1121. エアベンダー
最初は中国の拳法の型を引用したことが安直に映りましたが、しばらく観ているうちにあの型自体が自然と共鳴するための動作に見えてきました。さんざん不評を聞いていたんだけど、そんなに酷い作品とは思いません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-08-15 00:06:39) |
1122. プレデターズ(2010)
《ネタバレ》 プレデターが複数形になっているタイトルはキャラ全員が捕食者って意味なのだろうが、凄みのある奴が少ない。拉致された戦闘のプロたちが面子の割には個性的とは言い難く、普通に銃を撃つ奴がほとんど。ローレンス・フィッシュバーンはそれらしく登場したが実はギャグ担当。ちまちまと放火してました。あのヤクザ兄さんくらい際立つ奴があと数人は欲しかった。空手の達人なんかがいても面白かったと思う。未知の惑星に送り込まれているはずなのに植生は地球にソックリで、あれが「アバター」並みの別世界だったら凄いんだけどね。なんかマイナスポイントを書いてますが、悪くない作品です。分りやすい展開と適度なワクワク。失望も適度。娯楽作品として退屈しませんでした。アリシー・ブラガは過去に観た作品のなかでイチバン色っぽかったです。ちなみにロバート・ロドリゲスの役割ってダニー・トレホをキャスティングしただけじゃないの。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-08-14 22:57:07)(良:1票) |
1123. カウボーイ&エイリアン
前半のミステリー的な展開に引き込まれるが、後半は一気にぐだぐだの頭の悪いストーリーに堕ちて行く。そこを笑って済ませられると娯楽として楽しめる、って云うのが私の評価です。私は楽しかったです。やっぱり突っ込みどころはあのエイリアンの性向ですね。宇宙を旅するほど技術が進んでいるのに、基地が襲撃を受けたら生身で飛び出してきて闇雲にカウボーイたちを襲う。戦略という言葉を知らないようで馬鹿丸出しです。肉弾戦闘種族ってことなのでしょう。ハリソン・フォードは見飽きた芝居だったけどダニエル・クレイグの存在感は大したもので、「トロン」から気になっていたオリヴィア・ワイルドもミステリアスで良かったです。ちなみに「カウボーイ&エイリアン」というより「盗賊&エイリアン」だと思いました。 [試写会(字幕)] 5点(2011-08-09 23:01:19) |
1124. ワイルド・スピード/MAX
ミシェル・ロドリゲスが冒頭で死んじゃうのがとても残念でした。主演の二人は犯罪者とFBI捜査官なので完全には相容れないが、お互いの車好きとドラテクへのリスペクトがあって、それが本作のオリジナリティでもある。だから、何事も車を走らせて解決する。格闘技者が「拳で語り合う」ようなモンです。だから、明快だけどストーリーに深みは無い。「サーキットの狼」みないなモンです。余談ですが、私は外国車に魅力を覚えない人で、このシリーズは日本車をチューンして走らせるところに見どころを感じています。DVD特典によると、ポール・ウォーカーは本当に日本車贔屓らしい。本作でもGT-Rとインプレッサのステアリングを握ります。でも、同じくDVD特典によると、日本車を使っているリアルな理由は壊しても財布が痛まないからのようです。つまり日本車は安くて速いのです。 [DVD(字幕)] 5点(2011-08-05 21:19:39)(良:1票) |
1125. ヤギと男と男と壁と
《ネタバレ》 オビワンが出てきてジェダイとかダークサイドという単語が飛び交います。なんだか新興宗教の顛末記のような体裁ですが、胡散くさいというより飄々とした涼やかな味わいがありました。ヤギの倒れ方とか、好きですね。クスクスと笑う作品です。反戦や反兵器なんてお題目を意識するとすべって映りますが、肩の力を抜けばちょっといいことも言ってます。ユニークな映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-08-02 02:20:12) |
1126. てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~
《ネタバレ》 自分は映画と同じくらい沖縄が好きなので、背景の風景や街並みを見ているだけでも意味があるんですが、実話ベースに触発されて少し勉強させてもらいました。サンゴの育成が地球温暖化に対して効果を持つかどうかは未だに明確な結論が出ていないようです。ただ、海洋生態系の保全という意味で重要ということは揺るぎない事実らしい。だから、学者どもの理屈に頓着せず、沖縄の海をサンゴ礁で美しくしたいという主人公の姿勢は絶対的に正しいのだと思います。本編は中盤から借金との格闘という色彩が強くなりすぎて、サンゴと向き合う部分が少なくなったことが残念でした。家族の絆を見せるために不可欠な要素だと思いますがバランスに偏りを感じました。沖縄が舞台の小説を読んでいると(って池上永一だけですが…)、常に沖縄の女性は逞しく描かれています。本作も然り。怒ったら男をグーで殴る。とても分りやすい(笑)。あのイントネーションが正しいのかどうかは分りませんが、沖縄好きとしては方言を多用して欲しかったですね。字幕付きで。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-07-30 21:02:37) |
1127. 悪名(1961)
《ネタバレ》 やくざ者が嫌いと言いながら、やっていることがすべてやくざな勝新太郎。女傑の女親分からいずれは名を成すだろうと認められるが、そんなものは「悪名」だと嘆くラストシーンがタイトルに繋がってスッキリと観終わりました。本人は意図せずとも義に篤いやくざ者の鑑のような人格ってところで、立派なアンチヒーローです。田宮二郎も勝新とは違った存在感を発揮していてカッコ良く、このコンビでシリーズ化された理由が分ります。当時、二十歳そこそこの玉緒さんは可愛かったです。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-07-27 22:29:31) |
1128. アデル/ファラオと復活の秘薬
《ネタバレ》 アデルのおっぱいをチラ見せしたのは、アデルに協力するミイラの行動に必然を持たせるためです。でも、あのシーンのおかげで随分と潤いが増しました。変なところは良く心得ているリュック・ベッソン。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-07-25 01:53:36) |
1129. あの日、欲望の大地で
《ネタバレ》 シャーリーズ・セロン演じる主人公が働くレストラン近くの海の荒涼とした波涛が重い運命を暗示する。倒置されるストーリーを理解するうえで見逃してはいけないのは、少女時代の彼女が二つの時間帯に分けられること。例の事件の前後で。彼女が熱に耐性を持っているのは、炎で体を焼いていたから。それは、自責の念からの自傷行為だったとラスト近くで判明する。ちょっと懲らしめるつもりの悪戯が引き起こした決定的な崩壊。少年と付き合ったことも、彼の父を殺した引け目と無関係ではない。だが、それが妊娠に繋がり、生まれたばかりの娘と引き離されたことは彼女自身の傷口を広げる結果となった。彼女が誰とでもベッドに入るのは、自暴というより夜に一人でいることが怖かったからだと思う。自分の娘と和解し、父母子の3人の生活を暗示させて映画は終わる。意地悪な視線かもしれないが、あれで解決したのだろうか。私にはまだ波乱が続く気がしてならない。彼女は「許されざる者」。極悪人ではなく、業を背負った人という意味です。その業は誰かと暮らしても分け合えるものではない。主人公を簡単に解放しないところがこの監督さんの特徴。安易なハッピーエンドなど用意されていない。ただ、親子で暮らすことは累積した不幸の一片の正常化であるし、新しい暮らしに希望を抱くことが処方箋になることも確か。不幸の螺旋に落ちた人の再生の可能性を模索し続ける応援映画、という印象です。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-07-10 23:56:12) |
1130. ジェニファーズ・ボディ
《ネタバレ》 「ジェニファーの肉体」というタイトルと、そのジェニファーを演じるのが「世界で最もセクシーな女性」に選ばれたこともあるミーガン・フォックスとくれば、私が喜びそうなお色気ムンムンの作品を期待していたのですが、その視点で云うなら非常に残念でした。ミーガン・フォックスが美しい怪物として君臨するのは想像できるストーリーですが、露出が少なめでもそれなりに楽しめたんです。でも、彼女が悪魔になった原因を振り返ったり、親友のアマンダ・セイフライドが元凶の男ども皆殺しにする展開となると女性の性や意志といった理屈が意識される。ガールズムービーという趣きだけどミーガン・フォックスの映画でそんな理屈、観たいと思わんでしょう。少なくとも男は。彼女がもっと露出していれば丸く収まったと思う私は、ただのエロオヤジですかねぇ。監督は「イーオン・フラックス」も撮っていますが残念な感じが似ています。この監督の個性がいちばん残念かも。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-06-20 23:07:01) |
1131. オーケストラ!
《ネタバレ》 政治的な理由でオーケストラを取り上げられたロシアの元有名指揮者が昔のメンバーをかき集めてパリで演奏に漕ぎ着けるまでの話。そこに、ブレジネフを批判したためにシベリアへ送られて亡くなった元メンバーの娘のヴァイオリニストが加わって、ストーリーに捻りと華を添える。過去に事情がある人たちが集まって事を成す定番の感動話で良かったはずなんだけど、元メンバーたちのやる気の無さが私にはマイナスポイントでした。パリに来たら前日のリハーサルにも現れず、小銭稼ぎに励んでいる。あれがフランス人から見たロシア人気質なのかも知れないが、笑って流せない。彼らも音楽を取り上げられた人たちなのに、さほどダメージを受けていなかったと解釈できるから。音楽に対する情熱だけは、楽団員全員が等しく持っていて欲しかったです。そんな想いで観ていると、最後のチャイコフスキーが適当な演奏に聞こえました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-06-18 23:44:56)(良:1票) |
1132. ドッペルゲンガー
《ネタバレ》 緩めのホラーテイストを効かせたコメディでした。キーワードは「ストレス」で、ドッペルゲンガーは徹底してストレスフリーなキャラクター。ストレスを多く抱える人物ほど、オリジナルとの差が明確になるようだ。役所広司がその好例だけど、後半は永作やユースケや柄本明たち全員がいつの間にかドッペルゲンガーに変わっていると思わせるあたりがブラックな味わいです。後先考えずにストレスの元を壊して回れると爽快だと思う。羨ましい。でも、例の機械を捨ててしまうエンディングは面白みに欠けますね。ありきたりな回答以上のものではなかったです。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-06-18 22:05:18) |
1133. トランスフォーマー/リベンジ
機械生命体同士のバトルは明らかに前作よりパワーアップしていて迫力満点。軍隊が関与することで戦闘機や爆撃機がたくさん飛び交い、ミリタリー好きが狂喜する映画になった。まさにロボットアニメの実写版ですね。それも「エヴァンゲリオン」じゃなく「マジンガーZ」の世界。理屈はいらん。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-06-09 21:21:51) |
1134. デッドコースター
《ネタバレ》 前作の主人公があっさり死んでいることに感心。ただ一人生き残っていた前作のヒロインも予想に反して終盤で落命。この思い切りの良さがこのシリーズの特長でしょう。死から逃げる究極の方法は「死んだフリ」でした。世の中の事故死は、実はすべて繋がっていると解釈できる構成はスケールが大きいんだけど、自分の死を想像するほど怖くはない。どちらかというと、テレビ局の車に轢かれかけた少年の死が怖い。いちど死にかけた人には死亡フラグが立っているってことだから。自分の過去に照らして、ヒヤっとした経験が「死にかけ」だったのどうかが気になりますなw。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-06-08 21:56:41) |
1135. アンノウン(2011)
《ネタバレ》 序盤の交通事故から累積して行く不可解が自分には良い具合にサスペンスフルで、それを回収するためのオチも悪くないと思いました。物語に都合の良い記憶の欠落は「昏睡の後は記憶が混乱する」と医者に言わせたことで解決なのでしょう。暗殺集団の兄ちゃんたちのモタモタも、最初は主人公を殺さずに動きを封じることを目的にしていたと考えると説明がつく。辻褄はあっていると思う。でも、主人公が自分が何者かを思い出してからの展開に大きな疑問符が付き最後まで尾を引きました。周到に練った計画の首謀者が、その計画を思い出した途端に阻止する側にまわる理由が分らない。その変心に納得の行く理由があれば相当に高く評価できたが、当たり前のように正義の味方になったのはご都合主義というより不可解です。そこで大きく減点はしたけれど、それでも最後まで退屈しなかった流れは評価します。ダイアン・クルーガーはやっぱり美しい。「あの美人に惚れたから」でも十分な変心理由になるとは思うけど、そんな描写は無かったものね。 [映画館(字幕)] 5点(2011-06-06 23:44:17)(良:2票) |
1136. どん底(1957)
《ネタバレ》 最低の生活を営む人たち、という意味なのだろう。社会の底辺そのままに、立地的にもゴミを投げ落とされる低地に建つ傾いた長屋。ちょっと雨が続けばすぐに床上まで浸水しそうで不衛生極まりない。そこでろくに仕事もせずにたむろする奴らはお互いを労わり合うのではなく、傷に塩を塗り合いながら生きているような殺伐とした空気。でも、なんかバイタリティは感じるんだよね。そんなにギャーギャーと騒ぐ元気と暇があるなら仕事を捜せよ、って感じでした。これ、現代の視点では悲劇というより喜劇でしょう。ちなみに屋内が間仕切りなしで繋がってる「長屋」を初めて見ましたが、あれが正しい「長屋」なのでしょうか? [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-05-29 01:12:20) |
1137. 劇場版TRICK トリック 霊能力者バトルロイヤル
4年に1回。忘れたころにやってくるオリンピックみたいな映画化ですな。いや、年度で言ったらワールドカップか。ゲストの力に頼るのは、まぁ正しい姿勢でしょう。おかげで退屈はしませんでしたし、悪ふざけが過ぎた第2作より良かったです。花やしきとか貧乏とか二人の関係とか、確信犯で同じことを繰り返してますね。今回、劇場版3作を一気に観たために主演女優の高齢化はやはり目に留まりましたが、さらに4年後・8年後・12年後にこのワンパターンを続けていたら面白い価値が出てくると思います。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-05-28 10:57:09) |
1138. TRICK トリック 劇場版
個人的には仲間由紀恵と阿部寛の出世作と思っているシリーズの劇場版。あくまでテレビシリーズのエッセンスだけで制作されていて、劇場用に厚化粧している訳ではない。それでも楽しく観れたので、コストパフォーマンスという意味では成功でしょう。劇場で観たら不満が残るかも知れないがレンタルや放送で観るなら十分。ん? それって映画じゃなくってドラマで十分ってことか…。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-05-28 01:02:49) |
1139. 東のエデン 劇場版 II Paradise Lost
《ネタバレ》 この物語の骨格はジュイスの存在。その機能を最後まで使い切ったことで、シリーズを通してまとまりのある作品に落ち着いた印象は持ちました。ジュイスもセレソンの性格を映すように個性があり、AIだと分かった後でも人間より人間らしく感じられて楽しかった。NYの映画バカとジュイスの遣り取りは特に面白い。主人公の滝沢は捉えどころがないけど、とてもいい奴で魅力的。周囲を驚かせる判断や行動に嫌味を感じさせない造形が秀逸でした。キャラクターということでは、ジョニー狩りのお姉さんが大好きで、映画版での出番が少なめで残念でした。全体的には、細部を上手く作りこんだ上質なアニメだったと思います。滝沢が最後に取った手段は、不可ではないが合格というレベルでも無いという意見です。解答を他者の判断に委ねた部分が多く、口当たりは良くても永く続く訓戒にはならない。荒唐無稽な結末を用意する監督ではありませんが、アニメというメディアならもう少し突き抜けても良かったかなと思います。現代はとかくニートの性向だけが取り沙汰される世の中ですが、その対極に「アガリを決め込んだ大人たち」を配置することで、社会問題を違った方向から照らそうとした作品でした。ただ、ニートがニートたる原因を年長世代に転嫁するなら、もう少し年長世代を描写しないと説得力がありません。世代的には私も「アガリを決め込んだ大人たち」に分類されます。自分としては、揺れる景気に翻弄されて我が身のことで精一杯って気分なんだけど、就職先が見つからない若者からはそんな風に映るのでしょうか。決して若者世代、ニート世代を切り捨てている意識は無いんだけど。企業は利潤を追求する組織なのでデキない社員は切り捨てられますが、欲や上昇志向を持った若者はどこも歓迎しているはずです。私は経営者じゃないので大きなことは言えませんが、企業には新陳代謝が必要でそれを担うのは若者だと思っています。エラそうですみません。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-05-18 00:13:31) |
1140. ブラボー!若大将
《ネタバレ》 これはかなり新鮮でした。挫折を味わう若大将。シリーズ15作目にして初めてだと思います。まず、付き合っていたお嬢様(銀行頭取の娘)にフラれる。本人は結婚を前提にしていたつもりだったのに、相手にその気は無かった。次に上司とぶつかって会社を辞める。経営方針と噛み合わないことが原因で、主人公の態度はサラリーマンとしては威勢が良過ぎました。そして次の仕事はすぐには見つからない。彼が持っている矜持や鷹揚さが、必ずしも良い方向に転がって行かないシナリオは、これまでの幸運のツケを払っているような風情でした。新たに出会った女性(酒井和歌子)に「(実家の)すき焼屋の出前でも付き合ってくれる?」なんて聞く台詞が情けなくってかわいい。自分の方から女性に向かって素直に気持ちを告げるシーン自体が過去にほとんど無かったので、かなり弱っていることが察せられました。大学時代からの親友で妹の夫となっている江口(江原達怡)と大学の運動部(本作ではテニス)に顔を出して、昔を思い出して元気を取り戻すシーンは、シリーズをずっと見ている者として共感できました。なんとか仕事も女性関係も家族関係も落ちついて日を重ねると、次第に運が向いて来る。悪い時期があっても腐らずに。このシリーズとしては珍しく教訓らしきものを感じる作品でした。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-05-04 16:07:33) |