61. パピヨン(1973)
《ネタバレ》 なんといっても独房シーンのインパクトが凄まじい。それはまさに籠に入れられた蝶のようで、心身とも衰弱していくが、それでも生きることに執着する様子は怖く感じて直視するのが難しいほどだった。 ラストは独房で夢想した「人生を無駄に過ごすことは有罪」の通りパピヨンは真の自由を求めて死をも恐れず大海原へ羽ばたき、反対にドガは平凡な生き方を選んだ。どちらが正しいかは分からないが生き方について考えさせられる。 あの音楽が気に入っていて、聞くと蝶を採るところとラストの流されるところが目に浮かぶ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-27 01:36:39) |
62. 大脱走
脱走の猛者が集まり協力して計画し、穴を掘ってる時のワクワクドキドキ感は小さい頃友達と隠れて秘密でやる遊びの感覚に似てて童心の楽しさを味わえる。しかしそんな気分はじきに打ち消され、現実に戻されたような気になる。策を1歩超えたり脱走して捕まると処刑されがらだ。要所でこれは戦時中であるという出来事があり、張りつめたものを忘れさせないでいてくれる。それがまたワクワクドキドキの要素になって良い。 どうでもいいが調達係が凄くて感心した。実際はどんな感じだったんだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-26 00:48:31) |
63. あるいは裏切りという名の犬
《ネタバレ》 無駄なシーンも無くどんどん話が進むので時間が短く感じました。伏線がいちいち利いていて面白くワクワク感があるし、場面の変化に視聴者がついていきやすいような演出も良かったです。 こういう2人の人物を対比する作品で、主人公と対立する方の人物は得てして悪く描きがちですが、ドニはそうではなく、思い通りに出世できたがどこかモヤモヤした後悔の念も内包しているように見えて憎めなかった。 ラストは複雑な感情を残さず、レオの娘を思うポジティヴな余韻があってスマートに感じた。 暗い映画の中にも登場人物に人間味があって、良い雰囲気の映画です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-15 23:20:42) |
64. ノッティングヒルの恋人
こんな予定調和的な現実離れしたラブロマンスに胸がキュンとなった自分が恥ずかしい…。 脇役の人たちのキャラクターやちょっとしたドラマが作品を盛りたてている。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-05 17:51:52)(良:1票) |
65. メトロポリス(1926)
この映画はホントに驚き。サイレントゆえにオーケストラ音楽が際立ち、またド派手で躍動感のある演技は言葉を補って余りあるほどで、視覚と聴覚で存分に楽しめ、さらにそれらの調和がまた楽しい。ストーリーの単純さやチープなセットは、視点をそちらに向けさせるという意味では逆に良かったと思えるほどだ。非常に印象的なこの映画で私の脳裏から離れないのが偽マリアだ。その演技はとにかく圧倒的で、火あぶりにされるシーンは個人的にハイライトだ。その他、一人ひとりが派手にアクションをする群衆、機械のように働く人間など印象に残る描写が多く本当に楽しめました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-05 00:22:03) |
66. 華麗なる恋の舞台で
《ネタバレ》 ラブロマンスは敬遠しがちな私でも面白いと思わせるこの作品は、なんといってもアネットベニングの素晴らしい演技に尽きます。主人公のジュリアの見せる、落ち着いていたりコミカルだったり感情的だったりなど様々な表情を見事に演じきり、彼女を見るだけでも十分価値のある映画だと思います。ストーリーは分かりやすいしオチも面白いですが、人の心の移り変わりをもっと丁寧に見せれば良かったと思いました。でもまあジュリアに関しては良かったんで十分満足できました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-20 02:15:08) |
67. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 想像を絶する数々の出来事と奇跡的に生き残った主人公。この映画を見て生きることの重要さを再認識しました。主人公は逃げてばかりですが、逃げるしかないというのが伝わってきて、最終的に生き延びれて本当に良かったという気持ちになった。一方で主人公を助けた将校が助けを請う立場になって生きることを渇望している様子に胸が苦しくなりました。戦争を考えさせるという意味で意義ある映画だと思いますし、シュピルマンが生き残ったからこそこの映画が存在するということを考えるとさらに価値を感じます。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-16 02:20:00)(良:1票) |
68. 黄金(1948)
《ネタバレ》 非常によくできたストーリーで最後まで目が離せない。欲が過ぎるとロクなことがないですね。私も気をつけます… 追記 6年ぶりに視聴しましたが、全く見たことを忘れていました。自分がレビューしているのに驚きました。 今回はボギーの人物描写と演出が気に入りました。カサブランカのボギーと黄金のボギーが同じ人だなんて感服してしまいます。この役はアクセントになっていて良いです。 また、演出で良かったのは、フラフラのボギーが水たまりで休んでるところの水たまりの反射。 完全に見たことあるけど何の人だっけ…良い者?悪者?あっ、悪者だ!山賊だ!そうだ印象的な顔の奴だ!やっぱり味方を出し抜いたりするからこうなるんだ!でも山賊が得するのはダメじゃん。あっ、山賊やっぱりバカじゃん! となって、最後は締めで綺麗にまとめてくれたので、気持ちよく見終われました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-15 18:48:08) |
69. わが谷は緑なりき
人の心のつながり、家族の心のつながりが心に染みました。家族には辛いことが起こりますが、それでも前向きに生きていく姿に家族の絆を感じます。最後父親が亡くなってもあの家族は前向きに力強く生きていくだろうと想像させ悲観的な感じにならなく、歌の響きも手伝ってむしろポジティブな余韻が残りました。年齢を重ねるほど感動しそうな素晴らしい作品です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-13 03:26:15)(良:1票) |
70. ギルバート・グレイプ
《ネタバレ》 ギルバートのアーニーへの愛情と苦悩も良かったと思いますが、私はギルバートの母への思いに心を揺さぶられました。家に火を点けるという大胆な展開には驚きましたが、ギルバートの母を笑いものにはできないという強い思いに涙が出ました。家族への気持ちを再認識させられる良い作品です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-05 17:55:40) |
71. さらば友よ
《ネタバレ》 オープニングからいきなりカッコいい。あの音楽とカメラワークが好きで何度も見てしまう。ストーリーはしっかりしているとは思わないが、途中まではバランとプロップの距離感と金庫破りのスリルや閉じ込められた状況が相まって面白いし、中盤からは殺人事件の謎と警察に追われる緊張があって飽きさせないものになっていたと思う。 このページの上に「同性愛もの」とあるから、アランドロンとブロンソンがそうなんだと半分思いながら見てて、閉じ込められた二人が上半身裸になったときはなんちゅう映画やと思いましたが、違って男らしい友情の話でよかったよかった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-01 00:51:57)(笑:2票) |
72. セルピコ
《ネタバレ》 オープニング見る限り嫌な感じで終わるのかなと思っていたので、最後証言出来て少し救われた気分になりました。しかしなぜセルピコがあれほど強い意志を持って警察内部と戦い続けられたのか少し疑問に思いました。普通の人では屈してしまうだろうし、何度も警察を辞めればいいのにと思ってしまった私には到底無理な話です。これが実話に基づいているとは恐ろしい話です。 終盤の病室のベッドのシーンのアルパチーノの演技は良いですね。一瞬見せた悲しい顔にはグッとくるものがありました。それ以外にも感情的になるところは迫力があります。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-12-24 01:24:05) |
73. 天使にラブ・ソングを・・・
かなり楽しめた。楽しそうに歌うのを見ると、自分も楽しくなってくる。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2010-12-17 00:38:48) |
74. 奇跡の人(1962)
女の子の演技には非常に驚かされた。アカデミー賞も納得です。サリバン先生の熱演も伝わってくるものがあります。相手のことを理解し必死になってぶつかっていく様に心を打たれました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-12-15 01:33:21) |
75. そして父になる
《ネタバレ》 始まりの受験面接からタイトルや良多への周囲からの話など色々な伏線を回収して完璧な正解がない中で大団円に収まったのはとても良かった。 途中両夫婦が対立してしまうシーンはリアルだし、視聴者は子供の心情を常に考えてしまうので見ごたえがある。 子供を通じて互いの溝が埋まっていくのかと思いきや、当然そんな簡単なものでなく、それでも子供を中心に状況が動くというのが子を大事に思う親の気持ちを見ている者へ与えているのかもしれない。 最後の避ける慶多を追っていく場面は子供の複雑な感情を慮ると胸が苦しくなる心に残るシーンだ。その他も母側でも葛藤や優しさを表すところや、子が育ての親へ帰りたい思いを表現するところなどの印象的な場面がたくさんあって、見て良かったと思いました。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2024-03-13 16:48:58) |
76. 旅立ちの時
《ネタバレ》 ずーっと独善的な父親が気に入らなくて、最後は折れたように息子を尊重したけれど、やっぱりその独善が私には見えてきてしまって次男の将来を憂いてしまいハッピーエンドには程遠く感じたし、長男もピアノの才能が助けてくれただけのように感じた。 全体を通して人物の感情のきっかけになる描写が少なく、終わって振り返って無駄が少なく見やすい一方で雑な印象も残った。 そんな中でも、主人公の母親のアニーが自身の父親と会談した場面は、逆にいろいろと人物の心境変化について想像を膨らませることができるシーンで、作中で最も印象的で感動しました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-09-14 14:52:43) |
77. 運び屋
《ネタバレ》 イーストウッドのカッコいいおじいちゃんシリーズ大好きです! ワルとおじいちゃんの会話が楽しい雰囲気を作っていて見ていても楽しくなってしまう。 最後のヘリコプター登場と追いかけあいは好きじゃないけど、それ以外はとても楽しめました。 おじいちゃんの過去への後悔がハッピーエンドをすんなり受け入れさせてくれたのか。それでも娘は急変しすぎな気もする笑 [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-03-30 16:17:16) |
78. リトル・ダンサー
《ネタバレ》 終わってみて意外にも家族の映画だったなと感じた。 合格と分かって父親が全力疾走しているのを見て涙が出た。それまでの父親の心の葛藤やビリーの周囲に漂う鬱屈した雰囲気がよく描かれていたのだと思う。 ベタなストーリーで細かい説明なんかもそれほど無いから興ざめするんじゃないかと思いきや、感動の波は大きくなっていった。 町の人たちがビリーのバレエへのチャレンジを、暗闇に射し込んだ光のように見ているという感じがあって、共感しているようでとても良かったのだと思う。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-03-29 15:06:23) |
79. セントラル・ステーション
《ネタバレ》 最初はブラジルって嫌なところだなあ...なんて見ていましたが、仲の悪いそりが合わない二人の見せる変化が面白い。 序盤は子どもの、中盤はおばさんの、その境遇が悲しい寂しいような現状に同情を誘われる。 私自身はキリスト教に詳しいわけではないけれど、宗教的文化の表現を思わせるシーンがところどころにあって作品の雰囲気を引き締めている感じがあります。 ラストの兄弟に出会うところが派手過ぎず、言葉も要せずに分かり合ったのは正に静かな感動という気がして本当に感動しました。 全体として、土地を見ても人を見てもブラジルは広いんだなあという印象が残るし、映像だけでも仕上がっている素晴らしい作品です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-10-01 10:56:23) |
80. ボブという名の猫 幸せのハイタッチ
こんな心温まるよくある映画のストーリーが実話だなんて!!しかも当たり前みたいに肩に乗っている!! ほんでもって、猫を買い取りたいとか言ってきたオバサマはいったいどういう神経なんだ! さらに、何かのためにというものがあると人は頑張れる。という教訓もあって、とにかくベタベタだから気軽に見られる。 ネコも歌もいい感じで楽しめました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-03-05 16:52:03) |