Menu
 > レビュワー
 > 鱗歌 さんの口コミ一覧。54ページ目
鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1061.  爆走トラック’76
邦題を見て、これは実に安そうな映画だなあ、なんて思いつつ冒頭のクレジットを見ていると、何と監督はジョナサン・カプラン。って、誰だっけ。そう、『告発の行方』ですね。だから(というワケではもちろん無いけれど)本作、なかなか社会派です。プロレタリアート映画です。 エアーウルフでお馴染みジャン=マイケル・ヴィンセント演じる桃次郎(じゃないけど)が、退役後、トラックの運ちゃんとして一旗揚げてやろうと思ってるのですが、違法行為を断ったが故に、さまざまな妨害を受けることに。 彼のやんちゃそうな顔立ちと、一本気な主人公のキャラが、よくマッチしてます。金はかかってなさそうだけど、体を張った小気味よいアクションも見どころ。 そんでもって、妨害行為はだんだんエスカレートしていき、ついに彼の怒りが爆発。で、どうなる訳でもなく怒りが爆発したところで終わり、っちゃあ終わりなんですけどね、そこがまた社会派っぽかったりして。これが終わりじゃない、ここからが本当の始まりだ、と。 安そうな映画ではありますが、もしかしてペキンパーの『コンボイ』にも影響を与えたりしてるんじゃなかろうか(それも無さそうな話ではあるけれど)、なんて思わせる瞬間もあったり。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-10-14 14:20:54)
1062.  ザ・ワイルド 《ネタバレ》 
大金持ちのアンソニー・ホプキンス、休暇で訪れた先の山岳地帯で飛行機が不時着してサバイバル。しかも生き残った一行の中に妻の浮気相手であるボールドウィン長男がいる、という、呉越同舟っぽい趣向。そこでドラマが生まれる・・・はずだったんじゃないのかい。 中盤はクマとの対決が中心に描かれるのだけど、その戦いを通じて二人の関係が微妙に変化する、のかと思いきや、これといってたいした変化もなく、これなら、クマとの対決の部分は全部カットしたって物語が成立してしまいそう。 動物との対決、危機感を盛り上げるならやっぱり「立て籠もり」ですが、本作ではそういうのもなくって、スタコラサッサッサのサと逃げ回るだけ、これじゃあ、なかなか盛り上がりません。絶望感の乏しさよ。そういやシートン動物記の「少年とオオヤマネコ」って、ホント面白かったよなあ。 で結局、最後まで「金持ちはよくデキた人」「それを妬むのはロクなヤツじゃない」という路線のまま突き進み、ホプキンスとボールドウィンと間に真の融和が訪れたのだか何なんだか。おそらくはそういうことなんだろうとは思うものの、なにせボールドウィンは最期まで腹黒そうな顔のままなもんで、最初っから最後まで大した変化なかったなあー、という印象だけが残る。一体この作品は何が描きたかったんだ、と。 おっさんたちのサバイバル。事件を通じて人間的に成長するにも、限界があるのかねえ。
[地上波(吹替)] 4点(2018-10-08 11:46:39)(良:1票)
1063.  テレフォン
『影なき狙撃者』と同工異曲、と云やあそうかもしれなけれど、コチラは自分でもソ連のスパイだと自覚の無い連中がアメリカ国内のあちこちにいて、あるメッセージを電話で聞かされると催眠状態になり破壊活動に走る、というワケで、ドン・シーゲル監督にしてはスペクタクルな要素をもった作品になってます、とは言ってもどこか安く見えるのは、偏見かな。 いや、別に破壊シーン自体が多少安っぽく見えたって、結構。普通の母親に見えた女性が(いまいちこんなところを爆破してもしょうがなさそうな気もするのですがそれはともかく)爆破テロにいたる、その過程を克明に描いて見せる、それがまさに見どころ。爆破しちゃったらそれでオシマイなんだから、そこまでの過程をこうやってじっくりみせてこそ、スリルもサスペンスもあるってもんです。 それに本作の場合、あくまでドナルド・プレザンスという、主人公にとって倒すべき敵がちゃんといるのであって、テロに手を染めるスパイたちは消耗品に過ぎないんですね。その非情さ。 非情でタフな主人公を演じるのは我らがブロンソン。しかもものすごーい記憶力の持ち主らしいけど、ちょっとそうは見えませんね、この顔ですから(笑)。と、ちゃんと覚えてられるのか若干の不安を感じさせるのですが、そんな不安をかき消すのがブロンソンの魅力。非情でありながらユーモアをも感じさせ、相棒たる女性との関係も見逃せないものとなってきます。 そういやダーティハリー3のお姉さんも出てきてましたが、こういう脇役の皆さんも存在を主張していて、映画を彩ってます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-06 12:27:08)
1064.  トレマーズ
フットルース以降、今ひとつパッとしなかったケヴィン・ベーコンが、ああとうとうこんな激安映画に出るようになっちゃったのね、と当時は誰もが思って、いざ観てみるとこれが滅法面白く、彼にとっての裏・代表作とでもいう位置づけかとも思える、そんな作品ですね。BSで放送されるってんで、これは子供が喜ぶだろうと思い、私も久しぶりに観たのですが、いやホント、鉄板です。 地中に何やら巨大なニョロニョロがいて、突然そいつらが人間を襲い出す。そのニョロニョロたちが一体何なのか、サッパリわからないし、登場人物たちもあまり関心なさそうなのが、いさぎよいです。一匹見かけたら百匹はいると思え、ってな所ですが、勝手に「4匹いる」ということにしちゃって、実に明快。ジョーズの地上版、というワケで、「ジョーズなら海から出れば大丈夫だけどコチラは陸に逃げても追いかけてくる」・・・と日曜洋画で淀川さんがおっしゃってたのは本作についてではなくアリゲーターか何かだったと思いますが、それはともかく、本作。ニョロニョロがいるのは地中なんだから高いところに逃げればOKだろう、という、むしろジョーズよりもわかりやすい、トホホな設定があって、こういうのが映画では生きてくるんですね。地面を怖がる、という画ヅラのバカバカしさと、その路線で一本、筋を通してみせることからくる、ワクワク感。 ニョロニョロの造形、手作り感はありますが、悪くありません。それにおそらくは予算が無いんだろう、ってコトを逆手にとったような、直接その姿を描かずにその存在を演出してみせる工夫の数々も、笑いを呼びつつスリルを盛り上げます。 バカバカしいことを大真面目にやっていて、でもやっぱり、ご近所さん同士でワイワイ言い合ったり、つまらない口喧嘩したり、という日常的なバカバカしさがあって。 何より、主人公2人の息のあったところ、さらにはヒロイン役も加えた3人の凸凹トリオぶりが魅力的で、いやはや、実に楽しい映画です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-06 08:49:02)(良:2票)
1065.  スワンの恋
こういうの見てると、オトコって本当にダメだねえ、と思えてきます。万年、中学生。 そんなジェレミー・アイアンズをぜひ、アラン・ドロンは啓蒙してやって欲しいところなんだけど、しかもそろそろアラン・ドロンに再登場願いたいなーと思ってるとそのタイミングでちゃんと出てくるんだけど、彼は彼でトホホな痴話喧嘩(?)やってたりして。 そのトホホぶりに対して致命的なまでに全く自覚が無い、ってのが、オトコのオトコたる所以だと、この映画のラストを見てると思わざるを得んのです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-04 20:43:42)
1066.  博奕打ち 総長賭博
若山富三郎演じる松田の単細胞ぶりが、もう素晴らしくって(笑)。 いや彼に限らず、登場人物みなそれぞれが素朴な信念のもとに行動し、見事なまでにスレ違い、ボタンの掛け違いを繰り返して、物語を織りなしていく。破滅という名の悲劇へ、悲劇という名のパラダイスへと、否応なく突き進み、観始めたらもうやめられません。 各自の行動が次々に皮肉を生み出していく流れは、出来過ぎと言えば出来過ぎで、危ういバランスの上に立っているとも言えるのですが、その流れをしっかりと支えているのはやはり、役者それぞれが持ち味として発揮している、芸、ですね。鶴田浩二しかり、若山富三郎しかり、名和宏しかり。しかし何と言っても桜町弘子ですね、ホント。藤純子は少しワリを食っちゃったかもしれません。それぞれが演技を通じて、自分の信念を体現して見せることで、物語は、単なる図式的なものではない、血肉の通ったものとなりました。金子信雄の独特の顔芸は、さておき・・・。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2018-09-29 16:34:04)
1067.  デンジャラス・ラン
デンゼル・ワシントンとライアン・レイノルズとのバディ・ムービーみたいな作品かと思ったら、なかなかコンビらしい関係にならないまま、それぞれ(というよりデンゼル・ワシントンが)勝手に動き回って、こういうどこにも落ち着かないまま映画が走っていく、ってのは、結構、好きな展開なんですけれども。ただ、ホントに最後まで物語が収束せず、どこにも落ち着かなかったなあ、と(最後に至って唐突に「感動的な」ラストになる、これ、いささか安直)。 あと、格闘シーンが、これ、きっと「痛みの伝わる格闘」みたいなのを目指してるんだろうなあ、と、気持ちはわかるのですが、結果的に画ヅラがゴチャゴチャしてしまう。 それなりに楽しめるんですけどねー。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2018-09-20 19:51:35)
1068.  ファインディング・ドリー
ヒレを手のように使った擬人化、表情づけなんかもあったりするけれど、基本的には人間の俳優のように手足を駆使したアクションができない魚たち。だけどその分、全身を使って、これでもかとほとんど捨て身のようなジャンプを繰り返すアクションを演じてみせてくれます。陸上に乗り出してくると、水の中でしか生きられない魚は不自由な存在、ではあるのですが、これらの跳躍に、ときにものすごく「自由」を感じてしまう。 これぞアクション映画、と言いたくなりますな。
[地上波(吹替)] 8点(2018-09-15 04:05:46)
1069.  銀魂
ま、とりあえず、こんな作品をこれだけ自信満々に作って見せる、ってのは、ご立派なことであると思います、ハイ。     なかなかこのノリには、ついていけませんが・・・
[地上波(邦画)] 6点(2018-09-11 20:55:20)
1070.  MEG ザ・モンスター
いくら公開開始直後の日曜とは言え、何でこんな映画がこうも混んでるんだろう。一体みんな何を期待しているんだ?と人のコトは言えないけれど。 期待するのはただ一点、どのくらいデカいサメが出てくるんだろうか、と。 いや確かにデカいけれど、これだけデカいと、かえってあんまりピンと来ません、当然ながら。そしてこれも当然ながら、製作サイドもこのデカさを持て余しているような。デカ過ぎて、コワくも何ともありません。こんな「シャークトパス」とかと同レベルの企画に、見境もなく一体どれだけ金使ってるんだろうか。恐るべし中国マネー。 もしかしてこの映画のメガロドンは、肥大しきった中国という国家そのものを象徴している・・・なんてワケも無いけど。 とりあえずコワくない、のみならず、安心感すらあります。残酷描写も無く、適度に観客をビックリさせる「ちょっとしたショックシーン」をしきりに挿入する。はいはい、またですか、ってな感じで、こちらもお付き合いにビックリしてみせる(もちろん、ムダにビックリシーンを繰り返すので、食傷気味になってきます)。 登場人物もイイ人たちばかり。人間関係も明朗そのもので、ジェイソン・ステイサム(さすが泳ぎは見事!)演じる主人公も気難しい人物かと思いきや、「元妻の危機」と聞いてホイホイ救出に乗り出してくるし(主人公を物語に引きずり込む為以外に元妻が登場する意義無し)、でもって中国人の母子とじゃれ合いまくり。 中国人女性とその父との間にも何やら葛藤のようなものがあったらしいのだけど、物語の途中で取ってつけたようにそんな過去の話をされても、無理やりドラマをでっち上げたような印象しかありません。 要するに、巨大サメが襲ってくるという、本来ならかなりぶっ飛んだオハナシの筈なのに、やけに大人しいというか、誰にも好かれないけれど誰にも嫌われないようなオハナシにとどめているんですね。中国に媚びを売るだけでなく(映画の巨大マーケットだけど、それなりに商売が難しい事情もある)、チョイ役とは言えマシ・オカに日本語をしゃべらせたり書かせたりして彼が日本人であることを妙に印象づけ、このテの映画には不自然なほど、仲間たちは彼のことを言及してみせる、これって、日本マーケットも考慮してくれてるってコトですかね。日本の観客にはたぶん、どうもでいいコトだったりするのですが。 メガロドンがなぜ本作で我々の前に現れたのか、という説明のクダリ、「これで、作ろうと思えば続編も作れます」という以上のものでも以下のものでもないしなあ。 というワケで、すばらしくスカスカな映画を観させていただきました。気持ちいいほど、実にスカスカ。でも、今後もこんな感じの米中合作映画の流れは、とどまることを知らずに続いていくんだろうなあ、と何やら考えさせられるものがあったりもするのでした。 それに、怪獣映画と言えば日本、と思ってたけれど、レジェンダリー・ピクチャーの買収の件もあるし、今後は「怪獣映画=中国」になっちゃうんだろうか。何だかウラヤマシイぞ。
[映画館(字幕)] 5点(2018-09-10 21:50:39)(笑:1票) (良:2票)
1071.  ヘルレイザー3
ヘルレイザーと言えば何と言っても、顔中に焼き鳥の串を刺したあのピンヘッド氏ですが、本作の前半は、ヘンなオブジェの中から顔だけ出して、頼りなくも情けないお姿に。そんな姿で、いくらオドロオドロしいことを言ってもみせても、ねえ。 しかし元の姿に戻ってからは大暴れ、まさに殺戮の嵐、と言いたいところですが、CDが飛んできて顔に刺さるとか、かなりトホホな殺戮でして、ええ、もちろんこういうの、大好きですよ。さらには街中でのちょっとした破壊活動にまで発展。 ピンヘッド氏の仲間の魔導士も、これまではただ顔が面白いだけで無害そうな連中でしたが、今回は妙にメカニックで強そうな連中が登場。 一作目のボヤボヤっとした田舎じみた感じの因縁話も良かったですけど、こういうバカバカしいスペクタクルも、良いですなあ(変に技巧ぶった映像が、これまたアホらしくて良い)。 ただ、どうしてこうも最期があっけないのか・・・
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-09-08 12:41:13)
1072.  トリガール!
鳥人間コンテストの放送に合わせて、番宣的に深夜にテレビ放送されてたんですけれども。 これじゃ、鳥人間コンテストの映画じゃなくって、自転車の映画じゃないですか。 そう思って観ると、それなりに魅力があるのですが、それにしたって、非日常の中の非日常とでもいうべき「空を飛ぶ」という事に、こんなに無頓着でいいんですかね。飛行機製作班はオタクみたいな連中ばかりだから、ほっといても優秀な機体を勝手に作るだろう、みたいな投げやりな描き方が、非常にもったいない。 主人公はアンポンタンなので、別に「飛行機を作る情熱」というものに無関心でもいいのかも知れないけれど、せっかく、主人公の友人にカメラを持たせているのだから、彼女には「観る」ことに徹してもらって、彼女の目を通して「飛行機を作る情熱」を描く手もあったのでは・・・とか。 いや、情熱を描かないまでも、飛行機自体が持つメカニックな面白さが描かれていれば。 というワケで、鳥人間ではなく自転車の映画になっちゃったのですが、それでも、本番フライトのシーンでは、芝浦工大の二人乗り人力飛行機というモデルをうまく利用して、二人を密室に閉じ込め、向き合うことなく怒鳴りながらの会話をさせる(しかもその会話がマイクを通じて皆に聞こえている)という、世にも秀逸なシチュエーションを提供してくれていて、ここだけは鳥人間ネタならではの面白さ、といった感があります。 で、鳥人間コンテストの本放送の方も観ちゃうのですが・・・見比べてしまうと、どうも、放送席に羽鳥さんしかいないってのは、さすがに寂しいですなあ。
[地上波(邦画)] 5点(2018-09-04 21:10:00)
1073.  トゥルー・ロマンス
その昔、初めてこの映画を観た際の感想はというと、「出演者にヴァル・キルマーの名前があったけど、一体どこに出てたんだよ!」。 後で配役を調べてみて、え~~~~(笑)と、妙に感心してしまったのでした。 それはともかく、この作品。監督トニー・スコット、脚本タランティーノというのがよくわからん組み合わせですが、たぶん、これで正解だったんだと思います。主人公が映画オタクでしかもその嗜好にまったく一般性が無い、という、要するにタランティーノが自分自身を主人公にして脚本を書いちゃったワケですから、で、しかもその彼にとっての「ロマンス」を描くワケですから、さあ、これをさらに自分で監督してたら、どこまでイッちゃってたことか(というのも興味深くはありますが)。 これを、職人トニー・スコットが手掛けたことで、不思議なバランスが保たれた作品となりました。セリフの掛け合いの面白さを備えつつも過剰というところまでは行かずにほどほどで留められているし、暴力描写もふんだんにあるけれど鼻白んでしまうほどの残酷描写でもないし。どこか都会的で、スタイリッシュ。随所に登場する「煙」が、雰囲気出してます。 で、バランスは取ってるんだけど、やっぱり脇役陣は怪人がズラリと揃えられてるし、破滅的なクライマックスに向けて強引に突き進んでいくし。アブノーマルな魅力も充分。 ラストが書き換えられてタランティーノが機嫌を損ねた、なんて話もあるけれど、「千葉真一」が採用されたこと自体が奇跡みたいなもんだから、まあ、いいじゃないですか。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-09-04 20:45:51)
1074.  ブラジルから来た少年 《ネタバレ》 
クローン・ネタってのも今となってはすっかり手垢がついてしまった感もありますが、それでもなお本作が魅力を保っているのは、謎の提示のうまさですね。最初の方で、犯人一味の正体も明かされるし、彼らの計画も明かされる。だけど、何のための計画なのか、ってのが謎になってて、それが徐々に明らかさにされていく。で、その明かされる謎というのが、正直、「んなアホな」と言いたくなるような、荒唐無稽なものなんですが、「荒唐無稽な事件の裏を、実は一本の荒唐無稽な理屈が貫いていた」というところに狂気、残酷さ、恐怖、といったものを感じさせるワケで。 ま、バカミスの嚆矢とでも言いますかね。 ほとんどセリフの無い冒頭シーンの緊迫感。何やらよくワカランうちに唐突に発生する殺人事件。厚化粧ですっかり誰だかわからなくなってるグレゴリー・ペックの不気味さ。一方の探偵役、ローレンス・オリヴィエの、いかにも頼りない感じと好対照です。まあ、クライマックスがジジイの取っ組み合い、ってのがいささか盛り上がりに欠けるところではありますが。 ジェリー・ゴールドスミスの音楽、ここでも器用なところを見せて、しばしばドイツ音楽を想起させるようなスコアを披露しています。メインのテーマはワルツ風ですが、リヒャルト・シュトラウスばりの濃厚なオーケストレーション。また中盤ではワーグナーのパロディ?みたいな音楽も聴かせてくれます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-09-03 21:16:46)
1075.  スチームボーイ STEAM BOY 《ネタバレ》 
あの圧倒的なアニメーションの可能性を我々に見せつけてくれた『AKIRA』でも、「煙」の描写だけは今ひとつ不自由さが残った感じがあったのですが、本作は蒸気機関をテーマに持ってきて、正面からこの「煙」の描写に挑戦しています。半透明でつかみどころの無い蒸気の描写があれば、迫りくる巨大な塊としての蒸気の描写もある。 本作のオハナシはというと、蒸気機関という科学技術を手にした人間たちが、戦争ごっこを始めちゃう、ってなところですが、もちろんこの蒸気機関は、現代における核エネルギーの比喩として捉えることもできるでしょう。しかし本作は、そういう単純な喩え話による文明批判には、決してとどまるものではありません。この上なく緻密な作画とアニメーションによって我々の前に示される、膨大なメカの数々。科学技術がひとつの美学に昇華された姿を、まざまざと見せつけられます。そして、その巨大な科学が崩壊していく、クライマックスの壮大なカタストロフも、イデオロギー云々抜きに、我々の心を強烈に揺さぶるスペクタクルとなっています。 主人公、その父、祖父、という親子三代の科学者が、誰が善で誰が悪ということなく、それぞれの立場を貫いているのも良い。一番自由な立場の主人公が、一番自由に空を飛び交って見せる。 そして、これでもかと続く破壊のアニメーションが、ぴたりと動きを止める、クライマックスでの動から静への転換。感動的ですらあります。
[DVD(邦画)] 9点(2018-08-26 17:16:01)
1076.  オデッセイ(2015)
何だかあまり、試行錯誤みたいなものがなくって、多少のトラブルはあれど、主人公の取り組みはたいてうまくいっちゃう。どっちかというと、失敗に次ぐ失敗の末に何とか危機を打開する、というのを期待しちゃう(というか、そうでないとおかしい)のですけれども。 しかし本作はむしろ、あえてそういう方向の描き方を避けているようにも思えます(実際、題材の割に劇中における主人公の描写のウェイトは必ずしも高くない)。まあ確かに、この状況、危機また危機では絶対に主人公助からんもんね。というのを別にしても、基本、主人公の頑張りで生き抜くというより、知恵でもって生き残るオハナシ。サラリとした描写でもそこには科学への信頼がはっきりと貫かれている。そしてだからこそ、ふとした時に現れる、アナログ的なものが、印象的なんですね。 主人公は、大変だ~大変だ~とは言わない(普段からそういうコトばかり言ってるヤツはたいてい、さほど大変じゃない、ってのもある)。わざわざ言わなくっても、服を脱いだ主人公の肉体の衰えが、その大変さを雄弁に語っています。 火星で鼻栓が必要になるとは、誰も予想せんわなあ。あって良かった、これぞ文明の利器。
[地上波(吹替)] 7点(2018-08-20 20:55:46)
1077.  ミッドナイトクロス 《ネタバレ》 
映像にコダわりをみせつつ、それがまるで心に響いてこないのが、まさにデ・パルマのデ・パルマらしいところです。本作が彼の代表作として今でも語られてるのは、そういう彼らしさがよく出ている、ということもあるだろうし、その後の彼がなかなかパッとしないってのもあるんでしょう。 画面分割、ヘンな合成映像、グルグル回るカメラ、天井カメラ、いろいろやってて、「やってるなあ」と思うけど、だからといってストーリーが盛り上がるワケじゃない。トラヴォルタが証拠品を天井裏に隠す場面もわざわざ遠方から窓越しに撮影して、え、こんな窓の外から丸見えじゃあ、マズいんじゃないの、とか思う(そして実際に誰かに見られたんじゃないかと思う)けど、ストーリーには何の影響もありませんでした、ハイ。 トラヴォルタ演じる主人公が映画の音響担当、というのがちょっと楽屋ネタっぽくって、ちょっとイヤらしくもあり、ちょっと楽しめるところでもあります。で、もちろんこの点は、ちゃんとストーリーに生かされているのですが、その「音」で恐怖を演出するところにまでは至っておらず、それもまた、ちと物足りない。 しかしまあ、あまりオモシロくなくてもコワくなくても、ジョン・リスゴーの殺し屋が多少マヌケに見えても、撮りたいように撮ってやるさ、というこの姿勢。それさえあれば、確かに、次はどんな画が出てくるんだろうと、ちょっとワクワクさせるものがあります。 ラストのオチは、「音のスナッフフィルム」。バカバカしいけどこれはなかなか思いつかない、ちょっとメタ性のあるオチですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-19 11:02:06)
1078.  地獄のコマンド
いや~ようやく見ることができました。って言っても映画の存在自体をほぼ忘れておりましたが。 ゴールデン洋画劇場でやる、っていうので、見たかったんですけど、その放送日の私は、大学入試の1日目。しかもその日の首尾たるやそれはもう惨憺たるモノでしたから、地獄のコマンドなんて見てる場合じゃない。しかし、もしあそこでヤケ起こしてチャック・ノリスのアクションを堪能していたら・・・幸い2日目の試験で挽回できたらしく、2週間後の合格発表で無事、肩の荷を下ろして、ホテルのテレビで見たゴールデン洋画劇場の『ターゲット』(85年)の、何と面白かったことか。 と、どうでもいいことばかり書きましたが、要するに、この『地獄のコマンド』、私の人生に何の影響も与えていません、ハイ。なのでどうかご安心ください。 それにしてもこの作品、どっからどう見ても安そうな、キャノンフィルムズらしさ溢れる一本なのですが、何だかよくワカラン軍団がアメリカに上陸して破壊活動を繰り返し、戦車までも登場する一大バトルに発展する、という、なかなか豪快な一本でもあります。まさに「なんちゃって超大作」です。 テロ軍団のアメリカ侵攻計画は、テロリスト曰く18時間ほどで完了するらしく、なるほどこうやって物語にタイムリミットを設けたワケだ、と思いきや、その後、適当に昼のシーンと夜のシーンが入り混じり、何日経過したのかわからなくなってきます。多分、どうでもいいんでしょう。 破壊活動を繰り返すと言っても、どこやらの田舎町で民家を壊したりする程度で、何がやりたいのかさっぱりわかりません。わかりませんが、少ない予算でなるべくたくさんの破壊シーンを見せようと思えば、やっぱりコレしかないでしょう。 脈絡なく破壊が繰り返され、そこに脈絡なくチャック・ノリスが(少し遅れて)やってきて、敵を成敗する。敵の方でもなぜか妙にチャック・ノリスのことを恐れ、警戒しているんですけど、何ででしょうね。何でかワカランけど、とりあえず「さすが、我らがヒーロー、チャック・ノリス」という感じになってます。なってますけど、基本的に支離滅裂ですね。物語の繋がりも何も、あったもんじゃない。 というワケで、「なぜそんなトコロを破壊するのか」「なぜそこにいつもチャック・ノリスが現れるのか」とかいう疑問は完全に無視したままアクションが羅列されてるのですが、物語が無い分、破壊活動の描写は結構、丹念に描かれているし、クライマックスはド派手にちゃんと盛り上げているし、何よりチャック・ノリスのチャック・ノリスらしさが堪能できる。 こんなイカした作品を、私は28年半も見逃していたんだなあ。ま、別にいいですけど。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2018-08-16 19:54:44)
1079.  ピクセル(2015)
ゲーマーが宇宙からの侵略者と戦う。しかもゲームそのもので戦うだなんて、『スター・ファイター』でもそこまで厚かましいことはしませんでした(しかしあの作品はあの作品で、大勢登場させた宇宙人をアッという間にほぼ全員死亡させるという厚かましい作品でしたが)。 というワケで、こんなアホらしい設定で映画を作ってくれて、とりあえずは有難う、なんですけれど・・・その「アホらしい」という地点に、そのままとどまってしまったのが、作品を残念なものにしています。「アホらしさ」を言い訳に、映画を適当に作ってはいけません。 主人公たちがイケ好かない連中、ってのは、作品の狙い通りだろうけど、そんな、およそどうでもいい「等身大以下」のヒトたちが、ただゲームをやって終わりだなんて、いくらなんでもお粗末でしょう。そのゲームだって、ひとつひとつ順番にこなしていくだけ。物語にも何にもなってない。 そりゃま、私も「懐かしいなあ」と思う世代のひとりですけどね。その一方で、「他人がやってるゲームを横で見せられても、大して面白くない」ってのも、あるワケです。
[DVD(吹替)] 4点(2018-08-16 15:32:00)
1080.  戦火の勇気
あまりにも敵兵士の顔が見えなくって、顔が見えない相手だからいくら殺しても良くって、という割り切った映画の作りには、引っかかる部分もあるんですけどね。ただ、敵を殺して後悔し、味方を殺してまた後悔、では、内容がボケてしまうのもまた確か。この辺り、もう少しうまいアプローチがあればなあ、と。 同一の事件に対する証言が、証言者によって異なっていく、という構成は、黒澤明の『羅生門』を思い起こさせるのですが、本作ではその構成が湾岸戦争に適用されることで、「史実」ってのは結局は生き残った者が、そして勝者が、「作る」もんなんだよな、という事をつくづくと感じさせます。 死んじゃったら、何も言えない。でも生き残ったって、何も言いたくないこともある。そして残るのは、強者にとっての都合でしかない。 それはまあ、殺されていくイラク兵士を何の哀れみもなく描いた本作自身についても言えることなのかも知れないけれど。でもそこは割り切って、戦闘シーンはあくまでスペクタクルとして劇中に配置し、この変則的な物語を戦争映画としてうまく盛り上げてみせた点は、うまいと言えるでしょう。そしてそこに、主人公の再生の物語も絡めてみせる。もちろん、ルー・ダイアモンド・フィリップスとマット・デイモン(凄まじい減量ぶり!)、この二人の存在も忘れられません。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-08-16 15:07:45)(良:1票)
030.08%
1190.49%
2411.06%
3731.89%
41614.16%
53629.35%
663116.30%
7122131.55%
888522.87%
93739.64%
101012.61%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS