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コメント数 1395
性別 男性
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81.  デビルマン
永井先生の作品数々有れど、鬼気迫る絵柄・ストーリーテリングの上手さ・キャラ造形の奥深さ・絶望感に満ちたエンディング、どれを取っても作者のピークを成す、正しく傑作コミックの名に相応しい原作だけに、どうせ映画化するなら世界最高水準にあるジャパニメーション!でやって欲しかった…!!全く‥誰だ?おたんこ”那須博之”なんてタワケモノをこのサイトに登録したスットコドッコイな香具師は??って思って検索かけたらOhマイGod!オレだったよ…○| ̄|_ (3月1日追記)ゲゲ、何と那須博之カントクが死去されました。まさか、コレが遺作になるとは…汚名返上のチャンスも潰えた那須カントクのご冥福を祈ります。合掌(でも1点)…。
1点(2005-02-22 02:27:01)(笑:2票)
82.  ひとりぼっちの青春 《ネタバレ》 
1932年の世界恐慌が吹き荒れる中、1500ドルの賞金と期間中に無料支給される食事目当てに集まった場末のカップル達によって行われる壮絶な耐久ダンス・マラソン!!何と言っても先ず、この他に類を見ない絶妙なシチュエーション設定が勝因だろう。要所にインサートされる過去と未来のフラッシュバックもタイミングの上手さに思わず唸らされる。また、参加者の人物描写も類型的なグランドホテル型とは一線を画す、酷薄無残で容赦の無いモノとなっており、正に”鬼気迫る”迫力である。殊にダンス以前に既に人生に絶望し疲れ果てたヒロインのグロリアを見事に演じきったジェーン・フォンダはお色気専門の殻を打ち破るインパクトで見応えがあり実に優秀。もし、彼女がグロリアを演じていなければ、ラストのマイケル・サラザンの台詞「廃馬は撃つものでしょう?」が全く説得力を欠き、陳腐になってしまったハズ。他にもコンテストの司会でしらじらしいMCを連発するギグ・ヤング、心臓発作で死亡する老水兵役レッド・バトンズ、遂には発狂してしまう無名女優役スザンナ・ヨークも凄まじい熱演だった。シドニー・ポラックという監督は作品の出来にムラが多く、個人的にはどうも今イチ信頼のおけない監督だが、本作では”当たり”といって差し支えない力技の演出を見せてくれたので、ご祝儀で9点進呈。ただ…余りの救いの無さと後味の悪さで1点マイナス。
9点(2005-02-21 01:04:34)(良:1票)
83.  拳銃は俺のパスポート 《ネタバレ》 
日活プログラムピクチャーと言えば”荒唐無稽”の代名詞のような駄作アクションの吹き溜まりをイメージするが、中にはキラリと光る佳作もいくつか生み出された。本作もそんな一作である。先ず、宍戸錠扮する主人公が依頼を受けアラカン親分を狙撃する冒頭の殺しの場面が、銃の組み立てから射殺まで実にキビキビとしてキマっている。哀れアラカンは一言も発することなく退場。凶器の銃も車ごとプレスして証拠も隠滅、後は高飛びするだけのハズだったが、敵の追跡が異様に手際が良く、空路・海路共にたちまち手が回って追い詰められる辺りのテンションもナカナカ。途中で挿入されるジェリー藤尾の主題歌はどうも頂けないが、敵に捕まってからの痛めつけられっぷりがハンパじゃねーくらいにキマってたんでマァ良しw。小林千登勢も若くて可愛い!マカロニウェスタン風の主題曲をバックに決めるラストの逆転劇も鮮やかな演出で結構楽しめた。ただ…敵がちょっと余裕こいて、主人公があれこれ逆転への小細工を弄するに充分な時間的ゆとりを与え過ぎ!油断は禁物、3点マイナス。
7点(2005-02-11 02:56:27)
84.  若い人(1962) 《ネタバレ》 
石坂洋次郎原作、3度目の映画化。監督は日活が誇る”ミスター・リメイク”こと西河克己。今回の舞台は九州(の長崎)に変更されているが、そんな差異など問題ではない。今回のリメイクで最大のセールスポイントは何と言っても芳紀17歳のうら若きサユリが魅力全開で恵子を演じているコト!に尽きる。くわぁ~~!!むっちゃ可愛いじゃねえか、コンチクショウ!!と・こ・ろ・が、ナント何と裕次郎扮する新人教師・間崎慎太郎はラストで恵子ではなく、浅丘ルリ子演じる女教師・橋本スミ子の方を恋人に選ぶのであーーーーーる!!!そんなバナナ!いや馬鹿な!!アンビリーバボ!!インクレディボー!!信じられーーん!!!裕次郎、お前はアフォか??眼医者へ逝け~!!まぁ原作がそうだからと云えばそれまでかもしれんが、原作知らずに観る者には説得力皆無な展開としか言いようが無い(浅丘ルリ子ファンの方、御免なさいw)。なもんで、サユリの類稀な”ぷりてぃ”さにも拘らず、4点マイナスじゃ~~~!!!!
6点(2005-02-04 00:58:22)
85.  あずまんが大王 THE ANIMATION 《ネタバレ》 
何と言っても上映時間が僅か5分では単なる原作PVに過ぎない。声優は割と原作イメージに忠実なキャスティングだと思うが、いかんせん絵柄が変に大人びた感じで(特にちよすけ!)原作の可愛らしさに大幅に負けているのが余りに痛い、痛過ぎる。悪いが7点マイナスゥ!
3点(2005-01-28 02:49:11)
86.  日蓮と蒙古大襲来 《ネタバレ》 
日蓮宗に帰依なさっている方にはさぞかし有り難くも素晴らしい「開祖・日蓮上人マンセー」な内容なのでしょうが、生憎と私は帰依してないもので余りの荒唐無稽さにハッキリ言って笑っちゃいました。ま、戦前・戦中の日本なら「神風伝説」と教え習わせていただけに納得!の展開なのでしょうけど。今となっては「神風」でもなければ、本作みたいに日蓮上人が法華経の御利益で吹かせた訳でも何でもなく、たまたま台風シーズン真っ只中に蒙古が船団で来襲して被害に(ご丁寧に二回も)逢ったのが真相てのは歴史上のイパーン常識っすからw。戦前に公開してれば絶賛の嵐になってたかもナンチャッテ(駄洒落かよ)。
5点(2005-01-28 01:57:40)
87.  河内山宗俊 《ネタバレ》 
タイトルと人物設定だけ拝借して、まるっきり別の軽妙極まる人情時代劇に昇華させた山中貞雄の高い力量には全くもって敬服するしかない。二十代でこんなハイレベルの演出力を発揮できるとは…(絶句)!!的確な省略法で観る者の想像力をいちいち刺激してくる場面場面のウマさときたら、もうヴェテラン・巨匠の域に入っているかのようだ。俳優アンサンブルも見事。河原崎長十郎扮する主人公・河内山宗俊が最初に登場する大道将棋シーン、大仰な見得を切るでもなく静かな凄みを漂わせ実にさりげない。中村翫右衛門演じるやくざの用心棒・金子市之丞の飄々とした掴み所の無さもユーモラスで絶品。「爪楊枝」という取るに足りない小道具でもセンス次第でキャラクター描写に大きな役割を果たせることがよく分かる。静と動の映画的リズム転換の上手さも群を抜いて素晴らしい。殊に若き原節子(お浪)がバカな弟のために身売りを決意する悲愴な場面での静かなタメ、一転して狭い路地裏を逃げながらバカ弟を庇いつつ死んでゆく宗俊と市之丞の壮絶な立ち回りの躍動感!緩急の付け方の絶妙さ・対比法の多用など唸らされる。コレで本人にとっては別に会心作でも何でもないのなら、山中貞雄の”真の傑作”レベルは一体どれほどだったのか??現存するのは僅かに三作、しかも時代劇のみときては彼の真価は永遠に誰にも判ることはあるまい。音声の悪さで1点マイナス。
9点(2005-01-24 16:52:20)(良:4票)
88.  水爆と深海の怪物 《ネタバレ》 
桑港(サンフランシスコ)を襲撃し、金門橋にニョロニョロ絡み付く六本足(!)の巨大タコ入道はハリーハウゼンの造形も相俟って確かに圧巻ではありますが…。だが、そこに至るまでにはアメリカ軍人と女性科学者との(ハッキリ言ってどうでもいいような)大甘ラブロマンスを延々と耐え忍ばねばならない、という厳しい試練が待ち受けています。せっかちな方にはリモコン”早送り”機能の甘い誘惑という二重の試練。私は耐えた、ええ耐えましたとも!まぁ同じタコ映画でも「テンタクルズ」や「オクトパス」に比べりゃ遥かに秀逸な出来であるコトは確かですが、比較対象が余りに非道いので何か本作が物凄く素晴らしく見える‥という錯覚に陥っているだけかも。ふと我に返って冷静に6点。
6点(2005-01-20 02:12:45)
89.  恐怖の土曜日 《ネタバレ》 
リチャード・フライシャーという職人監督の良い面と悪い面が複雑に交錯しており、何とも評価に苦しむ犯罪劇。悪い面から先に書くが、町の住人達の”どいつもこいつも何か変なヤツ”っぷりをエピソード羅列してゆく作劇方法が余りウマくない。ってか冗長。特にリチャード・イーガンのヘタレな二代目ボンボンには大いに辟易した。それでいて特にストーリーのメインには絡まないってんだから尚更だ。映画の尺を稼ぐ水増し?としか思えない。折角の盗癖持ちのオバハンにシルヴィア・シドニーを振っているのもてんで効果的に活かしきれていない。勿体無いったら…!ココまででマイナス5点くらいの勢い。が、しかーーーし!一転してリー・マーヴィンら強盗一味がヴィクター・マチュアを拉致し、銀行を襲撃するシークエンスからの馬力が凄まじい。この監督、バイオレンス場面になるや正に「水を得た魚」の如き出色のパンチ力を発揮するのが持ち味。中でも女子供も容赦なく撃つマーヴィンの凶暴さが際立っている。拉致され郊外の農場で納屋に拘禁されていたマチュアとアーミッシュ農夫一家が見張りを倒して脱出しようとする所へ強盗一味が戻ってきてからの篭城戦がコレまた凄まじい!マチュアのショットガンを至近距離からモロに食らって強盗一味の二人が思いっきり後ろへ吹っ飛ぶのだが、あんな派手な射殺場面はチョット類を見ない。ボーグナインにアーミッシュ役てのはタチの悪いジョークにしか思えなかったが、背後から無言のまま忍び寄りマーヴィンを熊手で刺し殺すクライマックスで思わず納得!!後半で一気に巻き返して8点か?と思わせたが、ラストで又もやイーガン君が登場して腰砕けな上にマチュアが少年たちのヒーロー然としてニッコリでしめくくられた分、腹が立つのでマイナスして結局は7点~!!
7点(2005-01-17 03:42:39)
90.  プラーグの大学生(1926) 《ネタバレ》 
ハンス・ハインツ・エーヴェルスの原作小説、二度目の映画化。今回は1913年版で主役を演じたパウル・ウェゲナーの盟友であるヘンリク・ガレーンが脚本&監督している。が、何といっても今回の呼び物は主人公バルドウィンをドイツ屈指の名優コンラート・ファイトが怪演しているコトだろう。けなすようで悪いが、1913年版のパウル・ウェゲナーは恰幅が良過ぎた(ぶっちゃけ太り過ぎ)。そこへいくとファイトはすらりと長身なのに加え、げっそり痩せた風貌が何とも取り憑かれたかのような狂気を絶妙にアピールしており、正に適役!更に悪魔の金貸しスカピネリを(コレまた名優の)ウェルナー・クラウスが輪を掛けた爬虫類をどこか連想させるギトギトの怪演をしているコトも実に大きい。兎に角、二人の「目にモノ言わせる」演技は圧巻の一語!!ドイツ表現主義が有する”光と影のページェント”をときに華麗に、ときに荘厳にフィルムに刻み込んだギュンター・クランプのカメラワークも絶品で溜め息が出そう。難点は‥ヒロインが二人(マルギットとリュドゥーシュカ)揃ってブ●なコトと、ストーリーがポオの「ウィリアム・ウィルソン」を些か踏襲し過ぎな点。併せて2点マイナス。あと、バルドウィンを始めとするプラーグ大学生が老け過ぎなのもチョット…頂けなかった。
8点(2005-01-12 03:37:12)(良:1票)
91.  キートンの麦酒王 《ネタバレ》 
キートンにとってコレがMGMでの最後の主演作品となったのも、或る意味で仕方ない低調な出来。原因は色々あろうが、個人的にはキートン自身の超絶アクションが激減している点が最も目についた。1933年時点で老け込むにはまだ早いと思うし、もっとパワフルな展開にもっていけなかったのか?と観ていてじれったくも悔しくなる。ホースを使ったギャグも大して面白くもないくせに長々と引っ張り過ぎ。後年「ニューヨークの王様」でチャップリンまでもがこのホースのギャグで引っ張り過ぎて失敗していたが、サイレント喜劇の二大巨頭でもネタ切れ?でサムいギャグに走るコトがあるんだなぁ‥と思い知らされた。あと、寡黙なキートンの相棒に起用されたジミー・デュランテがウザいの何の!何の芸もなく矢鱈にベラベラ大声で捲くし立てるだけで五月蝿いコトこの上なかった。麦酒の樽が坂を転がってキートンが逃げる場面(「セブン・チャンス」の焼き直しっぽいけど)と、「麦酒呑み放題」のプラカードを見た群衆がキートンの工場にどっと押し寄せる場面のスペクタクルに5点進呈。※新年最初のREVIEWなのに辛口になってしまい申し訳ない…。
5点(2005-01-03 16:52:09)
92.  サンダカン八番娼館 望郷 《ネタバレ》 
とにかく晩年の北川サキを演じる田中絹代が圧巻の名演技!若き日のサキに扮した高橋洋子もまぁ熱演してはいるが、ハッキリ言って全く勝負になっていない。ボルネオでの回想場面と熊本は天草での現在とが対比される形で物語は進むが、天草編が圧倒的にインパクト大なので皮肉な事にバランス崩壊しているかのような印象を受けた。確かに彼女ら”からゆきさん”が遠く異郷の地で身を鬻ぐに至る運命も悲惨ではある。が、何より酷いのはそこまで身を落としても全く報われることなく、人の住む処とは到底思えぬようなあばら家で孤独な老後を送らざるをえないコトではなかろうか。それでいて彼女は笑みを絶やそうとせず、自暴自棄に陥ることもなく気丈に生きている。この余りに悲しくも気高い老女を田中絹代が演じたればこそ、本作はかくも堂々たる佳作の風格を備えることができたと言えよう。老醜を晒すことなく美しい面影を残して銀幕から引退したガルボや原節子のような潔い生き様も決して否定はしない。が、矢張り私は老いてなお演技に情熱を傾けた田中絹代の生き様の方にこそ深く感動を覚える。
9点(2004-12-31 23:39:47)(良:1票)
93.  戦火の勇気 《ネタバレ》 
メグの女性士官役をミスキャスト視なさっている方が相当多いが、ハッキリ言わせて貰えば彼女がウォールデン大尉を演じていたればこそ(100REVIEW以上もコメントされる)話題作になりえたのでは…?コレは湾岸戦争ドキュメンタリーではなく飽くまで娯楽映画なのだから(「エイリアン2」のバスクェスみたいな)ゴツくてマッチョな女性士官じゃ興醒めだったハズ。それだけにメグの新境地を開拓せんとした意欲は大いに買うけれど、ナサニエル(ナット)役デンゼルのエピソードまで欲張ったのが個人的には敗因だと思う。お蔭で彼女の戦死を巡るミステリアス且つサスペンスフルな焦点が思いっきりボヤけてしまっていた。あと、マット・デイモンの激痩せっぷりは確かにヤヴァイ!!
7点(2004-12-26 16:40:07)(良:1票)
94.  犬の生活
何か色々あって落ち込んで癒されたい時の特効薬として私は本作を断然オススメします。何より上映時間のコンパクトさ(40分)からくる即効性!しかもコンパクトながら我らがチャーリーのペーソス・ユーモア・骨身を惜しまぬアクションがてんこ盛り!加えて最大のMVPならぬMVD(Most Valuable Dog)?たる”犬”の存在。キャストにTOPクレジットできないのが残念でなりません。私はどちらかと言えば猫好きなのですが、作中で牛乳ビンに尻尾を突っ込まれたら必死で舐める仕種、チャーリーの”枕”となって仲良く眠る様子、ここ掘れワンワンでチャーリーに土をかけまくる場面に完全にヤラレました。と、同時に”ほのぼの”癒されました。ありがとう、「犬」!君の勇姿は永遠に不滅だぁぁぁ!!と個人的に断言して満点を進呈させて貰います。
10点(2004-12-21 00:18:21)(良:2票)
95.  グッドモーニング・バビロン! 《ネタバレ》 
タヴィアーニ兄弟の映画愛が全編に横溢する秀作。本作を御覧になるなら矢張り「イントレランス」という映画が如何に空前絶後の作品であったのか、一度は確認しておかれるべき。そこから更に古代史劇の傑作「カビリア」(1914年・伊 監督:ジョバンニ・パストローネ)にまで遡って、当時のイタリア映画が世界最高の水準にあった、という映画史的な事実にまで思いを馳せつつ観ると感慨もひとしおであろう。自らの故国がアメリカ映画界に及ぼした少なからぬ影響に強い誇りを持ってタヴィアーニ兄弟が本作を演出していることが画面の端々から伝わってくる。しかし、何よりも嬉しくさせるのは「イントレランス」という作品そのものにタヴィアーニ兄弟が寄せる深い憧憬。あの熱気に満ちたハリウッド撮影現場風景の再現(スタッフ&役者移動用のケーブルカーなど細部にわたって)は作品へのリスペクトと愛情無しには不可能だったはず。私見だが、恐らくニコラとアンドレアの二人は触媒というか狂言廻しとして利用されたに過ぎず、監督の狙いは飽くまで「職人と芸術家の等価値性」をグリフィス及び「イントレランス」スタッフに見出すコトだったのではないだろうか。もちろん同様にトスカーナの聖堂修復に人生を傾けたボナンニ家の父親に対しても。そして、そうした彼らの崇高な理念も兄弟愛も何もかもが「戦争」の狂気に翻弄されてしまう人間社会の業への憤りを。随所に印象的に挿入されるノスタルジックなニコラ・ピオヴァーニの音楽も秀逸。9点。
9点(2004-12-13 01:23:27)(良:1票)
96.  犯罪河岸 《ネタバレ》 
アンリ・ジョルジュ・クルーゾーの名が(ヴェネチア映画祭監督賞に輝いたコトで)世界に知れ渡る嚆矢となった記念すべきミステリの秀作。「アスファルト・ジャングル」や「現金に手を出すな」、「探偵物語(1951)」等のコメントでも繰り返し述べたコトではあるが、今一度ハッキリと言わせてもらう。世に傑作と謳われる作品の共通項とは”手抜きのない緻密な描写”と、主役は当然としてホンの端役に至るまで”登場キャラクターが活写されている”の二点に集約される!と。本作の場合で言えば、ルイ・ジューヴェ扮するアントワーヌ警部の凄みだけでお腹一杯になりそうな感じであるにも拘らず、犯行現場付近で怪しい客を拾うタクシー運転手や容疑者夫婦が住むアパートのお人好しな管理人、容疑者夫婦の職場である猥雑な寄席の裏方たち、事件の特ダネを鵜の目鷹の目で狙う出待ちの新聞記者連中までもが活き活きと描写されており正に圧巻。しかも短いショットの切り返しの中で全くテンポを淀ませずに、である。一つの殺人事件の犯行現場に三人の男女が別々に入り乱れた為に思わぬ混乱を来す捜査陣にあって、ギョロッとした鋭い眼光としわがれた声のキレ者・アントワーヌ警部は一歩一歩確実に真相に迫ってゆく。一見、作りとしては(コロンボでおなじみの)倒叙推理モノの系列に属しているかのようだが、終幕の意外な”どんでん返し”によって実は観客もクルーゾー監督に一杯食わされていたコトに気付かされる巧妙な仕掛けが何ともニクイ。原作は(同監督の「犯人は21番に住む」と同じ)スタニスラス=アンドレ・ステーマンの「正当防衛」。さて、記念すべき1300番目のREVIEWだけにココは気前良く10点満点!と行きたいとこだが‥フランシス・ロペスの音楽が余りに大仰かつノイズで可成り興を削がれた為、悪いが1点マイナス。でもオススメ!!
9点(2004-12-10 01:49:12)(良:1票)
97.  カリフォルニア・ドールス 《ネタバレ》 
全米ランキング3位になっても尚、次のマッチメイクまでは切り詰めに切り詰めて安モーテルを泊まり継ぎ、果ては生活費稼ぎに”泥レス(ポロリ付き)”までせざるをえないカリフォルニア・ドールズ一行に漂う浮き草人生のペーソス。アメリカ女子プロレス界に生きる厳しさ・侘びしさが観る者にひしひしと伝わってくるかのようだ。派手なリング上でのファイトとは対照的な、裏舞台の地味なディテールを手を抜かずにじっくりと描いたアルドリッチの演出が確実にタメを醸成し、ラストの全米女子チャンプ「トレドの虎」とのタッグマッチで一気に爆発する。とにかく、ドサ回りからラストの決戦まで(ミミ萩原の日本ペアとも対戦)彼女らの試合を惜しみなくタップリ見せてくれるサービス精神が嬉しい。見世物ムービーはこうでなきゃ!ドールズ役の二人も激しいプロレス演技は勿論のコト、なかなか夢を実現できない焦りや対戦相手に選ばれる為に興行主に身を鬻ぐ哀愁まで実にうまく演じていたと思う。コロンボ以外での映画出演では余り感心しないことが多いピーター・フォークも今回のマネージャー役はグッジョブ!といって差し支えない名演だった。イケメンの若造じゃアノ味は逆立ちしても出せまい。ハッピー・エンドで後味も爽やかだし、私もスポ根モノでは「ロッキー」より断然こっちだなぁ。ドールズに乾杯!!
8点(2004-12-07 03:10:32)(良:1票)
98.  ドラキュラ'72 《ネタバレ》 
《CATVで視聴》舞台を19世紀から20世紀の現代(てか1972年)に移す大胆な新機軸も生憎と無様な失敗に終わっている駄作ホラー。やってるコトは結局いつもと大して変わり映えしないドラキュラ対ヘルシングな上に、ラストのドラキュラの死に様が何かわざとらしいトラブルが複合連鎖するドリフのコントみたいな珍妙さで思いっきり萎える。こういう一種のタイムスリップ?を採用するのであれば、時代錯誤的なズレやギャップをもっと積極的に盛り込む等して、いくらでも面白くする可能性はあっただけに残念でならない。ま、「幽霊西へ行く」のクレールみたいなズバ抜けたセンスをハマー・プロ辺りに求めるのもチョット酷過ぎるかな?どうせならヒロインのジェシカ役を我がご贔屓キャロライン・マンローに演じさせていれば、もうワンランク評価も上がったろうに…。4点。 ※ラロシュさん、しょっぱなから酷評してしまって御免なさい‥。
4点(2004-12-05 20:57:21)
99.  アレクサンダー戦記 劇場版 《ネタバレ》 
あんまり無茶苦茶な設定や描写、キモいキャラデザに初見時は「何じゃあぁぁぁ、こりゃあぁぁぁぁ!!」(by優作)状態。どーもオカシイと思ったら原作が(「帝都」シリーズの)荒俣宏かよ‥。まぁ歴史に忠実に描いたんじゃ大して面白くもない人物伝だったなら、こういうトンデモ設定もアリかなとは思うけどサ。ことアレクサンドロス大王とユリウス・カエサルに限っては(確信を込めて絶対に!)史実通りに描いた方が遥かに(もうコレの100倍は)面白くなっていただろうに…。こういう歴史上に輝く”天才”を妙なSFオタクっぽい解釈で捻じ曲げてんじゃねぇっつの!お子様向けって訳でもナシ、一体誰をターゲットにこんな珍品を作ったんだ?こやつらは。とにかく無性に腹立たしいから7点マイナスゥ!!!
3点(2004-12-05 01:25:02)
100.  雨に唄えば 《ネタバレ》 
MGMミュージカル数ある中でも抜群の知名度を誇る本作、確かに楽しくて歌と踊りも存分に盛り込まれ飽きさせない見事な作りなのは認める。ただ、個人的にどうしても気に入らないのが「サイレント<トーキー」といういかにも図式的なシナリオの安直さ。確かにリーナみたいに悪声で自滅したジョン・ギルバートのような実例もあるにはあるだろうが、サイレントへのリスペクトにチト欠け過ぎてやしませんか??チャップリンがトーキーの移行へ徹底的に抵抗した矜持とはいったい何だったのか、本作スタッフは恐らく全く理解していない。トーキー延いてはミュージカルというジャンルの「明るい未来」を余りにオプティミスティック(楽観的)に捉えているスタッフの過信(もしくは自惚れ)が無意識の内に作中に滲み出たのだとは思う。が、この論法でいくならばサイレント期の作品&スタッフ&役者は語るに価しない代物というコトになる。コレだけは絶対に!容認し難い。この論法を受け入れてしまっては今までの自分の映画観そのものを全否定することになるから。それと、ジーン・ケリーが不世出のダンサーであることに異論は無いが、タップ&ダンスのエレガンス(洗練)でアステアには残念ながら及ばないと思う。併せて2点マイナス。何か酷評しているように思われるかもしれないが、ハッキリ言いたいコトを指摘しただけで本作が好きであることは大多数の高評価の皆さんと同じなので誤解しないで欲しい。
8点(2004-12-03 23:06:12)(良:1票)
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180.57%
2221.58%
31007.17%
41228.75%
533123.73%
625918.57%
722215.91%
819413.91%
9856.09%
10453.23%

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