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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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821.  番場の忠太郎 瞼の母 《ネタバレ》 
フィルムセンターで鑑賞。  長谷川伸もの。「番場の忠太郎 瞼の母」。瞼(まぶた)の母。 宿場町、鶏、娘の髪を結ぶ母親、息子を思い出し泣き出す母親、夜、三度笠で男を担いで歩く男、障子を叩き去っていく。 水車→風車、転がる鞠を拾う追ってたち、手紙、手紙を持った瞬間に火花が散るような演出、男は手紙の内容を知っている、負傷した片腕。 刀を持って戦いに行こうとする男、それを必死に止める妹、男の勢いを止める母親の涙。  犬と戯れようとする男、半次の知り合いだという忠太郎の登場。 襖の影でじっと耐える半次の葛藤、脚の動きだけで距離感を感じさせる追跡、徐々に速度が速くなる。  抜刀直前、斬りかかり即座に逃げ去る回想、家族を振り払い切りかかる・・・その時に「こっちを向けい!」 16分して戦闘開始、土手を駆け、刀が宙を舞い、刃を投擲!背中に突き刺さる刃。 「ボケ茄子」「グレた」・・・昔からこういう言葉があったんだねえ。  忠太郎も母親を探し求めて放浪する。   字が分からないのでお母さんに手を握ってもらって書こうとする、ダチの親とはいえ母親のぬくもりで震える表情。  脚は道から道をかけ続ける、街中の賑わいを映すショット。  三味線を弾く眼の見えない老婆、料亭にたむろするヤクザたち、駆けだす女性にちょっかいを出す、逃げた先での出会い、切れる鼻緒。  しかし活弁トーキー版のオッサンのナレーションが面白い。山田五十鈴は役者の名前だwww  夜鷹のおばさん、小さな墓の前で夜鷹の事情を目撃する、墓参り、節分、料亭、何処の誰だろうが一度は面と向かって話し合う心意気、取り敢えずその刀をしまえ。  忠太郎という名前にキセルを落とす、母はわざと冷たくする、母のための大金、その裏で男を引っ捕まえようと準備にかかる男衆、長年求めた者から聞きたくなかった言葉ばかりで打ちのめされる。  息子ではなくヤクザ者として去っていく悲しき表情。男衆は慌てて身を引き、忠太郎は吹雪く闇夜を足早に去っていく。  道で待ち伏せる男二人、風が吹き荒れる中で対峙、それを必死に追う籠と提灯、仰々しい構えで一刀のもとに斬り捨てる、家族の呼び声をむしろの影で聞く辛さ。 抜き放った瞬間に男を斬り倒す、両の瞼を閉じる、思い出の中の母、現実の母、打ち捨てられた長ドス、抱き合う家族。
[映画館(邦画)] 8点(2015-07-14 13:18:12)
822.  素晴らしき休日(2007) 《ネタバレ》 
北野武の短編。 カンヌ映画祭で53人の監督が「3分」という制約時間で映画館をテーマに撮ったという作品の一つ。それらの作品と合わせて連続して見たらかなり面白いのだろうが、単発だと物凄く物足りない。  映画館、緑の原っぱ、道を駆けてくる自転車、見かけよりもさらに古びた館内が暗示する不安。 映画館で上映される「キッズ・リターン」の上映は度々途切れてしまう。途切れるたびに「すいませんね」という具合に謝る北野武の確信犯。煙草の数が語る待ち時間。 自転車で走るシーン、ボクシングのシーンがぶつぎり、今度はフィルムが燃えてしまう。 犬に餌をやってまた待つお爺さんの忍耐力。これがジワジワくる。  「俺たち(が出てるこの映画)もう終わっちゃったのかな?」「馬鹿野郎、まだ始まってねえよ」 すっかり夕日でえーこれで終わりかよ! 何だコレ。 怒るどころか呆れて後を去る爺さんの背中が何とも言えない。
[DVD(邦画)] 8点(2015-07-12 14:08:29)(良:1票)
823.  アッシャー家の末裔 《ネタバレ》 
60分版を鑑賞。 ジャン・エプスタン(ジャン・エプスタイン)監督、ルイス・ブニュエルも参加したホラー映画。ブニュエルが同監督の助監督を務めるのは「モープラ(Mauprat)」以来。 悪夢めいたイメージが多様されながらも、エドガー・アラン・ポーの原作に忠実な展開となっている。  不気味な木々、落ち葉が敷き詰められ湿っている不安定な足場、そこを荷物を持って歩いてくる男。 男は家らしきところを見つけるとドアを開け、住人に手紙を見せて「アッシャー家」を尋ねる。   「アッシャー」の名前を聞いて男たちは驚き、窓から馬車を覗く女も微妙な表情を見せる。 湿地を駆ける馬車、一方のアッシャー家。広い居間、椅子を挟んで見つめ合う男女、男は絵の具のプレートを取ると絵を一心不乱に描きはじめる。  愛した筈の妹への愛は絵に移ってしまったらしい。絵の中の精気に満ちた彼女、現実の今にも倒れそうな彼女。  馬車の行く手を阻むように立ち込める霧、霧が晴れるシーンは後に黒澤明が「蜘蛛巣城」でオマージュを捧げていた。 室内に流れる風、ワイングラス、女の肖像画、室内でコートを厚くはおる人々。寒いならなぜ窓を閉めないのだろうか。   風で燃え盛る蝋燭の火、本棚から落ちる本、舞い散る絵や木の葉、ゴミ。 響き渡るであろうギターの音色。海、霧がかった森の映像が交互に重ねられる。この霧や海、雲のイメージは幾度も繰り返し現れる。  屋敷の不気味なオブジェたち。甲冑の鎧、古時計、地べたを歩く猫、壁に描かれた別の女の顔。   男は憑り付かれたように絵を見つめ描き続ける。女はモデルとして同じ場所に束縛され、夥しい蝋燭の熱にうなされる。女は徐々に衰弱していく。女を襲う「めまい」。   疲れ果て椅子に座り込む女、男は立ってくれと懇願するように両手の手を掴む。女の顔を見て休ませようとか、そんな考えは毛頭ないのだろう。 無理な作業を続行させられ、とうとう両の手をひろげて倒れこむ妹、そこに居合わせてしまった来客。   いつまでも眼を見開いて見つめ続ける絵の中の妹、後ずさりをして脚にあたる倒れた現実の妹。絶望に満ちた表情で抱きかかえる。殺してしまった事への罪悪感か、あるいわモデルを失ってしまったショックか。  ベッドに横たわり沈黙する者、階段を降りた先で白い棺を抱える男たち、不気味なオブジェが並ぶ地下。 ゆっくりゆっくりと階段を上っていく、医者にすがりつき死を受け入れられない様子。「まだ彼女は死んでいない!!」とでも言いたげ。いや、男は女が再び自分の目の前に現れると信じきっているらしい。終始キラキラした眼をしているのはそのためなのだろうか。神経症の影響だけではないのだろう。  白いベールの彼女、黒衣をまとう絵の中の彼女。棺から溢れ出るベール。棺の釘を打とうとするハンマーを見て飛びかかろうとする男の狂気。「私の妹を閉じ込めるきか?」とでも言いたげな。   蝋燭が高い木のようにそびえる幻、棺を運ぶ男たちの黒い影がそこをゆっくりゆっくりと進んでいく。   死者を乗せる船、ベールは森の風になびき水面になびく、収められるベール、うらめしそうに葬儀屋たちを見つめる男の顔、棺桶に釘を打ちつけるショットを何度も繰り返す。   岩場の蛙の親子?夫婦?と現れ始める白い“幻”。 打ち捨てられたギター、弾ける弦、時計の振り子や歯車、不気味に揺れ続けるカーテンと光、光、光。暗闇を彷徨いはじめる男、それを見守る男。男は彷徨いそうになる男を落ち着かせようと朗読を始める。    風と共に迫りくる「何か」、白い幻、ひとりでに開く扉、闇の向こうに落ちる雷。雷はやがて館の木も焼き尽くす。 ひとりでに動きはじめる棺、手を組んで祈るように何かを待つ表情。待っていた者が来たのか、今までに見せた事のないような無邪気な笑顔を見せる。  炎のようになびく白いベール、扉の影から徐々に現れる白い幻想。ゆっくりゆっくりと近づいてくる。風によって吹き飛ばされる本、倒される甲冑。  気がつけば巨大な火が部屋を包み込もうとしていた。目の前に現れる白い幻、屋敷を包んでいく炎。絵の中の“幻”も燃え尽きる。   原作の世にも恐ろしい凄惨な結末とは大分違うが、これはこれで脱出した二人がまた絵のモデルと書き手になる狂気の作業を繰り返すのかと思うと怖くなる。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2015-07-12 13:53:20)(良:2票)
824.  愛のむきだし 《ネタバレ》 
園子温による最高傑作だと言われる作品。または最も平和でエロもほとんどない「気球クラブ、その後」、あるいわヤりたい放題やった「冷たい熱帯魚」か。 性欲をむきだしにしたという意味では「冷たい熱帯魚」は風呂場で乳繰り合いとかぶっ飛ばしていた。 それに比べると、この映画がむきだす“愛”とは言葉を叫んで叫んで叫びまくるというもの。 屹立する男の勲章も、女の蕾も布で徹底的に隠されている。乳首すら映らない。パンツ見ただけで勃起する人間なんてこの時代、滅多にいないだろう。主人公だって中々ビルドアップしなかった事だし。  前半1時間46分は3人の男女が出会うまで、後半2時間11分は出会った3人が破滅していく様を描いていく。  まず「ユウ」の章。 ユウの青春は祈る毎日だった。マリア像の前で祈る母、食前の、死にゆく者への祈り。 マリア像に見る母の面影、父親を狂わせる女への嫌悪。10分を過ぎた辺りからこの映画は、ユウたちは狂いはじめる。父親は愛する女性を失う恐怖から逃れるために仕事に打ち込む。打ち込みすぎて少年は罪探しから罪作りな子供になっていく。父親に愛して欲しかったから。 同級生の消しゴムを引きちぎり、ボールをあらぬ方向に蹴飛ばし、蟻を踏み潰し、不良たちと自販機をブッ倒して破壊したり。いつしか父親の愛は遠のき、不良たちが本物の友達になっていた。 神父の洗礼、不良たちの洗礼。戦闘訓練、喧嘩。父を狂わせたあの女と同じような言葉を吐くようになってしまう。  ここまでの39分は大いに“真面目”だった。だがこれ以降はシリアスな笑いに嬲られるような展開が待ち受ける。  「すべて股間につまっている」という無駄に洗練された無駄のない無駄な動き。すげえ(馬鹿だ)!  これでハードな殺し屋家業を歩むとか、そういうのなら解るんだけどさ。運命の出会いとか、今まで犯してきた大罪を暴かれて絶望に暮れるシーンとかさ。 でも全部コレ盗撮だからっ!どうあがいてもっ!どんな音楽流そうと!どうしてこうなった。 「四十二番街」を思わせる脚のアーチ!この映画は最高に頭がおかしいぞ(褒め言葉)。  奇跡へのカウントダウン、集まる男たちと女たち、運命の“罰ゲーム”! 女番長(池玲子)とサソリ(梶芽衣子)が合体した黒衣の存在、それと対照的な白いカラーで固めた女たち。 戦いに生きるサソリという仮面、エロに生きるユウという真実。奴らが彼女に白い布を被せたのは意味図的か無意識か。観客のたまった鬱憤を爆発させるような殴り合い、ステゴロ、長い得物でブチのめす。段ボールの山はヤクザのダメージを吸収するため。  やっと「コイケ」の章が語られる。ここから親の愛に飢えた子どもたちの話になってくる。どいつもこいつもろくでもない親ばかり。 家庭内暴力、殺すことよりも恐ろしい“へし折り”。鳥公の仇だ!こんなん見て勃つどころかますます萎縮するわっ。こんな女のアレを見せられてもだから何だよと。そもそもあれだけ見せられたら誰だって飽きるわ。  続く「ヨーコ」の章。 彼女が見る飛び交う弾丸は、ユウのハートを撃ち抜いてしまったようだ。トラックには中指で返事、ノートには男たちへの呪詛、路上の男たちには八つ当たり。 恋は盲目・難聴のようでサソリの“声”も聞き分けられないほどらしい。 ヨーコが慕う女性の正体にもビックリ。愛の暴走が車を海の中にブチ落とす。この暴走はユウにも伝染してしまったらしい。  残る「サソリ」の章はでっちあげられた偶像をめぐって男女たちの争いが繰り広げられる。 偽りの家族、偽りのヒーロー、本音をむきだせない葛藤。そこに割り込む悪魔、NTR、倒される十字架、崩壊する人生。悲しい音楽でごまかそうとしてもダメだ。俺の腹筋は逝っちまった。  すべてを失った者を包み込む不良たちの優しさ、洗脳を解くための根競べ、拉致、精神的な“去勢”。監視が緩くなるまで耐えて耐えて耐えまくり本音をビルの中でぶちまけるクライマックス!すべてはもう一度家族に愛されたかったから。 像が砕かれる瞬間に膨張する狂気、叫び叫び叫ぶ。直接斬ったのは数人だけだが、精神的にブッた斬られた人間はかなりいるだろう・・・という解釈が出来た方には最高のエンターテインメントなんだと思う。でもこれだけ時間かけてあれだけしか殺らないなんて物足りないにもほどがあるわ。別の映画みたいに無双できないというのがユウという人間の限界だったのだろう。何百人も盗撮するのとワケが違うからね。  ところでコイツは何で死刑にならねえんだ?精神障害で精神病院送り程度になるわけ?おお恐ろしい世の中だ。 胸元にしまわれるナイフ、叫び、鏡に映る屹立する男の勲章、走り去る愛のごりおし野郎、手・・・。  何 だ コ レ
[DVD(邦画)] 8点(2015-06-18 12:11:14)
825.  チャップリンのゴルフ狂時代 《ネタバレ》 
「のらくら」または「ゴルフ狂時代」。 汽車を待つ人々、降りてくるゴルフ狂たち、夫人の脚、荷物入れから出てくるチャップリン。何と言う無賃容赦。 車の後ろに座るが振り落とされる。 今回のチャップリンは放浪者と同時に身奇麗な紳士も演じる。ちょっと抜けたね。 ズボンの短さに不意打ちってパンツかよwwww新聞で隠してしゃがんで移動。 泣いてんのかと思ったらカクテルをシェイク。サイレント映画ならではのギャグ。  芝生をズカズカ歩き、ゴルフボールを気づかぬ内に蹴って運んでしまう。  正しい土の使い方、不憫すぎるオッサンの連鎖、チャップリン気づけよ、腹を踏むと次から次へとボールが出てくる昼寝中のオジサン。よく窒息しなかったなこの人・・・。  馬、乗馬する女性、ロバで追跡、自力で追うスピードの速さ!と出来たらいいな。  酒瓶を狙い撃ったようにしか見えないナイスショット、殴られ腫れ上がった面で再び現れるオッサンの受難、太めのオッサンも災難続きで帽子を踏む追い打ちまでされる。  人違い、地面かと思ったら沼にドボン、チャップリンと出会うゴルフ狂はみんな災難が降りかかります。  仮装パーティー、騎士に扮装する紳士、鉄仮面が取れなくなるパニック。  スリに間違われ警察とのおにごっこ、チケット、逃げた先で警察かと思ったらそれの仮装。  懐中時計をくるくる回しながらしまう、デブのオッサン相手に後の「猪木アリ状態」?、御夫人のスカートに失礼。 バグパイプ奏者、嬉しくないパンチラ、缶切り?で鉄仮面を切り開く一変する空気。 追いかけて交わす握手・・・を文字通り一蹴するのがチャップリン。「今更遅いわ!」
[DVD(字幕)] 8点(2015-06-11 23:41:24)
826.  くもとちゅうりっぷ 《ネタバレ》 
昆虫たち、てんとう虫の少女、蜘蛛の紳士。蜘蛛の巣のハンモック、美しい花々。交互に歌い合う二人。 蜘蛛は優しい口調で“得物”を誘惑する。  蜘蛛のナンパ、てんとう虫の女の子は羽で飛ばずに草から草に飛んでいく。怖がって羽の下に隠れてしまう。 蜘蛛が糸でするする降りたり昇ったりするアニメーションの軽やかさ。  ちゅうりっぷの介入、花の中の顔、蜘蛛の糸を大量に出してがんじがらめに巻きつける。 蜘蛛は糸をマフラーのように、鈴のように、タオルのように巧に操る。  空の上、雲の上から風を飛ばす者たち、雨風の猛烈さ・空爆のような雨。  子供のようなミノムシ?冒頭のミツバチ?がてんとう虫の女の子たちを助けるキッカケに。  傘にくるまって飛ばされ、草木はそれを跳ね飛ばすように運ぶ。
[DVD(邦画)] 8点(2015-06-10 18:28:15)
827.  なまくら刀 《ネタバレ》 
フィルムセンターで鑑賞。  別名「塙凹内名刀之巻(はなわへこないめいとうのまき)」。 舞台は江戸時代、買ったばかりの刀で試し切りをしようと座頭に後ろから声をかける。それを馬が脚蹴を食らわすように侍を蹴り飛ばす。 飛び散る☆といった表現。表情の変化も豊かだ。  この後も侍は散々な目に遭い、肝心の刀も実は・・・という見事なオチ。  90年以上前の日本で、既にこれほど豊かな表現に満ちたアニメが生まれていた事に感動した。
[映画館(邦画)] 8点(2015-06-10 18:27:07)
828.  蒸気船ウィリー 《ネタバレ》 
子供の頃、ミッキーのビデオで見て以来。 黒い煙を噴き上げる蒸気船。口笛をふきながら舵を切るミッキー、伸びる胴体、五月蠅いオウムにバケツごと水をぶっかける。 細い牛にデカいベルト、それを草を食わせて太らせる。乗船し遅れた乗客をパンツごと引き上げる。楽譜とギターはヤギに食わせる餌。音だけが残る。 楽器になるyアギ、ありとあらゆる物が楽器と化す楽しさ。猫やガチョウ?、子豚、豚、牛の歯すら楽器に。 俺が見たビデオ版(Disney ミッキーマウス/ブラック&ホワイト特別保存版)には豚の母親が仰向けになってアコーディオンのようにされるシーンはカットされていたかも知れない。 硬そうなチョコ?ガム? ハメを外しすぎた罰に、芋の皮むき。五月蠅いオウムは再び叩き落される。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2015-06-10 18:25:00)
829.  歩いても 歩いても 《ネタバレ》 
「誰も知らない」と比べると、その穏やかすぎる雰囲気に驚く。YOUも毒が抜けて浄化されてしまった感じ。毒のない人物ばかりでちょっと退屈だった。 「花よりもなほ」も最後の“笑顔”を見るまで我慢するような映画だったが、この映画もあの海辺のシーンを見るまで我慢するような感じ。 夏場に田舎の祖父のところまで行く過程、過ごす雰囲気とかは好きなんだけどさ。 小津安二郎の映画にも通じる雰囲気。その雰囲気に共感を覚える者は多いのだろうが、俺はあまり共感できなかった。 のぼったり、おりたり、とにかくゆっくりと歩く映画だ。電車、バス、階段。  荷物を持ってもらう事よりも、父親を名前で呼ぶことをお願いする母。 でも「どっちか持とうよー(怒)」  歯磨きの場面は「誰も知らない」といい、是枝裕和の作品で幾度も挿入されてきた。 野菜を切る音、てんぷら、風呂場の割れたタイル。  子供たちの会話、夏休み、食事。割ったスイカは見えない。じいさんを動かすのは“音”。 写真に作文。ぼやける絵、遠目の写真。当の本人とって、自分の思い出はそれほどぼやけてしまっているという事なのだろうか。  窓ガラスに映る顔、遺影、ドアから出て遊ぶ子供たち、孤独でいたい爺さん、祖母の声をさえぎる子供の声、手で孫を誘う祖父、祖父を睨む父親(息子)。 家族の甘さに対する苛立ち、本業なのに相手にしてもらえなかった苛立ち。取り残されていく苛立ちと哀しさ。 それに対し妻は「ブルーライトヨコハマ」を懐かしみ、蝶を追って呑気ささえ感じさせる。   成長した息子と卒塔婆の数。大体それだけで事情は察する。ナレーションはいらない。 寂しいエンディング、そして天国でも暗示するかのような階段。 バスが去り、静かに坂を上り始める夫婦。  初めてハッキリ映る“絵”、意識する幼い頃の記憶の断片。  蝶、船、影、終盤やっと出てくる海・・・。
[DVD(邦画)] 8点(2015-06-08 20:17:51)
830.  かもめ食堂 《ネタバレ》 
この映画の大らかさが好きな人は、きっとカウリスマキの大らかさも好きになってくれると思う。 ただ、カウリスマキがフィンランドの町並みから社会の底辺や人々の闇も捉えるのに対し、この映画は太陽の光を注ぐように明るい、何処か陽気な雰囲気を終始貫く。  水のイメージとカモメたちのイメージから始まり、一人一人客が増えていくように、徐々にハマッていく作品だ。  地を歩くカモメ、かもめ、かもめ、かもめ。  ガラガラのレストラン、窓を隔て、女の耳に御夫人たちの噂は入ってこない。  客も来ないので居眠り、一人で泳ぐ、日課の合気道・・・よく一ヵ月も持ってたのが不思議なほど暇そうな顔で登場してくる。  「ガッチャマン」の歌を通じて出会う様々な人々、ニャロメを着た青年。頭から歌詞がスッと出てこず、止まる指。それが奇妙な巡り合わせで再びペンが入っていく歌詞。 歌が繋げる。   渋いオッサンのコーヒー講座、ちょっと怖いかもめの絵(「ムーミン」風?)、久々に食べる故郷の味に泣く、 アラスカ、タヒチ、ハモる女二人の談笑、森で花摘み、おにぎりを食べ、それを珍しそうにじっと見つめる人々。  ターヤ(Tarja Markus)のエピソードが一番面白かった。 無言でいつも店を睨み、入ったかと思うと無言で盃をグイッ、無言で見つめ合う。お?イメージ通り酒も強いのか?と思った瞬間にバッターンと倒れる。 胸にためこんでいた思いを打ち明け、帰らぬ夫の事を想いながら藁人形に釘を打ち込む。夫のTVも視界も砂嵐状態。  人魂のように揺れる電灯、サングラスで休日を満喫。ターヤもスッキリしたのか、大分女性らしい格好に。  泥棒を合気道で打ちのめす場面。この映画で唯一と言ってもいい対人へのアクション。しかしそれでもっと大きな事件が起きそうで起きない、この緩さ。  赤ん坊のようにコーヒーメイカーを大事抱きかかえる、黄金のように輝く花。  食堂もプールも孤独ではなくなった彼女の姿を映して物語りは締めくくられる。
[DVD(邦画)] 8点(2015-06-08 19:22:52)
831.  チャップリンの給料日 《ネタバレ》 
工事現場で働くチャップリン。下から放り投げられたレンガを上で見事にキャッチしまくる。 工事現場のリフトが絶妙なタイミングで上下する。それはチャップリンに食事を運ぶため。 カステラ?とフランクフルトのサンドって美味いのかしら。  笛の音でキッチリ作業を止める。後の「モダン・タイムス」にも繋がるような描写。  夫の給料が心配で見に来る恐妻。黙ってついてくる怖さ、ごまかしがバレる。嫁怖ー。フィリス・アレンのインパクト。  下水に杖を吸い込まれる、落ちるようで中々落ちない名人芸、たむろには水をぶっかけろ、たむろも傘で応戦。  死なないのはギャグ補正、酔って傘と杖を間違う、吊革とソーセージを間違える、バスが来た瞬間に待ち伏せでもしていたかのようにブワ~と登場する群衆に弾かれる。  靴も猫も飛ぶように去っていく、やっと寝られると思ったら朝になってしまい仕事場へ。トホホ・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2015-06-07 15:38:39)
832.  サニーサイド 《ネタバレ》 
男にケツを蹴られてチャップリンが起きるが、また寝てしまう。 そこに靴を投げる、で起きて着替えるのかと思いきやパジャマの下にシャツとズボンwww何という横着振り。 んで出たと思ったらまた窓からベッドに御帰宅。  コーヒー、牛を連れてきてそのミルクをコーヒーにそのまま入れてしまう。 ヤギが楽譜を喰うわ鳴くはいきなり車がクラッシュして事故るわ。  犬を蹴るような野郎にはパイをくれてやらあっ!  後半は牛のモーレツな勢い。牛が教会で大暴れ、窓を牛がブチ破る。  杖に蝋燭、あえて車に轢かれるチャップリン。 情事のために人一人殺しにかかるチャップリン。これは酷い(褒め言葉)。  牛のロデオで頭を打って“幻想的”な妖精たちと原っぱでダンス。 それを引き上げる“現実”のおかしさ。  NGフィルムにおける床屋シーンの狂騒は「独裁者」で復活した。
[DVD(字幕)] 8点(2015-06-07 15:35:26)
833.  ウォレスとグルミットのおすすめ生活 《ネタバレ》 
1話2分、全10話で次から次へと繰り出されるオムニバス。  相変わらず扱き使われるロボット、転ぶわ爆発するわ、人選ミスだわチーズは自分で買いに行け。 にわとり、ペンギン、TVの逆襲、ゴミまみれ。 トラックに粉砕されるウォレス、クラッカーのホラー、グローブでぶっ飛ばされたり、掃除機の怪獣、下手すりゃ殺される全自動クッキング。 羊のコスプレ、サッカー、テニスと。誠に突っ込みが追いつかない内容となっています。
[DVD(字幕)] 8点(2015-06-04 21:05:09)
834.  花とアリス〈web〉 《ネタバレ》 
DVD特典版の感想。  最初にwebで公開されたver.とDVDに収録されているver.は細部が異なるらしい。 残念ながら最初のver.は見ていないので何とも言えない。   冒頭に「break town cinema」の文字が入る。キットカットの30周年記念の際に作ったそうだが、本編にキットカットと思わせるチョコは発見できなかった。web公開当時のver.には出ていたのだろうか。謎だ。   第一章「花の恋」が17分、 第二章「花の嵐 I 秘密」が13分、「花の嵐 II 乱舞」が11分、 第三章「花とアリス」が14分の三章四部構成。先に見た長編と比べると細部が結構違う。  最大の違いは長編がアリスの描写が多かった事に対し、短編は花がメインだ。 例えば、花の中学時代の電車の中。カバンを椅子に投げ込む不良風の金髪オールバック男とその女友達が出てくる。それを見て花がビクビクする様子が描かれるが、同時に隣に座った宮本先輩の存在にもドキドキしている状態だろうか。岩井俊二の手にかかれば不良も可愛らしい存在になってしまう。 その後に電車に差し込んでくる光を手に当てて戯れるような描写(さっきまでいた客がいなくなっているので、かなり時間が経ってからだと思われる)。花の横でメイクをする女も登場。  このように、本編と比較しながら見るのが楽しい。 ただ・・・長編で一気にダッーと見たせいか、同じような内容の短編を区切り区切り見るのはちょっと変な感じ。
[DVD(邦画)] 8点(2015-06-03 07:18:55)
835.  それでもボクはやってない 《ネタバレ》 
「シコふんじゃった。」や「Shall we ダンス?」みたいな痛快な映画と比べると、この映画はそういった楽しさが徹底的に削がれてしまった印象を受ける。  ビルを走る一本の電車。その密室では、突然尻をなでてくる者の手が“恐怖”へと変わるし、手を掴んだり密告される瞬間も恐怖と化す。  その恐怖を知る者は、その領域に入った瞬間に両手をあげて命乞いをする。まるで拳銃や刃でも突きつけられている様に。それを知らない者は、出会ったばかりの赤の他人に殺されてしまうのだ。社会的に。  この物語は、そんな社会的に殺されかけた男の孤独な闘いを描いていく。途中挿入されるわずらわしい音楽(最初から無音なんだから最後まで音楽の挿入はして欲しくなかった)も、監督がこの男に同情するが故だろうか。 絶望を語る筈の独房も妙に白いし、照明まで彼を暖かく照らすように明るすぎるのではないだろうか? 「どうしてこうなった」と無言で泣く男の姿だけで充分です。  動く密室の次は、取調室という密室で数人の男に尋問されるという恐怖。常に同じような事件に振り回される男たちの苛立ちは、捕まってしまった人間にブチまけられる。 捕まった人間にとっては「知ったことか」である。誘導尋問、脅し、レッテル貼り、疑心暗鬼、偽善、指紋。 そこに人権とか、偽善がどうとかといった感情は消えていく。あるのはブタ箱にブチこむという“作業”の繰り返し。 何度も何度も何度も「アナタハ痴漢ト疑ワレマシタ。ナノデ逮捕シマス」という具合に延々と同じ言葉を繰り返す。そのしんどさ。二度と見たいと思わない退屈さ。音楽まで似たようなBGMを繰り返しやがる。 あの気の遠くなるような説明は本当に早送りしたくなった。 主人公も感情が消えかけ嫌気が差しているのだから。この辺は社会派映画の悪いクセです。  独房の中で出会う常習犯たちの奇妙さ。それは事件の捜査に疲れて荒んだ警察も、態度をコロッと変える管理人にも、興味本位だけで犯罪を追っかけまわす男たちにも共通する。  痴漢被害に遭ってきた筈の少女の姿にも奇妙さが目立つ。彼女の親は何故裁判所に来ないのだろう。親は既に亡くなってしまったのだろうか。 だとしても、代わりに先生がくるとか、友達が来るとか。そういうのが描かれていないのが不思議だ。 壁に覆われて、主人公やその支持者たちも背中すら見る事が出来ない。主人公も、自分を警察に突き出した女性と一度キリしか会っていない。 そんな奴らに「貴様は犯罪者だ!悪魔だ!」と言われてみなさいよ。誰だって怒りますよ。憎みますよ。ガラスを叩いたり鉛筆を砕きたくもなりますよ。ピーポ君を傘でしばきたくもなりますよ(あのやり取りだけ唯一といってもいいギャグシーン)。 女子高生の視点を知るのは観客だけだ。観客だけがその映像に誘導され、揺さぶられるのである。  それとは対照的に、家族や友人たちはその奇妙さが消え去っていく。真実を知れば知るほど彼らは主人公を支え、一緒に闘うようになっていく。元カノも“信じている”からこそ体を張る。 最初は疑っていたからこそ、それに対する贖罪と共感・共に戦うからこそ得られる頼もしさ。 事件の再現から突破口を開こうとする瞬間、ここで初めて違う音楽が観客の心を洗い流す。様々な人間の視点や感情が真実を探り希望を見出し始めるのである。  それを嘲笑う社会の闇。 小日向文世を殴りたくなったのは初めてだ!素晴らしい演技!予告の躍りかかる主人公のように、あのにやついた顔面をブチのめしてえええっ  裁判のクライマックス。 そこには「それでもボクはやってない」と頑強に戦う覚悟を決めた男の表情だけがある。 主人公が一度挫折し、そこから立ち上がり成長していく姿は「シコふんじゃった。」や「Shall we ダンス?」にも共通している。  怒り裁判所を出て行った友人も、また彼のために戻ってくるのだろう。それでもカレはやっていないと信じているのだから。
[DVD(邦画)] 8点(2015-06-02 20:01:18)
836.  西部戦線異状なし<TVM>(1979) 《ネタバレ》 
ルイス・マイルストン版と是非とも見比べて欲しい。 こちらは原作に沿ったカラー版。この作品も素晴らしいんです。スコップの件とか、瓶を割る件とか。マイルストン版になかった描写と見比べられるのが嬉しい。もちろん、どちらも名作です。 それに改めて気づかせてくれたラストシーン! ラストシーンもカラー(TVスペシャル)と白黒(マイルストン)で見比べられるなんて・・・!是非とも見る時は両方。
[DVD(字幕)] 8点(2015-03-15 12:06:55)
837.  ジュリア 《ネタバレ》 
フレッド・ジンネマンは苦手だけど「ジュリア」は凄く良い映画だと思う。 最初は執筆の日々に追われる日常を描いた恋愛映画でもあるし、後半はジンネマンらしいサスペンスフルな緊張が奔る。 特に列車内のシークエンスでジリジリと張り詰める緊張、ベルリンの食堂で再会する場面の鮮烈さ。彼女が乗る前に慌てて転ぶ瞬間からその緊張は始まる。煙草の煙にむせ、隣で音が聞こえる度にビクビクしてしまう様子。 ジンネマンの映画は常に孤独との戦い・恐怖・怒り。 それを劇中にぶちまけるリリアン・ヘルマン(ジェーン・フォンダ)の強烈さ! ウィリアム・ワイラーの作品に多数参加した事でも知られるリリアン。その容赦の無いシナリオには戦慄を覚えるほど唸るものが多い。特に「偽りの花園」は凄えぜ。 劇中でも煙草プカプカやりながらタイプライターを叩いて叩いて叩き、ゴミ箱を蹴るわタイプライターをムシャクシャして窓からぶん投げるわ、サンドをムシャムシャ食うわ、野郎にビンタを浴びせるわと絶えず何かにイライラしている。 そんな女を優しく受け止めるダシール・ハメット(ジェイソン・ロバーツ)の存在も忘れられない。闇夜を静かに照らすように燃える焚き火、波の音、くゆらせた煙草の煙のように流し、なだめる。 そしてリリアンと深い友情を結んだジュリア。 映画では回想を含めミステリアスな存在で短い時間の登場だったが、実際は友情以上の感情も抱いた仲だっただろう。食事の後に仲良く踊ったり、ベッドで語らい合った以上の関係に。 リリアンにとってジュリアは古くからの友人であり、尊敬すべき師であり、女として愛してしまった掛け替えの無い女性でもある。 女たちは既に語り終えている。それを観客の前でグダグダやらずに、表情だけでその“時間”を感じさせてくれるのだ。役者陣の演技の素晴らしさもこの作品をより際立たせる。 ジュリア(ヴァネッサ・レッドグレイブ)といいリリアンといい、戦う女は何時の時代も美しい。 彼女たちは独りで戦うが、心の中には常に友の存在があった...たとえ死によって二人が永遠に別れようと、回想を通じて心の中に生きつづける友の魂は次の世代にも受け継がれていく。 「地上より永遠に」とはまた違った戦争の描き方。あの映画は波打ち際で抱き合う恋人たちの姿が忘れられないが、この作品も湖上のボートから見る曇り空がラストには美しい夕焼けとなって映る。
[DVD(字幕)] 8点(2015-02-27 15:52:21)
838.  麦秋(1951) 《ネタバレ》 
紀子三部作の中では「麥秋」が一番面白いと思った。 「麥秋」は誰も死なないコメディ調で原節子のノーブラ乳首。これが戦前なら偉そうなクソ検閲官どもがカットしろだの上映禁止だのイチャモン付けてくる場合もあっただろうけど、戦後は誰がどうしようが自由。今まで抑圧されてきた時代が、戦後の原節子のノーブラによって終焉を意味してもいると思う。ましてアメリカではまだヘイズ・コードやプレ・コードが幅を利かせていた時代である。 黒澤も「わが青春に悔いなし(1946)」で原節子がビーチク(ry いやあ良い時代になったなあ(意味不明)。  本作は小津映画でも珍しくラストのクレーン・ショットで田園風景を捉えたシーンが小津らしくなくて凄い好き。 このシーンを含め美味そうに飯を飲み食いする食事シーンの多さ(ケーキが物凄い食べたくなる)、浜辺の開放的なショットや港でショボくれる子供たちの姿、空に天高く飛んでいく風船の様子など見ていて気持ちの良い場面ばかり。 他の紀子三部作で感じた人工的な人物造詣の気持ち悪さもこの作品はそれほど強くない。 そりゃあ、冒頭は子守唄みたいに音楽が響くし会話の不自然さも時折あったが、ギャグをかます場面はその不自然さが逆にプラスになっていたと思う。 なんせ配役でアレとコレが兄妹というのも無理がありすぎてギャグでやっているとしか思えない(原節子と並ぶ笠智衆が黒髪というのも謎の違和感)。 この映画の原節子はすげえ呑気だし、女性陣の掛け合いは思わず噴出してしまう。どんだけ「ねーねーねー」と言うんじゃ。クッソ、こんなしょうもないやり取りで笑ってしまうとは・・・w 他の作品に比べると祖父や孫、家族の仲は凄く良い感じ。「大嫌いだよ」もただのツンデレに聞こえる。からかわれるのをちょっと楽しんでいるようにも見える。 戦後の小津映画で最も女優が色っぽい小津作品の一つじゃないだろうか。 自然なメイクの原節子は元より(他の小津映画にあった気味悪さをこの作品では余り感じなかった)、三宅邦子の豊満な尻や淡島千景の可愛らしさもそそ(ry ゲフンゲフンッ つうかローアングルのショットに盗撮めいた執念を感じる。変態カメラマンが(褒め言葉)。
[DVD(邦画)] 8点(2015-01-15 16:54:38)
839.  るろうに剣心 《ネタバレ》 
久々に純粋に面白いエンターテイメントな時代劇に会った気がする。 まるで握手して再会を分ち合うかのような感じだったよ。  大昔の「用心棒」とか「座頭市」とか・・・とにかく「戦う男」を久々に見たね。 「十三人の刺客」のリメイクですらまだ物足りなさを感じていた俺にとって、ここまでやりたい放題やってくれた映画はありがてえ。  明治と武士の時代の変わり目に交錯する様々な人間ドラマ。 それを逆刃の刀が振り下ろす爽快な抜刀劇が盛り上げる。  よく実写でアニメや漫画の迫力を引き出せたなと拍手してやりたい。  キャスティングは「?」とか「!?」とか「ヽ('Д`;)ノ!?」とか思いまくったけど、段々馴染んでいくのが良かったね。 オリジナルの「るろうに」を作っていくという空気がさ。 チンピラに徹した左之助も悪くない。 アニメの時もそうだったけど、それぞれの「こだわり」が爆発していくのが面白い。 原作も飛び上がりまくってるし、ワイヤー演出が自然に感じられた。 しかも所々原作で親しんだ場面が出てくる出てくる。 原作から入った奴も、この映画から入った奴も両方楽しめる仕掛けがたっぷりある。 特に香川のあの狂演! 久々に日本映画でああいう悪党を見れた! ドス黒いスマイル100%でガトリングガンを連射する! もうそれだけ! そんなブッ飛び具合がよく再現+進化してた気がするわ。  ただ、曲が残念。余計な盛り上がりはこの映画にいらない。 黙って斬り倒される男たちの背中が語りかける「無言の声」。それだけで充分すぎるのである。  思い出(原作)は、いつもキレイだけど それだけじゃお腹が空くわ~
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-31 21:53:16)
840.  劇場版ポケットモンスターアドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ 《ネタバレ》 
「7日間」という言葉は普通タイムリミットとして使われるが、ポケモンの映画は“7日間だけ”というよりは“7日間もある”という印象。マサトにとってはたった7日間の出会いと別れだけど。セレビィとマサトの温度差が哀しい。今までのマサトとジラージの交流もあって。  セレビィのロマンチックさに比べてポケモンたちが襲われる描写は結構エグい。空中ポケモンたちの閉所での戦闘、デカ・グラードンとのバトルがとにかく凄い。この作品も明確な悪役と呼べる存在がいるかどうか微妙。まるで自然災害と戦っているような印象も。  どうでもいいけど、オープニングのマトリックスもどきは何だったのだろうか。
[地上波(邦画)] 8点(2014-12-31 20:13:53)
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