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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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901.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 
ジョン・フランケンハイマーの「影なき狙撃者」に次ぐ佳作。 ジンネマンだから見る気すら起こらなかったけど、「ジャッカル」とか言うクソリメイクを見てしまったのが間違いだ。ただジンネマンを少し見直せたという意味ではちょっぴり感謝していると言えよう。 「暴力行為」の一発屋という印象があったジンネマンだが、コレは中々面白かった。 いつものジンネマン特有と言えるピリピリした空気で緊張が保たれる。 「真昼の決闘」なんて勘違い西部劇は緊張が保たれるものの決闘が1回だけと解かってしまい極めて退屈な映画だったが、「ジャッカルの日」は殺し屋とフランス官憲たちの心理描写が面白い。 ドゴール将軍の暗殺を巡って繰り広げられる追走劇。 イギリス出身という事以外名前も解らず謎がジャッカル。彼の完璧と思われた計画がパリの習慣によって狂う瞬間は息を呑む。 キツネ(エドワード・フォックス)が“ジャッカル”というのも皮肉なものだ。 政治的に“黙殺”されていく暗殺者の孤独。ルベル警視はそれを悟っていたのかも知れない。 ジンネマンはやはり現代劇でこそ真価を発揮する男だ。「地上より永遠に」「ジュリア」も良い作品だと思う。 
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-06 14:08:27)
902.  迎春閣之風波 《ネタバレ》 
香港映画界の巨匠キン・フー(胡金銓)が手掛けた究極の武侠映画。 ブルース・リーの師匠みたいなもんだし、何よりサモハン・キンポーが武術指導。そこにキン・フーの静と動の演出を撮り抜く演出。 それは日本で言えば伊藤大輔や黒澤明のような重厚さがあり、尚且つマキノ雅弘や山中貞雄のような肩の力を抜いて楽しめるシャープでスピーディーな・・・まあ理屈をこねても仕方ない。とにかく面白れえ。 モチロン、アクションだけ関して言えばブルース・リーやジャッキー・チェンといった後続の方が洗練されているだろう(キン・フーの場合はブッ飛びすぎ)。 ただ、個性豊かな登場人物やドラマの面白さは今の中国映画なんぞより遥かに面白い。 冒頭15分はそんな丁寧でコミカルなドラマで楽しませてくれる。 「迎春閣之風波」は中国は明の時代が舞台。 お上の殿下率いる田豐たちと朝廷に反旗を翻す朱元璋一門の戦いを描く。 舞台は朱元璋一門の門派が密かに開設した料理屋「迎春閣」で繰り広げられる。 「迎春閣」に訪れる奇妙な客たち、それを迎える武闘派姉ちゃん・姉さんたち。 博打をやる者、飯を食う者大歓迎、ただし強盗連中は容赦なく滅多打ち。 序盤のドタバタした楽しいやり取りを見ていれば解るだろう。機密文章だとか、敵味方が誰か解らないとか、怪しげな美女とか、キン・フー映画に其の辺のスリルは皆無です(褒めてます)。 いや、いつ誰が刃を抜き放ってもおかしくないという肌を刺すような緊迫感は「龍門客棧」の方が圧倒的だ。だが楽しさは断然コッチだろう。 そこから中盤はシリアス一色になってくる。緊迫したやり取りや次々と血に染まる「迎春閣」、そしてラストのダイナミックなバトル、バトル、バトル!ラストバトルの壮絶さ、華やかより男勝り・女傑振り!愛嬌より度胸!それがキン・フーの女たちだ。 しかしコレで驚いていてはいけない。 「大酔侠」や「忠烈図」はもっとブッ飛んでるから(スタントマンじゃなくて猿が飛んでんじゃないかってくらい)。 個人的にキン・フーの最高傑作は「忠烈図」と「侠女」だが、一番好きなのはやはり「大酔侠」と本作だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 03:45:01)(良:1票)
903.  ポセイドン・アドベンチャー(1972) 《ネタバレ》 
CGも発達していない時代にこんな凄い映画を造りやがった!!  ポール・ギャリコの原作をここまでリアリティのある大作に仕上げた超A級のパニック映画。  「あんな沖にいて巨大な津波に襲われるのか?」という疑問を破壊してくれる造り込み。  いや、あの時代だからこそやる意義があったし、あの時代のうねりがこの映画を産み出せた。  舞台は大洋にポツリと浮かぶ豪華客船。 逃げ場の無い海上、「方舟」は一瞬にして巨大な「棺桶」と化す。 甲板が地獄で船底が天国という皮肉。 船を大津波でひっくり返すって発想が面白い。 実際こんな目に遭ったら「悪夢」だけど、映画としてならやってみたい魅力的な「夢」だ。 天地逆転した船の中でパニックに陥る乗客、冷静な判断で生き残っていく人々。 押し寄せる海水、爆発で揺れる巨船、そして試される人間の尊厳。 極限状態で生き残ろうと必死に抗う人々の力強さ、死。 生き残るはずだった者、死ぬ運命にあった者、その容赦の無さ。  撮影も命懸け、俳優陣も持てるポテンシャル全快で命懸けの熱演を魅せてくれた。  今でもジーン・ハックマン演じる牧師の名ゼリフが聞こえてくる。 「主よ、助けてくれとは申しません。どうか邪魔はしないで下さい・・・!」
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 01:53:21)(良:1票)
904.  プロフェッショナル(1966)
アクション、戦争、ガンファイトが豊富なアクション大作。  「特攻野郎Aチーム」のような馬鹿馬鹿しさと清々しさに溢れた逸品。 満面の笑みで機関砲を回すシーンが忘れられない。  ブルックス監督は「最後の銃撃」も良いが、バート・ランカスターの素晴らしいアクションを撮り下ろした本作は一番の快作。  西部劇の枠に留めておくにはもったいない。  地味ながらクラウディア・カルディナーレが相変わらずエロかった。  オマケに人妻? 若妻? そそる。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 01:26:24)
905.  大平原 《ネタバレ》 
デミルの西部劇の中でも「平原児」に並ぶ最高の1本。 西部劇の醍醐味がすべて詰め込まれているし、とにかくメチャクチャ面白いし。今見ても最後まで楽しめる指折りの西部劇の一つだと思う。 序盤は銃撃戦の一切ないドラマが25分続くが、コレがまた面白い。銃撃戦だけが西部劇じゃないって事を証明してくれる出だしだ。 25分を過ぎた辺りから次々と巻き起こる事件の数々。アクション、ガンファイト!特に中盤のスー連合(インディアン)との死闘は西部劇史上に残る屈指のスペクタクルだ。 物語は大西洋と太平洋を結ぶ「大陸横断鉄道」の施工を巡って繰り広げられる政治ドラマから始まる。 そこから鉄道工事に命を賭ける個性豊かな面々のドラマで楽しませてくれる。 武闘派エンジニアで列車の保安官を務めるジェフ・バトラー、 列車の運転手を務めるモナハン、 モナハンの娘で男勝りの元気な女性モリー、 アウトローでバトラーの戦友でもあるディック、 用心棒を務める鞭の名手フィエスタ、 フィエスタの相方リーチ、 過激なクレイトン、 工事の阻止を企てる悪党キャンポーと魅力的な登場人物たち。 特にキャンポーにつるんじゃいるが昔の義理でバトラーを裏切れないディックの存在が面白い。 酒場でのやり取りは絶対「やっちまいなバトラー」ってシーンだと思うぜ。ピカピカに磨かれた鏡に感謝だ。 セリフの方も熱い言葉が多い。 「拳銃で人の心を変えられないわ」 「顔を隠せ身元が判らなくなる」 「モーゼだって海を渡ったぜ」 「私は支持するわ」 俺も支持するぜ、インディアンを無闇に殺しやがった男をブチのめしてくれたバトラーに。 デミルの西部劇はただの娯楽じゃない。インディアンを撃つ前に「殺生も許されるわよね赤い悪魔なら」なんてセリフはデミルの作品じゃなきゃ言えねえよ。 命懸けで大陸に渡った開拓者たち、元々そこを故郷にしてきたインディアンたちの衝突。 交流もあったが、その多くは殺し合いの負の連鎖が続く悲劇を生んでしまった。今日に語られる西部劇はその負の連鎖を正直に告白してきてくれた。もう二度と同じ過ちを繰り返さないためにも。 西部の荒野を突っ走る列車に込められたフロンティア魂。線路は続くよ何処までも。未来に向かって今日も人々の夢と希望を乗せて走り続けるだろう。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-03 04:29:43)
906.  レベッカ(1940) 《ネタバレ》 
ダフネ・デュ・モーリアの原作を映画化した本作。 ヒッチコックがイギリスにいた時代から原作の映画化を熱望していたヒッチコックだが、本作はヒッチコックにとって大いに不本意な作品となった。  「キングコング」をプロデュースして名乗りをあげていたセルズニックがアメリカに来たばかりのヒッチコックを援助。 ところが単なる援助に留まらず、脚本や演出にまで乗り出してきてしまう。 「そこまで頼んでないよ」と流石のヒッチコックも涙目。  ヒッチコックも負けずに「わたし」役のジョーン・フォンテインをしごきにかかる。 相手役のローレンス・オリヴィエはヴィヴィアン・リーにゾッコン。 フォンテインなんかどうでもいいと言っても良かった。 そこにヒッチコックが目を付けてフォンテインに冷たくあたり、本編でのヒロインの冷遇が迫真を増す事となった。 フォンテインも負けてなるものかと、ドジを重ねつつも次第に一人の女として成長していくヒロインを熱演。 貴族のボンボンながら誰にも打ち明けられない過去を引きずるマキシム役のオリヴィエに引けを取らない演技を魅せつける。  本作のヒッチコック色といえばやはりダンヴァース夫人。 ヒッチコック映画は「怖い」んじゃない。 一瞬背筋が「ゾクッ」とするような寒気がすればそれでいいのだ。 その一瞬の寒気を何層にも重ねて恐怖を作り上げる。 それがヒッチコック映画であろう。 原作でも突然ふっと現れる亡霊のような不気味さがある彼女。 誰の夫人なのか? どうしてそこまで執拗にヒロインを追い詰めるのか? もしかして百合なのか? 好きだけどついつい虐めてしまうタイプなのか? 何て生易しい考えが及ばない、得体の知れない女性だ。 自由に出入りする放し飼いの犬のような可愛気、そこに潜む獰猛な執着。 じわりじわりとヒロインを追い詰めていく姿はおっかないね。 まるでセルズニックがふんぞり返る「レベッカ」を、じわりじわりと自分の色をほうぼうに塗りたくるヒッチコックのような執念だ。  ジョージ・サンダース演じる小悪党ジャック・ファヴェルも面白いキャラだ。 お目当ては「ダンヴァース夫人」か「ヒロイン」か。 ベンじいさんも良い顔してますな。  二重、三重のどんでん返しを楽しめる傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-03 00:48:53)(良:1票)
907.  ザ・ロック 《ネタバレ》 
中学生の頃初めて見た時は素直に感動したさ。 でもこの映画がこれだけ高評価なら、同年代の他の映画ももう少し点があっても良いんじゃないかなと思ってしまう。 おまえらの脳味噌は火薬しか詰まっていないのか? そんなにVシネマが好きなのか? いや、それくらいベイはマジで本当に頭の中に火薬しか無さそうなんだけど。 最近「アルマゲドン」を見て悪い予感はしていたんだ。 まさかこんなにも「コマンドー」並にシリアスな笑いを提供してくれる映画だったとは。 「パール・ハーバー」も「アルマゲドン」もベイをブッ殺してやると発狂していたんだが、この映画はうんざりを追求しすぎて「もう褒めるしかないな」という領域だ。 正直完成度はガタガタ、でもこれほどパワーで押し切り「細かい事は気にするな」と言われているような作品は他に無い。  カーチェイスがくどすぎて笑うしかないとか(親バカが大惨事を引き起こす好例)、 アルカトラズでのやり取りが長すぎてうんざりするとか(味方使えねー)、 アクションがゴリ押しすぎるとか、 音楽が五月蝿いとか、 スローモーションが過剰でウザいとか(「ワイルドバンチ」やジョン・ウー映画並の反吐が出るウザさ(褒め言葉)、 その他にもツッ込みどころが多すぎて諦めるレベル。 セリフの量も尋常じゃない。 「パルプ・フィクション」とか「ヒズ・ガール・フライデー」みたいな映画が好きな人はこういうのどうなんでしょうね・・・って誰かと思ったらやっぱりおまえの仕業かクエンティン・タランティーノ(脚本の一人として参加・クレジットなし)!  登場人物にしたってニコラス・ケイジなら「フェイス/オフ」の方が狂気地味てて面白かったし、 ショーン・コネリーも「アンタッチャブル」「最後の聖戦」の方が好きかな。 ・・・しかし、そんな事を気にしなければアクション映画としては申し分ない。 「007」がそのまま豪快かつパワフルになった感じの頭空っぽにして楽しめるアクション!ニコラス・ケイジの場違い振りが良い意味で発揮されていたと思う。 ラストシーンの“死ぬ”場面は印象的。 今頃は農夫か詩人にでもなってこっそり娘に会ってたりすんじゃねえの。
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-02 18:40:40)
908.  レオン/完全版 《ネタバレ》 
この系統は「シベールの日曜日」や「グロリア」とあるが、この作品もまた傑作! 物語は殺し屋であるレオンが一人の少女と交流していくという筋だが、殺し屋に相応しい血生臭い日々から幕が上がる。殺しの依頼、幽霊のように一人一人確実に殺していくレオンの得体の知れない恐怖。まるで殺戮マシーンさながらの活躍だが、そんな恐怖はどんどん無くなっていく(良い意味で) 日常では植木鉢を日光に当て、腕が鈍るので酒はやらず牛乳オンリー、後は銃の手入れと肉体強化という単調な日々を過ごした。一人孤独に。 そこにもう一人孤独な少女が“家族”として同居する事になる。 マチルダは腹違いの両親や姉から疎ましく思われ、唯一泣きついて来る弟だけが彼女に優しかった。 家に居る場所が無い彼女は学校にも行かず、孤独な生活を送っていた。 二人はある事件をキッカケに“家族”となった。 利発な少女と、野暮ったいおじさん。 まるで本当の親子のように学び、食べ、心を通わせていく。 少女は大人になりたいと背伸びし、男もまた一人前の人間になりたいと強く願う。 殺し屋に憧れる少女の夢、殺し屋になってしまった男の苦悩・・・この娘を自分のようにはしたくない。 二人はコンビとして数々の“仕事”を手掛けていく。 この映画の殺しは何処までも上品。飛び散る血痕、冷え切った後ろ姿のみで語るのみ。 銃声も無駄に大きくないのが良い。フランス人気質が超プラスで出た良い例だね。 しかし運命は二人を引き裂きにかかる。 復讐の“標的”はレオンの“依頼主”という皮肉。 囚われる少女、どんな状況でも助けに来る男。もうレオンはただの殺し屋では無くない。家族を守る一人の人間になっていたのだから。二人は互いを刺激する事で成長を遂げていく。 標的の最大のミスは“公職”に着いてしまった事。自分のテリトリーで人質を殺す事も、盾にする事もできないというのもまた皮肉なものだ。 ラストの戦いは完全に別の映画。冒頭との温度差が酷すぎる(大絶賛) ただこのレオンの熱さ。もうレオンは殺戮マシンじゃない。熱い一人の父親だ。 彼は運命からは逃げられなかったが、キッチリ掃除屋としての“仕事”をやり遂げて旅立ったのだろう。 ボロボロになりながらも諦めずに。レオンの魂は、少女の心の中で生き続けるだろう・・・良い映画だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-02 02:02:48)(良:1票)
909.  ハタリ! 《ネタバレ》 
再見。やっぱりメチャクチャ面白いぞこの映画は! ホークス入門にも打ってつけ、アフリカを舞台に西部劇さながらの“追跡”アクションが詰め込まれた面白い映画だ。  ジョン・ウェインとホークスのコンビは「エル・ドラド」や「リオ・ブラボー」、「リオ・ロボ」「赤い河」とあるが、俺が一番好きなのはコレ。ウェインが一番優しい映画かも知れない。  冒頭から広大なサバンナで何かを探すように双眼鏡であたりを見回す男たち、遠くに点在するもの、何かを見つけ、無線で合図を送り、一斉にジープを飛ばし獲物めがけて突っ走る!  水牛の群を切り裂くように、ハンターたちの視点で猛然と走るサイに並走し追い続けるスピード(尊敬する存在でありライバルでもあったジョン・フォードさながらの映像)、サイも捕まるものかと角を突き立て体当たりを繰り返すド迫力。キリンも凄いスピードで走ること。  男も、女も、動物もみんな活き活きしていてひたすら楽しい。そこに国も人種も動物もない、追われたら追いかけ返し、一つの仕事によって対等に渡り合い結ばれていく。だからホークスの映画は大好きだ。  下着姿で飛び出し乗り込み車の中でボトムス(ズボンは死後ですかそうですか)を履いてしまう写真家エルザ・マルティネッリの元気さと可憐さ、運転から治療までこなすブランディの色っぽさ、ロケットブッ飛ばして家を貫く動物嫌いのムードメーカーであるポケッツ、挨拶代わりに拳を浴びせる射撃の名手チップス、それを受け入れ良き相棒になってくれる古参の頼もしさハーディ・クリューガー、寡黙だがダンディな髭が印象的なヴァレンティン・デ・ヴァルガス、風呂場や寝室にもちょっかい出すキュートなネコ(科のチーター)ちゃん、拾われ水浴びしてくれた恩人のために市街地を駆け抜け缶詰の山を粉砕する可愛い子象たち(ヘンリー・マンシーニの「小象の行進」に合わせてピクニック気分で水浴びに出かける場面といったら!)、地元でウェインたちをサポートし続けてくれるマサイ族といったアフリカの人々。  そして父親のようにみんなをまとめるウェインの存在。 頼まれた仕事も大事だが怪我人最優先で引き返したり、寝室を不法占拠されても黙って譲り、わざと憎まれ役を買って新参たちがチームに溶け込むのに一役買ったり、子供の様に邪気な恋に挑む仲間にアドバイスしたり、飛び出していく仲間を見守るためにたった一人で後を追ったり。 みんなが楽しくピアノを弾いたりハーモニカを吹いて楽しくやっている時も、静かに見守り続ける。でも惚れちまったら粘り強く引き下がらないけどな。恋愛に年齢は関係ない。その精神は「リオ・ブラボー」の頃から変わらない。  ベッドの上の来訪者をめぐり酔っぱらった男たちが次々に訪れ同じセリフを繰り返したり、仕事のプロたちが動物や女性陣に振り回されたり、とっさのこととはいえ不慣れな荷台の上で倒れまくり受け止めた人がおっぱいを触ってしまったりギャグのキレも抜群。  動物たちとのやり取りも面白い。 小象に乳をやるのにヤギを大量に捕まえ、そこに小象が突っ込んできてパニックになりアチコチ走り回り(羊のミルクを被り黙って苦い顔をするウェインに爆笑)、猿の大群を木に登らせロケットでまるごとひっ捕まえ木を薙ぎ倒してしまう!鳥籠までヘルメットにして。   動物狩りも世話をしたり依頼人たちに送り届けるために絶対殺せない・生きて捕まえることを徹底する暗黙のルール。 撃つのは威嚇射撃で無駄な殺生を避けるため、新人試し&歓迎の射撃訓練のため、仲間の危機を救うために。ライフル握ってたその手で動物を生け捕るために奔走するのだから。仕事は違えど、住民を守るために殺ってしまった男にも気を遣うプロフェッショナル同士の思いやり。   段差だろうが河だろうが走り抜け、土煙をあげながらサイやキリンやシマウマを追いかけ、投げ縄で捕縛してもまた逃げられるかもしれない、檻に誘い鍵を閉めるまで気が抜けないスリル。河を渡る時でさえちょっとでも止まればワニが迫り来る。  ドアを開ければ象が雪崩れ込みベッドを潰してしまうのだ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-02 01:34:58)(良:1票)
910.  ウィンチェスター銃'73(1950)
西部劇においてリアリズムを追求した監督は誰か?   もちろん「真昼の決闘」なんてつまんねえ西部劇を撮ったフレッド・ジンネマン何ぞではない。 オールラウンダーな職人アンソニー・マンだ。 リアルタッチの演出はもちろん、独特な人間ドラマや風景の美しさ。失敗作も少なくないマンだが、反面全盛期の傑作群は今の時代にこそ再評価されるべき作品ばかりだ。  ヒューマンドラマ「グレン・ミラー物語」はもちろん、突出した戦争映画「最前線」や「雷鳴の湾」等優れた傑作が多い。 あの「スパルタカス」だって最初はマンが撮ってた。アレを全部マンが撮っていたらどうなっていたのだろうか。キューブリックに及ばないのか、それともそれに並ぶかそれ以上の作品になっていたのか。気になるぜ。 そんなマンが最も多く手掛けたのが西部劇。 本作「ウィンチェスター銃'73」はそんなマンの傑作の1つだし、保安官もの「胸に輝く星」やインディアンを友好的に描いた「流血の谷」といった諸作と共にもっと知られるべき代表作でもある。 この作品を見て“古臭い”なんて思う奴はこの映画の何を見たんだろうか。いや何も見てないね。  ストーリーは千丁に一丁と言われる名銃「ウィンチェスターM1873」を巡って様々な人間ドラマが交錯する。まるで山中貞雄の「丹下左膳 百萬両の壺」だ。 だがストーリーはシリアス一色、名銃探しはやがて奪い合い、殺し合い、そして壮絶な事件へと膨張していく。 たった一つの優れた“道具”が万の人間の命を奪える“人殺しの道具”になる過程。西部を征服した銃が今度は人の心を狂わせていく。怖い話だぜ。 どうでもいいけど、マンの映画って大抵主人公が“伏せる”よな。ステュアートどんだけ伏せんだよ。 馬上で睨みを効かせるステュアートも印象的。面白い作品でした。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-02 00:33:44)
911.  勝手にしやがれ 《ネタバレ》 
個人的にゴダールは「はなればなれに」や「女は女である」、「男の子の名前はみんなパトリックっていうの」といった小品の方が好きだし、未だに「勝手にしやがれ」や「女と男のいる舗道」「気狂いピエロ」なんて退屈な映画の衝撃が延々と語られ続ける現状に違和感を覚える。 ジャン=ピエール・メルヴィルが長々とインタビュー受けるわ、「大人は判ってくれない」で助監やってたフィリップ・ド・ブロカがカメオ出演しくさるわ、この映画の監督本人が主人公を“殺す”キッカケを生むフザケ振り(短編でもジャン=ポール・ベルモンドの吹き替えを敢行した男)。ヒッチコックでもここまでやらんわ。観客をナメ腐った腹立たしいほど遊んでやがる。その遊び心にハマる奴はハマる中毒性。  ストーリーはシンプルかつ面白い。盗んだ車で走って逃げて殺して逃げて盗んで女ひっかけて逃げて盗んで逃げて盗んで逃げてを延々と繰り返す。盗みやっといてあーだーこーだ言い訳ごねる映画です(多分)。 帽子を被った主人公のミシェル(ジャン=ポール・ベルモンド)が颯爽と登場、様子を伺う顔・顔・顔、配線を繋いで盗んだ車で走り出す。 手に入れた得物を乗り回してはしゃぎ、我が物顔で独り言をほざき散らす。 タランティーノといいホークスのマシンガン・トークといい、この手の映画は字幕を追うなどという退屈な作業は避けた方がいい。たとえ山田宏一や蓮實重彦といった面々がこさえた最高の字幕だったとしても、原語で聞き映像だけを追った方が楽しいし面白い。 フランスの田園風景を疾走するのどかさ、主人公も半分浮かれながら見えざる追っ手の存在に不安を抱き始める。ブツ切りの音楽、変な飛び方をするカットが気になる。最初はイライラするが、何時の間にか慣れてしまう不思議。 白バイとのジリジリした追いかけっこ。 ショートのパトリシア(ジーン・セバーグ)も良いが、途中出てくるセミロングの黒髪の女性の方がそそられる。男の誘いに服を一枚一枚脱ぐように折れてしまう女心。この一連のシーンは物凄く退屈だが、物凄く心地良い退屈さでもある。 ところどころで警察と入れ違うスリル、トイレでの盗み、妙に暗いエレベーターにおける緊張。 ラストシーンの何とも言えない切なさ。 徐々に弱々しくなり、力なく地べたに倒れる姿。最期の言葉はそのままの意味か、それとも自分に対しての言葉だったのか。それはミシェルにしか解らない。
[DVD(字幕)] 8点(2014-02-28 19:12:36)
912.  男の子の名前はみんなパトリックっていうの
「はなればなれに」に並ぶ愛らしさに溢れた逸品。「おまえ本当にゴダールか?」ってくらい毒が無い。 ゴダールが「勝手にしやがれ」を撮る前にエリック・ロメールらと組んで制作した短編。 ゴダールらしいシャレた音楽と若者たちの他愛の無い会話で構成されているが、後の作品における難解さといった観客を突き放すような演出はまだ完成されていない。 や、かえってその取っ付きづらさが無くて良かったと言うべきか。実に初々しい若さを堪能できるだろう。たった21分の中ににシンプルなストーリーとシャレたセリフの応酬を詰め込む密度。 時間が無いのでスピーディーな展開だ。 ゴダール初心者・苦手という方には「はなればなれに」や「女は女である」を今まで勧めてきたが、その前に「男の子の名前はみんなパトリックっていうの」から見てみてはどうだろうか。 それにしてもパトリックは酷え野郎だなあ~。
[DVD(字幕)] 9点(2014-02-28 18:51:01)
913.  少女ムシェット 《ネタバレ》 
再見。 何度見てもハートフルボッコの筈なんだがなあ…ヒロインの健気な姿を見るだけで元気になれるのは何故なんだろう。  「バルタザールどこへ行く」に並ぶ、少女の不幸を冷徹な眼差しで…いや見守ってやることしか出来ない無力さに打ちのめされるシネマトグラフ。 この映画を見て落ち込んだという方には同じブレッソン「スリ」「ブローニュの森の貴婦人たち」、ドタバタコメディ「公共の問題(公共問題)」、良い意味の“ハラハラ”を味わいたいんだよという人には「抵抗」を見て心を癒すことをオススメします。   薄暗い部屋で心配事を語る疲れ切った女性、森の中で茂みをかき分ける者、帽子から輪になった紐を取り出し、木の枝に括りつけて草木の上に置く者、“仕掛けた”者が待っていたもの、引っ掛かり悶える鳥、それを掴み取る手、一部始終を見届ける視線。 抜け穴、収獲、すれ違う帰還者と登校途中の少女。  授業でみんなが歌う中で口をつむぐ理由、だからって突き飛ばしピアノの前で首根っこ掴んでまで曝しものにするこたぁねえだろ。何度も歌わされ、嘲笑され、耐えきれなくなり顔を覆い泣き出してしまう。誰も助けちゃくれない。 男の子もわざわざ呼び止めてズボンを脱いで見せつける嫌がらせ。  家に帰れば父親たちは夜遅くまで酒に溺れ(警察にバレないように酒瓶を布で隠して)、冒頭で語っていた母親は病で寝込み、夜泣きする赤子の世話と忙しい。  だが彼女もただ黙って耐えるだけの少女じゃなかった。 ちょっと大人の男に視線を送っただけで平手打ちを浴びせるようなロクでなしの父親だ。教会にもわざと泥まみれの靴で入るのは、突き飛ばされるのが分かっていても暴力を振るう父親へのせめてもの抵抗。 それは散々な目に遭っているのにどうして宗教にまで縛られなきゃならないの。何もしちゃくれねえ宗教なんぞを信仰する馬鹿馬鹿しさ、冗談じゃないと彼女が…ブレッソンが叫びたかったことなのかもしれない。  下校時には道脇の茂みに伏せるように隠れ、女生徒たちに泥をブン投げまくる。例え振り返ったとしても隙あらば投げることを繰り返す。 幼い少女たちは下着が露になるのもお構いなしに鉄棒を回り、香水をかけ合い、男の子が乗るバイクにまたがり、早く大人になりたそうに振る舞う。 遊園地に行くのは憂さを晴らすため。ゴーカートのぶつけまくりぶつけられまくることが許された運転、回転飛行機で飛ぶように二人きりの男女を見つめる視線。  密猟の男たちが河原で拳を浴びせ揉みくちゃになるのは、仲直りし飲み合うため。  スカートからのぞく女の肢体、ストッキングを止めるバンド、泥に埋まり残される靴、雨に濡れた少女を“捕まえる”ための誘い、手の出血を焼けた枝で止める荒療治、蝋燭立てになった酒瓶、机の上に逆さまで並べられた椅子、カバンの中にしまわれる小銭?、ふら付き発作が起きようが泡を吹くまで飲んだくれブッ倒れる。虚空を見つめて目を開っきぱなし、そんな姿に思わず歌うのを嫌がっていたはずの少女が男を介抱するため、子守唄を聞かせるように歌声を響かせる。 豹変、酒瓶の山を落とし割り、机を薙ぎ倒し、燃え盛る火の前まで追い詰め襲い掛かる。どうして男ってこんな奴しかいないの?という絶望。  木の枝に紛れる逃亡、辛いことがあったら母親の手を掴み慰めてもらう。わずかに残った希望…。  森番に部屋の中まで連れられ夫婦揃って説教を喰らい、ミルクを買いに行った先で親切にスープとパンを振る舞いポケットに“ほどこし”を入れる女主人。ポケットに手を入れる「スリ」とは真逆の行動で彼女に幸せが訪れるのか…それを粉砕する様に割られてしまうカップ。机の上に投げ捨てられる“ほどこし”。  文句言いながら渡されるほどこしなんて御免だよと、絨毯を泥だらけの靴で踏みにじる。  ウサギ狩りで猟銃が刈り取る命、命、命。「バルタザールどこへ行く」の動物たちがそうだったように、この映画も容赦なく犠牲になっていくのだ。  もらった服も木の枝で引き裂き、寝転がり草まみれにし、それを纏いながら転がって、転がって、転がり続けた先…。
[DVD(字幕)] 9点(2014-02-28 18:41:11)(良:2票)
914.  はなればなれに 《ネタバレ》 
ゴダール嫌いにオススメする楽しい映画。 「女は女である」ほど強烈じゃないけど、反面毒気がないというか、とにかく楽しいことだけやりましょうという無邪気なコメディ。  ゴダールは典型的な「付いて来れる奴だけ付いて来な」ってタイプだから、時折の突拍子な行動を好きになれるかなれないかだな。  この映画もその系統の筈なんだが、ゴダールの映画で一番気楽に楽しめる「思いつきの寄せ集め」だ。 そもそも英語の授業なのにずっとフランス語というのが。 いきなり踊りだすわ、 ルーヴル美術館爆走するわ、 強盗するわで変てこりん。 ああ、コイツ何も考えてねえ(笑)  でも何でだろうねえ・・・嫌いじゃないというか、愛らしいと言うか、無垢というか、不思議と頭を撫でたくなる映画だ。 まるで何をしたいか解らず周りをうろうろする仔犬のように・・・いやアンナ・カリーナがひたすら可愛ゆ・・・ゴホン 愛らしいというのもあるんですがね。 楽しいひと時を味わえた。
[DVD(字幕)] 9点(2014-02-24 02:16:56)(良:1票)
915.  西部戦線異状なし(1930) 《ネタバレ》 
前に見た時は、余りに哀しく何も得られないこの映画が酷く退屈で、息苦しく思えたんだ。余り心に響かなかったんだ。  でも、再見して、いや見れば見るほどマイルストンに謝りたいという気持ちが大きくなった。 俺のように最初見た時はダメだったという人も、最後の、最後の2分間だけでももう一度見て欲しい。レマルクの素晴らしい小説が、映画としてもあの最後の2分間に凝縮されたと言ってもいい。 故郷に帰ったパウルの部屋には、子供の頃夢中になって追いかけた蝶の標本が飾られていた。俺はその蝶を忘れ・・・いや見逃していた。 観客にとって、標本の蝶なんてほとんどの人が忘れてしまうのかも知れない。 でも、パウルにとっては故郷の妹や家族、友達との思い出が詰まった、それを見た瞬間に思い出すような掛け替えの無い宝物だった。 パウルは蝶が好きだった。それの命を“奪う”だなんて意識もしなかった。 戦争に慣れていく事への恐怖、大切な友人を奪っていく戦争への失望。 何処を見ても土埃と煙、瓦礫、泥水、屍の山。そんな地獄に綺麗な綺麗な蝶がふわりと降りてきた。 パウルは、地獄に希望の灯火を見てしまった。 河の上を歩く女たちや、戦場で出会った掛け替えの無い友人たちの笑顔よりも、もっとキラキラと輝って見えた。 その灯火が消えようとしている。パウルは、無意識の内に飛び出してしまった。 カットのおっちゃんが無意識にパウルを守ってくれたように、パウルもあの蝶を守りたくてつい飛び出しちまったんじゃないだろうか。 今まで散々奪ってきた。もう沢山だよ・・・なんてさ。 ま、そんな事を敵が親切に思ってくれるワケがない。そんな余裕なんて無いよな。 相手だってパウルのいる敵の軍隊に仲間を殺されているもん。蝶よりも横に転がるライフルの方に眼が行っちまうよなあ。 パウルが蝶を守ろうとしたように、敵だって・・・いや、最初から何処にも敵なんていなかったんだ。仲間のために命掛けで戦った人々しかそこにはいなかったんだ。 万の言葉なんか無くてもいい。そこに一生が刻まれた一瞬があればそれで良かったんだ。 後年の原作に沿った「TVスペシャル」も見て欲しい。
[DVD(字幕)] 8点(2014-02-15 23:25:29)(良:1票)
916.  昼下りの決斗
「ワイルドバンチ」より断然コッチでしょう。   確かに暗い西部劇だけど、西部開拓時代の終わりをひしひしと感じられる。   「地獄への道」や「七人の無頼漢」を始めとする西部劇に多く出演したランドルフ・スコット、  「死の谷」などで活躍したジョエル・マクリー。   年老いた彼らの、日陰者になっていた自分たちの境遇が重なったかのようなシンクロ。   自転車と共にやってくる「一つの時代」の終わり・・・二人の男たちは何を成し、何を成せなかったのか・・・そんな映画だと思う。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 11:26:32)
917.  戦争のはらわた 《ネタバレ》 
「完全版」の出来が満足(10)点だったので、コッチはほぼ満足(9)点を付けておく。 「ワイルドバンチ」は執拗なスローモーション&クローズアップ演出で反吐が出る映画だったが、本作はそれを極力抑えたことで見事な傑作となった。  「昼下がりの決斗」と共にペキンパーを見直した映画。   リアルな戦場と言えばルイス・マイルストンの「西部戦線異状なし」もあるが、どちらかと言えば俺は「戦争のはらわた」を選ぶ。   第二次世界大戦の東部戦線を舞台としたこの映画は、ウィリー・ハインリッヒの原作「Willing Flesh」を元に映画化。  オープニングの子供の童謡をバッグにした戦争資料のような映像、  そして冒頭のシュタイナー小隊の華々しい活躍。  死と破壊に満ちた戦場、その下に拡がる塹壕の中に溢れる人間の温もり・・・やがてそれも消えていく。  シュタイナーが助けたロシア人捕虜の少年が良い例だ。  アンドレイ・タルコフスキー監督の「僕の村は戦場だった」を思い出すその子供。  死が待つだけの戦場で生まれる言語を超えた友情・・・それすらも打ち砕かれていく。  兵士は国の道具なのか?  一人の人間なのか?  そんな様を死が飛び交う戦場、ドイツ軍の一部隊の視点で描いていく。  勲章一つのために多くの人間が死んでいく。  「こんな物」のために・・・主人公はそれに気付いてしまったのだ。  そして戦うことの意味を求めて苦悩と葛藤を繰り返す。  上司であるシュトランスキーとの闘争。  内も外も疑心暗鬼で敵だらけ。  取り返しのつかない死があるとも知らずに彼らは争う。  そんな男たちも、いざ死ぬとなると人間としての尊厳を取り戻す。  シュタイナーも、ブランド大佐も、シュトランスキーも輝きに満ちた顔で戦場に飛び出していった。  彼らの最期は解らないが、そこには命懸けで戦った人々の物語が強く刻まれている。  シュタイナーが笑ったのはシュトランスキーの滑稽さか、戦争そのものの滑稽さか。  その答えはシュタイナーだけが知っている。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 11:23:42)
918.  市民ケーン 《ネタバレ》 
「フォルスタッフ」「黒い罠」「オセロ」と随分楽しませてもらったウェルズだが、この作品はどうも退屈だった。というか、この映画1本だけでウェルズを語るのは「市民ケーン」以外のウェルズへの過小評価にも等しい行為だ。そのせいで日本における、いやアメリカでもウェルズは過小評価されてきたのではないだろうか?だからハッキリ言っておきたい。ウェルズは絶対に「市民ケーン」以外も見ろ、と。この映画を楽しめなかった人・楽しめた人すべてに。  この映画もワンシーンワンシーンは好きなんだけどさ。 新聞社に乗り込んでどんどん成長させていくシーンとか、 ケーンと奥さんの冷え切った会話、 鳥が飛び立つような場面転換、 終盤で怪獣のように室内で暴れる様子は「ゴジラ」へ、その暴走を止める「薔薇の蕾」、 鏡の前を歩き幾人にも分裂するケーンの姿・・・。  重厚な音楽と共に始まるオープニング。侵入を阻む柵、鉄格子、まるで城のようにそびえる不気味な黒い建物。 窓の灯りが消えたり付いたり、雪が降り続ける丸い球体が手から転げ落ち、砕け散る。「薔薇の蕾」の言葉を残して・・・。 続いてたった今くたばった人間の生涯を語るニュースフィルム。城主に君臨する新聞王としてのケーン。 およそ10分に渡るニュースフィルムが終わると、続いて新聞記者が“本当のケーン”探しに出かける。劇中の人物は時折黒いシルエットのように映される。 夫としてのケーン、雪の中で無邪気に遊ぶ子供だったケーン、養子としてのケーン、野心を燃やして新聞社に乗り込む若者としてのケーン、共に仕事をした仕事仲間としてのケーン、ライバルとしてのケーン。様々なケーン像が明らかにされ、過去を語る場面と共に蘇っていく。  映画そのものが偽りであるように、世間に知られるケーンもまた偽りの存在でしかない。劇中の記者は、観客は本当のケーンを知る事が出来るのか、出来ないのか。様々な要素を持った謎解き映画でもある。  残された夥しい遺品に蟻のように群がる人々、街のビル群のようにも見える遺品の山。そして何も知らない人々に焼き尽くされる“真実”。黒い煙はケーンのいるあの世にまで届くのだろうか。 すべてを奪われ、すべてを手に入れたつもりになって、本当に欲しかったものは最後まで得られなかった。   修復版で意図的にザラザラにしたニュース・フィルムの演出まで修復してしまったのは残念でならない。
[DVD(字幕)] 8点(2014-01-31 11:20:55)
919.  オーソン・ウェルズのオセロ 《ネタバレ》 
「マクベス」「黒い罠」「審判」に並ぶウェルズの傑作。  「オセロ」はオーソン・ウェルズのシェイクスピアに対する尊敬と愛情を感じられる無骨な造り込み。   1952年に造られカンヌ・グランプリを飾った作品であったが、不幸が重なりフィルムは消息を断つ。  1993年に眠っていたフィルムが見つかるまで、数十年もその存在と価値が知られなかった。  「市民ケーン」以上の不幸、それを乗り越えて現在に復活した本作。   アメリカを追われたウェルズが、モロッコで4年かけて造った魂の結晶であり、ウェルズの「エンターテイナー」としてではなく、元来の「舞台俳優」としての自身と誇りを堪能できる。   ファーストシーンに満ちた「死」の空気。  イングマール・ベルイマンの死の雰囲気にも似ているが、細部へのこだわりの違い。  シェイクスピアの、ウェルズの重厚な「死」の空気が漂う印象的な幕開けである。   そしてその「死」は如何にして訪れたか。  それを90分間まざまざと魅せ、語っていく。   主人公オセロの「黒」、  妻デズデモーナの「白」、この対比の鮮烈さはモノクロだからこそより印象強い。   イアーゴ演じるマイケル・マクラマーも素晴らしい。  イアーゴの言葉で疑心暗鬼になっていくオセロ。  コンプレックスに悩んできたオセロの心の脆さ。  オセロにかかる黒き影は、オセロ自身の疑念に満ちた心を表現している。  自分の心の黒き闇に喰われていくオセロの哀しみ、デズデモーナの哀しみ。   ウェルズはシェイクスピアになりたかった。  誰からも愛され、誰からも妬まれ、誰からも意識される・・・そんな偉大な作家になりたかった。  「嘘」を「本物」にする男になりたかったのだ。  野心と情熱をたぎらせながら。  「市民ケーン」はそういう男の野心と破滅を描いた。  実在の人物を笑いものにする喜劇性、  そんな男が辿る末路を予想した悲劇性、  正にシェイクスピアの喜びと悲しみを帯びた物語だった。   今回のオセロはもっと凄みがあって面白い。  この作品は「よくあるシェイクスピアものの映画」などという一言で片付けてはならない。  ウェルズがいかに役者として演技に魂を賭けているか、こだわっているか。それをひたすら感じてもらいたい。  人種差別にも踏み込んだ骨太の作品。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 11:12:22)(良:1票)
920.  人情紙風船 《ネタバレ》 
山中貞雄は何を成し、何をやり残し戦場に散って行ったのか。  この「人情紙風船」にはそんな山中貞雄の死を感じさせる描写が散らばっている。  生きるか死ぬかの博打の日々を送る新三、  士官先を求めて何度も頭を下げては断られ続ける浪人の又十郎。  それを取り巻く女たち。  何度袋叩きにされようとめげない新三、何度断られようと通い続ける又十郎。  そんな二人の物語が交錯していくドラマの厚み。  二人は「共謀」を図った。  一時でも良い、死んだって良い。どうせ明日は無いんだ。一瞬でもいいから何かを成してから死んでいきたい。  金でも地位や名誉でもない。  意地が彼らに行動を取らせた。  酒屋での宴会は最後の晩餐か。  死んだことにも気づかず逝った男、死んだか生き残ったかも解らない男。  皮肉にも山中貞雄は己の死と向き合ってこの世を去っていった。  だが彼の代わりに、この作品に出演した俳優たちは息の長い活躍を続けた。  まるで亡き監督の魂を受け継いだように・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 11:09:17)(良:1票)
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