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果月さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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121.  ローズマリーの赤ちゃん 《ネタバレ》 
若い時に初鑑賞した時は、ラストにローズマリーが赤ん坊を殺すんじゃないか、と思ってビクビクしてた; 果物ナイフで刺したり、抱いたまま窓から飛び降りるとか…でも、そんな事はなくてほっとしたような拍子抜けしたような気分になった; ある程度大人になって、監督の生立ち等知って、他の怖さに気がついた。これは普通の善良な女性が「悪魔崇拝者」になる話じゃないだろうか? ユダヤ系の監督にとって某独裁者は悪魔に等しく、彼の支持者は「悪魔崇拝者」に見えただろう。 この映画の隣人達(悪魔崇拝者)は人間的にとても醜い。彼らに日常を破壊され心の平和も乱されるローズマリー。 しかし「悪魔崇拝者」達に最後まで罰は下されない。自分の妻を「どうぞ陵辱して下さい」と差し出した最低の夫にも。 唾をかけられるだけで俳優としての成功は揺るがない。100人中99人が「雪は黒い」と言う中で「雪は白い」と真実を言い通す事はとても大変だ。 周りから異端児とみなされ、叩かれる。 「●●●万歳!ユダヤ人を収容所に!」と周りが叫ぶ中、「迫害など許されない」と正しい事が言える勇気がある人はどれ程いるだろう? 前の彼女は、悪魔に穢されない為には命を絶たねばならなかった。最後にローズマリーは悪魔(子供)を受け入れる。 これは彼女が「悪魔崇拝者」になった瞬間であり、受け入れるという事は、彼女の心に悪魔が宿った事を意味しているのではないか? もう、不安に怯える事も苦しむ事もない。「苦しめる側」になったのだから…な、なんて怖い映画なんだ… 監督は私達に問いかけているのではないだろうか?あなたも心に悪魔を受け入れる日がくるかもしれない、と…
[DVD(字幕)] 7点(2009-12-12 00:34:17)(良:1票)
122.  DEATH NOTE デスノート the Last name 《ネタバレ》 
観賞時に「キラが出現して犯罪が減少」という子供の発想に頭を合わせねばならないので-3点から始まる;予備知識0で前編を観た時、後編の予告「第二のキラ現る!」で胸が踊る。「キラVSキラVSエル」の三つ巴か!?期待して観たら…共犯かい~!;デスノートVSデスノートって展開を期待してたのに…またも期待撃沈で-2点;映画で一番評価したいのは日本警察。原作の日本警察の無能ぶりは大罪ものだ。Lが真相にたどりついていたのに「身内意識」で邪魔してLを死なせた(その後の4年間で何万人キラに殺されたのか…)「キラが正義の暗黒時代」を防いだだけでもえらい。息子がノートに自分の名前を書くのを見た時の夜神パパの心境は察するに余りある。パパのお言葉「正義を追求」は肝に命じておかなければ。「何が正義か」を常に「考える」事が大切なのである。人間も世界も日々変化していく。昨日の正義が今日も正義とは限らない。「これが正義」と決めた時点で間違いも他も変化も許さない「独裁」になってしまう。真相を発表しないのは「死神」という人間では裁けないものが関与しているからだろう。ある意味、キラ月はノートによって作られた「別人格」と言えるのだから(ノートのない月は良い子だった)世界観に合わせた頭で観賞すると、いろいろ裏読み出来たりテーマも伝わってきておもしろかった。でも、原作を反映させようとしたところが中途半端になってた気がする。主な登場人物だけ同じにして、映画版の完全オリジナルストーリーにした方がもっとおもしろかったんじゃないかな~?
[DVD(邦画)] 5点(2009-11-26 16:26:15)
123.  DEATH NOTE デスノート(2006) 《ネタバレ》 
「キラが出現して犯罪が減少」というデスノートの世界観だが、現実ではありえない(死神がいる事ではない)いじめられっ子が「お前の名前をネットにさらすぞ」と脅せばいじめが止む?んな訳ないじゃん、いじめる側も「お前の名前をネットにさらす」と脅せるのだから。キラが嘘を見抜けたり、警察が手がかりの掴めない犯罪者を裁けるのならともかく、真偽も分らず警察が把握した犯罪者しか裁けないのだから役立たずだ。結局「嘘が上手い奴」「替玉作戦や警察を買収できる金、権力をもった奴」がのさばり、弱者や正直者がバカをみる世の中は変わらない。表面上は犯罪が減ったように見えるかもしれないが、禁酒法の時みたく地下にもぐり、見えなくなった分悪質に陰湿になるだろう。「死刑になりたい」と無差別殺人が起こる昨今の現実では「キラに殺してもらう為」に無差別殺人が増加する可能性の方が高い。「キラが出現して犯罪が減少」は子供の発想である。観賞時には「そういう世界だったら」と頭を合わせねばならない。ここで-3点。予備知識0で観賞したので、ノートのルールや夜神パパが月の父親と知った時はドキドキした。「どうやって追い詰めるんだろう?」と期待してたら死刑囚アナウンサー…。ちょっと待て…何やってんだ!命をもて遊ぶキラに対抗するのに同じ手を使ってどうする!違うやり方で追い詰めてこそだろ!「対極の位置にいる者の勝負」の醍醐味だろ~!期待は撃沈;またも「同じやり方で勝負」に頭を合わせる;-2点;合わせた頭で観ると結構よく出来てると思う。ルールを利用してドンデン返しの話を上手くつくっている。なんだかんだ言いつつ続きが超気になり後編をレンタル。原作もアニメも観賞してしまう;くそ~くやしいぜ負けたぜ~;(アニメはよく出来てると思った)瞬間快楽的な映画なので吸引力はすごいが心に残るものは少ない。1回オンリーの観賞がベスト。見る度に評価が下がると思うのでそこに-1点;
[地上波(邦画)] 4点(2009-11-26 16:23:55)
124.  ゆりかごを揺らす手 《ネタバレ》 
この話の元凶は医者の旦那ですな。患者に猥褻行為をしたばかりか、バレると妻も産まれてくる子供も置いて自分だけに楽になりやがって。(それと実名を暴露したマスコミか;)ペイトンも被害者。(かといって逆恨みは駄目だ)レベルは低いがセクハラ医者に合った事があるので、訴えを起こしたクレアの勇気は賞賛する。彼女に続いて他の女性が何人も声をあげたので、えん罪ではないと思う。後押しした彼女の旦那も私的には評価が高い。最後まで浮気しなかったし。感情の描き方もストーリー運びも秀逸だが、私にはどうも納得出来ない;結局最後は「邪魔者を殺してハッピーエンド」になっているから。ソロモンと分り合う場面を描いて誤魔化しているのも嫌だった。観賞者を納得させる為に、ソロモンをいびったり、関係ないクレアの友人を殺させて「ペイトンを殺してもいい理由」を作っていたのも…;「ペイトンが医者の妻だと分かってから」の展開に期待して観賞していたけど、アマゾネス対決になってがっくり。レベルダウンを感じた。それまで心理戦だったのに、どうしていきなり格闘戦になるの~;それも、ペイトンが途中で殴るの止めたりして不自然だし~;ペイトンの素性発覚後の展開として「世論の同情を利用してクレアにプレッシャーをかける」「子供に手を出すふりをして不安にさせる」などで心理戦を貫いて欲しかった。「自分は狙われている」と分かってからの方が恐かったりするし。なんにしてもあのラストは「自分達だけ良ければいいのよ~」というアメリカらしい発想が透けてみえた気がする。「狂気」「憎しみ」「家族の愛情」を描いていても「悲しみ」「本当の強さ」が描ききれていないように感じました。役者さんが良かっただけに残念です。
[DVD(字幕)] 5点(2009-10-21 15:44:49)
125.  Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼 《ネタバレ》 
映画のレベルは高いと思います。脇も存在感のある役者で固め、カメラも演出も洗練されてて重厚な仕上がり。いろんな事が同時進行で進み、人物がからみあってきますが、破綻せずに進むのは脚本が良いのでしょう。観客の受けを狙った派手なシーンや無理矢理な進行で「そんなばかな…」と絶句させられる事もないので、現実的な恐さがありました。スミス君は小物感たっぷりでらしい最後でした。百戦錬磨の殺人鬼に適う訳ないのよ;見せる部分と見せない部分のサジ加減も良かった。娘が自分を殺すんではないか?と不安がるので、ブルックスは自分の父親を殺してるかもな…と思いました。12歳からマーシャルがいるし。「羊」は全然気づかなかったです;確かにラストは彷佛とさせますね。このシーン、私は違和感を覚えました。挑発するなんてブルックスらしくない気がして。でも、マーシャルが止めるにも関わらず娘の為に殺人を犯したり、スミス君を自ら殺したり。あの目を開ける瞬間はマーシャルではない「殺人鬼ブルックス」が生まれた時だとしたら、電話をかける行為も納得出来ます(ケヴン・コスナーは好きな役者ではないけど、やっぱり上手いわ~と思いました)思えばこの映画の最初の殺人から予兆はあったのかも。カーテンの確認してないし、デミも死体の配置がらしくないって言ってるし。「完璧」なマーシャルではないブルックスの殺人はいつか捕まりそうです。新しさはないけど「一流シェフが作った卵だけのプレーンオムレツ」って感じで美味しく味わえた映画でした。が、やっぱり量が少ないのがもの足りない;「他の料理も注文してね(続編見てね)」って事でしょうか?;一発入魂して欲しかったかな~;
[DVD(字幕)] 7点(2009-10-07 11:41:46)(良:1票)
126.  ナインハーフ 《ネタバレ》 
官能的な映画の紹介になると高確率で名前があがる映画。未観でしたがやっと鑑賞。ミッキーがセクシーだという事が昔も今も分からない私;が、「蘭の女」とこの映画を観て気づきました。彼には場所が重要なのですね。湿気を含んだ熱気のリオや、NYの都会というバックがあると彼は非常に映える。大阪ミナミのひっかけ橋に立ったらチンピラに見えると思う;洗練された衣装にスタイリッシュな舞台は「危険な男と彼に溺れていく女」に説得力がありました。小道具を使って「触感」を感じさせるのはエロティックですね。過激ですが猥褻にならないから「恋愛映画」と受け止められる。冷蔵庫の光がセクシーに見えたのは初めてですが「冷気が逃げる~」と心のどこかで気にする自分が嫌;過激な内容に隠れがちだけど、キムが人つき合いの苦手な画家の個展の準備したり、元夫と友人がつき合い始めたり(夫は女性と上手くやっていけないのではなく、彼女と上手くやっていけなかっただけ)カウセリングを促す留守電が入っていたり、と心情的に結構考えさせられる部分もありました。もしかしたら、ミッキーの方にも「カウセリングの先生からお電話がありました」なんて秘書からしょっちゅう言われている男かも。やっぱり二人は似ていたのだと思う。男の方は先にそれに気づいた。しかし、不器用で倒錯して退廃的な部分だから、いっしょにいても破滅していくだけ。今度は女が先にそれに気づいて別れる。気づくまでに9.1/2必要だったという意味にもとれるかな?でも、この二人、違う相手と同じ事繰り替えすんじゃないだろうか?そして、またナインハーフで終わっちゃう。満たされなくて苦しいけど、満たされると魅力を感じない。なんてところが二人とも変われないような気がするのです。私にとっては哀しい男女の恋愛映画でした。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-10-02 11:50:22)
127.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 
学生時に心理学をかじった身としては、元が実話という現実感が肌で感じられて恐ろしかったです。(スタンフォード監獄実験=普通の大学生を「囚人役」「看守役」に分けると後者が前者を虐待し始める。ミルグラム(アイヒマン)実験と同じく超有名な心理実験。wikiにも載っています)羞恥心が欠如した権力者や、罰が与えられないと分った人間は、際限なく残酷になれる。描かれていませんでしたが、偽ウォルターに対し警察の脅迫洗脳があった事や(彼の無表情は戦渦で感情を失った子供のそれと重なる。母親の姿を見てホッとして初めて言いたい事が言えたのだろう)精神病院の『電気治療』において死亡した人がいても「病死」とされて闇に葬られただろう、などが察せられてゾッとしました。絶望的な状況の中で真実を主張し、戦い続けた母親の強さを尊敬します。彼女の崇高さは皆にとっても「希望」だったように思います。だからこそ、多くの賛同者や協力者を得られたのでしょう。牧師さんが普通に良い人で良かった。しかし、彼女は最後まで希望を追い続けても叶えられなかった。彼女の望みは警察の腐敗を暴く事でも、犯人を死刑にする事でもなく、息子を取り戻したかったのに…諦めた方が楽だろうに、希望を持ち続けた彼女は本当の意味で強い人間なのでしょう。少なくとも信じている間はウォルターは生きている。私も、ウォルターはどこかで生きていた、のだと思いたいです。 見事な脚本と演出があったとはいえ、AJの深みのある演技には驚きました。迫力あるシーンや言葉でなく、普通の動作で「心の強さ」を表現できる程とは思っていなかったです。ナイスバディで拳銃ぶっ放す姿しか知らなかったので;反省ですわ;
[DVD(字幕)] 8点(2009-09-28 10:50:14)(良:2票)
128.  ゴッドファーザー 《ネタバレ》 
子供の頃にチラ見したものをこの程ちゃんと鑑賞。残念ながら手放しの賞賛は出来ず。独特の映像美、俳優の存在感は素晴らしいが、共感も感情移入も出来にくかった。時代というものが大きいと思う。時代の象徴としてビトーとマイケルという二人のゴッドファーザーが描かれているように感じた。米国は今も昔も差別社会。イタリア系移民も家畜並の扱いをされてきた。昔の方が差別はひどく、冒頭の娘の暴行事件みたいなのは掃いて捨てる程あっただろう。その中で自分達の矜持と暮らしを守る為にマフィアに頼る。それ以外に選択肢はない時代があった(そういった背景をもっと感じさせて欲しかったかな)「殺人はいかん」と言い、息子を殺されても「平和協定を守る」と誓ったビトーはそんな時代に生まれた「守る為のゴッドファーザー」であった。が、時代は変わり「麻薬」も金になる、と手をだし、邪魔な者を次々と暗殺する「悪のマフィア」の時代がやってくる。マイケルはその時代の頂点に君臨したのだ。彼はどんな世界に生きても、手段を選ばず伸し上がる男に違いない。だからこそ「表」の舞台に立つべきだった。「裏」の世界で彼は容赦なく邪魔者を排除する。妻を欺き、義弟を殺し、義弟の子供の名付け親に平気でなれる。この映画は、今の時代にふさわしい「悪のゴッドファーザー」誕生の物語だと思う。そうならざる得なかった部分がもう少し欲しかった。マイケルが「皆を守る為」にやっている事が、結局は大切な人を苦しめているのだともっと強調して欲しかったと思う。「頂点の男の孤独と苦悩」と解釈するには、マイケルのやっている事がむごすぎる。
[DVD(吹替)] 4点(2009-09-17 16:49:54)(良:1票)
129.  レッド・バイオリン 《ネタバレ》 
なんの予備知識もなく鑑賞しました。タロット占いで「旅をします」と言われていたので、当初は男の子が世界各国をバイオリンと共に渡り歩き、偉大なバイオリニストになる話なのかなと思いました。が、亡くなってしまうので、そこからバイオリンが時代を渡る話なんだと分かりました。一番せつなかったのは、中国の時代。芸術家にとって芸術そのものが否定されるのは魂が引き裂かれる想いがする事だろう。あのネガネの男の子が成長してオークションに来ていたので、きっとお母さんとの約束を破った事をずっと気に病んでいたのだろう、と感じました。鑑定士がバイオリンを手にした時、もしかして死んでしまうのではと不吉な予感を覚えましたが、はずれてよかった;車が止まってホーっとしました。彼はバイオリン工房にいた弟子の子孫だった、なんてオチがあるかと思いきや、なかったのでちょっと拍子抜け。けれど、彼が娘に電話していたので「もしやこの娘がアンナの生まれ変わり。またはアンナに姉妹がいてその子孫では?」と考えた時、つながったような気がしました。「血の元に還った」として「旅が終わった」のも納得。なので私としてはこの解釈でいきたいと思います(笑)某学者の「世界中のあらゆる場所、あらゆる時代にあらゆる文明が誕生して消えていったが、音楽のない文明は一つもなかった」という言葉が深く噛みしめられる映画でした。
[DVD(字幕)] 7点(2009-09-14 16:48:41)
130.  ブラッド(2006) 《ネタバレ》 
深夜に放送していたのをリューが出ているので録画して観賞。な、なにもかもが中途半端な映画でした;新しい吸血鬼像をつくりあげようとしていたのかな?牙ないし太陽平気だし、死んでも灰にならないし…;どっちかというと血を吸うゾンビ?B級映画なりに頑張っていたのは分かる。努力は分かるけど認められるかというと別問題でして;雰囲気はよく出てたんだけど脚本がまとまってない印象。人間の時の説明に時間取りすぎかな。回想にして流すべきだった。その分復讐の部分を厚くすればよかったのでは?予算がなかったから、脚本をどんどん変更していったのかな?「リューの時間がとれない?じゃあ、あのシーンカット」「セットにお金がかかりすぎる。よし、他の場面に差し換えて撮影だ」みたいな?;ヒラリー・スワンクの「リーピング」みたく事務所や契約関係でリューが出演したような気がする。リューは可愛いしスタイル良い~v一番こけたのが警察官の父親。生きている娘に再会してあんなに喜んでたのに、「殺してすまない」と謝ると「ただの死体だ」。そ、それはないでしょパパン;あ、ふと思ったんですが、最後に蘇ったって事は他の吸血鬼も蘇っているのでは?評判良かったら「2」とかやるつもりだったとか?そ、それは…(以下同文;)
[地上波(字幕)] 3点(2009-08-31 15:58:50)
131.  サイコ2 《ネタバレ》 
「サイコ」の続編、と聞いてあまり期待せずに観賞しましたが、どうして、どうして。見事な正統派続編で良作だったと思います。ノーマンは本当に治っているのか?女性は助かるのか?殺しているのは誰か?謎が不気味さに覆われた形で物語は進み、その緊迫感が怖いのなんの;幼い頃の話をするノーマンが哀れで可哀想でした。精神に異常をきたしたものは、それだけの理由がある。前作で真相を暴いた妹が、ノーマンばりの異常者に見えてゾッとしました。彼女も過去の傷からこうなったのでしょうか?「闇を見つめる時、闇もこちらを見つめている」の言葉を思いだしました。心理学的に言えば、精神不安定な犯罪者は、犯罪を犯した場所から離れなければならないそうです。ノーマンが最後にああなったのも、彼が「犯罪者」になった場所に戻ってきたからでしょう。あの呪われた「母のいる家」に。正気だった時のノーマンは孤独で自分の過去を自覚して辛そうでしたが、最後は解放されたかのようでした。「人間って他人を犠牲にしても、自分が楽になる方を選ぶんだな…」と痛切に思いました。それが一番恐ろしかったです。 正気を失った殺人鬼でいる間は自分の犯した罪と向き合わずにすむのだから。
[地上波(吹替)] 7点(2009-08-20 11:34:13)(良:1票)
132.  つぐない 《ネタバレ》 
自分が加害者である、と認める事は人の罪を許すのと同じぐらい難しい。彼女は小さい頃はあんなに独裁的だったのに、すっかり変わっていた。人を思いやる心をもち、人の悲しみも罪も美しさも理解していた。「救済」を行う決意も固めていた。自分の罪を認め、一生を償いに捧げる覚悟をしていたからだろう。その勇気は相当なものだと思う。「つぐない」とは、決して許されない事を前提に行うべきものである。「許される」為に行う償いは、償いではなく、その時点でその人に許される資格はない。無期懲役の囚人が「仮釈放」の申請を自ら行う事が出来ないのと同じように(申請する時点で「仮釈放」の資格はない、と判断される為)彼女はそれを分かっていた。自分の罪を認め、決して忘れぬように決めていたに違い無い。だが、病気の為に彼女は「忘れる」ようになってしまう。だから、世界中の人に「自分の罪を知ってもらい、覚えてもらう」為に小説を書いたのではないだろうか?決して「許される」為に書いたのではないと思う。最後の結末の変更は読者の為であろう(彼女の他人に対する優しさが感じられる)彼女のした事は取り返しのつかぬ事体を招いてしまった。しかし、誰にでも起こり得る事である。その時、彼女のように勇気をもって「自分の罪を認められる」人が、何人いるだろうか?「罪の告白」はかなりの勇気と覚悟を必要とする。罪を自覚し、一番苦しんでいたのは彼女であろう。最後まで彼女は苦しみ続ける事を選んだ。それが「つぐない」なのだから…加害者の苦しみと哀しみを美しく描いたこの作品は稀な映画であると思う(蛇足ながら…いくら美しいからって監督、キーラにタバコ吸わせすぎです;)
[DVD(字幕)] 7点(2009-08-18 10:42:34)(良:2票)
133.  シルク(2007) 《ネタバレ》 
この作品のストーリーは簡単に言ってしまえば「青い鳥」。秘めた情熱に身を焦がし、求めるものを命がけで求めるが、実は家にあったのです。でもストーリーはさほど重要ではないと思う。行動の理由もいらない(忘れる)あれば下世話になったかもしれない。あの手紙の言葉通り「感じ」ればいい。誰一人として、醜い欲望に生きている人がいないのが、また美しい。「沈黙」が雄弁である、と気づいたのはちょっと大人になってからです。「沈黙の音楽」や「無い香りを聞く(ユリの庭)」これはそんな映画であると思う。いつも夫の帰りを待ち、話さない事に何も言わないエレーヌの気持ちがなかなか分からなかったけど、ラストの手紙で氷解しました。彼女も静かな情熱の炎を燃やしていたのだと。表に出さないからといって、冷静なのでも感情が乏しいのでもない。内に秘めた分だけ激しい時もある。手紙というのがまた良い。文字を書く、という行為はその人の体温を感じさせ、肉筆は間接的に「触れる」事になるから。メールなどの文字って結局「記号」だもんな~;艶がないのです;この映画はとにかく「間接的」に情熱を描いている。原の妻である自分が裏切る訳にはいかないので、日本の少女が別の女性を通じて彼と契りを交わした事やエレーヌの深い愛情もマダムを通して彼は知る。(米国映画あたりなら、命がけで日本にやってきた男と一夜過ごした少女が彼の子供を産む、なんて話になっていたかもしれない;それでは、あの美しさが台無しになる;)日本の役者さん達は皆すごかった。台詞も少ないのに、あの存在感と雰囲気を出せる俳優はそうざらにはいない。映像と音楽の美しさと、内に静かな情熱を燃やす登場人物に酔いしれました。
[DVD(吹替)] 8点(2009-07-31 00:31:06)(良:1票)
134.  ダーティハリー 《ネタバレ》 
私のアンチヒーロー好き(判官贔屓)を決定づけたといってもよい作品。今だ私はダーティーハリーを超えるアンチヒーローは出会っていない。犯罪者に対して容赦のないハリー。暴力には暴力で返す。しかし、それは決して正義ではない事をハリー自身は知っている。彼はひねくれ者で常に哀しみと孤独を纏っている。その哀しみとは周りの人々に理解されない事ではなく(彼はそんなに弱い人ではない)そんな生き方しか出来ない自分を嫌悪しているところからきている。けれど、他の生き方など出来ない自分も知っている。ラストで彼が警官のバッジを投げるのは「警官が正義を貫けないなら警官なんて辞める」という意味ではない、と私は解釈している(それならば、もっと爽快感があってもいい)私はハリーが「自分は警官にふさわしくない」と感じたからだと思う。今までハリーは無茶をやってるけど、ぎりぎりのところで警官としてのプライドと誇りを守っていた。しかし、ラストでハリーは卑怯な騙し撃ちをする(自分の命が危うい訳でもない)個人の憎しみで人を殺してしまえば、殺人と同じで犯罪者と同等にまで堕ちてしまう。犯罪者を裁く立場の警官がしてはならぬ事なのだ(それが許されるのなら、警官なら人を殺してもいい、事になってしまう)ハリー自身が一番よく分かっている。だからこそバッジを投げたのだ。犯罪者と同じところに堕ちなければ裁けないほど病んだ社会。堕ちると分かっていても裁かずにはいられない孤高の男の哀しみの映画である。しぶすぎる!(今って「私は正義だ!」と画面からわめいているようなヒーローが多くて嫌;)
[地上波(吹替)] 8点(2009-07-28 23:23:55)(良:5票)
135.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
私的にはエヴァは「歪んだ社会と狂った大人に壊されていく子供達のお話」という解釈。ゼーレとか補完計画などは「歪んだ社会」「狂った大人」を構築する演出だと思っているので謎が解明されなくても別に気にならない。大きさの違いはあれど、生きていく過程で「子供の自分」が壊れる(壊される)のは誰もが経験する通過儀礼。「壊される子供」の進む道や救いの何かがエヴァの物語の中で示されるかもしれない、と感じたからあんなにブームになったのでは?が、旧エヴァは「壊された子供」はそのままで終わった。制作側が「進む道や救い方が分からなかった」か「これが救いです、と安易に示したくなかった」か、だと推察する。しかし、それでは物語の中の「子供を壊す狂った大人」と同じです。制作側はあくまで制作者で「登場人物」になってはならない。「制作して世に出す」意味が無い(自分のブログでもやればいい)何より子供をバカにしている。子供は残酷でしたたかな面がある。歪んだ社会と折り合いをつけて上手くやっていけたり、時には大人を食い殺す事だって出来る。または「すべてを破壊する」事も。新エヴァは制作側がどの視点から物語を描けるか、で変わると思う。旧エヴァと同じように「狂った大人」の視点からしか描けない「決して大人にも世界にも牙を向けない子供」の物語であるなら、凡作になる可能性がある。う~ん…この「序」を観た限りではなんとも言えない。あんまり期待せずに次回を待ちたいと思う。「序・破・Q」は能を意識しているのでしょうか?
[地上波(邦画)] 5点(2009-07-08 11:50:46)
136.  トランスフォーマー 《ネタバレ》 
90分にまとめられる内容だったと思います。脚本がひどい…;薄い事は覚悟してましたが予想を下回ってました;脚本を重視する傾向のある私には観るのが途中で辛くなってきた;マイケル監督は、大儀をふりかざして街を破壊し、関係ない人達を自分の代わりに死なせる迷惑きまわりない人物を描くのが得意。妻と子どもの元に帰る為だったら中東の子供を利用する自分勝手なアメリカ軍人が「街へ行って応援を…」という台詞を喋った時、正直「また街中破壊か…」と思いました。この軍人は銃で脅して言う事聞かなかった殺してもいいと考える人物で、世界中で1千万人以上の子供を殺している米軍らしい最悪軍人でした。市民の犠牲を回避するとか微塵も考えない。(敵が襲ってくるのが分かってるのに)主人公も「犠牲なくして」って君は何を犠牲にしたの?車も失ってないし、ラストにちゃっかり女も手に入れたし…犠牲になったのは市民達でしょ。ゴイスな無責任男です;オプティマスはかっこよかった。「地球人を我々の犠牲にさせる訳には…」って地球人が地球人犠牲にしてるんだから、あんまり気を使わなくていいんじゃないの?とか思ってしまった;
[地上波(吹替)] 3点(2009-06-26 21:33:52)
137.  ルパン三世(1978) 《ネタバレ》 
初めて観た時はまだ子供だったので、深いところまでは読めなかったのですが、奥深さは感じていました。大人になってから観て改めて傑作である事を実感しました。ギャグ全開のルパンではなく、アダルト、ハードボイルドのルパン。内容も哲学的で社会風刺も盛り込まれてシビアです。登場人物の描き方も素晴らしい。個々の「信じるもの」「生き様」が交差する奥深い脚本にはうならせられるばかりです。仲間とは「同じ意見をもつ者」ではなく「認め合う者」。だから、ある意味銭形警部も仲間です。(最近は違う意見を持つものを悪と決め付け、排除する傾向があって非常に浅い)人は誰でも自分の信じるものを、生き方選ぶ自由がある。例え神であろうとそれを強制する事は出来ない。マモーは死を恐れるあまり「生き方」を失ってしまった哀れな人物。死から逃れようと神になったと思いこむ。ルパンは人間である事を気づかせる男だったのであんなに毛嫌いしていたのではないでしょうか。一番印象に残っている台詞は「ルパンは夢をみない!」ルパンこそがもっとも神にちかい精神をもっているのかも?う~ん、やっぱり哲学的だわ~この映画こそが「クラッシック」になってしまったのは残念でなりません;もう二度と作れないだろう傑作です。
[地上波(邦画)] 9点(2009-06-20 20:50:27)
138.  ステイ 《ネタバレ》 
評価が低いので少し驚きましたが、感覚の映画なので、そうなるのかな~と思いました。謎が解けるのを期待した方には「裏切られた感」があるのでしょうか?私的には初めて「死を肌で理解した」時の感覚に非常に近いので高評価です。私は甥が産まれた時、「生命」を頭でも理屈でも心でもなく触感に感じ、同時に「死」がストンと私の中に入ってきました。産まれてきた以上いつか死ぬ。死亡率は100%です。孤独と淋しさと共に、命がとても小さく愛しいものであると感じました。その時の皮膚感覚とこの映画で表現されるものがとても近いのです。話が進むにつれ、これが現実でない事が分かってきましたので、私はてっきりユアンの方が意識不明なのかと思っていました(彼が車の事故に巻き込んだのかと)彼を看取った後、二人は「眠れそうにない」と言いましたが私もそうなるな、と思いました。彼に訪れた「瞬間」はいつか私にも訪れるからです。いつ、どんな形で「死」が舞い降りてくるか誰も知りません。これは普通の男性の、年間何万件もある普通の事故死です。「普通の男性」にも生きて来た人生があり、大切な人がいて、奪われた時の悲しみ、苦しみ、その想いは偉人やヒーロー達と変わらないのです。そして「死」も。それをここまで表現したこの映画は、見えにくいけれど深い映画だと思います。(個人的感想なのですが、観賞は吹替の方がいいかも知れません。主役二人の男性の息づかいの演技がすごく上手いんです!似てるし←これがポイントですね)
[DVD(吹替)] 8点(2009-06-15 09:41:37)
139.  CASSHERN 《ネタバレ》 
私はアニメ「キャシャーン」の大ファンです。だから観た時の「ハートブレイク衝撃」はかなり大きかった;(アニメ「キャシャーン」より、エヴァの方が近い気がする;)この映画は「キャシャーン」である必要はまったくなかった。むしろ足引っぱっていたと思う。宣伝はアニメ「キャシャーン」のイメージを意識して流していたから駄目。その方向で期待した人が多いのではないか?内容はアニメ「キャシャーン」とはまったく違う。孤独に戦う主人公を通して見る世界ではなく、様々な人々の苦しみと葛藤と欲望が渦巻く話であった。完璧な反戦映画であり、その部類の映画としては一級であると思う。渾沌とした独自の世界観、人間の醜さやむなしさ、狂気と不寛容さ、そして救いを描いていて素晴らしい。俳優の演技も良かった。だからこそ真っ向勝負して欲しかった。アニメ「キャシャーン」を意識した部分はすべて不要だったと思う。せめて「キャシャーン」をオマージュみたいな扱いにしてくれてたらな~;主人公にあそこで「キャシャーン」を名乗らせる意味はなかったし、変なコスチュームも、ロボット軍団と戦うシーンも無用だった。妙にアニメを意識して浮いているように感じた;初監督だから「原作」がないとGOサインが出なかったかもしれないけど、マジで「キャシャーン」使うの止めてくれ~と思った;私、このレビューで何回「キャシャーン」って言ってますかね?(^^;)本当に好きなんだよ~;その点だけ恨むぜ監督ぅぅ~だから、この点数です;ごめんなさい;(ちょっと思ったけど、R-12指定ぐらいにすべきじゃないかな?実験のシーンとか結構気持ち悪い;)
[映画館(邦画)] 5点(2009-06-13 16:36:29)
140.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
この映画の素晴らしさは皆様が語って下さっているので、ウォルトを殺したチンピラについて私なりに思うところを。私はウォルトが彼等に「罪を犯せば罰がある」事をきっちり示したのではないか、と感じました。彼等も差別の犠牲者なのでしょう。白人が拳銃をもてば、こっちはマシンガンをもてばいい。社会に虐げられてきたから社会に復讐していいんだ、と言わんばかり。ですがそれは幼稚なへ理屈。現に彼等は自分達を虐げた者ではなく、自分達より弱い者に牙を向けました。ラストでウォルトが彼等に言った台詞「同族の女を暴行し~」には「お前達は強者に沈黙し弱者をいびる臆病な卑怯者だ」という意味があったように思うのです。「人を殺した最悪さ」を知った彼等がどう変わっていくかは彼等次第なのでしょう。弱者を守るのは社会の仕事。でも、病んだ社会は常に強者に味方する。「大人には子供を守る義務がある」と大人になって気づきました。大人だって死にたくないけどタイタニックに乗船していたら、子供を押し退けて救命ボートに乗る訳にはいかない。残念な事に子供を押し退ける大人が多いのが現実;頑固で偏屈な大人に守られたタオとスーはきっと子供を守れる大人になれる。その未来に希望を感じるのです。御葬式や遺言の場で息子さんがタオを見ていましたが「お父さんの心を取られたみたいで少しくやしいかな?」と思いました。私の観た映画館ではエンド~の途中で席を立った人は一人でした。
[映画館(字幕)] 8点(2009-06-08 13:10:10)(良:3票)
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