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アングロファイルさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1000
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 レビュー数が1000に達したということで、活動を停止します。(今のところ)仕事がひじょうに忙しいので、映画を楽しむゆとりがありません。落ち着いたら再開するかもしれませんが、とりあえず未定です。

皆さま、ありがとうございました。縁があったらまたお会いしましょう。

※変更要望は出すかもしれません。

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101.  東京オリンピック 《ネタバレ》 
初めにお断りしておきますが、私はスポーツにはまったく関心がありません。ただオリンピックの記録映画だということだけで、見てみました。 色々な競技を次々と映していくので、そういう点では平板で退屈になるときもありました。しかしそこを映像的な工夫で補助していて、全体としては飽きずに見ることができました。特に印象的だったのは、女子ハードルと自転車競技。前者の、全走者を正面から捉えたショット、後者の自転車を流した撮り方、共通しているのはカメラを固定しているということでしょうか。スポーツの場合どうしても競技者の動きに合わせてカメラも移動するのが常でしょうが、そこを逆手にとったあたりがよかったと思います。競技者以外の裏方を映しているのも、大会全体を見せるということで成功していました。個人的には、こちらをもっと紹介してもらいたかったほどです。また、マラソンの給水場では、先頭走者以外のさまざまな様子が見て取れて興味深かった。こうしたところも、この映画の長所でしょう。このように、なかなか面白い見どころのある作でした。 1964年といえばまだ東西陣営で争っていた時代ということで、それを緩和するイベントとしてオリンピックが成り立っていたと思います。それはスポーツの政治利用という面もありますが、近年のようにオリンピックの場であからさまにナショナリズムを掲げることはなく、むしろそれを隠すことによって緊張をほぐすという、ある種の上品さが伺えました。そういう時代の記録としても、この映画は価値があると思います。 昨今のオリンピックはもっぱら商業利用が目的のようですが、おかしなナショナリズムに利用されるならば、むしろそちらの方が健全ではないかと思ってしまいます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-01-03 17:29:25)(良:1票)
102.  眠狂四郎 無頼剣 《ネタバレ》 
このシリーズ、三隅研次監督はすでに担当した経験があるというものの、脚本が伊藤大輔で音楽は伊福部昭、敵役が天知茂とけっこう豪華。そのためか、なかなか見ごたえがありました。三隅監督もいろいろ凝ったショットを撮っていて、映像的にも楽しめます。お話としては、序盤に回想や伝聞を多く使ってちょっともったいをつけたようなところがありますが、徐々に人物関係が明らかにされていくところは面白い。なんといっても、このストーリー展開が楽しめます。 本作の最大の欠点は、眠狂四郎シリーズだということでしょう(笑)。主人公は別に狂四郎でなくても問題ないですし、むしろ他の人物だった方が、より自然な話になったと思います。愛染が円月殺法を使うのも、無理やりシリーズと結びつけようとするだけで、実質的に意味はないし不自然。その愛染が最期に弥彦屋の娘がどうこうと言うのも、家を爆破して父親を殺しているのをこちらは知っているので、どっちらけもはなはだしい。うまくやれば傑作になったと思うのですが。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-12-06 22:55:02)
103.  眠狂四郎 炎情剣 《ネタバレ》 
これまでに見た『殺法帖』や『勝負』に比べると、まだよかった。対立する2つの組織に関わる主人公というのは『用心棒』の影響かもしれませんが、本作での狂四郎はどちらにも積極的に与しないし、距離のとり方がいい。「あくまで俺は俺」というところが、ニヒルな剣士らしかった。冒頭助太刀する場面以外では情に流されすぎず、クールなところに魅力を感じました。本作のように「望まないのに争いに巻き込まれ、面倒なことはできるだけ避ける」という話の方が、妙に人のいい『勝負』などより楽しめます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-11-16 18:04:29)
104.  グレートレース 《ネタバレ》 
ナルホド、『チキチキマシン猛レース』ですか。たしかに教授とマックスは、ブラック魔王とケンケンみたいですね。ミス・デュボアが出発するときの衣装はミルクちゃんそのものですし。するとレスリーがキザトト君? さすがにオネエ言葉では喋っていないと思いますが。 ドタバタコメディとしては楽しいのですが、少々長い。あと、ミス・デュボアにあまり魅力が感じられません。特に出発前編集長に売り込むあたりは、かなりイライラしました。劇中で男女同権を叫ぶ割に、彼女自身の劇中での役割は、「主人公に対するヒロイン」の範疇を出ていないと思います。何度も助け出されていますし。だからもしかすると、これは女性運動に対する皮肉か揶揄なのかもしれません。そういうこともあって、どうも彼女の存在が邪魔。普通にドタバタ・レース合戦だった方がより楽しめたかと思います。 それにしても、フェイト教授の笑い声が、『マイ・フェア・レディ』のヒギンズ教授を思い出させてなりませんでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-09-19 19:33:06)
105.  ドドンパ酔虎伝 《ネタバレ》 
基本的には忠臣蔵外伝みたいな趣向で、高田馬場の決闘がクライマックスになっています(ただし松の廊下事件はすでに起こっていて、赤穂の藩士は浪人)。それともう1つ、安兵衛が長屋の連中のために一肌脱ぐ話があるのですが、この2つにあまり関連がないことが残念でした。しかし本作では、時代考証無視の「酒呑みコンクール」とか、ドドンパ大流行(大高源吾作詞・中山安兵衛作曲!)あたりが面白いので、あまり気になりません。若い女優2人はあまり魅力を感じませんが、脇役がなかな濃いのでこれも大きなマイナスではありませんでした。前半は歌う場面が多かったのに、途中から普通の時代劇になったのも残念。などとよくない点もありますが、明るく楽しいコメディ時代劇で楽しめました。
[地上波(邦画)] 7点(2013-09-07 22:22:31)
106.  宮本武蔵 二刀流開眼 《ネタバレ》 
「二刀流開眼」といっても、二刀流はちょびっとしか出てこない。「宮本武蔵」といっても、途中からもっぱら佐々木小次郎の話になっちゃう。という、看板に偽りありの作品ですが、つまらないわけではない。関係者が偶然出会いまくるあたりは笑っちゃいますが、面白いので許す。五条の橋にゾロゾロ集まってくるあたりは、なんだかワクワクしてきます。朱実を助けるのは、本位田のおばばでなくてもいいかもしれませんが。しかし清十郎が弱すぎ、肝心のクライマックスが盛り上がりません。佐々木小次郎が高倉健というのも、個人的には違和感があります。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-20 21:47:55)
107.  宮本武蔵 般若坂の決斗 《ネタバレ》 
エピソードの羅列という感じが強いのですが、それなりに楽しめます。一番印象的だったのは、日観師の影法師発言ですね。ものすごく納得してしまいました。入江若葉はよくなったけど、今回は出番が少なくなってしまいました。お杉婆さまとか、ほとんど顔見せ程度ですね。使い方が贅沢。映画としての面白さは、1作目に負けているように思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-18 10:45:58)
108.  宮本武蔵(1961)
こういう映画は、評価が難しいんですよね。1本だけでどう扱っていいのか困ります。とりあえずは、単体でも面白く鑑賞できました。やはり沢庵和尚ですね。飄々としていながら武蔵に人間らしさを説く。三國連太郎おみごとです。暴れん坊の武蔵は、人間の小ささがよく出ていました。ただ、デビューしたばかりの入江若葉には辟易しました。いくら有名女優の娘だからといっても、もっと小さな役で出せばいいものを。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-17 16:57:10)
109.  伊豆の踊子(1963) 《ネタバレ》 
文芸映画らしく品があってけっこうでした。学生と踊り子、さらには酌婦と、同じ世代でありながら越えられない壁に隔てられた時代がよく描写されていました。踊り子が無邪気であるだけに、いっそうそれが引き立ちます。大坂志郎の芸達者ぶりも見もの。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-07-20 22:33:58)
110.  喜劇 女は度胸 《ネタバレ》 
ちょっとした誤解からドタバタ騒動が巻き起こるコメディですが、その根底に学の性格の弱さがあります。草食系男子って、別に近年のことではないですね。彼の場合、特に気が弱すぎかと思いますが。秋山家の大喧嘩はかなりうるさく、私はドラマの『寺内貫太郎一』を思い出しました。これがちょっとしつこい気もしました。しかし、こうして遠慮なく本音をぶつけ合えるというのも、家庭内平和の方法かもしれません。昨今では本音を隠し続けてブスリ、なんていう話が多いように思います。ラストカットは、家族という離れたくても離れられない絆を象徴しているようで、秀逸でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-07-12 20:46:17)
111.  喜劇 にっぽんのお婆あちゃん 《ネタバレ》 
いやー、これまたすごい。出演者の面々を見ているだけで、圧倒されそうです。その中でも、主役の蝶々さん北林さんが抜群。特に十朱幸代以下の店員さんとの交流がいいエピソードでした。話が進むにつれて「悲喜劇」になってゆき、社会性が深まっていきますが、その進展ぐあいも自然でよかったと思います。ただ、サトさんが帰宅してからの描写がストレートすぎて、あのあたりももう少しユーモアを感じさせたらよかったと思いますが……。 今となっては、この映画に出てくるような養老院すら幸せとは限らないというところがありますが、そのあたりは本作でも、インタビューされてブスッとしているくみさんや、最後に腕組みして考え込んでいる渡辺文雄の画で表されていると思います。そう考えると、なかなか「昔の映画」とばかり言っていられないでしょう。かなり深いところがあると思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-07-11 17:51:32)
112.  ナバロンの要塞 《ネタバレ》 
船が座礁するあたりはちょっと退屈でしたが、上陸してからは面白かった。フランクリンの怪我が利いていますが、そのプロセスはちょっとあざとかったかも。ミラーとフランクリンの関係など、もう少し細かく描いていたら、後半でのミラーの言動は更に説得力が出たと思います。しかし、フランクリンの扱いや、裏切り者をめぐるやりとりは印象的で、ドラマとしての厚みを与えています。とはいえ、あくまでエピソードとしてとどめていて、主眼の大砲爆破をきちんと描いていたのはよかったです。アクション冒険ものの上にドラマを配した、なかなかよくできた映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-07 08:40:26)
113.  動く標的 《ネタバレ》 
ハードボイルドらしいところといえば、最初のクレジットのところとか、終盤でハーパーが「1年のうち5~6週間だけが楽しい」とか言うところでしょうか。個人的には特にハードボイルドが好きというわけではないので、あまりピンと来ませんが。ただしハードボイルドを離れても、ハーパーというのはなかなか興味深い人物ではあります。 ミステリーとしてはまあ普通ですが、情報が次から次へと簡単に手にはいるのはどうかと思います。そのあたりがフィクションの限界でしょうか。謎解き云々よりも、新興宗教を隠れみのにして不法移民を受け入れるというあたりに、風俗的な面白さを感じました。ただ、夫が死んだと伝えられたサンプソン夫人が妙に嬉しそうだったり、その前後のミランダを意味ありげに映していたり、事件の実行犯が都合よく全員死んだりと、まだ裏があるのではないかと思わせるところがあります。もっともそれも、ハーパーに関係がないといえば関係ない。そういうところは妙にリアルでした。 まあこの映画の最大の謎は、原作のアーチャーがハーパーに変えられて、しかも映画のタイトルにまでなっているということでしょうけど。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-03 22:22:25)
114.  遥か群衆を離れて(1967) 《ネタバレ》 
基本的にメロドラマなので、途中休憩を挟んで3時間近くもあると、さすがに途中で飽きてきました。しかし後半は怒濤の展開で、引き込まれます。 そもそもヒロインのバスシバが世間知らずの上、(あまりそうは見えないものの)感情的なもので、メロドラマとしてはあちらへフラフラこちらへフラフラと、見ているこちらも落ち着きません。彼女を誘惑する軍曹(テレンス・スタンプ)も同じタイプで、口で言っていることと本心とがけっこう違っています。これが大きな悲劇を生む元で、本作を見ると、人間というのはずいぶんいい加減なものだと思えてきます。ある種の業のようなものをメインの3人が体現していて、そのあたりがメロドラマでも文芸的だと感じさせるところです。こういう部分がなければ、最後まで見られなかったかもしれません。 これに対してガブリエルが理性派代表のような立場にいます。結末を見るとそれが最後に勝利するということかもしれませんが、しかしあれはちょっと納得しかねるところも。「愛情がなければダメ」と言っていたバスシバ、あっさり結婚しすぎでは……。 農民の生活が活写されており、風景も美しくそこは見ものでした。民謡を生かした音楽もよかったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-17 21:42:25)
115.  サボテンの花 《ネタバレ》 
なかなか面白い。特にステファニーがショールを贈られてからの暴走ぶりは楽しめました。ゴールディ・ホーンは、最初中学生かと思ったほど子供っぽく見えますが、役柄にぴったりでしょう。脇役も個性的な人がそろっています。 物語としては、ウソを重ねてにっちもさっちも行かなくなるパターンで、よくありますがそれだけに安心感があります。しかし、そのため不自然に感じてしまうところもあり、トニは不倫相手の妻に気を遣いすぎではなかろうかとか、ジュリアンがあれほど女性にもてるのがよくわからないといったところは、気になります。それに、あれだけ嘘を並べ、恋人を騙しておきながら結局ハッピーエンドとは、素直に納得しかねます。やはり、モテモテでも不思議でないキャスティングにしてもらいたかった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-09 21:49:26)
116.  グラン・プリ(1966)
カーレースが延々続くと飽きてきそうですが、カメラワークの工夫もあってそうは感じませんでした。大画面で見たら、かなりの迫力でしょうね。レーサー視線の映像は酔いそうですが……。画面分割は、成功したかどうか疑問。「喜」と「悲」を切り替えるシーンがいくつかありましたが、これは効果的でした。 物語としては、レーサーというのはレース以外に女のことしか考えていないのかと思いそうです(笑)。死と隣り合わせのレースに賭ける生き様を描いていてそれなりに見られました。おかげで長時間も気になりませんでした。女優さんではエヴァ・マリー・セイントよりもジェシカ・ウォルターの美しさが印象的。三船敏郎の口元を見る限り、ちゃんと英語をしゃべっていたようですが、英語の声は明らかに本人とは違っていましたね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-04 11:13:57)(良:1票)
117.  豚と軍艦 《ネタバレ》 
序盤はヤクザものかと思いましたが、良質の青春映画でした。欲に振り回される大人、その大人に振り回される若い2人。先の見えない生活に爆発して悲惨な最期を迎える近太は哀しいですが、春子に希望を託すラストが見ていてさわやかでした。コメディとしてはまあまあ笑えました。加藤武の暴走ぶりがいいし、死にきれなかった兄貴が生命保険の看板に掴まるところは特におかしい。しかし本作で一番光っていたのは吉村実子。決して美人というタイプではありませんが、顔つき、特に視線が力強く印象に残ります。 セリフがやや聞き取りづらく、人間関係や話が見えにくいところがあって残念。そのせいかどうか、基地の問題(「アメリカにたかる」という構図)を扱っているようですが、あまり感じられませんでした。しかし『俺たちに明日はない』のような、“破滅型青春ドラマ”として見る価値はありました。けっこう豪華なキャストも見ものです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-27 18:05:52)
118.  智恵子抄(1967) 《ネタバレ》 
言うまでもなく高村光太郎の智恵子抄ですが、そのままではドラマ化しにくいのか、佐藤春夫の小説版を原作にしています。 2人の出会いから智恵子の死まで、ていねいに撮られています。序盤のややぎこちない関係から結婚まで、見ていてほほ笑ましいのですが、そんな中にも後半への伏線がちらほら……。こうした構成はうまい。それにしても、高村光太郎は芸術家として激情型だと勝手に思っていましたが、本作ではそれほどでもない。厳しさは感じさせますが、智恵子の前だとなんだかフニャフニャになるのがおかしい。 後半智恵子がおかしくなってからは、もう岩下志麻の独擅場。ここですごいのは、智恵子が最初は正気な時もあって、自分が狂っていくことを自覚しているということ。これは怖い。このあたりから最終的におかしくなるまで、目が離せません。本作での智恵子さんはたおやかではかなげなイメージがあるので、暴れたりする時には哀れさが増す、ような気がしました。 全体としていいと思いますが、時間の関係かエピソードの羅列に流れたのが残念でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-22 20:14:05)
119.  古都(1963) 《ネタバレ》 
これはまず、なにはさておいても岩下志麻の二役がすばらしい。もちろんメイクもあるでしょうが、育ちの違いによってかもし出される雰囲気まで伺えます。たおやかだけど弱さもある千重子。芯の強さをもつ苗子。2人が並んでいると本当に別人のようで、とても合成とは思えません。 物語としては、「育ちの違いによってできた、越えようにも越えられない大きな壁」を扱っています。その作の舞台を京都に選んだというのは、さすが川端康成。主人公2人以外の人も、このテーマを強調しています。長門裕之演ずる秀男は、クレーに触発されたデザインの帯を織ってしまうほど、現代的な若者です(デザインした父親との対比も生きていますね)。しかしそんな秀男でも、その壁は越えられなくて、結婚相手に苗子を選ばざるをえません。千重子の両親も、そんな壁はないような発言をしていますが、それだけに現実の厳しさが思い知らされます。これで悲恋ものならありきたりですが、姉妹の話にしたところが新鮮で、成功してると思います。 映像面では、なんといってもにわか雨のあと日が差してくる、あの場面が最高です。2人の間に希望の光が差すようで、とても美しい。全体的にはセットが多いようで、もう少し当時の京都の街並みを映してほしかったところです。市電も一瞬しか登場しなくて残念。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-15 20:32:12)(良:1票)
120.  妖星ゴラス 《ネタバレ》 
これも昔テレビで見て以来。覚えていたのは「南極に基地を作って地球を動かす」ということと、怪獣マグマが出てくることくらい。改めて見たら、かなりまじめに作ってあります。地球を動かすのに660億メガトン必要だという計算は、正確なのだそうな。それを基に大法螺をでっち上げるのは愉快です。この映画はそうした地に足のついたところがあるのがいい。最初の隼号の犠牲もありそうですし、そのあとの予算をめぐってのやりとりなど、全然SFではありませんが、「現実らしさ」にひと役買っています。それに乗じて(?)細かい部分がけっこういい加減だったりするのには、笑ってしまいますが。人間ドラマが足りないと感じたのか記憶喪失が扱われていますが、全体から浮いた感じがします。水野久美の彼氏も誰だかよくわからないし。もしかしたらマグマ登場のためカットされた部分があって、そこでなにがしかのドラマが展開していたのかもしれませんが、そこまではわかりません。なんにせよ、もう少し時間があれば補足できたと思いますが、当時は二本立て興行が基本でしたから、限界だったのでしょう。こういうところでは常識を越えられなかったか。 クライマックスには東京が大津波に襲われるのですが、3.11以降にこれを見ると、いずれこんなことが現実に起こるかもしれないと不安になります。しかし危機が去ったあとは、みんな拍子抜けするほど気楽で、街の再建に意欲を燃やしています。現在の日本にもこうした意気があればいいと思いますが。そういう点では、現在こそ見る価値があるかもしれません。ただ、本作の基本は「科学の力で自然災害を回避する(人間の知恵と科学の勝利)」ということですから、それを考えると複雑ですが……。ちなみにゴラスは彗星でも隕石でもなく、黒色矮星というものだそうです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-14 21:26:25)
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