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Nbu2さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 345
性別 男性
自己紹介 「昔は良かった」という懐古主義ではなく
「良い映画は時代を超越する」事を伝えたく、
 昔の映画を中心にレビューを書いてます。

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121.  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱 《ネタバレ》 
私はカンフー映画のファイトシーンとミュージカル映画のペアダンスは同じ概念で考えている。つまり演者は自分の技量を思う存分発揮するだけでなくパートナーの事を考えアクション(ダンス)を一つの作品として美しく楽しく激しく演じるべきであり、それが上手く出来ていれば作品上の多少の「粗」というのは気にならないものである。点数としてはこんなもんだが、この映画はカンフー俳優としてのリー・リンチェイ最高傑作として挙げておきたい。共演者の熊さん&ドニーの力演にも助けられているとは思うが、特にドニー演じるラン提督とのカンフー・アクションはいつまでもスクリーンで堪能していたい、という程の迫力(その後の「HERO」の共演が個人的には残念であっただけに)である。香港映画には珍しくちゃんと話を回収しようとしている点(孫文の扱い・イー叔母さんへの護身術指導)も好感がもてる一本。しかし、この映画ももうすぐ制作から20年かぁ。
[映画館(字幕)] 7点(2011-06-18 09:10:08)
122.  地獄の英雄(1951) 《ネタバレ》 
彼の作歴上では「サンセット大通り」に負けず劣らずけれん味溢れた一本だと思う。特に寂れた町に集まる・散らばる群衆を描いた一連のシーンははっきり言って馬鹿馬鹿しいくらい大げさな表現に終始してしまっていて可笑しい。(ま、その位「真実を見抜けない」愚かな大衆を描いている=アメリカ人ではない監督ワイルダーの視点を感じるのだけど)あとは俳優カーク・ダグラスの凄い「目力」を堪能しよう。息子マイケルにもその資質は引き継がれている。が眼にいろんな感情がこもっている分、やっぱりお父さんの方に迫力を感じる。下の方も書かれているがそこまで悪漢を演じていた彼が改心するに至る流れが弱すぎる事、あとは彼以外の俳優に魅力が足りないのがちょっと惜しいかなという気がするが、この主題に関しては制作から50年以上経った今でも理解・共感出来るはず。隠れた佳作。
[DVD(字幕)] 8点(2011-06-05 17:03:31)(良:1票)
123.  これでいいのだ!! 映画★赤塚不二夫 《ネタバレ》 
シェー!「『ゲゲゲの女房』が当たったからここは漫画家を題材にすベシ!」的な安易な企画設定とポイントのずれた脚本によってせっかくの役者の熱演も無駄にしちゃった、というのが正直な感想なのだ。個人的には赤塚先生の破天荒な行動の数々は「弱者への限りない優しさ」そして「他人を喜ばせたい=孤独を嫌い、寂しさを紛らわせたい」という想いから来ていたものであり、それは年少時に満州からの過酷な引き揚げ体験を経験していたという「闇」からの逃避であったのでは無いかと思うのだよーん。だから「あまり乗り気でなかった仕事/赤塚先生の魅力を感じて~」という話にするのならもう少し先生の多面性を詳しく描いていただきたかった、と思うのココロ。堅物な男性編集者浅野が赤塚先生に感化されて、のびのびと人生を渡り歩く的な話だったらまだ説得力が増したのにまさに賛成の反対なのだ、である。でも、でも、でもである。ご自身が映画の主人公として取りあげられた事に関してきっと赤塚先生は照れくさそうに微笑まれているに違いない。学費がなくて高校へ行けなかった先生は「少しでも映画の世界に浸りたい」と映画の看板屋に就職し漫画の腕を磨いていったんだ。ご自身が売れっ子作家になった時制作したのは「下落合焼き鳥ムービー」だよ!所ジョージにタモリにたこ八郎だよ!この点数はそんな愛すべき映画好き、赤塚不二夫先生への想いを込めた点数である。そんなわけで支離滅裂なレビューになってしまったがこの場合は作品憎んで先生憎まず、いつものあれで閉めようではないか。これでゐゐゐだ!以上。
[映画館(邦画)] 4点(2011-05-11 22:39:33)
124.  紅夢 《ネタバレ》 
現在の彼の作風は妙な「あざとさ」ばかりが目について正直好きではないのだが少なくとも「秋菊の物語」「活きる」くらいまでは抑えた表現もありの、まさに「緩急を使いわける映像」にとても関心させられた記憶がある。そんな彼のキャリアの頂点は今のところこの一本。古い屋敷にうつる紅い提灯の怪しげな美しさや閉鎖的な空間の中で女性達が繰り広げる狂わしい程の怨念(20代の自分にとってあの紅い色=子宮から流れ出る経血を感じてました。お恥ずかしい)、最後主人公に起こった悲劇等内容的にも見応えある話だがこれは「見せない(もしくはポイントのみ見せる)」彼の演出の巧さを堪能すべきと思う。あえて説明しない=観客の想像力にまかせる事で強い印象に残る演出もあるのだ(こんな事言いたくは無いが、余計な説明の多い変に長い映画のなんと多い事か)。主人公が迎える悲劇的な最後に至るまでの展開が性急すぎるかなとは思うが機会があればぜひ。てか監督イーモウと女優コン・リーの黄金コンビ、DVD発売の機会が無いというのは如何なもんでしょうか。
[映画館(字幕)] 8点(2011-04-25 23:13:18)
125.  カイロの紫のバラ 《ネタバレ》 
W・アレンの映画によくある『グッド・オールドファッションド(かっこつけてカタカナにしました)』感覚に古くささを感じてしまう自分だけど、これは狡いくらいに映画ファンの心を鷲づかみにしちゃう一本だと思う。現実とスクリーンに映る夢は違うものと認識させられたヒロインと自分達観客。だけど最後に映る「トップ・ハット(Heaven~♪I'm in Heaven~♪)」で希望を与えられる、というラスト、はっきり言って卑怯だろう。でもいいんだ。そういった雰囲気作りのうまさ(役者ファローの全盛期!)にうならされる一本。 
[映画館(字幕)] 9点(2011-03-27 21:11:47)(良:1票)
126.  平成ジレンマ 《ネタバレ》 
それぞれの「ジレンマ」を感じてしまい、やりきれない気持ちで映画館を出た。解決策は何も見えてこない。進むべき道がわからないまま(傾いたヨットやスクールの壁に開いた穴、『協調性を養う為の』オカリナの音が強い印象を残す)苦しんでいるスクール生。自らの教育理念たる「体罰=必要な事」が思うように出来ない・学校教育下の問題を受け止めているだけで根本的な解決策が取れない=「こんなこと、やりたくない」とぼやいている校長戸塚。ニートや引きこもりが年々増え続けてゆく中で受け入れ体制も、これといった方針もとれないまま「ゆとり」教育を続けている行政。そんな状況を見つめつつ表層的な事実のみ伝えているだけのマスコミ。どうしたらよいのだろう?そういった鬱屈たる思いを抱えながら、社会の現状を見つめ直し他人事ではなく「自分達の」問題として胸にかかえてゆく事が大切と思う。もとはTV用である以上映画としては落ちるところはあるけれど、TVドキュメンタリーの置かれている立場(劇映画に比べて制作予算/宣伝も、そして発表する機会も少ない現状=良作が埋もれてしまいがち)や「映画館での上映」という新しい試みに対して何とか光があたってもらいたいという意味を込めてこの点数にする。いまのところ関係者に配慮してソフト化の予定は無いとの事、機会があれば是非。しかしこの思い、上手く文章に出来ないな。これもジレンマか。
[映画館(邦画)] 8点(2011-02-20 16:38:46)(良:1票)
127.  浮雲(1955) 《ネタバレ》 
正直若い頃にこの映画を見た感想は「退屈」、それしかなかった。「稲妻」「おかあさん」「乱れる」を観ていてじゃぁこの傑作に!と臨んだらこれだ。あり得ないくらいの暗いトーンに繰り返し流れる重苦しい音楽。森雅之が演じる富岡の屋久島赴任に伴う高峰の「私も連れてって!」に関しては最後憤怒の情すら湧いた。なんじゃそら。ところが今日この映画を見直して本当に胸うたれた。年を経れば経るほど恋愛には不安や暗い面が伴うこと。と同時に若き日の想い出はなぜか明るく楽しかった事しか覚えていないこと。昔の想い出から抜けきれないまま(日光のあるシーンというのが過去の赴任地=インドシナの想い出のみというのが深い)、どこまでも墜ちてゆく彼ら二人とそのような世界を構築した監督成瀬の凄みを感じてしまった。無駄なベッドシーンばかり挿入し「性欲まるだしでーす」みたいな不倫を取り扱うばかりの今の邦画界はこの映画を観て、猛省していただきたい。同じ時期に大石先生とゆき子を演じていた役者高峰の素晴らしさ(この人の魅力は顔もさることながらあまり美声とはいえない「声」)もあるけれどやっぱり森雅之の演じた富岡=邦画史上どの役者も真似できない、役柄の造形につきる。高峰さんの訃報を受けて書いたこのレビュー。今頃天国では成瀬&木下監督が早く高峰さんと新作を撮りたいとウズウズしているよ!改めてご冥福をお祈りします。
[映画館(邦画)] 10点(2011-01-01 13:07:26)(良:3票)
128.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 
隣人とは仲良くしておこう。という一言で片付けていいくらいの都合良すぎる話と思う。ただここは役者・演出・脚本の三拍子がそろっている分あざとらしさ、嘘くささが感じられないのが上手いところ。ワイルダーの手にかかれば割れたコンパクトも、テニスラケットもシャンパンも帽子もひからびたパスタでさえ魅力溢れる小道具に早変わり!「蛍の光」がこれほど印象的に使われている映画はない、という事もあげとこうかな。ラブコメディの古典。
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-26 19:01:10)
129.  有頂天時代 《ネタバレ》 
(情報が曖昧なので本当かどうか、わからないのですが)F・フェリーニが「ジンジャーとフレッド」を撮った時、取りあげられた当の両人は正反対の対応を取ったそうだ。アステアはフェリー二に感謝の一報を送り、ジンジャーは「告訴してやる」と息巻いた、とのこと。もちろん古き良きハリウッドを愛していたフェリーニであったから話は良作であり、そこには彼なりの深い愛情があったのは当然で最初自分がこの噂を聞いた時、ジンジャーの態度にもうちょっと大らかに構えてやれよと思ったものだった。ただ彼らの映画を見続けた今では仕方のない事、と思っている。つまり彼らが到達した領域は何人も侵すことの出来ないもので例えそれが尊敬の念であっても、貶める様な事は許されないと彼女は感じていたのではないか。それほどまでに彼らのダンスは素晴らしい。で、極私的彼らの最高のシーンは「Pick Yourself up」を挙げたい。踊りの呼吸があわなかった彼らが戸惑いながら踊りを合わせ遂には見事なまでのハーモニーを醸し出す。この場面を観て私の心も飛んでしまう様な楽しさが湧いてくるのでした。話?それは...まあ...もにゃもにゃ。
[映画館(字幕)] 7点(2010-09-26 16:55:45)
130.  赤い天使 《ネタバレ》 
監督増村と若尾文子(様)コンビは次の「華岡青洲の妻」で終わりを迎えるが、この作品でやること全てやりきったのでは無いか、という位の日本映画史上に残る「ド変態映画」。彼女にとって「身体を求める事」は常に死と隣り合わせであった状況下での生きている証であり、「身体を与える事」は血塗られた看護婦として残された最後の仕事・奉仕であったという厳しさ。敵の大群が攻め込んでくる中軍服コスプレプレイをしている、という時点でどうかしているのだが下手に裸を見せるよりも物凄いエロティシズムを感じてしまうのは自分だけか。戦場下で「人間性」など無意味である(バケツに無造作に突っ込まれた足や手の残骸!)事をうたいあげたこの作品は増村にとっての「反戦映画」なのだろう。ただHなシーンはともかく戦場/病院の描写、きっつーい。とりあえず増村+文子(様)コンビの映画は年代順で鑑賞すること、切に願います!
[映画館(邦画)] 8点(2010-09-12 19:25:52)
131.  イノセント 《ネタバレ》 
この作品は監督ビスコンティ自身の人生の投影ではなかったか。原作では生き長らえる男を作品中「自殺」に追い込ませたのは滅び行く貴族社会=監督自身の人生の終止符、これは「遺言」ですよね。しかし嫉妬深い身勝手な男の虚無感といったらもう。ジャンニー二にとっての最高傑作であると同時に、ラウラ・アントネッリにとっても単なるポルノ映画女優ではない役者としての器の大きさ(役柄が「貞操な妻」なんて、ありえんだろ。だからこそジャンニーニとの情事のシーンはそのギャップに凄みすら感じる)を示した一本。
[映画館(字幕)] 9点(2010-09-11 17:48:51)
132.  ラムの大通り 《ネタバレ》 
同じアンリコの名作「冒険者たち」が輝かしい夢・青春へのレクイエムとするならばこの映画は見果てぬ夢を愚直にまで追い求めた男のエレジーか。禁酒法の時代にカリブ海で酒の密輸に関わっていた男が無声映画で見たヒロインにあこがれ、ふとしたきっかけで彼女と出会い恋におちる。ここまでならこの映画は4点くらいの評価でしかないのであるが、この点数は何と言ってもラストのシークエンスに至るまでがとても良く出来ている事に対して。彼女と別れ投獄、幾月が経った後釈放され(すでに禁酒法は終わっている)酒を飲んだ後入った映画館で見た彼女の歌(「愛の歓びはつかのまの~」)。正直バルドーには演者としての魅力をこれまでは感じていなかったがこれで少し見直した。でもそれ以上にやっぱり良いのはL・バンチュラ。この人「哀愁」の醸し方に関してはベルモンドやドロンにない品の良さを感じる。
[映画館(字幕)] 7点(2010-08-28 23:48:58)
133.  不射之射 《ネタバレ》 
川本映画の魅力はもちろん人形造形と動作(ストップモーションの映像にしては物凄くなめらかで細かい!)だけではなく、ライティングやカット割りの工夫で無表情の人形に命を吹き込んでしまう映像作家としての彼の技量。そこに自分は安心感を持っているのである。弓の道を究めんとした男が最後にたどり着いた境地、それは作家川本の「愚直にまで自分の進んできた人形アニメ映画に取り組み全うする」事に結びつくのでは無いか。これはもうアニメ映画を越えた「芸術」。年に一度は見てため息ついてます。
[DVD(邦画)] 9点(2010-08-22 22:29:04)
134.  ある日どこかで 《ネタバレ》 
「主人公が余命幾ばくもない事/偶然見かけた美人女優のポートレートに惹かれ調べてゆく内に実は過去に...」という設定にした原作の方が話の流れとしては自然なのではないかな、と思うのだが「映像化」という意味ではとても上手く出来ていると思いますよこれ。ジョン・バリー+ラフマニノフの音楽・俳優の演技(役者リーブはこの映画で100年後の映画ファンに名を残す演技をした。断じてクラーク・ケントの人では無い)、主人公が惹かれたポートレートの裏話。そしてそしてラストシーン。もちろん原作も彼女との結びつきを暗示して主人公はあの世へ向かうのだが、「絶対このようにして彼らは再会している!そうに決まっている!!」とばかりに映像として具現化されちゃうと、「時を越えて二人は永遠に結ばれたんだ」という思いが湧き出てたまらないんですよね。初見は大学生。ヌーベルバーグだなんちゃらと言ってた頃には甘っちょろい話だと蛇蝎の如く嫌っていたくらいだが、今なら言えよう。新しい波、どっか行け~! 愛しい皆様と観賞下さい。
[ビデオ(字幕)] 8点(2010-08-14 11:23:36)(良:2票)
135.  荒野の七人 《ネタバレ》 
映画としては7点くらいの感覚でしかないがこの点数にしたのは1.オリジナルを痛快娯楽作(バーンスタインの音楽!)に仕立て上げた監督スタージェスの腕の良さ。2.オリジナルに対するリスペクトが感じられる点。(ま、ブリンナーは「七人の侍」というより島田勘兵衛=志村喬を演じたかっただけだと思うけど) 私にとってベスト吹き替え映画の一本。小林修/内海賢二/大塚周夫/小林清志/井上真樹夫/矢島正明/森山周一郎... これこそ本当の、マグニフィセント・セブン!
[地上波(吹替)] 8点(2010-07-24 20:21:00)
136.  風船 《ネタバレ》 
本当は「女優芦川いづみの最高傑作」だけですむこの映画のレビューだがそれだけでは寂しいので一言。北原三枝の演技も良い。多分彼女はルリ子や小百合やいづみ、雅子といった日活若手女優の中でも若い頃から演技力の幅・器が合ったと感じさせる一本。もちろんこのような小品で彼女達の演技を引き出せた監督川島のうまさあっての事だと思うが。
[映画館(字幕)] 7点(2010-04-03 11:47:38)
137.  硝子のジョニー 野獣のように見えて
山口百恵が芸能生活を生きてゆく上で参考になったのは芦川いづみのあり方だったそうだ。と週刊文春の座談会(おすぎ・大林宣彦等)で話が出ていた。なるほど確かに両者とも結婚引退し以降マスコミに顔を出さなかった事など共通点はあるにはある。ただ決定的に違っていたのは芦川いづみは「アイドル」ではない、女優としての力量を存分に発揮する前に消えていったという点ではなかったか。そんな彼女のベストは川島雄三「風船」であるのは『芦川いづみ会(なんじゃそりゃ)』の満場一致意見であるのだろうが、最良の一本としてはこの作品をあげたい。彼女はこの作品上のヒロインを演じ、純粋な美しさとはかなさで「道」のジェルソミーナに肩を並べた。話としては納得のいきかねるところがあるかもしれない(ありすぎだ!と友達はのたもうとる)。だがこの場合はアイ・ジョージと宍戸錠、芦川の傷ついたぼろ雑巾三人組の旅の成り行きを黙って見守るしかないのでは無いか。あと南田洋子の演技も特筆すべき。ちなみにこの映画、大林監督もベスト邦画30本の中に選んでおられます。
[映画館(邦画)] 8点(2010-01-16 12:25:12)
138.  エル・スール 《ネタバレ》 
夜が明ける。愛犬の鳴き声が聞こえる。静かな始まりだがスクリーンには何とも言いようのない緊張感が走る。母親の叫び声が聞こえる。枕元にあった父の形見。少女が父の過去を探ることで得た真実と悲劇。そして希望に溢れた「南」への旅立ち。エリセの映画は観客に対して想像力を想起させる点で本当に良くできていると思う。例えば父親の過去の愛人だった映画女優(「ミツバチのささやき」のフランケンシュタイン、といいこの人映画好きなんだなぁと感じる)や壁に書かれたいたずら書き、自転車に乗った少女が少々大人びて戻ってくるカットはまさに映画。スクリーンで見た時は本当に感激した。ラストもエリセが望まなかった、中途半端な終わり方かもしれないが、この映画を観た観客はもうわかっている。彼女はこの先どんな困難にあっても乗り越えてゆける、少女から立派な大人への段階を経たのだ、と。俳優。やはり80年代最高の男優はデニーロやホフマンではなかった。アントヌッテイその人である。限りなくこれは10点に近い9点。今日、私は南へゆくのです…。
[映画館(字幕)] 9点(2010-01-11 23:41:53)(良:1票)
139.  桃色(ピンク)の店 《ネタバレ》 
リメイクの「ユー・ガット・メール」もリメイクとしては良くできていると思うけど、やっぱりオリジナル版の(男女間だけではない)様々な「愛の形」がフィルムからあふれ出るこちらを私は好む。「男と女のそわそわ感」も「家族が待っているという幸せ感」も、「一人で感じる孤独感」もそれを救ってくれる仲間の心意気も全てひっくるめて撮しだしたルビッチの名作ですね。あとそんな暖かい空気が去った後の雪の静けさを特筆したい。話が大道すぎて落ちが見えてしまうという点と後は下の皆様が書かれている邦題の悪さがマイナスかな。ひとりぼっちのクリスマスもこの映画を見ていればOK。問題無い!
[映画館(字幕)] 8点(2009-12-26 01:03:01)
140.  斬る(1968) 《ネタバレ》 
「斬る」なんてハードボイルドな題名にしてしまうから「椿三十郎」と比較されてしまうのだ、この映画。これも原案は山本周五郎だしね。別題「いやなこったお城勤め」くらいの気持ちで見た方が得。この映画でもやっぱり喜八映画の肝である「体制への反骨心」が溢れている。主人公源太だけではない、百姓半次だって討伐隊の浪人隊長(岸田森好演!)だって、挙げ句の果てには家老にすら「武士なんてやめた方がいいよ」なんて言わせているんだから。また女性が紛れ込むことで若手志士達の結束力にひびが入る、という展開も男の阿保臭さを表して可笑しさが増す。映像表現でいうなら冒頭の握り飯をとりあう男達のショットや浪人隊と改革志士達の争い+両方の壊滅をもくろむ家老派の動きをテンポ良く見せるところなどにアクション映画の雄、喜八のセンスが感じられる。へたくそな監督ならこれ2時間くらい超えてしまう内容だよ。名作ではないけど快作としてお勧めの一本。
[映画館(邦画)] 7点(2009-09-27 16:40:12)
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