Menu
 > レビュワー
 > すかあふえいす さんの口コミ一覧。41ページ目
すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344454647484950515253
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344454647484950515253
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344454647484950515253
>> カレンダー表示
>> 通常表示
801.  ロゴラマ 《ネタバレ》 
ドナルド「興奮するとつい殺っちゃうんだ」 2010年の米国アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した作品。これほど全方面喧嘩上等・あらゆるオマージュやパスティーシュ、やりたい放題でカオスな作品はないだろうねえ。 ま、ゴジラだって国会議事堂ブッ壊してたし問題ないだろう(多分)。 マクドナルドからTAMIYAまで世界中のあらゆるロゴが出て出て出まくる凄い作品です。 ドナルドがジョン・ウェイン・ゲイシー並みのアルカイック・スマイルで銃持って暴れ・・・いや、その前にミシュランの警官が銃で人質撃ったりとかしちゃうんですがね。 MGMのライオンが寝ているのには笑った。 ドナルドのテロリズムが何時の間にか地盤沈下やノアの洪水で大惨事、ありとあらゆるロゴが“消滅”していく。 星の如く存在する企業、企業、企業のロゴマーク。 ロゴマークの大パノラマ。 ロゴとそれに絡む事件もイチイチ意味がありそうで面白い。 これだけの情報量をあんな短時間にぶっこんでしまうのだ。 これは監督を務めたルドヴィク・ウープランやフランソワ・アロー、エルヴェ・ドゥ・クレシーだけでなく、キャストとしてクレジットされているデヴィッド・フィンチャーもその職人的手腕を振るったのではないかと思ってしまうほどだ。 
[DVD(字幕)] 8点(2014-11-01 02:11:35)
802.  白い馬(1952) 《ネタバレ》 
アルベール・ラモリスは「赤い風船」が最高に面白かったが、俺はこの「白い馬」もかなり愉しむ事が出来た。 とにかく馬の凄さを堪能できる一篇だ。 まるでサイレント映画の活劇がそのままトーキーに移ったような作品だった。 白黒の美しい画面の中を、馬たちが時に荒々しく、優美に駆けて行く。 草原を、湿原を、砂漠を、浜辺を走って走って走りまくる。  牧童たちは、野生の馬の美しさに憑りつかれている。 特に野性の馬たちを束ねる白馬の美しさにだ。 まるで西部劇さながらに馬を追い立てる。 人間のために乗馬され、かつての仲間を追う馬たちの心境はどんなものだろうか。 「早く仲間になっちまえよ」とか、それとも「捕まったら俺たちみたいになるぞ早く逃げろ」とか思っているのだろうか。  捕まっても大の大人4人を相手に大暴れの逞しさ。 「!誰が貴様らの奴隷になるものかっ!俺は自由に生きるんだ」とばかりに柵をブチ破り脱走。  後の「花の慶次」における松風である。  船を漕ぐ少年は最初傍観者だが、彼もまた白馬に心を奪われた一人だった。 牧童たちが無理矢理馬を従わせようとしたのに対し、少年は馬に“認められる”まで喰らい付いた。 白馬は少年を認める。印象深いシーンだ。 彼は馬を救うべく匿うが、交流も束の間で手当てしたばかりの身体でまた走り出す。 妹涙目。イチイチ破壊される柵涙目。じいさん爆睡。  ドラムが白馬と牧童たちのチェイスを盛り上げる。 馬同士の喧嘩も凄い。顎で馬の皮膚をむしるようにちぎる。 草むらにかくれた馬の炙り出し、炎の中を駆け抜ける馬と少年。 白馬がウサギを追うシーンが可愛かった。  渇いた土に弾痕のように刻まれる足跡。 いよいよ牧童たちとの追走劇もクライマックスだ。 水面、フラミンゴの群、距離感が掴めないチェイス。  馬は海を泳ぐワケじゃない。脚を動かして海の中を“駆けて”ゆくのだ。何処までも。 
[DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 01:04:58)
803.  天使の涙 《ネタバレ》 
ウォン・カーウァイの「花様年華」に並ぶ最高傑作の1本。 「恋する惑星」よりコッチの方が解り易いし、面白さはこの作品だろうね。 「恋する惑星」の続編というか、一部になる予定がそのまま独立した作品になったそうだ。 「恋する惑星」では一瞬だけだった銃撃が、今回は派手な銃撃戦も楽しめる。 しかし物騒な町だなオイ。 一人ずつエピソードを紹介し、交錯して行く話だが深入りはしない。 冒頭からして引き込まれるではないか。 男女の会話から回想、一つの家にまったく違う住人が住む。 女はベッドメイキングしてまで痕跡を残さない。女の手の震えが気になる。 そこに男が入ってくる。 どうやらここは男の家のようだ。 女は男に協力する傍ら情報を流し、男はその情報を頼りに標的たちを血祭りに上げる。 夜のトンネルを駆け抜けるシーンは早回しで撮られ独特の雰囲気を醸し出す。 二挺拳銃が一瞬で炸裂するシーンは強烈だ。 殺し屋に保険はない。 友人は悪い奴じゃないし、巻き込まないためにも過去は断ち切るしかない。 殺し屋がいない間に女は過ごす。 酒場の電子音と共に女の肉体が艶かしく揺れるシーンはエロい。脚! 咳き込むくらいなら密室で煙草を吸うな。 後半登場するモウの行動でイチイチ笑う。 金城武は俺を笑い殺す気か。 不法侵入して豚のマッサージから野菜の叩き売り&寝た人間の叩き起こし、無理矢理散髪に腹がくだるまでアイスを食わせるなど迷惑甚だしい。 愛すべき馬鹿。 アイスのくだりから父親のエピソードが出てくるのが面白い。 アイスに火を付けるのって美味いのか? 「恋する惑星」にも出て来たよく似た店とスチュワーデス(死語)の女が、続編というか前作とのリンクを物語る。 一方の殺し屋も取立てが命の取り合いに。 家を直接狙われない不思議。 スタイリッシュなマクドナルドのCM。 金髪女との出会いと別れ。 一方、“相棒”はフラれたショックか一人で喘ぐ。 黒のガーターがエロいっす。 モウは1回死なないくらいじゃないとアカンとちゃうか? ネタが多すぎてツッコミきれねえよ。 殺し屋とのギャップが酷すぎる(褒め言葉)。 怖ええよ金髪アレン。 モウが父親に“誕生日プレゼント”を送るシーンは微笑ましい。  「無断で人の店を開けてはいけないんだ」 当wwたwwりww前wwだwww あのモウがちゃんと働いている姿を見るだけでも思わず感動。
[DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 00:50:07)
804.  眼には眼を 《ネタバレ》 
アンドレ・カイヤットはヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を二度も受賞した存在であるが、最近まで彼の存在は忘れ去られていた。 フランス本国やアメリカでもカイヤットの名は余り聞かない。 知る人ぞ知る存在にすぎなかったカイヤットだが、TUTAYAからもDVDが出たし、今最も再評価が進む作家の一人だ。 というより、非常に日本人好みの映画なのかも知れない。  この「眼には眼を」は一言で言うと、“逆恨み”を極限まで高めた究極とも言える映画である。 復讐者も意地っ張りだし、それに対峙する医者もどうしようもない頑固者。意地と意地のぶつかり合いだ。 「あんたが殺したって言ってんだろ!!」 「あれは事故だっつってんだろうがっボケェ!!」 馬鹿VS馬鹿。 人々の葬儀の様子からはじまるファースト・シーン、画面は病院へと移る。 医者たちの淡々としたやり取りが、やがて壮絶な意地の張り合いへと発展していく。 不幸な偶然が重なり起こる“死”。 助手の「先生なら助けられた!」という一言も妙に突き刺さる。 それと同時に医者の周りで異変が起き始める。 冷たくなった女の顔、その顔が移った写真、 無言電話、 無言で何かを語りかける車、 時々姿を見せるサングラスの男の不気味な影・・・。 アンリ=ジョルジュ・クルーゾーのような徐々に緊張感を高めていくスリルだ。 撤去した筈の車が元通りになっているのもゾッとする。  120kmが空耳で300kmと聞こえた俺は病院行った方がいいのかも知れない。  翌朝よそよそしくなる妹も怖い。 それにしても、長くいて現地語を殆ど覚えていない医者も医者だけど。 ま、密室で付きっきり、通訳もいればそんな気も起こらないだろうか。 それにしたって通訳を連れて来なかったのはおかしい。 せめて帽子くらいは被ろうぜ・・・。  ナイフ投げのシーンやゴンドラの異様な緊張。 医療器具を落としたのも絶対“ワザ”とだろう。 復讐者の変質的な嫌がらせもエスカレート。家族もいるのにこの男は・・・酷い野郎だ。  砂漠の様な場所を延々と歩き続ける。 出血多量になろうがそれすら演技にしてしまう恐ろしさ。 復讐者の体力も凄まじいが、医者も気力でふんばる。 動物の死骸が腐っていく様子が恐ろしい。   医者は余りに絶望的な“良い旅”へと出掛けていく・・・。 
[DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 00:43:11)(良:1票)
805.  ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 《ネタバレ》 
未公開シーンは絶対見ろ-シリーズ最高傑作 日本が誇る「ゴジラ」に並ぶ最高の怪獣「ガメラ」。 ガキの頃のトラウマばっかりだが今見るとしょせん作り物。 だが、その作り込まれたメカニックや模型、破壊的なまでのストーリーは見応えしかない。 CGはチャちだが、月夜に舞うイリスの美しさ、ガメラとイリスの壮絶な死闘がそんなチャちさを感じさせない迫力! 仲間由紀恵もアボーンッ。 東宝はどんだけ東京と京都を火の海にすりゃ気が済むんだ! ちったあ自重しろよ(褒めてる)!!  だのにあれだけ重要な伏線を全部未公開シーンにぶっ込むたぁ、一体どういう神経してやがる。 幼少イリスはキモカワイイ。頭部の可愛さだけは異常。 熊涙目。触手プレイまでしちゃって覚醒。夕陽をバックに触手を拡げるシーンの禍々しき美しさ。イリスも勃(ry ギャオスの生々しさ、ガメラの容赦のなさ。 子供を守った“ように見える”だけなんだろうねえ。 いいかっ!「ゴジラ」の自衛隊が頭おかしいだけなんだよ(褒めてる)! この「ガメラ」だって航空自衛隊の回避能力はおかしい(賛辞)。 毎度生き残る大迫さんも色々おかしいです。  腹の次は腕を吹き飛ばすラストバトル。  ガメラ「俺たちの戦いはこれからだ!」  
[DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 00:27:05)(良:1票)
806.  第三の男 《ネタバレ》 
キャロル・リードは「二つの世界の男」と「フォロー・ミー」は文句なしの傑作だと思うが、この「第三の男」はやや完璧すぎるし、影の演出のあざとさも気になる。 淡々と謎を解き明かしていく流れ、オーソン・ウェルズの登場シーンや地下水道での追走劇も計算され尽くしている。 加えて、プロデューサーのデヴィッド・O・セルズニックの演出。 この男はどんな作品でも必ずと言っていいほど三角関係をねじ込んでくる。 「キングコング」で怪獣、男、女の三角関係を描いた男だ。当然「第三の男」も小説家、女、闇の住人の三角関係に発展していく。  第二次大戦後の暗い影が付きまとうこの映画。 戦後の新しい時代の白い「光」、社会の黒い「闇」の世界。 日夜問わずにこの白と黒がせめぎ合うサスペンス。 そこにシンプルな音楽の調べが何とも言えない雰囲気を作り出す。  友人の不可解な「謎」を追ってウィーン市内を渡り歩く主人公。 事件の真相を追うのは友情か、それとも作家としての好奇心か。 途中で出会った謎の女性。 友人について知っているらしいが、彼女にも暗い影が見え隠れしている。  様々な国が入り乱れて統治するウィーンの街は、戦後の混沌を表す良い見本だ。  そして主人公の前に現れる「第三の男」。 音楽のリズムが一気に変化し、暗闇から姿を表す。 こんなにドキドキする登場シーンはそうそうないぜ。  主人公と「第三の男」との駆け引きは徐々に激しさを増し、下水道を縦横無尽に駆け巡るラストまでの流れは惚れ惚れする。  光の中に生きる者と、闇にしか生きられなくなった者、それぞれの顛末。  それはコインの裏表のように、常にひっくり返される存在なのだ。  ラストの舗道のシーンは良いね。何度見ても。
[DVD(字幕)] 8点(2014-10-27 20:12:06)
807.  未知との遭遇 《ネタバレ》 
スピルバーグにしては少し退屈な映画だったが、あの宇宙船のインパクトは凄い。 キューブリックで言えば「2001年宇宙の旅」とも言える最も退屈な部類の映画であり、最も魅力的な一篇と言える。 ハワード・ホークスとクリスティアン・ナイビイが組んだ「遊星よりの物体X」を思い出すセリフやシーンがある。 ジョン・カーペンターは「遊星からの物体X」として地球外生命と戦う映画を継承したが、スピルバーグは「遊星よりの物体X」で研究資料として我が物にしようとする・・・いや、地球外生命との相互理解の可能性を模索したキャリントン博士の心持でこの作品を撮った。トリュフォーは正にキャリントン博士。しかし、劇中のトリュフォーは「話せば解り合える」という面持ちでコンタクトを試みる。まるで「野性の少年」と心が信じると最後まで願ったように。 「Watch the sky」のセリフも「遊星よりの物体X」に因む。 今までファースト・コンタクトを描いた作品の人類は、大抵襲われ、戦う事になる。 ロバート・ワイズの「地球が静止する日」ですら戦いは避けられなかった。 だが、スピルバーグはこの作品と「E.T.」で戦いの無い、“旅人と現地人の平和な交流”を描く事を選択する。こんなにも意味あり気に盛り上げておいて、ハッピーに終わらせるファーストコンタクトものはこの映画くらいか。 「蜘蛛巣城」を思い出す序盤で砂漠の中に現れる謎の物体。 「十戒」も「五戒」まで、この映画を「未知との遭遇寸前」まで見れた人間はけして多くないだろう。 ホラーテイストで未知の脅威を描いていく様子はスピルバーグのB級魂を強く感じる。 というより、B級とされる娯楽映画を超A級に押し上げたのはまぎれもなくスピルバーグです。 俺に言わせりゃジャン・ルノワールやハワード・ホークスといったアメリカ映画の傑作群の再評価を推し進めたのは、ゴダールやトリュフォーといったヌーヴェルヴァーグよりもスピルバーグやジョン・カーペンターの影響の方がよっぽど強いと思うのだけれど。 そんなトリュフォーとスピルバーグが組んだ同人的映画がこの「未知との遭遇」である。 UFOを追うトリュフォーの同人クラブ。 ファースト・コンタクトのシーンを見るだけでもこの映画を見る価値があるぜ。本当にデケえ。 「激突!」や「ジョーズ」で散々見えない恐怖を描いてきたスピルバーグが、この映画ではあっさりと映してしまう。
[DVD(字幕)] 8点(2014-10-27 19:58:29)
808.  デス・プルーフ in グラインドハウス 《ネタバレ》 
この映画はマジで映画館で見ないと楽しめない。 最初の1時間はうっかり寝てしまっても、ラスト30分の射精しそうなぐらいの盛り上がりで他の観客に叩き起こされる! それで「盛り上がるまでを見たいな」とレンタル店に行ったりネットで注文したりして楽しむワケよ。 あのクライマックスのカーチェイスはタランティーノの映画を含めても最高すぎる。 髪おろしたゾーイの姉貴に惚れねえ男はホモ野郎だぜ。 何ぃ?女なんて怖くて嫌い?るせえっ!ホモはホモ同士でファ●クしてオナッてやがれ!  だが、上記で述べたように前半30分に及ぶダベりからタランティーノに殺意を抱いた人間は“まとも”です。 同時上映だったロバート・ロドリゲス兄貴の「プラネット・テラー」の方が総合的には面白いよ。あれこそ真のB級的感覚で撮られた超A級の映画です。  でも、俺にとってはところどころに危ない匂いが潜む楽しい楽しいガールズトークですよ。 黒髪の姉ちゃんのセクシーダンスにもドキッとする。やっぱタラちゃんはダベるよりもダンスとかアクションやっている時が一番面白い。 70年代のB級的感覚を“装った”この映画。 フィルムのザラ付きやカットが飛んでいる感じ、上映時間も確かにB級的感覚ではあるよ。 だが、何故中盤の“虐殺”シーンをあれだけ待たせるのか。 確かに流れがガラッと変わり「そういう事か」と思わずニヤリ。 でもそれまでが長ーんだよこの野郎! あんなもんせいぜい開始5分で「ハイドカーンッ!実は俺様殺人鬼でしたっーダハハッ」とか殺れんだろーがっ! ヒッチコックの「サイコ」気取りか?あ?オイ?テメエぶち殺されてえのかタランティーノゴラアアアッッ!!!!!・・・・・・・・・と思っていたら後半の盛り上がりで今まで起きたすべてを水に流せるほどの神展開が待ち構えているんですよ。 白黒になったりカラーになったり、 物騒なガールズトークで“詰む”殺人鬼、 白昼堂々写真を撮る変態振り、 アンジェリーナ「表に出ろブス共」、 田舎者=「怒りの葡萄」⇒ジョン・フォード「訴訟も辞さない」、 人身御供にされるチアガールはジョン・マクレーンの娘(「ダイハード4.0」でブルース・ウィリスと共演)、 スタントやるアホウに絡むアホウ、 ダッチVSダッチ、 フルボッコで涙目で最高にスカッとしたぜえっー!!! ・・・という映画です。スタントはスタントにしか倒せない。
[DVD(字幕)] 8点(2014-10-23 19:06:00)(良:1票)
809.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 
「ヒズ・ガール・フライデー」「イヴの総て」に並ぶセリフ劇の傑作。 フランクリン・J・シャフナーが演出を手掛けたドラマが原作だが、映画版となったシドニー・ルメットのこの作品もモチロン面白いし、リメイクとなるウィリアム・フリードキン版やニキータ・ミハルコフ版もまた面白いんだよなコレが。 同時に、ハリウッドのアカデミー賞ってシステムがクソッたれだという事もよーく解る作品だ。 あの雨上がりのシーンを撮影した名カメラマンのボリス・カウフマン! ソ連出身、「これがロシアだ!(カメラを持った男)」を手掛けたジガ・ヴェルトフの弟、 「アタラント号」「波止場」「ベビイ・ドール」を撮ったカウフマンに撮影賞を与えないなんてアホなのか? そりゃあ、受賞した「波止場」に比べたらシーン数は少ないだろうよ。 だが、ラストシーンにおけるカウフマンの撮影が無かったら作品の評価そのものが割れるほどだと俺は断言したい。 何と言ってもヘンリー・フォンダが闘いを終えて外に出るシーン。 今まで降っていた雨が止み、法を巡る論戦からの、密室からの解放感。濡れたアスファルトから漂う蒸気の涼しげな様子。その場所でフォンダと御老公が互いの健闘を讃えてそれぞれの名前を聞くシーン。 このシーンの何ともいえない空気感というか、一仕事終えた後のあの達成感。 それがラストシーンに刻まれているのよ。 密室において繰り拡げられる12人の男たちの言葉をぶつけ、言葉による殴り合い。たった1人の少年の命のために。 無罪なら(人生を)延長、有罪なら即座に・・・無駄と解ったらブッ殺して(死刑)楽にしてやればいいのだから。 異を唱える1人の男がイカれているのか、 それとも何の疑問も抱かず問答無用で少年に死刑を下せる11人の男たちがイカれているのか。 セリフだけかと思いきや、証言を思い返す内に出てくるナイフ、現場再現、子供の写真、そして眼鏡。 フォンダの言葉だけが11人の男たちを動かすワケじゃない。 過ぎる時間、暑さ、降りしきる雨、雨、雨。心も身体も消耗、誰が最後まで粘り、誰が最後に折れるのか。 12人の、そして傍観者・伝達者として部屋に出入りする13人目の男。 欲を言えば例の女性や例の御老人の姿も一瞬でいいから見せて欲しかった。 ま、そこは小説のように想像に任せるとしましょう。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-15 18:32:14)
810.  スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 《ネタバレ》 
前作2作が“立て続け”にグダグダだったのに対し、今作の汚名返上振りは最高だった。  「希望」の前の「絶望」のカタルシスの描き方が秀逸。 CGの完成度も格段に質感を感じられる凄味が増した(トリロジー版の質感に勝るとも劣らない)し、ストーリーの繋がり方が良い。  アナキンが闇に堕ちていく決定打。 ファーストシーンにおける師弟の絆が憎悪に変わる瞬間の恐ろしさ。 前2作の空振り具合といつものアホ丸出しのイチャイチャ振りが、より一層アナキンが闇に堕ちていく様を際立たせる。やってくれるぜルーカス。  アナキンの絶望、 オビ=ワンの憤り、 そしてジェダイの滅亡・・・。 「新たなる希望」のための絶望としては最高の出来。 最後の最後でその「希望」を見せる演出も素晴らしかった。 前2作を見直してしまいそうになるくらいね。  唯一残念といえば、もう少しダースベイダーの声が聞きたかったかなー。  スターウォーズはやっぱり吹き替えか字幕無しの原語で聞くに限る。 戸田奈津子の「ボランティア軍」や「掃除が大変だ」には反吐が出るね。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-09 00:12:35)
811.  スター・トレック(2009) 《ネタバレ》 
「LOST」といったドラマや映画でも「ミッション:イン・ポッシブル ゴーストプロトコル」など数々の傑作に関わってきたJ・J・エイブラムスによる“新しい”「スタートレック」の傑作。  この映画は、「スタートレック」をまったく知らない方が存分に楽しめる映画だ。初見は絶対に旧を見るな。見たらギャップが酷すぎて色んな意味で言葉を失うと思われるので(誇張と思うなら是非とも旧をコンプリートしてからどうぞどうぞ)。  今までのシリーズよりも派手で、アクションも、余計なエロすも満載だ。  カーク船長の若き日を描いた作品だが・・・ぶっちゃけカークは船長時代からキチガイだ(褒め言葉)。  冒頭からスピルバーグの「激突!」張りに警察とカーチェイスをブチかます馬鹿馬鹿しさからはじまり(あれで死んでたら完全にギャグ映画)、 バーの乱闘で鼻血ブーになるわ、 いきなり艦長になるわで前半の無茶苦茶さはどういう事だ。 いいからバイクから降りろ!!  その分、後半の締りは実に良い。バリバリのDQNだったカークが経験を積んで徐々に一人の指揮官、人間として成長していく王道。  そしてスポック(レナード・ニモイ)からスポック(ザカリー・クイント)へのバトンタッチ!  スポックが謎の発情期(浮気)&気狂いピエロ状態とかそんな事はどうだっていいんだ。 いいだろ別に。 みんな「ボイジャー」のトゥボックみたいにゃいかねえんだよっ!(何の話だ)  旧ファンは「スポックこんな奴ちゃう」みたいな声も聞くが、アンタらもう一度よく見てみろよ? 「ジェネレーションズ」や「ミスタースポックを探せ」のスポックの方が狂っているだろうがっ!(「カーンの逆襲」の涙を返せバカヤロウ)。   それとどうでもいい話だが、エイブラムスの「スターウォーズ」が凄い愉しみなんだ。 是非ともジョージ・ルーカスを超えるような作品にして欲しい。 この新たな「スタートレック」や俺が特に好きな「スーパー8」からは、そんな予感を感じずにはいられない。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-09 00:03:10)
812.  硫黄島からの手紙 《ネタバレ》 
後に南北戦争を描いたスピルバーグの「リンカーン」を予告していたかのような作品。 武器が尽き、どんどん追い詰められる様子は南北戦争の南軍の様。アメリカ人の視点で日本人の生き様、死に様をありありと刻んでいく。 そこには狂信的な異常はなく、ただありのままが描かれているに過ぎない。 実際にあった激戦をアメリカと日本の二つの視点から描いていくが…「硫黄島からの手紙」の方はアメリカ軍相手に予想以上に持ちこたえた戦略だとか、硫黄島を守備していた日本兵よりも多い敵を倒したとか、数字的な物はこの映画からは感じられない。  そこに描かれるのは赴任した栗林中将が、いかに戦いまでの準備をし、いかに生活し、いかに戦い、いかに死んでいったか。 特に穴を掘って立て篭もり、島全体を天然の要塞とする戦法。そしてそこを守った他の日本兵たちがいかに暮らし、いかに戦い、いかに死んでいったか。そこに重点が置かれているようだ。 目に映る凄惨な死闘、そして兵士の語りによる人間ドラマ。 発掘される手紙の数々、死を覚悟した男たちが何を残して散っていったのか。 バロン西のカッコ良さは異常。 「万歳!」の渇いた声が耳に残る映画でもあった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 18:21:26)
813.  父親たちの星条旗 《ネタバレ》 
「硫黄島からの手紙」が戦場中心に描いたのに対し、この映画は主人公が硫黄島での激戦と星条旗を掲げた者たちの戦後を描いていく。俺はコッチの戦後に焦点を当てたドラマの方が好きかな。 星条旗の裏にある真実と現実。 表向きの希望、その理想の裏でプロパガンダとして消えていった男たち。戦争に国も人も関係ない。 それぞれにしか解らない苦しみを抱えてみな生き、死んでいく。 英雄になったから何なのだろうと。そんな虚しさがこの映画から伝わってくる。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 18:18:15)
814.  ミリオンダラー・ベイビー 《ネタバレ》 
前半は「鉄腕ジム」や「ロッキー」みたいなサクセスストーリーだが、終盤は今までの総てを破壊されるような、そんな哀しき決断が待ち構えている。 フランキーもエディも最初マギーの依頼を断るが、先に彼女に声をかけたのはフランキーが育てるボクサーのウィリーだった。 ウィリーが去ったのは自分の夢のためでもあるし、マギーをフランキーに育てさせようとしたのかもな。 しかし30代は男でも諦めるレベルだ。 フランキーは夢破れた者を余りに“見すぎた”。 エディの事があってやや過保護にもなっていた。だが、フランキーは勝負に出る。 ウィリーが出て行って吹っ切れたのか、あるいわ焦りでか。 フランキーは冷静な姿勢でマギーにボクシングを叩き込んでいく。 焦らず、氷を削るように確実に。二人は限界まで挑み続ける。 フランキーのアドバイスもあって勝って勝って勝ちまくる。苦戦はほとんどなく本当に「鉄腕ジム」を見ているような気分だった。 しかし、本物のボクサーと殴りあった彼女のファイトはリアリティがあり見応え充分。 強すぎて試合にならない、八百長ではなく「金払ってやるから試合しやがれ馬鹿野郎」料を払って戦う日々が続く。だからって挑発しすぎだフランキー。 それにしたってマギーの母親がクソBBAすぎる。 「いい男を見つけてまともにお暮らし」 「でも負けたんだろ? 残っているものを守らなきゃ」 言ってる事は正しい。でもうぜえええっ 傷ついた娘を見て一応は優しい言葉をかける両親。「娘を酷い目に遭わせて」とさぞかしフランキーを恨んだ事だろう。 フランキーもエディに当り散らすなど人のせいにしてしまいたいくらい自分を責める。 ラストは賛否があると思うが、俺はハッキリとマギーが「やって」と言ったのを覚えている。 体は動かなくとも心はまだ一人の人間、ボクサーだった。彼女は最後まで立派なファイターだったよ。 フランキーは、マギーの“遺言”を受け取り去っていく。 「カッコーの巣の上で」を思い出すようなラストだった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 18:15:19)
815.  インセプション 《ネタバレ》 
クリストファー・ノーランによる傑作の一つ。  夢の中で「これは夢だ」と意識をハッキリ保つ明晰夢。 その世界を詳細な設計までして自由自在に操ろうとする正に夢見たいな映画だ。 脳味噌だけ生きてさえいれば、その世界で永遠に生き続ける事さえできる。 だが、現実は常に動き続けけして止まる事はない。  人の夢の中に侵入して記憶を盗むという企業スパイたち。 作られた夢の世界と二重、三重の階層空間。深く潜りすぎれば心が死んでしまう。 階層事に感じる体感時間の違い。  現実と夢の狭間で行き交う人々、夢から夢へジャンプしていく無限の世界観。  コブは自分の罪と失った者の事をズルズル引き連りながら戦い続ける。 妻のための“インセプション(植え付け)”が仇となる罪の意識、夢と現実の区別が付かなくなる恐怖。 夢の中の過去を断ち切らなければ次に進めない。  自分の都合で仲間を危険に巻き込む危ない奴だ。 世界の運命よりも過去との決別。  そんなグラグラなコブを献身的に支える古女房のアーサーがカッコ良い。 イームスのオッサンも隠れ武闘派で頼りになるぜ。孤軍奮闘して仲間を守り作戦を遂行する頼もしさ!  CGを協力抑えてこれだけの世界観を構築してしまうノーランは凄い。  雪山のスキーと銃撃戦の迫力、夢の中は何でもありだ。  コブは現実に戻れたのか、それとも・・・駒はあの後止まったのか、回り続けたのか。それは解らない。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 17:55:09)(良:1票)
816.  セブン 《ネタバレ》 
この映画はある意味ハッピー・エンドなのかも知れない。 フリッツ・ラングの「ビッグ・ヒート」にも通じる部分がある「犠牲と心境の変化」。 フィンチャーは「ゾディアック」とか00年代の作品の方が好きだが、彼の最高傑作を1本選ぶならコレになるだろう。 市川崑と宮川一夫の「おとうと」の頃から銀残しという演出は使われてきた。 非常にコントラストの強い画面は、見る者に閉鎖的な息苦しさを与える。 この映画に描かれる下品さ、人間の汚れた部分を徹底的に見せる映像には嫌悪感を覚える者もいるだろう。 だが、人間の心理に向き合わせようとする物語・・・アンドリュー・ケヴィン・ウォーカーの哲学を絡めた見事なシナリオには唸らざる負えない。 それに美しいシーンもある。 莫大な情報が眠る夜の図書館の静寂とかさ。 凶悪な犯罪や殺人が耐えない現代社会。 サマセットはそんな世の中に嫌気が差していた。定年を迎え辞めようという時に起きた「七つの大罪」になぞらえた連続殺人。 奴は何故殺人を繰り返すのか、それが徐々に浮き彫りになっていく。 殺人犯の説教なんてクソ喰らえだ。 大量かつ複雑な情報をコンパクトにまとめてしまうフィンチャーは正に職人だ。 サマセットとミルズは早く平和な家に帰りたがっていたが、殺人を止めるため、「安心して子供を産める世の中」にするために犯人と戦う覚悟を決める。 サマセットは、ミルズの妻とそのお腹の中にいる新しい命に触れる事で「人を信じてみたい」と希望を持ちはじめる。 最後の戦いの前にフル装備で身を固めていくシーンのワクワク感は何なのだろうか。 それを絶望の淵に叩き落すのだから油断できない。 結末は残酷なようにも思えるが、ミルズの表情に“憤怒”は無く、かといって“哀しみ”にも染まっていなかった。 勝ち負けではない。 「もうこれ以上犠牲者を出さないためにも・・・このクソ野郎は俺がブチ殺す」という冷静な戦士の表情だ。 車の中で贖罪を求めていた筈の彼が、警官として責務を負う覚悟を決めたのだ。例えどんな絶望が待っていようとも。 フィンチャーが“アレ”を見せなかったのも俺は気になる。 実は犯行にはおよんでいなくて、警官に嫉妬する自分と憤怒にかられた刑事を“精神的”に殺そうとしただけだった可能性もあるのではないだろうか。 俺はそういう結末があっても良いと思うんだ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-05 22:13:42)
817.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
ダニー・ボイル会心の傑作。 インド映画というよりハリウッド(ボリウッド)のノリ。 ボイルの最高傑作である「トレインポスティング」や初期の「28日後...」や「普通じゃない」の頃に比べると余り鋭さは感じられないが、それでも娯楽としてかなり良く出来ている。  昔のインドを捉えた映画とこの作品の状況を見比べてみるのも面白い。 ジャン・ルノワールの「河」やサタジット・レイの「大地の歌」の時代と比べると、確かに生活は豊かになったのかも知れない。極一部は。 昔と変わらぬ貧しい生活を送る者はけして減少していない。 拡がる経済格差がよりインド社会を複雑に歪める。 犯罪に身を堕とし破滅する兄、大博打に出て大金を手に入れた弟。 兄に無かったもの、弟にあったもの。  それは「信頼」である。兄貴は誰も信じずに身を滅ぼし、弟は愛しい女性を最後まで信じた。どんなに身を落としても、人を信じられなくなれば終わりである。  ムンバイの社会背景ならミラ・ナイールの「サラームボンベイ!」もオススメ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-03 19:31:02)
818.  運命じゃない人 《ネタバレ》 
やはり映画の本当の面白さというものは、一度だけでなく二度、三度見て初めて発見できるようだ。 最初余り惹かれなかったのに、どうしてこうも引き込まれる“何か”を感じるようになるのだろうか。 この映画を再評価するキッカケは何だったのか。そうだ、画面を支配する豊かな“黒”のコントラストだった。 フィルム・ノワールやジョンアルトンのキャメラ、クリント・イーストウッドの映画を思わせる暗黒の空間。 それに男達を破滅へと導く運命の女(ファム・ファタール)たち。 だが、この映画の題名が示す通り劇中の女達は彼らの“運命”とはならない。 恐ろしく平和なまま、ほぼ何も変わらないで終わるあっけなさ。 俳優たちの何処かそっけなく冷めた雰囲気も手伝い、余計にそんな印象を受ける。 「現金に体を張れ」や「パルプ・フィクション」といったジグソーパズルを組み上げていく流れだが、先達と比べると余りに物足りなく感じるだろう。俺も欲を言えばあと30分足して一発ブチかまして欲しいくらいだ。 その分、突拍子な脱線や意味もなく人を殺傷して台無しにするようなマズさも無い、その安心感が心地良い見事なシナリオで出来た傑作である。 マンション、ドアのポストに鍵を入れる女。 その女の語りから始まるファースト・シーン。 男に逃げられた女、女に逃げられたサラリーマン、探偵、ヤクザと様々な人物の視点が積み重ねられていく。 会話が多くを占めてはいるが、冒頭の鍵の場面や妙に印象的な探偵の黒衣、タクシーを追うスピード感、浮気調査を物語る写真の数々など映像で魅せるシーンも多い。 神田が探偵だったのは意外だった。まさか今までの流れでヤクザが出るなんて誰が想像できただろうか。いや、宮田のワケあり風な彼女の話からして気になってはいたけどさ。 神田のパートになると突然マフィア映画みたいな空気が流れはじめる。 かといって、神田が出会うヤクザたちは人殺しの集団というよりは、本当は気の良い不良という感じ。ボスがスゲーくだけています。 むしろ「殺すぞおっ!」と言っていたトラックのオッサンの方がヤクザみたいだった。 あれで本当に死んでたら完璧ギャグ。 最初は神田の良い奴ぶりに惚れ、何時の間にかボスのカッコ良さに惚れる映画です。 自ら組員のために危険を犯す行動的なボスとかマジ理想の上司。
[DVD(邦画)] 9点(2014-10-03 19:29:21)
819.  赤線地帯 《ネタバレ》 
世間では評価の低い今作ですが、私には「山椒大夫」や「雨月物語」よりもずっと残酷で恐ろしい作品です。そりゃあ「夜の女」に比べると人物の掘り下げや辛辣さは無いですが、テンポの良いストーリー、一見軽快に振る舞う女たちが背負う心の闇。若尾文子のように成功を収める狡猾な女もいれば、木暮実千代のように出来てしまった子を育てるのに奮闘する女、息子に愛情が伝わらず絶望・発狂する女、と様々な女の栄枯渇水をまざまざ見せつけられます。56歳にしてこれほど若いエネルギーに溢れる作品。もっと面白い、もっと凄い映画を撮ったかも知れない・・・そう思うとこの作品が遺作として人々に記憶されるとは皮肉にも感じられます。ああ・・・もっと見たかった・・・こういう溝口映画を・・・。
[DVD(邦画)] 9点(2014-10-02 06:06:07)
820.  あこがれ (1958) 《ネタバレ》 
トリュフォーが「大人は判ってくれない」で長編デビューする以前に撮られた短編。 物語は自転車を漕ぐ美しい“あこがれ”の女性に憧れる子供たちが、“あこがれ”の女性と男性が愛し合っている様子を見て“嫉妬”する様を描く他愛の無い話だ。 トリュフォーの映画にはよく子供が出てくる。 木漏れ日の中、自転車を気持ちよく漕ぐベルナデッド・ラフォンが可愛い。あのロケットおっぱ(ry 子供たちが銃で撃ち合う“ごっこ”遊びは微笑ましいけど、徴兵され本当に戦場で殺し合う人間たちを暗喩しているのだろうか。 水を撒いている人間のホースを踏むイタズラはリュミエール兄弟やチャップリン作品へのオマージュか。 テニスをする“あこがれ”たちの横でタバコを回し呑みする悪ガキたち。ボールを取りにくる“あこがれ”にちょっかいを出したりする。 子供たちの“嫉妬”はエスカレートし、“あこがれ”の女性が男性とキスしたり抱き合ったりしている茂みを発見して邪魔しようとする。男性は邪魔するが、子供たちは楽しそうだ。 そんな男性はやがて徴兵され彼女とはなればなれ。 徴兵や戦争は後の「夜霧の恋人たち」や「終電車」といった作品でも触れられている。 穏やかな日常を描いて良い作品だった。この映画の後に「アメリカの夜」や「大人は判ってくれない」といった作品を見るのが楽しいのです。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-02 06:05:55)
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
700.00%
829828.46%
971868.58%
10312.96%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS