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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 542
性別 男性

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61.  面の皮をはげ 《ネタバレ》 
タイトルですが、フランス映画って凄く素っ気ないタイトルであることが本当に多く、この映画の原題“鏡”もそんな感じ。 そうなれば邦題を付ける人のセンスに委ねられるわけですが、こちらもかなり微妙でしょう。 結局印象に残ったのはポケットに手を突っ込んだギャバンの姿と、墓穴に自ら倒れ落ちたラストのみ。 女優がステージで歌を唄うシーンやボクシングのシーンなど冗長に感じられる場面がありましたし、それよりも登場する人の名前が多すぎたように思え、一度の鑑賞では完全に人物の相関関係を把握し切れずにいたためにストーリーに良かったところがあったとしても気づかずにスルーしてしまったかもしれません。 自分で申請を出した作品なので、義務感のみのレビューで中身がなくてスミマセン。
[映画館(字幕)] 5点(2015-01-24 23:36:53)
62.  レディ・イヴ 《ネタバレ》 
冒頭のアニメーションや一つ一つのコメディなど色々と面白い場面が満載なのですが、それよりも何よりもほぼ全編オールロケーション撮影という事が、多くの楽しいコメディや優れたストーリーなどを支える土台となっており、こういった手抜きのない姿勢こそが評価されるべきではないかと思います。 スタジオ撮影で済ませられそうな客室のシーンでさえもちゃんと船を動かしながら撮られているため、窓の奥に見える水面の揺らぎがしっかりと収められているところなどは、自分にとってついつい目がいってしまうポイントなのです。 また、序盤でのコンパクトに映る一連のアクションと台詞も面白いですが、台詞を重ねるタイミングがバッチリすぎるところに妙な面白さを感じてしまいますし、ヘンリー・フォンダのクラッシュ3連続も、2度のクラッシュの後に白の上着に着替えて出てくることで更なる大クラッシュを予感させておいて、コーヒーを頭から浴びてしっかりと期待に応えてくれたり、ポーカーで親父のイカサマを阻止する娘との攻防など、楽しさ盛り沢山で終始に渡り飽きさせません。 ただ、最後がやや唐突な終わり方で、部屋のどこかから蛇が出てきたら面白いだろうなと思っていましたが、実際の締め方でも悪くないと感じましたので、総じて良い映画だと言えると思います。
[映画館(字幕)] 7点(2015-01-24 16:11:04)
63.  脱出(1944) 《ネタバレ》 
冒頭の検問所での露骨な人物紹介と釣りのシーンの手抜き加減からして、それ以降は全く期待せずに観てましたが、全体的なストーリーは把握できたものの、単調な会話の連続に早々とノックアウトされてしまい、全体の半分以上は惰性での鑑賞になってしまったと思います。 良かったのは、終盤で引き出しの中から銃を撃つのが斬新で驚かされた所くらいで、時折出てくる音楽にも印象深い旋律は皆無でしたし、こちらも時折(ていうか、回数多すぎ)出てくるマッチの火に照らされる表情にも美しさは見出せず、また、死んだ蜂に刺されたというネタも4回くらい出てきた割には何かしらのメタファーが隠されているわけでもなく、ただ単調さに拍車をかけるのみで終わってしまっているように感じました。 渋くて格好良い雰囲気を感じられるか否かで評価が大きく分かれる作品なのでしょうか。自分はそういう所は感じられませんでした。
[映画館(字幕)] 4点(2015-01-10 16:25:42)
64.  ニノチカ 《ネタバレ》 
自分は特に親ロシア派でも反でもないのですが、ロシア人の、つまりグレタ・ガルボ扮するニノチカの人物描写が余りに露骨で辟易してしまい、時代的な背景を考慮しても、ニノチカの少しずつ変貌していく様を見ても結局最後まで好きにはなれない映画でした。 ヒロインはさておき、レオンという男も主役を張れる存在感に欠ける印象がありましたし、扉の裏の状態を声のトーンで表現したりという演出もな~んか古臭くて好かないです。 序文の「サイレンが空襲ではなく美女のための・・・」も、後になって振り返ってみると意味が解りませんし、ラストでみんな揃って亡命してロシアンレストランを世界中に開こうという所までは良い終わり方だと思ったのですが、「○○は解雇された」というのを出す必要性が見いだせず(理解してないだけかもしれませんが)、映画のあちこちにハァ?とかポカーン…となってしまう作品なのでした。
[映画館(字幕)] 5点(2015-01-04 22:43:45)
65.  スイング・ホテル 《ネタバレ》 
この映画のリメイクは観たことはないのですが、これはこれで十二分に面白い。 一年を通じて歌われる様々な楽曲と共にステージ女優を巡って繰り広げられる恋模様。 あの有名な「ホワイト・クリスマス」も聞けちゃうし、一粒で三度も四度もオイシイ映画です。 アメリカの休日なんてその地に住んでいる人にしかわからないので、普遍性という観点で言えばマイナスな要素があるにしても、それを打ち消してなお余りあるくらいの面白さがあります。 オープニングで舞台裏の実生活における三角関係がそのままステージ上でも繋がっているのが斬新で面白いと思ったのですが、そのワンシーンだけでなく終始に渡って三つ巴の恋愛模様を舞台裏とステージ上で相関性をもたせて描いているところが上手いなぁと感心してしまいました。 最初観た時は、デッド役のフレッド・アステアはもう少し若くてプレイボーイ的な俳優を配した方が良かったんじゃないかと思ったのですが、ワシントンの誕生日に見せた、曲が何回も変わりながらもスムーズに踊り続けるテクニックとか、酔っ払いながら踊る演技も完璧にこなしてしまうところを見てしまうと、やはり彼の代役はいないんだろうなぁと思ってしまいます。 好きなシーンが本当に多すぎて、例えば、ピアノを弾くジムの後ろで見せる影絵とか、リンダが顔を黒く塗られている時の楽しそうな表情だったり、小物使いが最後の伏線になっていたり、2回も沼に飛び込んだりと、とても数え切れないくらいですが、やはり何と言っても脚本が抜群にいい。 終始に渡って吹き出してしまうような台詞回しがある中で、特に面白いのは最後の方。ハリウッドのプロデューサーの「このホリディ・インを映画化したい」も可笑しいですが、その後の「どうだ?本物を忠実に再現してみたんだ」で思わず笑ってしまいました。 だって、あのセットは当然“本物”ですからね。
[映画館(字幕)] 9点(2015-01-04 21:34:49)
66.  キートンの蒸気船 《ネタバレ》 
オープニングのパンニング。 小川のボートを捉えるカメラが左へと移動し、2隻の蒸気船を写し出す。 ここが映画的でカッコイイなぁと思ったのですが、前半ではあまりコメディとしての面白い個所が見つけられなかったです。 船長である父親とキートンが出会うシーンで「きっと俺より大きくなっているに違いない」と、ギャグの前フリをしっかり立てているからには当然その期待を越えなければ二流以下である訳ですが、ネームプレートを見て察知し乳母車の中の子供をあやしている姿に唖然としているだけでは、ギャグとしてはちょっと物足りなさがあるように思いました。 帽子を選ぶシーンもやはり今ひとつという印象で、他にも抜きん出た見どころは少なかったのですが、やはり最後の空撮ならぬ風撮のスケール感は見事と言えるでしょう。 前半でチョロっと出てきた水にドボンと落ちるのは、あれはあくまでも前フリ。 留置所ごと流されて父親がアップアップしたり、建物のセットを吹き飛ばすほどの風量ってどんだけデカい扇風機使ってんだというくらいの大胆なクラッシュでしたし、大木ごと飛ばされるシーンもクレーンで吊ってる事は分かり切っていながらも楽しく見れたと思います。 最後の牧師さんを救うというオチが若干弱かった感じもあり、6点止まりとさせて戴きます。
[映画館(字幕)] 6点(2015-01-04 21:26:31)
67.  バグダッドの盗賊(1924) 《ネタバレ》 
ストーリーに込み入った所がないので、頭を空にして観ることが出来る痛快冒険活劇と言えるでしょう。 空飛ぶ絨毯や怪獣とのバトルなどファンタジーの要素満載で、非常に楽しめる作品だと思います。 ダグラスが冒険に出たプロットで、海底で導かれるように岩の隙間に入ってみると豪華絢爛な部屋に綺麗な女性がいたという場面ですが、澤登翠さんの活弁によると竜宮城にたとえられておられましたが、日本の浦島太郎の物語に類似した話が外国にも存在するという事なのでしょうか。興味深い所であります。
[映画館(吹替)] 8点(2014-12-30 00:06:50)
68.  恋のマノン 《ネタバレ》 
「何人の男と寝たかなんてどうでもいい事。肝心なのは愛した男の数。」だなんて、フランス映画全開で嬉しくなってしまったもんだから、これはレビューに書かねばと記憶に留めておいたのですが、梅桃さんに先を越されてました。 ストーリー的には、いろんな駆け引きがあったり、相手を取っ替えひっかえしたりといった感じの余り好きではない内容で、ラストも歩いて去っていくというのではなく知らない人の車に乗せてもらってという締め方が残念に思いました。 それと、ワンシーン毎の区切り方が毎回ほぼ同じようなカットの入れ方だったのでそこが気になってしまい、映像的にも退屈さはかなりありました。 比べちゃいけないと思いつつも、やはりトリュフォーの方が2枚も3枚も上手だなぁと思い知らされた作品でしたが、冒頭に出てきたアンカレジ経由で渡欧していた頃の成田空港や機内(ファーストクラスのショボさとか、着物姿の客室乗務員がいることにビックリ!)の当時の様子が見れたのは面白かったです。
[映画館(字幕)] 4点(2014-12-27 15:07:20)
69.  八甲田山 《ネタバレ》 
八甲田山という映画がある事は以前から知っていましたが、シベリア遠征のための訓練の話だとは知りませんでした。 確かに苛酷であるのは容易に見てとれるのですが、訓練の話となるとどうしても面白さを割り引かざるを得ないという気がしてきます。 映画の序盤で、これから過酷な地に向かうという事もあり、その前フリがあらゆる場面にちりばめて出てくるのが映画を盛り上げるのに生きていたように思えました(若干演出過剰気味ですが)。 まず、トップの人間から困難な任務であることを聞かされたり、麓の村民からも無理だと諭されたり、また、神田大尉の奥さんに食事を日程分よりも多く入れておいてくれという台詞からは彼が内に秘めている悪い予感が的中することを暗示させていたりして、入山前から並々ならぬ緊張感を漂わせていて実に面白いです。 更に、山田少佐が村民に対し案内は要らんと拒否する一連のシークエンスの間、神田大尉の背中を映し続けるカメラが彼の受ける絶望感や悲壮感を静かに炙り出していて、ここが自分にとってこの映画の中で一番好きなシーンです。 映画のほとんどが雪の中での過酷な状況である中でも、ひときわ群を抜くのが雪崩のシーン。人工的に作り出したのだとしても、ここは本当に命懸けであっただろうし、更には、物語の中で夜を越す場面ではテントも張らずにただ雪洞を掘ってそこで立って寝るだけというのが、昔の人は凄いなぁとこの映画で一番驚かされたところです。
[映画館(邦画)] 7点(2014-11-15 22:02:23)(良:2票)
70.  果てなき船路 《ネタバレ》 
出港するまでが長い。沖に出てからの激しい嵐は確かに迫力があって目を見張るものがありますが、そのすぐ後の病人を看病するシーンもこれまたやたらと長い。 停泊している時は船上からの主観ショットなどで状況を提示するなどといった工夫もなく、ただ街からの喧騒を聞かせるのみという安易な方法に逃げていた感があり、話に面白味がないばかりか、話が一向に進まず、全体を通して退屈極まりない印象のみの映画だったと思いました。 また、空から襲われるのはいいとして、敵機を画面上に一度も見せないのは不自然極まりないですし、受けた銃弾の間隔が狭すぎるのも空から撃ってきたようにはとても見えずリアリティを欠いているために当然迫力なんぞは皆無であり、船が爆破されるかもしれないというスリルは海中のプランクトンほども感じられなかったのが痛い。何のために爆薬を積んでいるのか?? 上陸しても、ローポジションを多用するカメラワークや濡れた石畳ばかりが前面に出るのみで、酒場でもジョン・ウェイン扮するオルセンを陥れようとする意図は場の雰囲気から察してあげられることは出来るものの、脚本の拙さ故なのか、その場に張り詰めるはずの緊張感も限りなくゼロに近い弛緩した雰囲気のみが記憶に残ってしまいます。 何故、ジョン・ウェインの見せ場を後半にしか出さなかったのか?何故、ジョン・フォードがこんな駄作を作ったのか? いくら考えても自分にはわかりません。
[映画館(字幕)] 4点(2014-07-20 13:03:39)
71.  東への道 《ネタバレ》 
145分ver.を観たのですが、所々で本筋とは関係ないようなシーンが混じっていたこともあり、少々長く感じられたと思います。 長尺フィルムなだけあって、全部が良い保存状態であるというわけにはいかず、欠損している箇所がいくつかあり、そこに静止画を挿入したりスポークンタイトルでそのシーンの説明文を挟むなどといった方法で欠損部分を埋め合わせていました。 ストーリー全体に関して言えば、お決まりとも言えるリリアン・ギッシュの悲恋もののお話ですが、リチャード・バーセルメスの好演も奏功して、後半のサスペンスの雰囲気などは特に見ごたえのあるものになっていたと思います。 「私は人の妻にはなれないの」と部屋に逃げ込み、愛を受け入れることが出来ずにいるリリアンの姿には胸を打たれましたし、またリリアンが突然現れた雇い主に家を出ていくよう迫られる場面で、リリアンが自身を捨てた男を睨みつける時、二人をワンフレームに収めたショットから彼女が鬼気迫る表情で真実を暴く姿を捉えたカメラが、特に目立った仕事をしているわけではないものの、ここは自分に対し強烈なインパクトを残しました。 ラスト、家を飛び出して流氷の上に崩れるリリアンと彼女を探し当て助けにいくバーセルメス、そして眼前に迫る滝。このトリプルショットのクロスもさすがグリフィスという感じで見事だったと思います。 最後の結婚式のシーンで、コミカルなシーンが入ってきてしまったのが玉にキズで、このラストの大事なシーンはジョン・フォードやムルナウの傑作に見劣りしてしまって残念でしたし、よく考えるとタイトルの「東」も解釈が難しいです。
[映画館(字幕)] 7点(2014-07-19 15:54:30)
72.  聖職の碑 《ネタバレ》 
自分は山岳映画と思い臨んだこともあってか、序盤の駒ヶ岳登山の計画の話に入るまでは少々長く感じられてしまいました。というか、そのいらぬ予備知識ばかりではなく、序盤の人物相関やそれぞれの境遇を描いたシークエンスそのものに若干の説明不足なところがあったのも事実で、ここはもう少し簡潔に要領よく進めるべきだったと思いました。おまけに、子供たちがランニングをするシーンや音楽の授業で歌を唄うシーンにおいて、カメラの横移動が速すぎるために子供たちの表情が捉えられていなかったところを見ても、序盤からあまり期待が持てないまま観ていたような気がします。 同様に、終盤で記念碑を建てるくだりもやや蛇足気味のような尻すぼみの展開になってしまっていて、どのような理由で反対しているのかというのと、思い切ったように決断していたようでしたが建立の決め手となったのは何だったのかなど、論点が見出せずにいたのは脚本に原因があるのではと思いました。 しかし、登山シーンは総じて良く、特に雲海の果てからの神々しい御来光と、朝日に照らされる三浦たちの表情が非常に素晴らしく、彼らの置かれた境遇が境遇なだけに何と皮肉めいた美しさだろうと、ここは特に印象に残りました。
[映画館(邦画)] 6点(2014-06-01 16:42:18)
73.  英国王のスピーチ 《ネタバレ》 
この映画はレビューするのに困る。なぜなら、自分も吃音者だから。 自分の場合ですと、やはり英国王同様、家族や親しい友人などに対しては吃音が出にくくなる場合が多いため、そういった身近な人ほどなかなか自分が吃音持ちだという事をわかってくれず、他所でどもると、「単に緊張しているだけだからそのうち慣れる」「場数を踏めば大丈夫」などというトンチンカンな指南を受けるのがオチ。 難病でもなければ障害でもないこの吃音という症状が世に広く認知されるのは喜ばしい事ではあるものの、「吃音?」「じゃあ、英国王みたいに練習で治るでしょ」と、軽く考えられるのも困るわけで、そもそも、最後のスピーチを立派にやり遂げたように描かれていましたが、あれは対処療法的にその場を凌いだに過ぎず、根本から克服したと勘違いされてしまうのは吃音者である我々としては何とも微妙な所なのであります。 さて、ここからは映画のレビュー。 一番気になったのが、人物を画面の中心からずらした構図が多用されていた事なのですが、ただ単に中央に配置しないだけならまだしも、本当に画面の隅っこ1/4くらいの場所に人物を配置していたりといった極端な構図が多かったということ。 それと、どのシーンにおいても(特に療養所のシーン)画面が暗いことが多く、人物を正面からクローズアップで捉えたショットなど、ここぞという場面であっても顔に当たる光が弱いため、あまり上手くはないなぁと感じました。 ストーリーに関しては、英国王が医者と公園を歩いていたシーンで、口論になって別れた際、煙草に火をつけるというアクションが仲違いを象徴するするように機能していたのが良かったというのと、冒頭とラストでスピーチする時の独特のハラハラ感などは他の映画では味わったことのないような独特の感覚があったりして、自分にとってはいろいろとレビューが難しい映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-06-01 15:20:36)(良:1票)
74.  死の銀嶺 《ネタバレ》 
山が舞台となるだけあって、雪崩だ滑落だといったピンチとなる場面が勿論出てくるのですが、そういった境遇におけるスリルを描くのは本作ではあくまで二の次という印象で、それよりも、クラフト博士ら三人組と学生パーティーたちの登攀する様を時間を割いて丹念に描いていたところが特に自分にとっての好きなポイントです。 また、彼らの登攀シーンもさることながら、救助隊が松明を掲げて夜の雪山を歩くシーンや、崖の隙間に落ちた登山者を救出する場面での松明に照らされる氷柱の艶やかさなど、映像に関して言えば単純に山全体をカメラに収めただけという一般的な山岳美だけに留まる事のない熱意のようなものを感じました。 それと、公開当時には目を引いたであろう空撮ですが、あれだけ何度も旋回していたにもかかわらずその時の映像が一度も出なかったのがちょっと疑問なところですが、序盤で空からシャンパンをプレゼントするというシーンが伏線のように機能していたり、また、最後にクラフト博士が遺書を残して山に残るというラストもしんみりと心打たれるものがあり、良かったと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2014-04-29 23:54:37)
75.  氷壁 《ネタバレ》 
序盤から、不倫関係をもってしまったという二人の人物描写のシーンなどを見て、かなり熱の入った恋愛話だなぁと思っていたところ、突如として当時普及し始めたであろうナイロンザイルの信用度の話が入ってきてしまい、これが本題に水を差しストーリーそのものにブレを生じさせる形になってしまっているのが実に勿体ないと思いました。 人物を丁寧に描き彼らの心の動きを機敏に捉えているわけでありますから、単純に事故が起こったという事象のみを描いて話を進めれば良い作品に仕上がったと思えるだけに、ここは残念に感じました。 映画後半で魚津が単独で山に向かうシーンで、山を越えた先には小坂の妹、戻っても八代が待ってくれているというシーンがありましたが、どっちに転んでも美女の歓待を受けるという実に贅沢なシチュエーションで、男としては何とも羨ましい限り(笑)だなぁなどと思っていたところに悲劇が起きてしまう。不倫仲の仲裁に入ったりしながらも、何の因果だろうかと自然現象の無常さを描いていたところに、この映画を読み解く難しさがあったように思えます。 また、終盤で雑踏の中を一人歩く八代と魚津の遺影に花を手向ける小坂の妹の両者の姿がそれぞれ描かれていましたが、この場面から両ヒロインの微妙な心情をどう解釈するかといったところでもこれまた一筋縄ではいかないものがあり、再考が必要な映画だと感じました。
[映画館(邦画)] 6点(2014-04-28 00:58:04)
76.  ヒマラヤ 運命の山 《ネタバレ》 
どこまでCGなのかは分かりませんが、自分が今まで観てきた山岳映画の中で、山そのものが最も美しく尚且つ雄大に描かれている作品と言えると思います。 メスナーという人の名前は聞いたことがあるという程度でしたが、彼の偉業やその後の論争に興味がある人は勿論のこと、自分のようにそうでない人であっても山岳美を存分に堪能できるというエンターテイメント性は申し分はなく、その点においては良作と言えるでしょう。 自分は、メスナー兄弟の兄の人柄には全く共感できず、またベースキャンプの隊長とのやり取りもメスナー兄弟のいる現場のスリルを引き立てるといった効果も感じられませんでしたし、タイプを打って記録を作成していたのもストーリー的には省いても構わないシーンだったように感じられるので、手放しに称賛できる作品とまではいかないのではと思いました。 しかし、ビバークをしていた時の月明かりに照らされる雪山の幻想的な美しさであったり、ヘリ撮影で捉えたヒマラヤの幾重にも連なる山々の壮観なショットなど、山好きな人であれば一度は観ておいて損はない映画です。
[映画館(字幕)] 7点(2014-04-21 21:19:34)
77.  自由への闘い 《ネタバレ》 
ルノワール作品ということで期待して観ましたが、自分としてはストーリー的に面白いと感じるところが見つからない映画でした。 法廷で証言するシーンや最後に子供一人一人に語りかけながら講義をするシーンなど、それなりに見せ場はあるにはあったようですが、それらも含めて説教臭い印象がかなり強く、作られた当時の時代に即したある種のプロパガンダという位置づけで観るのが良いかと思います。 どこの国の話なのかといった時代背景も語られていなかったですし、爆弾を投げたポールという男の人物像も曖昧なままだったのでストーリーに関しては余り熱が入っていないように見えましたし、登場人物に台詞でメインテーマなるものを語らせる事ばかりが目立って感じられた気がします。 序盤で、防空壕に逃げ込むときの人の動きや、教室で先生に悪戯を仕掛ける子供たちの一連の動きなどの不自然さも気になってしまいましたし、場面と場面の繋ぎにも唐突さがあったり、電車の屋根に飛び乗ったポールを銃で撃つシーンでは撃つ側と撃たれる側の位置関係(というか、それ以前の問題)の描き方に稚拙さがあるお陰で全然緊迫感が出ていなかったりして、細部においても何かと不満点が山積する映画でした。
[映画館(字幕)] 5点(2014-04-19 23:48:05)
78.  北大西洋 《ネタバレ》 
ただの戦意高揚映画。 当然ながら、ストーリーも薄っぺらく、登場人物の掘り下げなども弱く感じられます。 まず、オープニングのボガートの登場の仕方からして主役のそれとは程遠く、この時点で自分の中ではほぼ駄作確定で、更にボガートが歌手の女に魅かれるという描写で、ボガートにズームインする露骨なカメラワークも失笑モノ。 洋上でのバトルは、迫力が出てそれなりに良かったと思いますが、映画の序盤や中盤などでも全部同様の規模で行われていたために映画全体で抑揚がついておらず、最後のワンプロットのみに抑えていた方が良かったのではと思いますし、抑揚といえば、船の中でトランプをしながら会話をするシーンでもテンポを出すことしか考えられていないような脚本で、こちらも耳障りな印象が残るばかりです。 敵の潜水艦内の会話の訳が出ないことからも、アメリカ側からの一方的な描写というのがアリアリと出ていて、ストーリーを構築しようとする意思が微塵も感じられませんでしたし、北大西洋のどのあたりの位置でどこに向かっているのかなどが示されていないという事も映画の希薄さの要因であったと思いました。
[映画館(字幕)] 4点(2014-04-12 13:36:29)
79.  ドイツ零年 《ネタバレ》 
映画全体を通して過度な演出や脚色がなく真実味を帯びた場面の連続に、監督の意欲やこの映画の持つ力強さのようなものを感じました。 やはり一番印象に残ったのは、少年が病院に見舞いに行ったときに毒をこっそり持ち出すシーン以降の全て。 少年が毒を盛り父親に飲ませるシーンでは、少年の表情に緊張感や不安げな気持ちを一切出さず淡々と無表情で行為に及んでおり、またその前のコップに毒を盛る場面でも彼の手元にズームインしたりということはせず、カメラワークにおいても必要以上に見る側の視点を誘導することをしていなかった所にもリアリティが生まれ、真に迫ったより良い描写になったと言えると思います。 前半では、幼いながらも自分が家族を養っていかなければならないという責任感が見てとれただけあって、亡くなった父親が運ばれるシーンと同時に廃墟で独り遊びをしているシーンでは子供らしい一面が感じられて良かったと思ったのも束の間、最後のシーンではまさかという衝撃で、ここはショックを受けました。 少年の先生が、役に立たない者はいなくなった方が良いという内容の言葉を少年に言っていた事も、少年が行為に及んだ後に先生に告白する場面で初めて思い出されるくらいのごく普通の自然な会話の中での台詞だったので、これも物語の演出が少なかったことの裏返しとも取れると思います。 映画を観ていて、ストーリーの中の何気ないアクションや画面の中で起こっている微妙な表現や描写方法など、解説を見ずともその場で感知できるような感性を身につけていきたいと思わせる映画でした。
[映画館(字幕)] 7点(2014-04-06 19:00:44)
80.  汚名 《ネタバレ》 
前半では、何を描きたいのかわからないような緩慢とした話の流れに辟易としてしまい、テンポが悪い展開だなぁと全然ノレずにいたのですが、中盤あたりからのスリリングな描き方には、やはり“ヒッチコック”を感じました。 扉に映る人影でスリルを感じさせながら鍵を抜き取るシーンや、鍵を受け渡す時の手元のクローズアップ、パーティー会場でシャンパンの瓶が徐々に減っていく様など、ついつい見入ってしまうシーンばかりで、ここは良かったと思います。 また、テクニックが前面に出てしまうところはあるものの、映画全体を通して人物目線での主観ショットが多く用いられていたのも特徴で、一つ挙げるとすると、客人に毒入りコーヒーを飲ませまいと親子で声を揃えて言ってしまう瞬間などは目が覚めるような強烈なワンショットで、こういった演出はやはりさすがといった印象です。 しかし、前半辺りで、リオの景色が一望できる高台でのシーンになって突然キスしたりというシーンには唐突さを感じましたし、男女のロマンスの部分においてもあまり上手いと言えるような描き方が見られなかったように思えます。 最後も、映画のメインのストーリーがデヴリンとアリシアの物語なわけだから、最後にセバスチャンを画面に出して幕を引くというのも違和感アリアリな気がして、不満が残るラストだったと思いました。
[映画館(字幕)] 5点(2014-04-06 15:12:19)
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