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青観さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 1963
性別 男性

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721.  どん底(1957) 《ネタバレ》 
黒澤映画の中でも、特に白黒の黒澤映画の中にあっても比較的評価が低く、一般受けもされてないような作品ではあるが、私はこの映画も好きです。単なる貧乏な人間の集まりの話でありな゛らそれが何故、面白いのか?と聞かれたら私はこう答える。貧乏長屋に集まる貧乏な人達、ここに集まってくる貧乏人達の中には狂気というものが充満している。例えば長屋の大家である中村鴈次郎はいつも何かに怯えている。その女房の山田五十鈴は物凄い悪女ぶりでまるで人間というよりも獣の如く、鬼のような表情で常に狂ってる。山田五十鈴が愛する男である三船敏郎の泥棒には善と悪との両方の顔を持ち、香川京子に対して惚れてるからこそもう、泥棒なんて辞めようと思ってる。そんな二人の仲の良さそうな所を見て嫉妬し、狂乱し、その後、起きる殺人事件について香川京子を罠へとはめよとする。他にも鋳掛屋の東野英治郎にしても常に怒っているし、その妻もまた他人に対して怒りをぶつけている。役者崩れの藤原鎌足、遊び人の三井弘次、殿様と呼ばれている千秋実、いずれの人物にしても人間て如何に馬鹿な生きものであり、感情を抑えようとすればするほど抑えられなくなるものであるというものを見ているようであり、謎めいた部分が多く、お遍路としてやってくる善人のような老人、左卜全にしても見掛けは良い奴かもしれないけど、本当は悪い奴なのかもしれない。気まずくなった途端に去って行っていってしまう。長屋というたった一つの空間の中だけで色々な人物による何とも可笑しなやりとり、あの変な歌、トントンちきめ♪トンちきめ♪こんちきしょう♪こんちきしょう♪地獄の沙汰も金次第♪仏の慈悲も金次第♪て歌に合わせて踊る男達、ここには人間なんて所詮は馬鹿な生きものなのさ!とでも言ってるようであり、またあの三井弘次の残した台詞「ちぇっ、折角の祭りが台無しだぜ」には何だか昭和の名人と呼ばれている人達の古典落語でも聞かされているような震えに襲われたのと当時にどん底に生きる人間の哀しさや辛さのようなものを見た思いでいっぱいになりました。
[DVD(邦画)] 8点(2009-01-11 11:59:58)(良:1票)
722.  裸足の伯爵夫人 《ネタバレ》 
人間にとっての欲とは金に対する欲、更には食に対する欲、そして、愛に対する欲、この映画では愛に飢える者同士の欲が描かれている。成功を夢見て男にしがみ付く女、そんな女に近寄ってくる男の欲望、お互いが相手を利用してのし上がろうとする。踊り子のマリア(エヴァ・カードナー)が映画監督であるハリー(ハンフリー・ボガード)との出会いによって人生が変わる。長い間、探し求めていた理想、夢、夢と現実とのギャップの違い、叶ったと思った夢も思い描いていた理想とは大きな違いによりどんどんと悲劇のヒロインへとなってしまう彼女、マリーの姿に夢はやはり夢であり、現実とはそんな簡単なものではないと言っているようであり、そこにこそ人間の持つ哀しみ、現実の厳しさ、監督の見つめる視線の何とも惨酷なことといったらない。あの墓場でのシーンでのハリーの姿、表情には何だかとても人生に対する厳しさと皮肉のようなものを感じる冷たい眼差し、この映画は一人のヒロインの死によって夢と理想との違いを見せ付けられているような何とも惨酷な人間ドラマとして見応え十分!回想シーンの使い方もなかなか上手く、そして、何よりもテクニカラーによる美しい映像が人生は惨酷だけど、美しい。いや、美しいけれども惨酷とでも言ってるようにも感じてしまう。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-01-06 21:27:01)
723.  キートンの隣同志 《ネタバレ》 
うわぁ~!何だあの三人肩車は!あんなんキートンにしか出来ないよ!階段落ち、綱渡り、キートンのズボンが落ちる場面も笑える。これまたキートンの動きだけでも見ていて可笑しい。野球のボールがキートンには当たらずにもう一人の男にだけ当たって倒れるギャグなんて正にギャグの王道だし、デブのおっさんとのやりとりも面白い。
[DVD(字幕)] 8点(2008-12-27 20:06:31)
724.  チャップリンの移民 《ネタバレ》 
これもいかにもチャップリンらしい皮肉がたっぷり込められていて面白い。自由の女神を前にしながらも何一つとして自由を与えられない移民の人達という皮肉!
[DVD(字幕)] 8点(2008-12-25 20:58:02)
725.  チャップリンの霊泉 《ネタバレ》 
チャップリンのドアの使い方の上手さには感心させられるし、シャワー室での太った男をおちょくるところなど面白い。後の「街の灯」での拳闘する控え室でも同じようなカッコをする場面があるが、何かチャップリン映画のルーツみたいなものを感じる仕上がりに満足。
[DVD(字幕)] 8点(2008-12-25 19:26:20)
726.  越前竹人形 《ネタバレ》 
水上勉の原作で主演に若尾文子とくればどうしたって観たい。しかし、どこのレンタル屋さんを探しても置いてないし、テレビでもやってくれないし、当分やりそうにもない。我慢も限度です。まるでこの映画の若尾文子や西村晃のようでして、そんな訳でDVD買ってしまった。水上勉原作に共通して言えるのはどの作品も女の悲しさ、辛さ、愛する男への募る思い、それなのに相手の男は自分を本気で愛してくれようとしない。本当は愛してくれているのにもそれが解らないのである。喜助の留守中にやって来たかつて自分が遊郭で働いていた時の馴染み客の一人である西村晃演じる男に身体を許してしまう玉枝(若尾文子)の姿が何とも悲しい。喜助に対しての愛、それは喜助の所へ嫁として嫁いできた玉枝が喜助が何日経っても自分を本当の嫁として見てくれてないのではと感じ「私の事、嫌いなのですか?」て問う場面によく現れている。その問いに対し、喜助は亡くなった母の面影を忘れられないのである。だからこそ本心は好きで好きでどうしようもなく、抱きたいのに玉枝を抱くこすら出来ない。正しく男の本心、辛さ、これは男と女の愛のドラマであり、又、母親を忘れられない男の物語でもある。喜助に別の男との間の子が出来てしまつたことなど言えない玉枝(若尾文子)の演技がとにかく凄い。西村晃の所へ出向き医者を何とかして欲しいと頼むも再び犯されそうになって逃げだした後、川で出会う中村雁次郎との二人きりの場面、あの流れる川の水の美しさ、船の上での若尾文子の黒髪が水面に浮かぶ場面の美しくも恐ろしい描写などは溝口健二監督の作品を思わせるぐらいの美しい映像、同じカメラマン、宮川一夫のモノクロの美しさと若尾文子の美しさ、この映画は何かもが本当に美しい。そして、やはり怖い。喜助が玉枝が布団に入ってる時にも一人、ギコギコと竹人形を作ろうとしてる場面のあの音も耳から離れなくなりそうです。
[DVD(邦画)] 8点(2008-12-23 12:52:25)
727.  美人は人殺しがお好き 《ネタバレ》 
ヘンリー・フォンダとバーバラ・スタンウィックの「レディ・イブ」コンビによるこれまた面白いラブコメディ・サスペンスものを発見!ヘンリー・フォンダの調子の良い奴ぶり、コメディアンとしての面白さがここでもまた見られて嬉しい。またバーバラ・スタンウイックの魅力も十分発揮されていて楽しい。殺人容疑をかけられてまうバーバラ・スタンウィックと他の女性達、タイトル通り、タイトルに偽りなしの美人ばかりで、そんな女性達がこれまた面白い。警官達をみんなでおちょくる場面の楽しさと、テンポの良い会話の応酬、サスペンスとしては少し弱い気がするものの、コメディ映画として観るととても面白く出来ている。こういう雰囲気のコメディ映画、私は好きです。銃で撃たれ、病院に担ぎ込まれたヘンリー・フォンダの女たらしな警察のことをすっかり駄目だと思い込んでいるバーバラ・スタンウィックの可愛さとそんなバーバラ・スタンウィックのことを騙して、良い思いしているヘンリー・フォンダのあの顔付きがとにかく笑える。ラスト、目出度く事件を解決し終えて抱き合い二人の愛を確かめ合う二人の姿を見て、羨ましそうな顔している二人の男達のマヌケな顔付きも面白い。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-12-20 20:11:41)
728.  曽根崎心中(1978) 《ネタバレ》 
うわぁ~これまた完全に増村映画になっている。何とストレートな愛情表現、男も女も全くもって嘘が無い。愛する者のためになら一緒に死ねる。これぞ増村映画らしい男と女の本物の愛、主演の二人、宇崎竜童の徳兵衛と梶芽衣子のお初の二人の眼には常に相手の姿が映し出されている。全くもって視線を離そうとはしない。徳兵衛のお初に対する愛が痛すぎるほどに壮絶なシーン満載です。徳兵衛の「俺が愛した女、可愛いと思って抱いたきた身体に傷が付けられるものか!」というあの台詞こそ男の哀しさ、辛さ、愛というものが何もかも伝わってきて泣けてくる。心中シーンも悲しくもあるけど、美しくさえ思えてしまうほどこの二人にしか理解出来ないようなやるせなさ、悲しさというものを増村監督は容赦なしに遠慮することなく描き切る。この監督のそんなストレートなまでの愛の描き方はどの増村映画を見ても同じであり、今作の二人の血塗られた本物の愛に感動さずにはいられない。ただあまりにもみんなして、熱すぎる演技に少しぐらいは生き抜きも必要かと思ったりもして、いずれにしてもこれは、いや、これもまた増村映画!増村保造というこの監督にしか描けない男と女の愛の世界!主役の二人以外にもどこまで嫌な奴ぶり全開の二人、橋本功と左幸子の悪人ぶりも強烈です。なにわともあれ、本当に悲しくも切ない男と女の物語である。増村映画はけして、万人受けする映画ではないし、好き嫌いがハッキリと出る。分かれる映画きりだと思うけど、私はこの監督のストレートなまでの感情表現、愛情表現、ぐいぐいと引き込む力強い演出、大好きです。この監督の作品に一度でもはまってしまうともうやめられません。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-12-18 21:05:21)
729.  晩菊 《ネタバレ》 
成瀬映画と言って思いつく女優は?と質問されたら大抵の人はまずは高峰秀子の名前を真っ先に挙げるであろう!次はとなると原節子か香川京子が司葉子かまたまた草笛光子かいやいや、やっぱり浦辺粂子だろ!とかええ?杉村春子でしょ!とかまあ、色々な意見が飛び交うことであろう!で今作はというと成瀬=高峰秀子である彼女も出てなければ原節子も香川京子も司葉子も出てない。それなのに面白い。ここらがこの監督さんはただ者ではない。三人の中年女性が主人公の話なんて普通、つまらんだろうと思うものだが、そうならないところが成瀬巳喜男という監督は素晴らしい監督である。普段は脇役専門の杉村春子の凄さを引き出す演出の凄さ、人間の欲、金に対する欲望、金貸し女のずるがしこさ、いやらしさというものを徹底的に描き出している。人生についての本音の部分、年老いた中年の女にしか解らないであろう本音の部分を包み隠さずに堂々と見せつける。これぞ人生の辛さ、人間の持っているいやらしさというものを上手い役者の抑えた演技で見せてくれていて面白い。あのラストの方の望月優子のマリリン・モンローの物真似、変てこな歩き方の場面の面白さ、やはり成瀬映画は面白い。成瀬映画を見ていると川島映画を見ている時のような人間のだらしなさと人生に対する皮肉みたいなものが画面を通して迫ってきてこの監督さん、今じゃ川島雄三監督と並んでやめられなくなってしまった。成瀬映画も全部観たいぞ!
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-12-03 20:23:13)
730.  汚名 《ネタバレ》 
例のあの二人の長いキスシーンを見るとご馳走様ですて気持ちになる。そうならない奴は男じゃないと言いたい。あんなにも美しいイングリッド・バーグマンとキスできるなら、私は例え、鬼と言われようが構わない。ケイリー・グラントが羨ましい。それ以上に憎い。こんなにも美しいイングリッド・バーグマンを相手にキスし放題。いくらそういう役柄だからって許せない。おっと、すいません!いったい、何を一人で興奮してるんだ?電話の最中にキスって、くそう~!こんなシーンで観客に対してどこまでもどこまでもやりきれない思いを募らせながらそれでいて、小道具の使い方が毎度ながら上手くてこれだけ面白く見せることの出来るヒッチコックはやはり凄い監督さんだ!またこの映画は主演の二人以上に脇を固める俳優陣が良い。人間的な魅力、弱さと嫉妬を見せる悪役クロード・レインズの紳士ぶりも光ってる。ところで見ながらコーヒーでも飲もうかなとコーヒーを入れて飲む準備をしていたらあの毒薬をコーヒーへ入れる場面とその後のイングリッド・バーグマンの演技、階段の向こうで立っている二人、クロード・レインズとその母の姿が怖い上に何とも哀れでならない。最後まで本当に憎いケイリー・グラントに嫉妬しつつ、イングリッド・バーグマンのクラクラしそうになるほどの美貌の前に私はどうすれば良いのか?先程入れたコーヒーが未だに飲めないでいる。でも、早く飲まないと冷めてしまう。私の入れたコーヒーに毒など入ってるはずがないのに飲めないでいる。またこれを見て益々、イングリッド・バーグマンが好きになってしまった。ヒッチコックは女優選びの上手さと、映し方が本当に憎たらしいほどに上手い。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-11-30 12:16:08)
731.  綴方教室 《ネタバレ》 
「綴方」とは今で言う作文の事を言うのですね。初めて知りました。この映画の高峰秀子を少しは見習いたい。「綴方」=作文など自分がガキだった頃、まともに書いた覚えはない。いつも適当に書いていては先生に叱られていたような気がします。高峰秀子演じるこの映画の原作者豊田正子の少女の眼から見た戦争の跡地、面影、高峰秀子の少女のあの眼からは本物の少女らしい眼を感じると共に早くも天才子役としての、また、後の日本を代表する名女優への未来を予感させる凄さが見られる。作文を発表する場面や弟と遊ぶ場面もいずれもこれが子供だというものを演技とは思えない演技ぶりで見せてるところが本当に凄さを感じる。そしてこの映画、最初と最後に、子供達が暫しも休まず槌打つ響き♪て「村の鍛冶屋」を疑いながら子供達が歩く場面があるけど高峰秀子でこの曲を聞くと私にとっては生まれて初めて高峰秀子という女優を見た「二十四の瞳」を思わずにはいられない。まあ、なんだかんだとにかく高峰秀子が見せる演技を超えてるような初々しさ、小津映画でも見てるような何かほっとするそんな作品になっていて心が温かくなりました。 天才子役は大成しないは高峰秀子には当てはまらない。例外ではないでしょうか? 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-11-23 18:52:23)(良:1票)
732.  女の暦 《ネタバレ》 
私は何を隠そう香川京子が大好きです。いや、別に隠す程の事でもなければ隠しちゃいないと思うが、とにかく香川京子が大好きです。香川京子の魅力、それは姉思いの優しき妹を演じてる時に最もその魅力が現れる。杉葉子の姉への優しい態度、あさがおの花を見て楽しそうな顔つき、特に私は香川京子のあの鼻が大好きです。噛み付きたくなってしまいます。笑ってる表情は勿論、泣きだしそうな時に見せる香川京子の表情も私は好きです。この作品、壷井栄原作だけに雰囲気は「二十四の瞳」に近く、姉の杉葉子の教師、写し出される小豆島の美しさ、更に出演者の顔ぶれは成瀬作品を思わせる。三島雅夫と田中絹代、この二人と香川京子が同じ一つの作品の中にいるのを見ると成瀬作品を思わずにはいられない。作品全体の包み込む温かさを出演者の演技から感じることが出来る。そして、やはり香川京子がダントツに素晴らしい。あの笑顔、拗ねる表情、何もかも香川京子にしか出せない魅力でぎっしりと詰まった作品です。香川京子ファンは間違いなく満足出来るはずです。最後に久松静児監督、もっと評価されて良い。評価されるべきであると言いたい。いずれにせよ、これまた日本映画らしい良い映画、この映画を見て私は益々、香川京子が好きになったのと杉葉子も今まで以上に好きになった。そしてこの映画を撮った久松静児監督も好きになりました。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-11-15 09:59:56)
733.  ドラえもん のび太の宇宙小戦争 《ネタバレ》 
久しぶりに見て改めて感じた事の一つ8歳にして大統領とはすげ〜な!しずかちゃんの入浴シーンでのサービスカットは大人向け?いや、子供向けだよねと初めて見た時は友達と会話したのを思い出します。しずかちゃんと飯のどっちが大事だとスネ夫に食ってかかるジャイアンの言うことは正しい。どんな状況でも立ち向かおうとするジャイアン、今作でもジャイアンは相変わらずかっこ良い。かっこ良いと言えば何時もは逃げ腰なスネ夫がかっこ良い。しずかちゃんの為に頑張るスネ夫の姿が見られる作品としても忘れられないドラえもん映画!忘れられないと言えば、既に何人もが書いてるけど武田鉄矢の歌う少年期が素晴らしすぎる。ドラえもん映画史上最高の音楽だ!
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-11-09 08:43:51)
734.  雪国(1957) 《ネタバレ》 
芸者駒子を演じている岸恵子、これはもう皆さん指摘の通りであり、おそらくこの映画を一度でも観たことのある方なら誰もが思うに違いない。岸恵子という日本映画の歴史において間違いなく名を残す大女優の演技、あの眼、表情、拗ねる時の顔付き、甘える表情、そうかと思うと笑ったり、泣いたりと色々な表情を自然体に表現しているところなど正しくこれが女優の演技であると言いたい。その美しさ、それは表情だけでなく振る舞いから何から日本の女性の美しさ、本当の美しさというものを見事に演じている。そして、私がこの映画の中で最も痺れた瞬間、鳥肌が立った瞬間は駒子演じる岸恵子が池部良演じる島村という男の前で三味線を弾く場面で、この時の手の動き、流れる音の美しさ、この場面のあの緊張感ある中でそれを全く感じさせずに演じきって見せた岸恵子、この時のあの三味線を弾く場面、相当練習したんだろうなあ!そうでなきゃあんなにも素晴らしい音など出せる筈がない。この経験があったからこそ後の市川崑監督、岸恵子の代表作と言える傑作「悪魔の手毬歌」の中で同じように三味線を弾く場面が出てくるけど十分に生かすことが出来たと思えるし、この映画のあの駒子の三味線を弾く場面だけでもこの映画は岸恵子という女優にとっての忘れられない代表作に挙げても良い。そして、勿論この美しい四季の香りを残しつつ女が強く生きて行く人間ドラマとして見応えあるものを作り上げた監督、豊田四郎監督の代表作の一つと言っても間違いない。最後にもう少し!岩下志麻の駒子の「雪国」もあるけど、岩下志麻の駒子も観てみようかなと思う。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-11-03 10:30:49)(良:1票)
735.  野いちご 《ネタバレ》 
冒頭のあの夢のシーン、何とも恐ろしく強烈な印象を残す。映像によるインパクトの与え方に関してこの監督は上手い。主人公である老医師が最初に見る自分の死体の夢の怖さとその後、野いちごを見つけてかつての婚約者を思い出し、若い頃の自分と現在の老いた自分とを比較し、人生は辛いことの方が多いけど、年老いて初めて解る楽しさに何だか見ている側に対しての監督からの人生は素晴らしいものであるという熱いメッセージのようなものが聞えてきて考えさせられる。それにしても夢のシーンの使い方が効果的で幻想的な映像美と深みのある白黒のコントラストによる映像美はこの監督の映画のどれもに共通して言える。そして、出てくる若い女性も何とも魅力的である。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-10-26 21:59:39)
736.  甘い生活 《ネタバレ》 
これは物語というようなものがあるようであり、ないと言った方が良い。はっきり言ってハリウッドの大作にしか興味のない方は観ない方が良い。観たら間違いなく退屈で眠くなり、二度とこの監督の映画など見るものかとなること間違いなしです。色んな国の映画に触れてから見ることをお薦めしたい。それは他のヨーロッパの監督、例えばヴィスコンティやベルイマンの映画と同じでけして、楽しい映画ではございません。この監督らしい人間の孤独のようなものをイタリアはローマの美しい街並みとそこに流れる空気、それはこの映画の場合だとだらしのない主人公とそんな主人公に関わる女達、流れる空気はけして、甘くはない。むしろタイトルとは反対に人生は厳しく辛いものであるとこの映画を観ると思わずにはいられなくなる。厳しいこと、辛いことが多いからこそ人は幸せを求めようとするものである。主人公マルチェロは甘い生活を求め奥さん以外の女とも関係を持とうとするが、それにより自分も奥さんも別の女も不幸へとなっていく。人生に甘さを求めれば求めるほどどんどん苦しくなるというまるで映画のタイトルを皮肉ったかのようなどこまでも惨酷であり、ラストのあの魚の眼の不気味なまでの表情にこの映画の怖さが描かれているようであり、また、この映画の前半のグラマー女優シルビア(アニタ・エクバーグ)とマルチェロのやりとりなどはフェリーニ監督からのワイラー監督へのオマージュ、あの名作「ローマの休日」を思わせる。この監督のローマに対する拘りのようなものも感じることが出来る。何度も言うように笑ったりワクワクしたりと楽しい映画ではない。そういう楽しさだけを求める人には向かないということを覚悟の上に観ないと絶対に途中で見るのを止めたくなります。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-10-25 19:35:03)
737.  ストレンジャー・ザン・パラダイス 《ネタバレ》 
ジム・ジャームシュ監督、この監督は空気を読む。それは人間的温かさ、何てことのないやりとり、会話の中に何気ない人間的魅力というものを描くことが上手い。切り返しのない固定されたカメラワーク、まるでスケッチのような風景、絵画とでも言うべきこの映像美、モノクロの美しい映像、会話と会話の間に途切れるあの黒い画面構成の瞬間の彼ら(彼女ら)の会話、やりとりを想像する楽しさというものがこの映画にはある。この映画のあの三人、ちょっとした下らないことで喧嘩もするし、お金があれば直ぐ競馬につぎ込む。そんな彼らの姿を見ると人間の本質のようなものを感じずにはいられない。やってることは馬鹿かもしれないけど、そんな彼らが私は好きだ。画面全体を支配する何とも乾いた空気、殺風景な感じの中に見られる何気ないやりとり、会話、噛み合わないことで彼らは人間として何かを得ようとしているに違いない。噛み合わない会話、すれ違い、正しくそれこそ青春!この映画は紛れもなく青春映画である。血も涙も一切出ない青春の一頁!どこまでも馬鹿だけど、そんな馬鹿な男、二人を見守るエバの彼女の何とも無愛想だけど、優しき人間的魅力も心に残る。三人が揃って同じ映画を見ているシーンでのポップコーンの食べ方も同じサングラスをかけるシーン、私はこの映画の中でもこの二つのシーンが好きである。ラストの主人公がアメリカから弾き出される所の皮肉の利き方もこの映画の面白さの一つであり、人生なんて皮肉なものさとまるで監督自身が言っているようにも感じられずにはいられない。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-10-22 21:06:18)
738.  疑惑(1982)
ここ何年もずっと思ってることの一つに俳優の演技で見せることの出来る映画が少なくなったと思う今日この頃、1980年以降、本物の役者魂、女優の凄みで観ることの出来る数少ない作品がこの映画だと思うぐらい二人の女優、桃井かおりと岩下志麻の演技、醸し出すオーラ、凄みというものにとにかく圧倒させられぱなしで、ぐいぐいぐいと引きずり込む力強さ、桃井かおりって女優さん、私は苦手だし、嫌いではあるが、この映画のあの役はこの女優に正しくぴったりの役ではないかと思うぐらいのはまり役!夫の通夜の日に一人だけ派手なかっこでやってくる所からして、この映画の凄さが見ることが出来る。法廷シーンにおける女と女の戦い、そして、不利な証言に対して見せるあの桃井かおりの演技、暴れぷり、見ていて本当になんて嫌な女だ!こんな女はとっとと有罪にして死刑にしちまえと言いたくなるぐらいの嫌な女を演じているが、この女優だからこそ出せる嫌な女ぷり全開、とにかく見ていて腹が立って仕方ないものの、犯罪映画としても裁判映画としても面白いこと面白いこと!この映画を見て私はいくらお金の為といえ、絶対に弁護士なんて職業にはなりたくないと思ったのと(最も頭の悪い私には弁護士になることなど無理だろうけど)男の弱さ、だらしなさと女の強さ、恐ろしさというものを知らされた気がして、あぁぁぁ~やっぱり女って恐ろしい生きものだと思わずにはいられません。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-10-13 13:12:34)(良:1票)
739.  夜の河 《ネタバレ》 
これは人間の心理状態というものを色で表している。山本富士子演じるヒロインが想いを寄せる大学教授竹村(上原謙)に初めて身体を許すシーン、画面全体のあの赤い色は山本富士子の演じる女の情熱を表していると思いました。好きな男にはきちんとした奥さんもいれば、娘もいる。山本富士子が相手の奥さんが病気で亡くなった後に上原謙に対して別れを告げるシーンでは青が強調されているが、あれは自分は女としてのプライド、誇りをかけて愛した男との別れを選ぶ。それは女としての辛さを青い色として見せているようにも感じるし、その色使いの見事さ、美しい映像は宮川一夫という日本映画史上最高の名カメラマンによる功績が大きい。主演の山本富士子の色気、黒髪を洗う場面のあの色っぽさ、心が強くて誇り高い京女としてのプライドの高さを見事に表現して見せた演技なくしてこの映画は語ることは出来まい。そのぐらいこの映画の山本富士子は素晴らしい。小沢栄の酒癖が悪くて口も悪い嫌な男に何を言われても負けまいと強い女を演じている姿など正しく強い女の象徴である。小沢栄のご機嫌取りを飄々と演じている山茶花究の姿も忘れがたい印象を残します。山本富士子と上原謙との初めての夜のあのシーンにしてもちっとも嫌らしさを感じない。男と女が抱合う場面の色気、全くもって嫌らしさを感じさせずにそれでいて官能的に見せる演出の上手さ、ここらが昨今の日本映画にはなくて昔の日本映画にはある。この映画を見ると益々そういう気持ちにさせられる。裸になどならなくても伝わる女の色気と愛情、その伝え方、こういう映画を見て昨今の日本の監督は大いに勉強し、見習って欲しい。映し出される京都の街並みの美しさ、宮川一夫のカメラ、そして、やはり山本富士子の美しさ、この映画は何かもが美しい。ラストの山本富士子の表情には女として自立し、強く生きて行くことへの思いが現れているようです。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-10-05 21:51:03)
740.  旅の重さ 《ネタバレ》 
これは一人の少女の眼から見た母への思いを手紙を通して伝えると共に自分が求めている男、理想とする父親探しの旅の物語だ!高橋洋子の映画デビュー作品とのこと、何という初々しさ、少なくともこの映画一本で高橋洋子という女優を私は忘れない。そのぐらい強烈な印象を残します。旅の途中で出会う色々な人達との交流、葛藤、三國連太郎演じる一座の親方、あの旅の一座を見ている時の高橋洋子の笑顔の素晴らしさ、また、旅先で出会った一人の女に誘惑され、身体を許してしまう姿がとても痛くて、苦しい上に切ない。四国の美しい風景、海、砂浜に裸で寝そべる高橋洋子も、倍以上歳の離れた男、高橋悦史とのやりとり、高橋悦史が食べているパンを後ろから美味しそうだとばかりにジュースを飲みながら見ている表情も、更に二人で逆立ちをする場面も強烈な印象を残します。高橋洋子が求めていた愛とは何か?父親の愛に飢えた少女の男への愛情表現も何とも不器用ではあるが、その不器用さが何とも言えない余韻、刹那さを残します。あっ!そうそう、これが同じく映画デビュー作となる秋吉久美子の可愛さも忘れられないぐらいの印象を残します。そして、映画や出演者と同じように吉田拓郎の名曲中の名曲「今日までそして明日から」も一度聞いたら絶対に忘れることは出来ないほどの印象を残します。映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツオトナ帝国の逆襲」の原恵一監督はもしかして?この映画の大ファンなのかな?「今日までそして明日から」のこのタイトルに相応しいこの作品は少女が大人への階段を一つ一つ登る。見つめながら自分探しと理想の男、理想の父親像を描いた青春映画の秀作の名に相応しい映画だと感じることが出来る。そして、この映画の成功はやはり高橋洋子、高橋洋子の存在なくして語れない。高橋洋子あってこその映画でもあるというのが私のこの映画の感想でございます。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-10-03 22:14:04)(良:1票)
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