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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 823
性別 男性

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721.  ペイチェック 消された記憶 《ネタバレ》 
フィリップKディック原作だけあって、骨となるストーリーはやっぱり面白い。 本作ではディックのストーリーとジョンウーの奇抜さとのミスマッチさが意外と「よい味」になっていると感じた。 ただ、気になった点としては、やや丁寧さを欠いていないだろうか。 冒頭では2ヶ月、途中で3年という空白の歳月な流れるわけだが、どうみても、その時間の流れを感じさせない演出になっている。 なぜなら、ベンアフレック他の風体にまったく変化がないからだ。同じ髪型、同じ服装ではいくらなんでも不味いだろう。 特に冒頭の2ヶ月が酷い。ベンアフレックは恐らく2ヶ月前と同じネクタイをしていると思われる。 自分が演出家ならば、ユマサーマンとの出会い時も彼女の髪をロングにさせたりしておくと思う(多少の変化をつけていたが)。 髪がショートになると時代の変化などが感じられるともに、すり替えの女性が来たとしても髪形によって女性の印象も変わるから以前の記憶の曖昧さ(サーマンとの出会いとなったパーティーの記憶は消される対象になっていない)の理由にもなるだろう。 また、脳の温度が43度に達すると危険という訳の分からない設定があったかと思うが、いきなり42.9度までやるのはいささかやり過ぎではないか。こういうシーンはだんだんと0.1度間隔で上げていって、観客のハラハラ感を煽るものではないか。そして、あと0.1度で危険という難を逃れたにもかかわらず、直後のベンアフレックが意外と平然としているのにも酷い違和感を感じた。自分が俳優ならば、もっと「頭がぼうっとする」「頭が痛い」というような演技をしようとするものだろう。 さらに、本作で気になったセリフとしては、「壊す前に、未来を覗いておこう」だろう。 ストーリーの流れから判断して全く必然性を欠くセリフであり、もっと「未来を覗こうとすること」に対してなんらかの動機付けや工夫が必要ではないか。これでは「機械を直す(エッカートにアフレックの未来を見せる)こと」以外の効果は無くなる。結局、時計のタイミングが脱出のタイミングを教えており、「未来を覗いたこと」の大きな意味を失っているようにも思える。夢でフラッシュバックされる自分の最期に何かしらの違和感を感じて、「未来を覗くこと」によって何らかの確認的な意味(時計のアラームに気付く等)を与えた方が良かっただろう。
[DVD(字幕)] 6点(2004-07-04 16:29:25)(良:1票)
722.  スパイダーマン2
まずオープニングクレジット出来が素晴らしい。 前作の復習が出来るだけでなく劇画風デザインのセンスの良さが光る。 前作での「ヒーローとして生きる決意」を引き継いで、本作では「ヒーローとしての責任の重さ」、「その重さと一人の若者としての葛藤」、「ヒーローの孤独感」の三点が上手く描けていたと感じた。 ヒーローではない時の一人の若者としてのピーターパーカーに対してスポットを当てることにより、家賃を稼ぐために働かなくてはならない等の日々の営みがある「一人の人間」であることを改めて強調している。 普通の人間であることを強調することにより、ヒーローの困難さとその重みがますます感じられ、またヒーローとして生きるためには何かを犠牲にしなくてはならないことに説得感が増す。 しかし、たとえヒーローであっても、人を愛することまでも犠牲にしなくてはならないのかという問いに対しては、苦悩する一人の若者ということを強調することにより、ヒーローでも人を愛してもいいんではないかという答えを出したと思う。 今回、顔を晒しまくったのは、ヒーローの重みは一人で背負えるものではない、周囲の人の支えや愛する人が見守ってくれるから、ヒーローとして頑張れるということを言いたかったのではないだろうか。 それを描いたのが、電車のシーンだろう。ヒーローモノとしては最高のシーンだと思う。 ピーターの表情も良かったが、ぶっ倒れそうなピーターを皆で支えるシーンは、ヒーローはたとえ一人で戦うとしても、一人だけでは出来ない、周囲の人によって支えられるから成り立つことを表しているように感じとれた。確か前作でも橋のシーンで周囲の人に助けてもらっていたはずだ。 他にもピーターには支えてくれる叔母さんがいる。 一度は捨てたはずのヒーローの道を取り戻すきっかけになる叔母さんのセリフは本作のテーマ。あの叔父さんと叔母さん夫婦は本当にピーターにいい影響を与えてくれる。 期待していたんだが「1」に続いて地味なままで終わったハリーは次回では出番がありそうで楽しみ。 エレベーターや腰痛ネタもあり、笑えるシーンや泣けるシーン、爽快なシーン、苦悩するシーンなど様々な感情を味わえる本当に良い作品に仕上がっていると感じた。
9点(2004-07-04 02:38:06)
723.  X-MEN2 《ネタバレ》 
「なんでストーリーがこんな地味なの?」「なんでリーダーと主人公がクソ弱くて全く役に立たないの?」というのは、前作から引き続き思うこと。前作と比較をすると様々な点で前作以上と思われる。 【技術面】格段の進歩を遂げている。冒頭のナイトクロウラーのホワイトハウス襲撃や、パイロの火炎ショー、マグニートーの脱獄シーンなどは他ではみられない相当の映像技術レベルだと思う。 【キャラクター】前作では各人の能力が完全に活かされていると思えなかったが、今回はサイクロップスを除くすべてのキャラクターにある程度、見せ場がきちんと用意されている。自己犠牲を図ったジーンを筆頭に、八面六臂の活躍をみせたミスティーク、新規参入したナイトクロウラー(原作ではミスティークの子ども?)も冒頭の襲撃、飛行機でのローグ救出、ストームを伴ったセレブロへの侵入などの著しい活躍をみせている。前作よりも影が薄くなったローグでさえ、パイロの暴走を止めるために、彼の能力を吸収して、炎を鎮火させるといった動きをみせている。全身を鋼鉄化できるコロッサスや壁抜けのシャドウキャットといった脇役ともいえないキャラにも見せ場をきちんと与えているのもなかなか凄いところ。それにも関わらずサイクロップスは…。味方としてもダメ、敵になってもダメって。存在としてそうとうヤバイと思う。非情になりきれない優しさがあるのか?また、ジーンを失った際に、サングラスのため表情が分からないのもなかなか感情が伝わらず、今回は損な役回りを演じることとなった。 【ドラマ】前回はイマイチだったドラマ部分も、今回は細かいながらもきちんと描かれていたと思う。ジーン、ウルヴァリン、サイクロップスの微妙な三角関係(「ジーンを選んだのはお前だった」)、ウルヴァリンとローグ(認証票のやりとり)、アイスマンの関係(キッチンでの会話)もなかなかよかった。ウルヴァリンはローグにとって、父親みたいな存在で、家族なんだときちんと感じられる。ストームとナイトクラウラー、パイロとマグニートーの会話には短いながらも深みがあったように感じられた。マグニートーは前作では人類抹殺の思想までは持ち合わせてなかった気がしたが、今回はミュータント抹殺という人間からの宣戦布告に対して、真っ向から戦いを挑んだ形となった。だんだん過激になっていくマグニートーの動きは次作以降にどのように繋がっていくだろうか。
[映画館(字幕)] 7点(2004-07-03 19:42:07)(良:2票)
724.  X-メン 《ネタバレ》 
丁寧に製作されているけれども、イマイチ盛り上がりに欠けるブライアンシンガーらしい作品となっている。欠点の一つは『①バトルシーンの爽快感不足』だろう。ラストもコンビネーションの悪さが際立っている。ストームが風を使って、ウルヴァリンをローグが捕縛されている場所まで運び、ジーンがサイコキネシスでウルヴァリンの体を安定させる。問題が起きたら、サイクロップスがオプティックブラストでカバーするという作戦だ。ラストにも関わらず、とてつもなく地味すぎる。とても連続コンボというような代物ではない。『②ウルヴァリンとローグの関係の曖昧さ』この二人の関係は、ストーリーの根幹を支えるものだが、関係を支えているものが観客に伝わりづらい。恋愛感情でもない、師弟関係でもない、友情でもない、社会や家族から爪弾きにされた寂しさは理解できるよ程度でしかない二人。自分の生命を賭けてまでローグを守りたいというウルヴァリンに共感できるほど、二人の関係は補強されていないと思う。『③Xメンの思想・哲学に対する動機付け』ケリー議員は、国民のプライバシー、思想の自由、安全な暮らしを脅かす危険な存在を放置せずに登録制度を導入しようというものである。決して「抹殺」ではなく、あくまでも「登録」制度である。私利私欲に溺れているわけではなく、上院議員としては、かなり立派な活動をしているのではないか。マグニートーは、ユダヤ人迫害の経験から、登録制度が必ず迫害へと繋がるだろうと考えている。人類の進化した「未来」であるミュータントがなぜ迫害されなくてはならないのかを憂いているのである。各国の首脳をミュータント化することによって、真剣に考えて欲しいと思っているだけで、本作では人類を根絶やしにしたいという危険な発想の持ち主ではない。しかし、プロフェッサーXを含むメンバーには、なぜ人類と共存したいのかということが明確に示されなかった気がする。家族から見放され、人類から拒絶されたミュータントが「恵まれし子らの学園」という逃げ場所を作って、静かに平和に暮らしたいという発想はとても理解ができる。なぜ自分を拒絶した人類のために戦うのか。なぜ人類を信頼しようとするのか。ストーム自身も「人間が怖い…」と述べている。電車の中で優しく触れ合う親子を見るローグの眼差しのような、元の平和な生活に対する憧れや希望を感じさせるシーンをもっと入れた方がよかった。
[DVD(字幕)] 6点(2004-07-03 19:40:35)(良:2票)
725.  スパイダーマン(2002)
本作のテーマは「ヒーローの宿命」ということでしょうか。 ヒーローとして生きるということは、たとえ好きな人を愛したとしても、それは結局、彼女を傷つけることにしかならないというヒーローの宿命を描きたかったのではないか。 しかし、一緒には居られないが、いつまでも好きな人を見守り続ける覚悟を決めたのが、ラストの墓の告白シーンで感じられた。 そして、何度も繰り返し語られた「大いなる力には大いなる責任が伴う。」ということを、全般を通してかなりねちっこく描いていると感じた。 自分に関係ないと思っていた犯罪者が、ひいては自分の愛する家族を傷つけることになるという一連の正義への目覚めへの流れはよく出来ている。 自分の信じる正義の道がマスコミやゴブリンによって揺さぶりを掛けられ続けるというのも悪くない流れだ。 映像の出来に関して言えば、あの浮遊感を表現できたのはモノ凄いと感じた。 小ネタだが、スパイダーマンと名づけたのがプロレスのリングアナというのはちょっと驚いた。 デフォーの二面性を描いた一種のゴラム化は見応えがあった。
8点(2004-06-30 00:32:43)
726.  デアデビル
心にも肉体にも痛みを知る最弱のヒーロー。 うじうじした感が全くヒーローらしくないが、逆に気に入った。  オープニングクレジットを点字にしたり、随所に見せるセンスのいい映像が良かった。レーダー映像や雨のシーンだけでなくよく見ると中々全般的に良くこの監督はイイモノを持っている。 「父さんが見えない…」と言ったようにセリフにも中々良さを感じた。  またキャラクターに目を向けると、公園でのやつららしいいちゃつき方をしたベンとジェニファーのバカップルっぷりやブルズアイのいかれっぷりもユーモアや魅力があった。 ブルズアイとの死闘も結構見応えがあった。 戦いだけでなく、愛、友情、父親との関係など描くべきものはちゃんと描いていた。 正義とは何か?自分がやっていることは果たして正義なのか悩み苦しみながらも、復讐をしても悲しみは消えないとジェニファーに語ったセリフは自分が自分に出した答えだったんだろう。 だから最期のトドメは差さなかった。 街を救ってたつもりが、恐れも希望も無い自分が全く救われてなかった、でもジェニファーによって救われたと結んだラストはヒーローモノとしてはカッコイイ終わり方だろう。 これによって自分を信じ、正義を信じることが出来たんだから。 続編とかは見たいけど、スピンオフは見たくない、ジェニファーはどう考えてもブサイクだろう。
[映画館(字幕)] 8点(2004-06-28 00:11:24)
727.  スポーン
酷評されていますが、全く期待してなかった分そこそこ楽しめた気がします。 ジョーカーとペンギンを足して二で割ったようなキャラクターの下品さには閉口しながらも、復讐を義務付けられた男に復讐や暴力の空しさを説くという設定はなかなか良かった。 ただ、悪魔に魂を売るかどうかの選択にもう少し迷いが欲しく後悔や葛藤、人間らしい弱さや家族愛的な要素を更に押し出せばもっといい作品になっただろう。
6点(2004-06-27 02:11:58)
728.  マトリックス レボリューションズ
評判悪いようですが、概ね満足感を得られる出来だと思われます。 ただ、リローテッドで広がりすぎた世界観に対しての充分な回答を示してくれなかったのが残念です。 序盤のトレインマンとかメロビンジアンのあたりはリローテッドの続きっぽい流れだったけど、中盤のザイオン編では、ロードオブザリングのヘルム峡谷の戦いを見ているようで、最後のネオとスミスの戦いはドラゴンボールのようでした。 結局、機械側が人間に頼らない独自のエネルギー源を見付けてしまっているのが中途半端なラストに繋がったように思われる。
8点(2004-06-25 22:38:10)
729.  ブルース・オールマイティ
かなり笑えて、なかなか心温まる作品でした。 上映中は観客の笑いに溢れ、かなりいい雰囲気で映画を楽しむことができました。ただ笑えるだけでなく伝えたいテーマもちゃんとあるし、見終わった後に色々と考えることもできるのも良かった。 アメリカでコメディ映画としては抜群の大ヒットをしただけのことはあったなあ。
8点(2004-06-25 22:35:08)
730.  ラスト サムライ
勝元がなんのために戦い、なんのために死んだかを考えるとこの映画の良さが分かる気がします。 サムライの生き様とは全ては君主のために生き、君主のために死ぬ。それこそが名誉であり、戦場で死ぬことは誇りである。まさに勝元こそラストサムライだった。 サムライ的精神はパーフェクトに描かれてはいるけど、あまりに美しく描きすぎてて、死ぬことが誇りとはいえ、ラストあたりの悲壮感が全く感じられないのはどうなのかなあ。 美しく描くのなら、勝元の死に際に詩を完成させて欲しかった。 やや硬い話にいくつかの笑いを入れて中和させていたのも良かった気がする。タップするトムとスローで殺陣を再現させるトムには笑ったなあ。
8点(2004-06-25 22:31:54)
731.  ハルク
正直言ってそれほど面白くはないと感じたが、画面分割を多用したり、演出についてはアンリー監督は相当頑張ったなあという感想。 ブルースの父親役の人も良かったと思われる。欠点は脚本かなあ、ハルク誕生までが長すぎる上に、二組の父子の関係や一度別れたはずの二人が愛を取り戻すようなことを描こうとしたため色々中途半端になってしまった。 アクションがメインではないが、爆弾を叩き落すハルクはカッコ良い。飛んでいるような連続ジャンプも中々良かった。
[映画館(字幕)] 4点(2004-06-25 16:05:14)
732.  コンフェッション(2002)
絶対面白くはないと思うけど、それほど悪くはないと思う。 しかしどう考えても何かが足りない。 その原因が、ストレートで特に捻りもない脚本なのか、初監督ということで気合だけ入りまくって空回りした演出なのか、監督の空回りの気合に押されて、さらに空回りし続けた俳優の演技なのかはよく分からない。 自分が演出するのなら、肝心なポイントとして、やはり彼の告白が本当なのか作り話なのか、観客に悩ませるような演出・脚本の方が良かった気がする。 この映画では殺し屋だったことが疑いようのない事実のように描かれ切ってしまっている。 チャックバリスという人物について良くは知らないが、「ゴングショー」のようなものをプロデュースした彼独特のネタなのか、それとも事実なのか、観客によって見方が違うような映画を創れれば演出家としては一流となるだろう。 次に、この映画のように仮に事実として描くとしても、やはり一人の孤独なオトコの人生の描き方としては不充分だ。 特にラストのゲーム。銃で頭を撃ちぬかないゲームの勝者として本物の彼が紹介されたような演出であったが、果たして彼は勝者なのだろうか。 卑劣なテレビ文化を産んだ文明の破壊者としての描き方も中途半端なら、バリモアとの愛の描き方も不充分だ。 面倒な恋愛を避け、深い愛に陥らないよ性格となった原因である家族や母の影響も上手く描けていないと感じる。 殺した責任や殺されるプレッシャーなど様々なものに追い詰められ精神的におかしくなっていく 様を描くタイミングが遅いし、その後すぐにロバーツとの毒入り飲み物入れ替えエピソードに 移るのもなんとも言えないやり方だ。 ラストの銃のゲームは面白いエピソードなので、ラストは本物のチャックバリスがこめかみに銃を当てるところでエンディングを迎えた方が良い。 彼の人生をこの映画で見て、銃の引き金を引くのか、引かないのかを、この映画を見た観客に決めさせれば良いのである。 その判断をさせるだけの充分な素材を観客に与えることができれば演出家としては成功だろう。
6点(2004-06-25 16:03:06)
733.  ターミネーター3 《ネタバレ》 
本作を映画館で鑑賞したときには、あまりの迫力と臨場感ある映像に驚いて、興奮させられたものだった。映画館で楽しむ単体のアクション映画としてならば、それほど悪くはない作品だと思う。 本作の方向性として、キャメロン作品とは離れて金を掛けたアクション大作に仕上げようとする結論には、賛否あるだろうがやむを得ないだろう。キャメロンが演出もしなければ、脚本も書かない。シュワは出演するといっても、ギャラが3000万ドル(30億円以上)掛かる。このような状況下で、10年ぶりの続編を作るという危ういビジネスを考えると、万人が楽しめるアクション映画にするという結論に達するのはやむを得ないことだろう。キャメロン作品を踏襲しようとすれば、コアなファンからそっぽを向かれるだろうし、本作から本シリーズを観る新規の観客にはウケないだろう。 作品的には、「Ⅰ~Ⅲ」を連続で観ると、あまりに中途半端な作品になっていると言わざるを得ない。「色」があまりにもなさ過ぎる。白地のキャンパスにあまりに薄い色を塗ったなという印象。黒でもなければ、赤や青でもない、グレイに近い印象。本作のストーリーを踏まえると、もっと悲壮感を強め、悲劇的な仕上がりにした方がよかっただろう。ラストのオチを重視し、「猿の惑星」っぽい落とし方を狙ったと思われるが、前フリが悪すぎるため、それほど上手くはオチていない気がする。 また、問題点としてキャラクターの魅力不足も挙げられる。ジョンはリーダーとしての資質を微塵も感じさせない、ただのマザコンに成り下がっている。目的を失い、悪夢に取りつかれた「悲しい男」として描けば、よりキャラクターとして深みが増したと思う。自分ならば「ジャッジメントデイ」を回避したいという思いと、その日を待ち望むという思い、両面を抱えた複雑な男に描くだろう。目的がなく死んだような人生を送っていたジョンが、目的を見出し徐々に生き生きとたくましいリーダーに変化していく発端を観たかった。 また、自分の印象としては敵キャラのT-Xの魅力はほぼゼロに近い。サーモグラフィーも装備されていなければ、起動に時間がかかる武器を使用し続け、ターゲットを逃がし続けている。さらに人間ばかりか、旧型のロボットにさえ、罠にはめられ続ける姿には知力がゼロに近い間抜けなロボットにしか映らなかった。「女性」キャラという特徴も全く活かされていない気もした。
[DVD(字幕)] 6点(2004-06-25 15:59:29)
734.  ファム・ファタール(2002) 《ネタバレ》 
リンチの「マルホランドドライブ」をブライアンデパルマ風にアレンジしたという印象。 「現実」と「夢(妄想)」が入り混じり、「現実」の登場人物が「夢」において、別の役割を持つ登場人物として描かれる点は共通なものだろう。しかし、その評価は全く異なり、一方は「傑作だ。素晴らしい。」と賞賛され、もう一方は、「くだらねぇ、今どき夢オチかよ。ふざけんな。」と冷笑される。 この違いはなんであるかを考えると、本作においては「現実」と「夢」のリンクが上手く機能していないからなのではないか。「夢」と「現実」を描くことによる相乗効果が発揮されていないのである。本作における「夢世界」の描き方が、中途半端な印象を受けて、「夢世界」を描いたことに対する「意味」を十二分に付加することができていないように思える。 「夢世界(将来の自分)」のように、仲間を裏切り、夫を裏切り、裏切りを続けて「魔性の女」をさらにエスカレートさせていったら、未来においては自己の破滅(死)が待ち構えている。 しかし、リリーの運命を変え、自分の生き方を変えることによって、小さな出来事が巡り巡って、幸福な運命へと転化することになるということを本来描きたかったのだろう。 しかし、「夢世界」を体験したことによる「現実世界」でのロールの変化を観客は十分感じられないのが問題ではないか。単に、リリーを助けたことのみでは、延々と描いた「夢世界」が活きてくるとは思えない。 また、「おもちゃのネックレス」をラストのオチに用いるほど重要な小道具として扱いたいのならば、ラストで唐突に出すよりも、もっと前フリ的に序盤から登場させた方がよかっただろう。 例えば、ロールがリリーのフリをしてアメリカに旅立つ際には、トラックの運転手を邪険に扱い、彼に渡さないということや、悪事を働いた際にどこかで壊してしまうということで、運命の歯車が微妙に狂っていくということをもっと前面に出した方が面白かったのではないか。 それにしても、「溢れる水槽」を筆頭に、大量のグラスに水を注ぐウェイターなど「夢世界」において水のイメージをこれでもかというくらい細かく随所に散りばめられた描き方は、なかなか面白いとは思う。
[映画館(字幕)] 6点(2004-06-25 15:57:52)
735.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 《ネタバレ》 
続編公開を機に再見。今回はあまり深く考えずに、頭を空にして楽しもうと思ってみたけど、やはり主観を排して客観的にみても「子どもダマし」の映画という印象しか受けなかった。確かに、ジョニーデップが演じるジャックスパロウには魅力はあるかもしれないが、ジャックスパロウ自身、魅力あるキャラクターとしてきちんと描き出されていただろうか。もし、ジョニーデップ以外の他の誰かがジャックを演じれば、どんな風に映画が仕上がったかを考えると恐ろしい。魅力あるキャラクターを魅力ある俳優が演じるのが本来の姿であるはずで、俳優の演技におんぶに抱っこする姿勢はあまり好ましくない。本作には、ジャックスパロウのキャラクターに「凄み」を与えるほど、彼の見せ場が少ないような気がする。例えば、無人島脱出のエピソードも、二回とも脱出できたのは単なる偶然でしかなく、別にジャックでなくても脱出できたのではと感じてしまう。やはり、ジャックならではの奇想天外なユーモアある脱出方法を見せてくれればそれだけでも彼の魅力が一つ増すだろう。それをラム酒を取りに来る船や、軍が救助に来るという展開にするから、「ご都合主義」と罵られる結果になってしまう。本作が冒険映画ということを考えてみても、ここはお粗末な展開と思わざるを得ない。また、一発しか入っていない銃もジャックの魅力を引き立たせるアイテムになったはずだ。自殺用として自分を裏切ったバルボッサから受け取った銃を、バルボッサを撃つために残しておくというのはよい展開だ。しかし、その良さがあまり活かされていない。映画の途中途中で銃を撃たざるを得ない局面をジャックに与えてやり、そういった場面でも銃を使わずに乗り切るという流れが必要ではないか。そうすれば、彼の芯の強さや、信念なども観客に伝わり、また彼の魅力の一つになるだろう。また、ラストの銃の使い方に至る流れもやや悪い。戦っている当人たちも認めていたが、不死人同士の決闘をだらだら見せられても観客は飽きるだけだ。決闘シーンに入り、二人の剣さばきを観客に十分見せた後、ジャックがピンチに陥り、まず観客をドキドキさせて、バルボッサに刺されて「やばい」と観客に感じさせる。しかし一転して、アステカの呪いを利用したトリックを観客に明らかにして、ヒートアップした勢い・流れを利用して、銃を撃った方がより引き締まる展開になると思う。
[DVD(字幕)] 4点(2004-06-25 15:55:19)
736.  ワイルド・スピードX2
カーアクションだけでストーリーなんて何もないだろうと思われがちだけど、そんなこともなくオトリ捜査を軸に要所要所にカーアクションを入れて退屈しないようにして、更に「友情」というスパイスをかけてなんとか味の濃いものにしようという努力が見える映画になったように思われる。 ストーリーも犯人側、ポールウォーカー側、FBI、地元の警察とそれぞれの思惑が入り混じり、多少分かりにくくもなっているが意外と凝ってて頑張っているなという印象。 基本的には前作並に楽しめる作品になったのではないでしょうか、前作がダメな人は楽しめないでしょう。 ヴィンディーゼルがいない分、緊張感や迫力は当然落ちてます。 この映画のストーリーにはリアリティを求めるつもりはないが、あの女捜査官はなんで1年間も敵ボスのオンナになりながら、ばれたら殺されるという状況下で頑張ってるのかキャラクター的に全然分からなかった。ミイラ取りがミイラになっていたパターンでラストで主人公達に銃でも向けたほうがもう一転して面白いかなあと思ったけど。
7点(2004-06-25 15:49:49)
737.  HERO(2002)
ただのアクション映画ではないです。 美意識の高い映像の美しさと中国ならではの迫力。奏でられる音楽に酔いしれながら、「動」と「静」が見事に融合した素晴らしい演出。 「剣」と「書」という中国の文化を描きながらも、この映画の根底に流れる平和の思いは、今のこの時代にも相通ずるものを感じさせずにいられない。 この映画の出演者全てが英雄だとは思うが、残剣と秦王こそ英雄の中の英雄だと思う。 残剣が願った飛雪と故郷で平和に暮らせる世であって欲しいという思いとそれがもはや、かなわない夢であるため、死を選んで自分が愛する人に教えるしかないという哀しさ。 また、秦王の為政者としての誰にも理解されない孤独と真の理解者が現れた時の心が晴れた潔さ。 ラストもこれから天下統一を図るためにも自己の制定した法を破れば部下に対しての示しがつかないのを悟り、苦渋の選択をしなければならない姿には感動した。時間が短い割にはこれほど中身が詰まった映画も珍しい。 自分の命を賭しても伝えたいそれぞれの想いに胸を熱くせざるを得ない。
10点(2004-06-25 15:47:39)(良:4票)
738.  28日後... 《ネタバレ》 
普通の「ゾンビ映画」とは一線を画する映画だ。ゾンビからの襲撃から生き残って、危機的な状況から脱することをメインに描くのではなく、危機的な状況下における人と人との繋がりをテーマにしているように感じた。「希望」がないと諦めたり、自暴自棄になるの簡単なことではあるが、主人公とヒロインの関係性が深まることにより、何かしらの「希望」が生まれることを描いているように感じられた。人と人との繋がりには、「絶望」ではなく「希望」が生まれるといいたいではないか。 また、「殺し合うこと」が人間の本能だとしても、危機的な状況下だからこそ、その本能を捨て去ることが大事なのではないか。自暴自棄になって短絡的な本能に従うよりも、どんなに危機的な状況でも「希望」を捨てないことを訴えている。 現実の社会では、ゾンビに遭遇することなどないが、災害等いつ危機的な状況になるかは分からないものだ。 さらに、旅の道中で、主人公が意味もなくチーズバーガー屋に入り、ゾンビ化した少年を殴り殺すというシークエンスが実は結構重要なのではないかという気がした。主人公は、ちょっと暇だったから、ゾンビでも殺そうかと思い、チーズバーガー屋に入ったのではないか。この行動は、遊び半分で楽しみながら銃を乱射する軍のソルジャーとさほど変わらない行為だ。「殺し合うこと」の本能に従った行為であり、ソルジャー達と何も変わらないことを知り、主人公の中で何かが変わるきっかけとなっている。 「HELLO」で始まり、「HELLO」で終わるという構成も見事だ。確かに、挨拶こそ、人と人との繋がりの一歩なのかもしれない。「HELLO」と返してくれる人のいる喜びも感じられる。 DVDにはもう一つのエンディングが収められている。もう一つのエンディングは、銃弾を浴びた主人公がヒロイン達の手当の甲斐なく、あっさりと死ぬものであり、まったく意味のなさないエンディングだ。幸いにも、日本の初版の劇場公開版は、「DVD版」がエンディングだったと記憶している(もう一つのエンディング版も後発で劇場公開されたかもしれない)。 主人公が死ぬという絶望的なものを描くことは、本作のテーマとはそぐわないだろう。 危機的な状況でも「希望」を捨てないことがテーマであるから、「HELLO」で終わる、最後に「希望」をもたらすエンディングこそ、適切なエンディングだったのではないか。
[DVD(字幕)] 7点(2004-06-25 15:44:39)(良:1票)
739.  10日間で男を上手にフル方法
かなり笑えます。 自分が観た劇場内も相当盛りあがっていた様子。楽しめるのは間違いないけど、ラストのあたりが多少失速したかなあという印象。しかし、設定も意外と無茶苦茶な設定でもないし、下品な感じも全くしなかったし、笑顔がキュートなハドソンだからかもしれないがキャラも嫌なオンナにならない点は良かった。
7点(2004-06-25 15:41:39)
740.  座頭市(2003)
この映画はかなり評価が割れそうな気がする。 リズムこそいいけど、テンポが悪く、ストーリーもそれほど大した事はない。映像やCGも結構、雑な気がするのでつまらないと思う人もいるかもしれないが、見終わった後の余韻というか何かがいつまでもココロに残る気がした。 観終わった後に何も残らない映画が多い中で、これだけでも評価に値するのではないだろうか。 ストーリーとはあまり関係はなかったけど、いくら目を見開いても、見えないものは多い、「めくら」のほうが逆に多く見えることはあるというのもなかなか面白いメッセージでもある。 話題のラストの踊りのシーンだが、踊り単独でも確かに見ごたえは充分あるけど、映画を通してあの踊りに対して何を感じるかだろう。 自分はあの踊りに対して、姉と弟の復讐という呪縛からの解放と悪党がいなくなり10年の苦しみから救われ、これからいい村に再建していくという村人達の希望みたいなものを感じた。 残念なのは、悪党の黒幕がバレバレなこと。もっといい伏線を貼ったり、いい演出が出来たものだろうと思う。 序盤でバレないようにしておいて、ラストで一転させたほうが更に面白い映画になると思う。 いい奴だと思ってた奴が実は悪い奴だったら、テーマにもリンクするんじゃないのかなあ。 服飾も良かった、「市」の帯とか結構センスあるなと感じる。
7点(2004-06-25 15:39:51)
030.36%
140.49%
2121.46%
3394.74%
4789.48%
59111.06%
615618.96%
719523.69%
816319.81%
9607.29%
10222.67%

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