を正当化してるのではないだろうか。 そして警察に追われ続ける。 しかし、この解釈ではロラントが死んだ夜はロラントがレネエと別れてすぐの晩のはずだし、その翌日に「ロラントは死んだ」と自分に語ってるんで解釈不能であり時間軸のズレが気になる。 しかもビデオに自分が映っているのはもはや説明の仕様がなく、アンディが死んだ部屋にピートの指紋がいっぱいあると警察が言っていたり、ピート編での謎である誰もが口をつぐんだ「あの晩」について答えがないのが困りモノ。 そもそもフレッド自身がどうやって刑務所から出れたのか説明が出来ない。 謎だらけ、自分も迷宮に陥ったようだ。 「記憶は常に自分なりにする、起きたとおりには記憶したくない」とフレッドが言っているのがタチが悪すぎる。
7点(2004-11-07 04:33:36)(良:1票)
698.  オールド・ボーイ(2003) 《ネタバレ》 
映画を見ている時って、たまに別のことがアタマによぎったり、別のことを考えたりすることってないでしょうか。 どんなに良い映画でもそんなことはたまにあります。 しかし、この映画を見ている時は完全に映像に引きずり込まれた自分がいました。 余計なことを考えたり、よぎったりすることはまずなく、チカラのある映像、矛盾や破綻のなく魅力のあるストーリーに引きこまれ、役者の演技に魅了される。 特にラスト付近のオ・デスの懇願には参った。ウジンでなくてもあれには誰でも参るだろう。 あそこで一つの復讐が終わり、そしてウジンが一言吐いた「何を生きがいにすればいいのか」にテーマは尽きる。 復讐って一体何なんだろうと感じさせたり、復讐への想いに対するパワーを感じさせる。 復讐のキッカケに少し違和感を覚える人もいるだろうが、あれはあれで良い。 キッカケの弱さと復讐の壮大さの違いが一つの面白さでもある。逆恨みとも言えるがそれほどまでも姉への愛や自分への怒りがあるという証拠だろう。 オ・デスが失った15年、ウジンが復讐にかけた15年以上の年月、ミドが家族を失い一人で生きた15年…映像にはされていないが、どの15年にも重い年月を感じずにはいられない。 ただ単に殺し合うだけでは終わらない復讐のカタチ。 愛し合うことさえも復讐なのか、ウジンが仕掛けた復讐に終わりはないだろう、愛が終わらない限り。
8点(2004-11-06 23:42:47)
699.  クローン
手に汗にぎる逃走劇にプラスして「自分の正体は一体何者か?」ということを明らかにしていく基本的でシンプルなプロットは分かりやすく好感が持てる。 最初に捕まった時に「本当のターゲットはオマエだ!」と自らカウントダウンして脅すシーンから推測すると、適当についたウソが実は本当だったというオチだろうと思われる。 そうすると実はターゲットはあの追跡の責任者ということになるが、ターゲットが近くにいるのにラスト付近で妻も爆発しなければ、途中のポケットに潜ませる所でも本人が爆発しないという説明はどうするんだろうか。 あれほど性能の悪い爆弾じゃあ、近づくことすら困難な議長暗殺なんて夢のまた夢だろうね。
8点(2004-11-05 02:10:39)
700.  JSA
大の大人たちが子供のようにはしゃぎながら遊ぶ姿に深い意義がある、見る人によってはあの場面に複雑な想いを感じるのではないか。 そんな些細なことすら出来ない越えられない一線が二国にはあるのだろう。 日本に暮らしている我々には少し理解できないモノがあるが、南北分断のことを考える手助けになる本作はなかなか意義深い作品である。 人間として育むことが出来る彼らの友情も、南北分断という歴史に翻弄され一瞬のうちに敵となってしまう悲劇がある。 双方が銃を容易に降ろすことが出来ないのも、二国の関係をそのまま表している気がする。 ソンガンホのように冷静に中に割って銃を降ろすように仲裁してくれる国があれば良いのだが。 そして4人のうち3人が死んでしまう結果が心に痛い、現場で死んでしまった絵が好きな彼はやむを得なかったとしても、親友を死なせてしまった他の二人は離れていてもそれぞれが幸せに暮らすことはできなかったものかと感じる。 訳の分からないうちに親友を撃ち殺してしまった結果だけは過程がどうであれ変えられない現実として自分に残る、その後悔のなかで生き続けることは出来なかったのだろう。 あの緊迫した場面の中で一人だけ冷静に行動できたソンガンホは一人、孤独の中で何を想うだろうか。 事実が公にならないよう皆が揃った部屋で暴れた彼の行動が優しい。
8点(2004-11-03 23:56:43)
030.36%
140.49%
2121.46%
3394.74%
4789.48%
59111.06%
615618.96%
719523.69%
816319.81%
9607.29%
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