1001. 風雲 ストームライダーズ
《ネタバレ》 ジャンプのバトル系が好きな自分にとって、手軽に楽しめるエンタメ作品。 CGの質なんてそこそこで良いし、ストーリーなんて最初から気にしていません。 と思っていたら、ストーリーもちゃんとあって、CGもなかなか楽しませてくれるレベルに達していて、素直に面白いと言えるレベルに仕上がってるじゃないですか。 登場人物がとにかくいっぱい出てきますが、キャラ設定が非常にわかりやすいのが良いですね。例えば『風(フォン)』⇒足技の達人、『霜(ション)』⇒冷気の技の達人、のように、とてもわかりやすいわけです。それに技でキャラ分けしてくれるのは嬉しいですね。 もう一人の主人公『雲(ワン)』は、明(ミン)の父を殺したり(しかも不意打ち)、孔慈を結婚式から奪ったり、あろうことか妊婦に攻撃かまして千年氷を力づくで奪ったりとやりたい放題。自分の事しか考えていないアンチヒーローです。そして思わせぶりな登場をして思わせぶりなままで終わる大使様。最高ですね。 『動く漫画の世界』を見たいときにアニメを見るのだとすれば、この作品はアニメと同じ価値があるかもしれません。こーゆー映画、私にとっては心のご飯。最初のバトルは『風の父VSホンパ』だったかな?『いくぞ』って言ったあと、二人が当たり前のように空飛んだのがすごい面白かった。そっから先はみんな当たり前のように空飛びますからね。愉快な作品です。 [DVD(吹替)] 7点(2014-12-28 12:58:25) |
1002. 目撃(1997)
《ネタバレ》 娯楽サスペンスとしてまさにちょうど良い感じです。少しハラハラ、少しエンタメ、少し爽快、良い匙加減です。ただクリント・イーストウッド、ジーン・ハックマン、エド・ハリスという豪華キャストから大作をイメージしてしまうと肩透かしを喰らうかもしれません。 大統領設定もいささか物足りないです。スキャンダル・犯罪の隠蔽工作を秘密裏に行う必要性はわかりますが、それにしてももう少し大統領ならではの強大な権力の行使みたいなものは見せてほしいものです。『犯人は大統領だ。』『ええ!!』で驚かすだけの材料になってしまっているのが勿体無い気がします。 ルーサーとセス・フランクは、イーストウッドとエド・ハリスの良い面が全部出ていて凄く良いです。エド・ハリスの安心感のある雰囲気は、本作の刑事役にぴったりです。 また、ルーサーがただのスーパーマンではなく、娘がウィークポイントして良い意味で効いていたのが上手いです。『罠だと知りながら、娘から呼ばれたから来た。』『人殺しはしないはずなのに、娘の命を狙う奴は関係ない。』娘への愛情を感じさせる微妙な人物設定がさすがイーストウッドです。それに、個人的に凄く良かったのが、冷蔵庫を満たす粋な演出。冷蔵庫と一緒にこちらの満足感まで満たされます。こーいった演出って、イーストウッドっぽくて大好きです。 ラストの落とし所だけはちょっと不満かも。安易に暗殺による復讐ではなく、事件を明るみにしてほしかったですね。社会的な粛清を大統領メンバーがくらうほうが、カタルシスを感じられそうです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-11-23 14:01:19) |
1003. プライベート・ライアン
《ネタバレ》 冒頭で散っていく命と、物語中盤から後半で散っていく命に対する見方が見事に変わってしまう作品です。冒頭では敵も含め、その他大勢だった兵士が、物語の終盤ではそれぞれに名前と意味を持ち始めます。そう感じ取れるようになっただけでもこの映画を観た価値があります。 『ライアン一人を救出するために、複数の命が犠牲になる。でもその複数の命にだって、それぞれに名前があり、家族があり、恋人や友人がいて人生がある。なんて理不尽なんだ!』って観る人に思ってもらうことがスピルバーグの本来の狙いだとしたら、この人ってやっぱり凄いと思います。 また、ライアンを探すという名目で各地を転戦し、各部隊の手助けをするところは、『ガンダム』を連想します。確かにメインの目的はライアンを救出することですが、その過程において、敵の拠点を破壊し、味方の部隊を手助けします。間接的に、彼らはその道中で、数多くの味方の命を救っていると言えるでしょう。もしかすると、一見理不尽に見える任務に、少しでも意味を持たせたかったのかもしれません。 ただし、味方の命を一人助けるということは、その代わりに敵の命を奪うということになります。『敵・味方』というくくりではなく、『人類』というくくりで見たときに、戦争そのものが理不尽で非生産的な無意味なものであるということは間違いありません。 アパムがドイツ兵を助けたことにより、そのドイツ兵が自分の仲間を次々と殺してしまいます。アパムは結局自らの手でそのドイツ兵の命を奪います。これが戦争の無意味さを象徴する良い例でしょう。 今作は『動』から『静』への極端な切り返しが、より臨場感を際立たせている気がします。冒頭の30分は、現実感がなくなりそうなほどの衝撃です。そこからビーチ制圧後の『静』へのシーンによって、私達観る側の人間は否応無く当事者側にひっぱられている気がするのです。この点において、この作品は他の戦争映画とは一線を画しているかもしれません。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-11-19 13:44:17)(良:3票) |
1004. ラン・ローラ・ラン
《ネタバレ》 海外ドラマ『トゥルー・コーリング』を思い出す演出。 何か行動を大きく変えるのではなく、小さな変化で結果が大きく変わるというところがミソでしょう。 映画というよりかはゲームのリプレイを見ている感覚。今作を観て、世界には“If”があふれているものだと思いました。音楽が個人的に大変好みです。遊び心も好き。 ただ、同じフィールドで違う展開を楽しむだけの作品ですから、『飽きる』という意見は、わからなくもないです。それに、ゆっくり落ち着いて映画を観たいときには不向きな作品でもありますね。それでも娯楽作品としては◎でしょう。 少々残念だったのは、ローラの強さ・性格がブレてしまったことでしょうか。特に父親とのファースト・エピソードで完全にブレちゃいましたね。強いキャラでいきたいのであればもう少し強さを前面に押し出しても良かったのでは。 ですがそんなことよりも最も致命的なのは、父親、マニ、ローラといった主要人物に、何と言っても魅力が足りないことでしょう。いや、これがドイツではウケるのかもしれませんが、きっと私達日本人の感覚とはずれています。マニとローラは何となく応援したくはなっちゃうんですけどね。 ついでに言うと、道行く人の運命までもが大きく左右されちゃうってのはかなり強引だったかもです。その着眼点は面白いと思いますが。 ・・・ってゆーか、あんなところからやり直さずに、ローラが車で迎えに行くところからやり直せば簡単に解決できるのに・・・とか考えたらだめなんでしょうね。きっと。 [DVD(字幕)] 7点(2014-11-16 00:17:19)(良:1票) |
1005. セイント
《ネタバレ》 ラストはもの凄くあっさりなB級サスペンス。主人公の変装はいろんな人にすぐばれちゃって、とても凄腕の怪盗には見えないところが逆に良い味を出しています。 エンターテイメントに徹しているのも好印象です。わかりやすい演出、わかりやすいキャラ設定、誰が見ても普通に楽しい時間を過ごせそうです。ただそれが長所でありデメリットであるのも間違いありません。この『ノリ、軽さ』は『物足りなさ』に通じてしまう可能性大です。 もちろん根っこはシリアスなストーリーなんですが、そのシリアスさは控えめです。重く、真面目になりすぎないように配慮されている気がします。 アクション映画としては物足りなく、サスペンスとしては軽い。ラブコメはスパイス程度。とゆーわけで、複数のジャンルを軽くブレンドしているため、中途半端に感じてしまう人がいるというのもよくわかります。ただ、それぞれのジャンルが絶妙にマッチしているのも本作の魅力の一つかもしれません。 つっこみ所満載な割りに、バランスはとても良い作品ですので、個人的にはこーゆーの好きです。 [DVD(字幕)] 7点(2014-11-01 02:27:09) |
1006. ラウンダーズ
《ネタバレ》 ギャンブルならではの緊張感が伝わってくる良質のギャンブル映画。ただ、ポーカーがわかっていることが前提のストーリーですので、ポーカーのルールをまったく知らないと、この作品の面白さが半減してしまうかもしれません。せめて、ワンペア~ロイヤルストレートフラッシュまでの手の強さの順番と、その手を作るのがどれくらい難しいか、…くらいの予備知識は必要でしょうか?ただカードの引き方や、レイズの仕方、パスのルールなんかは僕も知らないものでしたので、その辺は知らなくても作品を楽しめることはできると思います。 ただ、こーゆー題材だからこそ、誰が見てもわかる工夫ってのが、もしかすると必要なのかもしれないですね。 今作では登場人物同士の力関係もまた面白いものがあります。エドワート・ノートン演じる主人公の友人ワームは、迷惑かけるだけの存在に終始してしまって、いささか残念でありました。『ワームは僕らの名前を売らずに、刑務所に入った。そのおかげで、僕は高校を卒業することができた。』ってエピソードを語らせておきながら、劇中ただ主人公を苦境に立たせるだけの役割だったのは正直不満です。せめて、主人公がラストで尻拭いをした後のワームとのもう1エピソードくらいは欲しかった。 ジョン・マルコヴィッチ演じるテディは素晴らしかったです!悪役・敵役ではありますが、外道ではないです。悪の美学を感じさせてくれます。勝負が終わってからの、『こいつはイカサマもしていない。金をやれ。』の一言はかっこよすぎます。 最後に、教授。彼の存在、彼の人生談により、『人生の目的』という大きなテーマをさりげなく提示しています。ただ、本作では主人公の置かれている状況が切羽詰りすぎているため、そんな悠長なことまで思考がまわらないのが現実です。見終わったあとは、夢を追いかける主人公への高揚感よりも、すべてが丸く収まったことに対する安堵感のほうが大きかったですね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-10-13 01:51:14) |
1007. ブレーキ・ダウン
《ネタバレ》 アクションというより、『ヒッチャー』を思い出すホラーテイストの強いサスペンス作品ですね。 この作品は、凝りに凝ったサスペンスにはない、単純が故の恐ろしさがあります。誰がまともな人間なのか、判断できない中盤くらいまでが不気味で面白いです。軽トラックの運転手、レストラン『ベル』の人々、大型トラックの運転手ウォーレン、保安官、誰も信頼できない独特の不安定な雰囲気がたまらないです。 ただ少しでも人間臭い欲求が見えてしまうと、底が知れてしまうので、怖さは半減してしまいますね。今回の動機は単純に『金』。それがわかったとたん、普通のサスペンスアクションになってしまうのは仕方ないことですが、前半の異様な雰囲気がなくなっちゃってちょっと残念です。 前半はミステリー要素が否応なしに緊迫感を高めていました。やはり、「『正体がわからない』ということほど怖いものはない」とゆーことでしょう。 しかしながら一番怖いシーンはと聞かれると、母親が子供に『撃って』と言ったシーンが一番怖かったかもしれないです。なんちゅー母親じゃ。 [DVD(字幕)] 7点(2014-10-06 11:57:47) |
1008. ラストサマー2
《ネタバレ》 洗面所で顔を洗っているときに誰かが後ろを通る・・・。そのわかりやすすぎる怖がらせ方がGoodです。奇をてらったホラーも好きなんですが、ありふれた手法を使うホラーも好き。それはお化け屋敷に行く感覚に近いです。つまり、はじめから見たいものは決まっているわけで、それを見せてくれれば大満足なわけです。 ただ、『殺人鬼タイプ』の作品は、どうしても犯人が姿を見せてしまうと怖さが半減してしまいますね。姿を表すまでは、違う次元の存在なんですが、姿を現した瞬間に、神秘性がなくなり、被害者達と同じ空間に立ってしまうからでしょうか。 ただ、今作においては、犯人が実は二人いたってのが意外性があってめっちゃ良かったです。 それにしても、クイズに間違われたときは、どう思ったんでしょう。 『簡単なクイズにしないと、間違われたら困るからな~。ブラジルの首都は?ブラジリア!よし、これならさすがに間違わないでしょう。』 『ブラジルの首都は?』『え~と、・・・リ、リオデジャネイロ!』 『(がーん、まじっすかー。どーしよー。・・・いいや、正解にしちゃえ)今リオって言った?正解です!バハマの旅プレゼントー!』 [DVD(字幕)] 7点(2014-09-29 11:20:44)(良:1票) |
1009. ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
《ネタバレ》 登場人物の誰もが、クセがあって、個性的で、クールで、大物っぽくて、それでいて間が抜けているのが最高に面白いです。 そして何と言ってもストーリー構成が最高です。。バラバラだった点と点がつながって線となり、線と線がつながって最終的にひとつの物語を形作っていくのが爽快です。 みんな死んじゃうような、カタストロフィ的な作品ではありますが、のんきな音楽とのアンバランスさが、過激なバイオレンスをものの見事に中和しちゃっています。だから見ていてイライラする部分はありますが、嫌悪感を抱いちゃうような作品にはなっていないのが良いです。エンターテイメント作品として、本作の楽しい部分だけを純粋に楽しめちゃう良さがあります。 『金は天下の回りもの』と言いますが、本作では金以外にも『銃』と『マリファナ』も上手いこと劇中を回りまくります。黒人マフィアのローリーに、彼のところから盗んだ大麻を知らずに持っていっちゃうところなんか、ほんとにあほすぎて笑ってしまいます。しれ~っと『値打ちものの銃』が、誰もその真価をしらないまま人から人の手に渡っていくのも見ていて楽しいんです。 個人的には、ラストの取立て屋が盗んだ金で高級車を買って金貸し業をはじめちゃったところに、キャラのぶれを感じてしまって残念でした。 主人公の4人グループも、前半以降はすっかり影が薄くなってしまったのがちょっとだけ物足りなかったです。 そして、大麻を栽培していた、ローリー子飼いの坊ちゃんグループが個人的に大のお気に入りだったので、あのメンバーが随分割を食っていたみたいで少々心が痛みました。特につま先撃たれちゃった人は可哀想すぎでしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2014-09-15 04:07:19) |
1010. コン・エアー
《ネタバレ》 ガーランド(ブシェミ)を除き、善悪がはっきり分かれているわかりやすさが、エンターテイメント作品として◎です。それでいてちゃんとハラハラできるし、爽快感もあります。娯楽アクションというのはこういうのが楽しいです。 今作にいたっては、理不尽な出だしではじめることによって、それなりに主人公の境遇に同情をひいたことも良かったのではないかと思います。でないと、これだけ魅力あふれる犯罪者集団を出しちゃえば、ほとんどの人は手放しで犯罪者集団を応援しちゃいそうです。 出番はほとんどありませんでしたが、ピンポイントで出てくる奥さんと娘さんがアクセントとして効いていますね。それもかなりの美人。娘も相当キュート。この二人の存在感が、作品内の天秤をうまいことバランスとっていたと思います。 ダイヤモンド・ドッグの活躍が最初だけとか、サリーがキーマンになりそうでならないとか、シンディーノが第三勢力で盛り上げてくれんのかと思いきや驚くほど存在感が薄いとか、結構もったいないポイントが多い本作。 面白いんですけど、さすがにいろいろつめこみすぎちゃいましたかね~。 でも確実に面白い部類に入るエンターテイメント作品だと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-09-01 04:44:11)(良:1票) |
1011. スティル・クレイジー
《ネタバレ》 所謂サクセスストーリーの1種ですので、見ていて楽しいのは間違いないです。 ただ、トラブルや障害を多く用意したことで、スピード感を損ない盛り上がりに欠けてしまったことも事実でしょう。 それに、そもそものバンド解散の理由が『空中分解』みたいなもんですから、再結成のドラマそのものの深みには、限界があるようです。再結成の際のトラブルも割りとささいなことが多く、観る人によってはイライラしちゃうかもしれませんね。 それでもこの作品はエンターテイメントとして完成されていると思います。 レイがおぼれた後、ライブで復活するシーン。それを観て安心する仲間達、目を輝かせて喜ぶ奥さんなど、見所も多いのです。ラストで伝説のギタリストのブライアンが再びギターを手にするシーンは泣けちゃいます。 また、メンバーを奮い立たせる『暗示だ』でパターン化されちゃったシーンも、なかなかエンターテイメントのつぼを押さえているのではないかと。バンドのCDをラジカセで流す羊飼いの少年や、バンドのTシャツを着ている女の子が、ちゃっかりとこの作品に華を添えてくれています。 [DVD(字幕)] 7点(2014-08-17 14:41:17) |
1012. ラストサマー
《ネタバレ》 ポップコーンムービー、B級ホラーサスペンスとしては合格ラインでしょう。 例えば、ヘレン(サラ・ミシェル・ゲラー)の部屋に、犯人が入っていくまでのシークエンスなんかは、すれ違いをうまく使っていてハラハラします。 要は、正体不明の殺人鬼が精神的に若者達を追い詰めていく様子がきちんと定石を踏んでいるのが良いんじゃないでしょうか。もちろんそのことが『新鮮さ』や『意外性』を犠牲にしちゃっているところはありますが、『いつものホラー』『いつものサスペンス』を楽しめる安心感があります。 私は同じ映画を繰り返しは観ませんが、同じタイプの映画は全然楽しめる主義です。そういった意味では、今作は観たいものを観せてくれる良質の作品でした。 マイナスポイントとしては、犯人の動機がよくわからないことや、何故殺されちゃったのかがまるでわからない人がいるために、ストーリーの整合性が破綻しちゃっていることが残念です。そしてラストの犯人も意外というよりかは反則のような気がします。ミステリーっぽい雰囲気を匂わせている分、そこを楽しんじゃった人はラストで怒っちゃうかもしれませんね。 そういった理不尽で意味がわからないところも含めてのB級ホラー。 正直、あっぱっぱーな導入部分から、人身事故までの流れがほとんどピークだった気もしちゃうわけです。それにこういう作品って、「去年の夏」ってタイトルを冠しているからしょうがないんですが、人生が最高に絶頂の時期に殺人鬼が襲ってきたほうが、盛り上がる気はするんですよね。みんなの人生がやや落ち目になってからの事件勃発っていうのが、変な物悲しさを漂わせちゃったりしています。 まあ、その辺割り切ってしまえば、雰囲気がホラーとして結構楽しめるので個人的にはアリです。 [DVD(字幕)] 7点(2014-08-16 01:25:24)(良:2票) |
1013. ザ・ワイルド
《ネタバレ》 熊の脅威、恐ろしさを堪能できる良質のネイチャーサスペンス。奥さんを巡るトラブルのほうは、どちらかというととってつけたような印象です。あってもなくても良かったかなと。 博識。冷静。善良。こういうタイプのスーパーマンが主人公のサバイバルって結構新鮮で面白いです。その知識と頭脳から、針金でコンパス作ったり、しれっと雨をしのぐ屋根を作ったり、星座で方角わりだしたり、熊と戦ったり、キャラ設定が存分に活かされています。 チャールズ、ボブ、スティーブの3人が、パニックに陥ったり衝突しながらも、笑顔で冗談を言って笑いあうシーンが凄く良かったので、チャールズしか生き残ることができなかったのはとても残念。ですがこういうジャンルではしょうがない。安易にボブを生かしておくよりかは、よっぽど良いですし。そしてこんな結末になってしまったから、ラストの『彼らが私を救ってくれた』の台詞がいきてくるんでしょう。 熊との戦いが終わった後は、正直惰性でラストまで進む感はあります。それでもラストで、ヘリが煙に気づいてやってくるシーンは素直に感動しちゃいました。 それにしても熊がすごい。 ラストの『熊のバートと調教師に感謝の・・・』を観る限りでは、もしかして全編本物を使っていたのでしょうか。だとしたら本当に凄い。調教されているからとは言え、あそこまで熊と共演した出演者の皆様の勇気も凄い。 そーいや釣り糸垂らしていたときに、熊が静かに見ていたのはマジで怖かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2014-07-21 02:13:27)(良:1票) |
1014. ドーベルマン(1997)
《ネタバレ》 個性的なアウトローキャラが次から次に出てきて楽しいです。脇役がキャラだちしている作品は大好きです。ムス、闘犬ことピットビュル、神父、ナット、マニュ(スナイパー)。願わくば、このメンバーにドーベルマンとソニアが加わって、もう一度くらい盛り上がって欲しかった。最後の局面が、やられる一方で、なし崩し的にラストまでいっちゃって、・・・終わり。少々味気ないですね。クリスティーが汚い花火で盛り上げてはくれますが、映像だけではなくストーリーでの盛り上がりが欲しいところです。 ソニアとクリスティー刑事のエピソードによって、それまで客観視していた観客は、間違いなくソニアやドーベルマンに肩入れすると思うんですよね。実際私がそうでして。そこで、今度は仲間のために立ち上がるのかと思っていたら、この結末です。ソニアの奥さんにいたっては、子供を取り返して撃たれちゃって、ひどいもんです。でももっとひどいのは、その後劇中でそのエピソードに全然触れないことでしょう。奥さん報われないですよ。 映画としては面白いし、飽きないし、良いと思うんですけど、この作品が万人に愛されないのもよくわかる作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2014-07-14 00:30:27) |
1015. ナッシング・トゥ・ルーズ
《ネタバレ》 勘違いからスタートするロードムービー。よくある展開に、いまいち退屈を感じてしまう前半。ですが、ニック(ティム・ロビンス)とテレンス(マーティン・ローレンス)のコンビが結構良くて、ついついこれからの展開を期待してしまう期待感がありますね。 テレンス宅に立ち寄って、ドラマ色が強くなったとき、がぜん物語が面白くなってきます。これはテレンスに対する思い入れが強くなるためでしょう。お約束なくらいずるいストーリー。強盗してきたテレンスが、実は真面目で、優しくて、頑張り屋で、家族思いで、でも努力が報われない状況って出来過ぎでしょう。でもこんな出来過ぎな背景が好きっちゃあ好きなんですよね。不採用の束をニックが見つけちゃうシーンなんてたまらないです。 そしてニックにもテレンスにも用意されている理想的すぎるハッピーエンド。本作はエンドロール後の『ガソリンスタンドの兄ちゃんへ』まで、シナリオが完璧で、見終わった後は清々しいことこの上ないです。コメディ色が絶妙なバランスでストーリーに溶け込んでいるのも、本作の雰囲気にとてもよく合っていると思います。 予定調和で『あるある』な作品ですけど、こんな『あるある』なら大歓迎です。 [DVD(字幕)] 7点(2014-07-08 16:52:35) |
1016. バグズ・ライフ
《ネタバレ》 ファンタジーとしてわりきってしまえば、大変に夢のある作品です。個人的にはより昆虫の現実を描写したであろう『アンツ』のほうがストーリーは面白いです。ですが、子供目線に立ったとき、その色使いやキャラデザインは、こちらのほうが楽しんでもらえそうですね。中でもドット姫とブルーベリーズのかわいさは際立っています。ドット姫が懸命に走る姿、小さな羽根で飛び回る姿の愛らしさは、昆虫のレベルを超えています。それにアリ以外の虫がたくさん出てくるのも良いのかもしれませんね。 本作では虫が集まる世界を都会に見立てたシーンがあります。なかでもバスがあったり、たくさんの虫が車に見立てられている世界を作ってしまうディズニーはさすがです。これぞ想像力の限界を超える理想的なファンタジーの世界だと思います。 そしてその一方で、やたらとリアルな現実をぶつけるのもさすがディズニー。特に昆虫にとって脅威になるであろう『雨』の描写はすばらしい。そこにわかりやすく爆音の効果音をつけちゃうセンスに感動します。 リアルとファンタジーの極端なアンバランスを平気でミックスさせておきながら、これだけ説得力のある作品ができちゃうもんなんですね。その上で、ちゃんとエンターテイメントとしての役割も担っている、上質のCGアニメだと思います。だけどやっぱり子供向けですね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2014-07-06 17:14:27) |
1017. シューティング・フィッシュ
《ネタバレ》 DVDで鑑賞です。画質があまりよくありません。映像にこだわる方はその時点で受け入れられないかもしれないです。 言っちゃなんですが、ストーリーはいたって普通です。ただし、ネタが多い上に、一つ一つが吟味されているかのような丁寧な作りなので、どのエピソードも楽しめるのが本作の最大の長所です。 更に、主演の三人が、なかなかに魅力のあるキャラクターに仕上がっているのが良いですね。ディランとジェズは、平気で不特定多数の人を騙すくせに、お金に困っている人にはやたら親切というお人好し加減が絶妙です。 ただし、二人がやっていることは結局のところ犯罪なんです。手放しで賛同しきれない部分はあります。ですから、パソコンを盗んだ奴への復讐、及び嫌な幼馴染みを騙しちゃうラストはまだ素直に喜べるんですが、それ以外は少々ひっかかるものがありますね。 特に、騙された人たちが復讐に来て、その後車で爆発しちゃうのはさすがにやりすぎ。コメディとは言え、騙された人たちが善人とは思えないとは言え、被害者であることには変わりないですからね。不可抗力とは言え爆弾で吹き飛ばして終わりってのはどうも・・。 [DVD(字幕)] 7点(2014-07-03 17:03:11) |
1018. トイ・ストーリー2
《ネタバレ》 前作の良さを引き継ぎながら、本作ならではの面白さが追加された上質のエンターテイメント作品。楽しさ、面白さの中に、やはり胸を打つシーンが用意されているのも前作同様。言わずもがなそれはジェシーの回想シーンです。前作ではバズが自分がおもちゃだと気づいちゃうシーンで切なくなったものですが、よもやあの気持ちを上回るエピソードを用意してくるとは思いませんでした。まじで切ないです。 人間にとっても不老不死ってのは永遠のテーマであるような気がします。それがおもちゃにとっての博物館。ですが今作ではその博物館へ行くことが本当に究極の幸せの形なのかという問題提起を、ストーリーの中に自然に浮上させている点が素晴らしいと思います。そしてその選択に葛藤するウッディは、まさに不老不死を夢見る人間を鏡写しにした姿かもしれません。死とは誰にとっても恐ろしいものなんでしょう。かと言って『いつか来る死にびくびくしながら人生を台無しにしちゃっていいの?』っていう問いかけが劇中バズから投げかけられます。その問いかけに対するひとつの答えをウッディは悩みながらも答えます。でもそれが、このポップで暖かいアニメだからすんなり心に入ってくるのが 嬉しいです。 そういえば前作ではほとんど活躍の場がなかったポテトヘッド、スリンキー、レックス、ハムがメインのストーリーに進出してくれたのはかなり盛り上がりました。特にスリンキーはお気に入りです。レックスは邪魔しすぎ。全員で、せーので自動ドアを開けるシーンが最高に好きです。 ラストのNG集の遊び心には感動すら覚えます。いや、本当に凄いです。このディズニーの『サービス』にかける情熱は右にでるものはいないんじゃないかとすら思います。その根底にあるのは、ただただ見る人に楽しんで欲しいという真心なんでしょうか。心が洗われるようです。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-06-30 17:30:32)(良:1票) |
1019. トイ・ストーリー
《ネタバレ》 『面白い』や『かわいい』だけでなく、感動があるのがディズニーですね。CGの技術に頼りきっていないストーリーの面白さが素晴らしいと思います。 特に今作は、あくまで子供向け子供目線で作られているのでしょうが、台詞の一つ一つを吟味すると、大人目線でも楽しめる妙があります。例えば、現在の職場、『飽きっぽいアンディ』。もっと良い職場があるのではと、再就職先に選んだシド。ところがこの再就職先はとんでもないブラック企業。結局アンディの良さを再認識することになるっていうのは、現実世界でも日常的にありそうです。まあ本作ではウッディ達は再就職したくてしたわけじゃないんですけど。 また、子供には良い教訓映画になりそうです。『物にも命があると思って大切にしましょう。』『一度失った信頼は簡単には取り戻せない。』子供達に、理屈ではなく感覚で学んで欲しいことを感じてもらえそうですね。 私は個人的に、バズがCMを見るシーンでアイデンティティーについて考えさせられました。ってゆーか、バズは一瞬落ち込みましたが、じゃあ私達人間のアイデンティティーっていったい?そう考えると人間もおもちゃも大差ないのかもしれないです。 それにしてもこのアニメとしての安定した面白さはいったい何なんでしょう。オープニングのプレゼント偵察をラストにもう一回もってくるところなんか、お約束中のお約束ですが、こんな演出がたまらなく楽しいです。 ウッディが前半ちょっと嫌な奴だったり、自分をスペースレンジャーだと信じきっているはずのバズがおもちゃのふりをしたり、まあ正直マイナスな部分もあるっちゃああるんですけど、それでもさすがディズニー、そしてピクサーのアニメは夢があって楽しいですね。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2014-06-30 01:13:45)(良:1票) |
1020. ハロウィン4/ブギーマン復活
《ネタバレ》 このシリーズは回を追う毎に面白くなっていきます。1作目より2作目。2作目より4作目のほうが面白いです。あくまで個人的には、ですけど。 4作目ともなるとスプラッタ描写にも力が入りはじめて、なかなかの臨場感と迫力があります。これくらいのレベルになると、十分満足できます。ショットガンを撃たずに、突き刺しちゃうあたりが流石です。よくわかっていらっしゃる。 また、本作ではマイケルの仕事の手際の良さが際立ちます。開始10分もしないうちに救急車を惨劇の舞台に。このスピード感が良いですね。そして畳み掛けるように、ガソリンスタンド、発電所、警察本部と次々に血祭りにあげていくのがたまらないです。これこそホラー映画でしょう。 単純にホラー映画を楽しみたい方には十分満足できる内容だと思います。 ラストも素晴らしい。1作目のオープニングと視点がほぼ同じというところが感慨深い。 大変シリーズ色が強い作品ですから、連続で見たほうが良いかもしれないですね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-22 02:33:19) |