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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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801.  ミツバチのささやき 《ネタバレ》 
再見。 ルイス・ブニュエル「ビリディアナ」のようにフランコ政権を批判しただとか、そんなことは俺にとってどうでもいい。  ただありのままに友達たちと映画に興奮し、怖がったり、悲しくなったり、家族と触れ合う暖かい様子を拝めているだけで幸せな気分になってしまう。 とにかくアナが可愛いのですべてがどうでもよくなりそう。  分裂した家族が紆余曲折を経て希望に照らされるまでを描くこの映画は、移動映画がアナたちの通う学校に来る場面から始まる。  ジェームズ・ホエール「フランケンシュタイン」を見る子供たち。 笑みを浮かべたり、驚いたり、怖さに両手で顔を覆ったり、じっと凝視し続けたり、みんな好奇心に満ちた表情で食い入るように見る。俺も子供の頃は純粋に物事を楽しんでいたのを思い出す。あの頃の自分に戻りたい。  アナはフランケンシュタインの行動に疑問を持ちイザベルに尋ねる。ませたイザベルは「これは作り物だから大丈夫よ」とシビアに返す。アナにとって天使か悪魔のささやきか。  アナとイザベルは仲の良い姉妹だが、イザベルは騙されやすいアナをからかって愉しんでもいる。  夢見る少女が好きだからこそ、からかいたくなる現実的なイザベル。そんなイザベルに憧れに似た気持ちを持ちつつ、見守るというより少し距離を取ったりもしてしまうアナ。それでも彼女は“夢”に出会いたいと諦めない。  イザベルが次に何をするか楽しかったりちょっと怖かったりするのが面白い。 自分の血で化粧をするように唇を染め、早く大人になりたそうな、何かに目覚めたような視線、床にブッ倒れてみたり、黒猫の首をギュッと締めてみたり(すぐに離しはするものの)、火遊びだってやっちゃったり。スリルを味わいたいお年頃。  姉妹のドタバタを耳でこっそり聞くお母さんの姿も微笑ましい。 養蜂家の父は、アナとイザベルをミツバチのように大切に育ててきた。 彼が日記を付ける様子に、アナたちとミツバチの姿が交互に映される。家の扉まで蜂の巣の模様。でも奥さんとの仲は微妙なところ。奥さんは車内から覗く若い異性をマジマジと見ちゃったり、何処か影のある様子も。影絵、ピアノ、古いアルバム。  ミツバチが籠の中で這いずり回り時々外を飛び交うように、アナとイザベラもじっとしたり遊んだり、小高い丘から競争するように駆け出し、広い原っぱに飛び出していく!  線路に耳を当てて接近するものの振動を感じ、黒い煙をもうもうと吐き出して徐々に近づく物体にドキドキし、間近で自分たちの横を通過する列車を見届ける。  そこにはビクトル・エリセが好きなジョン・フォードを初めとするアメリカの広大な西部劇を思い出すような光景が拡がっている。 何処か懐かしい、怖いけどワクワクするような気持になってしまう夢が詰まった大地。だだっ広い空間を無邪気に突っ走るだけで心が躍るではないか。  探検した一軒家の廃墟が新たな出会いを生むとは思わなんだ。  運命的な出会い、アナにとっての「フランケンシュタイン」が電車から飛び降りてくる。どうやら男は命を狙われているらしい。ドアから恐る恐る入り、壁の影に隠れ、穴から覗いてみたり、徐々に距離を詰めていく。 映画でフランケンシュタインに接近した少女への憧れと恐れ、差し出したリンゴが縮めるもの。 アナの心の中に芽生える初めての感情…しかし、彼女の淡い想いは闇夜の閃光によって掻き消される。止まった時計と、岩に残った血痕が顛末を知らせる。  アナが家出した森で見る幻想。  父に言われていたキノコはアナが会いたがっていたのか、あるいわ会いたくなかった者の姿をアナに見せる。水面に映るアナの顔は、フラケンシュタインのように映る。  アナにとってのフランケンシュタインは去ってしまったが、その代わりアナの家族は希望に満ちた朝を迎える。  アナもまた、イザベルに言われたように最後まで精霊に呼びかけ続けるのかも知れない。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-19 21:30:37)
802.  浪人街(1957) 《ネタバレ》 
久々に再見。初代「浪人街 美しき獲物」をベースにした作品。 監督は同じマキノだが、流石にサイレント版と比べると本作は見劣りするかも知れない。人々の仕草のインパクトやクライマックスのキチガイどもが猛烈なスピードで斬り合う迫力は初代が圧倒的。  1957版は藤田進、近衛十四郎、河津清三郎…いずれも中年のどっしりとした感じ。それに振り回される女性陣も何処か熟した様子。緊張の漲りや勢いもかなり欠ける。 だが、河津は初代「浪人街」で凄まじい死闘を演じた一人。彼の若き日と成熟した演技を見比べるだけでも見る価値はあるし、何より本当に火花を散らすような大喧嘩の楽しさといったらないぜ。  冒頭、人々が行き交う街中を上空から捉え、横たわる面、「強い奴 弱い奴…」うんぬんの字幕は初代からあったそうな(冒頭部分は未だ発見されず)、浪人の歌に人々が集まるシーンからすべてが始まる。  撮影はなんたって初代「浪人街」からマキノ、溝口健二の傑作群で実力を振るった三木滋人(三木稔)。この人にかかれば、旗本がいらぬ情けで投げつけた金に抜刀で“返事”をする場面も最高にカッコイイ。 旗本連中だろうが何だろうが喧嘩腰、そんな喧嘩馬鹿がひしめき合う浪人街。  情け駄賃はいらんかと思えば仲裁料は貰って一儲け、酒代を賭けて表で喧嘩、役人も酔いを醒ます勢いで表に飛び出てヘタレを晒す、口喧嘩から刃を交え火花を散らしまくる様子は後の「スターウォーズ」のライトセーバーである(違います)。 こんな馬鹿らしい(褒め言葉)タコ踊りでもやるような殺陣を撮ってしまうのもマキノの遊び心。本気の殺し合いならこんなことはやらない、なんたって彼等の喧嘩は親しい友人になる前の挨拶みたいなもんなのだ。なんせ愛しき喧嘩相手を見つけてくるっと再会するシーンの微笑ましさはどうよ。 藤田進と河津清三郎は黒澤明の「用心棒」でもユニークな存在だった。 何故か太鼓打ち、ダイナミック飲み逃げで「スマン」、役人仕事しろ、ドイツもコイツも酔いどれのろくでなしばかり。 女は畳に拡がる水を拭い、手を震わせ火を消し泣きつく。鞘で膝をグリグリされたってどうしようもなく好きだから、障子は誰かに見せつけるかのように開け放たれている。 娘をナンパする旗本どもをビビらせる高峰秀子の貫禄(1957版オリジナルの登場人物)、隣の部屋に男がいることを承知で着物の帯をとく仕草が色っポイ。 狭い一軒家の影の蠢き、薄暗さが兄妹の悲惨さを際立たせる。  投げ出された刀、部屋から出て行った後の「げんなーい!」の一喝、依頼を受ける代わりにふっかけまくるやり取りにまたもにんまり、“短刀”の行方、「あの娘欲しいから工面して」なんてそりゃぶっ叩かれるww  しかし旗本どもも巻き込む喧嘩売りから事態は徐々に変わっていく。 酒で和平と思わぬ決別、人質と死闘の予感・尚も振り回される女たち、突き飛ばし→突き飛ばしへの繋がり。 女たちは鞭を打たれたり、必死に脱走したりしているというのに馬鹿どもは叱られたり酔っぱらって柱に抱き着いたり。  そんな奴らが他人のためにたった一人で殴り込み、罠と解り「俺はいかねえぜ」と言ってたのに駆けつけたり、馬に乗って突撃したり、全軍引き受けて槍をブン奪ってまで戦い抜いたりするんだぜ?この映画の浪人どもは、そういう馬鹿野郎ばっかりなんだ。  燭台は鈍器に、木の陰の葛藤、“表返り”、御用提灯の光が夜道を駆け抜ける酒場、豪快に酒をブチまけ、押し寄せる人々の中に消えていく…。
[DVD(邦画)] 9点(2014-03-18 18:22:08)(良:1票)
803.  折れた矢(1950)
「流血の谷」と共にインディアンを友好的に描いた最初の作品。 ちょっと説教臭い場面もあるが、少なくとも「ダンス・ウィズ・ウルブズ」よりは面白いだろう。 
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 18:20:26)
804.  ホンドー
「高原の疾走」に並ぶジョン・ファローの傑作。 「ラスト・シューティスト」の冒頭で引用された作品の一つだが、なるほど中々の作品だ。 ジョン・ウェインが荒野から一人でのしのしと現れる場面、インディアンとナイフで決闘に及ぶ場面など見所も多い。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 18:19:44)
805.  四十挺の拳銃
これは傑作だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 18:18:16)
806.  赤い矢
サミュエル・フラーによる南北戦争を描いた西部劇。 フラーのキリキリした面白さが輝る傑作である。 クリント・イーストウッドの「アウトロー」にも「赤い矢」に通じる演出が感じられる。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 18:17:08)
807.  スプリングフィールド銃
「無法の拳銃」と共に語り継がれるべきド・トスの傑作の一つ。 ゲイリー・クーパー主演のスリリングなスパイアクション西部劇で、とにかく無茶苦茶面白い。 
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 18:16:13)
808.  ギャンブラー
雪の西部劇。大博打で大惨事。 リチャード・ブルックスの「最後の銃撃」を思い出すような演出が多い。 ラストシーンの壮絶さはアンドレ・ド・トスの「無法の拳銃」を思い出す。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 18:15:16)
809.  ラベンダー・ヒル・モブ
イーリング・コメディの傑作「ラベンダー・ヒル・モブ」。 「カインド・ハート」といい「マダムと泥棒」といい、イーリング・コメディに外れなし。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:48:51)
810.  カインド・ハート
「イギリス映画なんてつまんないよ」何て人は、イーリング・コメディを見てから判断してもらいたい。本作はチャップリンの「殺人狂時代」も真っ青な連続殺人を描くブラック・コメディで、イギリス映画の最高傑作の一つとして数えられる逸品だ。   貧しい生活を強いられてきた貴族の血を引く青年が、爵位と復讐のために次々と後継者を抹殺していく様をおもしろおかしく・尚且つ冷徹に描いていく。アレックス・ギネスの一人八役も最高に狂ってやがる(褒め言葉)。それをデニス・プライスが黙々と殺しまくる様子だけでも笑ってしまう。 二人のヒロインとのやり取りもエロティックだ。接吻のシーンで、身をくねらせて悶える姿がえっろい。エロイんです。服を脱ぐワケじゃないのに、まるでベッドの上で絡み合うの様な。エルンスト・ルビッチに通じるエロティックな場面です。 
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:32:26)
811.  遠い太鼓 《ネタバレ》 
西部劇としては異色のアリゾナの密林を突き進む冒険活劇。 案外「インディ・ジョーンズ」の元ネタってコレだったりして。  一見すると単なる娯楽映画にも見えるが、ストーリーで描かれるテーマにはインディアンと白人の対立と和解など無視できない要素が転がっている。  「ダンス・ウィズ・ウルブズ」もインディアンに向き合った作品だったが、「ビッグ・トレイル」や「遠い喇叭」「死の谷」でインディアンを絡めたストーリーは先見性のある内容だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:30:57)
812.  國民の創生
アメリカで初めて創られた190分もの作品であり、その中には戦争、人種差別、思想など様々な濁流が流れている。 後の「風と共に去りぬ」の骨子がこの映画に詰まっているのだ。 この映画の場面場面で数多く出てくる「絞り」のように、小さな点が大きな光の塊となっていく。 アメリカの南と北、二つの名家にて起こる恋愛、戦争、死の物語を当時のアメリカ社会のうねりと共にドキュメンタリー風に描く。  映画史上初めてのオリジナルの音響、燃え盛る街を背後に逃げ惑う民、強烈なフラッシュ・バック、印象的なカットの繋ぎなどなど・・・一つ一つの場面の完成度。 1890年代終わりのリュミエール兄弟作品、1903年の「大列車強盗」、1910年の「月世界旅行」、そして1915年の「国民の創生」。 前半30分の登場人物の相関、南北戦争の激戦、後半における数々の死と「KKK」の設立、新たなる闘争の決着・・・密度のある映画だ。  ストーリーの流れや演出は文句なしに素晴らしい。  だが、だがである。 リンカンは何故暗殺されたのか。 それは黒人の現状と痛みを理解し、そこに共鳴したからこそ彼らを開放するために戦い、そして殺された。 後のキング牧師やマルコムXたちがそうだったように、肌の色ではなく、心で理解できたからこそ彼は戦ったのだ。 黒人の解放運動、キャメロン家と共に戦う黒人の女性を描いた点は良かった。 ただ、黒人への恨みをそのまま黒人に返す事を目的とした「KKK(クー・クラックス・クラン)」を英雄として描いた部分は残念でならまい。 これこそ正に「面白ければそれでいいのか?」という映画なのだ。  白人に蔑ろにされた憎悪。 その憎悪が白人に向けられ白人を殺す。 そして黒人に家族を殺された白人の憎悪が「KKK」を産んだ。  だが、「KKK」はあくまで黒人への憎しみをたぎらせた組織であり、それが「アメリカ」という国を造り上げたわけではない。 リンカンが死ななければ南北の統一も無かったし、黒人奴隷の苦しみが無ければリンカンが戦い暗殺される事も恐らく無かっただろう。 その憎しみの連鎖が黒人差別の要因である筈なのに、この映画はそれを疎かにしてしまっているのだ。  黒人の苦痛を細部まで理解出来なかったグリフィスの詰めの甘さだけは惜しい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:24:25)
813.  マダムと泥棒
ブラック・コメディの傑作。 老婦人を始末しようという内容は残酷だが、全てがシュールな作り込みで面白い。 フランク・キャプラの「毒薬と老嬢」を思い出す。 マダムの真面目に、かつ飄々とした態度に慌てふためく泥棒たちの滑稽さが何とも。 英国紳士の義理人情に溢れた傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:17:32)
814.  勇者の赤いバッヂ
ジョン・ヒューストンによる西部劇、そして戦争映画の傑作。 南北戦争の恐怖に苦しめられる兵士の葛藤。ラストシーンの壮絶な突撃も忘れられない。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:14:22)
815.  火事だよ!カワイ子ちゃん
フォアマンが「ブロンドの恋」と共にチェコ時代に撮った傑作の一つコメディ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:08:45)
816.  奪命金
ジョニー・トーによる傑作。 3つの物語が一つに繋がっていく展開が面白い。銀行員もヤクザも刑事もみんな金が絡んだ問題を抱える。 人間の存在そのものを頼りなく描く視点が良い。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:05:33)
817.  歴史は女で作られる
マンキーウィッツの「イヴの総て」にちょっと雰囲気が似ている。アクション好きには退屈な映画だそうだが、私はとても面白く見させてもらった。 伝説の娼婦ローラ・モンテスの壮絶な生き様を描く。ブルーレイは長らくカットされていた部分がすべて収められ、解りづらかった点も補完されたそうだ。 ブルーレイで蘇る映像の美しさも素晴らしい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 16:41:29)
818.  艦長ホレーショ
ウォルシュの傑作。この映画のグレゴリー・ペックは良い演技してるぜ。 「マスター・アンド・コマンダー」よりも面白い海洋戦争映画だ。 ホレーショ・ホーンブラワーの航海術・戦略の数々。 欲がなく誠実、と思ったら一風変わったところもある抜け目無い性格。 そんな人柄がグレゴリー・ペックのイメージに合ってるし、頼もしい。そんなホレーショは誰にでも愛される筈だ。 技術的な問題も少なくないが、それでも幌船が砕け散り地獄絵図に変わる場面、そんな状況で必死に指揮を続けるホレーショの勇姿!最高だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 16:39:33)
819.  マクベス(1948) 《ネタバレ》 
オーソン・ウェルズの史劇映画にハズレなし(特に「フォルスタッフ」は最高傑作)という印象。  この「マクベス」は後の「オセロ」に続く演出はもちろん、ウェルズのシェイクスピアへの尊敬と挑戦が凝縮された傑作の一つ。  例えば、中盤の女が石の階段を上っていく様子をワンショットに収めたカメラワーク。 これが後の「黒い罠」における冒頭の見事なシークエンスに繋がっていくのだろう。  ファースト・シーンと言えば本作の出だしも強烈なもの。 おどるおどろしい雰囲気、濃霧の中で怪しげな儀式を繰り返す三人の魔女。そこに居合わせた騎士二人。二人の呪われた物語はここから始まっていく。 一人の男が如何に栄華を極め、如何に仲間を裏切り、如何に滅んでいくか。その過程の凄まじさ。 正に「市民ケーン」だが、張り詰めた緊張の糸は最後の最後まで持続される。  この作品はシェイクスピアの舞台劇を演じるように、重厚なドラマとセリフで魅せてくれる。派手な戦いの場面がない代わりに、心理面での葛藤や恐怖がマクベスを常に襲う。 魔女の予言で狂う男、女、男! 冠を頂く姿の不格好さは、まるで小人が一時の権力に溺れたような滑稽さを感じさせる。 ラストの決闘は少ない時間ながら鬼気迫る演出だ。 マクベスは玉座で黙って傍観するような器ではない。剣を奮って戦うマクベスの活き活きとした表情を見れば、一目瞭然だ。 首を斬り落とす場面の繋げ方が面白い。 その屈強なマクベスを演じたウェルズが「フォルスタッフ」ではずんぐりむっくりになってしまうのだからビックリ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 16:37:42)
820.  若者のすべて
ヴィスコンティの貴族趣味が嫌いな俺は、当然初期のこういう映画の方が好きだ。 何故こっちの点が低いのか大いに疑問である。 他のヴィスコンティ作品は貴族趣味とホモ描写が気持ち悪くてダメなんだが、これはまだその様子も成りを潜めているしよくまとまっていると思う。ヴィスコンティが苦手だという人にもススメたいもんだ。 アラン・ドワンの最高傑作はコレとメルヴィルの「サムライ」だと思う。いや「太陽がいっぱい」も傑作だけどさ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-17 08:15:11)
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